JP2000155121A - 免疫学的検査法 - Google Patents

免疫学的検査法

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JP2000155121A
JP2000155121A JP10328572A JP32857298A JP2000155121A JP 2000155121 A JP2000155121 A JP 2000155121A JP 10328572 A JP10328572 A JP 10328572A JP 32857298 A JP32857298 A JP 32857298A JP 2000155121 A JP2000155121 A JP 2000155121A
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JP10328572A
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Keisaku Okada
圭策 岡田
Shuji Senda
修治 千田
Takeshi Honda
武司 本田
Tetsuya Iida
哲也 飯田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒトラクトフェリンおよびヒトヘモグロビンの
免疫学的検査法、免疫学的検査キット、免疫学的検査片
を提供し、さらに下痢疾患の診断方法を提供する。 【解決手段】被検試料中に被検物質として含まれるヒト
ラクトフェリンとヒトヘモグロビンのそれぞれと結合し
うる少なくとも二種の第1免疫体を、吸水性基材上の異
なる位置にそれぞれ固定化した固定相に、着色粒子に前
記被検物質と結合しうる第2免疫体を結合させた標識免
疫体および該被検物質とを接触させ、該標識免疫体、該
被検物質および該第1免疫体からなる標識免疫複合体を
該固定相上に形成させる免疫学的検査法、該方法に用い
る免疫学的検査キット、免疫学的検査片、並びに該免疫
学的検査キット又は免疫学的検査片を適用する下痢疾患
の診断方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は簡単、迅速に且つ高
精度に被検試料中に含まれるヒトラクトフェリンとヒト
ヘモグロビンの検出を同一基材上で同時に行うことが出
来る免疫学的検査法、免疫学的検査キット、免疫学的検
査片および下痢疾患の診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年問題になっているベロトキシン産生
性大腸菌としてのO157は、主に感染源となる食品か
ら体内に入り、4〜9日間程度の潜伏期間を経たのちに
発症する。また、血便は感染初期から呈することもあ
り、そののち、場合によってはO157が産生するベロ
トキシンの作用によって溶血性貧血、腎不全、血小板減
少などの症状を引き起こし、溶血性尿毒症症候群(HU
S)に至ることもある。
【0003】下痢症状を有する患者の糞便中から、この
ようなベロトキシン産生性大腸菌の検出を行う操作は非
常に煩雑であり、結果が出るまでには多くの日数を要す
るものであるが、最近は免疫測定法を用いることによっ
て比較的簡便に検出することができるようになってい
る。
【0004】具体的な検出法としては、ラテックス凝集
法(商品名:大腸菌O157検出キット「UNI」、ユ
ニパス社製)を用いる方法がある。その他に、ELIS
A法(商品名:オーソE.coli O157、オーソ
ダイアグノスティック社製)がある。しかしながら、上
記のラテックス凝集法は測定するまでに増菌培養が必要
であり、ELISA法は操作に手間がかかるものであ
る。
【0005】一方、近年になり迅速かつ簡便に免疫学的
検査が行える方法として、免疫クロマトグラフ法が注目
されている。この方法では、例えば以下のようなステッ
プを経る。吸水性基材上に被検物質と結合しうる免疫体
を固定化した固定相に、該被検物質と結合しうる標識免
疫体と被検物質との複合体を結合させる。固定相にて結
合した標識免疫体を測定することにより、被検液中の被
検物質を測定することができる。上記の免疫クロマトグ
ラフ法を用いる検査キット(商品名:E.coli O
157ダイレクトワコー、和光純薬社製)が市販されて
いる。
【0006】しかしながら、上記の検出法はいずれもベ
ロトキシン産生性大腸菌の外膜のO抗原であるリポ多糖
(LPS)を検出し、これにより菌の存在を測定する手
法であるが、糞便試料中でLPSは経時的に分解・減少
する為、保存糞便では偽陰性を示すおそれがある。
【0007】また、同じベロトキシン産生性大腸菌でも
血清型の異なるO26やO111などでは検出できない
といった問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、ヒトラク
トフェリンおよびヒトヘモグロビンの検出に免疫クロマ
