JP2000157559A - 歯科用築盛材 - Google Patents

歯科用築盛材

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JP2000157559A
JP2000157559A JP10335724A JP33572498A JP2000157559A JP 2000157559 A JP2000157559 A JP 2000157559A JP 10335724 A JP10335724 A JP 10335724A JP 33572498 A JP33572498 A JP 33572498A JP 2000157559 A JP2000157559 A JP 2000157559A
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Japan
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dental
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liquid
ethyl cellulose
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JP10335724A
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Megumi Ida
めぐみ 位田
Takafumi Mitsuishi
孝文 三石
Kiyoko Saka
清子 坂
Midori Takahashi
みどり 高橋
Hideki Nonokawa
秀樹 野々川
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Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】築盛時の操作性に優れると共に、ペースト状に
するための材料の燃え抜け性に優れ焼成後の焼成体の審
美性に優れた歯科用築盛材を提供する。 【解決手段】分子量150万のポリエチレンオキサイド
を0.5重量%含有するポリエチレンオキサイド水溶液
10重量部と、陶材粉末90重量部とを混練して得られ
るペースト状の歯科用築盛材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用築盛材に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、人工歯には大きく分けて、金属
製、樹脂製、及び無機粉を焼結することにより得られる
陶材製の3種類がある。このうち、陶材製の人工歯には
工場で製造される全体が陶材からなる義歯用陶歯と、粉
末状の金属焼付用陶材を歯科技工士が患者の症例に合わ
せて金属フレーム上に築盛し、作製する金属焼付用陶材
製人工歯がある。
【0003】義歯用陶歯は、無機粉末の陶材を加圧し固
めたものを、加熱焼結して作製する。これは、樹脂製の
ものに比べ耐久性は良いが、衝撃に対して弱いという欠
陥がある。また、工場で生産されるため、それぞれの患
者の症例に合った色調を再現することが難しい。
【0004】金属焼付用陶材製人工歯は、強度の優れた
陶材と粘り強い金属を組み合わせたものであり、さらに
耐久性が良く、また歯科技工士が患者の症例に合わせて
作製するため、より天然歯に近い審美性を有する人工歯
である。この粉末状の金属焼付用陶材は、使用時に陶材
粉末と液体(例えば、水あるいは有機溶媒)を混練し、
ペースト状の築盛材にして用いるものである。
【0005】このペースト状にした築盛材を筆を用いて
金属フレーム上又は先に焼付けた陶材上に盛り上げ、ペ
ーパー(紙)で余剰水分を吸収させながら所要の形態に
し、築盛模型に振動を与え、さらに余剰な水分をペーパ
ーにて取り除きながら築盛作業が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】粉末状の金属焼付用陶
材は、耐久性が良く、天然歯により近い審美性を有する
が、築盛作業時に粉末状の前記陶材と液体(水あるいは
有機溶剤)を混練しペースト状にする必要があるため、
使用する際に煩雑である。また、築盛作業中に乾燥等に
より築盛材の粘性が変化し、このため築盛中に築盛体が
崩れる等といった問題があり、素早く作業を終わらせる
等の高度な技術が要求される。この煩わしさを解消する
ため、これまでに、粉末状の陶材に有機溶剤を添加する
ことにより予めペースト化しておくことが試みられてき
た。
【0007】例えば、特開平3−77804号公報に
は、歯科用陶材と有機溶剤と更に、粒径5〜50nmの
無機微粉体の混合物よりなる歯科用ペースト材料が記載
されている。このペースト材料は長期間保存しても歯科
