JP4627607B2 - 複数項目及び総含有量の同時分析可能なイムノクロマトグラフ法及びイムノクロマトグラフ用ストリップ - Google Patents

複数項目及び総含有量の同時分析可能なイムノクロマトグラフ法及びイムノクロマトグラフ用ストリップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数項目及び総含有量の複数項目同時分析可能なイムノクロマトグラフ法及びイムノクロマトグラフ用ストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
免疫吸着反応を用いた臨床検査において、同一の被検試料中に含まれる複数種類の成分を分析する場合、被検試料を分割してそれぞれにおいて単項目ずつ分析することが一般的である。しかし、被検試料が少ない場合や、緊急検査が必要とされる場合には、簡便法として、同一被検試料から分割又は小分け作業をすることなく、かつ簡易に複数種類の成分を同時に測定する手段が医療現場から切望されている。
【0003】
そこで近年、簡易測定法として普及されてきたイムノクロマトグラフ法を用いて、複数項目を同時に測定する手段が開発されており、例えば、乳児下痢中の複数種類のウイルス等抗原を同時に測定する方法が開示されている(特開2000−292427号公報)。この方法では、複数種類の分析物質(例えば、ロタウイルス抗原、カルシウイルス抗原、コロナウイルス抗原、アデノウイルス抗原、及びエンテロウイルス抗原など)に対して、個々に結合する複数種類の標識化免疫反応性物質(例えば、標識化抗ロタウイルス抗原抗体、カルシウイルス抗原抗体、コロナウイルス抗原抗体、アデノウイルス抗原抗体、及びエンテロウイルス抗原抗体など)を同一イムノクロマトグラフ試薬内で同時に用いることで、イムノクロマトグラフ法による複数成分同時定量を可能としている。
しかし、このイムノクロマトグラフ法では、複数種類の分析物質(例えば、ダニ、スギ、カビ、又は卵白などの複数種類の各アレルゲン特異的IgE抗体)に対して共通の標識化免疫反応性物質(例えば、標識化抗IgE抗体)を用いる場合には、定量性良く分析することはできなかった。
【0004】
そこで、共通の標識化免疫反応性物質(例えば、標識化抗IgE抗体)を用いて、複数の分析物質を分析するイムノクロマト法として、本発明者及びその共同研究者は、共通標識化免疫反応性物質、すなわち、複数の分析対象物質の全てと免疫学的に結合することのできる標識化免疫反応性物質が、それぞれ、共通免疫反応性物質の1単位のみを含む個々の標識化共通免疫反応性物質から実質的に構成することにより、定量的に、しかも、被検試料を分割することなく、簡便且つ短時間に分析することができることを既に見出している(特願2001−92378号)。
その手法によれば、独立関係にある複数の分析対象物については、イムノクロマトグラフ法により同時に定量性良く測定することができるが、その複数の分析対象物が包含関係にある場合(例えば、ダニアレルゲン特異的IgE抗体と総IgE抗体)には、イムノクロマトグラフ膜上の上流に存在する免疫反応物質が優先的に免疫吸着を起してしまい、下流の免疫反応物質とも反応すべき分析対象物が、その分減じてしまい、定量性が損なわれてしまうことが問題であった。
【0005】
以下、アレルゲン特異的IgE抗体分析を例にとって詳しく説明する。
近年、アトピー性皮膚炎又は花粉症等に代表されるアレルギー疾患は、先進国を中心に増加しており、なんらかのアレルギー素因を有する人の割合は、日本国民の3割を超えるとも言われている。一般的なアレルギー反応であるI型アレルギーは、アナフィラキシーショックや気管支炎喘息のように時として死に至る重篤なものから、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、又は花粉症等、慢性疾患として日常生活を脅かすもの、そして、一過性の蕁麻疹や湿疹、軽症の鼻炎等まで多岐にわたる。これらの疾患に代表されるI型アレルギー発症には、アレルゲンと総称されるタンパク質成分が不可欠である。
【0006】
アレルゲンは、一般の生活空間に数多く存在していることが知られており、主なものとしては、ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニなどのダニ類、カンジダ、アルテルナリア、アスペルギルス、又はクラドスポリウムなどのカビ真菌類、スギ、ヒノキ、シラカバ、カモガヤ、ハルガヤ、ブタクサ、又はヨモギ等の草木の花粉、イヌ、ネコ、又はハムスター等の動物の上皮(フケ)、そして、卵、牛乳、大豆、小麦、米、等の食品が挙げられる。また、アナフィラキシーショックを惹起し、しばしば死亡事故につながる危険なアレルゲンとして、蜂毒や、ピーナッツ又は蕎麦等の食品も有名である。
【0007】
このように日常生活のあらゆるところにアレルゲンが存在しているが、病原性のウイルスや細菌、あるいは、毒性の高い化学物質と違い、それらが万人にとって危険であるわけではなく、前記アレルゲンを社会全体として日常生活空間から排除することは実際的に困難である。従って、アレルギー疾患患者は、本人にとってアレルギー原因物質となるアレルゲンが何であるかを知り、日常生活において極力そのアレルギー物質を回避することがアレルギー疾患の基本的かつ根本的な治療とされる。
【0008】
このように、アレルギー疾患において病因となっているアレルゲン物質を調べることは非常に重要である。アレルゲン探索方法としては、皮膚テストと呼ばれるアレルゲン負荷テストが古くから行われてきた。皮膚に傷を付け、数種類のアレルゲン水溶液を塗布し、皮膚が赤く腫れ上がれば、そのアレルゲンに対するアレルギーがあると判定する方法である。しかし、この方法は患者負担が大きく、また、その検査自体が重篤なアレルギー症状を惹起する可能性もある。
【0009】
そこで、最近ではこれに代わる検査として血清中のアレルゲン特異的IgE抗体測定が広く普及している。アレルゲン特異的IgE抗体は前記アレルゲンと結合し、前記I型アレルギー反応を引き起こすのに必須な体内成分である。従って、個々のアレルゲンに特異的な血液中のIgE抗体の存在量を測定することにより、皮膚テストと同様、患者がどのアレルゲンに対してどの程度のアレルギー反応を呈するのかを予測することができる。
現在、国内だけでも数社から、アレルゲン特異的IgE抗体測定試薬(例えば、ファルマシア社CAP、ヤトロン社アラスタット、日立化成MAST、又はシオノギ社ルミワード等)が市販されている。そして、数百種類にも及ぶアレルゲンに対するアレルゲン特異的IgEを測定することができる。
【0010】
