JP2000153464A - 砥石及び砥石の製造方法 - Google Patents

砥石及び砥石の製造方法

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JP2000153464A
JP2000153464A JP10325348A JP32534898A JP2000153464A JP 2000153464 A JP2000153464 A JP 2000153464A JP 10325348 A JP10325348 A JP 10325348A JP 32534898 A JP32534898 A JP 32534898A JP 2000153464 A JP2000153464 A JP 2000153464A
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sheet
abrasive
kneaded material
mesh
abrasive grain
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JP10325348A
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Nobuhide Ishikawa
伸英 石川
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KYOWA REJINASU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円筒状砥石を効果的に補強すると共に、その補
強された円筒状砥石の製造を極めて容易にする。 【解決手段】砥粒含有混練物6を円筒形状に形成するに
際して、心棒4にメッシュ状シート3を巻き付けて該メ
ッシュ状シート3を所定の厚み状態とし、そのメッシュ
状シート3に対して砥粒含有混練物6を塗り込むことに
より、砥粒含有混練物6とメッシュ状シート3とを係合
させ、これにより、製造時において、砥粒含有混練物6
の円筒形状の保持を図り、焼成後においては、砥粒含有
層2の補強を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥石、及びその砥
石の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】砥石には、実公昭59ー3803号公報
に示すように、リング状の補強シートの外面に多数の砥
石片を周方向に順次、取付け、その外周面を使用面とし
たものがある。このものによれば、研磨において、径方
向外方側の速い周速を利用でき、ほとんどの砥石部分を
使いきることができることになる。
【0003】ところで、上記砥石においては、砥石片間
に隙間をそれぞれ形成されることになることから、その
各隙間が存在しないものが望まれている。これに対して
は、隙間のない円筒状の砥石を得るべく、特開平6ー1
90726号公報に示すように、ポリエチレンシート上
に砥粒含有混練物を成膜し、これを、ポリエチレンシー
トが外側になるようにしつつ心棒に巻き付け、それをゴ
ムチューブ式の加圧成形手段をもって加圧することより
円筒状に成形し、その円筒状の成形物を、ポリエチレン
シートを剥がした後、炉に入れて焼成することが考えら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記円筒状砥
石の製造においては、複雑で大がかりなゴムチューブ式
の加圧成形手段を必要とし、設備面から容易に製造でき
るものではない。また、上記製造方法により得られる円
筒状砥石は焼結体だけであり、その砥石の外周面を使用
面として使用する場合には、回転駆動源の駆動シャフト
の装着(砥石の内周面側を外周面側に向けて押し広げる
ように装着)、砥石の使用時の回転速度等に耐えること
は難しく、その砥石は破断される虞がある。
【0005】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その第1の目的は、効果的に補強できると
共にその製造を極めて容易にできる円筒状砥石を提供す
ることにある。第2の目的は、上記円筒状砥石の製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明(請求項1の発明)にあっては、円筒状
の砥粒含有層の内周面に補強シートが全周に亘って沿う
ように保持されている砥石であって、前記補強シート
が、耐熱性を有するメッシュ状シートにより構成され、
前記メッシュ状シートが、前記砥粒含有層内周面から径
方向内方に露出した状態で該砥粒含有層内部に埋設され
ている構成としてある。
