JP2000155038A - 磁気検出装置 - Google Patents

磁気検出装置

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JP2000155038A
JP2000155038A JP10329663A JP32966398A JP2000155038A JP 2000155038 A JP2000155038 A JP 2000155038A JP 10329663 A JP10329663 A JP 10329663A JP 32966398 A JP32966398 A JP 32966398A JP 2000155038 A JP2000155038 A JP 2000155038A
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JP10329663A
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Inventor
Izuru Shinjo
出 新條
Masahiro Yokoya
昌広 横谷
Takuji Nada
拓嗣 名田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 用途および設計の自由度を拡大するととも
に、省スペース化およびコストダウンを実現した磁気検
出装置を得る。 【解決手段】 磁性材の被検出体10に対向配置された
検出手段20と、検出手段に対してバイアス磁界を印加
するための永久磁石と、検出手段の出力信号VoA、V
oBを処理する信号処理回路とを備え、検出手段は、互
いに分解能の異なる複数の検出素子領域2A、2B、1
2A、12Bを含み、信号処理回路は、検出手段からの
複数の出力信号を個別に異なる信号形態に変換するため
の複数の信号処理領域を含み、複数の検出素子領域およ
び複数の信号処理領域は、同一チップ20上に形成さ
れ、低分解能用および高分解能用のチップを同一チップ
上に共用化して、同一チップから異なる複数系統の出力
信号を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば歯車状
の磁性回転体の回転角度を検出する磁気検出装置に関
し、特に同一チップ上に複数系列の検出手段を形成する
ことにより、用途を拡大するとともに、省スペース化お
よびコストダウンを実現した磁気検出装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、たとえば特開平8−1938
39号公報、特開平7−167876号公報、特開平6
−350159号公報などに参照されるように、磁性材
の被検出体に検出手段(MR素子など)を対向配置し、
検出手段からの出力信号に基づいて被検出体の変位を検
出する磁気検出装置は、種々提案されている。
【0003】図6〜図12は従来の磁気検出装置の概略
構成をそれぞれ示しており、図6〜図8は低分解能の場
合の磁気検出装置を模式的に示す側面図、斜視図および
部分平面図である。
【0004】図9〜図11は高分解能の場合の磁気検出
装置を模式的に示す側面図、斜視図および部分平面図で
ある。また、図12は従来の磁気検出装置における一般
的な信号処理回路を示す回路図である。
【0005】まず、低分解能の磁気検出装置を示す図6
〜図8において、1は磁性材からなる可動の被検出体で
あり、この場合、被検出体1は、外周部に複数の突起1
aを有する回転磁性体からなり、回転軸Aを中心として
回転する。
【0006】2は被検出体1の突起1aに対向配置され
たICチップ(以下、単にチップという)であり、検出
手段として機能する一対のMR素子2aおよび2bが上
面にモールドにより配設されている。
【0007】一般に、磁気検出手段としては、MR素子
または巨大磁気抵抗(GMR)素子などが用いられる
が、これらの動作はほぼ同じであるため、ここでは、代
表的にMR素子を用いた場合について説明する。
【0008】この場合、各MR素子2aおよび2bは、
被検出体1の回転方向に対して垂直方向に並列配置され
ており、この配置関係により、低分解能の検出手段とし
て機能するようになっている。
【0009】また、チップ2上には、MR素子2aおよ
び2bの出力信号を処理する信号処理回路(後述する)
が内蔵されている。
【0010】3はMR素子2aおよび2b(検出手段)
に対してバイアス磁界を印加するための永久磁石であ
り、直方体形状からなり、被検出体1の放射方向(対向
方向)となる矢印B方向に着磁されている。
【0011】永久磁石3は、チップ2の下面に一体的に