しかし、アレルゲン物質は数千種類以上存在するとされ、しかも、未知物質も想定されることから、その全てのアレルゲン特異的IgE抗体量を測定するのは不可能である。そこで、特異的IgE抗体の総量として、血清中の総IgE抗体量が測定されている。この総IgE抗体量は、被験者のアレルギー疾患重症度と相関し、しかも、特異的IgE抗体が検出できなくても、総IgE抗体が多く存在すれば、未検出の特異的IgE抗体の存在が予測することができるため、アレルギー検査においてアレルゲン特異的IgE抗体検査と共に非常に一般的且つ重要な検査である。
総IgE抗体測定試薬は、前記特異IgE抗体測定試薬を発売している会社を含め、多くの会社から市販されているが、中にはイムノクロマトグラフ法を用いた試薬(Total IgE EasiStep;NUBENCO社)も2000年より米国にて市販されている。
【0011】
しかしながら、アレルゲン特異的IgE抗体と総IgEとを、試料を分割せずに同一被検試料から同時に測定する測定試薬は従来存在せず、その報告例も存在していない。なぜなら、総IgE抗体量は多種類の特異的IgE抗体量の総和であるからであり、従来の免疫吸着測定法では、理論上同時に測定することは不可能であったからである。
例えば、ダニアレルゲン特異的IgE抗体、スギアレルゲン特異的IgE抗体、及びネコ上皮アレルゲン特異的IgE抗体、並びにこれらの3種類の特異的IgE抗体以外の既知又は未知のアレルゲン特異的IgE抗体が含まれている被検試料を、免疫吸着測定法により分析する場合には、一般に、各アレルゲン特異的IgE抗体とそれぞれ特異的に反応する各抗体と、全てのIgE抗体と特異的に反応する抗体とを固定化した状態で使用する。この場合、特異的IgE抗体と総IgE抗体とは競合関係にあり、特異的IgE抗体の一部又はかなりの量が総IgE抗体として検出されてしまい、その分量の特異的IgE抗体は、特異的IgE抗体として検出することができないからである。また、逆に、総IgE抗体の一部又はかなりの量が特異的IgE抗体として検出されることで、総IgE抗体量が実際よりも低く測定される場合も考えられる。
このように、従来の免疫吸着測定法では、包含関係にない複数のアレルゲン特異的IgE抗体は同時に測定することは可能でも、包含関係にあるアレルゲン特異的IgE抗体と総IgE抗体とを、同一被検試料から同時に測定することはできなかった。よって、特異的IgE抗体及び総IgE抗体の両項目を測定するには被検試料を分割又は数回に分けて採取する必要があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、個別の含有量を測定すべき個別測定対象物質(例えば、特定アレルゲンに対する特異的IgE)1つ以上と、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質を有し、しかも、その含有量を測定すべき総量測定対象物質(例えば、IgE)とを含む可能性のある被検試料に関して、前記個別測定対象物質1つ以上の含有量と、前記総量測定対象物質の総含有量とを測定するために、前記総量測定対象物質の全てに共通して反応する標識化免疫反応性物質(例えば、標識化抗IgE抗体)を用いて分析するイムノクロマトグラフ法であって、定量的に、しかも、被検試料を分割することなく、簡便且つ短時間に分析可能な前記イムノクロマトグラフ法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明による、
個別の含有量を測定すべき個別測定対象物質1つ以上と、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質を有し、しかも、その含有量を測定すべき総量測定対象物質とを含む可能性のある被検試料について、前記個別測定対象物質1つ以上の含有量と、前記総量測定対象物質の総含有量とを測定するイムノクロマトグラフ法において、
(1)前記総量測定対象物質の全てと結合することができ、しかも、標識物質で標識化された第1の共通免疫反応性物質と、前記被検試料とを、
前記個別測定対象物質のいずれか1つとのみ、それぞれ特異的に結合することができる特定免疫反応性物質1つ以上と、前記総量測定対象物質の全てと結合することができる第2の共通免疫反応性物質とが、互いに隔離した状態で、しかも、前記の第2共通免疫反応性物質が展開方向に関して最も下流側に位置するように、固定化された支持体上で、展開させ、
前記支持体上に固定化された前記の固定化特定免疫反応性物質及び固定化第2共通免疫反応性物質と接触させる工程;及び
(2)前記の固定化特定免疫反応性物質又は固定化第2共通免疫反応性物質と、それに結合した測定対象物質と、更にそれに結合した標識化第1共通免疫反応性物質との3者からなる各免疫複合体に由来する標識の信号を、それぞれ分析する工程
を含み、
使用する標識化第1共通免疫反応性物質が、それぞれ、第1共通免疫反応性物質の1単位のみを含む個々の標識化共通免疫反応性物質から実質的になる
ことを特徴とする、イムノクロマトグラフ法によって解決することができる。
【0014】
また、本発明は、
液体が展開可能な支持体上に、
(1)個別の含有量を測定すべき個別測定対象物質1つ以上と、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質を有し、しかも、その含有量を測定すべき総量測定対象物質とを含む可能性のある被検試料の添加領域;
(2)前記総量測定対象物質の全てと結合することができ、しかも、標識物質で標識化された第1の共通免疫反応性物質を保持している標識化第1共通免疫反応性物質保持領域;及び
(3)前記個別測定対象物質のいずれか1つとのみ、それぞれ特異的に結合することのできる特定免疫反応性物質1つ以上と、前記総量測定対象物質の全てと結合することができる第2の共通免疫反応性物質とが、互いに隔離した状態で、しかも、前記の第2共通免疫反応性物質が展開方向に関して最も下流側に位置するように、固定化されている特定免疫反応性物質及び第2共通免疫反応性物質固定化領域
が、前記被検試料添加領域を上流として、この順に配置されており、
使用する標識化第1共通免疫反応性物質が、それぞれ、第1共通免疫反応性物質の1単位のみを含む個々の標識化共通免疫反応性物質から実質的になる
ことを特徴とする、イムノクロマトグラフ用ストリップに関する。
【0015】
本明細書において、「イムノクロマトグラフ法」とは、特に限定されるものではないが、例えば、その工程中にクロマトグラフ法(特には、薄層クロマトグラフ法又はペーパークロマトグラフ法)を用いる工程を含み、1又は複数の抗原抗体反応の少なくとも一部をクロマトグラフ用の薄膜状支持体上で展開しながら実施する免疫学的分析法を挙げることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、共通免疫反応性物質、すなわち、総量測定対象物質の全てと免疫学的に結合することのできる免疫反応性物質として、互いにエピトープの異なる2種類の共通免疫反応性物質を使用する。すなわち、本発明で使用する第1の共通免疫反応性物質及び第2の共通免疫反応性物質は、総量測定対象物質の全てと免疫学的に結合することができる点で、同じ反応特異性を示すが、第1共通免疫反応性物質が認識するエピトープと、第2共通免疫反応性物質が認識するエピトープとが異なり、しかも、両エピトープ間の距離が、第1共通免疫反応性物質と測定対象物質と第2共通免疫反応性物質との三者免疫複合体を形成した際に立体障害を引き起こさない距離である必要がある。