【0007】また、請求項1の発明の好ましい態様とし
ては、請求項2〜5、11の記載の通りとなる。
【0008】上記第2の目的を達成するために本発明
(請求項6の発明)にあっては、砥粒含有混練物を円筒
形状にして焼成する砥石の製造方法において、前記砥粒
含有混練物を円筒形状に形成するに際して、先ず、心棒
にメッシュ状シートを巻き付けて該メッシュ状シートを
所定の厚み状態とし、次に、前記メッシュ状シートに対
して前記砥粒含有混練物を塗り込む、ことを特徴とする
砥石の製造方法とした構成としてある。
【0009】上記第2の目的を達成するために本発明
(請求項7の発明)にあっては、砥粒含有混練物を円筒
形状にして焼成する砥石の製造方法において、前記砥粒
含有混練物を円筒形状に形成するに際して、心棒にメッ
シュ状シートを巻き付けつつ、該メッシュ状シートに対
して前記砥粒含有混練物を塗り込んで、該砥粒含有混練
物内部に該メッシュ状シートを渦状に配置する構成とし
てある。
【0010】上記第2の目的を達成するために本発明
(請求項8の発明)にあっては、砥粒含有混練物を円筒
形状にして焼成する砥石の製造方法において、前記砥粒
含有混練物を円筒形状に形成するに際して、メッシュ状
シートを巻回して筒状とすることと、該メッシュ状シー
トに前記砥粒含有混練物を塗り込むこととを、順次、繰
り返す構成としてある。
【0011】また、請求項6〜8の発明の好ましい態様
としては、請求項9〜11の記載の通りとなる。
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、砥
粒含有層内周面から径方向内方に露出したメッシュ状シ
ートが、回転駆動源における駆動シャフトと直接、接触
して、その駆動シャフトの装着力(砥石の内周面側を外
周面側に向けて押し広げる装着力)、砥石の使用時の回
転速度に基づくせん断力等に対して抗することになり、
当該円筒状砥石の補強を効果的に図ることができること
になる。また、製造時においては、耐熱性を有するメッ
シュ状シートが、加圧することなく円筒形状に形作るこ
とを助けると共に、焼成している間において、その円筒
形状を保持することを助けることになり、複雑で大がか
りな加圧成形手段を用いて成形物を形成する必要はなく
なる。このため、極めて簡単に、上記補強が図られる円
筒状砥石を製造できることになる。
【0012】請求項2に記載された発明によれば、メッ
シュ状シートが、砥粒含有層内部において、所定以上の
厚みを有するように設定されていることから、メッシュ
状シートと砥粒含有層との係合を十分にすることができ
ることになり、補強、製造の容易化を確実なものとする
ことができることになる。
【0013】請求項3に記載された発明によれば、メッ
シュ状シートが、複数回巻回されて、所定以上の厚みを
有するように設定されていることから、厚みを簡単に確
保できるばかりでなく、砥粒含有層とメッシュ状シート
との係合(保持)関係をより増やすことができることに
なり、製造時においては、砥粒含有層の円筒形状を一層
確実に保持して製造の容易化を図ることができ、製造後
においては、製品として、回転駆動源の駆動シャフトの
装着、砥石の使用時の回転速度等に耐え得る強度を有す
るものを得ることができることになる。しかも、メッシ
ュ状シートの巻回数により厚みを容易に調整できること
になり、所望の厚みを迅速に得ることもできることにな
る。
【0014】請求項4に記載された発明によれば、メッ
シュ状シートが、砥粒含有層の厚み方向において、該メ
ッシュ状シートにおける隣り合うシート部が離れるよう
にしつつ巻回されていることから、メッシュ状シートを
効率的に使用して、メッシュ状シートと砥粒含有層との
係合関係を、該砥粒含有層の厚み方向の広い範囲に亘っ
て確保できることになる。このため、前述の補強、製造
の容易化を向上させることができるばかりか、その補強
の向上等を利用して、砥粒含有層の厚み(砥石使用量)
を増大させることができることになる。
【0015】請求項5に記載された発明によれば、メッ
シュ状シートが、砥粒含有層内部において、間隔をあけ
た嵌挿関係をもって順次配設される複数の筒体を形成
し、そのうち、最内側の筒体が砥粒含有層内周面から径
方向内方に露出した状態で該砥粒含有層内部に埋設され
ていることから、メッシュ状シートからなる各筒体が、
砥粒含有層との係合関係を、該砥粒含有層の厚み方向の
広い範囲に亘って確保できることになる。このため、こ
の場合においても、上記請求項4の場合同様、補強、製
造の容易化を向上させることができると共に、その補強
の向上等を利用して、砥粒含有層の厚み(砥石使用量)
を増大させることができることになる。
【0016】請求項6に記載された発明によれば、心棒
