JP2000158454A - タイヤ成型用離型・潤滑剤 - Google Patents

タイヤ成型用離型・潤滑剤

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JP2000158454A
JP2000158454A JP33665298A JP33665298A JP2000158454A JP 2000158454 A JP2000158454 A JP 2000158454A JP 33665298 A JP33665298 A JP 33665298A JP 33665298 A JP33665298 A JP 33665298A JP 2000158454 A JP2000158454 A JP 2000158454A
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tire
silicone rubber
bladder
powder
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JP33665298A
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Isao Ona
功 小名
Hironori Ishikawa
裕規 石川
Tsutomu Osanawa
努 長縄
Kazuo Kobayashi
和男 小林
Yoshiji Morita
好次 森田
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Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ成型時の離型性、および潤滑性が優れ
るタイヤ成型用離型・潤滑剤を提供する。 【解決手段】 (A)平均粒子径が0.1〜500μmで
あるシリコーンゴム粉末100重量部、(B)25℃にお
ける粘度が少なくとも100mPa・sであるシリコーンオ
イル、および(C)任意量の水からなるタイヤ成型用離型
・潤滑剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ成型用離型
・潤滑剤に関し、詳しくは、タイヤ成型時の離型性、お
よび潤滑性が優れるタイヤ成型用離型・潤滑剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】タイヤ成型方法としては、一般に、未加
硫の生タイヤを内側から、熱水や蒸気を注入して膨張さ
せたブラダーにより、金型に押付けながら加硫して成型
する方法が挙げられる。この際、生タイヤの内面とブラ
ダーとの間の潤滑性を向上させ、生タイヤの内面とブラ
ダーとの間に入り込んだ空気を排出し、さらに、加硫後
にブラダーを収縮させた際、タイヤ内面とブラダーとの
離型性を向上させるため、例えば、シリコーンオイルの
水分散液からなるタイヤ成型用離型・潤滑剤(特公平3
−77765号公報、特公平4−43764号公報、お
よび特公平6−26816号公報参照)、あるいはシリ
コーンオイル、および雲母粉末もしくはタルク粉末の水
分散液からなるタイヤ成型用離型・潤滑剤(特開昭50
−86490号公報、および特開平8−39575号公
報参照)が使用されている。
【0003】しかしながら、特公平3−77765号公
報、特公平4−43764号公報、および特公平6−2
6816号公報等で提案されているタイヤ成型用離型・
潤滑剤は、平滑性と離型性が不十分であるという問題が
あり、また、特開昭50−86490号公報、および特
開平8−39575号公報等で提案されているタイヤ成
型用離型・潤滑剤は、雲母粉末やタルク粉末が水分散液
から分離しやすいために安定性が乏しく、さらに、タイ
ヤ成型時に金型、あるいはブラダーから脱落した雲母粉
末やタルク粉末により、成型したタイヤの外観を損なう
という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明の目的は、タイヤ成型時の離型
性、および潤滑性が優れるタイヤ成型用離型・潤滑剤を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のタイヤ成型用離
型・潤滑剤は、(A)平均粒子径が0.1〜500μmで
あるシリコーンゴム粉末100重量部、(B)25℃にお
ける粘度が少なくとも100mPa・sであるシリコーンオ
イル、および(C)任意量の水からなることを特徴とす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑
剤を詳細に説明する。本発明のタイヤ成型用離型・潤滑
剤は、(A)シリコーンゴム粉末、(B)シリコーンオイ
ル、および(C)水からなる水分散液であることを特徴と
する。このシリコーンゴム粉末は、タイヤ成型時に生タ
イヤの内面とブラダーとの間の潤滑性を向上させ、生タ
イヤの内面とブラダーとの間に入り込んだ空気を効率よ
く排出させ、さらに、加硫後にブラダーを収縮させた
際、タイヤ内面とブラダーとの離型性を向上させるため
の成分である。このシリコーンゴム粉末の平均粒子径は
0.1〜500μmの範囲内であり、好ましくは0.1〜
100μmの範囲内であり、特に好ましくは0.5〜5
0μmの範囲内である。これは、平均粒子径が、この範
囲の下限未満であるシリコーンゴム粉末を調製すること
が困難であることと、このような平均粒子径を有するシ
リコーンゴム粉末を用いたところで、本発明の目的を著
しく達成できるものではないからであり、一方、平均粒
子径が、この範囲の上限をこえるシリコーンゴム粉末を
用いると、得られるタイヤ成型用離型・潤滑剤の安定性
が低下し、成型したタイヤの外観を損なう恐れがあるか
らである。このシリコーンゴム粉末の形状は限定され
ず、球状、偏平状、不定形状が例示されるが、好ましく
は、球状である。また、このシリコーンゴム粉末の硬さ
も限定されないが、あまりに高硬度の粉末を用いると、
得られるタイヤ成型用離型・潤滑剤の潤滑性、平滑性が
