JP2000154285A - 射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いた射出成形品 - Google Patents

射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いた射出成形品

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JP2000154285A
JP2000154285A JP33101398A JP33101398A JP2000154285A JP 2000154285 A JP2000154285 A JP 2000154285A JP 33101398 A JP33101398 A JP 33101398A JP 33101398 A JP33101398 A JP 33101398A JP 2000154285 A JP2000154285 A JP 2000154285A
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injection molding
weight
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injection
polypropylene resin
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JP33101398A
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Tadashi Imai
正 今井
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Grand Polymer Co Ltd
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Grand Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐傷つき性に優れた射出成形用ポリプロピレ
ン樹脂組成物、およびこの組成物からなる射出成形品を
提供する。 【解決手段】 (A)13C−NMRで測定されるアイソ
タクティックペンタッド分率(mmmm分率)が97%
以上の結晶性ポリプロピレン100重量部に対して、
(B)架橋構造を有する球形の架橋重合体粒子であっ
て、平均粒子径が1〜10μmの架橋重合体粒子を2〜
30重量部の割合で含む射出成形用ポリプロピレン樹脂
組成物を射出成形してなる射出成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋構造を有する
球形の架橋重合体粒子を含む射出成形用ポリプロピレン
樹脂組成物、およびこの組成物からなる射出成形品に関
する。さらに詳しくは、射出成形した時、耐傷つき性の
指標となる鉛筆硬度がH以上であり、しかも架橋重合体
粒子の脱落もない射出成形品を得ることができる射出成
形用ポリプロピレン樹脂組成物、およびこの組成物から
なる射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンの射出成形品は物性が良
好で、しかも安価で比較的耐熱性が良好なことから広く
用いられている。しかし、一般に射出成形に用いられて
いるポリプロピレン樹脂組成物の成形品(射出成形品)
は、成形品表面が軟らかく、耐傷つき性が不良であり、
外部から成形品より硬い金属等が接触すると簡単に傷が
入ってしまうことが知られている。その改良方法として
は、タルク等の無機粒子いわゆる充填剤を成形加工時に
添加したり、アイソタクティックペンタッド分率(mm
mm分率)の高いポリプロピレンを使用して、より傷が
入り難くすることが公知である。また、ポリプロピレン
とは異なる他の高硬度樹脂を添加して改良する方法も検
討されてきている。
【0003】しかしながら、充填剤を添加する場合、充
填剤を添加して剛性を向上させても十分な耐傷つき性は
得られず、さらに添加量を多くすると充填剤の分散が不
良となり、剛性は向上せず、耐傷つき性はむしろ低下し
てしまう問題があった。また、アイソタクティックペン
タッド分率(mmmm分率)の高いポリプロピレンを使
用する場合、剛性の向上は見られるが、十分な耐傷つき
性は得られない。また他の高硬度樹脂を添加する場合、
ポリプロピレンとの相溶性がないため、射出成形した後
に高硬度樹脂が成形品より脱落してしまい、十分な耐傷
つき性が得られない問題があった。
【0004】ところで、フィルム用の樹脂組成物におい
ては、(メタ)アクリル酸エステルと、ラジカル重合性
の二重結合を分子内に2個以上持つ多官能化合物とのア
クリル系(共)重合体からなる架橋重合体粒子がアンチ
ブロッキング剤として配合されている(例えば、特開平
8−92428号、特開平8−225655号)。しか
し、従来のフィルム用樹脂組成物中の架橋重合体粒子の
含有量は少量であり、最大1重量%程度である。この程
度の配合量では耐傷つき性を改良することはできない。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明の課題は、ポリ
プロピレンの従来のかかる欠点を改良し、耐傷つき性に
優れた射出成形品を得ることができる射出成形用ポリプ
ロピレン樹脂組成物、およびこの組成物からなる射出成
形品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するため鋭意検討した結果、アイソタクティックペ
ンタッド分率(mmmm分率)が97%以上の結晶性ポ
リプロピレンに、球形の架橋重合体粒子を特定量に添加
することにより、このポリプロピレン樹脂組成物から剛
性および耐傷つき性に優れた成形品を得ることができる