にメッシュ状シートを巻き付けて該メッシュ状シートを
所定の厚み状態とし、次に、メッシュ状シートに対して
砥粒含有混練物を塗り込んで、砥粒含有混練物を円筒形
状にし、その円筒形状の砥粒含有混練物とメッシュ状シ
ートとが係合した状態で、その砥粒含有混練物を焼成す
ることから、補強及び製造の容易化が図られた前述の請
求項1に係る円筒状砥石を得るための製造方法を提供で
きることになる。しかも、メッシュ状シートが心棒に直
接接触していることから、焼成の後、心棒を抜くことを
容易にすることができることになる。
【0017】請求項7に記載された発明によれば、砥粒
含有混練物を円筒形状に形成するに際して、心棒にメッ
シュ状シートを巻き付けつつ、該メッシュ状シートに対
して砥粒含有混練物を塗り込んで、該砥粒含有混練物内
部に該メッシュ状シートを渦状に配置することから、円
筒形状の砥粒含有層(砥粒含有混練物)内には、その厚
み方向において、隣り合うシート部が離れるように巻回
配置されることになり、前述の請求項4に係る砥石を得
ることができることになる。
【0018】請求項8に記載された発明によれば、砥粒
含有混練物を円筒形状に形成するに際して、メッシュ状
シートを巻回して筒状とすることと、該メッシュ状シー
トに砥粒含有混練物を塗り込むこととを、順次、繰り返
すことから、円筒形状の砥粒含有層(砥粒含有混練物)
内には、その厚み方向において、間隔をあけた嵌挿関係
をもって順次配設される複数の筒体が形成されることに
なり、前述の請求項5に係る砥石を得ることができるこ
とになる。
【0019】請求項9に記載された発明によれば、心棒
の両端部に、該心棒よりも拡径された同一径の円板が、
軸心を一致させて着脱可能に取付けられていることか
ら、両円板間に砥粒含有混練物を塗詰め、その両円板の
周面に小手をあてがいつつ、その小手を移動させること
により、砥粒含有混練物を円筒状に形成できることにな
る。このため、上記請求項6〜8に係る方法を具体的且
つ簡単に実施することができることになる。
【0020】請求項10に記載された発明によれば、砥
粒含有混練物に、結合剤として熱硬化性合成樹脂又は硬
質の熱可塑性合成樹脂が含有されていることから、前述
の請求項6〜9の作用効果を得つつ、ビトリファイド砥
石等よりも機械的強度が強いレジノイド砥石の特性を得
ることができることになる。
【0021】請求項11に記載された発明によれば、メ
ッシュ状シートがガラスクロスであることから、メッシ
ュ状シートは、砥粒含有混練部と係合するメッシュ、耐
熱性を有することになり、前述の請求項1〜10の作用
効果を具体的に得ることができることになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面に基づいて説明する。図1において、符号1は本実
施形態(第1実施形態)に係る砥石で、砥石1は、本体
として、円筒形状の砥粒含有層2(焼結体)を備えてい
る。この砥粒含有層2は、本実施形態においては、軸心
方向長さLが50mm〜100mm程度、外径D1が9
0mm〜125mm程度、内径D2が75mm〜100
mm程度、厚みNが10mm〜15mm程度とされてお
り、この砥粒含有層2は、砥粒(酸化アルミニウム、炭
化珪素等)と樹脂(例えばフェノール樹脂)との混練物
を円筒形状にして焼成することにより形成されている。
【0023】前記砥粒含有層2には、図1、図2に示す
ように、その内周部全周(全体)において、メッシュ状
シート3が埋設されている。シート3は、メッシュ状
(網目状)となるようにメッシュ構成線部3a(例えば
繊維、針金等)をもって形成されており、そのシート3
は、優れた強度の他に、耐熱性及び柔軟性ないしは変形
性を有し、その融点が焼成温度(例えば170〜180
℃)よりも高くされると共に、円筒状に巻回可能とされ
ている。このようなシート3としては、具体的には、ガ
ラスクロス(ガラス繊維により形成)、カーボンクロス
(カーボン繊維により形成)、金網等が用いられること
になっており、本実施形態においては、耐熱性、柔軟
性、強度の点で優れたガラスクロス(融点1000℃程
度)が使用されている。
【0024】上記シート3は、図1、図2に示すよう
に、複数回巻回されて、所定以上の厚みを有する円筒形
状に形成されている。この所定以上の厚みを有する円筒
形状のシート3は、その内周面を砥粒含有層2の内周面
から径方向内方に向けて露出させつつ、そのシート3の
内周面よりも径方向外方側部分が砥粒含有層2内に埋設
されており、巻回に伴って重なり合う各シート部分のメ
ッシュ構成線部3aと砥粒含有層2とは係合することに
なっている。このシート3の厚みは、砥粒含有層2の補
