JP2000151206A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JP2000151206A
JP2000151206A JP31661898A JP31661898A JP2000151206A JP 2000151206 A JP2000151206 A JP 2000151206A JP 31661898 A JP31661898 A JP 31661898A JP 31661898 A JP31661898 A JP 31661898A JP 2000151206 A JP2000151206 A JP 2000151206A
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JP31661898A
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Yasuhiko Mizutani
靖彦 水谷
Takami Hirai
隆己 平井
Kazuyuki Mizuno
和幸 水野
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同軸型共振器間の誘導結合の抑制を実現して、
通過帯域幅を一定にしても減衰極の位置を調整すること
ができ、更に、共振器長(周波数)の調整も行えるよう
にする。 【解決手段】複数のビア導体が形成された誘電体層S1
〜S8が多数積層されて、内部にビア導体の積層による
2本の同軸型共振器14a及び14bが内装され、か
つ、側面に入力端子、出力端子及びアース電極が形成さ
れた積層体12を有し、該積層体12内における2本の
同軸型共振器14a及び14bの各短絡側端に、アース
電極と接続される入力側短絡電極40a及び出力側短絡
電極40bをそれぞれ形成して構成する。この場合、例
えば入力側短絡電極40aを積層体12の一方の短辺側
の側面に形成し、出力側短絡電極40bを積層体12の
他方の短辺側の側面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用電話機等の
高周波無線機器に利用する高周波フィルタや、アンテナ
デュプレクサ等に使用される積層型誘電体フィルタに関
し、特に、複数のビア導体が形成された誘電体層が多数
積層されて、内部に前記ビア導体の積層による複数の同
軸型共振器が内装された積層型誘電体フィルタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、同軸型共振器を用いた積層型誘
電体フィルタは、複数のビア導体が形成された誘電体層
を多数積層することで積層体を形成すると共に、該積層
体内に複数の同軸型共振器を構成し、更に、積層体の外
周面のうち、同軸型共振器の一端と対向する面に形成さ
れたアース電極と同軸型共振器の一端とを接続するよう
にしている(例えば特開平10−28006号公報、特
開平7−142914号公報参照)。
【0003】携帯用電話機等の移動体通信システムの小
型化に伴い、該移動体通信システムに使用される積層型
誘電体フィルタにおいても小型化が要求されているが、
プレス成形による同軸型共振器を使用した積層型誘電体
フィルタでは、同軸型共振器を形成するための穴(同軸
型共振器用の穴)が小さくなり、成形が困難であるだけ
でなく、同軸型共振器用の穴の壁面に均一の厚さで導電
ペーストを塗布することも困難となるが、上述の構成に
することでこれらの問題が解決され、積層型誘電体フィ
ルタの小型化が容易になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な積層型誘電体フィルタにおいては、同軸型共振器の共
振器長が誘電体層の層厚で決定されるため、誘電体層厚
のばらつきにより共振器長が変化するという問題があっ
た。
【0005】この共振器長を微調整するには、さまざま
な厚みを有する複数の静電体層から適当な誘電体層を選
別し、誘電体層を使い分けなければならないため、誘電
体層の管理が必要であった。
【0006】また、積層型誘電体フィルタの小型化に伴
い、同軸型共振器を形成しているビアホールの穴径や、
共振器の間隔を小さくする必要がある。共振器間の間隔
を狭くすると、共振器間の誘導結合が強くなってしま
い、通過帯域幅が広くなり過ぎるという問題が発生す
る。
【0007】通過帯域幅を調整する方法として、結合調
整電極を付加する方法が考えられるが、この方法では所
望の通過帯域幅を実現すると、減衰極の位置も決まって
しまい、必要な減衰量が確保できないという新たな問題
が生じる。
【0008】本発明は、このような課題を考慮してなさ
れたものであり、同軸型共振器間の誘導結合を抑制する
ことができ、通過帯域幅を一定にしても減衰極の位置を
調整することができ、しかも、共振器長(周波数)の調
整も行うことができる積層型誘電体フィルタを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る積層型誘電
体フィルタは、複数のビア導体が形成された誘電体層が
多数積層されて、内部に前記ビア導体の積層による複数
の同軸型共振器が内装され、かつ、外周面に入力端子、
出力端子及びアース電極が形成された積層体を有し、前
記積層体内における前記複数の同軸型共振器の各短絡側
端に、前記アース電極と接続される短絡電極をそれぞれ
形成して構成する(請求項1記載の発明)。
【0010】複数の同軸型共振器の各短絡側端が短絡電
極を介して積層体の例えば側面に形成されたアース電極
に接続されることになるため、同軸型共振器間の誘導結
合を抑制することができる。
【0011】その結果、通過帯域幅を一定にしても、減
衰極の位置を調整することが可能となり、必要な減衰量
を確保することができる。また、例えば積層型誘電体フ
ィルタを個別に分割する際に積層体の側面を削って短絡
電極の長さを調整することによって、共振器長(周波
数)の調整も可能となる。
【0012】そして、前記構成において、前記複数の短
絡電極を、前記積層体の少なくとも2つの側面に引き出
すようにしてもよい(請求項2記載の発明)。この場
合、短絡電極とアース電極との接続点が互いに離間した
位置となるため、同軸型共振器間の誘導結合の抑制を効
