JP2002221522A - 測定キット及びそれを用いた測定方法 - Google Patents

測定キット及びそれを用いた測定方法

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JP2002221522A
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Koji Kobayashi
幸司 小林
Takayuki Oka
孝之 岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料中の複数種の被測定物質を簡単な操
作で、特異的かつ高精度に同時定量分析することのでき
る測定キット及び測定方法を提供する。 【解決手段】 生体試料中の複数種の物質を同時測定す
るために用いられる測定キットであって、被測定物質の
各々に対応した特異的認識部位が設けられ、かつ被測定
物質に対する特異的反応物質が該特異的認識部位に固定
化された、プレート状基盤と、被測定物質に対する特異
的反応物質が固定化された標識微粒子とを含むことを特
徴とする測定キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体試料中の複数
種の物質を同時に測定するのに用いられる、サンドイッ
チアッセイ法を原理とした、測定キット及び測定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査の分野では、検体中の複数の成
分を測定し、それらの検査結果から、患者の病態を総合
的に判断し、正確な診断を行うことが重要である。例え
ば、血清や尿中の複数のタンパク質分析は、原疾患の同
定や疾患の重症度及び進行性を判断する上で、欠くこと
のできない検査である。かかるタンパク質分析の一例と
しては、糖尿病診断の指標として広く用いられているヘ
モグロビンA1c(糖化ヘモグロビン)値測定等が挙げ
られる。ヘモグロビンA1cは、血液中の糖が赤血球に
入った後に、ヘモグロビンと非可逆的に結合することに
より生成されるタンパク質である。血液中における全ヘ
モグロビンに占めるヘモグロビンA1cの割合は、過去
1〜2ヶ月間の血液中の平均的な糖濃度を反映すること
が知られている。
【0003】従来、血液中や尿中の複数のタンパク質成
分等を同時に分析する手法としては、液体クロマトグラ
フィー法や電気泳動法が用いられてきた。これらの方法
は、分析対象物質の分子量や荷電状態などの物理化学的
な性質の差異に基づいて、複数の成分を同時に分離する
方法であるため、互いに類似した物理化学的性質を有す
る成分を分離することが困難であった。特に、血清や尿
などの生体試料では、非常に多くの成分が共存してお
り、この中から、測定したい複数種の成分のみを特異
的、かつ簡単で正確に測定することのできる方法の開発
が望まれていた。
【0004】上記の問題点を解決するため、より特異性
の高い方法として、抗原抗体反応を利用した免疫測定法
が用いられている。これらの免疫測定法としては、競合
型反応やサンドイッチ型反応を測定原理とする放射免疫
測定法、酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法などが知られ
ている。従来、これらの免疫測定法を利用して、試料中
の複数種の成分を分析する場合には、多項目自動分析装
置のように、試料を繰り返して反応容器に分注して、個
々の測定対象物質を別々に測定する方法がとられてい
た。しかしながら、このような多項目自動分析装置は高
価であり、広いスペースが必要で、多検体処理には効果
的であるが、ベッドサイドでの検査のようなPoint of
Care(POC)の分野では利用できないことが問題点
であった。
【0005】これらの問題点を解消するため、近年、特
開平10−73592号公報に開示されているように、
クロマトグラフィー法と免疫測定法を組み合わせたイム
ノクロマトグラフィー法がPOC検査の分野で利用され
るようになってきた。しかしながら、この方法は、測定
対象に対する抗体・抗原などを固定化したマトリックス
担体中に試料をクロマトグラフィー法の原理に基づき展
開し、特定の測定対象物質を分離しつつ特異的に検出で
きる点で優れているが、多数種に及ぶ物質を同時に測定
することが不可能であるだけでなく、マトリックス中に
サンドイッチ複合体が多層集積したバンドを検出するた
め、正確な定量的分析ができないという問題点があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、生体試料中の複数種の被測定物質を