トグラフ法を適用し、さらにこれらを簡便、迅速に同時
検出することにより、近年問題視されているO157に
代表されるベロトキシン産生性大腸菌の判定が可能な免
疫学的検査法を提供することを目的とする。本発明の他
の目的は、該免疫学的検査法に使用される免疫学的検査
キット、免疫学的検査片を提供することを目的とする。
本発明のさらに他の目的は、下痢疾患の診断方法に関す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】種々の病原性細菌によっ
て引き起こされる下痢症は、分泌性下痢と炎症性下痢の
二種に大別できる。赤痢菌やサルモネラ菌は炎症性下痢
を引き起こす代表的な細菌であり、人間の腸管上皮に侵
入し組織を破壊することにより下痢を引き起こす。この
ような炎症性下痢の場合、腸管から滲出する白血球に由
来して糞便中のラクトフェリン濃度が増加する。また、
組織の破壊に伴い血便を生じる。
【0010】一方、分泌性下痢を引き起こす代表的な細
菌はコレラや毒素原性大腸菌であり、腸管上皮に付着後
毒素を分泌して腸管の作用に異変をきたすことにより下
痢を引き起こす。このような分泌性下痢の場合、腸管の
組織は破壊されない為、ラクトフェリン濃度は増加せ
ず、血便もほぼ見られない。
【0011】しかし、ベロトキシン産生性大腸菌による
下痢症状は上記の分泌性下痢に相当し、下痢便中のラク
トフェリン濃度は増加しないが、別名腸管出血性大腸菌
と言われる通り血便を伴う下痢症状を呈する。即ち、下
痢便においてヒトラクトフェリン濃度が低く、ヒトヘモ
グロビン濃度が高い場合には、ベロトキシン産生性大腸
菌に由来する疾患と判断できる。
【0012】以上のことから、下痢便中のヒトラクトフ
ェリンとヒトヘモグロビン濃度を同時に測定することに
より、下痢疾患の原因菌を判断することが可能である。
そこで、本発明者らは従来からの免疫クロマトグラフ法
において、下痢便中のヒトラクトフェリン及びヒトヘモ
グロビンを結合することができる第1免疫体群を吸水性
基材上に固定してなる固定相と、被検液中の上記被検物
質と結合することができる第2免疫体を着色粒子に結合
してなる標識免疫体液を用い、固定相を吸水性基材上の
異なる位置に固定化することによって、被検液中の被検
物質を同時に検出するという上記目的が達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明の要旨は、(1)被検試料中
に被検物質として含まれるヒトラクトフェリンとヒトヘ
モグロビンのそれぞれと結合しうる少なくとも二種の第
1免疫体を、吸水性基材上の異なる位置にそれぞれ固定
化した固定相に、着色粒子に前記被検物質と結合しうる
第2免疫体を結合させた標識免疫体および該被検物質と
を接触させ、該標識免疫体、該被検物質および該第1免
疫体からなる標識免疫複合体を該固定相上に形成させる
免疫学的検査法、(2)被検物質としてのヒトラクトフ
ェリンとヒトヘモグロビンのそれぞれと結合しうる少な
くとも二種の第1免疫体を吸水性基材上の異なる位置に
それぞれ固定化した固定相を有する免疫学的検査片と、
着色粒子に前記被検物質と結合しうる第2免疫体を結合
させた標識免疫体を含有する液とから少なくとも構成さ
れる免疫学的検査キット、(3)被検物質としてのヒト
ラクトフェリンとヒトヘモグロビンのそれぞれと結合し
うる少なくとも二種の第1免疫体を吸水性基材上の異な
る位置にそれぞれ固定化した固定相と、着色粒子に前記
被検物質と結合しうる第2免疫体を結合させた標識免疫
体を液体との接触によって前記基材から脱離しうるよう
に該固定相までの展開途上に含有させた標識相とを少な
くとも設けた免疫学的検査片、(4)被検試料として便
検体を用い、前記(2)記載の免疫学的検査キット又は
前記(3)記載の免疫学的検査片を適用することを特徴
とする下痢疾患の診断方法、に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、第1免疫体およ
び第2免疫体は被検物質としてのヒトラクトフェリン
(Lf)とヒトヘモグロビン(Hb)に対しそれぞれ特
異的に結合しうる抗体である。各被検物質の同時測定が
可能な本発明においては上記の二種の被検物質とそれぞ
れ特異的に結合しうる少なくとも二種の第1免疫体およ
び第2免疫体が用いられる。ここで、「少なくとも二種
の第1免疫体および第2免疫体」とは、第1免疫体とし
てヒトラクトフェリンとヒトヘモグロビンに対しそれぞ
れ特異的に結合する一種づつの抗体、従って合計で二種
の抗体を用いてもよく、例えばヒトラクトフェリンに対
しては異なる二種の抗体を用い、ヒトヘモグロビンに対
しては一種の抗体を用いるなどでもよく、何種類の抗体
を用いるかは適宜決定でき、二種の被検物質にそれぞれ
特異的に結合する二種の第1免疫体が少なくとも必要で
あるという意味である。第2免疫体としても同様の意味
である。
【0015】免疫体は測定すべき被検物質に応じて、サ