強、砥粒含有層2となる前(焼成前)の後述の砥粒含有
混練物の保持等の観点から、砥粒含有層2とメッシュ構
成線部3aとの係合程度(量)を調整するための調整要
素としての意味合いを有しており、上記各観点から、シ
ート3の所定以上の厚みは、適宜、設定されることにな
っている(例えば本実施形態においては3〜5mm程
度)。このため、例えば、特に砥粒含有混練物の保持を
重視するような場合には、砥粒含有混練物(砥粒含有層
2)の肉厚と同じ厚みにしてもよい。尚、シート3の所
定以上の厚みは、巻回により形成されるため、巻回に伴
って重なり合うシート部分に多少の隙間を含む場合もあ
る。
【0025】このような砥石1は、次のようにして製造
される。先ず、砥粒含有層2となるべき材料としての砥
粒含有混練物を準備する。この砥粒含有混練物は、所定
量の砥粒(例えば酸化アルミニウム、炭化珪素等)と所
定量の液状樹脂(例えばフェノール樹脂)とを混練し、
その混練物に粉末状樹脂(例えばフェノール樹脂)を混
練することにより、生成されることになっており、この
砥粒含有混練物は、所望の形状を容易に形成でき且つそ
の形状を保持できるペースト状を呈することになってい
る。
【0026】次に、図3、図4に示すように、心棒4を
用意し、その心棒4にメッシュ状シート3を複数回巻き
付けた後、その状態を固定する。メッシュ状シートをも
って、厚みを有する円筒形状を形成して、後の工程にお
いて、その内周面を砥粒含有混練物により完全に包まれ
ないようにする一方、その他の部分を砥粒含有混練物に
より完全に包まれるようにするためである。
【0027】上記心棒4としては、一定径をもって軸心
が真っ直ぐ延びたものが用いられている。この心棒4
は、その軸心方向長さが、形成すべき円筒状砥石1の軸
心方向長さLに略等しくされ、その外径が、形成すべき
円筒状砥石1の内径D2に略等しくされており、これに
より、円筒状砥石1の軸心方向長さLと内径D2とを決
定することになっている。また、この心棒4には、シー
ト3の巻き付け固定に先立ち予め、離型剤が塗布されて
おり、その離型剤に基づき、焼結後に、砥石1が心棒4
から容易に取り外すことができることになっている。
【0028】上記メッシュ状シート3は帯状とされ、そ
の幅方向長さは心棒4の軸心方向長さと略等しくされて
おり、このシート3には、後述の砥粒含有混練物(砥粒
含有層2)とのなじみ性等を考慮して、予め樹脂で表面
処理が行われている。このシート3は、前述の如く、補
強、砥粒含有混練物の保持等を考慮して、心棒4全体に
対して複数回(例えば2〜4回)巻回されて、所定の以
上の厚みとされ、その状態が、シート3端部表面等の樹
脂を溶かして熱溶着することにより保持されることにな
っている。この場合、作業性向上の観点から、心棒4に
メッシュ状シート3を巻回するに先立ち、そのメッシュ
状シート3をアルコールガス雰囲気下において柔らかく
することが好ましい。
【0029】次に、図5、図6に示すように、前記心棒
4の両端に円板5を装着し、その後、図7、図8に示す
ように、心棒4に巻き付けたメッシュ状シート3に前記
砥粒含有混練物6を塗込み、両円板5間に砥粒含有混練
物6を塗詰める。砥粒含有混練物6をもって円筒形状を
形成するためである。
【0030】ここで、心棒4の両端に円板5を装着する
のは、砥粒含有混練物6における円筒形状の軸心方向長
さを的確に決めると(端面を平坦に形成することでもあ
る)共に、砥粒含有混練物6の円筒形状の外周面を仕上
げるに際して、両円板5の周面間に小手を跨らせて、そ
の両円板5の周面をガイドとしてなぞるだけでよいよう
にするためである。このため、円板5の径は、形成すべ
き円筒状砥石1の外径D1に略等しくされている。
【0031】勿論、この両円板5の装着は、心棒4にシ
ート3を巻き付ける前に行ってもよく、その場合には、
両円板5が、シート3を巻き付けるためのガイドにもな
ることになる。尚、図3〜図8中、符号7は円板5取付
けのためのねじ穴、符号8は円板5取付けのためのねじ
である。
【0032】上記砥粒含有混練物6の塗込みは、小手に
より行われ、その塗込みは、心棒4に接触しているシー
ト部分(内周部分)については完全には包み込まないが
(露出状態)、その他のシート部分における各メッシュ
構成線部3aについては完全に包み込むことになってい
る。これにより、砥粒含有混練物6と各メッシュ構成線
部3aとの係合(保持)関係が確保され、その係合関係
により一体化し砥粒含有混練物6の円筒形状状態維持の
補強が図られることになる。
【0033】次に、前記両円板5間に塗詰めた砥粒含有
混練物6を、紙により形崩れしないように包み、それを
焼成する。砥粒含有混練物6を単に紙により包んで焼成
するは、各メッシュ構成線部3aと砥粒含有混練物6と
