JP2000154184A - 六員環カーボナート化合物及びその製造方法 - Google Patents

六員環カーボナート化合物及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000154184A
JP2000154184A JP10329061A JP32906198A JP2000154184A JP 2000154184 A JP2000154184 A JP 2000154184A JP 10329061 A JP10329061 A JP 10329061A JP 32906198 A JP32906198 A JP 32906198A JP 2000154184 A JP2000154184 A JP 2000154184A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
allyl
formula
carbonate compound
membered ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10329061A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Hidaka
博幸 日高
Takeshi Endo
剛 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Chemical Innovation Institute
Original Assignee
Japan Chemical Innovation Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Chemical Innovation Institute filed Critical Japan Chemical Innovation Institute
Priority to JP10329061A priority Critical patent/JP2000154184A/ja
Publication of JP2000154184A publication Critical patent/JP2000154184A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ポリマー原料となる六員環
化合物、反応性のある多官能性六員環カーボナート化合
物を提供することにある。 【解決手段】式(1) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な六員環カー
ボナート化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】六員環カーボナート化合物に関しては、
合成方法が報告されている(例えば、Macromolecules,
Vol.30, No.4, 737-744, 1997)。しかし、これらはい
ずれも一分子中に1個の六員環カーボナート基を有する
化合物であり、一分子中に2個以上の六員環カーボナー
ト基を有する化合物やポリマー(以下、これらを「多官
能六員環カーボナート化合物」と略称する)の合成に使
用することは、不可能である。またポリオール類と、ホ
スゲンあるいはその多量体の如きカルボニル化試剤とを
反応せしめることにより、多官能六員環カーボナート化
合物を高収率で得ることも困難であり、容易に且つ高収
率で多官能六員環カーボナート化合物に変換し得る六員
環カーボナート化合物及びその製造方法の開発が望まれ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多官能六員
環カーボナート化合物の製造に使用することができる、
新規なアリル基を含有する六員環カーボナート化合物お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、特定のアリル基を含有するジオール化合物
とカルボニル化試剤とを反応せしめて得られる新規なア
リル基を含有する六員環カーボナート化合物が、上記課
題を解決するのに適したものであることを見い出し、本
発明を完成させるに至った。即ち本発明は(I)式
(1)
【0005】
【化4】 (1)で表わされる5−アリル−1,3−ジオキサン−2
−オン、更に、(II)式(2)
【0006】
【化5】 (2)で表される2−アリル−1,3−ジヒドロキシプロ
パンと、カルボニル化試剤とを反応せしめる事を特徴と
する上記式(1)で表される5−アリル−1,3−ジオ
キサン−2−オンの製造方法、(III)上記カルボニル
化試剤が、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン及びク
ロル蟻酸エステル類から成る群より選ばれる少なくとも
1種の化合物である、上記式(1)で表される5−アリ
ル−1,3−ジオキサン−2−オンの製造方法、を提供
するものである。
【0007】本発明の式(1)で表される5−アリル−
1,3−ジオキサン−2−オンを得るには、式(2)で
表される2−アリル−1,3−ジヒドロキシプロパン
と、カルボニル化試剤とを反応せしめて得られる。
【0008】ここにおいて、本発明の製造方法において
使用されるカルボニル化試剤とは、2−アリル−1,3
−ジヒドロキシプロパンと反応して六員環カーボナート
化合物を形成する化合物を指称するものである。かかる
カルボニル化試剤としては、例えばホスゲン、ジホスゲ
ン、トリホスゲン、クロル蟻酸エステル類、ジアリール
カーボナート類もしくはジアルキルカーボナート類の如
き公知慣用の各種の化合物が挙げられる。これらから選
択される1種以上が用いられる。
【0009】上記したクロル蟻酸エステル類の代表的な
ものとしては、クロル蟻酸メチル、クロル蟻酸エチル、