第1の共通免疫反応性物質は、標識物質で標識化することにより、標識化第1共通免疫反応性物質(以下、単に、標識化共通免疫反応性物質と称することがある)として使用する。一方、第2の共通免疫反応性物質は、クロマトグラフ用支持体上に固定化することにより、固定化第2共通免疫反応性物質(以下、単に、固定化共通免疫反応性物質と称することがある)として使用する。
【0017】
本発明では、支持体上に、(1)個別測定対象物質のいずれか1つとのみ、それぞれ特異的に結合することができる特定免疫反応性物質1つ以上と、(2)前記固定化共通免疫反応性物質とを、固定化する。支持体上に固定化する際には、前記特定免疫反応性物質1つ以上と、前記固定化共通免疫反応性物質とが、互いに隔離した状態で、しかも、前記の第2共通免疫反応性物質が展開方向に関して最も下流側に位置するように固定化する。
また、本発明では、前記支持体上で、(1)前記標識化共通免疫反応性物質と、(2)被検試料とを展開させる。
【0018】
本発明方法を適用して分析することのできる測定対象物質(個別測定対象物質及び総量測定対象物質の両方を含む)は、共通免疫反応性物質が存在する物質である限り、特に限定されるものではないが、例えば、抗体又は抗原などを挙げることができる。前記抗体としては、例えば、IgEを挙げることができ、前記抗原としては、例えば、糖タンパク質、複数のサブユニットから構成されるタンパク質、あるいは、複数の独立したタンパク質が複合体を形成したタンパク質複合体などを挙げることができる。
本明細書において「個別測定対象物質」とは、個別の含有量を測定すべき測定対象物質を意味し、「総量測定対象物質」とは、全ての前記個別測定対象物質に共通する特定の性質を有し、しかも、その含有量を測定すべき測定対象物質を意味する。
【0019】
個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、抗体、例えば、特定アレルゲンに対する特異的IgEとIgEとの組み合わせである場合には、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質とは、例えば、IgEの定常領域を有することを挙げることができる。この場合、共通免疫反応性物質として、抗IgE抗体を用いることができる。
【0020】
一方、個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、抗原、例えば、特定糖鎖部分と共通タンパク質部分とを含む特定糖タンパク質と、共通タンパク質部分を含むタンパク質との組み合わせである場合には、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質とは、例えば、前記共通タンパク質部分を有することを挙げることができる。この場合、共通免疫反応性物質として、前記の共通タンパク質部分を認識する抗体を用いることができる。
【0021】
また、個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、特定サブユニットと共通サブユニットとを含む特定タンパク質と、共通サブユニットを含むタンパク質との組み合わせである場合には、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質とは、例えば、前記共通サブユニットを有することを挙げることができる。この場合、共通免疫反応性物質として、前記の共通サブユニットを認識する抗体を用いることができる。
【0022】
更に、個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、特定タンパク質と共通タンパク質とを含む特定タンパク質複合体と、共通タンパク質を含むタンパク質複合体との組み合わせである場合には、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質とは、例えば、前記共通タンパク質を有することを挙げることができる。この場合、共通免疫反応性物質として、前記の共通タンパク質を認識する抗体を用いることができる。
特定タンパク質と共通タンパク質との組み合わせとしては、例えば、α1−アンチキモトリプシン(ACT)と前立腺特異的抗原(Prostate Specific Antigen;PSA)との組み合わせを挙げることができる。通常、PSAは、ACTと複合体を形成しているか、あるいは、単独で遊離した状態のPSA(すなわち、フリーPSA)として存在する。本発明によれば、PSAとACTとのタンパク質複合体と、総PSA量とを同時に測定することができる。
【0023】
なお、本発明においては、共通免疫反応性物質として、抗体それ自体を用いることもできるし、あるいは、その断片(フラグメント)、例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFvを用いることもできる。
【0024】
本発明において使用する標識化共通免疫反応性物質の群に含まれる個々の標識化共通免疫反応性物質は、共通免疫反応性物質の1単位のみを含むと共に、標識物質を1単位以上結合して含む。そして、本発明において使用する標識化共通免疫反応性物質の群は、こうした共通免疫反応性物質の1単位のみを含む標識化共通免疫反応性物質から実質的に構成される。すなわち、共通免疫反応性物質を2単位以上含む標識化共通免疫反応性物質が、本発明方法の定量性に影響を与える量で含まれない。
【0025】
ここで、共通免疫反応性物質の1単位とは、1つの抗原抗体免疫反応を実施する抗原又は抗体の単位を意味する。例えば、抗体の場合には、抗原結合部位を実質的に1つのみ有する分子を意味し、抗原の場合には、エピトープを実質的に1つのみを有する分子を意味する。具体的には、Fab、Fab’、又はFvにおいては、各抗体断片1分子が共通免疫反応性物質1単位に相当する。また、抗体それ自体(例えば、IgG分子全体)又はF(ab’)2においては、1分子中に2個の抗原結合部位を有するが、測定対象物質の分子量が充分に大きい場合には、立体構造的な障害により、抗原結合部位が実質的に1つであると考えられるため、抗体1分子又はF(ab’)21分子が共通免疫反応性物質1単位に相当する。
また、標識物質の1単位とは、標識物質としての機能を発現する最小単位である。
【0026】