簡単な操作で、特異的かつ高精度に同時定量分析するこ
とのできる測定キット及び測定方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)生体試
料中の複数種の物質を同時測定するために用いられる測
定キットであって、被測定物質の各々に対応した特異的
認識部位が設けられ、かつ被測定物質に対する特異的反
応物質が該特異的認識部位に固定化された、プレート状
基盤と、被測定物質に対する特異的反応物質が固定化さ
れた標識微粒子とを含むことを特徴とする測定キット、
【0008】(2)プレート状基盤がプラスチックから
なり、かつ特異的認識部位が基盤に対して凸設されてい
ることを特徴とする上記(1)の測定キット、
【0009】(3)標識微粒子が、粒子径0.05〜1
μmでかつ粒子径の分散度が10%以下の着色粒子であ
ることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の測
定キット、
【0010】(4)特異的認識部位が、生体試料中にお
ける存在比が臨床分析的意義を有する2つ以上の被測定
物質にそれぞれ対応した特異的認識部位であることを特
徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の測定キ
ット、
【0011】(5)少なくとも1つの特異的認識部位が
ヘモグロビンに対する特異的認識部位であり、別の少な
くとも1つの特異的認識部位がヘモグロビンA1cに対
する特異的認識部位であることを特徴とする上記(4)
に記載の測定キット、
【0012】(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の
測定キットを用いた、サンドイッチアッセイ法に基づく
測定方法であって、特異的認識部位を、生体試料に一時
に接触させた後標識微粒子に一時に接触させ、該標識微
粒子が結合されることにより生じた特異的認識部位の物
理的変化量により生体試料中の複数種の物質を同時測定
することを特徴とする測定方法、である。
【0013】上記(1)〜(5)の測定キットは、少な
くともプレート状基盤と標識微粒子とから構成される。
プレート状基盤には、測定対象となる物質(被測定物
質)に対応した特異的認識部位が設けられている。本発
明では、複数種の物質を同時に測定することを目的とし
ているので、各々の被測定物質を特異的に認識すること
のできる特異的認識部位が被測定物質の種類の数だけ設
けられている。
【0014】特異的認識部位には、被測定物質に対する
特異的反応物質、すなわち、被測定物質と特異的に結合
することが可能な物質が固定化されている。かかる特異
的反応物質は、被測定物質に応じて適宜選択されるもの
であるが、例えば、被測定物質が生体試料中の抗原であ
る場合には、この抗原に対する抗体を用いることができ
る。
【0015】本発明で用いられる特異的反応とは、広義
のリガンド−レセプターの関係にある特異的結合様式を
指す。例えば、抗原−抗体、DNA−RNA、DNA−
cDNA、酵素―基質、ステロイドホルモン−ステロイ
ドホルモンレセプターなどが挙げられる。
【0016】本発明のキットに用いられるプレート状基
盤は、特異的反応物質を固定化し、複数の特異的認識部
位を設けることのできる板状体であれば、特に限定され
るものではない。ただし、本発明はクロマトグラフィー
を原理とするものではないので、メンブレン等のクロマ
ト媒体は用いない。
【0017】プレート状基盤の形状、大きさ及び厚み等
は特に限定されない。形状としては、例えば、矩形状、
多角形状、円形状等が挙げられる。大きさは、0.5〜
10cm2の範囲が好ましく、被測定物質の種類等に応じ
て適宜調整される。また厚みは、0.1〜3mm程度がよ
い。
【0018】プレート状基盤を構成する素材は特に限定
されず、プラスチック、ガラス、石英、珪素、セラミッ
ク、金属、ゴム等を用いることができる。これらの素材
の中でもプラスチックが好適であり、例えば、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、セルロースアセテートなどを用いることができ
る。特に好ましくは、抗体などの特異的反応物質を簡単
に物理吸着させることのできるポリスチレンを主成分と
したプラスチックが用いられる。プレート状基盤は、単
一の素材から構成される単層の板状体であっても、複数
種の素材が積層されて構成される多層の板状体であって
もよい。プレート状基盤の表面は、固定化される特異的
反応物質の種類に応じて適当な表面処理が施されてもよ
い。
【0019】特異的認識部位は、プレート状基盤に対し