ンドイッチ法などで用いられる公知のものを適宜選択す
ればよい。また、固定相に固定化する第1免疫体と着色
粒子と結合させて用いる第2免疫体(本発明では標識免
疫体という)、用いる抗体の種類、測定対象によっても
異なるが、同一の抗体を用いることも可能であり、又、
異なる抗原決定基を認識する二種の抗体を用いることも
できる。免疫体としてモノクローナル抗体やポリクロー
ナル抗体を使用することができる。一方の免疫体がモノ
クローナル抗体である場合には、もう一方の免疫体は当
該モノクローナル抗体とは異なる抗原決定基を認識する
ものが好ましい。
【0016】本発明において用いる吸水性基材は、被検
物質を含有する被検試料、例えば、便懸濁(溶解)溶液
などを吸収できるもの、あるいはこれらを緩衝液によっ
て希釈してなる希釈液を吸収するもの、標識免疫体を含
有する液を吸収するものであれば特に限定されない。こ
こで使用される緩衝液としては、特に限定されないが、
ほう酸緩衝液、りん酸緩衝液、Tris−HCl緩衝液
等が好適である。本発明においては、被検試料中の被検
物質が標識免疫体や固定相の第1免疫体と充分な反応を
行うための時間を確保できるような吸水性基材が用いら
れる。吸水性基材が吸水性に劣る場合には、後述するよ
うに被検試料が固定相に到達するのに長時間を要し、そ
の結果、迅速な測定を行うことができない。
【0017】一方、吸水性基材の吸水性があまりに高す
ぎる場合には、被検試料中の被検物質が標識免疫体や固
定相の第1免疫体と充分な反応を行うために必要な時間
が不足するので、正確な測定を行うことが困難となる。
好ましい具体例としては、例えば不織布、濾紙、ガラス
繊維布、ガラスフィルター、ニトロセルロースフィルタ
ー、多孔質材料などが挙げられる。これらの基材は適度
な吸水速度を有すると共に、着色粒子が結合して発色し
た際の目視確認性に優れるものである。
【0018】以上の点を考慮すると、本発明における吸
水性基材の吸水性の程度は、5mm幅の短冊状に裁断し
た吸水性基材の片端部を水に浸漬し、1分間経過後の吸
水距離が0.5〜5cm程度のものが好ましい。
【0019】また、これらの基材の吸水性を調整するた
めに、基材の表面に親水性重合体や界面活性剤を被覆
し、あるいは含浸させることもできる。さらに、本発明
においては吸水性基材として同一材料からなる基材を用
いてもよいし、あるいは異種の材料からなるものを任意
の接着手段によって接合して得た連続した基材を用いる
こともできる。
【0020】本発明において、吸水性基材の形状は、被
検試料を展開できる形状であれば特に限定されるもので
はなく、例えば、矩形のシート状(片状)やロッド状な
どが好ましい。
【0021】本発明において、固定相とは被検物質と結
合しうる第1免疫体が吸水性基材上に固定化された領域
を意味する。第1免疫体を吸水性基材上に固定化する方
法(固定相の作製方法)も、特に限定されるものではな
いが、従来から知られている物理吸着法や共有結合法に
よるのが好適であり、特に、免疫体が基材から脱離しに
くい共有結合法によるのが好ましい。吸水性基材が上記
共有結合法のための官能基を有しないときは、例えば適
宜の官能基を有する重合体を用い基材を作製し、吸水性
基材の吸水性を阻害しない程度に付着させる。また、第
1免疫体および親水性重合体を含む溶液を吸水性基材に
塗布したのち、上記親水性重合体を凝固させる凝固溶剤
に浸漬することで固定相を作製することもできる。上記
親水性重合体としては、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロースなどが用いられる。上記凝固溶剤としてはアセト
ン、エタノール、メタノール、エーテルなどを用いるこ
とができる。
【0022】固定化する第1免疫体の量は用いる免疫体
の種類や特性によっても異なるが、通常、Lfに対する
抗体であれば0.001〜0.5mg/cm2 、Hbに
対する抗体であれば0.01〜1mg/cm2 の量で塗
布される。
【0023】本発明における固定相は上記のようにして
吸水性基材上に少なくとも二種の第1免疫体を固定化し
たものであるが、後述のように、被検試料などの吸液に
よって移動してきた被検物質と標識免疫体を固定相で捕
捉して各被検物質毎に発色させるためには、各第1免疫
体は少なくとも1mm以上、各発色が混じり合わないよ
うにするためには、好ましくは5mm以上の間隔を設け
て吸水性基材上に固定化することが望ましい。
【0024】また、本発明においては、被検試料、標識
免疫体を含有する液、被検試料および標識免疫体を含有
する液の混合物、緩衝液などの吸液が開始される部位
(以下、吸液部という)と上記固定相との間の距離は、
1〜6cm、好ましくは3〜4cm程度とする。距離が
あまりに遠すぎると、固定相まで被検物質と標識免疫体
が到達しなかったり、発色感度が強すぎたり、測定に時
間がかかったりするという問題点を生じる恐れがあり好
ましくない。一方、距離が近すぎると固定相での発色が