用陶材が沈殿することなく、優れた操作性を有する旨が
前記公報に記載されているが、粒径5〜50nmの無機
微粉末を必須とし前記無機微粉末を添加しなければこの
効果が得られない。
【0008】また、陶材と有機溶剤のみから作製した歯
科用築盛材は粘性が低く不安定であり、さらに操作性が
良くないといった問題点があった。さらに、有機溶剤の
中では比較的粘性の高いグリセリンを用いた歯科用ペー
スト材が知られているが、グリセリンは燃え抜け性が悪
いので、前記ペースト材の焼成体は審美性が劣るといっ
た問題がある。
【0009】本発明の目的は、築盛時の操作性に優れる
と共に、ペースト状にするための材料の燃え抜け性に優
れ焼成後の焼成体の審美性に優れた歯科用築盛材を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、実験・研究
を重ねた結果、特定の分子量を有するポリエチレンオキ
サイド及びエチルセルロースは、歯科用築盛材に含有さ
せた場合に築盛の際の操作性が良いと共に、焼成の際に
燃え抜け性が良い、ということを見出し、焼成後の審美
性が良好な歯科用築盛材の開発に成功したものである。
【0011】即ち、本発明によれば、陶材粉末と、前記
陶材粉末の焼成体の色調に影響を及ぼさない程度に焼成
により十分に燃え抜ける程度の分子量を有するポリエチ
レンオキサイド及びエチルセルロースのうちの1種以上
を含有する液状体とを含有し、築盛に十分な粘性を有す
る歯科用築盛材により上記目的を達成することができ
る。なお、本願明細書では、本発明における「陶材粉
末」は、本発明における「液状体」を構成しないものと
する。本発明の歯科用築盛材は、次のようにすることが
できる。
【0012】前記ポリエチレンオキサイドの分子量を1
50万〜600万にすることができる。前記エチルセル
ロースは、トルエン80重量部とエタノール20重量部
のみから成る混合溶液に5重量%の濃度で溶解させた場
合において、エチルセルロース溶解後の混合溶液の粘度
が4〜200cpsになる程度の分子量を有するものに
することができる。前記液状体中の前記ポリエチレンオ
キサイドの濃度を0.5〜3重量%にすることができ
る。前記液状体中の前記エチルセルロースの濃度を0.
5〜20重量%にすることができる。
【0013】前記液状体と前記陶材粉末の重量比を10
〜50:50〜90にすることができる。前記液状体を
10〜50重量%含有し、前記陶材粉末を50〜90重
量%含有することができる。前記液状体は、前記ポリエ
チレンオキサイド又は前記エチルセルロースを溶解する
溶剤を含有することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を説明する。なお、本発明において数値範囲の記載は、
両端値のみならず、その中に含まれる全ての任意の中間
値を含むものとする。
【0015】本発明の歯科用築盛材は、下地(一般的に
は、金属フレーム、又は金属フレームに形成された陶
材)に焼き付けて使用されるものである。焼き付ける際
に、あまり高温にしてしまうと、焼き付けようとする下
地が変形してしまう。そのため、本発明の歯科用築盛材
の焼成温度は、下地が溶融ないし変形しない程度の温度
範囲にする。一方、歯科用陶材粉末は、ガラス質のもの
を主成分とするものが多いので、歯科用陶材粉末を含有
する本発明の歯科用築盛材は、築盛後下地に焼き付ける
際に、あまり高温にしてしまうと、溶けすぎてしまい、
角が丸くなってしまいやはり変形してしまう傾向があ
る。
【0016】焼き付けようとする下地が変形しない程度
の温度範囲は、下地の材質にもよるが、一般的に100
0℃以下である。また、歯科用陶材粉末が焼成可能でか
つ溶けすぎない程度の温度範囲は、陶材の組成にもよる
が、一般的に700〜1000℃である。従って、本発
明の歯科用築盛材は、好ましくは700〜1000℃の
温度範囲で焼成する。
【0017】本発明の歯科用築盛材は、焼成後の審美性
が良好であり、焼成により、審美性を有するような燃え
抜けの状態になる。詳細には、(1)焼成後の色調が、
残留カーボンによって黒ずんでいない、(2)焼成後の
状態が、天然歯と同様な透明性を有する、(3)焼成後
に大きな気泡を含んでいない、等である。
【0018】[液状体]本発明における液状体は、陶材
粉末の焼成体の色調に影響(悪影響)を及ぼさない程度
に焼成により十分に燃え抜ける程度の分子量を有するポ
リエチレンオキサイド、及び、陶材粉末の焼成体の色調
に影響(悪影響)を及ぼさない程度に焼成により十分に
燃え抜ける程度の分子量を有するエチルセルロースのう
ちの1種以上を含有するものであり、前記ポリエチレン
オキサイド及び前記エチルセルロースの双方を含有する
ことができる。
【0019】前記ポリエチレンオキサイド及び前記エチ
ルセルロースは、好ましくは、築盛材の築盛時の操作性