低下する傾向があることから、この粉末を構成するシリ
コーンゴムのJIS K 6253に規定されるタイプ
Aデュロメータ硬さが80以下であることが好ましく、
特に、これが65以下であることが好ましい。
【0007】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤では、
シリコーンゴム粉末を水中に分散させる場合、このシリ
コーンゴム粉末の硬さが低いと、このシリコーンゴム粉
末自体の凝集性が大きくなり、これを水中に均一に分散
させることが困難となるため、予め、シリコーンゴム組
成物を水中に分散状態で硬化してなるものを用いること
が好ましい。このシリコーンゴム組成物を水中に分散状
態で硬化してなる、シリコーンゴム粉末の水分散液を調
製する方法としては、例えば、ヒドロシリル化反応硬化
型シリコーンゴム組成物、縮合反応硬化型シリコーンゴ
ム組成物、有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物、
紫外線硬化型シリコーンゴム組成物等のシリコーンゴム
組成物を水中に分散状態で硬化させる方法が挙げられ、
特に、ヒドロシリル化反応硬化型シリコーンゴム組成物
や縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物を水中に分散状
態で硬化させる方法が好ましい。このヒドロシリル化反
応硬化型シリコーンゴム組成物としては、一分子中に少
なくとも2個のアルケニル基を有するポリオルガノシロ
キサン、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水
素原子を有するポリオルガノシロキサン、および白金系
触媒から少なくともなるものが例示され、縮合反応硬化
型シリコーンゴム組成物としては、一分子中に少なくと
も2個のケイ素原子に結合する水酸基またはアルコキシ
基、オキシム基、アセトキシ基、アミノキシ基等の加水
分解性基を有するポリオルガノシロキサン、一分子中に
少なくとも3個のケイ素原子に結合するアルコキシ基、
オキシム基、アセトキシ基、アミノキシ基等の加水分解
性基を有するシラン系架橋剤、および有機錫化合物、有
機チタン化合物等の縮合反応触媒から少なくともなるも
のが例示される。
【0008】また、このシリコーンゴム粉末として、非
架橋のシリコーンオイルを含有するシリコーンゴム粉末
を用いてもよく、この場合には、生タイヤの内面とブラ
ダーとの間の潤滑性をより一層向上させ、生タイヤの内
面とブラダーとの間に入り込んだ空気をより排出しやす
くし、さらに、加硫後にブラダーを収縮させた際、タイ
ヤ内面とブラダーとの離型性をより一層向上させること
ができるという特徴がある。このようなシリコーンゴム
粉末を調製する方法としては、上記のようなシリコーン
ゴム組成物中に、この組成物の硬化反応に関与しないシ
リコーンオイルを予め配合しておき、この組成物を粉状
に硬化させる方法、シリコーンゴム粉末にシリコーンオ
イルを含浸させる方法が挙げられるが、好ましくは、前
者の方法である。
【0009】この非架橋のシリコーンオイルは、シリコ
ーンゴム粉末中に単に含まれており、この粉末から自然
に滲み出たり、また、有機溶剤により抽出可能なオイル
のことである。このようなシリコーンオイルの分子構造
としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、
環状、分岐鎖状が挙げられ、特に、直鎖状であることが
好ましい。このようなシリコーンオイルとしては、例え
ば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチ
ルシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖
ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合
体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシ
ロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)
シロキサン共重合体等の非反応性シリコーンオイルが一
般に挙げられ、例えば、このシリコーンゴム粉末を形成
するためのシリコーンゴム組成物中に、このシリコーン
オイルを予め含ませておく場合には、上記の非反応性シ
リコーンオイル以外に、この硬化反応に関与しない分子
鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキ
サン、このポリジメチルシロキサンのメチル基の一部を
メチル基以外のアルキル基、フェニル基、3,3,3−
トリフルオロプロピル基に置換したポリオルガノシロキ
サン等のシリコーンオイルが挙げられ、この硬化反応が
ヒドロシリル化反応である場合には、上記の非反応性シ
リコーンオイル以外に、分子鎖両末端シラノール基封鎖
ポリジメチルシロキサン、このポリジメチルシロキサン
のメチル基の一部をメチル基以外のアルキル基、フェニ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基に置換した
ポリオルガノシロキサン等のシリコーンオイルが挙げら
れ、さらには、この硬化反応に関与し得るが、未反応と
して残った分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖
ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロ
キシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサ
ン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロ
キシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリ
メチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイ
ドロジェンシロキサン共重合体、これらのポリオルガノ
シロキサンのメチル基の一部をメチル基以外のアルキル
基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基
に置換したポリオルガノシロキサン等のシリコーンオイ
ルが挙げられ、また、この硬化反応が縮合反応である場
合には、上記の非反応性のシリコーンオイル以外に、こ
のシリコーンオイルのメチル基の一部をアルケニル基に
置換したポリオルガノシロキサン等のシリコーンオイ
ル、さらには、この硬化反応に関与し得るが、未反応と
して残った分子鎖両末端シラノール基封鎖ポリジメチル
シロキサン、このポリジメチルシロキサンのメチル基の
一部をメチル基以外のアルキル基、アルケニル基、フェ
ニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基に置換し
たシリコーンオイルが挙げられる。また、シリコーンゴ
ム粉末にシリコーンオイルを含浸する場合には、このシ
リコーンオイルの種類は特に限定されない。
【0010】これらの非架橋のシリコーンオイルは液状
であり、この25℃における粘度は100,000mPa・s
以下であることが好ましく、さらには、50,000mPa
・s以下であることが好ましく、特には、10,000mPa
・s以下であることが好ましい。これは、25℃における
粘度がこの範囲をこえる場合には、平均粒子径が500
μm以下であるシリコーンゴム粉末を形成しにくくなる
傾向があり、また、これをシリコーンゴム粉末に含浸し
にくくなる傾向があるためである。このような非架橋の
シリコーンオイルとしては、シリコーンゴム粉末との親
和性が優れることから、このシリコーンゴム粉末を形成
するシリコーン成分が有する有機基と同様の有機基を有
するものであることが好ましい。
【0011】このシリコーンゴム粉末中の非架橋のシリ
コーンオイルの含有量としては、80重量%以下である
ことが好ましく、特に、50重量%以下であることが好
ましい。これは、非架橋のシリコーンオイルの含有量が
この範囲をこえるシリコーンゴム粉末を調製することが
困難であり、また、このようなシリコーンゴム粉末を配
合して得られるタイヤ成型用離型・潤滑剤では、タイヤ
内面、あるいはブラダーがべたついたりするおそれがあ
るからである。
【0012】また、(B)成分のシリコーンオイルは、生
タイヤの内面とブラダーとの間の潤滑性を付与し、生タ
イヤの内面とブラダーとの間に入り込んだ空気を排出
し、さらに、加硫後にブラダーを収縮させた際、タイヤ
内面とブラダーとの離型性を付与するために従来よりタ
イヤ成型用離型・潤滑剤に用いられているシリコーンオ
イルであり、例えば、一般式:
【化1】 で示されるポリジオルガノシロキサンが挙げられる。上
式中のRは同じか、または異なる炭素原子数1〜20の
一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;ビニル基、
アリル基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基
が例示される。また、上式中のR'は同じか、または異
なる、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、オキシ
アルキレン基、メルカプト基、フルオロアルキル基、カ
ルビノール基、およびアミド基からなる群から選択され
る一価有機基である。また、上式中のAは同じか、また
は異なる、水酸基、アルコキシ基、炭素原子数1〜20
の一価炭化水素基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシ
ル基、オキシアルキレン基、メルカプト基、フルオロア
ルキル基、カルビノール基、またはアミド基であり、A
のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基が例示され、Aの一価炭化水素
基としては、前記Rと同様の基が例示される。また、上
式中のmは1以上の整数であり、nは0または1以上の
整数であり、かつ、(m+n)は少なくとも10の整数で
ある。このシリコーンオイルの粘度は、25℃において
少なくとも100mPa・sであり、好ましくは、100〜
1000000mPa・sの範囲内であり、特に好ましく
は、300〜1000000mPa・sの範囲内である。こ
のようなシリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロ
キサン、アミノ基含有ポリジオルガノシロキサン、エポ
キシ基含有ポリジオルガノシロキサン、カルボキシル基
含有ポリジオルガノシロキサン、ポリエーテル基含有ポ
リジオルガノシロキサン、およびこれらのポリジオルガ
ノシロキサンの二種以上の混合物が例示される。
【0013】このアミノ基含有ポリジオルガノシロキサ
ンは、例えば、一般式:
【化2】 で示される。上式中のRは同じか、または異なる炭素原
子数1〜20の一価炭化水素基であり、前記と同様の基
が例示され、特に、少なくともメチル基であることが好
ましい。また、上式中のR1は、水素原子、アシル基、
または一価炭化水素基である。R1のアシル基として
は、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が例示さ
れ、R1の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、フェニル基、シクロヘキシル基が例示
される。また、上式中のQは二価炭化水素基であり、例
えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプ
ロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等のアルキレ
ン基;式:−(CH2)2−C64−で示される基等のアル
キレンアリーレン基が挙げられ、特に、アルキレン基で