固着され、チップ2とともに磁気検出装置のセンサ部を
構成している。
【0012】一方、高解能の磁気検出装置を示す図9〜
図11において、11および12は前述(図6〜図8参
照)の被検出体1およびチップ2に対応している。被検
出体11は、前述と同様に、外周部に複数の突起11a
を有する回転磁性体からなり、回転軸Aを中心として回
転する。
【0013】また、被検出体11の突起11aに対向配
置されたチップ12は、前述と同様に、一対のMR素子
12aおよび12bが上面にモールドにより配設されて
いる。
【0014】この場合、被検出体11上の突起11a
は、低分解能の場合の突起1a(図7、図8参照)より
も小さいピッチで形成されている。
【0015】また、各MR素子12aおよび12bは、
被検出体1の回転方向に沿って並列配置されており、こ
れにより、高分解能の検出手段として機能するようにな
っている。
【0016】なお、MR素子2a、2b、12a、12
bは、周知のように、強磁性体(たとえば、Ni−F
e、Ni−Coなど)の薄膜からなり、印加される磁化
方向と電流方向のなす角度によって抵抗値が変化する素
子である。
【0017】すなわち、MR素子2a、2b、12a、
12bは、電流方向および磁化方向が直角に交わるとき
に抵抗値が最小になり、電流方向および磁化方向のなす
角度が0度(電流方向および磁化方向が同一または全く
逆方向)になるときに抵抗値が最大になる。
【0018】一般に、MR素子2a、2b、12a、1
2bの抵抗値の変化は、MR変化率と称されており、N
i−Feの場合には、2%〜3%程度であり、Ni−C
oの場合には、5%〜6%程度である。
【0019】図12は従来の信号処理回路を示す回路図
であり、低分解能(図6〜図8参照)または高分解能
(図9〜図11参照)の場合であっても、同様の回路構
成を有する。ここでは、代表的に、低分解能(図6〜図
8参照)の信号処理回路の場合を例にとって説明する。
【0020】図12において、21はMR素子2aおよ
び2bからなるブリッジ回路であり、MR素子2aおよ
び2bは、電源VCCとグランドGNDとの間に直列に
挿入されている。
【0021】22はブリッジ回路21に接続された差動
増幅回路であり、帰還抵抗器R1および入力抵抗器R2
を有する差動増幅器AMPと、基準電圧VR1を生成す
る分圧回路R22とを含む。
【0022】差動増幅器AMPの出力端子は、帰還抵抗
器R1を介して反転入力端子(−)に接続されている。
また、差動増幅器AMPの反転入力端子(−)には、入
力抵抗器R2を介してMR素子2aおよび2bの接続点
Pの電圧VM1が印加され、差動増幅器AMPの非反転
入力端子(+)には、基準電圧VR1が印加されてい
る。
【0023】23は差動増幅回路22に接続された交流
結合回路であり、差動増幅器AMPの出力端子に接続さ
れたコンデンサCと、コンデンサCの出力端子と基準電
圧VR2との間に挿入された抵抗器R3とからなる時定
数(フィルタ)回路を含む。
【0024】24は交流結合回路23に接続された比較
回路であり、コンデンサCの端子電圧VM2(以下、コ
ンデンサ電圧という)を基準電圧VR2と比較するコン
パレータCOMと、コンパレータCOMの出力端子と非
反転入力端子(+)との間に挿入された帰還抵抗器R4
と、基準電圧VR2を生成する分圧回路R24と、コン
パレータCOMの出力端子と電源VCCとの間に挿入さ
れたプルアップ抵抗器R5とを含む。
【0025】コンパレータCOMの反転入力端子(−)
には、コンデンサ電圧VM2が印加され、コンパレータ
COMの非反転入力端子(+)には、基準電圧VR2が
印加される。分圧回路R24には、交流結合回路23内
の抵抗器R3が接続されている。
【0026】25は比較回路24に接続された出力回路
であり、コンパレータCOMの比較出力VM3がベース
に印加されるエミッタ接地のNPN形のトランジスタT
Rと、トランジスタTRのコレクタと電源VCCとの間
に挿入された抵抗器R6とを含む。
【0027】26は出力回路25の出力端子であり、ト
ランジスタTRのコレクタ電圧を出力電圧Voとして出
力する。
【0028】信号処理回路は、差動増幅回路22、交流
結合回路23、比較回路24および出力回路25により
構成され、パルス波からなる電気信号を出力電圧Voと
して外部に出力する。信号処理回路の出力電圧Voは、
コンピュータユニット(図示せず)に伝送され、たとえ
ば被検出体1(磁性回転体)の回転角度の検出に用いら
れる。
【0029】以下、図13および図14の波形図を参照
しながら、図6〜図12に示した従来の磁気検出装置の
