JP4077292B2 - 熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置 - Google Patents

熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から金型の附形面上に押出すと共に、前記へラ部を所定速度で移動させながら、前記金型の附形面上に溶融樹脂を塗布する熱可塑性溶融樹脂の塗布方法およびこの方法の実施に使用される熱可塑性溶融樹脂の塗布装置に関するもので、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の高粘度の一般の熱可塑性樹脂を数μmから100μm以下に塗布することが可能な熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置に関するもので、限定するものではないが特に、高品質かつ高寸法精度で複雑三次元形状を有する薄肉大面積の高分子系光導波路、プリズムシート、フレキシブルディスプレイ(有機ELなど)基板、フレキシブルモノリシック基板、軽量太陽電池用基板等の製造に適した熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、光通信用部品の一つである光導波路は、現状ではガラス基板の表面に、それより屈折率の大きい薄膜を付けたものが大半を占めている。その理由の一つは、光通信用部品に求められる微細な形状加工と、優れた光学特性を両立する上で好適なためである。しかし、ガラス製の光導波路の製造には1000℃を越える高温プロセスが必要で、加えて1プロセスに12時間前後と長時間必要なため、生産性に乏しく、製品が高価なものになっている。
【0003】
上記のような基板に薄い樹脂膜を形成する方法に、例えばスピンコート法(小林昭:超精密生産技術体系 第4巻 応用技術、株式会社富士テクノシステム、1996、p192〜193)が知られている。このスピンコート法は、平板上に溶融樹脂を垂らした後に平板を高速回転させ、その遠心力で溶融樹脂を半径外方に広がらせ、そして余分の溶融樹脂を平板外に飛ばし、板上に残った樹脂で成膜する方法である。この方法によれば、図5に示すような製造プロセスを経て高分子系の光導波路を得ることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−244116
【特許文献2】
特開2001−358436
【0005】
本発明の直接的な先行技術を構成するものではないが、溶融樹脂の塗布・成膜という広い観点からみて従来の技術として、例えば特許文献1を挙げることができる。この文献に開示されている樹脂充填用の装置は、図6の(イ)に示されているように、ゴム、鉄、ステンレスなどの金属、あるいはセラミック等から形成されているスキージすなわちヘラ60を備えている。そして、ヘラ60の先端部はナイフ状に加工され、その面61とマスク63とがなす角度は2〜60度になっている。したがって、マスク63上に溶融樹脂62を供給し、そしてヘラ60を矢印方向に駆動すると、溶融樹脂62はマスク63の開口部64を介して、その下方に配置されている基板に達する。これにより、基板のスルーホールを溶融樹脂で充填することができる。
【0006】
また、上記装置と同様に本発明の先行技術をなすものではないが、類似した装置として、特許文献2により図6の(ロ)に示されているプリント配線板の製造装置が提案されている。この装置は、スキージすなわちヘラ70と、ペーストが貯えられているタンクすなわちシリンダ71とからなっている。シリンダ71には、ペースト73の押出用のピストン72が設けられている。したがって、基板75上にマスク77を載置し、ピストン72によりシリンダ71中のペースト73を押し出し、そしてスキージ70を矢印方向に駆動すると、溶融樹脂73はマスク77の貫通孔78を介して、基板75のスルーホール76に充填される。
【0007】
さらには、微細形状の転写性が優れていると言われている既存の熱可塑性樹脂の成形加工方法の一つとして、射出成形方法が挙げられる。この射出成形方法により、固定金型と可動金型とで構成されるキャビテイに、射出ユニットから溶融樹脂を射出・充填し、そして冷却固化を待って可動型を開いて、キャビテイの形状をした成形品を得ることができる。
また、その表面に微細加工された加熱ロールに、フィルム・シートを押し当てて、シートに微細な加工をするフィルム・シート成形方法も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
スピンコート法は、前記文献に記載されているように実用に供されてはいるが、溶融樹脂は遠心力により塗布されるので、粘度の影響を受けやすが、温度の制御が格別になされていないので、比較的低粘度(〜100Pa・s程度)の紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂などが適用され、高粘度の熱可塑性溶融樹脂の塗布は困難と思われる。しかも、スピンコート法は、平板上に樹脂を垂らした後に平板を高速回転させ、板上に残った樹脂で成膜する方法であるので、溶融樹脂の90%以上を捨てるという無駄の多い塗布方法でもある。加えて、UV硬化樹脂のような反応によって硬化する樹脂が用いられているので、硬化に時間を要し、生産性の向上には限界がある。このような硬化時間による生産性の問題も、300〜400℃以下の範囲で、加熱と冷却によって迅速に溶融・固化させることができる熱可塑性樹脂を用いることができれば解決されるが、上記のスピンコート法によると、遠心力により塗布されるので、高粘度(1000Pa・s〜)の一般的な熱可塑性樹脂で成膜することは極めて困難である。