クロル蟻酸n−ブチルもくはクロル蟻酸フェニルの如き
各種の化合物が挙げられる。
【0010】また、上記したジアリールカーボナート類
の代表的なものとしては、ジフェニルカーボナートが挙
げられ、ジアルキルカーボナート類の代表的なものとし
ては、ジメチルカーボナートもしくはジエチルカーボナ
ートが挙げられる。
【0011】そして、上記した各種のカルボニル化試剤
のなかで特に好ましいものは、ホスゲン、ジホスゲン、
トリホスゲンおよびクロル蟻酸エステル類である。
【0012】上述したカルボニル化試剤と、2−アリル
−1,3−ジヒドロキシプロパンとを反応せしめて、本
発明の5−アリル−1,3−ジオキサン−2−オンを製
造調製するに際し、無溶剤系での反応や有機溶剤中での
反応等各種の反応系が選択できる。
【0013】有機溶剤中で反応を行う際に使用される有
機溶剤としては、2−アリル−1,3−ジヒドロキシプ
ロパンもしくはカルボニル化試剤と反応しない各種の有
機溶剤化合物を使用することが出来る。
【0014】その有機溶剤の代表的なものとしては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサンもしくはn
−オクタンの如き炭化水素系化合物;塩化メチレン、ク
ロロホルムもしくは四塩化炭素の如きハロゲン化炭化水
素類;酢酸メチル、酢酸エチルもしくは酢酸n−ブチル
の如きエステル系化合物;さらには、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランもし
くはジオキサンの如きエーテル系化合物等が挙げられ
る。
【0015】また、本発明の式(1)の5−アリル−
1,3−ジオキサン−2−オンの製造調製に際し、カル
ボニル化試剤として塩素原子を含有する化合物を使用す
る場合には、反応時に生成する塩化水素の除去剤とし
て、当該反応の妨げとならない各種の塩基性化合物を使
用する事が好ましい。
【0016】かかる塩基性化合物の代表的なものとして
は、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,
4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンもしく
はアンチピリンの如き3級の窒素原子を有する各種のア
ミン系化合物が挙げられる。
【0017】本発明の式(1)の5−アリル−1,3−
ジオキサン−2−オンの製造調製に際し、カルボニル化
試剤と2−アリル−1,3−ジヒドロキシプロパンとの
使用比率は、使用するカルボニル化試剤の種類に応じて
適宜決める必要がある。カルボニル化試剤がホスゲンま
たはクロル蟻酸エステル類の場合には、カルボニル化試
剤のモル数:2−アリル−1,3−ジヒドロキシプロパ
ンのモル数なる比率が、好ましくは0.7:1〜1.
3:1程度となる様に設定すればよい。
【0018】カルボニル化試剤がジホスゲンの場合に
は、カルボニル化試剤のモル数:2−アリル−1,3−
ジヒドロキシプロパンのモル数なる比率が、好ましくは
1:0.2〜1:0.8程度となる様に設定すればよ
い。
【0019】また、カルボニル化試剤がトリホスゲンの
場合には、カルボニル化試剤のモル数:2−アリル−
1,3−ジヒドロキシプロパンのモル数なる比率が、好
ましくは1:0.1〜1:0.5程度となる様に設定す
ればよい。
【0020】また、塩化水素の除去剤としての塩基性化
合物の共存下に反応を行う場合には、発生塩化水素の理
論当量数に対して1.0〜1.5倍当量程度の量となる
ように当該塩基性化合物の使用量を設定するのが好まし
い。
【0021】本発明における、カルボニル化試剤と2−
アリル−1,3−ジヒドロキシプロパンの反応方法とし
ては、それぞれを単独で、あるいは前記有機溶剤に溶解
して、混合する事により簡単に行い得る。この時、反応
熱の発生を抑制する為、カルボニル化試剤または2−ア
リル−1,3−ジヒドロキシプロパンを滴下投入する事
が好ましい。滴下投入に関しては、特に制限はなく、一
般的な方法を用い得る。概反応の反応温度に関しても特
に制限はなく、有機溶剤を使用する場合は、その凝固点
以上沸点以下ならば何ら問題は無いが、反応熱の制御、
反応活性の維持等の点から、−10℃〜80℃が好まし
く、10〜50℃がより好ましい。概反応の反応時間に
関しては、カルボニル化試剤の種類、反応温度等により
変化するものの、概ね3〜30時間で反応は終了する。
【0022】かくして得られる本発明の新規な式(1)
の六員環カーボナート化合物は、その置換基であるアリ
ル基を活用して各種の利用を図ることが出来る。例え
ば、本発明の六員環カーボナート化合物とジチオール化
合物とをモル比2:1で付加反応せしめることにより一
分子中に2個の六員環カーボナート基を含有する化合物
に誘導することができる。また、アリル基のビニル重合
により2個以上の六員環カーボナート基を有するビニル
系重合体を製造することができる。
【0023】上述のようにして製造される多官能六員環
カーボナート化合物は、ポリマー合成用の原料あるいは
架橋剤等として有効に利用できるものである。
【0024】
【実施例】温度計、還流冷却管、塩化カルシウム管、撹
拌装置を装着したガラス製フラスコに、乾燥テトラヒド
ロフラン150mlを入れ、2−アリル−1,3−ジヒ
ドロキシプロパン3.5g(30mmol)、アンチピ
リン11.3g(60mmol)を溶解する。次に前記
混合物を50℃へ昇温し、撹拌しながら、トリホスゲン
3g(10mmol)を乾燥塩化メチレン30mlに溶
解して成る溶液を30分間で滴下し、その後混合物を室
温へ戻し20時間撹拌する。その後反応混合物を取り出
し、析出したアンチピリンの塩酸塩を濾別し、濾液を1
N塩酸水溶液/クロロホルムで液液抽出して得られたク
ロロホルム層を減圧濃縮して粗生成物を得た。ついで、
