JP2000157161A - 食用農産物の鮮度保持方法 - Google Patents

食用農産物の鮮度保持方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極く短時間の磁場処理を施すだけで、葉緑度
の長時間持続及び葉黄度進行速度の低下を図るととも
に、含水率の低下を防止して鮮度保持特性を大幅にに改
善でき、また、流通過程等での保冷エネルギーの節減が
図れるようにする。 【解決手段】 収穫後の食用農産物に、磁力線が当該食
用農産物の生長軸方向またはそれにほぼ平行な方向に向
かうような単一極性の単発パルス状磁場を0.03〜
0.3テスラの範囲で印加して該食用農産物の生長を抑
制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として収穫され
た野菜等の食用農産物の鮮度を保持するための食用農産
物の鮮度保持方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食用農産物は、生産地で収穫されてから
消費者の手元に届くまでの流通過程において、水分含有
率(以下、含水率と称する)の低下や表面葉の褪色など
による鮮度の経時的な劣化が避けられない。特に、野菜
など水分含有量の大きい食用農産物、殊に、葉菜類野菜
は一般的に呼吸面積及び水分蒸散面積が大きいために、
光や温度・湿度など農産物の生長環境制御因子に非常に
敏感である。特に、上記の生長環境制御因子の変動が大
きい夏期では、生長が著しく速くて表面葉の緑度(以
下、葉緑度と称する)の持続時間が短く、表面葉の黄度
(以下、葉黄度と称する)が急速に進行するとともに、
水分の蒸散作用に起因して含水率が急速に低減し、鮮度
の経時的な劣化が顕著で、食用農作物商品としての、い
わゆる日持ちが非常に短い。
【0003】このような食用農産物の鮮度の経時的な劣
化を克服する方法として、従来一般的には、収穫後の農
産物に予冷を施したり、流通過程のうちで最も時間のか
かる輸送段階で凡そ5〜10℃程度の定低温状態に保持
したりするなどの保冷による鮮度保持方法が採用されて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来一般の
保冷による鮮度保持方法は、本来、通常の室温(15℃
程度)では収穫後の棚持ち期間が3〜7日間程度と短く
て所定の鮮度保持の効果がほとんど得られないことか
ら、上述のように、5〜10℃程度の低い保存温度に設
定し、それを長時間に亘り連続的に持続することで、所
定の鮮度保持の効果を発揮させようとする方法である。
しかしながら、そのような低温保冷による鮮度保持方法
の場合は、食用農産物の乾燥による風味の低下が避けら
れないばかりでなく、特に日中の温度が高く、かつ、昼
夜の温度差が大きい夏期にも所定の鮮度保持効果を発揮
させるためには輸送時等において非常に大きな保冷エネ
ルギーを必要とする問題があり、設備および経済性の面
からみて望ましい方法といえない。
【0005】また、上記保冷による鮮度保持方法に代わ
る方法として、例えば特開平1−191669号公報に
開示されているように、食品収納庫に収納された食品に
高周波電磁界を作用させることで、食品を活性化して鮮
度を保持する方法や、特開平3−35777号公報に開
示されているように、生鮮食品を静磁場下に保存するこ
とで、その食品中に存在する微生物の育成を抑制し、か
つ酵素の活性を低下させて鮮度を保持する方法なども提
案されている。しかし、前者の方法では、高周波電磁界
の印加に伴い含有水分の分子運動が加速されて誘導加熱
が起こって食品自体が改変質されてしまうという問題が
ある。また、後者の方法では、流通過程においても常時
あるいは長時間に亘って連続的に食品を磁場に暴露する
ものである。そのために、磁性体容器や磁性体包装用フ
ィルムなどの使用が必要があって、空中の浮遊金属塵埃
などを吸引して汚れやすく、また、同金属自体が食品に
付着し、口に入るなど、食品として重要な衛生面、安全
面で大きな問題がある。このように、食用農産物の鮮度
保持方法として十分な効果を奏するまでには至っていな
い。
【0006】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、生産地等で極く短時間の処理を施すだけで、