【0009】
特許文献1に開示されているヘラ60は、スルーホールに溶融樹脂を充填するためのものであるが、ヘラ60を移動させることにより溶融樹脂を伸ばし、一応塗布することはできると思われる。しかしながら、塗布する溶融樹脂は、「23±1℃における粘度が20〜100Pa・s程度」が好ましいと説明されているように、高粘度の熱可塑性溶融樹脂の塗布は困難と思われる。また、特許文献2に示されている装置も、同様にヘラ70を備えているので一応塗布することはできる。しかしながら、塗布する溶融樹脂は、粘度の低いエポキシ系樹脂を用いるのが好ましいと記載されているように、高粘度の熱可塑性溶融樹脂の塗布は想定されていない。
【0010】
射出成形方法によると、微細形状の転写性が優れていると言われているが、数μmオーダー角の微細溝に対する転写率は50〜80%である。また、製品のアスペクト比「L/t」、すなわち流動長さ/製品厚さの比が大きくなるにしたがって、金型内の溶融樹脂は、細い流路を遠くまで流動する必要がでてくるので、高圧・高速での充填が必要となる。この樹脂流動と、金型内での急速冷却によって溶融樹脂の分子配向が生じ、製品に光学的な歪みが発生する。結果として、光部品としての光学特性を満足することが困難になる。結局、射出成形で成形できる製品のアスペクト比L/tは600前後が限界と言われており、薄肉かつ大面積の製品を得るのは困難である。
これに対し、フィルム・シート成形方法によると、アスペクト比L/tの大きな薄肉大面積の製品を得ることができる。しかしながら、シートに微細な加工をする場合は、フィルム・シートを微細加工した加熱ロールに押し当てて成形することになるので、転写性は射出成形に及ばない。また、得られる形状は2次元形状のシートに限定され、複雑な3次元形状の成形はできない。これは、今後の光通信部品の集積化、例えば導波路の二階建て構造等への対応ができないことを意味している。
【0011】
本発明は、上記したような従来の問題点あるいは欠点を解決した熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置を提供することを目的とし、具体的には従来からある比較的高粘度の一般的な熱可塑性樹脂を塗布・成膜できる熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置、さらには今後の進展が類推される高分子光通信部品の集積化に対応するための複雑な3次元形状の塗布・成膜に対応できる熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置を提供することを目的としている。さらに具体的には、樹脂ヤケによる劣化の問題が解消されると共に、熱可塑性溶融樹脂の粘度も調整され、また光学的な歪みの問題もなく、さらには熱可塑性溶融樹脂の無駄な消費もない熱可塑性溶融樹脂の塗布方法および塗布装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる熱可塑性溶融樹脂の塗布方法あるいは塗布装置は、上記発明の目的を達成するために、樹脂貯蔵部を備えている。この樹脂貯蔵部は、望ましくは従来周知の形態をしたシリンダから構成されている。そして、樹脂貯蔵部には、樹脂貯蔵部の外部に設けられた、例えば押出機などの従来周知の樹脂可塑化装置によりあらかじめ可塑化された熱可塑性溶融樹脂が供給されるようになっている。この樹脂貯蔵部すなわちシリンダは、温度検出手段と加熱手段とを有しており、シリンダ内の温度は使用する樹脂を溶融した状態で維持できるように、適切な温度に制御されるようになっている。また、樹脂貯蔵部に溜められている熱可塑性溶融樹脂は、ピストンなどに代表される押出・加圧機構により、樹脂貯蔵部から塗布部へ押し出すことが可能なように構成されている。押出・加圧機構は、その駆動速度もしくは押圧力が設定値になるように、また加熱手段も設定温度になるように、例えばPID制御すなわち比例積分微分制御により制御されるようになっている。
【0013】
また、本発明は上記目的を達成するために、塗布部はヘラ部を備えている。ヘラ部は樹脂貯蔵部に連通し、そして樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂は、ヘラ部に設けられている開口部から金型の附形面上に供給あるいは押し出されるようになっている。開口部は、望ましくは1個のヘラ部に対して複数個独立的に設けられ、そして各開口部はニードルなどの開度調節手段により、その開度が調節されるようになっている。上記開度調節手段も、さらにはヘラ部の外周部に設けられている加熱手段も、設定値になるように例えばフィードバックにより制御される。このように構成されている開口部は、より厳密にはヘラ部の進行方向の前方に位置している。
【0014】
ヘラ部の開口部から押し出される熱可塑性溶融樹脂は、望ましくは赤外線ヒータ、レーザ光等の加熱手段により、塗布する前に局部的に加熱される。これにより、金型の附形面上に押し出される熱可塑性溶融樹脂の粘度は低くなる。
【0015】