均一でなく、まばらになったり、発色感度が低すぎると
いう問題が生じる恐れがある。
【0025】吸液部としては、被検試料、標識免疫体を
含有する液、被検試料および標識免疫体を含有する液の
混合物、緩衝液などの吸水性基材への移動を妨げるもの
でなければ、特に限定されず、基材と兼用したものであ
っても、あらたに不織布や織布等を該吸収性基材に接着
させたものであってもよい。
【0026】本発明において、第1免疫体が固定化され
た固定相及び吸液部を有する吸水性基材、あるいはさら
に後述の標識相を有する吸水性基材を本発明の免疫学的
検査片ともいう。
【0027】本発明における標識免疫体としては、着色
粒子に被検物質と結合することができる第2免疫体を結
合させたものを用いる。ここで用いる着色粒子として
は、肉眼で着色が検出可能なものであれば制限はなく、
例えば金、銀、銅などの金属からなるコロイド粒子、ス
ダンブルーやスダンレッドIV、スダン III、オイルオレ
ンジ、キニザリングリーンなどに代表される顔料や染料
などでラテックスを着色した着色ラテックスなどを用い
ることができる。目視確認性の点からは、金コロイドや
青色、赤色、緑色、オレンジ色に着色した着色ラテック
スを用いることが好ましく、さらに好ましくは青色や赤
色などで着色した水分散型高分子重合体粒子からなる着
色ラテックスを用いることが分散安定性や被検物質の検
出感度の調整し易さ等の点から望ましい。
【0028】上記着色粒子の粒子径としては保存安定性
や調製しやすさの点から、0.01〜3μm、好ましく
は0.05〜0.5μmの範囲とする。粒径があまりに
小さすぎると、1粒子当たりの着色の程度が少ないの
で、固定相に結合しても発色の程度が悪く、目視確認性
に劣るようになる。また、粒径が大きすぎると、着色粒
子が僅かに凝集しただけで吸水性基材に目詰まりを起こ
して吸水性を低下させたり、非特異発色を起こしたりす
ることがある。
【0029】このような着色粒子に第2免疫体を結合す
る方法としては、従来からよく知られている方法、例え
ば共有結合法や物理吸着法、イオン結合法などを用いる
ことができるが、結合後の第2免疫体からの脱離がなく
安定である点から共有結合法を採用することが好まし
い。本発明においては被検試料中の二種の被検物質を検
出するために、対応する少なくとも二種の第2免疫体を
それぞれ別の着色粒子に結合させるが、この際に用いる
着色粒子は同一色であっても異なった色であってもよ
い。
【0030】本発明においては、上記のような着色粒子
−第2免疫体からなる標識免疫体が、被検液や緩衝液な
どの液体との接触によって吸水性基材から脱離しうるよ
うに、標識免疫体を吸水性基材に含有させた標識相を設
けてもよい。含有方法としては、例えば標識免疫体の溶
液を吸水性基材に塗布したのち、適当な条件にて乾燥さ
せる。乾燥の一態様とし凍結乾燥させることもできる。
その他の方法としては、水溶性重合体あるいはサッカロ
ースの溶液中に標識免疫体を分散させ、この分散液を吸
水性基材に塗布したのち、乾燥させる方法を挙げること
ができる。この方法は、本発明品を調製するのに有利な
方法である。例えば、被検液と接触したときに、水溶性
重合体またはサッカロースが容易に水溶化し、標識免疫
体が速やかに基材から脱離して被検物質と反応し、吸水
性基材上を移動することができる。同様に緩衝液と接触
したときも、標識免疫体が速やかに基材から脱離して吸
水性基材上を移動することができる。また、水溶性重合
体あるいはサッカロースの濃度を調整することによっ
て、適当な粘度の溶液を得ることができるので、吸水性
基材の所定の領域に標識免疫体を含有させるのが容易で
あるのみならず、乾燥に際して標識免疫体の凝集や変性
が生じにくく、さらに、乾燥後に標識免疫体が吸水性基
材から脱離しにくいからである。
【0031】上記のようにして用いる水溶性重合体とし
ては、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル
(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロー
ス、オキシエチルセルロース、シアンエチルセルロース
など)、ゼラチンなどが好ましく用いられる。
【0032】本発明で使用する、第2免疫体を結合させ
た標識免疫体を含有する液は、該標識免疫体を緩衝液に
分散させて調製することができる。ここで使用する緩衝
液は、ほう酸緩衝液、りん酸緩衝液、Tris−HCl
緩衝液等が挙げられ、抗原抗体反応を阻害しないpH及
び塩濃度の緩衝液を適宜使用する。標識免疫体の使用量
は、本発明の各種の態様において適宜設定することがで
きる。例えば、標識免疫体を含有する液中の標識免疫体
濃度は0.005〜5重量%、好ましくは0.01〜
0.5重量%の範囲とする。濃度があまりにも低すぎる
と、固定相に結合する着色粒子数が少なく、発色が悪く
なる。また、濃度が高すぎると、不経済なばかりでな