葉緑度を長時間持続し、かつ葉黄度の進行速度を低下さ
せるとともに、含水率の低下を防止して鮮度保持特性を
大幅に改善することができ、その上、流通過程等におけ
る保冷エネルギーの節減も図ることができる食用農産物
の鮮度保持方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る食用農産物の鮮度保持方法は、収穫後
の食用農産物に、磁力線が当該食用農産物の生長軸方向
またはそれにほぼ平行な方向に向かう略単一極性の単発
パルス状磁場を印加することにより、該食用農産物の上
記収獲後の状態を維持(鮮度維持)することを特徴とす
るものである。なお、本発明において、「単発パルス状
磁場」とは、周期性を必要としないことを意味し、また
複数回加えてもよい。
【0008】上記のような特徴を有する本発明によれ
ば、収穫後の食用農産物に対して、略単一極性の単発パ
ルス状磁場という強大な磁気エネルギーを生長軸方向ま
たはそれにほぼ平行な方向に向けて瞬間あるいは極く短
時間に亘って直接印加することで、該食用農産物の植物
形態および分子構造を瞬間的に根本から変化させてその
後の該食用農作物の収獲後の状態を維持することができ
る。すなわち、葉緑度の長時間持続及び葉黄度の進行速
度の低下が図れるだけでなく、含水率の低下を抑制して
収穫時とほぼ同一水準の含水率の維持が図れ、食用農産
物全体としての鮮度保持特性を大幅に改善することが可
能となる。また、上記のような磁場処理を施さないもの
に比して同一の鮮度保持効果を得るための保存温度を高
くすることが可能で、つまり、保存温度を通常の室温程
度に高温化しても、従来の保冷による鮮度保持の場合と
同等以上の鮮度保持効果が得られるために、流通過程な
どでの保冷エルネギーの大幅な節減が図れる。
【0009】上記食用農産物の鮮度保持方法における単
発パルス状磁場の強度としては、鮮度保持にとって最も
重要な葉緑度の長時間持続及び葉黄度の進行速度の低下
の両方を満足させることを考慮した場合、後述の実験デ
ータからも証明されるように、磁場の中心軸上のピーク
値において0.03〜0.3テスラの範囲に設定するこ
とが好ましく、より好ましくは0.07〜0.15テス
ラの範囲に設定する。
【0010】また、上記食用農産物の鮮度保持方法にお
ける単発パルス状磁場の印加方向については、磁力線が
食用農産物の生長方向とは逆方向に向かう逆方向印加で
もよいが、特に、磁力線が生長方向に向かう順方向印加
とすることによって、後述の実験データからも証明され
るように、逆方向印加に比べて一層高い鮮度保持効果が
得られる。なお、本発明において、「生長方向」とは、
一般に、葉は上向きに生長し、一方、根は下向きに生長
するので、葉については上向きをいい、根については下
向きをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る食用農産物
の鮮度保持方法を実施するために用いられる単発パルス
状磁場発生装置の概略構成図、図2はそのブロック回路
図の一例である。この単発パルス状磁場発生装置は、サ
イリスタによる双方向電力位相制御方式の入力トランス
部と整流部からなるAC入力部1と、多数直列に接続さ
れた半導体整流器(シリコン整流体)とコンデンサを使
用してなるコッククロフト・ウォルトン回路等の直流高
電圧発生回路2と、コンデンサ充放電回路3と、サイリ
スタ等のスイッチ回路4と、ダイオードクランプなどの
クローバー回路5とを備えた単発パルス状磁場発生電源
7と、円筒形で食用農産物Aをほぼ同軸上に収納保持可
能な形態に構成された磁場発生用電磁コイル6と、両者
6,7を電気的に断続するスイッチ8とからなる。この
ようなコンデンサ蓄勢方式単発パルス状磁場発生装置の
使用によって、上記コイル6の中心軸上に図3に示すよ
うな単一極性波形の単発パルス状磁場(磁界)を発生さ
せるように構成している。なお、単発パルス状磁場Pu
の波形としては、図3に示すものに限定されるものでな
く、例えば図4の(a)〜(c)に示すような波形状の
ものであってもよい。更には、図4(d)のように、負
の極性を一部に含んでいても、一方の極性のエネルギー