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は、次の射出成形用ポリプ
ロピレン樹脂組成物およびこの組成物を射出成形してな
る射出成形品である。 (1)(A)13C−NMRで測定されるアイソタクティ
ックペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上の結
晶性ポリプロピレン100重量部に対して、(B)架橋
構造を有する球形の架橋重合体粒子であって、平均粒子
径が1〜10μmの架橋重合体粒子を2〜30重量部の
割合で含む射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物。 (2)架橋重合体粒子(B)が、(メタ)アクリル酸エ
ステル(b−1)50〜100重量%と、ラジカル重合
性の二重結合を分子内に2個以上持つ多官能化合物(b
−2)0〜50重量%とのアクリル系(共)重合体から
なる粒子である上記(1)記載の射出成形用ポリプロピ
レン樹脂組成物。 (3)上記(1)または(2)記載の射出成形用ポリプ
ロピレン樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。 (4)上記(1)または(2)記載の射出成形用ポリプ
ロピレン樹脂組成物を射出成形してなり、鉛筆硬度がH
以上である射出成形品。
【0008】本明細書において、「(メタ)アクリ」は
「アクリ」および/または「メタクリ」を表す。また
「(共)重合体」は「重合体」および/または「共重合
体」を表す。
【0009】本発明において用いる結晶性ポリプロピレ
ン(A)は、13C−NMRで測定されるアイソタクティ
クペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上、好ま
しくは98%以上の高立体規則性の結晶性ポリプロピレ
ンであり、アイソタクティクペンタッド分率(mmmm
分率)が上記値を満たす結晶性ポリプロピレンが制限な
く使用できる。アイソタクティクペンタッド分率(mm
mm分率)が上記値を満たす結晶性ポリプロピレン
(A)を用いた場合に、剛性および耐傷つき性に優れた
射出成形品を得ることができる射出成形用ポリプロピレ
ン樹脂組成物が得られる。
【0010】上記アイソタクチックペンタッド分率と
は、13C−NMRを使用して測定される結晶性ポリプロ
ピレン(A)分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタク
チック連鎖であり、プロピレンモノマー単位で5個連続
してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー
単位の分率である。具体的には、13C−NMRスペクト
ルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピーク
分率として求める。
【0011】結晶性ポリプロピレン(A)はプロピレン
の単独重合体であってもよいし、プロピレンと少量の他
のモノマーとの共重合体であってもよい。他のモノマー
としては、エチレンまたは炭素数4以上のα−オレフィ
ンなどがあげられる。プロピレンと共重合するα−オレ
フィンの具体的なものとしては、エチレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセン、1−エイコセン等の炭素数2または4〜2
0のα−オレフィンなどがあげられる。結晶性ポリプロ
ピレン(A)中のエチレンまたは炭素数4以上のα−オ
レフィンの含量は6重量%以下であるのが好ましい。
【0012】結晶性ポリプロピレン(A)としては、分
子量の指標となるメルトフローレート(MFR:230
℃、2.16kg荷重、ASTM D−1238)が1
〜1000g/10分、好ましくは10〜1000g/
10分以上の比較的分子量の低いものを用いるのが望ま
しく、このような比較的分子量の低いものを用いると射
出成形時の流動性が良好であるので好ましい。結晶性ポ
リプロピレン(A)は1種単独で使用することもできる
し、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0013】本発明において用いる架橋重合体粒子
(B)は、架橋構造を有する球形の架橋重合体粒子であ
って、平均粒子径が1〜10μm、好ましくは3〜8μ
mの架橋重合体粒子である。平均粒子径が上記範囲にあ
る場合、外観が良好な射出成形品を得ることができる。
架橋重合体粒子(B)を構成する重合体は単独重合体で
あってもよいし、共重合体であってもよい。
【0014】本発明で用いる架橋重合体粒子(B)とし
ては、アクリル系(共)重合体からなる架橋粒子が好ま
しい。このアクリル系(共)重合体としては、(メタ)
アクリル酸エステル(b−1)50〜100重量%、好
ましくは80〜100重量%と、ラジカル重合性の二重
結合を分子内に2個以上、好ましくは2〜4個持つ多官
能化合物(b−2)0〜50重量%、好ましくは0〜2
0重量%とからなるアクリル系(共)重合体が好まし
い。このアクリル系(共)重合体は、(メタ)アクリル
酸エステル(b−1)と多官能化合物(b−2)との共
重合体であってもよいし、(メタ)アクリル酸エステル
(b−1)から選ばれる2種以上のモノマーの共重合体
であってもよいし、(メタ)アクリル酸エステル(b−
1)の単独重合体であってもよい。またこれらの重合体
または共重合体の混合物であってもよい。
【0015】前記(メタ)アクリル酸エステル(b−
1)としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、ア
クリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリ
ル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸の炭素