く、過剰の着色粒子が固定相以外に残留し、固定相の発
色を不明瞭にする等の問題が発生する(以下、標識免疫
体を含有する液を標識免疫体液ともいう。)。
【0033】本発明の免疫学的検査法は、前記のように
少なくとも二種の第1免疫体を吸水性基材上の異なる位
置にそれぞれ固定化した固定相に、前記の標識免疫体お
よび被検物質とを接触させ、標識免疫体、被検物質およ
び第1免疫体からなる標識免疫複合体を該固定相上に形
成させることを特徴とするものであり、標識免疫複合体
を固定相上に形成させる態様として、以下の5つの方法
が挙げられる。
【0034】第1の方法では、まず検査すべき被検試料
と標識免疫体液とを混合させる。この時被検試料中に含
まれる二種の被検物質(Lf、Hb)は各標識免疫体と
結合し、標識免疫体と被検物質の複合体〔標識免疫体
(着色粒子−第2免疫体)−被検物質〕をそれぞれ形成
する。次いで、固定相を設けた吸水性基材の一端から前
記被検試料と標識免疫体液の混合物を吸収させる。混合
物中で形成された複合体は液の移動とともに吸水性基材
中を移動し、固定相に到達する。固定相では移動してき
た複合体が固定相に固定された第1免疫体と更に結合
し、新たに〔標識免疫体(着色粒子−第2免疫体)−被
検物質−第1免疫体〕からなる標識免疫複合体を形成し
て、固定相上に固定化結合される。
【0035】第2の方法では、被検試料のみを固定相を
設けた吸水性基材の一端から吸収させ、該吸水性基材中
を移動させて被検試料中の二種の被検物質(Lf、H
b)を固定相上の第1免疫体に結合させる(被検物質−
第1免疫体)。この方法では、被検物質が液状のもので
あればそのまま使用し、固体状のものであれば適当な緩
衝液等で溶解、懸濁等の処理を行い、吸水性基材に吸収
されるようにしておく。次いで、標識免疫体液を該吸水
性基材の一端から吸収させ、移動させることにより、各
標識免疫体は、固定相に結合している被検物質とさらに
結合して複合体を形成して、新たに〔標識免疫体(着色
粒子−第2免疫体)−被検物質−第1免疫体〕からなる
標識免疫複合体を形成して、固定相上に固定化結合され
る。
【0036】第3の方法では、固定相を設けた吸水性基
材の一端から標識免疫体液を吸収させる。固定相までの
展開途上に配置された被検試料中の二種の被検物質(L
f、Hb)と移動中の各標識免疫体とが複合体を形成す
る。形成された複合体は液の移動とともに吸水性基材中
を移動し、固定相に到達する。固定相では移動してきた
複合体が固定相に固定された第1免疫体と更に結合し、
新たに〔標識免疫体(着色粒子−第2免疫体)−被検物
質−第1免疫体〕からなる標識免疫複合体を形成して、
固定相上に固定化結合される。展開途上に被検試料を配
置するには、液状もしくは固体状の被検試料を基材中に
吸収させ、もしくは塗布すればよい。
【0037】第4の方法では、固定相ならびに標識相を
設けた検査片を用いる。まず、吸水性基材の一端から検
査すべき被検試料を吸収させる。被検試料は吸水性基材
中を移動して標識相に到達し、標識免疫体を基材から脱
離させる。この時被検試料中に含まれる二種の被検物質
(Lf、Hb)は各標識免疫体と結合し、複合体を形成
する。次いで、形成された複合体は液の移動とともに吸
水性基材中を移動し、固定相に到達する。固定相では移
動してきた複合体は固定相に固定された第1免疫体と更
に結合し、新たに〔標識免疫体(着色粒子−第2免疫
体)−被検物質−第1免疫体〕からなる標識免疫複合体
を形成して、固定相上に固定化結合される。
【0038】第5の方法では、固定相ならびに標識相を
設けた検査片を用いる。まず、吸水性基材の一端から緩
衝液を吸収させる。緩衝液は吸水性基材中を移動して標
識相に到達し、標識免疫体を基材から脱離させる。この
時、緩衝液を吸収させる吸液部と標識相の間に、あるい
は標識相と固定相との間に被検試料を配置しておくこと
により、被検試料中の二種の被検物質(Lf、Hb)は
各標識免疫体と結合し、標識免疫体と被検物質との複合
体を形成する。即ち、被検試料を吸液部と標識相の間に
配置した場合は、被検試料中の被検物質は展開移動して
きた緩衝液と共に標識相まで運ばれて標識免疫体と被検
物質との複合体が形成される。また、被検試料を標識相
と固定相との間に配置した場合は、展開移動してきた緩
衝液により標識相の標識免疫体は基材から脱離して移動
し、固定相との間に配置された被検試料中の被検物質と
接触して標識免疫体と被検物質との複合体が形成され
る。次いで、形成された複合体は液の移動とともに吸水
性基材中を移動し、固定相に到達する。固定相では移動
してきた複合体は固定相に固定された第1免疫体と更に
結合し、新たに〔標識免疫体(着色粒子−第2免疫体)
−被検物質−第1免疫体〕からなる標識免疫複合体を形
成して、固定相上に固定化結合される。吸液部と標識相
の間に、あるいは標識相と固定相との間に被検試料を配
置するには、液状もしくは固体状の被検試料を基材中に