あることが好ましく、さらには、プロピレン基であるこ
とが好ましい。また、上式中のDは同じか、または異な
る、水酸基、アルコキシ基、一価炭化水素基、または、
式:−Q−(NHCH2CH2)a−NHR1で示されるアミ
ノ基である。Dのアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が例示され、D
の一価炭化水素基としては、前記Rと同様の基が例示さ
れる。また、上式中のmは1以上の整数であり、nは1
以上の整数であるが、上式中のDの少なくとも一方が、
式:−Q−(NHCH2CH2)a−NHR1で示されるアミ
ノ基である場合には、nは0であってもよい。また、
(m+n)は少なくとも10の整数であり、特に、100
〜1,000の範囲内の整数であることが好ましい。こ
れは、(m+n)が10未満の整数であるアミノ基含有ポ
リジオルガノシロキサンを用いると、タイヤ内面とブラ
ダーとの間の持続的な離型性、および潤滑性を付与しに
くくなるからである。また、上式中のaは同じか、また
は異なる0〜10の整数であり、特に、0、または1で
あることが好ましい。このアミノ基含有ポリジオルガノ
シロキサンにおいては、式:−Q−(NHCH2CH2)a
−NHR1で示されるアミノ基が、その分子鎖側鎖に結
合していても、また、その分子鎖末端に結合してもよ
く、またその両方に結合してもよい。
【0014】このようなアミノ基含有ポリジオルガノシ
ロキサンを調製する方法としては、例えば、ケイ素原子
結合水素原子を有するポリジオルガノシロキサンと、
式:CH2=C(CH3)CH2NHCH2NH2で例示され
る脂肪族不飽和炭素−炭素結合を有するアミン化合物を
ヒドロシリル化反応させたり、また、式:CH2CH2
2Clで例示されるハロゲン化アルキル基を有するポ
リジオルガノシロキサンと、式:H2NCH2CH2NH2
で例示されるアミン化合物とを縮合反応させる方法が挙
げられる(特開昭53−98499号公報参照)。
【0015】また、エポキシ基含有ポリジオルガノシロ
キサンは、例えば、一般式:
【化3】 で示される。上式中のRは同じか、または異なる炭素原
子数1〜20の一価炭化水素基であり、前記と同様の基
が例示され、特に、少なくともメチル基であることが好
ましい。また、上式中のEは同じか、または異なるエポ
キシ基含有一価有機基であり、例えば、一般式:
【化4】 で示される基、あるいは、一般式:
【化5】 で示される基が挙げられる。上記のエポキシ基含有一価
有機基において、式中のQ'は二価有機基であり、例え
ば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、フェニレ
ン基、クロルエチレン基、フルオロエチレン基等の置換
もしくは非置換のアルキレン基;式:−CH2OCH2
2CH2−で示される基、式:−CH2CH2OCH2
2−で示される基、式:−CH2CH2OCH(CH3)C
2−で示される基、式:−CH2OCH2CH2OCH2
CH2−で示される基等のアルキレンオキシアルキレン
基が挙げられる。また、上式中のGは同じか、または異
なる、水酸基、アルコキシ基、炭素原子数1〜20の一
価炭化水素基、またはエポキシ基含有一価有機基であ
る。Gのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基が例示され、Gの一価炭
化水素基としては、前記Rと同様の基が例示され、Gの
エポキ基含有一価有機基としては、前記Eと同様の基が
例示される。また、上式中のxは0〜2,000の整数
であり、また、yは1〜200の整数であるが、Gの少
なくとも一方がエポキシ基含有一価有機基である場合に
は、yは0であってもよい。また、(x+y)は少なくと
も10以上の整数であり、特に、100〜2,000の
範囲内の整数であることが好ましい。これは、(x+y)
が10未満の整数であるポリジオルガノシロキサンは、
タイヤ内面とブラダーとの間の持続的な離型性、および
潤滑性を付与しにくくなるからである。このエポキシ基
含有ポリジオルガノシロキサンにおいては、エポキシ基
含有一価有機基が、その分子鎖側鎖に結合していても、
また、その分子鎖末端に結合してもよく、またその両方
に結合してもよい。
【0016】また、カルボキシル基含有ポリジオルガノ
シロキサンは、例えば、一般式:
【化6】 で示される。上式中のRは同じか、または異なる炭素原
子数1〜20の一価炭化水素基であり、前記と同様の基
が例示され、特に、少なくともメチル基であることが好
ましい。また、上式中のR2は水素原子、または一価炭
化水素基であり、R2の一価炭化水素基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、フェニル
基、シクロヘキシル基が例示される。また、上式中のQ
は二価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示され
る。また、上式中のJは同じか、または異なる、水酸
基、アルコキシ基、炭素原子数1〜20の一価炭化水素
基、または、式:−Q−COOR2で示されるカルボキ
シル基である。Jのアルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が例示さ
れ、Jの一価炭化水素基としては、前記Rと同様の基が
例示される。また、上式中のkは1以上の整数であり、
lは1以上の整数であるが、Jの少なくとも一方が式:
−Q−COOR2で示されるカルボキシル基である場合
には、lは0であってもよい。また、(k+l)は少なく
とも10の整数であり、特に、100〜1,000の整
数であることが好ましい。これは、(k+l)が10未満
の整数であるポリジオルガノシロキサンは、タイヤ内面
とブラダーとの間の持続的な離型性、および潤滑性を付
与することができなくなるためである。このカルボキシ
ル基含有ポリジオルガノシロキサンにおいては、式:−
Q−COOR2で示されるカルボキシル基が、その分子
鎖側鎖に結合していても、また、その分子鎖末端に結合
