JP2000156207A - ボタン型電池 - Google Patents

ボタン型電池

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JP2000156207A JP33077698A JP33077698A JP2000156207A JP 2000156207 A JP2000156207 A JP 2000156207A JP 33077698 A JP33077698 A JP 33077698A JP 33077698 A JP33077698 A JP 33077698A JP 2000156207 A JP2000156207 A JP 2000156207A
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浩史 渡部
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真智 大橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無水銀化ボタン型電池において、汞化亜鉛粉を
用いた場合と同等の電池特性を保持すること。 【解決手段】負極作用物質6として無汞化亜鉛粉を用い
るボタン電池であって、負極端子を兼ねる封口板5の内
面に電解方式による錫メッキを施したことによって、従
来の無電解方式による錫メッキを施した場合よりも耐漏
液特性が向上し、かつ無汞化亜鉛粉を用いたことによる
ガス発生や電池電圧低下の問題も解消することができ
る。電解方式による錫メッキの厚さは0.1〜0.5μ
mであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無水銀化したボタン
型電池の特性改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のボタン型電池の負極封口板は、外
側はニッケル層、次にステンレス層(SUS304)ま
たは鉄層からなり、内側は銅層より構成される三層クラ
ッド材からなる鋼材か、もしくは両面のうちどちらか少
なくとも一方はメッキで構成される鋼材を用いたりして
いた。また、近年、電池への水銀使用が環境問題の一つ
として取り上げられるようになり、低水銀化もしくは無
水銀化について、種々検討されている。
【0003】ところが、無水銀化に際しては、これまで
の負極封口板をそのまま用いただけでは、電池製造後の
エージング中または保存中に負極作用物質である無汞化
亜鉛粉と負極封口板内側の銅面との間において何らかの
原因で水素ガスの発生が起こり、電池の膨れや電圧の低
下が生ずるという問題があった。そこで、負極封口板を
成形した後、その内側の銅層にさらに無電解方式による
錫メッキを0.1〜1.0μm程度施し、前述した問題
を改善してした。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような無電解方式による錫メッキを施した負極封口板を
用いると、電池製造後のエージング期間や貯蔵中におけ
る上述のガス発生や電池電圧の低下等を抑えることは可
能であったが、常温または高温高湿度化における貯蔵中
の耐漏液特性は、従来の、負極作用物質として汞化亜鉛
粉を用い負極封口板として該三層クラッド材をそのまま
使用していた電池と比較し、著しく低下するという問題
を有していた。
【0005】本発明は以上の問題点を解決するためにな
されたもので、無水銀化ボタン型電池において、汞化亜
鉛粉を用いる従来品と同等以上の耐漏液特性を維持する
とともに、他の特性についても同様に維持することが可
能となるよう改善することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、負
極作用物質として無汞化亜鉛粉を用いるボタン電池にお
いて、負極端子を兼ねる封口板の内面に電解方式による
錫メッキが施されていることを特徴とする。
【0007】本発明では負極封口板の内側に電解方式に
よる錫メッキを施しているので、無電解方式の錫メッキ
に比べて表面の凹凸が少なく、母材である銅面とほぼ同
等の平滑性が得られるため、三層クラッド材をそのまま
使用していた従来の汞化亜鉛電池と同等の封口性および
耐漏液特性が得られる。
【0008】また、他の電池特性についても、例えば、
負極作用物質として無汞化亜鉛粉を用いたことによるガ
ス発生を、本発明では防止することができ、エージング
および貯蔵中における電池電圧の低下等を抑えることが
できる。すなわち、これらの電池特性については従来の
汞化亜鉛粉を用いた場合と同等の特性が得られる。
【0009】なお、錫メッキの厚さは、5.0μmを越
えるとプレス成形時に金型に付着するという問題が発生
し、0.1μmより薄いと錫メッキしたことの効果がな
く、貯蔵特性および貯蔵放電特性が低下するので、0.
1μm〜5.0μmの範囲が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】(実施例)図1は本発明の一例で
あるアルカリボタン電池LR44の断面図である。本発
明の実施例として、一方をニッケル層、真ん中をSUS
304層、もう片方を銅層より構成される三層クラッド
材において、銅層には表1に示すような厚さの電解方式
による錫メッキを施した銅材を用意し、この錫メッキ側
を内面となるようにプレス成形し、実施例1〜6で用い
る負極封口板を作製した。なお、錫メッキ厚が5.0μ
mを越えると、プレス成形時に金型に付着するという問
題が発生したため、それ以下とした。
【0011】次に図1を用いて本発明の電池の製造方法
を説明する。正極缶1内に正極合剤2を装填した後、そ
の上から水酸化カリウム水溶液の電解液を所定量注液
し、正極合剤内に吸液された後、その上にセパレータ3
を打ち抜き挿入する。
【0012】また、予めポリアミド系のシール剤を全面
に塗布、乾燥したガスケット4と先に用意した負極封口
板5とを嵌合して熱融着した後、この容器内に、無汞化
亜鉛粉、水酸化カリウム水溶液の電解液およびゲル化剤
を混練した負極作用物質6を所定量充填し、これを部品
1〜3までの正極部と嵌合し、正極缶の周縁部を一定寸