上記のように構成されている熱可塑性溶融樹脂の塗布装置は、少なくともヘラ部は、塗布操作時には金型の附形面に沿って移動させられる。このときの移動速度も、熱可塑性溶融樹脂の押出量に見合った速度に制御される。これにより、熱可塑性溶融樹脂は過不足なく塗布される。このような移動のために、あるいは3次元駆動のために、本塗布装置はロボットなどのアームに取り付けることができるようになっている。ロボットのアームに取り付けると、ロボットが持つ自由度によって、塗布装置すなわちヘラ部をXYの並進方向の移動、あるいは上下左右方向への直線方向、並進方向ならびにXYZ軸周りの回転方向等に駆動可能となる。さらには、熱可塑性溶融樹脂を押し出しながらヘラ部を移動させることにより、熱可塑性溶融樹脂を3次元形状の金型の附形面に厚み分布を変えながら塗布・成膜することができる。また、塗布した熱可塑性溶融樹脂をプレスして、厚みと寸法の精度が高く、微細形状への転写率をさらに高くした薄肉かつ三次元形状の塗布膜を得ることができる。
【0016】
かくして、請求項に記載の発明は、樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面と所定の間隔を保持して、そして所定速度で移動させながら、前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布するとき、前記へラ部と金型の附形面との間隔に充填しうる量以上の熱可塑性溶融樹脂を吐出することで、前記へラ部と金型の附形面との間隔が熱可塑性溶融樹脂の塗布厚みとなり、かつ、附形面上の微細形状部内に熱可塑性溶融樹脂が押し込まれるように、前記ヘラ部と金型の附形面との間隔と、熱可塑性溶融樹脂の吐出流量と、前記ヘラ部の移動速度とを調節するように構成される。請求項に記載の発明は、樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面と所定の間隔を保持して、そして所定速度で移動させながら、前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布し、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型でプレスするように構成される。請求項に記載の発明は、樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面と所定の間隔を保持して所定速度で移動させながら、前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布するとき、前記樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂の温度と熱可塑性溶融樹脂の吐出流量とを調節し、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型の附形面でプレスするように構成される。請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載の方法において、ヘラ部の開口部の開度を調節するように構成される。請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載の方法において、熱可塑性溶融樹脂を、並列的に配置されている、または設けられている複数個の開口部から金型の附形面上に押し出すように、そして請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれかの項に記載の方法において、ヘラ部を最大でXYZ軸の並進方向および回転方向に移動させて塗布するように構成される。
請求項に記載の発明は、熱可塑性溶融樹脂が貯えられる樹脂貯蔵部と、ヘラ部を備えている塗布部とからなり、前記樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂が前記ヘラ部の開口部から金型の附形面上に押し出され、前記ヘラ部を金型の附形面に沿って移動させることにより金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂が塗布され、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型でプレスするようになっている塗布装置であって、前記樹脂貯蔵部と塗布部には熱可塑性溶融樹脂を所定温度に保つための加熱手段が、前記樹脂貯蔵部には熱可塑性溶融樹脂を前記ヘラ部の開口部に向けて吐出する吐出手段が設けられ、前記加熱手段と吐出手段は制御装置により設定量になるように制御される。請求項に記載の発明は、熱可塑性溶融樹脂が貯えられる樹脂貯蔵部と、ヘラ部を備えている塗布部とからなり、前記樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂が前記ヘラ部の開口部から金型の附形面上に押し出され、前記ヘラ部を金型の附形面に沿って移動させることにより金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂が塗布され、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型でプレスするようになっている塗布装置であって、前記樹脂貯蔵部と塗布部には熱可塑性溶融樹脂を所定温度に保つための加熱手段が、前記樹脂貯蔵部には熱可塑性溶融樹脂を前記ヘラ部の開口部に向けて吐出する吐出手段が設けられ、前記加熱手段と吐出手段と前記ヘラ部を金型の附形面に沿って移動させる移動手段は、制御装置により設定量になるように制御される。