吸収させ、もしくは塗布すればよい。
【0039】このように固定相に固定化されることによ
って、標識免疫体を構成する着色粒子は一箇所に集合、
結合し、明らかな発色となり被検物質の存在を目視確認
できるのである。本発明では固定相には二種の被検物質
に対応する第1免疫体をそれぞれ異なった位置に固定し
ているので、一度に被検物質としてのLf、Hbの存在
を確認することができるのである。
【0040】従って、本発明は、糞便中に存在するLf
とHbを同時に検出することができるものである。
【0041】本発明は、前記の免疫学的検査法を実施す
るのに適したキットとして、被検物質としてのヒトラク
トフェリンとヒトヘモグロビンのそれぞれと結合しうる
少なくとも二種の第1免疫体を吸水性基材上の異なる位
置にそれぞれ固定化した固定相を有する免疫学的検査片
と、着色粒子に前記被検物質と結合しうる第2免疫体を
結合させた標識免疫体を含有する液とから少なくとも構
成される免疫学的検査キットを提供する。また、免疫学
的検査片として、前記固定相、着色粒子に前記被検物質
と結合しうる第2免疫体を結合させた標識免疫体を液体
との接触によって前記基材から脱離しうるように該固定
相までの展開途上に含有させた標識相とを少なくとも設
けた免疫学的検査片を使用してもよく、従って、本発明
はかかる免疫学的検査片をも提供する。
【0042】前記キットを構成する吸水性基材上に被検
物質と結合しうる第1免疫体を固定化した固定相および
着色粒子に前記被検物質と結合しうる第2免疫体を結合
した標識免疫体を含有する液は前述と同じものが用いら
れる。
【0043】本発明の検査キットを用いて検査する場
合、用いる吸水性基材の種類や大きさ、用いる免疫体の
特性によっても異なるが、通常、液量にして1〜500
μl、被検物質の量としてLfおよびHbがそれぞれ
1.5ng以上を含有する被検試料を好適に測定するこ
とが可能である。
【0044】本発明では、被検試料として便検体を用い
ることにより各種の下痢疾患の診断に有用であり、特
に、ベロトキシン産生性大腸菌に由来する下痢疾患の診
断に役立つものである。従って、本発明は被検試料とし
て便検体を用い、本発明の免疫学的検査キット又は免疫
学的検査片を適用して本発明の免疫学的検査法を実施す
ることによる下痢疾患の診断方法を提供する。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げ、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定され
るものではない。
【0046】実施例1:被検物質の検出(1) 1)標識免疫体液の作製 青色着色カルボキシル化ポリスチレンラテックス粒子分
散液(固形分濃度5重量%、平均粒子径0.1μm、
0.01M−ほう酸緩衝液pH8)3mlに、水溶性カ
ルボジイミド(1mg/ml、0.01M−ほう酸緩衝
液pH8)1ml、および抗ヒトラクトフェリン抗体
(ヤギIgG(ノルディック社製)、1mg/ml、
0.01M−ほう酸緩衝液pH8)1mlを加えて10
℃で3時間反応させたのち、洗浄液としてほう酸緩衝液
(pH8)を用いて遠心分離洗浄を行い、青色着色ラテ
ックス粒子標識抗ヒトラクトフェリン抗体を作製した。
【0047】同様にして、抗ヒトヘモグロビン抗体(ウ
サギIgG(株式会社日本バイオテスト製)、5mg/
ml)を、赤色着色カルボキシル化ポリスチレンラテッ
クス粒子(平均粒子径0.1μm)に結合させて赤色着
色ラテックス粒子標識抗ヒトヘモグロビン抗体を作製し
た。
【0048】次いで、各ラテックス粒子標識抗体を0.
01M−ほう酸緩衝液(pH8.0)に、固形分濃度2
重量%となるように懸濁させて分散液を調製した。
【0049】2)固定相を設けた検査片の作製 図1、2に示すようにニトロセルロースメンブレン(孔
径8μm、6mm×60mm)からなる吸水性基材1の
一端から30mmの箇所(図中2−2)に抗ヒトラクト
フェリン抗体(ヤギIgG(ノルディック社製)、1m
g/ml、0.1Mリン酸緩衝液pH7.4)、25m
mの箇所(図中2−1)に抗ヒトヘモグロビン抗体(ウ
サギIgG((株)日本バイオテスト社製)、1mg/
ml、1Mりん酸緩衝液、pH7.4)をそれぞれ1.
5μlずつ、ディスペンサーを用いてライン状に塗布し
た。
【0050】このメンブレンをウシ血清アルブミン(1
重量%)およびポリオキシエチレン(10)オクチルフ
ェニルエーテル(和光純薬工業社製、0.1重量%)か
らなる水溶液中に10分間浸漬させたのち、40℃で2
時間乾燥させて固定相を作製した。固定化量は、Hb、
Lf共に0.025mg/cm2 であった。
【0051】次いで、このメンブレンの裏側(抗体塗布
面の反対側)にポリエステルフィルム4(90μm厚)
をスプレー糊を用いて貼り合わせた。
【0052】抗体塗布箇所の反対端から0〜8mmの箇
所にポリエステル不織布3(6mm×8mm、厚さ2.