本発明で用いる標識物質は、個々の標識化共通免疫反応性物質が、共通免疫反応性物質の1単位のみを含むと共に、標識物質を1単位以上結合して含むことができるように、前記標識物質で前記共通免疫反応性物質を標識することが可能である標識物質である限り、特に限定されるものではないが、例えば、放射性同位体、蛍光物質、若しくは酵素、又は直径5nm以下(好ましくは3nm以下)である色素体を挙げることができる。
【0027】
前記放射性同位体としては、例えば、125Iを挙げることができる。放射性同位体を用いる公知の標識化方法では、通常、共通免疫反応性物質を重合させることがないため、公知標識化方法により、共通免疫反応性物質の1単位のみを含むと共に放射性同位体を1単位以上結合して含む標識化共通免疫反応性物質を調製することができる。
【0028】
前記蛍光物質としては、例えば、ユーロピウム、フルオロセインイソシアネート、ジクロロトリアジニルフルオロセイン、又はテトラメチルローダミンイソシアネートを挙げることができる。蛍光物質を用いる公知の標識化方法では、通常、共通免疫反応性物質を重合させることがないため、公知標識化方法により、共通免疫反応性物質の1単位のみを含むと共に蛍光物質を1単位以上結合して含む標識化共通免疫反応性物質を調製することができる。
【0029】
前記酵素としては、例えば、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、又はグルコース−6−リン酸脱水素酵素などを挙げることができる。酵素としてアルカリフォスファターゼを用いる場合には、発色基質として5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル酸(BCIP)を使用することができ、酵素としてパーオキシダーゼを用いる場合には、発色基質としてテトラメチルベンチジン(TMB)を使用することができる。
【0030】
これらの酵素を用いて、個々の標識化共通免疫反応性物質が、共通免疫反応性物質の1単位のみを含むと共に、標識物質を1単位以上結合して含むことができるように、共通免疫反応性物質を標識する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、マレイミド基とチオール基又はアミノ基との反応性を利用したマレイミド法などを挙げることができる。なお、抗体を酵素標識する場合には、ペプシン処理して得られるFab’のチオール基と酵素とを結合させる方法を用いることもできる。
前記マレイミド法では、酵素のチオール基又はアミノ基にマレイミド基を導入し、次いで、抗体又は抗原のチオール基と反応させることにより、酵素1分子と共通免疫反応性物質(例えば、抗体)1分子とが結合した標識化共通免疫反応性物質を得ることができる。
【0031】
ところで、抗体もしくは抗原を酵素標識するには、一般に架橋試薬が用いられる。その主なものとしてはカルボジイミド、イソシアネート、ジアゾ化合物、ベンゾキノン、グルタルアルデヒド、過ヨーソ酸、マレイミド化合物、ピリジル・ジスルフィド化合物が挙げられる(酵素免疫測定法 第3版 石川栄治)。例えば、1969年に報告された一段階グルタルアルデヒドを用いた酵素標識法は、広く普及した方法であるが、この方法は非特異的な化学反応が多く、抗体もしくは抗原同士、あるいは酵素同士が重合してしまう。いわゆるホモポリマー化現象が見られ、近年は酵素標識法としては用いられることが少ない。本発明においてはそのような酵素標識手法は適さない。
また、別の酵素標識法として2段階グルタルアルデヒド法が公知である。2段階グルタルアルデヒド法では、まず酵素を過剰のグルタルアルデヒド処理した後、グルタルアルデヒドを除いてから、抗体又は抗原と反応させる。しかし、ペルオキシダーゼやアルカリフォスファターゼなど比較的グルタルアルデヒド処理による重合が少ない酵素の場合でも、酵素を介して複数の抗体又は抗原が結合してしまうことも多く、本発明においては2段階グルタルアルデヒド法も適さない。
【0032】
標識物質として使用することのできる、直径5nm以下である色素体における前記色素体としては、例えば、ラテックス、金、銀、鉄、銅、セレン、硫黄、テルル、又は炭素コロイドを挙げることができる。これらの色素体は、一般に、物理結合、例えば、静電結合、疎水結合、又は配位結合等により、共通免疫反応性物質と結合させることができる。
【0033】
共通免疫反応性物質として代表的なマウスモノクローナルIgGのFabフラグメントの分子量は約7万5千とされ、その大きさは最大長で8nm程度とされている。直径が5nmを越える色素体を用いた場合には、色素体1分子に対して、複数のIgGのFabフラグメントが結合すると考えられる。
本発明において共通免疫反応性物質としてIgGのFabフラグメントを用いる場合には、直径5nm以下である色素体を用いることにより、色素体1分子に対して、多くてもIgGのFabフラグメント1分子を結合させることができる。なお、色素体が極めて小さい(例えば、直径1nm以下)場合、IgGのFabフラグメント1分子に対して複数の色素体が結合するが、共通免疫反応性物質1単位のみを含むため、定量性の保持に問題はない。
また、共通免疫反応性物質として、前記IgGのFabフラグメントよりも大幅に分子量の小さい物質[例えば、Fab’フラグメント、ウイルス抗原タンパク質、又はアレルゲンタンパク質(分子量=数万〜数千)]を用いる場合には、直径が更に小さい色素体を用いる必要がある。前記色素体の直径は、用いる共通免疫反応性物質の分子量及び/又は最大長に応じて、適宜決定することが可能である。
【0034】
本発明のイムノクロマトグラフ法は、標識化免疫反応性物質として、それぞれ、共通免疫反応性物質の1単位のみを含む個々の標識化共通免疫反応性物質から実質的になる標識化共通免疫反応性物質を用いること、そして、展開方向に関して最も下流側に位置するように、固定化共通免疫反応性物質を支持体上に固定化すること以外は、通常のイムノクロマトグラフ法と同様にして実施することができる。
【0035】
一般に、測定対象物質を含む被検試料は、支持体(例えば、薄膜状支持体)の一部分に滴下等の方法で接触させることにより、支持体に吸収され、毛細管現象にて拡散する。この時、拡散する方向は、薄膜水平方向において任意であるが、通常は、支持体切断辺近傍に被検試料を接触させ、また、その反対側の切断辺近傍に大量の液体を吸収するセルロースなどの吸収担体を密着させ、分析物質が免疫反応により支持体上に固定化されて除かれた後の被検試料溶液を吸収させる。これにより、支持体中での拡散方向はおのずと一方向に限定される。