請求項に記載の発明は、請求項7又は8に記載の装置において、ヘラ部には、それぞれ独立した開度調節手段が設けられている複数個の開口部が形成され、請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれかの項に記載の装置において、塗布装置が複数個集められて、1個の塗布装置となっているように、請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれかの項に記載の装置において、ヘラ部の開口部の近傍には、該開口部から押し出される熱可塑性溶融樹脂を局所的に加熱する加熱手段が設けられ、請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれかの項に記載の装置において、塗布装置がXYZ軸の並進方向および回転方向に移動可能な移動手段に取り付けられるように、請求項13に記載の発明は、請求項7〜12のいずれかの項に記載の塗布装置を少なくとも2台以上備え、各々の塗布装置に熱可塑性溶融樹脂が貯えられるように構成される。請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の塗布装置を使用した請求項1〜のいずれかの項に記載の塗布方法であって、1台目の塗布装置で金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布した後、2台目の塗布装置で前記1台目の塗布装置で塗布された第1層の上に同様に第2層を塗布し、以下同様な塗布操作を繰り返すことにより、少なくとも2層以上の複数層の塗布を行うように構成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1の(イ)は、本発明の第1の実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置A1の要部を示す断面図であるが、同図に示されているように、本実施の形態に係わる塗布装置A1は、概略的には樹脂貯蔵部であるシリンダ1と、このシリンダ1に付属して略一体的に設けられている塗布部10とから構成されている。シリンダ1は、従来周知のように全体として円筒状を呈し、その内部には、例えば油圧シリンダユニットからなるピストン駆動装置3により、図1の(イ)において上下方向に駆動されるピストン2が設けられている。したがって、ピストン2を下方へ駆動すると、シリンダ1内に貯えられている溶融樹脂には圧力が立ち、溶融樹脂は所定速度で詳しくは後述する塗布部10を介して被塗装面に押し出されることになる。シリンダ1の側部には、樹脂補給路4が開けられている。そして、この樹脂補給路4に対応してロータリバルブ5が設けられている。なお、図1の(イ)には示されていないが、本塗布装置A1には、固体状の樹脂を溶融する可塑化装置例えば押出機が設けられ、押出機で可塑化される溶融樹脂は、ロータリバルブ5を介してシリンダ1に供給されるようになっている。このように、本実施の形態によると、固体状の樹脂は押出機で可塑化され、シリンダ1は押し出し専用となっている。したがって、シリンダ1内の溶融樹脂の押出量は、ピストン2の駆動速度によりきめ細かに制御されることになる。このように構成されているシリンダ1の外周部には、発熱手段としての複数個のヒータ6、6、…が設けられている。これらのヒータ6、6、…の発熱量は、後述する制御装置20で演算されるヒータの操作量に基づいて、ヒータ6、6、…への通電時間をON/OFFする電磁接触器またはSSR、ヒータへの印加電圧を調節するサイリスタ等で制御されるようになっている。
【0018】
シリンダ1の下端部は、テーパ状に絞られ、そして樹脂通路7となって塗布部10に連なっている。塗布部10は、溶融状態の樹脂が通過する、あるいは一時的に貯えられる樹脂調整部11と、その下端に位置するヘラ部12とからなっている。ヘラ部12は、例えば不銹鋼、セラミック等から形成されている。そして、その表面は研磨され、あるいは摩擦抵抗の小さい、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(四ふっ化エチレン−パーフルオロアルギルビニルエーテル共重合樹脂)、FEP(四ふっ化エチレン−六ふっ化プロピレン共重合樹脂)等の樹脂でコーテイングされている。ヘラ部12の下端部は斜めに切り落とされ、そして切り落とされた斜面13を前方にして矢印D方向に所定速度で駆動あるいは移動されるようになっている。このように斜面13が移動方向の前方に位置するので、斜面13に溶融樹脂の出口となる開口部14が開けられている。開口部14は、図1の(イ)では1個だけ示されているが、望ましくは複数個設けられている。これらの開口部14は、本実施の形態では1個の樹脂調整部11と連通している。そして、各開口部14には先端部がテーパ状に縮経されているニードル15がそれぞれ設けられている。ニードル15の上端部は、例えば電動モータ、ネジ機構等からなるニードル駆動装置16の出力軸に接続され、そしてグランドパッキン17、17によりシールされて、樹脂調整部11の方へ伸び、そのテーパ状に縮経されている下端部は、開口部14に及んでいる。したがって、ニードル駆動装置16によりニードル15を適宜上下方向に駆動すると、開口部14の開度が調節されることになる。なお、ヘラ部12の外周部にも、発熱手段としてのヒータ18が設けられている。このヒータ18の発熱量も前述したように制御される。
【0019】