が他方の極性のエネルギーに比べ著しく大きければ(略
単一極性であれば)、単一極性に近似した効果が得られ
る。
【0012】次に、上記のように構成されたコンデンサ
蓄勢方式単発パルス状磁場発生装置による収穫後の食用
農産物の鮮度保持のための処理方法について簡単に説明
する。図5に示すように、野菜等の食用農産物Aを上記
円筒形磁場発生コイル6の内部空間に、その生長軸Ac
方向がコイル6の中心軸(磁場の中心軸)20と平行ま
たはほぼ平行になるように収納し保持させる。この状態
で、上記コンデンサ蓄勢方式単発パルス状磁場発生装置
におけるAC入力部1に単相AC50/60Hzの位相
制御された電圧を印加すると、電源7の各回路2〜5に
よる直流高電圧の発生や充電、クランプ等の動作及びス
イッチ8を経てコイル6には図5の矢印aまたはbに示
すように磁力線が束になって流れる。この磁束の流れは
食用農産物Aの生長軸Ac方向またはそれにほぼ平行な
方向であり、食用農産物Aにはそれの生長軸Ac方向ま
たはほぼ平行な方向で、図3もしくは図4に示したよう
な単一極性の単発パルス状磁場Puが印加されることに
なる。
【0013】ここで、上記単発パルス状磁場の強さは、
磁場の中心軸20上のピーク値が0.03〜0.3テス
ラ、好ましくは、0.07〜0.15テスラ程度の範囲
に設定されている。また、上記単発パルス状磁場の単位
印加時間は、コンデンサ充放電回路3におけるコンデン
サ放電サイクルにより決定されるが、通常は4〜50ミ
リ秒である。
【0014】以上のような磁場強さ及び単位印加時間を
持つ単発パルス状磁場が一回または必要に応じて複数回
印加された食用農産物Aは、その植物形態および分子構
造が瞬間的に根本から変化してその後の該食用農作物の
劣化と生長が抑制されることになり、これによって、葉
緑度が長時間持続され、かつ葉黄度の進行速度が低下さ
れるだけでなく、水分蒸散作用による含水率の低下が抑
制されて収穫時とほぼ同一水準の含水率が維持され、食
用農産物全体としての鮮度を長時間に亘って保持し食用
農作物商品としての日持ち(寿命)を延ばすことが可能
である。
【0015】以下、単発パルス状磁場の印加による食用
農産物の鮮度保持処理に関し本発明者が行った実験例に
ついて説明する。 〔実験例1〕 実験条件; (1)試料:グリーンリーフレタスA (2)単発パルス状磁場の印加方向:図5の破線で示す
ように、磁力線が茎側から葉側または先端部へ向かう順
方向a、実線で示すように、葉側または先端部から茎側
への逆方向bおよび一点鎖線で示す直角方向c (3)単発パルス状磁場の強さ:コイルの中心軸上のピ
ーク値において、0.05T(テスラ)、0.1T、
0.2T、0.5T、2T、0T(無処理) (4)単発パルス状磁場の印加回数:5回 (5)保存温度:室温(15℃) 上記(1)〜(5)の条件下での処理品と無処理品との
葉色特性(葉緑度及び葉黄度)の差異を検討した。
【0016】実験結果;葉緑度の経日変化特性は、図6
の(a),(b),(c)に示す通りであり、また、葉
黄度の経日変化特性は、図7の(a),(b),(c)
に示す通りであった。これら葉色特性結果からみて、収
穫後のグリーンリーフレタスに0.05〜0.1Tの単
発パルス状磁場を生長軸方向に沿い、かつ、逆方向bに
5回印加することにより、その処理品の室温(15℃)
下保存の場合の棚持ち期間L1は7〜8日となり、無処
理品の棚持ち期間L(5日)に比べて2〜3日延長可能
であること、及び、単発パルス状磁場を生長軸に対して
直角方向cに印加する場合には殆ど棚持ち期間の延長が
望めないことが判明した。
【0017】また、単発パルス状磁場の印加方向につい
ては、図6の(a)(c)の特性から逆方向の場合より
も順方向の場合の方が鮮度保持効果が大きく、極性効果
が存在することも判明した。
【0018】〔実験例2〕 実験条件; (1)試料:グリーンリーフレタス (2)単発パルス状磁場の印加方向:図5の実線で示す
ように、茎側から葉側または先端部への順方向a (3)単発パルス状磁場の強さ:コイルの中心軸上のピ
ーク値において、0.1T、0T(無処理) (4)単発パルス状磁場の印加回数:5回 (5)保存温度:収穫後の自然保存(5〜22℃) 上記(1)〜(5)の条件下での処理品と無処理品との