動作について説明する。図13は低分解能(図6〜図8
参照)の場合の信号処理回路の動作を示し、図14は高
分解能(図9〜図11参照)の場合の信号処理回路の動
作を示す。
【0030】図13、図14は、被検出体1、11の回
転により磁性突起1a、11aがチップ2、12上のM
R素子対に順次対向したときの、コンデンサ電圧VM2
および出力電圧Voの時間変化をそれぞれ示している。
図13および図14において、基本動作は同一なので、
以下、前述と同様に、代表的に低分解能の磁気検出装置
の動作(図13)について説明する。
【0031】図6〜図8において、歯車状の被検出体1
(磁性回転体)をチップ2(検出手段)に近接配置して
回転させると、被検出体1の外周部に配列された突起1
aの移動により、チップ2上のMR素子2aおよび2b
(磁気検出素子)に対して磁性の凹部および凸部が交互
に接近する。
【0032】これにより、永久磁石3からMR素子2a
および2bに印加される矢印B方向の磁界が変化し、こ
の磁界変化は、MR素子2aおよび2bからなるブリッ
ジ回路21(図12参照)により、接続点電圧VM1の
変化として検出される。
【0033】すなわち、ブリッジ回路21において、M
R素子2aおよび2bの一端を定電圧且つ定電流の電源
VCCに接続し、MR素子2aおよび2bの他端を接地
し、MR素子2aおよび2bの抵抗値変化を接続点Pの
電圧変化に変換することにより、MR素子2aおよび2
bに作用している磁界変化を検出する。
【0034】ブリッジ回路21の接続点電圧VM1の変
化は、チップ2内の差動増幅回路22で増幅され、交流
結合回路23により直流成分が除去された後、比較回路
24および出力回路25を介してパルス波の出力電圧V
oとなり、外部のコンピュータユニットに送られて、被
検出体1の回転角度検出に寄与する。
【0035】このとき、被検出体1の回転にともなうM
R素子2aおよび2bの磁界変化は、差動増幅回路22
の出力電圧に反映されて、突起1aの磁性凹凸に対応し
た交流信号となる。
【0036】差動増幅回路22からの交流信号は、交流
結合回路23に供給されて、図13のように、直流成分
が除去されたコンデンサ電圧VM2となり、比較回路2
4に入力される。
【0037】比較回路24は、交流結合回路23から出
力されるコンデンサ電圧VM2を基準電圧VR2(たと
えば、VR2=VCC/2)と比較し、「0(LO
W)」信号または「1(HIGH)」信号からなる比較
出力VM3を生成する。
【0038】比較出力VM3は、出力回路25内のトラ
ンジスタTRをオンオフ(スイッチング)することによ
り、さらに立上りおよび立下りの急峻なパルス波形に整
形され、基準電圧VR2以上のコンデンサ電圧VM2に
応答したオンパルスからなる出力電圧Voとなる。
【0039】なお、高分解能の磁気検出装置の動作(図
14)においても、突起11aのピッチが小さいことか
ら、コンデンサ電圧VR2の交流波形の波長が短い点を
除けば、図13の場合と同様であり、急峻なパルス波形
からなる出力電圧Voが得られる。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気検出装置は
以上のように、低分解能用のチップ2上のMR素子2a
および2b(図7、図8参照)と、高分解能用のチップ
12上のMR素子12aおよび12b(図10、図1
1)とでは、MR素子対の配置状態が互いに異なるの
で、分解能などの各種用途の違いに応じて異なるチップ
2および12が必要となり、設計上の制約を受けるうえ
コストアップを招くという問題点があった。
【0041】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、低分解能用および高分解能用の
チップを同一チップ上に共用化して、同一チップから異
なる複数系統の出力信号を発生することにより、用途お
よび設計の自由度を拡大するとともに、省スペース化お
よびコストダウンを実現した磁気検出装置を得ることを
目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る磁気検出装置は、磁性材からなる可動の被検出体と、
被検出体に対向配置された検出手段と、検出手段に対し
てバイアス磁界を印加するための永久磁石と、検出手段
の出力信号を処理する信号処理回路とを備え、検出手段
は、互いに分解能の異なる複数の検出素子領域を含み、
信号処理回路は、検出手段からの複数の出力信号を個別
に異なる信号形態に変換するための複数の信号処理領域
を含み、複数の検出素子領域および複数の信号処理領域