数1〜12、好ましくは1〜5のアルキルエステル;ア
クリル酸ブトキシエチル、アクリル酸エチルカルビトー
ル、アクリル酸メチルトリグリコール等のエーテル結合
を有するアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタク
リル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸i−ブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリ
ル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イ
ソアミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソオ
クチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ノニル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸の炭素数1
〜15、好ましくは1〜5のアルキルエステル;メタク
リル酸ブトキシエチル、メタクリル酸エチルカルビトー
ル、メタクリル酸メチルトリグリコール等のエーテル結
合を有するメタクリル酸エステルなどがあげられる。こ
れらの(メタ)アクリル酸エステル(b−1)はラジカ
ル重合性の二重結合を分子内に1個持つ化合物であり、
容易にラジカル(共)重合させることができる。(メ
タ)アクリル酸エステル(b−1)は1種単独で使用す
ることもできるし、2種以上を組み合せて使用すること
もできる。
【0016】前記多官能化合物(b−2)としては、例
えばジビニルベンゼンまたはその核置換誘導体、あるい
は炭素数が1〜12で2〜3価の多価アルコ−ルと(メ
タ)アクリル酸とのエステルなどがあげられる。上記エ
ステルの具体的なものとしては、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレートなどが例示できる。多官能化合物
(b−2)は1種単独で使用することもできるし、2種
以上を組み合せて使用することもできる。
【0017】また前記アクリル系(共)重合体中には、
(メタ)アクリル酸エステル(b−1)、多官能化合物
(b−2)以外に、ラジカル重合性の二重結合を有する
他の化合物が共重合されていてもよい。このような他の
化合物としては、スチレンまたはその誘導体、α−メチ
ルスチレンまたはその誘導体、アクリロニトリル、およ
びメタクリロニトリルなどが例示される。
【0018】(B)成分として用いる前記アクリル系
(共)重合体粒子中の(メタ)アクリル酸エステル(b
−1)および多官能化合物(b−2)が前記範囲にある
場合、透明性に優れた樹脂組成物が得られ、しかもアク
リル系(共)重合体(B)と結晶性ポリプロピレン
(A)との相溶性が良好であり、射出成形品からの架橋
重合体粒子(B)の脱落が防止され、耐傷つき性に特に
優れた射出成形品が得られる。
【0019】架橋重合体粒子(B)として前記アクリル
系(共)重合体からなる架橋粒子を用いた場合、射出成
形品からの架橋重合体粒子(B)の脱落が防止され、耐
傷つき性に特に優れた射出成形品が得られる理由は明ら
かではないが、アクリル系(共)重合体からなる架橋粒
子は真球状であるので結晶性ポリプロピレン(A)と密
着しやすく、しかも相溶性が他の粒子と比較して良いか
らではないかと推測される。
【0020】前記アクリル系(共)重合体は、前記(メ
タ)アクリル酸エステル(b−1)、前記多官能化合物
(b−2)および必要により用いる他の化合物を、公知
の分散剤の存在下に、公知の方法によりエマルジョン
(共)重合することにより製造することができる。アク
リル系(共)重合体の平均粒子径は、分散剤の種類また
は濃度などを選択することにより前記平均粒子径に調整
することができる。
【0021】なおアクリル系(共)重合体は、通常の製
造条件であれば真球状状態の粒子が得られるため、反応
条件は特に限定されないが、反応温度は20〜200
℃、好ましくは60〜150℃で重合することにより容
易に球形の粒子とすることができる。
【0022】架橋重合体粒子(B)は市販品を使用する
こともできる。また架橋重合体粒子(B)は1種単独で
使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用す
ることもできる。
【0023】本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組
成物における架橋重合体粒子(B)の含有量は、結晶性
ポリプロピレン(A)100重量部に対して2〜30重
量部、好ましくは3〜30重量部、さらに好ましくは5
〜25重量部の割合である。架橋重合体粒子(B)の含
有量が上記範囲にある場合、耐傷つき性に優れ、しかも
透明性などの外観に優れた射出成形品を得ることができ
る。
【0024】本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組
成物には、本発明を損なわない範囲であれば必要に応じ
て他のポリマー、添加剤などが配合されていてもよい。
上記他のポリマーとして、エチレン・α−オレフィン共
重合体ゴム、共役ジエン系ゴム等のゴム成分などが適宜
配合されていてもよい。このようなゴム成分を配合する
ことにより、衝撃強度を向上させることができる。また
添加剤としては、核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱
安定剤、耐候安定剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔
料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑
剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改良
剤、ウェルド強度改良剤、天然油、合成油、ワックス、
タルクなどの無機充填剤等をあげることができる。
【0025】本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂組
成物は、公知の任意の方法で各成分を均一に分散させる
ことにより得ることができる。例えば、押出溶融ブレン
ド法、バンバリーブレンド法などの方法により、各成分
を均一に分散させることにより得ることができる。本発
明の樹脂組成物の好ましい製造方法としては、あらかじ
め高MFRの結晶性ポリプロピレン(A)をベースとし
た架橋重合体粒子(B)のマスターバッチを調製し、こ
の架橋重合体粒子(B)のマスターバッチと結晶性ポリ
プロピレン(A)とを射出成形前に混合して均一に分散
させる方法が例示される。マスターバッチ中の架橋重合
体粒子(B)の濃度は30〜80重量%とするのが好ま
しい。
【0026】本発明の射出成形品は、上記本発明の射出
成形用ポリプロピレン樹脂組成物を射出成形してなる射
出成形品であり、公知の射出成形装置を用いて公知の条
件を採用して、射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物を
種々の形状に射出成形して製造することができる。
【0027】本発明の射出成形品は成形品表面から架橋
重合体粒子(B)が脱落することなく、耐傷つき性に優
れており、鉛筆硬度(JIS K−5400)がH以上
の射出成形品が射出成形するだけで容易に得られる。こ
のため、本発明の射出成形品は従来のポリプロピレンか
らなる射出成形品では用いられなかった用途での使用が
可能となり、経済的に極めて安定した射出成形品であ
る。本発明の射出成形品は、耐傷つき性に優れているた
め、自動車内装用トリム材、自動車用外装材、家電製品
のハウジング、容器など、幅広い分野で用いることがで
きる。
【0028】
【発明の効果】本発明の射出成形用ポリプロピレン樹脂
組成物は、特定の結晶性ポリプロピレンおよび特定の架
橋重合体粒子を特定量含有しているので、耐傷つき性に
優れた射出成形品を得ることができる。本発明の射出成
形品は上記射出成形用ポリプロピレン樹脂組成物からな
っているので、架橋重合体粒子が脱落することなく、耐
傷つき性に優れている。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳細に説明するた
め、以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、実施例において各測定項目は次
の方法に基づいて測定した。 (1)メルトフローレート(MFR):230℃、2.
16kg荷重、ASTM D−1238 (2)鉛筆硬度:JIS K−5400 (3)粒子脱落試験:成形品表面に粘着テープ(80m
m×25mm)を完全に密着させ、その後すばやく成形
品より剥離して、その際粘着テープに粒子が付着してい
れば×、付着していなければ○とした。
【0030】実施例1 結晶性ポリプロピレン〔プロピレン単独重合体、アイソ
タクティックペンタッド分率(mmmm分率)=98.
5%、MFR=16.5g/10分〕100重量部に、
酸化防止剤としてヨシノックスBHT(吉富製薬(株)
社製、商標)0.1重量部、IRGANOX1010
(チバガイギー(株)社製、商標)0.1重量部、IR
GAFOS168(チバガイギー(株)社製、商標)
0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム
(大日本インキ(株))0.05重量部、および核剤と
してNA−11UY(旭電化(株)社製、商標)0.2
重量部を20 literヘンシェルミキサーで2分間混合
し、65mmφ押出機(石中鉄工所(株)社製)で造粒
(ペレット(A))した。
【0031】さらに球形の架橋重合体粒子のマスターバ
ッチとして、結晶性ポリプロピレンをベースとする架橋
ポリメチルメタクリレート粒子のマスターバッチを調製
した。すなわち、結晶性ポリプロピレン〔プロピレン単
独重合体、アイソタクティックペンタッド分率(mmm
m分率)=98.3%、MFR=240g/10分〕1
00重量部に、酸化防止剤としてヨシノックスBHT
(吉富製薬(株)社製、商標)0.1重量部、IRGA
NOX1010(チバガイギー(株)社製、商標)0.
1重量部、IRGAFOS168(チバガイギー(株)
社製、商標)0.1重量部、中和剤としてステアリン酸
カルシウム(大日本インキ(株))0.05重量部、核
剤としてNA−11UY(旭電化(株)社製、商標)
0.2重量部、ならびに球形の架橋ポリメチルメタクリ
レート粒子〔MA1004(平均粒子径4μm)、MA
1006(平均粒子径6μm)およびMA1010(平
均粒子径10μm、いずれも日本触媒(株)社製、商
標)の1:1:1(重量比)混合品〕233重量部を2
0 literヘンシェルミキサーで2分間混合し、65mm
φ押出機(石中鉄工所(株)社製)で造粒(ペレット
(B))した。
【0032】上記ペレット(A)および(B)を8:2
(重量比)の割合でタンブラーにてブレンドし、宇部興
産(株)社製射出成形機D150−10にて樹脂温度2
10℃、金型温度60℃で厚さ3mmの射出成形品(平
板)を成形した。得られた射出成形品は架橋重合体粒子
の脱落はなく、十分な耐傷つき性を示した。評価結果を
表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1のペレット(A)単独品を実施例1と同様な条
件で射出成形した。その評価結果を表1に示す。この場
合、十分な耐傷つき性は得られなかった。
【0034】比較例2 結晶性ポリプロピレン〔プロピレン単独重合体、アイソ
タクティックペンタッド分率(mmmm分率)=96.