の係合関係に基づき、簡単には砥粒含有混練物6の円筒
形状が崩れないからである。勿論、より一層、砥粒含有
混練物6の円筒形状が崩れないようにする場合には、図
9に示すように、割型9等を用いて、包み込むようにし
てもよい。その場合には、割型9は、円筒形状の砥粒含
有混練物6が形崩れしないように支える程度の簡単なも
のであればよい。このように、製造段階においては、メ
ッシュ状シート3は、砥粒含有混練物6を形成するとき
だけでなく、焼成のときにおいても、円筒形状の砥粒含
有混練物6が形崩れを起こすことを抑制するように働く
ことになる。焼成は、170℃〜180℃程度の温度
で、電気炉を用いて行われ、砥粒含有混練物6は、焼結
体としての砥粒含有層2となり、その砥粒含有層2は、
シート3におけるメッシュ構成線部3aと強固な係合関
係を有することになる。
【0034】焼成が終えると、冷却されて、円板5、心
棒4等が外され、ビトリファイド砥石等よりも基本的に
機械的強度が強い円筒状のレジノイド砥石1を得ること
になる。このとき、円筒状砥石1の心棒4からの取り外
しにおいて、心棒4に塗布された離型剤が機能するだけ
でなく、露出状態のメッシュ状シート3も、その取り外
しを容易にすることに貢献することになる。
【0035】このような円筒状の砥石1は、図10に示
すように、回転駆動装置10にセットされて、その砥石
1の外周面を使用面として、回転駆動することにより使
用される。この場合、一般に、回転駆動装置10の駆動
シャフト(以下、回転軸線11をもって代用する)に
は、ゴム、スポンジ等の弾性体が固着され、そのような
駆動シャフト11に砥石1の内周が密嵌合されて、砥石
1が、駆動シャフト11に対して、弾性体によって砥石
1内周面から該砥石1を押し広げるように固定される。
しかし、砥粒含有層2内周面から径方向内方に露出した
メッシュ状シート3が、駆動シャフト11と直接、接触
して、その駆動シャフト11の装着に伴って押し広げよ
うとする力に抗することになる。また、砥石1の使用時
においては、シート3におけるメッシュ構成線部3aと
砥粒含有層2との強固な係合関係により、内周部を中心
として補強されることになっており、砥石1の回転に伴
うせん断力等に対して十分に抗することができることに
なる。
【0036】図11、図12は第2実施形態、図13は
第3実施形態を示す。この各実施形態において、前記第
1実施形態と同一構成要素については同一符号を付して
その説明を省略する。
【0037】図11、図12に示す第2実施形態に係る
砥石1は、製造において、メッシュ状シート3を心棒
(図11、図12においては図示を略す)に少なくとも
1回巻回してその状態を固定し、その後、そのシート3
に砥粒含有混練物6を塗込みつつ、そのシート3を渦状
に巻回することとされており、これにより、砥粒含有混
練物6(砥粒含有層2)の厚み方向において、シート3
における隣り合うシート部分は徐々に離れることになっ
ている。
【0038】これにより、メッシュ状シート3は、製造
時には、円筒形状の砥粒含有混練物6をその厚み方向全
体に亘って保持することになり、焼成後においては、内
周部だけでなく砥粒含有層2全体の補強を図ることにな
る。このため、砥粒含有層2の肉厚を厚くする場合に
は、このメッシュ状シート3の配設を利用して、極めて
容易に対処することができることになる。
【0039】図13に示す第3実施形態に係る砥石1
は、砥粒含有混練物6を円筒形状に形成するに際して、
メッシュ状シート3を巻回することと、該シート3に砥
粒含有混練物6を塗り込むこととを、順次、繰り返すこ
とにより、円筒形状の砥粒含有層2(砥粒含有混練物
6)内に、間隔をあけた嵌挿関係をもって順次配設され
る複数の筒体13が形成されることになっている。この
ため、この場合にも、メッシュ状シート3(複数の筒体
13)は、製造時に、円筒形状の砥粒含有混練物6をそ
の厚み方向全体に亘って保持でき、焼成後においては、
内周部だけでなく砥粒含有層2全体の補強を図るできる
ことになり、また、砥粒含有層2の肉厚を厚くする場合
においても、メッシュ状シート3からなる複数の筒体1
3の配設を利用して、極めて容易に対処することができ
ることになる。勿論、上記第3実施形態では、各筒体1
3を、砥粒含有層2(砥粒含有混練物6)内部おいて同
心状に配置したが、各筒体13を偏心状態に配置しても
よい。
【0040】尚、本発明の目的は、明記されたものに限
らず、実質的に好ましい或は利点として記載されたもの
に対応したものを提供することをも暗黙的に含むもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る砥石を示す斜視図。