は、同一チップ上に形成されたものである。
【0043】また、この発明の請求項2に係る磁気検出
装置は、請求項1において、被検出体は、外周部に複数
の突起を有する回転磁性体からなり、複数の突起は、分
解能の異なる複数の突起系列を含み、複数の検出素子領
域は、それぞれMR素子からなるものである。
【0044】また、この発明の請求項3に係る磁気検出
装置は、請求項2において、複数の突起系列は、低分解
能および高分解能にそれぞれ対応した第1および第2の
突起系列を含み、MR素子は、第1および第2の突起系
列に対応した第1および第2のMR素子対を含み、第1
のMR素子対は、被検出体の回転方向に対して垂直方向
に並列配置され、第2のMR素子対は、被検出体の回転
方向に沿って並列配置されたものである。
【0045】また、この発明の請求項4に係る磁気検出
装置は、請求項3において、被検出体は、エンジンのカ
ム軸に設けられており、第1の突起系列は、エンジンの
各気筒毎の基準位置に対応し、第2の突起系列は、エン
ジンの回転角度に対応し、第1および第2のMR素子対
は、第1および第2の突起系列に応答して、エンジンの
気筒毎の基準位置およびエンジンの回転状態を示す出力
信号を生成するものである。
【0046】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の
実施の形態1による被検出体およびチップ上面を拡大し
て示す平面図であり、GNDおよびVCCは前述(図1
2参照)と同様のものである。
【0047】また、図示しない永久磁石の構成および被
検出体およびチップの基本的な配置関係は図6〜図11
に示した通りである。
【0048】図1において、10は前述(図6〜図11
参照)の被検出体1および11に対応している。この場
合、磁性回転体からなる被検出体10の外周部には、歯
車形状の複数の突起として、低分解能用の突起系列10
Aおよび高分解能用の突起系列10Bが複合的に形成さ
れている。
【0049】20は前述のチップ2および12に対応し
た単一のチップである。この場合、被検出体10に対向
配置されたチップ20上には、互いに分解能の異なる検
出素子領域として、低分解能用のMR素子2Aおよび2
Bと、高分解能用のMR素子12Aおよび12Bとが共
有的に形成されている。
【0050】各MR素子2A、2B、12A、12B
は、それぞれ、前述のMR素子2a、2b、12a、1
2bにそれぞれ対応している。すなわち、低分解能用の
第1のMR素子対2Aおよび2Bは、被検出体10の回
転方向に対して垂直方向に並列配置され、高分解能用の
第2のMR素子対12Aおよび12Bは、被検出体10
の回転方向に沿って並列配置されている。
【0051】これにより、MR素子対2A、2Bは、低
分解能用の第1の突起系列10Aを検出し、MR素子対
12A、12Bは、高分解能用の第2の突起系列10B
を検出し、それぞれ、異なる形態の出力信号を生成す
る。
【0052】PAおよびPBは各MR素子対の接続点で
あり、前述(図12参照)の接続点Pに対応している。
30はチップ20上に配設されたアルミニウム電極から
なる複数のICパッドである。
【0053】図2はこの発明の実施の形態1による信号
処理回路を示す回路図であり、前述(図12参照)の信
号処理回路が並列に形成された構成からなっている。図
2において、41〜45は前述のブリッジ回路21〜出
力回路25に対応しており、それぞれ、低分解能用およ
び高分解能用の並列回路となっている。また、各回路素
子については、それぞれ、前述の符号にA(低分解能
用)またはB(高分解能用)を付して詳述を省略する。
【0054】この場合、信号処理回路は、各MR素子対
(検出手段)からの出力信号を個別に異なる信号形態に
変換するための複数の信号処理領域を含む。各信号処理
領域は、図1には示されていないが、MR素子2A、2
B、12A、12B(検出素子領域)とともに、同一の
チップ20上に形成されているものとする。
【0055】ここで、チップ20の代表的な製造方法に
ついて説明する。実際には、チップ20はウェハ状態で
購入され、プロセス終了後に各チップにダイシングが施
されるが、ここでは、便宜的にチップ状態で購入するも
のとして説明する。
【0056】まず、購入したチップ20上に、MR素子
2A、2B、12A、12Bをスパッタなどにより成膜
した後、周知の写真製版技術を用いて図1のようにパタ
ーニングを施す。
【0057】このとき、信号処理回路側の端子上に対し
ては、MR素子2A、2B、12A、12Bが重なった
状態で成膜されており、この重なった部分において電気