て凸設されているのがより好ましい。これは、プレート
状基盤に対して凹設されていると、測定時において液体
状の生体試料がプレート状基盤の上に残存し、正確な測
定を阻害する恐れがあるためである。特異的認識部位を
プレート状基盤に対して凸設するには、例えば特異的反
応物質を固定化した基盤小片をプレート状基盤上に貼り
合わせればよい。
【0020】特異的反応物質をプレート状基盤に固定化
するには、物理吸着法、共有結合法などの方法を用いる
ことができる。特異的認識部位が設けられるプレート状
基盤の表面部分は、予め、固定化される特異的反応物質
の種類に応じて、該物質を固定化し易くする処理を施す
ことが好ましい。また、プレート状基盤の表面部分であ
って、特異的認識部位を設けない部分は、被測定物質等
の非特異的な吸着を防止するために、適切な表面処理を
行うのが好ましい。例えば、被測定物質が疎水性の物質
である場合には、予め、シリコン処理やプラズマやコロ
ナ放電などの親水化処理を施すのがよい。さらに、プレ
ート状基盤に、特異的反応物質を固定化した後は、被測
定物質の非特異吸着を防ぐために、血清アルブミン、カ
ゼインなどの被測定物質と異なるタンパク質などでブロ
ッキング処理を施すのがよい。
【0021】また、特異的認識部位は、プレート状基盤
にアドレス可能な領域すなわちミクロスポットにより形
成することができる。ミクロスポットは、多角形、円形
等任意の形状として、その寸法は数平方ミクロンから数
平方ミリメートルで形成される。
【0022】本発明のキットにおける標識微粒子には、
被測定物質に対する特異的反応物質が固定化される。特
異的反応物質としては、上述と同様のものを用いること
ができる。特異的反応物質の固定化の方法としては、公
知の物理吸着法、共有結合法などが挙げられる。固定化
後は、非特異的認識サイトを血清アルブミン、カゼイン
などの被測定物質と異なるタンパク質などでブロッキン
グ処理するのがよい。
【0023】上記標識微粒子としては、金、白金、銅、
酸化鉄などのコロイド状金属粒子またはコロイド状金属
酸化物粒子、硫黄などのコロイド状非金属粒子、染料を
含有させた着色粒子または蛍光物質をその表面に固定化
した蛍光粒子などを用いることができる。また、標識微
粒子としては、安定したシグナルが得られるように粒子
サイズがそろっているラテックス粒子などを用いるのが
特に好ましい。特に、粒子径0.05〜1μmであり、
かつ、粒子径の分散度が10%以下の着色粒子が取り扱
いが容易であり、好適である。
【0024】上記ラテックス粒子を構成するモノマー成
分は、特に限定されるものではないが、例えば、スチレ
ン、クロルスチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、メタクリル酸、アクリル酸などが挙げられる。ま
た、ラテックス粒子は、例えば、分散重合、懸濁重合も
しくは乳化重合など適宜の方法で重合される。着色粒子
は、前記ラテックス粒子を周知の方法、例えば、染料や
色素などの着色剤により着色することによって得られ
る。
【0025】本発明のキットにおけるプレート状基盤と
しては、例えば図1に示した形態のものを用いることが
できる。図1におけるプレート状基盤1は、平滑な表面
を有する板状体の上に、特異的認識部位2a、2b、2
c、2dが設けられており、各々の特異的認識部位に
は、被測定物質a、b、c、dに対する特異的反応物質
3a、3b、3c、3dがそれぞれ固定化されて構成さ
れている。なお、図1においては、4種の被測定物質に
それぞれ対応した4つの特異的認識部位2a、2b、2
c、2dが設けられている例を示したが、特異的認識部
位の数は被測定物質の種類に応じて設定されるものであ
り、4つのもののみに限定されるのではない。
【0026】次に、上記測定キットを用いた、本発明
(6)の測定方法について説明する。なお、本測定方法
の原理は、サンドイッチアッセイ法に基づくものであ
る。
【0027】先ず、プレート状基盤上に設けられた特異
的認識部位を生体試料とを一時に接触させ、一定の反応
条件下でインキュベートし、被測定物質を各々の特異的
認識部位に補足させる。一時に接触させる方法として
は、生体試料が収容された容器内に、プレート状基盤ご
と浸漬させてもよいし、特異的認識部位に生体試料を同
時に添加してもよい。
【0028】次いで、洗浄液で特異的認識部位に補足さ
れなかった生体試料を洗い流す。洗浄液としては、特異
的反応を妨げず、未結合物質を効率的に除去できるもの
であれば、公知のいずれのものでも用いることができ
る。例えば、Tween20などの非イオン性界面活性剤を含