含水率(乾重量/元の葉片重量)の差異を検討した。
【0019】実験結果;含水率(%)の経日変化特性
は、図8に示す通りであった。この特性結果からみて、
収穫後のグリーンリーフレタスに0.1Tの単発パルス
状磁場を生長軸に沿って生長方向と同一の順方向に一回
印加することにより、その処理品の自然保存下で9日目
の含水率は収穫初日とほぼ同じに保たれているのに対
し、無処理品の9日目の含水率は7〜8%低下している
ことが判明した。
【0020】なお、単発パルス状磁場の印加手段として
は、上記実施の形態で説明したコンデンサ蓄勢方式の単
発パルス状磁場発生装置以外に、直流電磁石方式、永久
磁石方式、超電導磁石方式などであってもよく、さら
に、食用農産物をコンベヤによりトンネル状の磁場に対
して高速に通過移動させて単発パルス状磁場を印加させ
るようにしてもよい。
【0021】また、上記実施の形態におけるコンデンサ
蓄勢方式の単発パルス状磁場発生装置においては、磁場
発生用電磁コイル6として円筒形のものを使用したが、
それに限らず、角柱形、角錐形、円錐形、それらの複合
形、渦巻形、樽形でもよく、上下または左右に分割され
たものを用いてもよい。
【0022】また、食用農産物をケースに詰めてコンベ
ヤにより高速搬送させながら、その食用農産物ケースに
単発パルス状磁場を印加させる形態で本発明方法を実施
する場合の単発パルス状磁場発生装置としては、(A)
磁場発生コイルを複数に分割し、それら分割コイルを各
コイルによる発生磁束が加算されるようにカスケード接
続した分割電磁コイル方式、(B)角型もしくは円型の
単一小形コイルの複数個を並列に配置するとともに、こ
れら複数個の小形コイルをカスケード接続したマルチ電
磁コイル方式、等が考えられる。
【0023】図9(a)は上記(A)の分割電磁コイル
方式を採用した単発パルス状磁場発生装置の一例であ
る。これは、食用農産物ケースACを搬送するコンベヤ
10の上下両側に円筒形のコイル2A,2Bを対向配置
し、これら2つのコイルをカスケード接続するととも
に、各コイル2A,2Bそれぞれに、透磁率が高く、残
留磁気の大きい、かつ、渦電流の発生を低減できる電気
抵抗の大きな珪素鋼板などを積層してなる継鉄11A,
11Bを付設して構成したものである。このような継鉄
使用の分割電磁コイル方式の単発パルス状磁場発生装置
によれば、各コイル2A,2Bの径方向の磁場勾配を低
減し食用農産物ケースACの搬送方向に沿う磁場分布を
平均化、安定化することができる。また、コイルの分割
によって、それらコイルの冷却(空冷)面積の拡大に伴
う放熱特性の改善によりコイル寿命の延長化が図れる。
【0024】図9(b)は上記(B)のマルチ電磁コイ
ル方式を採用した単発パルス状磁場発生装置の一例であ
る。これは、食用農産物ケースACを搬送するコンベヤ
10の上側(もしくは下側または上下両側でもよい)に
複数個の小形単位コイル2C…を搬送方向及びそれに直
交する方向に密接させて並列配置するとともに、これら
単位コイル2C…をカスケード接続した構成のものであ
る。このようなマルチコイル方式の単発パルス状磁場発
生装置によれば、単位コイル2Cが小形である上に、各
コイル2Cがカスケード接続されて発生磁束が加算され
るために、高い単発パルス状磁場を得やすいとともに、
各コイル2C…に対応して独立の電源を使用すること
で、電源の小型化も図れる。また、このマルチ電磁コイ
ル方式の各コイル2C…それぞれに上述したような継鉄
を使用し磁場分布の平均化を図ることも可能である。さ
らに、コイル数及び電源数を増やすことで、単発パルス
状磁場の印加範囲を拡大して食用農産物ケースACの複
数個を同時に磁場処理することもできる。さらにまた、
複数個のコイル2C…のうち任意数のコイルのみを動作
させて、磁場を部分印加することも可能である。
【0025】また、上記各種形態の単発パルス状磁場発
生装置の磁場発生コイルの発熱抑制のために、その素線
材料としては、銅やアルミニウム等の電気抵抗の低い材
質の丸線でも角線でもよく、さらに、ホローコンダクタ
のように、内部に冷却水通路を形成可能な中空導線を用
いてもよい。
【0026】また、本発明方法は、野菜や果実などの食
用農産物全般の鮮度保持に適用可能であるが、特に、グ