本実施の形態によると、溶融樹脂の塗布装置A1は制御装置20も備えている。制御装置20は、設定値と検出値あるいは測定値とを比較し、その偏差量に基づいてPID制御などの制御アルゴリズムに基づいてその操作量を算出する演算機能を備えている。また、ヘラ部12の開口部14の開度すなわちニードル15の位置と、ピストン2の駆動速度とから溶融樹脂の押出速度を演算する機能も有する。さらには、押出速度と開口部14の開度とから溶融樹脂の押出量を演算する機能も備えている。また、溶融樹脂の押出量からヘラ部の移動速度を演算する機能あるいはヘラ部の移動速度から溶融樹脂の押出量を演算する機能も備えている。これにより、ヘラ部の開口部から押し出される溶融樹脂は過不足なく被塗布面に塗布される。なお、溶融樹脂の押出量は、ピストン2の駆動速度により決まるが、このとき開口部14の開度を調節して、開口部14における溶融樹脂の流速が所定値になるように制御される。これにより、例えば流速が大きいとき生じる「樹脂の性状の荒れ」が回避され、膜表面は荒れることなく滑らかになり、膜厚は一定になる。
【0020】
制御装置20は、シリンダ1と塗布部10内の溶融樹脂の温度、溶融樹脂の圧力、ピストン2の駆動速度、開口部14の開度、塗布動作時の塗布装置A1の移動速度等を設定する設定手段21も備えている。このような機能および設定手段21を有する制御装置20は、シリンダ1内の溶融樹脂の圧力を計測する樹脂圧力センサ22とは信号ラインaにより、溶融樹脂温度を検出する熱電対などからなる温度センサ23とは信号ラインbにより、ピストン2の駆動速度を検出する速度センサ24とは信号ラインcによりそれぞれ接続されている。なお、速度センサ24は、ピストン駆動装置3の構成部材例えばピストンの速度を間接的に検出するように実施するすることもできる。
【0021】
また、制御装置20とニードル位置検出センサ25は、信号ラインdにより接続されている。なお、このニードル15の位置も、ニードル駆動装置16の構成部材の位置を間接的に検出するように実施することもできる。このような各種のセンサ22〜25で計測される各種の計測値は、上記それぞれの信号ラインa〜dにより制御装置20に入力され、そして前述したように演算され、その操作量は電力ラインhによりヒータ6、6、…(18)に、電力ラインiによりピストン駆動装置3に、そして同様に電力ラインjによりニードル駆動装置16にそれぞれ印加されるようになっている。
【0022】
図1の(ロ)に、本発明の第2の実施の形態に係わる塗布装置A2の要部が簡略化して示されている。主要な構成要素のみに参照数字を付け、詳しい説明はしないが、第2の実施の形態によると、シリンダ1と塗布部10は別体に構成され、そしてシリンダ1の下端部と塗布部10の樹脂調整部11とが、配管19で接続されている。配管19の外周部には、制御装置20により同様に発熱量が制御されるヒータが設けられているが、図1の(ロ)には示されていない。このように実施すると、設計に融通性が得られ機械加工は容易になり、また保守点検も簡単になる。
【0023】
次に、上記第1、2の実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置A1、A2を使用した塗布方法について説明する。ヒータ6、6、…18の温度、ピストン2の駆動速度、溶融樹脂の圧力、開口部14の開度等を設定手段21により制御装置20に設定する。ロータリバルブ5を開き、押出機により従来周知のようにして固体状の樹脂を可塑化して、シリンダ1に溶融樹脂を補給する。このとき、ピストン2は補給される溶融樹脂の圧力により上昇する。または、ピストン2には必要に応じて背圧をかける、あるいはピストン2を補給に応じた所定速度で引く。次いで、塗布操作に入る。ピストン2が駆動され、設定温度に維持されているシリンダ1内の溶融樹脂は、所定の圧力により塗布部10の樹脂調整部11へと圧送される。そして、ニードル15により所定開度になっている開口部14から被塗布面上に押し出される。これに同期して、塗布装置A1、A2のヘラ部12を矢印D方向に移動させる。押し出された溶融樹脂は、ヘラ部12により被塗布面上に延ばされる。
【0024】
本実施の形態によると、シリンダ1と塗布部10内の溶融樹脂は設定温度に維持されるので、粘度が所定値に維持される。また、熱による劣化の問題もない。さらには、塗布装置A1、A2からの溶融樹脂の押出量が調節されるので、溶融樹脂に過大なせん断が作用したときに発生するメルトフラクチャーやシャークスキンなどの発生を抑制することができる。これにより、溶融樹脂は滑らかな流動状態で塗布装置A1、A2から押し出され、成膜時の樹脂(膜)表面は平滑化される。
【0025】
本発明に係わる溶融樹脂の塗布装置あるいは塗布方法は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、図1の(イ)あるいは(ロ)に示されている塗布装置A1、A2に加熱装置を設けることもできる。このように、加熱装置を設けた本発明の第3の実施の形態に係わる塗布装置A3が、図2の(イ)に模式的に示されている。本実施の形態によると、ヘラ部12の開口部14から押し出される溶融樹脂Jは局所的に加熱するようになっている。すなわち、開口部14の近傍に、凹面鏡31と、赤外線ランプ、レーザー等の熱源32とからなる加熱装置30が設けられている。このように、加熱装置30により、ヘラ部12の前部に押し出された溶融樹脂Jを局部的に加熱すれば、押し出された溶融樹脂Jを高温にして、粘度を低くすることが可能で、ヘラ部12による塗布が容易になり塗布面は滑らかになる。