してもよく、またその両方に結合してもよい。
【0017】また、ポリエーテル基含有ポリジオルガノ
シロキサンは、拭き取り紙に平滑性や柔軟性を付与する
ばかりでなく、シリコーンゴム粉末の水中での分散安定
性を向上させることができる。このようなポリエーテル
基含有ポリジオルガノシロキサンは、例えば、一般式:
【化7】 で示される。上式中のRは同じか、または異なる炭素原
子数1〜20の一価炭化水素基であり、前記と同様の基
が例示され、特に、少なくともメチル基であることが好
ましい。また、上式中のR3は水素原子、または炭素原
子数1〜5の一価有機基であり、R3の一価有機基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル
基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基が例示さ
れる。また、上式中のQは二価炭化水素基であり、前記
と同様の基が例示され、特に、プロピレン基であること
が好ましく、さらには、エチレン基、プロピレン基であ
ることが好ましい。また、上式中のLは同じか、または
異なる、水酸基、アルコキシ基、炭素原子数1〜20の
一価炭化水素基、または、式:−Q−O−(C24O)
b(Cd2dO)c−R3で示されるポリエーテル基である。
Lのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基が例示され、Lの一価炭化水
素基としては、前記Rと同様の基が例示される。また、
上式中のmは1以上の整数であり、nは1以上の整数で
あるが、Lの少なくとも一方が、式:−Q−O−(C2
4O)b(Cd2dO)c−R3で示されるポリエーテル基であ
る場合には、nは0であってもい。また、(m+n)は少
なくとも1の整数である。また、上式中のbは同じか、
または異なる0〜50の整数であり、また、cは同じ
か、または異なる0〜50の整数であり、bおよびcの
いずれか一方は1〜50の整数である。また、上式中の
dは同じか、または異なる3以上の整数であり、特に、
3、または4であることが好ましい。また、式:C24
Oで示されるオキシエチレン基と、式:Cd2dOで示
されるオキシアルキレン基とはブロック重合していて
も、あるいはランダム重合していてもよい。このポリエ
ーテル基含有ポリジオルガノシロキサン中のポリエーテ
ル基の含有量は限定されないが、30〜60重量%の範
囲内であることが好ましい。このポリエーテル基含有ポ
リジオルガノシロキサンにおいては、式:−Q−O−
(C24O)b(Cd2dO)c−R3で示されるポリエーテル
基が、その分子鎖側鎖に結合していても、また、その分
子鎖末端に結合してもよく、またその両方に結合しても
よい。
【0018】また、ポリジメチルシロキサンは、例え
ば、一般式:
【化8】 で示される。上式中のMは同じか、または異なる、水酸
基、アルコキシ基、または炭素原子数1〜20の一価炭
化水素基である。Mのアルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が例示さ
れ、Mの一価炭化水素基としては、前記Rと同様の基が
例示される。また、上式中のmは1以上の整数である。
【0019】(B)成分のシリコーンオイルの配合量は、
(A)成分のシリコーンゴム粉末100重量部に対して、
5〜900重量部の範囲内であり、好ましくは、5〜5
00重量部の範囲内であり、特に好ましくは、5〜20
0重量部の範囲内である。これは、(B)成分の配合量
が、この範囲の下限未満であると、タイヤ内面、あるい
はブラダーとの付着性(固着性)が低下する傾向があるか
らであり、一方、この範囲の上限をこえると、タイヤ内
面とブラダーとの間の離型性、および潤滑性が低下する
傾向があるからである。
【0020】また、(C)成分の水は、(A)成分のシリコ
ーンゴム粉末と(B)成分のシリコーンオイルを分散させ
るための分散媒である。この水の配合量は限定されない
が、本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤の処理効率の点
から、(A)成分のシリコーンゴム粉末と(B)成分のシリ
コーンオイルの合計の含有量が1〜90重量%の範囲内
となる量であることが好ましく、さらに、これが5〜9
0重量%の範囲内となる量であることが好ましく、特
に、これが30〜80重量%の範囲内となる量であるこ
とが好ましい。
【0021】さらに、(A)成分のシリコーンゴム粉末、
および(B)成分のシリコーンオイルを水中に安定性よく
分散させるためには界面活性剤を配合することが好まし
い。この界面活性剤としては、第一〜第三脂肪族アミン
塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジ
メチルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム
塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピ
リジニウム塩、N,N’−ジアルキルモノホルホリニウ
ム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチ
オン系界面活性剤;脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、N−アシ
ル−N−メチルタウレート、アルキル硫酸塩、硫酸化油
脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、ア
ルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド
縮合物等のアニオン系界面活性剤;N,N−ジメチル−
N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタ
イン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸
塩、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレン
アンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−
ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタ
イン、2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒド
ロキシエチルオミダゾリニウムベタイン等の両イオン系
界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・
ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エ
ステル、プロピレングリコール・ペンタエリスリトール
脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル等のポリオ
キシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、脂肪酸ジエ
タノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、
トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキ
ルアミンオキサイド、ポリオキシアルキレン基含有オル
ガノポリシロキサン等の非イオン系界面活性剤、および
これらの界面活性剤の二種以上の混合物が例示され、特
に、シリコーンゴム組成物を水中に分散状態で硬化して
なる、シリコーンゴム粉末の水分散液を用いる場合に
は、この界面活性剤は非イオン系界面活性剤であること
が好ましい。
【0022】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤におい
て、(A)成分のシリコーンゴム粉末と(B)成分のシリコ
ーンオイルを(C)成分の水に分散させる方法として、予
め、シリコーンゴム粉末の水分散液とシリコーンオイル
の水分散液を混合することが好ましい。シリコーンゴム
粉末の水分散液を調製する方法としては、シリコーンゴ
ム組成物を、一般に、攪拌機、ホモミキサー、ラインミ
キサー、コロイドミル、ホモジナイザーなどを用いて水
中に分散させた状態で硬化する方法が例示される。この
際、シリコーンゴム組成物の水分散液の安定性、さら
に、得られるシリコーンゴム粉末の水分散液の安定性を
向上させるために、上記の界面活性剤を配合することが
好ましい。シリコーンゴム粉末の水分散液を調製する場
合、この界面活性剤の配合量は限定されないが、シリコ
ーンゴム粉末100重量部に対して0.1〜20重量部
の範囲内であることが好ましく、特に、0.5〜10重
量部の範囲内であることが好ましい。
【0023】また、シリコーンオイルの水分散液を調製
する方法としては、一般に、攪拌機、ホモミキサー、ラ
インミキサー、コロイドミル、ホモジナイザーなどが使
用される。この際、シリコーンオイルの水分散液の安定
性を向上させるために、上記の界面活性剤を配合するこ
とが好ましい。シリコーンオイルの水分散液を調製する
場合、この界面活性剤の配合量は限定されないが、シリ
コーンオイルの水分散液中、シリコーンオイルの含有量
が20〜40重量%の範囲内であり、界面活性剤の含有
量が4〜10重量%の範囲内であり、および残りの重量
%の水からなることが好ましい。また、シリコーンオイ
ルの水分散液において、この分散液中のシリコーンオイ
ル液滴の粒子径は限定されないが、その平均粒子径が
0.01〜1000μmの範囲内であることが好まし
く、シリコーンオイルとして、アミノ基含有有機基やカ
ルボキシル基含有有機基を分子内に2モル%前後含むポ
リオルガノシロキサンを用いた場合には、特別な乳化機
を用いなくとも、通常の攪拌機により、これを平均粒子
径が0.01〜0.1μmの液滴状に水中に分散させるこ
とができる。その他のオルガノポリシロキサンでは、コ
ロイドミルやホモジナイザー等の乳化機を用いることが
好ましく、この際の液滴の平均粒子径は、一般に、2〜
10μmとなる。また、環状ジオルガノシロキサンをホ
モジナイザー等の乳化機で水中に分散させた後、これを
重合することにより得られるシリコーンオイルの水分散
液の場合には、一般に、液滴の平均粒子径は0.2〜5
μmとなる。
【0024】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤には、
その他任意の成分として、カーボンブラック、雲母粉
末、タルク粉末等の粉末;その他、防錆剤、防腐剤、高
級脂肪酸の金属塩、固形パラフィン粉末、ワックス粉末
等を配合することができる。
【0025】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤を用い
る方法としては、(A)成分のシリコーンゴム粉末、
(B)成分のシリコーンオイル、およびその他任意の成分
を水にそれぞれ所定量配合した後、不揮発分{(A)成分
のシリコーンゴム粉末、(B)成分のシリコーンオイル、
およびその他任意の成分の合計重量}が5〜10重量%
になるように調整し、加硫工程前に未加硫タイヤの内面
にスプレー装置を用いて吹き付けて乾燥させる方法が一
般的である。また、タイヤ内面に離型・潤滑剤を付け
ず、加硫機のブラダーにウェスやスプレーなどを用いて
塗布してブラダールブリカント(BladderLub
ricant)として用いてもよい。もちろん、これら
の両方を処理しても差し支えない。また、水で希釈せ
ず、不揮発分が50〜70重量%と高い場合は、エアガ
ン方式で噴霧することができ、さらに、水で希釈して不
揮発分量を5〜10重量%とした場合には、エアレスガ
ン方式で噴霧して、タイヤ内面やブラダーに処理するす
ることが好適である。さらに、ウェスに含ませてタイヤ
内面やブラダー表面を処理する場合には、タイヤ成型用
離型・潤滑剤中の不揮発分量は限定されない。