有するリン酸緩衝溶液などが好適である。洗浄の方法と
しては、洗浄液中にプレート状基盤を浸漬してもよい
し、プレート状基盤の上から洗浄液を添加して洗浄して
もよい。次いで、上記の工程を経たプレート状基盤を、
各々の被測定物質と特異的に結合しうる標記微粒子と一
時に接触をさせ、被測定物質と標識微粒子とを結合させ
ることにより、特異的認識部位上にサンドイッチ複合体
を形成させる。標識微粒子は、液体中に懸濁したものが
通常用いられるので、標識微粒子を含む懸濁液中にプレ
ート状基盤を浸漬させることにより、かかる工程を実施
することができる。
【0029】次にプレート状基盤の上の被測定物質と結
合しなかった標識微粒子を洗浄液で洗い流す。こうし
て、プレート状基盤の特異的反応部位には、生体試料中
の各々の被測定物質の量に比例した量のサンドイッチ複
合体が形成されており、標識微粒子の標識の種類に応じ
た物理的変化量を測定することにより、生体試料中の被
測定物質の量を測定することができる。
【0030】上記物理的変化量の測定方法は、標識の性
質によって異なり適宜最適の方法を選択できる。例え
ば、標識微粒子として着色粒子を用いた場合は、色調や
色の濃さを反射光や透過光で簡単に測定することができ
好適である。測定方法としては、基盤表面に光を照射
し、その反射光を測定する方法、例えば、色彩色差計、
分光式色差計、フォトメーター、デンシトメーターなど
が挙げられる。また、CCDカメラで検出した基盤表面
の画像をコンピューターで定量解析する方法も適用でき
る。
【0031】物理的変化量の絶対値を求めるには、予め
濃度既知のコントロール試料を測定することにより検量
線を作成し、この検量線と対比すればよい。また、生体
試料中における複数種の被測定物質の存在比を求める場
合には、かかる検量線の作成は必要でなく、特異的認識
部位の物理的変化量の相対比を求めるだけでよい。
【0032】本発明における被測定物質としては、例え
ば、血液、血清、血漿、尿などの生体試料中に存在す
る、種々のたんぱく質、ペプチド、アミノ酸等が挙げら
れる。生体試料は、適当な希釈液で希釈したものを測定
に供してもよい。
【0033】また、本発明においては、測定対象とする
物質として、生体試料中における存在比が臨床分析的に
意義を有するような2種の以上の物質を選択することに
より、特定の疾患に対する臨床検査を目的とした測定キ
ットを構成することもできる。ここで生体試料中におけ
る存在比が臨床分析的に意義を有する2つ以上の物質と
は、試料中の絶対量が臨床分析的に重要な意味をもつと
いうものでは必ずしもなく、試料中のそれらの量の相対
比が、特定疾患の診断に対する指標となるような関係を
有する2種以上の物質のことを意味する。かかる被測定
物質の具体例としては、血液試料中におけるヘモグロビ
ン及びヘモグロビンA1cなどが挙げられる。上述した
様に、血液試料中におけるヘモグロビンA1c濃度をヘ
モグロビン濃度で除して得られるヘモグロビンA1c値
は、糖尿病診断の指標として従来より用いられており、
本発明は、特にこのヘモグロビンA1c値を簡便かつ正
確に測定するのに好適である。
【0034】もっとも、本発明は、ヘモグロビンA1c
値を測定するのに限定されるものではない。例えば、物
質A及び物質Bを同時測定するキットを構成する場合に
は、プレート状基盤に、物質Aと特異的に反応する部位
と、物質Bと特異的に反応する部位とを設ける。物質A
と特異的に反応する部位には、例えば、物質Aに対する
抗体(以下、抗A抗体という)を、物質Bと特異的に反
応する部位には、物質Bに対する抗体(以下、抗B抗体
という)を固定化すればよい。また、標識微粒子には、
抗A抗体と抗B抗体とを固定化させる。もちろん、本発
明は、A及びBで表した2種の物質の同時測定用に限定
されるものではなく、3種以上の物質の同時測定におい
ても同様にして構成することができる。
【0035】
【実施例】(プレート状基盤の調製)2×5cm、厚さ1
mmのポリスチレン製平板プレートに各々2個のポリスチ
レン製円形ディスク(φ5mm、厚さ1mm)をのせて、ス
プレーでシリコーン液(信越シリコーン社製)を吹き付
け、十分に乾燥させた。次いで、上記ポリスチレン製円
形ディスクを取り除き、各々の未シリコーン処理部位に
抗ヒトヘモグロビンA1cモノクローナル抗体液(10
μg/mL)及び抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体液
(10μg/mL)を滴下し、4℃で一晩インキュベートし
て、各抗体をプレートに物理吸着法により固定化した。
次いで、上記のように抗体を固定化したプレートを0.