的な接続が行われる。
【0058】その後、酸化膜などの保護膜をスパッタな
どによって成膜し、ワイヤボンディング用のパッド30
のみを写真製版技術を用いて開口する。以上のように、
図1の構成からなるチップ20が形成される。
【0059】次に、図3の波形図を参照しながら、図1
および図2に示したこの発明の実施の形態1の信号処理
動作について説明する。なお、被検出体10の回転にと
もなう基本的な信号処理動作は、前述と同様である。
【0060】図3はこの発明の実施の形態1による信号
処理回路の動作を示しており、前述(図13、図14参
照)と同様に、被検出体10の回転により各突起系列1
0Aおよび10Bがチップ20上のMR素子対に順次対
向したときの、コンデンサ電圧VM2AおよびVM2B
の時間変化と、出力電圧VoAおよびVoBの時間変化
とを、それぞれ示している。
【0061】前述のように、歯車状の磁性回転体からな
る被検出体10をチップ20に近接配置して回転させる
と、被検出体10の外周部に配列された突起系列10A
および10Bの移動により、チップ2上のMR素子2
A、2B、12A、12Bに対して、ピッチの異なる磁
性の凹部および凸部が交互に接近する。
【0062】これにより、チップ20における磁界変化
は、第1のMR素子対2Aおよび2Bと、第2のMR素
子対12Aおよび12Bとからなるブリッジ回路41に
より検出され、接続点電圧VM1の変化として出力され
る。
【0063】すなわち、被検出体10の磁性の突起系列
10Aにより、MR素子2Aおよび2Bの抵抗値(磁
界)が変化して接続点PAおよびPBの電圧VM1Aが
変化し、突起系列10Bにより、MR素子12Aおよび
12Bの抵抗値(磁界)を変化して接続点PBの電圧V
M1Bが変化する。
【0064】各接続点電圧VM1AおよびVM1Bは、
差動増幅回路42で増幅され且つ流結合回路43を介し
て直流成分が除去され、コンデンサ電圧VM2Aおよび
VM2Bとなって、比較回路44内のコンパレータCO
MAおよびCOMBに入力される。
【0065】こうして、被検出体10の回転(突起系列
10Aおよび10Bの移動)にともなう接続点電圧VM
1AおよびVM1Bの変化は、磁性凹凸に対応した交流
信号のコンデンサ電圧VM2AおよびVM2B(図3参
照)として検出される。
【0066】比較回路44において、コンパレータCO
MAは、コンデンサ電圧VM2Aを基準電圧VR2Aと
比較し、コンパレータCOMBは、コンデンサ電圧VM
2Bを基準電圧VR2Bと比較し、それぞれ、「0(L
OW)」または「1(HIGH)」の比較出力VM3A
およびVM3Bを生成する。
【0067】比較出力VM3AおよびVM3Bは、出力
回路45内のトランジスタTRAおよびTRBをオンオ
フすることにより、急峻なパルス波形の出力電圧VoA
およびVoBとなって外部に導出される。
【0068】このように、MR素子2A、2B、12
A、12Bおよび信号処理回路(図2参照)を同一のチ
ップ20上に形成し、低分解能用および高分解能用のチ
ップを共用化することにより、単一のチップ20から異
なる2系統の出力電圧VoAおよびVoB(図3参照)
を生成することができる。
【0069】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、磁気検出装置としての具体的な用途について特に言
及しなかったが、複数の信号系統を検出する装置とし
て、たとえばエンジンのクランク角センサ(回転セン
サ)などに適用してもよい。
【0070】以下、エンジンの回転センサに適用したこ
の発明の実施の形態2について説明する。この場合、図
1のように歯車形状の被検出体10は、エンジンのカム
軸に設けられ、低分解能用の突起系列10Aは、エンジ
ンの各気筒毎の基準位置に対応し、高分解能用の突起系
列10Bは、エンジンの回転角度に対応しているものと
する。
【0071】これにより、第1のMR素子対2Aおよび
2B、ならびに、第2のMR素子対12Aおよび12B
は、それぞれ、各突起系列10Aおよび10Bに応答し
て、エンジンの気筒毎の基準位置およびエンジンの回転
状態を示す出力電圧VoAおよびVoBを生成すること
になる。
【0072】図4および図5はこの発明の実施の形態2
による出力電圧VoAおよびVoBを示す波形図であ
る。図4において、低分解能用の出力電圧VoAのパル
ス幅θAは、たとえば、被検出体10の1回転(360
°)に対して、20°〜340°程度に設定可能であ
る。
【0073】また、図5において、高分解能用の出力電
圧VoBのパルス幅θBは、たとえば、被検出体10の