【0026】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤は、従
来、タイヤ成型には、不可欠な成分といわれていた雲母
粉末やタルク粉末を主成分としなくても、未加硫タイヤ
の内面用(BandPlyLubricant、インナ
ーペイント、GIP等の離型・潤滑剤)としてばかりで
なく、ブラダーその物を離型・潤滑処理するブラダール
ブリカントとしても有効である。すなわち、雲母粉末や
タルク粉末を離型剤の一つとして使用する従来の離型剤
では、配合時これが飛散し、作業環境を汚染したり、特
に、雲母粉末はかさだかく、配合がなかなか困難で、比
重が大きいため配合安定性が悪く、ブラダールブリカン
トとして用いた場合、ブラダーの表面から脱落しやす
く、潤滑性も不十分であるという欠点があったが、本発
明のタイヤ成型用離型・潤滑剤は、シリコーンゴム粉末
とシリコーンオイルの水分散液かななるので、内面離型
剤としてばかりでなく、ブラダールブリカントとしても
有用な処理剤である。
【0027】
【実施例】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤を実施例
により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は25℃
における値である。また、タイヤ成型用離型・潤滑剤は
次のようにして評価した。 [タイヤ成型用離型・潤滑剤の評価方法]タイヤ成型用
離型・潤滑剤をハンドガン(エアガン方式)で表面が均
一になるように、未加硫のタイヤに使用されているSB
R製シート(厚さ3mm、幅5cm、長さ10cm)表面に噴
霧した後、乾燥させた。ブラダーに使用されている加硫
済のブチルゴム製シート(厚さ3mm、幅5cm、長さ10
cm)をスプレー面に重ね、加硫前の2枚のシート間の平
滑性を調べた後、150℃で10分間プレス成型機を用
いて、2.0MPaのプレス圧で加硫した。加硫後、プレス
機から外し、2枚をはがして、感応検査による離型性、
およびプレスによるSBRシートの表面状態を観察して
プレス成型性を評価した。なお、それぞれの評価基準は
次のとおりである。 ・平滑性(未加硫SBRシート/加硫済ブチルゴムシー
ト間) ○ 良好 △ 不十分 × 不良 ・離型性 ○ 容易に剥離する △ やや不十分 × 剥離せず ・プレス成型性 ○ 良好 △ 不十分 × 不良 ・総合評価 ○ 良好 △ 不十分 × 不良
【0028】[参考例1]粘度400mPa・sの分子鎖両
末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキ
サン96重量部、粘度20mPa・sの分子鎖両末端トリメ
チルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサ
ン4重量部、粘度20mPa・sの分子鎖両末端トリメチル
シロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン6重量部、およ
び塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(上記の分
子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチル
シロキサンに対して、このアルコール溶液中の白金金属
原子が重量単位で20ppmとなる量)を均一に混合してシ
リコーンゴム組成物を調製した。なお、この組成物を室
温で1日間放置することにより硬化して得られるシリコ
ーンゴムのJIS K 6253に規定されるタイプA
デュロメータ硬さは28であった。
【0029】次に、このシリコーンゴム組成物全量を3
重量%−ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(HLB=13.1)水溶液53重量部により乳化した
後、純水50重量部を加えて、シリコーンゴム組成物の
水分散液を調製した。そして、この水分散液を室温で1
日間放置することにより、シリコーンゴム組成物を硬化
させて、シリコーンゴム粉末の水分散液を調製した。こ
のシリコーンゴム粉末は球状であり、平均粒子径は4μ
mであった。
【0030】また、この水分散液から水を除去して得ら
れたシリコーンゴム粉末100重量部にトルエン100
0重量部を加えて、これらをホモディスパーにより50
0rpmで30分間攪拌した後、12時間静置した。その
後、これを再びホモディスパーにより500rpmで10
分間攪拌し、次いで、ろ紙によりろ過した。得られたろ
液からトルエンを除去することにより、粘度が20mPa・
sである非架橋のシリコーンオイルを回収した。このシ
リコーンゴム粉末中に含まれる非架橋のシリコーンオイ
ルの含有量を求めたところ、6重量%であることがわか
った。また、この非架橋のシリコーンオイルをゲルパー
ミエーションクロマトグラフ、赤外線分光分析、および
1H−核磁気共鳴分析した結果、分子鎖両末端トリメチ
ルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサンを主成分とす
るものであることがわかった。
【0031】[参考例2]ドデシルベンゼンスルホン酸
20重量部を水580重量部に溶解した後、攪拌機を用
いて攪拌しながら、この中に580重量部のオクタメチ
ルシクロテトラシロキサンを徐々に添加した。その後、
ホモジナイザー型乳化機を用いて380Kg/cm2の圧力
で2回処理した。次いで、85℃に昇温後、2時間保持
し、45℃で5時間保持して乳化重合した。得られたシ
リコーンオイルの水分散液100重量部に対してアセト
ン50重量部を添加してシリコーンオイルを回収した。
このシリコーンオイルの粘度は95000mPa・sであっ
た。
【0032】[実施例1]表1で示したようなシリコー
ンゴム粉末とシリコーンオイルの重量比となるように、
参考例1で調製したシリコーンゴム粉末の水分散液と参
考例2で調製したシリコーンオイルの水分散液を混合