なお、種々のイムノクロマトグラフ法の中には、被検試料を支持体切断辺の近傍ではなく、中央位置で接触させる方法(特開平11−69996号公報)等もあるが、その場合も、発色基質液をやはり支持体切断辺近傍から接触吸収させ、その反対側に吸収担体を配置することで、結果的に拡散方向を吸収担体方向に収束させる仕組みになっている。以下、便宜的に、測定対象物質を含有する可能性のある被検試料を接触吸収させる場所に近い方を支持体上流と呼び、逆に吸収担体に近い側を下流として説明する。
【0036】
本発明のイムノクロマトグラフ法は、特に限定されるものではないが、例えば、本発明のイムノクロマトグラフ用ストリップを用いて実施することができる。以下、本発明のイムノクロマトグラフ法用ストリップの構造について、主に図1に沿って説明する。
図1に示すイムノクロマトグラフ用ストリップ10は、展開方向(図1における矢印Aで示す方向)の上流から下流に向かって、被検試料添加領域として機能する試料添加パッド1、標識化免疫反応性物質保持領域として機能する標識化共通免疫反応性物質保持パッド2、免疫反応性物質固定化領域として機能する固定化メンブレン3、及び展開促進領域として機能する吸収パッド4がこの順に、基材層としての粘着シート5上に、例えば、接着剤によって貼付して配置されている。本発明のイムノクロマトグラフ用ストリップは、被検試料添加領域、標識化免疫反応性物質保持領域、及び免疫反応性物質固定化領域を少なくとも含む限り、特に限定されるものではないが、展開促進領域を更に含むことが好ましい。
【0037】
前記固定化メンブレン3は、個別測定対象物質(例えば、測定対象物質A及び測定対象物質B)のいずれか1つとのみ、それぞれ特異的に結合することのできる各免疫反応性物質(以下、特定免疫反応性物質と称する)を、それぞれ別々に固定化した領域である検出ゾーン3a,3bを有する。更に、固定化メンブレン3は、前記検出ゾーン3a,3bの下流(展開方向に関して)に、総量測定対象物質の全てと結合することのできる共通免疫反応性物質Zを固定化した領域である検出ゾーン3zを有する。前記総量測定対象物質には、個別測定対象物質としての測定対象物質A及び測定対象物質Bと、残余量測定対象物質(群)としての測定対象物質群Zとを含む。ここで、残余量測定対象物質(又は物質群)とは、前記総量測定対象物質から、前記個別測定対象物質の全てを除いた残りの測定対象物質(又は物質群)を意味する。
例えば、検出ゾーン3aには、測定対象物質Aと結合するが、測定対象物質B又は残余量測定対象物質群Zのいずれとも結合しない特定免疫反応性物質Aが固定化されており、同様に、検出ゾーン3bには、測定対象物質Bと結合するが、測定対象物質A又は残余量測定対象物質群Zのいずれとも結合しない特定免疫反応性物質Bが固定化されている。一方、検出ゾーン3zには、測定対象物質A、測定対象物質B、及び残余量測定対象物質群Zの全てと結合する共通免疫反応性物質Zが固定化されている。
【0038】
本発明で用いる各特定免疫反応性物質は、測定対象物質(すなわち、個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせ)に応じて適宜決定することができる。
例えば、個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、特定アレルゲンに対する特異的IgEとIgEとの組み合わせである場合には、各特定免疫反応性物質として、各アレルゲンを用いることができる。
【0039】
また、個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、特定糖鎖部分と共通タンパク質部分とを含む特定糖タンパク質と、共通タンパク質部分を含むタンパク質との組み合わせである場合には、各特定免疫反応性物質として、前記の各糖鎖部分を認識する各抗体を用いることができる。個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、特定サブユニットと共通サブユニットとを含む特定タンパク質と、共通サブユニットを含むタンパク質との組み合わせである場合には、各特定免疫反応性物質として、前記の各特定サブユニットを認識する各抗体を用いることができる。個別測定対象物質と総量測定対象物質との組み合わせが、特定タンパク質と共通タンパク質とを含む特定タンパク質複合体と、共通タンパク質を含むタンパク質複合体との組み合わせである場合には、各特定免疫反応性物質として、前記の各特定タンパク質を認識する各抗体を用いることができる。
なお、本発明においては、特定免疫反応性物質として、抗体それ自体を用いることもできるし、あるいは、その断片、例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFvを用いることもできる。
【0040】
本発明のイムノクロマトグラフ法用ストリップにおいて、免疫反応性物質固定化領域における各特定免疫反応性物質及び固定化共通免疫反応性物質の配置パターンは、後述する分析工程において、各検出ゾーン上で形成される各免疫複合体に由来する標識の信号を分析する際に、各信号が区別可能であるように隔離されており、しかも、固定化共通免疫反応性物質が展開方向に関して最も下流に位置している限り、特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように、上流から下流に向かう展開方向に対して直列に順々に配置(1レーン・多行型)することもできるし、あるいは、各特定免疫反応性物質を前記展開方向に並置して配置(多レーン・1行型)し、その下流(展開方向に関して)に固定化共通免疫反応性物質を配置することもできるし、更には、これらを組み合わせて、各特定免疫反応性物質を格子状に配置[すなわち、格子の各交差点上に配置(多レーン・多行型)]し、その下流(展開方向に関して)に固定化共通免疫反応性物質を配置することもできるが、被検試料中の分析成分をなるべく効率よく膜上の固定化領域上の免疫反応性物質と免疫反応を行なわせることができるように、展開方向に対して直列に順々に配置することが好ましい。
また、各検出ゾーンの形状も、特に限定されるものではなく、例えば、ドット状又は帯状であることができる。
【0041】
本発明のイムノクロマトグラフ法用ストリップにおける支持体は、液体が展開可能である支持体である限り、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド繊維、グラスファイバー、セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、フッ化ビニリデン樹脂、又はポリテトラフルオロエチレンなどからなる多孔質体(例えば、濾紙又は多孔性ポリマー)などを挙げることができる。また、本発明のイムノクロマトグラフ法用ストリップでは、前記支持体の裏面に基材層、例えば、ガラス板、アルミニウム板、又はプラスチック板などを設けることもできる。
【0042】