【0026】
上記第3の実施の形態によると、次のような効果が得られる。すなわち、一般に熱可塑性樹脂は、粘度の温度依存性が強いことで知られており、塗布するには粘度が低い、すなわち樹脂の温度が高い方が好ましい。しかし、塗布装置外に設置された周知の可塑化装置と本実施の形態に係わる塗布装置A1〜A3のシリンダ1等の全体の温度を高くすると、熱可塑性樹脂は長時間高い温度にさらされることになり、樹脂が熱分解したり、焼けて黄ばむなどの不都合が生じる。これは、分解して黒くなった樹脂が膜に混入したり、本来透明であるはずの膜が黄ばんだり茶色くなったりするなど、膜の光学特性を著しく劣化させる。これに対し、本実施の形態によると、塗布装置外に設置された周知の可塑化装置および塗布装置A1〜A3のシリンダ1等の温度は低いままで、押し出された溶融樹脂のみが加熱されるので、溶融樹脂が高温にさらされる時間が大幅に短縮でき、塗布された樹脂の光学特性が劣化するようなことはない。また、可塑化装置や塗布装置A1〜A3を高温にすると周囲への放熱損失量も増大するが、上記のように、可塑化装置や塗布装置A1〜A3の温度をできるだけ低くして、塗布する溶融樹脂のみを直接加熱すれば、省エネルギー化も達成される。なお、押し出された溶融樹脂の温度を検出して、所望の温度となるように加熱装置30を制御すれば、例えば熱源32が赤外線ランプのときは、赤外線の照射量を調節すれば、さらに好適に塗布する溶融樹脂の粘度を調節することができる。
【0027】
前述した実施の形態によると、塗布装置A1〜A3は、1個のシリンダ1と1個の塗布部10とからなっているが、このような塗布装置A1〜A3を複数個例えば3個並べて1台の塗布装置A4を構成した例が図2の(ロ)に示されている。すなわち、図2の(ロ)は、図1の(イ)、(ロ)または図2の(イ)に示されている塗布装置A1〜A3が3個並列的に配置された例を模式的に示す平面図であるが、各塗布装置A1〜A3のシリンダ1、1、1と塗布部10、10、10は、独立した機能を有し、図に示されていない可塑化装置である押出機は共通化されている。なお、本実施の形態によると、シリンダ1と塗布部10を各1個ずつ設置した例であるので、開口部は3個あることになるが、それぞれのヘラ部に複数個の開口部を設けることもできる。すなわち、ヘラ部12の斜面13に並列的に複数個設けることもできる。本実施の形態によると、塗布装置A1〜A3が複数個束ねられて開口部が複数個あるので、一度に広い面積に塗布できる効果が得られる。
【0028】
本実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置A1〜A4を2台用意すると、材質の異なる樹脂を2層に塗布することができる。さらに詳しく説明すると、第1の塗布装置には第1の溶融樹脂を、第2の塗布装置には第2の溶融樹脂を充填しておき、まず第1の塗布装置で被塗布面上に第1の溶融樹脂を前述したようにして塗布し、その後第2の塗布装置により第2の溶融樹脂を塗布された第1の溶融樹脂の上に、同様に前述したように塗布する。これにより、異材質の溶融樹脂を2層に塗布することができる。塗布装置を複数台用意すれば、同様にして複数層に塗布することができることは明らかである。
【0029】
上記のように構成されている塗布装置A1〜4により、溶融樹脂を塗布するときヘラ部12を移動させる装置については格別に説明されていないが、上記した塗布装置A1〜A4を、図2の(ハ)に示されているように、上下左右のXYZ軸並進方向運動およびXYZ軸周りの回転方向運動が可能なロボットのアームRに把持させると、前述したようにヘラ部12を水平方向に移動させることができることは勿論のこと、ヘラ部12の角度、被塗布面との間隔、塗布装置A1〜A4の位置、姿勢などを調節することができる。このようにロボットのアームRに把持させると、前述したような塗布ができると共に、例えば第4の実施の形態に係わる塗布装置A4を取り付けると、図3に示されているような溶融樹脂Jの塗布厚さや塗布位置を任意に変えることが可能となり、必要な部位に必要な量だけ溶融樹脂を塗布することができる。また、塗布装置の数を増やせば、塗布位置のより細かな調節が可能となる。さらには、今後の進展が類推される高分子光通信部品の集積化に対応するための複雑な3次元形状の塗布・成膜に対応することもできる。なお、前述した第2〜4の実施の形態では、制御装置は図には示されていないが、第1の実施の形態と同様に溶融樹脂の温度、吐出流量、開口部の開度等が制御される。
【0030】
本実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置A1〜A4を使用すれば、例えば金型30’の表面に塗布することもできる。その塗布の例が図4の(イ)に示されている。本実施の形態によると、金型30’の表面には微細な2本の溝31、32が形成されている。ヘラ部12の先端部を金型30’の表面から所定の間隔に保持して、そして前述したようにしてヘラ部12の開口部14から溶融樹脂Jを押し出すと共に、ヘラ部12を図4の(イ)において左方へ所定速度で移動させる。このとき、ヘラ部12の開口部14から押し出された直後の溶融樹脂の温度は高く、粘度の低い状態で塗布する。あるいは、図2の(イ)に示されているような加熱手段30を適用する。これにより、射出成形法などに比べて微細な溝31、32への転写性能に優れた塗膜JMを得ることができる。
【0031】