が十分であると共に、陶材粉末の焼成体の色調に影響
(悪影響)を及ぼさない程度に焼成時に十分に燃え抜け
る程度の分子量を有する。液状体に含有する、前記ポリ
エチレンオキサイド及び前記エチルセルロースのうちの
1種以上ないし全ては、好ましくは、液状体に溶解した
状態で含有させる。
【0020】ポリエチレンオキサイドの分子量は、好ま
しくは150万〜600万、より好ましくは150万〜
450万である。前記ポリエチレンオキサイドの分子量
が600万を超えると燃え抜け性が悪くなる傾向があ
り、その結果、焼成された築盛材の審美性が悪くなる傾
向があるため好ましくない。一方、前記ポリエチレンオ
キサイドの分子量が150万未満では、液状体の十分な
粘性が得られずポリエチレンオキサイドを添加した十分
な効果が見られない傾向がある。
【0021】エチルセルロースの分子量は、好ましく
は、トルエン80重量部とエタノール20重量部の混合
溶液に5重量%溶解した場合の混合溶液の粘度が4〜2
00cps(好ましくは45〜100cps)になる程
度の分子量である。
【0022】エチルセルロースの粘度は、好ましくは4
〜200cpsであり、より好ましくは45〜100c
psである。ここで、エチルセルロースの粘度は、トル
エンとエタノールの重量比が80:20の混合溶液(ト
ルエンとエタノールのみの混合溶液)に5重量%溶解し
た時の粘度である。エチルセルロースの粘度が200c
psを超えると燃え抜け性が悪くなる傾向があり、一
方、エチルセルロースの粘度が4cps未満では液状体
の十分な粘性が得られない傾向があり、エチルセルロー
スを添加した効果が十分に得られない傾向がある。
【0023】液状体中の前記ポリエチレンオキサイドの
濃度は、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは
1〜3重量%である。前記ポリエチレンオキサイドの濃
度が3重量%を越えると液状体の成分である溶剤にポリ
エチレンオキサイドが十分溶解できず、さらに液状体の
粘度が高くなって、陶材粉末との混練が困難になる傾向
があり好ましくない。一方、前記ポリエチレンオキサイ
ドの濃度が0.5重量%未満では、液状体の十分な粘性
が得られない傾向があり、ポリエチレンオキサイドを添
加した効果が十分に得られない傾向がある。
【0024】液状体中の前記エチルセルロースの濃度
は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1
〜10重量%である。前記エチルセルロースの濃度が2
0重量%を超えると液状体の粘性が大きすぎて陶材粉末
との混練が困難になる傾向があり好ましくない。一方、
前記エチルセルロースの濃度が0.5重量%未満では、
液状体の十分な粘性が得られずエチルセルロースを添加
した効果が十分に得られない傾向がある。
【0025】[陶材粉末]本発明の歯科用築盛材におけ
る陶材粉末の含有量は、好ましくは50〜90重量%、
より好ましくは70〜80重量%である。前記陶材粉末
の含有量が90重量%を越えると、製造の際に、陶材粉
末と液状体の混練性が悪くなり、ペースト化し難くなる
傾向がある。一方、前記陶材粉末の含有量が50重量%
未満では、陶材粉末と液状体の混練物の粘性が不足する
ため、築盛時の操作性が悪くなる傾向がある。
【0026】本発明に用いる陶材粉末、即ち、無機粉末
の陶材は、歯科用陶材であれば種類を問わず、例えば代
表的な組成及び物性には表1に示すものがあり、使用さ
れている。なお、表1の曲げ強度、破壊靭性、熱膨張係
数は、各陶材を成形し焼成して得られた一定形状の焼成
体の値である。
【0027】
【表1】
【0028】陶材粉末の粒径は、使用部位に応じて設定
することができる。ボディ用の陶材粉末の平均粒径は、
好ましくは20〜40μmである。オペーク用の陶材粉
末の平均粒径は、好ましくは7〜17μmである。ステ
イン用の陶材粉末の平均粒径は、好ましくは1〜10μ
mである。ボディ、オペーク、ステインのそれぞれの部
位を図1に示す。図1は、人工歯の開口の深さ方向の概
略断面図である。なお、ステインの部分を人工歯冠に設
けない場合がある。
【0029】[溶剤]本発明の液状体は、溶剤を含有す
ることができる。溶剤は、水あるいは有機溶剤でも特に
問題ないが、混合溶剤の場合、好ましくは、少なくとも
一つはポリエチレンオキサイド又はエチルセルロースを
溶解する溶剤を含むようにする。
【0030】好ましい有機溶剤としては、2−フェノキ
シエタノール、ベンジルアルコールなどエチルセルロー
スを溶解する溶剤や、これらの溶剤と相溶性のある溶
剤、例えば、1,3−ブタンジオール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコールなどが考えられる。また、
液状体がポリエチレンオキサイドを含有する場合の溶剤