5mm)を貼り合わせて、本発明の免疫学的検査片を作
製した。
【0053】3)測定 0.1Mリン酸緩衝液(0.9重量%NaCl含有、p
H7.4)に、ヒトラクトフェリン、ヒトヘモグロビン
を表1に示した濃度で分散させた検体(被検試料)を調
製した。
【0054】この被検試料に上記1)で作製した標識免
疫体液を固形分濃度0.02重量%となるように混合、
攪拌した後、混合液60μlを上記2)で作製した検査
片のポリエステル不織布部(吸液部)に滴下し、20分
後の固相部(固定相)の発色の有無を目視確認した。
【0055】表1に各被検物質を混合または単独で被検
試料に用いた場合の測定結果を示す。なお、各表におけ
る判定基準は以下の通りである。
【0056】 +:固定相にライン状の発色が見られる。 −:固定相にライン状の発色が見られない。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示されるように、ヒトラクトフェリ
ンおよびヒトヘモグロビンは、いずれも0.1ng/m
lの濃度まで検出された。
【0059】実施例2:被検物質の検出(2) 表1に示した濃度で調製した被検試料60μlを、実施
例1の2)で作製した検査片のポリエステル不織布部に
滴下し、固定相まで展開させた。次いで、0.1Mリン
酸緩衝液(0.9重量%NaCl含有、pH7.4)
に、固形分濃度を0.02重量%となるように希釈した
標識免疫体液60μlを、前記検査片のポリエステル不
織布部に滴下し、20分後の固定相の発色の有無を目視
確認した。その結果、実施例1で得られたのと同様の結
果であった。
【0060】実施例3:被検物質の検出(3) 0.1Mリン酸緩衝液(0.9重量%NaCl含有、p
H7.4)に、ヒトラクトフェリン、ヒトヘモグロビン
を表2に示した濃度で分散させた検体(被検試料)を調
製した。表2に示した濃度で調製した被検試料2μl
を、実施例1の2)で作製した免疫学的検査片の表面側
に、抗体塗布箇所の反対端から10mmの部分に吸収さ
せた。次いで、0.1Mリン酸緩衝液(0.9重量%N
aCl含有、pH7.4)に、固形分濃度を0.02重
量%となるように希釈した標識免疫体液60μlを、前
記検査片のポリエステル不織布部に滴下し、20分後の
固定相の発色の有無を目視確認した。
【0061】表2に各被検物質を混合または単独で被検
試料に用いた場合の測定結果を示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示されるように、ヒトラクトフェリ
ンおよびヒトヘモグロビンは、いずれも1ng/mlの
濃度まで検出された。
【0064】実施例4:被検物質の検出(4) 1)固定相と標識相を設けた検査片の作製 固定相と標識相を設けた検査片の作製は、実施例1の
1)で作製した青色着色ラテックス粒子標識抗ヒトラク
トフェリン抗体の分散液(2重量%)1ml、赤色着色
ラテックス粒子標識抗ヒトヘモグロビン抗体の分散液
(2重量%)1ml、サッカロース水溶液(20重量
%)8mlを混合し、この混合液10μlをレーヨン不
織布(6mm×8mm)に含浸させた後、40℃で2時
間乾燥させた。この不織布を、実施例1の2)で作製し
たメンブレンの表面側に、抗体塗布箇所の反対側から1
2〜20mmの箇所に貼り合わせて作製した。 2)測定 実施例1と同様に、表1に示した濃度で調製した被検試
料60μlを、上記で作製した標識相を設けた検査片の
ポリエステル不織布部に滴下し、20分後の固定相の発
色の有無を目視確認した。その結果、実施例1で得られ
たのと同様の結果であった。
【0065】実施例5:被検物質の検出(5) 実施例3と同様に、表2に示した濃度で調製した被検試
料2μlを、実施例4の1)で作製した固定相と標識相
を設けた検査片の表面側に、標識相を設けた側の端から
10mmの部分に吸収させた。次いで、0.1Mリン酸
緩衝液(0.9重量%NaCl含有、pH7.4)60
μlをポリエステル不織布部に滴下し、20分後の固定
相の発色の有無を目視確認した。その結果、実施例3で
得られたのと同様の結果であった。
【0066】また、被検試料の基材中への吸収を標識相
を設けた側の端から23mmの部分に吸収させて同様の
試験を行ったところ、同様の結果であった。
【0067】実施例6:便検体からの検出 表3に示すように、カンピロバクター由来の下痢便1検
体、ベロトキシン産生性大腸菌O157由来の下痢便2
検体を0.1Mリン酸緩衝液(0.9重量%NaCl含
有、pH7.4)で希釈したものを被検試料として測定
を行った。
【0068】実施例1と同様に、表3に示した希釈倍率
で調製した被検試料に実施例1の1)で作製した標識免
疫体液を固形分濃度0.02重量%となるように混合、
攪拌した後、混合液60μlを、実施例1の2)で作製
した検査片のポリエステル不織布部に滴下し、20分後
の固相部の発色の有無を目視確認した。
【0069】表3に各被検物質の測定結果を示す。
【0070】
【表3】
【0071】表3に示すように、カンピロバクター由来
の下痢便検体とは異なり、ベロトキシン産生性大腸菌O
157由来の下痢便検体ではヒトラクトフェリンは希釈
倍率が100倍以上では検出されないのに対し、ヒトヘ
モグロビンはいずれの倍率でも検出されており、ベロト
キシン産生性大腸菌に由来する下痢便ではヒトラクトフ
ェリン濃度が低く、ヒトヘモグロビン濃度が高いことを
本発明の免疫学的検査法により鑑別できることが示され
た。
【0072】
【発明の効果】本発明の免疫学的検査法および免疫学的
検査キットは、上記実施例の結果からも明らかなよう
に、ヒトラクトフェリンとヒトヘモグロビンを簡便に同
時分析することができ、それぞれ別々に分析する場合と
同程度の精度で検出することができるものである。ま
た、判定は発色によって行うことができるので、目視確
認により定性的または半定性的な分析ができるととも
に、光学機器を利用することによって定量的分析も可能
となる。従って、本発明によりベロトキシン産生性大腸
菌等の各種の病原性細菌に由来する各種の下痢疾患の診
断を迅速かつ簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1にて作製した免疫学的検査片