リーンリーフレタス等の葉菜類や大根等の根菜類、キュ
ーリ等の果菜類野菜で、直状生長型野菜や長尺型野菜の
鮮度保持に好適である。なお、鮮度保持に玉レタスでは
0.1テスラ〜0.15テスラ程度が効果的であり、一
方、ブロッコリーでは0.13テスラ〜0.25テスラ
程度が鮮度保持に効果的である。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、収穫後
の食用農産物に、略単一極性の単発パルス状磁場を瞬間
あるいは極く短時間に亘って直接印加するといった簡単
な磁場処理を施すだけで、該食用農産物の植物形態およ
び分子構造を瞬間的に根本から変化させてその後の該食
用農作物の生長を抑制することが可能であり、これによ
って、葉緑度の長時間持続及び葉黄度の進行速度の低下
を図るとともに、含水率の経時的な低下を抑制して収穫
時とほぼ同一水準の含水率を維持することができる。し
たがって、磁場処理を施さない食用農産物はもとより、
保冷による鮮度保持方法にも比べて、食用農産物全体と
しての鮮度保持特性を大幅に改善することができるとい
う効果を奏する。その上、保存温度を通常の室温程度に
高温化しても、従来の保冷による鮮度保持の場合と同等
以上の鮮度保持効果が得られるために、流通過程などで
の保冷エルネギーを大幅に節減することができ、経済性
の面からも非常に有用である。
【0028】特に、請求項4に記載の発明によれば、農
作物の葉色特性及び含水率特性に一層優れた結果が得ら
れ、所定の鮮度保持効果をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る食用農産物の鮮度保持方法を実施
するために用いられる単発パルス状磁場発生装置の概略
構成図である。
【図2】同上単発パルス状磁場発生装置のブロック回路
図である。
【図3】同上単発パルス状磁場発生装置により発生され
る単発パルス状磁場の波形図である。
【図4】(a)〜(d)は単発パルス状磁場の他の波形
例を示す図である。
【図5】野菜等の食用農産物を円筒形磁場発生コイルの
内部空間に収納保持させた状態および磁場方向の説明図
である。
【図6】(a),(b),(c)は実験例1による実験
結果として得られた葉緑度の経日変化特性図である。
【図7】(a),(b),(c)は実験例1による実験
結果として得られた葉黄度の経日変化特性図である。
【図8】実験例2による実験結果として得られた含水率
の経日変化特性図である。
【図9】他の装置の例を示す断面図および斜視図であ
る。
【符号の説明】
6 磁場発生コイル 7 単発パルス状磁場発生電源 A 食用農産物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 啓 東京都北区西ケ原1−26−3 社団法人食 品需給研究センター内 Fターム(参考) 4B061 AA01 AB01 BA01 4B069 AA02 AA04 HA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 収穫後の食用農産物に、磁力線が当該食
    用農産物の生長軸方向またはそれにほぼ平行な方向に向
    かう略単一極性の単発パルス状磁場を印加することによ
    り、該食用農産物の収獲後の状態を維持することを特徴
    とする食用農産物の鮮度保持方法。
  2. 【請求項2】 上記単発パルス状磁場の強度が、磁場の
    中心軸上のピーク値において0.03〜0.3テスラの
    範囲に設定されている請求項1に記載の食用農産物の鮮
    度保持方法。
  3. 【請求項3】 上記単発パルス状磁場の強度が、磁場の
    中心軸上のピーク値において0.07〜0.15テスラ
    の範囲に設定されている請求項1または2に記載の食用
    農産物の鮮度保持方法。
  4. 【請求項4】 上記単発パルス状磁場は、磁力線が食用
    農産物の生長方向と同一の順方向に向かうように印加す
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の食用農産物の鮮
    度保持方法。
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