1回転(360°)に対して、0°〜20°程度に設定
可能である。
【0074】したがって、図1のチップ20をエンジン
の角度センサに適用した場合、一般的なエンジン制御に
用いられるクランク角信号および回転信号を十分な精度
で得ることができるので、特に有効に前述の作用効果を
奏することになる。
【0075】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、磁性材からなる可動の被検出体と、被検出体に対向
配置された検出手段と、検出手段に対してバイアス磁界
を印加するための永久磁石と、検出手段の出力信号を処
理する信号処理回路とを備え、検出手段は、互いに分解
能の異なる複数の検出素子領域を含み、信号処理回路
は、検出手段からの複数の出力信号を個別に異なる信号
形態に変換するための複数の信号処理領域を含み、複数
の検出素子領域および複数の信号処理領域は、同一チッ
プ上に形成され、低分解能用および高分解能用のチップ
を同一チップ上に共用化して、同一チップから異なる複
数系統の出力信号を発生するように構成したので、用途
および設計の自由度を拡大するとともに、省スペース化
およびコストダウンを実現した磁気検出装置が得られる
効果がある。
【0076】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、被検出体は、外周部に複数の突起を有す
る回転磁性体からなり、複数の突起は、分解能の異なる
複数の突起系列を含み、複数の検出素子領域をそれぞれ
MR素子により構成したので、被検出体が磁気回転体の
場合でも、用途および設計の自由度を拡大するととも
に、省スペース化およびコストダウンを実現した磁気検
出装置が得られる効果がある。
【0077】また、この発明の請求項3によれば、請求
項2において、複数の突起系列は、低分解能および高分
解能にそれぞれ対応した第1および第2の突起系列を含
み、MR素子は、第1および第2の突起系列に対応した
第1および第2のMR素子対を含み、第1のMR素子対
は、被検出体の回転方向に対して垂直方向に並列配置さ
れ、第2のMR素子対は、被検出体の回転方向に沿って
並列配置されたので、被検出体が磁気回転体の場合で
も、用途および設計の自由度を拡大するとともに、省ス
ペース化およびコストダウンを実現した磁気検出装置が
得られる効果がある。
【0078】また、この発明の請求項4によれば、請求
項3において、被検出体は、エンジンのカム軸に設けら
れており、第1の突起系列は、エンジンの各気筒毎の基
準位置に対応し、第2の突起系列は、エンジンの回転角
度に対応し、第1および第2のMR素子対は、第1およ
び第2の突起系列に応答して、エンジンの気筒毎の基準
位置およびエンジンの回転状態を示す出力信号を生成す
るようにしたので、エンジンの回転センサとして適用し
た場合に、特に有効に用途および設計の自由度を拡大す
るとともに、省スペース化およびコストダウンを実現し
た磁気検出装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による被検出体およ
びチップを拡大して示す平面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による信号処理回路
を示す回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による波形処理動作
を示す波形図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による低分解能用の
出力電圧を示す波形図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による高分解能用の
出力電圧を示す波形図である。
【図6】 従来の低分解能用の磁気検出装置を模式的に
示す側面図である。
【図7】 従来の低分解能用の磁気検出装置を模式的に
示す斜視図である。
【図8】 従来の低分解能用の磁気検出装置の一部を模
式的に示す平面図である。
【図9】 従来の高分解能用の磁気検出装置を模式的に
示す側面図である。
【図10】 従来の高分解能用の磁気検出装置を模式的
に示す斜視図である。
【図11】 従来の高分解能用の磁気検出装置の一部を
模式的に示す平面図である。
【図12】 従来の磁気検出装置の信号処理回路を示す
回路図である。
【図13】 従来の低分解能用の磁気検出装置の信号処
理動作を示す波形図である。
【図14】 従来の高分解能用の磁気検出装置の信号処
理理動作を示す波形図である。
【符号の説明】