以下、図1に示すイムノクロマトグラフ用ストリップ10を用いた場合[すなわち、個別測定対象物質が、測定対象物質A及び測定対象物質Bであり、総量測定対象物質が、個別測定対象物質としての測定対象物質A及び測定対象物質B、並びに残余量測定対象物質(群)としての測定対象物質群Zである場合]を例にとり、本発明のイムノクロマトグラフ法における接触工程及び分析工程について説明する。
図1に示すイムノクロマトグラフ用ストリップ10の試料添加パッド1に、測定対象物質A、測定対象物質B、及び測定対象物質群Zを含む被検試料を滴下すると、毛細管現象により、矢印Aで示す方向に向かって、被検試料の展開が開始される。被検試料中に含まれる各測定対象物質は、標識化共通免疫反応性物質を保持する保持パッド2に到達したところで、標識化共通免疫反応性物質との1:1の免疫複合体を形成する。すなわち、測定対象物質A、測定対象物質B、及び測定対象物質群Zは、それぞれ、標識化共通免疫反応性物質と免疫学的に結合して、免疫複合体を形成する。以下、測定対象物質Aと標識化共通免疫反応性物質との1:1の免疫複合体を2成分免疫複合体Aと称し、同様に、測定対象物質Bと標識化共通免疫反応性物質との1:1の免疫複合体を2成分免疫複合体Bと、測定対象物質群Zと標識化共通免疫反応性物質との1:1の免疫複合体を2成分免疫複合体群Zと称する。
【0043】
更に展開が進行すると、各2成分免疫複合体(すなわち、2成分免疫複合体A、2成分免疫複合体B、及び2成分免疫複合体群Z)は、固定化メンブレン3の検出ゾーン3aに到達する。検出ゾーン3aには、測定対象物質Aとは結合するが、測定対象物質B又は測定対象物質群Zのいずれとも結合しない特定免疫反応性物質Aが固定化されているため、前記の各2成分免疫複合体の内、2成分免疫複合体Aのみが、固定化特定免疫反応性物質Aと結合し、3成分免疫複合体(以下、3成分免疫複合体Aと称する)を検出ゾーン3a上で形成する。一方、2成分免疫複合体B及び2成分免疫複合体群Zは、検出ゾーン3aを通過し、次の検出ゾーン3bに到達する。
【0044】
検出ゾーン3bには、測定対象物質Bとは結合するが、測定対象物質A又は測定対象物質群Zのいずれとも結合しない特定免疫反応性物質Bが固定化されているため、前記の各2成分免疫複合体の内、2成分免疫複合体Bのみが、固定化特定免疫反応性物質Bと結合し、3成分免疫複合体(以下、3成分免疫複合体Bと称する)を検出ゾーン3b上で形成する。残る2成分免疫複合体群Zは、検出ゾーン3bを通過し、次の検出ゾーン3zに到達する。
検出ゾーン3zには、測定対象物質A、測定対象物質B、及び測定対象物質群Zと結合する共通免疫反応性物質Zが固定化されているため、最後に残った2成分免疫複合体群Zも、固定化共通免疫反応性物質Zと結合し、3成分免疫複合体(以下、3成分免疫複合体群Zと称する)を検出ゾーン3z上で形成する。
このように、本発明のイムノクロマトグラフ法における接触工程では、単独の共通レーン(展開帯)において、複数の測定対象物質(すなわち、個別測定対象物質及び総量測定対象物質)が混在する被検試料であっても、各検出ゾーン上の内、個別測定対象物質毎に設けた特定免疫反応性物質固定化ゾーンでは、定量性を損なうことなく、それぞれ独立に、3成分免疫複合体を形成させることができ、更に、その下流に位置する共通免疫反応性物質固定化ゾーンでは、上流の各特定免疫反応性物質固定化ゾーンを通過した全ての測定対象物質[すなわち、残余量測定対象物質(群)]について、3成分免疫複合体を形成させることができる。
【0045】
本発明のイムノクロマトグラフ法では、図1に示すイムノクロマトグラフ用ストリップ10のように、試料添加パッド1の下流に標識化共通免疫反応性物質保持パッド2を配置することもできるし、あるいは、試料添加パッドの上流に標識化共通免疫反応性物質添加パッドを配置することもできるし、あるいは、試料添加パッド及び標識化共通免疫反応性物質保持パッドを別々に設けずに、予め、被検試料と標識化共通免疫反応性物質とを混合した混合液の状態で滴下し、展開を開始することもできる。
【0046】
接触工程の終了後、分析工程において、各検出ゾーン毎に、各3成分免疫複合体中の標識に由来する信号を分析する。分析工程では、用いる標識物質の種類に応じて、それ自体公知の分析手段により、標識に由来する信号を分析し、各検出ゾーン毎に測定対象物質の量を算出する。
例えば、標識物質として色素体を用いる場合には、色計測機器により分析することができ、標識物質として放射性同位体を用いる場合には、放射線測定機器により分析することができ、標識物質として蛍光物質を用いる場合には、蛍光分析器により分析することができる。標識物質として酵素を用いる場合には、前記接触工程の終了後、発色基質を上流から改めて展開することにより、各免疫複合体における酵素と反応させ、発色させることができる。この場合、色計測機器により前記発色を分析することができる。
より具体的には、例えば、各特定免疫反応性物質固定化ゾーン及び共通免疫反応性物質固定化ゾーンの各ゾーンにおける標識由来の信号を数値化する。続いて、数値化された各々の信号量を、標準物質等を用いて予め作製した基準信号量と比較することで、それぞれの信号量を測定対象物質の量として換算することができる。
個別測定対象物質の量は、特定免疫反応性物質固定化ゾーンにおける標識由来の信号から決定することができる。また、総量測定対象物質の総量は、各検出ゾーン(各特定免疫反応性物質固定化ゾーン及び共通免疫反応性物質固定化ゾーンを含む)における標識由来の信号から決定した各量の総和として決定することができる。
【0047】
【作用】
本発明は、薄膜状支持体中を分析対象試料が上流から下流に流れる一方向性を利用したものである。すなわち、複数の分析対象物を免疫反応により結合する複数の物質が薄膜支持体に固相されている場合、被検試料中の分析対象物は、より上流に固相されている免疫反応物質と先に接触し、免疫反応が起こり、より下流に固相されている固相物質は、上流の免疫反応未反応物のみと反応するという、優先度の相違を利用している。
但し、同一の薄膜状支持体上において、場所によって、優先度が異なるということは一般に認知されており、それを応用した例はイムノクロマトグラフ法において存在する。
【0048】
応用例のひとつは、イムノクロマトグラフ法が正常に終了したことを確認する方法である。具体的には、イムノクロマト膜の上流部位に分析対象物質[例えば、β−絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)]と免疫複合体を形成する物質(例えば、抗β−HCGマウスモノクローナル抗体)を固相しておき、その下流には標識抗体物質(例えば、抗β−HCGマウスモノクローナル抗体)と免疫複合体を形成する物質(抗マウスイムノグロブリン)を固相する方法が挙げられる。