の一実施態様を模式的に示す平面図である。
【図2】図2は、図1に示す免疫学的検査片のX−X’
線断面図である。
【符号の説明】
1 吸水性基材 2 固定相(2−1、2−2) 3 ポリエステル不織布 4 ポリエステルフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 哲也 大阪府吹田市山田東2−46−12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検試料中に被検物質として含まれるヒ
    トラクトフェリンとヒトヘモグロビンのそれぞれと結合
    しうる少なくとも二種の第1免疫体を、吸水性基材上の
    異なる位置にそれぞれ固定化した固定相に、着色粒子に
    前記被検物質と結合しうる第2免疫体を結合させた標識
    免疫体および該被検物質とを接触させ、該標識免疫体、
    該被検物質および該第1免疫体からなる標識免疫複合体
    を該固定相上に形成させる免疫学的検査法。
  2. 【請求項2】 固定相を設けた吸水性基材の一端から被
    検試料および前記標識免疫体を含有する液の混合物を吸
    収させ、形成した被検試料中の被検物質と標識免疫体と
    の複合体を該固定相にて第1免疫体に結合させる請求項
    1記載の免疫学的検査法。
  3. 【請求項3】 固定相を設けた吸水性基材の一端から被
    検試料を吸収させた後、第2免疫体を結合させた標識免
    疫体を含有する液を該吸収性基材に吸収させ、該固定相
    の第1免疫体に結合した被検物質にさらに標識免疫体を
    結合させる請求項1記載の免疫学的検査法。
  4. 【請求項4】 固定相を設けた吸水性基材の一端から標
    識免疫体を含有する液を吸収させ、前記固定相までの展
    開途上に配置された被検試料中の被検物質と前記標識免
    疫体との複合体を形成させた後、該複合体を該固定相に
    て第1免疫体に結合させる請求項1記載の免疫学的検査
    法。
  5. 【請求項5】 固定相と、該固定相までの展開途上に第
    2免疫体を結合させた標識免疫体を液体との接触によっ
    て前記基材から脱離しうるように含有させた標識相とを
    設けた吸水性基材の一端から被検試料を吸収させ、被検
    試料中の被検物質と標識免疫体との複合体を形成させた
    後、該複合体を該固定相にて第1免疫体に結合させる請
    求項1記載の免疫学的検査法。
  6. 【請求項6】 固定相と、該固定相までの展開途上に第
    2免疫体を結合させた標識免疫体を液体との接触によっ
    て前記基材から脱離しうるように含有させた標識相とを
    設けた吸水性基材の一端から緩衝液を吸収させ、該緩衝
    液を吸収させる吸液部と前記標識相との間に、あるいは
    該標識相と前記固定相との間に配置された被検試料中の
    被検物質と標識免疫体との複合体を形成させた後、該複
    合体を該固定相にて第1免疫体に結合させる請求項1記
    載の免疫学的検査法。
  7. 【請求項7】 被検物質としてのヒトラクトフェリンと
    ヒトヘモグロビンのそれぞれと結合しうる少なくとも二
    種の第1免疫体を吸水性基材上の異なる位置にそれぞれ
    固定化した固定相を有する免疫学的検査片と、着色粒子
    に前記被検物質と結合しうる第2免疫体を結合させた標
    識免疫体を含有する液とから少なくとも構成される免疫
    学的検査キット。
  8. 【請求項8】 被検物質としてのヒトラクトフェリンと
    ヒトヘモグロビンのそれぞれと結合しうる少なくとも二
    種の第1免疫体を吸水性基材上の異なる位置にそれぞれ
    固定化した固定相と、着色粒子に前記被検物質と結合し
    うる第2免疫体を結合させた標識免疫体を液体との接触
    によって前記基材から脱離しうるように該固定相までの
    展開途上に含有させた標識相とを少なくとも設けた免疫
    学的検査片。
  9. 【請求項9】 被検試料として便検体を用い、請求項7
    記載の免疫学的検査キット又は請求項8記載の免疫学的
    検査片を適用することを特徴とする下痢疾患の診断方
    法。
  10. 【請求項10】 下痢疾患がベロトキシン産生性大腸菌
    に由来する疾患である請求項9記載の診断方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002221522A (ja) * 2001-01-24 2002-08-09 Sekisui Chem Co Ltd 測定キット及びそれを用いた測定方法
JP2014519018A (ja) * 2011-04-29 2014-08-07 テックラブ,インコーポレーテッド クロストリジウム・ディフィシル疾患を有する患者において疾患の重症度を決定するための、および感染を監視するためのバイオマーカーとしての糞便中のラクトフェリン
US10295535B2 (en) 2011-04-29 2019-05-21 Techlab, Inc. Clostridium difficile dehydrogenase and toxin as a biomarker for monitoring infection in patients with clostridium difficile disease and differentiating carrier state from active disease

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US10295536B2 (en) 2011-04-29 2019-05-21 Techlab, Inc. Fecal lactoferrin as a biomarker for determining disease severity and for treating infection in patients with Clostridium difficile disease

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