し、さらに、水を加えて、シリコーン成分の含有量(シ
リコーンゴム粉末とシリコーンオイルの合計量の含有
量)を5重量%に調整して、タイヤ成型用離型・潤滑剤
を調製した。これらのタイヤ成型用離型・潤滑剤を上記
のように評価して、その評価結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示したように、本発明に係るタイヤ
成型用離型・潤滑剤は、平滑性、潤滑性、およびプレス
成型性が優れ、タイヤ内面用離型剤(BandPlyL
ubricant、インナーペイント、GIP等)とし
て総合的に好適であった。
【0035】[実施例2]実施例1で用いたタイヤ成型
用離型・潤滑剤をブラダールブリカントとして用いて、
ブラダー表面を処理した。実施例1では、タイヤ内面を
想定した未加硫のSBRゴムシートに本発明に係るタイ
ヤ成型用離型・潤滑剤を噴霧したが、実施例2では、ブ
ラダーに用いられる加硫済のブチルゴムシートに本発明
に係るタイヤ成型用離型・潤滑剤を噴霧して、実施例1
と同様にプレス機で加硫し、同様に評価した。これらの
結果を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】表2で示されるように、本発明に係るタイ
ヤ成型用離型・潤滑剤は、ブラダールブリカントとして
好適であった。
【0038】[実施例3]参考例1で調製したシリコー
ンゴム粉末の水分散液と参考例2で調製したシリコーン
オイルの水分散液とを、シリコーンゴム粉末とシリコー
ンオイルとの重量比が100:100となるように混合
した後、水を加えてシリコーン成分の含有量(シリコー
ンゴム粉末とシリコーンオイルの合計量の含有量)を1
5重量%に調整し、タイヤ成型用離型・潤滑剤を調製し
た。このタイヤ成型用離型・潤滑剤をウェスに含ませ
て、新品のブチルゴム製ブラダー表面をまんべんなく処
理後、乾燥した。その後、内面離型剤をタイヤ内面に塗
布していない未加硫タイヤをBag−O−Matic加
硫機にセットし、170℃で20分間加硫した。以下、
同様に処理して5本のタイヤ成型をおこなった。ブラダ
ーの膨張時の未加硫タイヤの内面との潤滑性不足や、エ
アトラップに起因する欠点もなく、また、ブラダーが収
縮した後も、ブラダーと成型されたタイヤ内面との離型
も容易で、離型性も良好であり、ブラダールブリカント
として有効であった。
【0039】[実施例4]実施例3において、本発明に
係るタイヤ用離型・潤滑剤をブラダー表面にのみ処理
し、加硫機で加硫したが、実施例4においては、ブラダ
ー表面は離型剤を塗布せずに、タイヤ内面のみにタイヤ
用離型・潤滑剤を処理し、実施例3と同様にBag−O
−Matic加硫機にセットし、170℃で20分間加
硫した。以下、同様に処理して5本のタイヤ成型を行っ
た。本発明に係るタイヤ用離型・潤滑剤は、タイヤ内面
とブラダーとの潤滑、離型、エアブリードも良好で、タ
イヤ内面用離型剤(BandPlyLubrican
t、インナーペイント、GIP等)として有効であっ
た。
【0040】
【発明の効果】本発明のタイヤ成型用離型・潤滑剤は、
タイヤ成型時の離型性、および潤滑性が優れるという特
徴がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/20 C08K 3/20 C08L 83/04 C08L 83/04 // B29K 21:00 105:24 B29L 30:00 (72)発明者 長縄 努 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 小林 和男 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 森田 好次 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 Fターム(参考) 4F202 AA33 AA45 AB07 AC04 AH20 CA21 CB01 CM46 4F203 AA33 AA45 AB07 AC04 AH20 DA11 DB01 DC04 DN10 4J002 CP03W CP03X CP05W CP08W CP09W CP10W CP14W DA030 DE026 DJ040 DJ050 FD010 FD160 FD170 FD180 FD310 GN01 HA07 4J035 BA02 CA02N CA052 CA062 CA082 CA092 CA112 CA142 CA162 CA182 CA192 CA262 EA01 GA08 LA02 LB06 LB09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)平均粒子径が0.1〜500μmで
    あるシリコーンゴム粉末100重量部、(B)25℃にお
    ける粘度が少なくとも100mPa・sであるシリコーンオ
    イル5〜900重量部、および(C)任意量の水からなる
    タイヤ成型用離型・潤滑剤。
  2. 【請求項2】 (A)成分のシリコーンゴム粉末が非架橋
    のシリコーンオイルを含有していることを特徴とする、
    請求項1記載のタイヤ成型用離型・潤滑剤。
  3. 【請求項3】 (B)成分のシリコーンオイルがポリジメ
    チルシロキサンであることを特徴とする、請求項1記載
    のタイヤ成型用離型・潤滑剤。
  4. 【請求項4】 (A)成分のシリコーンゴム粉末を水中に
    分散してなる水分散液と、(B)成分のシリコーンオイル
    を水中に分散してなる水分散液とを混合したことを特徴
    とする、請求項1記載のタイヤ成型用離型・潤滑剤。
  5. 【請求項5】 (A)成分のシリコーンゴム粉末を水中に
    分散してなる水分散液が、シリコーンゴム組成物を水中
    に分散状態で硬化してなるものであることを特徴とす
    る、請求項4記載のタイヤ成型用離型・潤滑剤。
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