また、図4の(ロ)に示されているようにして、所定の形状をした下型35と、所望の微細なパターン36、36、…が付けられている上型37とを使用し、初めに上記した塗布装置A1〜A4を使用して下型35の表面に前述したようにして溶融樹脂Jを塗布する。そうして、塗布された溶融樹脂Jが固化する前に、図4の(ロ)の(b)に示されているように、下型35と上型37で塗布された溶融樹脂Jをプレスする。これにより、厚みと寸法の精度の高い薄肉大面積かつ三次元の塗膜JMを得ることができる。なお、下型35と上型37は、相対的であるので、下型35の表面に、あるいは両型の35、37の表面にパターンを付けることもできることは明らかである。
【0032】
上記実施の各形態では、熱可塑性溶融樹脂の塗布を想定して説明したが、粘度の低い液状の熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化樹脂も同様にして塗布できることは明らかである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面と所定の間隔を保持して、そして所定速度で移動させながら前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布するとき、前記へラ部と金型の附形面との間隔に充填しうる量以上の熱可塑性溶融樹脂を吐出し、前記ヘラ部と金型の附形面との間隔と、熱可塑性溶融樹脂の吐出流量と、前記ヘラ部の移動速度とを調節するので、前記へラ部と金型の附形面との間隔が熱可塑性溶融樹脂の塗布厚みとなり、また附形面上の微細形状部内にも熱可塑性溶融樹脂が押し込まれるという本願発明に特有の効果が得られる。このとき、過不足なく塗布することができるという効果も得られる。
また、他の発明によると、樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面から所定の間隔に保持して移動させながら、前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布し、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型の附形面でプレスするので、すなわち熱可塑性溶融樹脂の塗布とプレス附形とを組み合わせるので、従来の射出成形法では不可能であった、流動長さと製品厚さの比が10000以上の薄肉大面積かつ複雑三次元形状を有する高寸法精度の塗膜を得ることができる。さらに他の発明によると、金型の附形面上又は金型の附形面上に押し出した塗布前の熱可塑性溶融樹脂を局所的に加熱するので、上記のような効果に加えて、粘度が低い状態で塗布できる効果がさらに得られる。これに対し、粘度を低くするために樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂の全体の温度を高くすると、高温にさらされる時間が長くなり、樹脂が分解、変色するなど、塗布した樹脂の光学特性が劣化するが、このような劣化の問題がなくなる。また、全体の温度を高くすると周辺雰囲気への放熱量が増大し、エネルギーロスが増大するが、本発明によると樹脂貯蔵部の温度を低く維持したままで、押し出された塗布直前の熱可塑性溶融樹脂のみを直接加熱するので、熱可塑性溶融樹脂の塗布を容易にし、省エネルギー化も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置を示す図で、その(イ)は第1の実施の形態を一部断面にして示す正面図、その(ロ)は第2の実施の形態の要部を一部断面にして示す正面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置を示す図で、その(イ)は第3の実施の形態を一部断面にして示す正面図、その(ロ)は第4の実施の形態の要部を模式的に示す平面図、その(ハ)は本発明の実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置をロボットのアームに取り付けて示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置により塗布する、一つの塗布例を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる溶融樹脂の塗布装置により塗布する、他の塗布例を示す図で、その(イ)は1個の金型を使用した塗布例を、その(ロ)は2個の金型を使用した塗布例をそれぞれ示す模式図である。
【図5】従来の高分子系光導波路の製造工程を示す模式図である。
【図6】従来例を示す図で、その(イ)は樹脂充填用スキージの断面図、その(ロ)はペーストの充填装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストン
6 ヒータ 10 塗布部
12 ヘラ部 14 開口部
15 ニードル 20 制御装置
30 加熱装置 32 熱源
R ロボットのアーム

Claims (14)

  1. 樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面と所定の間隔を保持して、そして所定速度で移動させながら、前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布するとき、
    前記へラ部と金型の附形面との間隔に充填しうる量以上の熱可塑性溶融樹脂を吐出することで、前記へラ部と金型の附形面との間隔が熱可塑性溶融樹脂の塗布厚みとなり、かつ、附形面上の微細形状部内に熱可塑性溶融樹脂が押し込まれるように、前記ヘラ部と金型の附形面との間隔と、熱可塑性溶融樹脂の吐出流量と、前記ヘラ部の移動速度とを調節することを特徴とする熱可塑性溶融樹脂の塗布方法。