法までかしめて封口して、電池を組み立てた。
【0013】(従来例)従来例としては、負極封口板5
として三層クラッド材、負極作用物質として3%汞化亜
鉛粉を用いた電池を従来例1とし、また従来例1の3%
汞化亜鉛粉を無汞化亜鉛粉に代えて他は実施例1と同様
にした電池を従来例2とした。また、負極封口板5とし
て従来例1および2と同じ部品に更に無電解方式による
0.3μmの錫メッキを施したものを用い、無汞化亜鉛
粉よりなる負極作用物質6を用いた電池を従来例3とし
た。
【0014】以上の実施例および従来例の電池につい
て、以下の試験を行った。 (1)高温耐漏液試験…温度:45℃、相対湿度:93
%RHの環境下に電池を試験数各40ケずつ貯蔵し、2
0日間毎にアルカリ反応指示薬を用い、漏液発生率を調
べた。 (2)貯蔵試験…温度:60℃、乾燥雰囲気の環境下に
電池を試験数各20ケずつ貯蔵し、20日間毎に開路電
圧の測定を行った。
【0015】(3)貯蔵放電試験…温度:60℃、乾燥
雰囲気の環境下に電池を貯蔵し、20日間後にその都
度、試験数各10ケずつ、6.8kΩの連続放電を行
い、従来例1の貯蔵前の放電容量を100%として、維
持率を調べた。表1および表2に本発明の実施例および
従来例の試験結果を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表1に示すように、無電解方式により錫メ
ッキした従来例3が耐漏液性が悪化しているのに対し、
本発明の実施例の電池では、いずれも耐漏液特性が優れ
ていることがわかった。また、表2に示すように、実施
例2〜5では貯蔵特性および貯蔵放電特性が従来の汞化
亜鉛使用の電池とほぼ同等であり、負極封口板内側に無
電解方式による錫メッキを施したことにより、無汞化亜
鉛を使用したにもかかわらず汞化亜鉛の場合と同等の効
果を奏したことがわかる。ただし電解方式による錫メッ
キを施しても、厚さが0.05μmの場合は表面が完全
に錫で被覆されていないので、貯蔵特性および貯蔵放電
特性において、従来の汞化亜鉛使用の電池に比べて劣化
が大きくなった。したがって、メッキ厚さは0.1μm
以上とすることが好ましい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のボタン型
電池は負極封口板の内側に設けた電解方式の錫メッキに
より、負極作用物質として無汞化亜鉛粉を用いても、電
池貯蔵後の耐漏液特性や貯蔵および貯蔵放電特性は従来
の汞化亜鉛粉使用の電池と同等の特性を維持することが
でき、ボタン型電池の無水銀化を実施することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である一般的なアルカリボタ
ン電池の断面図。
【符号の説明】
1…正極缶、2…正極合剤、3…セパレータ、4…ガス
ケット、5…負極封口板、6…負極作用物質。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 6/08 H01M 6/08 A // H01M 4/64 4/64 A (72)発明者 大橋 真智 東京都品川区南品川三丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 小方 秀之 東京都品川区南品川三丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA13 AA17 CC06 CC10 DD18 FF03 GG02 HH13 JJ07 JJ14 KK01 5H015 AA05 AA09 BB08 BB13 CC11 DD01 EE05 EE10 HH13 5H017 AA02 AS02 AS06 AS10 BB08 BB16 CC03 DD05 EE01 EE04 HH03 5H022 AA04 BB22 CC02 CC30 EE01 EE03 5H024 AA11 AA14 BB08 BB11 CC03 CC20 DD01 DD15 EE01 FF36 FF38 HH13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極作用物質として無汞化亜鉛粉を用い
    るボタン電池において、負極端子を兼ねる封口板の内面
    に電解方式による錫メッキが施されていることを特徴と
    するボタン型電池。
  2. 【請求項2】 電解方式による錫メッキの厚さが0.1
    〜5.0μmである請求項1記載のボタン型電池。
  3. 【請求項3】 負極端子を兼ねる封口板が、外側がニッ
    ケル層、次がステンレス層または鉄層、内側が銅層で構
    成される三層クラッド材である請求項1記載のボタン型
    電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001307739A (ja) * 2000-04-18 2001-11-02 Sony Corp アルカリ電池
JP2006172876A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Sii Micro Parts Ltd アルカリ電池及びその製造方法
JP2009540508A (ja) * 2006-06-08 2009-11-19 エバレデイ バツテリ カンパニー インコーポレーテツド アルカリ電池のためのスズメッキアノードケーシング
US8003247B2 (en) 2003-12-10 2011-08-23 Hitachi Maxell Energy, Ltd. Button-type alkaline battery and method of manufacturing the same

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JP2009540508A (ja) * 2006-06-08 2009-11-19 エバレデイ バツテリ カンパニー インコーポレーテツド アルカリ電池のためのスズメッキアノードケーシング

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