つまり、上流部位にて分析対象物質(例えば、β−HCG)を捕捉測定した後、下流部位にて標識抗体物質(例えば、抗β−HCGマウスモノクローナル抗体)を測定することにより、イムノクロマトグラフキットに含まれる標識抗体物質が被検試料添加により、正常に溶出し、イムノクロマトグラフ膜上を展開したことを確認することができる。
この方法は、支持体の下流側に固定化する物質が、標識抗体物質と結合する抗体である点で、本発明と異なる。また、本発明のように、複数種類の包含関係にある分析対象物を測定・定量化するものでもない。
【0049】
また、薄膜状支持体上に、分析対象物と免疫複合体を形成する抗原又は抗体を均一又は断続的に固相しておくことで、定量性を持たす手段も報告されている[トーマス.Mら,Analytical Biochemistry,166,276−283(1987)]。これは、イムノクロマト膜上流位置で捕捉されきれず、下流に流れてしまった分析対象物を、下流位置で改めて捕捉させることにより、分析対象物が多い場合は、より下流位置まで染色させるように工夫したものである。
しかしながら、本発明のように、複数種類の包含関係にある分析対象物を測定・定量化した報告例はない。
【0050】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
《アルカリホスファターゼ標識化抗ヒトIgE抗体Fab’を用いるイムノクロマトグラフ用ストリップの作製》
(1)アレルゲン及び抗IgE抗体固定化膜の作製
ニトロセルロース膜(HF180;ミリポア社製)を5mm×25mmのサイズに切断した。膜の一端(上流方向)から15mm及び20mmの位置に、それぞれ、ダニアレルゲン抽出タンパク質水溶液(ヤケヒョウヒダニ抽出物;グリア社製)[濃度1mg/mL;5mmol/Lホウ酸緩衝液(pH8.5)で希釈後、透析した水溶液]と、抗ヒトIgE抗体(マウスモノクローナル抗体;ヤトロン社製)水溶液[濃度1mg/mL;5mmol/Lホウ酸緩衝液(pH8.5)で希釈後、透析した水溶液]とを、幅1mmの直線状に塗布した。
そのまま、室温下で1時間静置し、続いて、37℃で30分間静置して、ダニアレルゲン抽出タンパク質及び抗IgE抗体を固定化した。シリカゲルデシケーター内に保存し、室温下で一夜乾燥させることにより、アレルゲン及び抗IgE抗体固定化膜A(上流から下流に向かって、ダニアレルゲン及び抗IgE抗体の順に配置)を作製した。
【0051】
一方、膜の一端から15mm及び20mmの位置に、それぞれ、前記抗IgE抗体水溶液と前記ダニアレルゲン抽出タンパク質水溶液とを、幅1mmの直線状に塗布すること以外は、アレルゲン固定化膜Aを作製するための前記操作を繰り返すことにより、アレルゲン及び抗IgE抗体固定化膜B(上流から下流に向かって、抗IgE抗体及びダニアレルゲンの順に配置)を作製した。
また、膜の一端から15mmの位置に、前記ダニアレルゲン抽出タンパク質水溶液を幅1mmの直線状に塗布すること以外は、アレルゲン固定化膜Aを作製するための前記操作を繰り返すことにより、アレルゲン固定化膜C(ダニアレルゲンのみ配置)を作製した。
更に、膜の一端から15mmの位置に、前記抗IgE抗体水溶液を幅1mmの直線状に塗布すること以外は、アレルゲン固定化膜Aを作製するための前記操作を繰り返すことにより、抗IgE抗体固定化膜D(抗IgE抗体のみ配置)を作製した。
【0052】
(2)アルカリホスファターゼ標識化抗IgE抗体Fab’の調製
実施例1(1)で使用した抗ヒトIgE抗体とは反応エピトープが異なる別の抗ヒトIgE抗体(マウスモノクローナル抗体;ヤトロン社製)をペプシン処理した後、2−メルカプトエチルアミンにより還元し、ゲル濾過により精製Fab’フラグメント1mgを調製した。
一方、これとは別に、ウシ小腸アルカリフォスファターゼ2mgを、2mg/mLとなるようにリン酸緩衝液で希釈した後、透析し、7.5mmol/Lに調製したN−スクシンイミジル3(2−ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)100μLを加えた。4℃にて5時間反応させた後、リン酸緩衝液で透析してピリジルジチオプロピオネート(PDP)導入アルカリホスファターゼを調製した。
前記抗IgE抗体Fab’と前記PDP導入アルカリホスファターゼとを1mLずつ等量混合してから、1mol/Lヒドロキシルアミン40μLを添加した。4℃で3日間反応させた後、ゲル濾過カラム(TSKgel G3000SW;東ソー社製)を用いてゲルろ過し、未反応の抗IgE抗体Fab’及びPDP導入アルカリフォスファターゼを除去し、アルカリホスファターゼ(AP)標識化抗IgE抗体Fab’水溶液を作製した。
【0053】
(3)AP標識化抗体パッドの作製
前記実施例1(2)で調製したAP標識化抗IgE抗体Fab’水溶液を、抗体1μg量となるように、5.0%ショ糖を含む5mmol/Lリン酸塩緩衝液(pH7.2)で希釈した後、その希釈液10μLを5mm×5mmに切断した吸収パッド(PREM1420;ポール社製)に塗布し、シリカゲルデシケーター内で室温下、一夜減圧(≦100mmHg)乾燥して、AP標識化抗体パッドを作製した。
【0054】
(4)試料添加パッドの作製
グラスファイバーパッドを5mm×18mmに切断し、0.5%ショ糖、0.2%Tween20、及び0.1%ポリビニールアルコール(重合度=約500)を含む水溶液に浸した後、過剰の水溶液を除去し、風乾して、試料添加パッドを作製した。
【0055】
(5)吸収パッドの作製
セルロースパッド(AP25;Millipore社製)を、5mm×20mmのサイズに切断し、吸収パッドとした。
【0056】
(6)イムノクロマトグラフ用ストリップの作製
5mm×60mmのサイズに切断したプラスティック粘着シート(BioDot製)に、展開方向に関して上流側から下流側に向かって、前記実施例1(4)で作製した試料添加パッド、前記実施例1(3)で作製したAP標識化抗体パッド、前記実施例1(1)で作製したアレルゲン及び抗IgE抗体固定化膜A、及び前記実施例1(5)で作製した吸収パッドの順に、各々その両端を隣接する部材と1mm程度重ね合わせて貼付することにより、イムノクロマトグラフ用ストリップ(1)を作製した。
前記アレルゲン及び抗IgE抗体固定化膜Aの代わりに、前記実施例1(1)で作製したアレルゲン及び抗IgE抗体固定化膜B、アレルゲン固定化膜C、又は抗IgE抗体固定化膜Dを用いること以外は、前記操作を繰り返すことにより、それぞれ、イムノクロマトグラフ用ストリップ(2)、イムノクロマトグラフ用ストリップ(3)、及びイムノクロマトグラフ用ストリップ(4)を作製した。
【0057】
【評価】