  2. 樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面と所定の間隔を保持して、そして所定速度で移動させながら、前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布し、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型でプレスすることを特徴とする熱可塑性溶融樹脂の塗布方法。
  3. 樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂をヘラ部に形成されている開口部から、金型の附形面上に押し出すと共に、前記へラ部を金型の附形面と所定の間隔を保持して所定速度で移動させながら、前記金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布するとき、
    前記樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂の温度と熱可塑性溶融樹脂の吐出流量とを調節し、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型の附形面でプレスすることを特徴とする熱可塑性溶融樹脂の塗布方法。
  4. 請求項1〜のいずれかの項に記載の方法において、ヘラ部の開口部の開度を調節する熱可塑性溶融樹脂の塗布方法。
  5. 請求項1〜のいずれかの項に記載の方法において、熱可塑性溶融樹脂を、並列的に配置されている、または設けられている複数個の開口部から金型の附形面上に押し出す熱可塑性溶融樹脂の塗布方法。
  6. 請求項1〜のいずれかの項に記載の方法において、ヘラ部を最大でXYZ軸の並進方向および回転方向に移動させて塗布する熱可塑性溶融樹脂の塗布方法。
  7. 熱可塑性溶融樹脂が貯えられる樹脂貯蔵部と、ヘラ部を備えている塗布部とからなり、前記樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂が前記ヘラ部の開口部から金型の附形面上に押し出され、前記ヘラ部を金型の附形面に沿って移動させることにより金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂が塗布され、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型でプレスするようになっている塗布装置であって、
    前記樹脂貯蔵部と塗布部には熱可塑性溶融樹脂を所定温度に保つための加熱手段が、前記樹脂貯蔵部には熱可塑性溶融樹脂を前記ヘラ部の開口部に向けて吐出する吐出手段が設けられ、前記加熱手段と吐出手段は制御装置により設定量になるように制御されることを特徴とする熱可塑性溶融樹脂の塗布装置。
  8. 熱可塑性溶融樹脂が貯えられる樹脂貯蔵部と、ヘラ部を備えている塗布部とからなり、前記樹脂貯蔵部に貯えられている熱可塑性溶融樹脂が前記ヘラ部の開口部から金型の附形面上に押し出され、前記ヘラ部を金型の附形面に沿って移動させることにより金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂が塗布され、次いで塗布された熱可塑性溶融樹脂を他の金型でプレスするようになっている塗布装置であって、
    前記樹脂貯蔵部と塗布部には熱可塑性溶融樹脂を所定温度に保つための加熱手段が、前記樹脂貯蔵部には熱可塑性溶融樹脂を前記ヘラ部の開口部に向けて吐出する吐出手段が設けられ、前記加熱手段と吐出手段と前記ヘラ部を金型の附形面に沿って移動させる移動手段は、制御装置により設定量になるように制御されることを特徴とする熱可塑性溶融樹脂の塗布装置。
  9. 請求項7又は8に記載の装置において、ヘラ部には、それぞれ独立した開度調節手段が設けられている複数個の開口部が形成されている熱可塑性溶融樹脂の塗布装置。
  10. 請求項7〜9のいずれかの項に記載の装置において、塗布装置が複数個集められて、1個の塗布装置となっている熱可塑性溶融樹脂の塗布装置。
  11. 請求項7〜10のいずれかの項に記載の装置において、ヘラ部の開口部の近傍には、該開口部から押し出される熱可塑性溶融樹脂を局所的に加熱する加熱手段が設けられている熱可塑性溶融樹脂の塗布装置。
  12. 請求項7〜11のいずれかの項に記載の装置において、塗布装置がXYZ軸の並進方向および回転方向に移動可能な移動手段に取り付けられるようになっている熱可塑性溶融樹脂の塗布装置。
  13. 請求項7〜12のいずれかの項に記載の塗布装置を少なくとも2台以上備え、各々の塗布装置に熱可塑性溶融樹脂が貯えられるようになっている熱可塑性溶融樹脂の塗布装置。
  14. 請求項13に記載の塗布装置を使用した請求項1〜のいずれかの項に記載の塗布方法であって、1台目の塗布装置で金型の附形面上に熱可塑性溶融樹脂を塗布した後、2台目の塗布装置で前記1台目の塗布装置で塗布された第1層の上に同様に第2層を塗布し、以下同様な塗布操作を繰り返すことにより、少なくとも2層以上の複数層の塗布を行うことを特徴とする熱可塑性溶融樹脂の塗布方法。
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