2A、2B 第1のMR素子対、3 永久磁石、10
被検出体、10A 第1の突起系列、10B 第2の突
起系列、12A、12B 第2のMR素子対、20 チ
ップ(検出手段)、VoA、VoB 出力電圧(出力信
号)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名田 拓嗣 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2F077 AA26 AA43 DD03 NN03 NN21 PP15 QQ17 RR03 RR29 TT06 TT13 TT32 TT35 VV33 VV35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材からなる可動の被検出体と、 前記被検出体に対向配置された検出手段と、 前記検出手段に対してバイアス磁界を印加するための永
    久磁石と、 前記検出手段の出力信号を処理する信号処理回路とを備
    えた磁気検出装置において、 前記検出手段は、互いに分解能の異なる複数の検出素子
    領域を含み、 前記信号処理回路は、前記検出手段からの複数の出力信
    号を個別に異なる信号形態に変換するための複数の信号
    処理領域を含み、 前記複数の検出素子領域および前記複数の信号処理領域
    は、同一チップ上に形成されたことを特徴とする磁気検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記被検出体は、外周部に複数の突起を
    有する回転磁性体からなり、 前記複数の突起は、分解能の異なる複数の突起系列を含
    み、 前記複数の検出素子領域は、それぞれMR素子からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の突起系列は、低分解能および
    高分解能にそれぞれ対応した第1および第2の突起系列
    を含み、 前記MR素子は、前記第1および第2の突起系列に対応
    した第1および第2のMR素子対を含み、 前記第1のMR素子対は、前記被検出体の回転方向に対
    して垂直方向に並列配置され、 前記第2のMR素子対は、前記被検出体の回転方向に沿
    って並列配置されたことを特徴とする請求項2に記載の
    磁気検出装置。
  4. 【請求項4】 前記被検出体は、エンジンのカム軸に設
    けられており、 前記第1の突起系列は、前記エンジンの各気筒毎の基準
    位置に対応し、 前記第2の突起系列は、前記エンジンの回転角度に対応
    し、 前記第1および第2のMR素子対は、前記第1および第
    2の突起系列に応答して、前記エンジンの気筒毎の基準
    位置および前記エンジンの回転状態を示す出力信号を生
    成することを特徴とする請求項3に記載の磁気検出装
    置。
JP10329663A 1998-11-19 1998-11-19 磁気検出装置 Pending JP2000155038A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8018224B2 (en) 2007-08-30 2011-09-13 Denso Corporation Rotation detection sensor
JP2017514125A (ja) * 2014-04-14 2017-06-01 江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司Multidimension Technology Co., Ltd. 直流ファン制御チップ 本発明は、制御チップに関し、特に、磁気抵抗センサを用いる直流ファン制御チップに関する。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8018224B2 (en) 2007-08-30 2011-09-13 Denso Corporation Rotation detection sensor
JP2017514125A (ja) * 2014-04-14 2017-06-01 江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司Multidimension Technology Co., Ltd. 直流ファン制御チップ 本発明は、制御チップに関し、特に、磁気抵抗センサを用いる直流ファン制御チップに関する。

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