としては、水又はアルコール類を用いるのが好ましい。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。また、実施
例に示した燃え抜け性、操作性の評価判定法は次の通り
である。
【0032】燃え抜け性は、築盛材の焼成後の審美性の
良否を判断するものであり、その判定は溶剤に水のみを
用いた築盛材を基準とし、歯冠形状に築盛を行い、陶材
の焼き付け温度である935℃で焼成を行い(乾燥時間
6分、焼成開始温度400℃、昇温速度45℃/分、焼
成温度935℃、係留時間1分、真空開始温度650
℃、真空度720mmHg、室温急冷)、焼成後の試料
が水のみで作製した築盛材の焼成後の色調に対し、燃え
抜け性が同等以上であれば「優」、燃え抜け性に影響が
見られなければ「良」、燃え抜け性が劣るものは「不
可」とした。
【0033】操作性は、築盛材をスパチュラ等で歯冠形
状に築盛を行い、総合的な扱いの善し悪しにより、優、
良、不可の3段階評価を行った。操作性の判断基準は、
コンデンス(水抜き、以下同様。)が不要であり且つ築
盛中に形状が崩れない場合を「優」、コンデンスが不要
であり且つ軟らかいが築盛への悪影響がない場合を
「良」、コンデンスが不要又は必要であり築盛中に崩れ
る場合を「不可」とした。
【0034】[実施例1]ビーカーに水95.5gを秤
量し、前記ビーカーにポリエチレンオキサイド(分子量
1,500,000)を0.5g投入、混合し、ポリエ
チレンオキサイド水溶液を得た。得られたポリエチレン
オキサイド水溶液5gと無機粉末の陶材A45gをめの
う乳鉢にて5分間混練し、ペースト状の築盛材となし
た。得られた築盛材を歯冠形状に築盛し、前記陶材の焼
き付け温度である935℃で焼成を行い(乾燥時間6
分、焼成開始温度400℃、昇温速度45℃/分、焼成
温度935℃、係留時間1分、真空開始温度650℃、
真空度720mmHg、室温急冷)、燃え抜け性の確認
を行った。また、スパチュラを用いて歯冠形状に築盛を
行い、操作性を調べた。築盛材の組成を表2に、溶液の
組成を表3に、評価の結果を表4に示す。
【0035】[実施例2〜12及び比較例1〜8]実施
例1と同様の方法で、表3に示した組成の溶液(液状
体)及び表2に示した組成の築盛材を作製し、上記方法
により評価を行った。評価の結果を表4に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】 エチルセルロースの粘度は、トルエン:エタノールの重
量比が80:20の混合溶液に5重量%溶解したときの
粘度である。
【0038】
【表4】
【0039】その結果、本発明の実施例1〜12は燃え
抜け性に優れ、操作性も良好であった。また、実施例
6、7、8は陶材の種類のみが異なり、築盛材の組成、
溶液(液状体)の組成が等しいものであるが、陶材の組
成、曲げ強度、破壊靭性、熱膨張係数、ガラス転移点、
平均粒径に関わらず、どれも燃え抜け性、操作性ともに
良好であった。実施例12は溶剤に2−フェノキシエタ
ノールよりも粘性の高い1,3−ブタンジオールを添加
することにより、さらに操作性が向上した。
【0040】一方、比較例1は、溶剤が水であるため燃
え抜け性は問題ないものの、ビーカー中の築盛材が築盛
中に乾燥するため、再度、ビーカー中の築盛材に水を添
加して無機粉末陶材と水を混練しなければならなかっ
た。また、築盛した築盛材が乾燥するため築盛中に崩れ
ることがあるので、築盛や重ね盛りをするのに高度な技
術が要求される。
【0041】比較的2,3は、燃え抜け性は良好である
が、有機溶剤のみであるため築盛材の粘度が低く、その
ため操作性が低下する。
【0042】比較例4は、比較的粘性の高い溶剤である
グリセリンを用いているため操作性は良好であるが、燃
え抜け性が悪いため焼成後の色調、すなわち審美性に問
題がある。
【0043】比較例5は、溶液中のポリエチレンオキサ
イドの分子量が小さいと共に溶液中のポリエチレンオキ
サイドの濃度が低いため、燃え抜け性は良好であるが、
溶液のポリエチレンオキサイドの含有量が0.1重量%
と少ないため操作性への効果が得られなかった。
【0044】比較例6は、溶液中のポリエチレンオキサ
イドの分子量が大きいと共に溶液中のポリエチレンオキ
サイドの濃度も高いため、操作性は良好であるが、燃え
抜け性が悪く焼成後の色に問題があった。
【0045】比較例7は、溶液中のエチルセルロースの
粘度が小さく、つまり分子量が小さく溶液中のエチルセ
ルロースの濃度も低いため、燃え抜け性は良好であるが
操作性への効果が見られなかった。
【0046】比較例8は、溶液中のエチルセルロースの
粘度が大きく、つまり分子量が大きく溶液中のエチルセ
ルロースの濃度も高いため、操作性は良好であるが燃え
抜け性が悪く焼成後の色に問題があった。