【図2】第1実施形態に係る砥石の内部構造を示す説明
図。
【図3】第1実施形態に係る砥石の製造方法を説明する
説明図。
【図4】図3の縦断面図。
【図5】図3の製造工程に続く製造工程を説明する図。
【図6】図5の縦断面図。
【図7】図5の製造工程に続く製造工程を説明する図。
【図8】図7の縦断面図。
【図9】円筒状の砥粒含有混練物を割型により形崩れし
ないように包み込む状態を示す説明図。
【図10】第1実施形態に係る砥石の使用状態を示す斜
視図。
【図11】第2実施形態に係る砥石を示す平面図。
【図12】図11の縦断面図。
【図13】第3実施形態に係る砥石を示す平面図。
【符号の説明】
1 砥石 2 砥粒含有層 3 メッシュ状シート 4 心棒 5 円板 6 砥石含有混練物 13 筒体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の砥粒含有層の内周面に補強シー
    トが全周に亘って沿うように保持されている砥石であっ
    て、 前記補強シートが、耐熱性を有するメッシュ状シートに
    より構成され、 前記メッシュ状シートが、前記砥粒含有層内周面から径
    方向内方に露出した状態で該砥粒含有層内部に埋設され
    ている、ことを特徴とする砥石。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記メッシュ状シートが、前記砥粒含有層内部におい
    て、所定以上の厚みを有するように設定されている、こ
    とを特徴とする砥石。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記メッシュ状シートが、複数回巻回されて、所定以上
    の厚みを有するように設定されている、ことを特徴とす
    る砥石。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記メッシュ状シートが、前記砥粒含有層の厚み方向に
    おいて、該メッシュ状シートにおける隣り合うシート部
    が離れるようにしつつ巻回されている、ことを特徴とす
    る砥石。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記メッシュ状シートが、前記砥粒含有層内部におい
    て、間隔をあけた嵌挿関係をもって順次配設される複数
    の筒体を形成しており、 前記筒体のうち、最内側の筒体が前記砥粒含有層内周面
    から径方向内方に露出した状態で該砥粒含有層内部に埋
    設されている、ことを特徴とする砥石。
  6. 【請求項6】 砥粒含有混練物を円筒形状にして焼成す
    る砥石の製造方法において、 前記砥粒含有混練物を円筒形状に形成するに際して、先
    ず、心棒にメッシュ状シートを巻き付けて該メッシュ状
    シートを所定の厚み状態とし、 次に、前記メッシュ状シートに対して前記砥粒含有混練
    物を塗り込む、ことを特徴とする砥石の製造方法。
  7. 【請求項7】 砥粒含有混練物を円筒形状にして焼成す
    る砥石の製造方法において、 前記砥粒含有混練物を円筒形状に形成するに際して、心
    棒にメッシュ状シートを巻き付けつつ、該メッシュ状シ
    ートに対して前記砥粒含有混練物を塗り込んで、該砥粒
    含有混練物内部に該メッシュ状シートを渦状に配置す
    る、ことを特徴とする砥石の製造方法。
  8. 【請求項8】 砥粒含有混練物を円筒形状にして焼成す
    る砥石の製造方法において、 前記砥粒含有混練物を円筒形状に形成するに際して、メ
    ッシュ状シートを巻回して筒状とすることと、該メッシ
    ュ状シートに前記砥粒含有混練物を塗り込むこととを、
    順次、繰り返す、ことを特徴とする砥石の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかにおいて、 前記心棒の両端部に、該心棒よりも拡径された同一径の
    円板が、軸心を一致させて着脱可能に取付けられてい
    る、ことを特徴とする砥石の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかにおいて、 前記砥粒含有混練物に、結合剤として熱硬化性合成樹脂
    又は硬質の熱可塑性合成樹脂が含有されている、ことを
    特徴とする砥石の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかにおいて、 前記メッシュ状シートが、ガラスクロスであるもの。
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