粗生成物は、酢酸エチルを展開液としたシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて単離精製し、目的の5−アリ
ル−1,3−ジオキサン−2−オン(無色透明液体)
2.8gを得た(収率66%)。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明は、多官能六員環カーボナート化
合物の合成等に有効に利用できる新規な六員環カーボナ
ート化合物を提供するものであり、また、本発明の方法
により当該六員環カーボナート化合物を簡便に収率良く
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の六員環カーボナート化合物
のIRスペクトルチャート(透過率、KBr)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (1)で表わされる六員環カーボナート化合物。
  2. 【請求項2】式(2) 【化2】 (2)で表される2−アリル−1,3−ジヒドロキシプ
    ロパンと、カルボニル化試剤とを反応せしめる事を特徴
    とする 式(1) 【化3】 (1)で表わされる六員環カーボナート化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記のカルボニル化試剤が、ホスゲン、ジ
    ホスゲン、トリホスゲン及びクロル蟻酸エステル類から
    成る群より選ばれる少なくとも1種の化合物であること
    を特徴とする請求項2記載の製造方法。
JP10329061A 1998-11-19 1998-11-19 六員環カーボナート化合物及びその製造方法 Pending JP2000154184A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10329061A JP2000154184A (ja) 1998-11-19 1998-11-19 六員環カーボナート化合物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10329061A JP2000154184A (ja) 1998-11-19 1998-11-19 六員環カーボナート化合物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000154184A true JP2000154184A (ja) 2000-06-06

Family

ID=18217183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10329061A Pending JP2000154184A (ja) 1998-11-19 1998-11-19 六員環カーボナート化合物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000154184A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000154184A (ja) 六員環カーボナート化合物及びその製造方法
KR101871567B1 (ko) 베타-아미노-다이싸이오에스터 화합물의 제조방법 및 이에 의해 제조된 베타-아미노-다이싸이오에스터 화합물
JP3561253B2 (ja) 脂肪族、脂環式または芳香脂肪族クロロホルメートの合成方法
JP2018525376A (ja) クロマノール誘導体の新規な製造方法
JP7184520B2 (ja) トランス型脂環式カーボネートの製造方法
JPH08208575A (ja) N−アルケニルカルボン酸アミドの製法
JPS5941984B2 (ja) クロロチオ−ル蟻酸エステルの製造方法
EP0496347B1 (en) Methods of preparing fluorobenzene derivatives and related compounds
JP3799637B2 (ja) メタンスルホン酸エステル類の製造法
KR102460443B1 (ko) 지환성 아크릴유도체의 제조 방법
JP4265259B2 (ja) クロロ蟻酸ベンジルエステル類の製造方法
JP2849747B2 (ja) オキサゾリジン―2―オン類の製造法
RU2742765C1 (ru) Способ получения промежуточного соединения для синтеза лекарственного средства
JP4749579B2 (ja) (メタ)アクリロイル基含有カルバミン酸ハライド類及びその製造方法
JP2805155B2 (ja) オキサゾリジン―2―オン誘導体の製造法
JP2632984B2 (ja) 不飽和カルボン酸イソシアナトアルキルエステルの製造法
JP2000319230A (ja) ビスヘキサフルオロイソプロピルカーボネートの製造方法
JPH0789924A (ja) カルバマート類の製造法
KR100252462B1 (ko) ο-(클로로메틸)벤조산에스테르유도체의제조방법
JP3851990B2 (ja) アクリロイルカルバメートの製造方法
JPS62195354A (ja) イソシアナトアルキルエステルの製造法
JPH06263684A (ja) 光学活性なハロゲン化ヒドロキシカルボニル類の製造方法
IE54471B1 (en) Process for the preparation of substituted chloroacetanilides
JPH07304723A (ja) 水酸基を有するアシルカルバメートおよびその製造方法
KR100275785B1 (ko) (3r,4s)-3-히드록시-4-페닐아제티딘-2-온의 제조방법과 그 중간체