【0047】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜8の歯科用築
盛材は、陶材粉末と、前記陶材粉末の焼成体の色調に影
響を及ぼさない程度に焼成により十分に燃え抜ける程度
の分子量を有するポリエチレンオキサイド及びエチルセ
ルロースのうちの1種以上を含有する液状体とを含有
し、築盛に十分な粘性を有するので、次のような基本的
な効果を奏することができる。
【0048】築盛時の操作性に優れると共に、ペースト
状にするための材料の燃え抜け性に優れるので焼成後の
焼成体の色が良く焼成体は審美性に優れる。従って、人
工歯冠上に本発明の築盛材を築盛し、焼成することによ
り、天然歯に非常に近い優れた審美性を有する人工歯を
得ることができる。
【0049】請求項2〜8の発明は、それぞれさらに構
成要件を具備するので、前記基本的な効果が顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、人工歯の開口の深さ方向の概略断面図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三石 孝文 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 (72)発明者 坂 清子 愛知県名古屋市天白区梅が丘二丁目1319番 地 株式会社ノリタケデンタルサプライ内 (72)発明者 高橋 みどり 愛知県名古屋市天白区梅が丘二丁目1319番 地 株式会社ノリタケデンタルサプライ内 (72)発明者 野々川 秀樹 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内 Fターム(参考) 4C089 AA02 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA12 BE01 BE15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陶材粉末と、前記陶材粉末の焼成体の色調
    に影響を及ぼさない程度に焼成により十分に燃え抜ける
    程度の分子量を有するポリエチレンオキサイド及びエチ
    ルセルロースのうちの1種以上を含有する液状体とを含
    有し、築盛に十分な粘性を有することを特徴とする歯科
    用築盛材。
  2. 【請求項2】前記ポリエチレンオキサイドの分子量は1
    50万〜600万であることを特徴とする請求項1に記
    載の歯科用築盛材。
  3. 【請求項3】前記エチルセルロースは、トルエン80重
    量部とエタノール20重量部のみから成る混合溶液に5
    重量%の濃度で溶解させた場合において、エチルセルロ
    ース溶解後の混合溶液の粘度が4〜200cpsになる
    程度の分子量を有することを特徴とする請求項1〜2の
    いずれか一に記載の歯科用築盛材。
  4. 【請求項4】前記液状体中の前記ポリエチレンオキサイ
    ドの濃度は0.5〜3重量%であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一に記載の歯科用築盛材。
  5. 【請求項5】前記液状体中の前記エチルセルロースの濃
    度は0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか一に記載の歯科用築盛材。
  6. 【請求項6】前記液状体と前記陶材粉末の重量比は10
    〜50:50〜90であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか一に記載の歯科用築盛材。
  7. 【請求項7】前記液状体を10〜50重量%含有し、前
    記陶材粉末を50〜90重量%含有することを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか一に記載の歯科用築盛材。
  8. 【請求項8】前記液状体は、前記ポリエチレンオキサイ
    ド又は前記エチルセルロースを溶解する溶剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一に記載の歯
    科用築盛材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100394361B1 (ko) * 2000-12-18 2003-08-09 김대현 적층형 페이스트 치관 및 그 제조방법
JP2007236465A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Gc Dental Products Corp 多層人工歯用本体部材

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