1%Tween20・PBS溶液につけて良く洗浄し、1%BSA・PBS
溶液につけて室温で2時間静置し、抗体が吸着されてい
ない部分をブロックした。
【0036】(標識微粒子の調製)粒子径0.2μmの
ブルーラテックス(積水化学工業社製)を10mLのPBS
中で超音波処理を行って良く分散させた後、ヒトヘモグ
ロビンポリクローナル抗体液(1mg/mL)を1mL添加し
て、室温で3時間インキュベートした。次いで、PBS溶液
で一度遠心洗浄した後、1%BSA・PBS溶液にて分散し、
室温で2時間静置して、ブロッキングした。
【0037】(ヘモグロビンA1c値の測定)糖尿病患
者2人(検体A,B)及び健常人2人(検体C,D)か
らEDTA-2K入り真空採血管(積水化学工業株式会社製)
に2mLの血液を真空採血した。この全血1mLを精製水
で溶血させた。これを検体として、上記のように調製し
たヒトヘモグロビンA1c及びヒトヘモグロビンの特異的
認識部位を有するプレートを各々の検体に接触させ、1
時間、室温でインキュベートした。次いで、0.1%Tween2
0・PBS溶液で洗浄し、上記標識微粒子を添加し、1時
間、室温でインキュベートした。次いで、0.1%Tween20
・PBS溶液で洗浄し、室温で風乾させた。
【0038】上記のように、サンドイッチ複合体を形成
させたプレートの各ブルーのスポット(特異的認識部
位)を色彩色差計(ミノルタカメラ社製)を用いて測定
した。また、ヒトヘモグロビンA1c及びヒトヘモグロビ
ン混合液の標準希釈系列に対して、同様の操作を行い、
検量線を作成した。この検量線に外挿して、上記検体の
ヘモグロビンA1c及びヘモグロビンの濃度を算出し、下
記の式IによりヘモグロビンA1c値を算出した。これら
の結果を表1に示した。また、表1に、Hi−AUTO
A1c HA−8150(アークレイ社製)を用いた
HPLC法によるヘモグロビンA1c値も記載した。
【0039】
【数1】
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果より、本発明の測定キットは、
ヘモグロビンA1c値測定の従来からの一般的方法であ
るHPLC法と同程度に、高精度測定できることが明ら
かとなった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、生体試料中の複数種の
被測定物質が、プレート状基盤に設けられた特異的認識
部位に特異的に捕捉され、標識微粒子の結合によりサン
ドイッチ複合体が同時に形成される。このため、標識微
粒子の結合により生じた特異的認識部位の物理的変化量
を同時に測定することができ、従来の多項目自動分析装
置のような高価な装置を用いず、簡単な操作で正確な同
時定量が可能になる。特に、臨床検査の分野で利用する
ことによって、複数の検査値をベッドサイドで得られる
ようになり、的確かつ迅速な診断と治療が可能となる。
また、生体試料中の複数の物質を同時測定することがで
きるため、試料中の存在比が臨床分析的意義を有する2
つ以上の被測定物質を測定対象とすることにより、特定
疾患に対する診断指標を極めて簡便に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明におけるプレート状基盤の一例を示し
た図。
【符号の説明】
1…プレート状基盤 2a、2b、2c、2d…それぞれ被測定物質a〜dに
対応した特異的認識部位 3a、3b、3c、3d…それぞれ被測定物質a〜dに
対する特異的反応物質

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料中の複数種の物質を同時測定す
    るために用いられる測定キットであって、 被測定物質の各々に対応した特異的認識部位が設けら
    れ、かつ被測定物質に対する特異的反応物質が該特異的
    認識部位に固定化された、プレート状基盤と、 被測定物質に対する特異的反応物質が固定化された標識
    微粒子とを含むことを特徴とする測定キット。
  2. 【請求項2】 上記プレート状基盤がプラスチックから
    なり、かつ特異的認識部位が基盤に対して凸設されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の測定キット。
  3. 【請求項3】 上記標識微粒子が、粒子径0.05〜1
    μmでかつ粒子径の分散度が10%以下の着色粒子であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の測定キッ
    ト。
  4. 【請求項4】 上記特異的認識部位が、生体試料中にお
    ける存在比が臨床分析的意義を有する2つ以上の被測定
    物質にそれぞれ対応した特異的認識部位であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の測定キット。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの特異的認識部位がヘモ
    グロビンに対する特異的認識部位であり、別の少なくと
    も1つの特異的認識部位がヘモグロビンA1cに対する
    特異的認識部位であることを特徴とする請求項4に記載
    の測定キット。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の測定キ
    ットを用いた、サンドイッチアッセイ法に基づく測定方
    法であって、 上記各特異的認識部位を、生体試料に一時に接触させた
    後上記標識微粒子に一時に接触させ、該標識微粒子が結
    合されることにより生じた特異的認識部位の物理的変化
    量により生体試料中の複数種の物質を同時測定すること
    を特徴とする測定方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4895062B1 (ja) * 2011-02-01 2012-03-14 田中貴金属工業株式会社 食品中の動物肉由来タンパク質の免疫クロマト検出方法

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