前記実施例1で調製した4種類のイムノクロマトグラフ用ストリップ(1)〜(4)を、それぞれ、試料添加パッドを下にして、検体50μLを予め分注しておいたマイクロプレートウェルに差し込んで立て掛け、毛細管現象により検体をクロマト展開させた。続いて、前記クロマト展開の開始から10分経過後に、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル酸(BCIP;ベーリンガーマンハイム社製)200μLを更にクロマト展開させた。
【0058】
なお、前記検体としては、検体1(ダニアレルゲン特異的IgE=0IU/mL,総IgE=0IU/mL)、検体2(ダニアレルゲン特異的IgE=0IU/mL,総IgE=100IU/mL)、検体3(ダニアレルゲン特異的IgE=10IU/mL,総IgE=100IU/mL)、及び検体4(ダニアレルゲン特異的IgE=100IU/mL,総IgE=300IU/mL)を使用した。各検体中のダニアレルゲン特異的IgE量及び総IgE量は、従来の定量測定法(アラスタット特異的IgE抗体測定キット;ヤトロン社販売,米国DPC社製)にて測定した値であり、国際標準単位であるIU/mLで表記した。
【0059】
イムノクロマト展開終了後、ダニアレルゲン及び抗IgE抗体固定化領域(1mm幅バンド)における着色像をスキャナー(DocuColor1250CP;富士ゼロックス)で読み取り、画像解析ソフト(ScionImage;Scion Corporation)にて解析し、数値化した。各イムノクロマトグラフ用ストリップ(1)〜(4)の構成を表1に示し、判定結果を表2に示す。
表2において、記号「a」は、アラスタット特異的IgE抗体測定キットで測定したダニアレルゲン特異的IgE量(単位=IU/mL)を意味し、記号「b」は、アラスタット特異的IgE抗体測定キットで測定した総IgE量(単位=IU/mL)を意味する。記号「c」は、画像解析ソフトで算出したダニアレルゲン固定化領域(バンド)の染色度(単位=ピクセル)を意味し、記号「d」は、画像解析ソフトで算出した抗IgE抗体固定化領域(バンド)の染色度(単位=ピクセル)を意味し、記号「e」は、ダニアレルゲン固定化領域(バンド)の染色度と抗IgE抗体固定化領域(バンド)の染色度との合計を意味する。
【0060】
《表1》
Figure 0004627607
【0061】
《表2》
Figure 0004627607
【0062】
表2に示すように、ダニアレルゲン又は抗IgE抗体が単独固定されている場合[イムノクロマトグラフ用ストリップ(3)又はイムノクロマトグラフ用ストリップ(4)]の染色度と、ダニアレルゲンが上流側に固定されている場合[イムノクロマトグラフ用ストリップ(1)]の染色度とは、ほぼ同等であったが、ダニアレルゲンが下流に配置されている場合[イムノクロマトグラフ用ストリップ(2)]は、上流側に相当の染色量が奪われ、相当量の染色度低下が確認された。
従って、ダニアレルゲン特異的IgE量と総IgE量とを同時に測定する場合には、ダニアレルゲンを上流部位に、抗IgE抗体を下流部位に配置することが必要であること、そして、ダニアレルゲンバンド染色度と抗IgE抗体バンド染色度とを合計して総IgE量として換算することで、総IgE抗体量として算出可能であることが判明した。
【0063】
【発明の効果】
本発明のイムノクロマトグラフ法によれば、個別の含有量を測定すべき個別測定対象物質(例えば、特定アレルゲンに対する特異的IgE)1つ以上と、全ての個別測定対象物質に共通する特定の性質を有し、しかも、その含有量を測定すべき総量測定対象物質(例えば、IgE)とを含む可能性のある被検試料に関して、前記個別測定対象物質1つ以上の含有量と、前記総量測定対象物質の総含有量とを測定する場合に、定量的に、しかも、被検試料を分割することなく、簡便且つ短時間に、前記測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイムノクロマトグラフ法に使用することのできるイムノクロマトグラフ用ストリップの一態様を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・試料添加パッド;2・・・標識化共通免疫反応性物質保持パッド;
3・・・固定化メンブレン;4・・・吸収パッド;5・・・粘着シート;
10・・・イムノクロマトグラフ用ストリップ。

Claims (2)

  1. 個別の含有量を測定すべきアレルゲン特異的IgE抗体1つ以上と、その含有量を測定すべき総IgE抗体とを含む可能性のある被検試料について、前記アレルゲン特異的IgE抗体1つ以上の含有量と、前記総IgE抗体の総含有量とを測定するイムノクロマトグラフ法において、
    (1)前記総IgE抗体の全てと結合することができる、標識物質で標識化された第1抗IgE抗体と、前記被検試料とを、
    前記アレルゲン特異的IgE抗体のいずれか1つとのみ、それぞれ特異的に結合することができるアレルゲン1つ以上と、前記総IgE抗体の全てと結合することができる第2抗IgE抗体とが、互いに隔離した状態で、しかも、前記の第2抗IgE抗体が展開方向に関して最も下流側に位置するように、固定化された支持体上で、展開させ、
    前記支持体上に固定化された前記の固定化アレルゲン及び固定化第2抗IgE抗体と接触させる工程;及び
    (2)前記の固定化アレルゲン又は固定化第2抗IgE抗体と、それに結合したIgEと、更にそれに結合した標識化第1抗IgE抗体との3者からなる各免疫複合体に由来する標識の信号を、それぞれ分析する工程
    を含み、
    使用する標識化第1抗IgE抗体が、それぞれ、第1抗IgE抗体の1単位のみを含む個々の標識化抗IgE抗体から実質的になる
    ことを特徴とする、イムノクロマトグラフ法。
  2. 液体が展開可能な支持体上に、
    (1)個別の含有量を測定すべきアレルゲン特異的IgE抗体1つ以上と、その含有量を測定すべき総IgE抗体とを含む可能性のある被検試料の添加領域;
    (2)前記総IgE抗体の全てと結合することができる、標識物質で標識化された第1抗IgE抗体を保持している標識化第1抗IgE抗体保持領域;及び
    (3)前記アレルゲン特異的IgE抗体のいずれか1つとのみ、それぞれ特異的に結合することのできるアレルゲン1つ以上と、前記総IgE抗体の全てと結合することができる第2抗IgE抗体とが、互いに隔離した状態で、しかも、前記の第2抗IgE抗体が展開方向に関して最も下流側に位置するように、固定化されているアレルゲン及び第2抗IgE抗体固定化領域
    が、前記被検試料添加領域を上流として、この順に配置されており、
    使用する標識化第1抗IgE抗体が、それぞれ、第1抗IgE抗体の1単位のみを含む個々の標識化抗IgE抗体から実質的になる
    ことを特徴とする、請求項1に記載のイムノクロマトグラフ法に用いるイムノクロマトグラフ用ストリップ。
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