2%、MFR=15.2g/10分〕100重量部に、
酸化防止剤としてヨシノックスBHT(吉富製薬(株)
社製、商標)0.1重量部、IRGANOX1010
(チバガイギー(株)社製、商標)0.1重量部、IR
GAFOS168(チバガイギー(株)社製、商標)
0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム
(大日本インキ(株))0.05重量部、および核剤と
してNA−11UY(旭電化(株)社製、商標)0.2
重量部を20 literヘンシェルミキサーで2分間混合
し、65mmφ押出機(石中鉄工所(株)社製)で造粒
(ペレット(C))した。このペレット(C)単独品を
実施例1と同様な条件で射出成形した。その評価結果を
表1に示す。この場合、十分な耐傷つき性は得られなか
った。
【0035】比較例3 結晶性ポリプロピレン〔プロピレン単独重合体、アイソ
タクティックペンタッド分率(mmmm分率)=98.
5%、MFR=16.5g/10分〕100重量部に、
酸化防止剤としてヨシノックスBHT(吉富製薬(株)
社製、商標)0.1重量部、IRGANOX1010
(チバガイギー(株)社製、商標)0.1重量部、IR
GAFOS168(チバガイギー(株)社製、商標)
0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム
(大日本インキ(株))0.05重量部、核剤としてN
A−11UY(旭電化(株)社製、商標)0.2重量
部、および充填剤としてタルクLMS−300(富士タ
ルク(株)社製、商標)25重量部を20 literヘンシ
ェルミキサーで2分間混合し、65mmφ押出機(石中
鉄工所(株)社製)で造粒(ペレット(D))した。こ
のペレット(D)単独品を実施例1と同様な条件で射出
成形した。その評価結果を表1に示す。この場合、十分
な耐傷つき性は得られなかった。
【0036】比較例4 実施例1の球形の架橋重合体粒子の代わりに球形の無機
粒子アドマファインSO−C5(2μmシリカ、アドマ
テックス(株)社製、商標)を使用した以外は実施例1
と同様にした。その評価結果を表2に示す。この場合、
十分な耐傷つき性は得られなかった。
【0037】比較例5 実施例1で得られたペレット(A)とスチレン単独重合
体(重量平均分子量30000、未架橋樹脂、形状はペ
レット)とを8:2(重量比)の割合でタンブラーにて
ブレンドし、実施例1と同様な条件で射出成形した。そ
の評価結果を表2に示す。この場合、耐傷つき性に若干
の向上は認められるが、スチレン単独重合体の脱落が見
られた。
【0038】比較例6 実施例1で得られたペレット(A)とペレット(B)と
を98:2(重量比)の割合でタンブラーにてブレンド
し、実施例1と同様な条件で射出成形した。その評価結
果を表2に示す。この場合、十分な耐傷つき性は得られ
なかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表1および表2の注 *1 結晶性ポリプロピレンのアイソタクティックペン
タッド分率(mmmm分率) *2 結晶性ポリプロピレン100重量部に対する配合
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33:06) B29K 23:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)13C−NMRで測定されるアイソ
    タクティックペンタッド分率(mmmm分率)が97%
    以上の結晶性ポリプロピレン100重量部に対して、 (B)架橋構造を有する球形の架橋重合体粒子であっ
    て、平均粒子径が1〜10μmの架橋重合体粒子を2〜
    30重量部の割合で含む射出成形用ポリプロピレン樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 架橋重合体粒子(B)が、(メタ)アク
    リル酸エステル(b−1)50〜100重量%と、ラジ
    カル重合性の二重結合を分子内に2個以上持つ多官能化
    合物(b−2)0〜50重量%とのアクリル系(共)重
    合体からなる粒子である請求項1記載の射出成形用ポリ
    プロピレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の射出成形用ポリ
    プロピレン樹脂組成物を射出成形してなる射出成形品。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の射出成形用ポリ
    プロピレン樹脂組成物を射出成形してなり、鉛筆硬度が
    H以上である射出成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001032770A1 (fr) * 1999-10-29 2001-05-10 Zeon Kasei Co.,Ltd. Composition de resine pour moulage a partir de poudres
JP2009001728A (ja) * 2007-06-25 2009-01-08 Sekisui Techno Seikei Kk 樹脂成形品

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