果的に行うことができる。
【0013】また、前記構成において、前記複数の短絡
電極を、前記積層体の1つの側面に引き出すようにして
もよい(請求項3記載の発明)。この場合、共振器長の
調整を行う場合に、積層体の1つの側面のみを管理すれ
ばよいため、調整作業が簡単になるという効果がある。
【0014】また、前記構成において、前記複数の短絡
電極を、前記同軸型共振器の短絡側端から前記アース電
極に向かって互いの間隔が変化するように形成するよう
にしてもよい(請求項4記載の発明)。
【0015】この場合、短絡電極間の間隔を容易に変更
できるため、同軸型共振器間の誘導結合を容易に調整で
き、通過帯域幅を一定にしても減衰極を任意の位置に容
易に調整することができる。
【0016】また、前記構成において、前記積層体の表
面のうち、少なくとも1つの面に前記アース電極を形成
しないで構成するようにしてもよい(請求項5記載の発
明)。この場合、製造工程の簡単化、材料費の削減化を
図ることができる。
【0017】また、前記構成において、前記積層体内の
誘電体層上に前記複数の同軸型共振器と接続される張出
し電極をそれぞれ形成し、前記積層体内に、前記張出し
電極に対して容量結合された結合調整電極を設けるよう
にしてもよい(請求項6記載の発明)。
【0018】この場合、前記結合調整電極と入力側の同
軸型共振器との間、並びに前記結合調整電極と別の同軸
型共振器との間にそれぞれ容量が形成される。等価回路
的には、これら容量の合成容量が前記入力側の同軸型共
振器と前記別の同軸型共振器との間に形成される誘導結
合と並列に接続されたかたちになるため、前記容量によ
って前記誘導結合度を調整することができ、所望の帯域
幅を有するフィルタを得ることができる。
【0019】前記容量の調整は、例えば入力側の同軸型
共振器と結合調整電極との重なり面積及びこれらの間の
距離並びに前記別の同軸型共振器と結合調整電極との重
なり面積及びこれらの間の距離を変化させることによっ
て容易に行うことができる。
【0020】また、前記結合調整容量による合成容量が
同軸型共振器間の誘導結合と並列に接続されたかたちに
なることから、隣接する同軸型共振器間には並列共振回
路が挿入接続されたことになる。
【0021】この容量とインダクタンスとからなる並列
共振回路のインピーダンスは並列共振点の前後で誘導性
から容量性へと変化するため、隣接する同軸型共振器と
結合調整容量間にそれぞれ形成される容量の値を調整す
ることにより、同軸型共振器間の結合を誘導性にも容量
性にもすることができる。
【0022】いま、同軸型共振器間の結合を誘導性にし
た場合を考えると、通過帯域の高周波側に並列共振点が
存在するから、高周波側に減衰極をもったフィルタが得
られ、また、同軸型共振器間の結合を容量性にすると、
通過帯域の低周波側に並列共振点が存在することにな
り、低周波側に減衰極をもったフィルタが得られ、いず
れの場合もフィルタの減衰特性を改善することができ
る。
【0023】また、前記構成において、前記積層体内の
誘電体層上において、入力側の同軸型共振器と接続さ
れ、かつ、前記入力端子と接続される入力側引出し電極
と、前記積層体内の誘電体層上において、出力側の同軸
型共振器と接続され、かつ、前記出力端子と接続される
出力側引出し電極とを設けるようにしてもよい(請求項
7記載の発明)。
【0024】また、前記構成において、前記積層体内の
誘電体層上において、入力側の同軸型共振器に形成され
た入力側張出し電極と、前記積層体内の誘電体層上にお
いて、出力側の同軸型共振器に形成された出力側張出し
電極と、前記入力端子に接続され、かつ、前記入力側張
出し電極に対して容量結合された入力用電極と、前記出
力端子に接続され、かつ、前記出力側張出し電極に対し
て容量結合された出力用電極とを設けるようにしてもよ
い(請求項8記載の発明)。
【0025】この場合、例えば入力側張出し電極と入力
用電極との距離を小さくする、及び/又は出力側張出し
電極と出力用電極との距離を小さくすることで、これら
の間に形成される静電容量の容量値を大きくすることが
でき、信号波形に現れるリップルを小さくすることがで
きる。
【0026】また、前記構成において、前記アース電極
に接続され、かつ、前記積層体内の誘電体層上において
前記複数の同軸型共振器の各開放側端と容量結合された
内層アース電極を設けるようにしてもよい(請求項9記
載の発明)。
【0027】この場合、各同軸型共振器の開放側端と内
層アース電極との間に形成される静電容量も同軸型共振
器を等価変換したときの並列共振回路の静電容量に付加
されることになるため、共振周波数を同一とすれば、並
列共振回路のインダクタンスは小さくて済むことにな
り、その結果、同軸型共振器の長さもより小さくなり、
積層型誘電体フィルタ全体の長さも短くすることができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る積層型誘電体
フィルタを例えばバンドパスフィルタに適用したいくつ
かの実施の形態例を図1〜図14を参照しながら説明す
る。
【0029】まず、第1の実施の形態に係るフィルタ1
0Aは、図2に示すように、複数枚の板状の誘電体層が
積層、焼成されて構成された積層体12内に、2本の同
軸型共振器14a及び14bが形成された構成を有す
る。
【0030】具体的には、前記積層体12は、図1に示
すように、上から順に、第1の誘電体層S1〜第8の誘
電体層S8とが積み重ねられて構成されている。これら
第1〜第8の誘電体層S1〜S8は1枚あるいは複数枚
の層にて構成される。
【0031】また、図2に示すように、積層体12の外
周面のうち、例えばその左側面に入力端子16が形成さ
れ、右側面に出力端子18が形成され、これら入力端子
16及び出力端子18を除く全側面にアース電極20が
形成されている。この例では、積層体12の上面及び下
面にはアース電極20は形成されていない。
【0032】そして、この第1の実施の形態に係るフィ
ルタ10Aにおいては、第1〜第7の誘電体層S1〜S
7について、それぞれ2つのビアホールが形成され、更
に、これらビアホール内に導体が埋設されてそれぞれ2
つのビア導体が埋め込まれたかたちとなっている。従っ
て、第1〜第8の誘電体層S1〜S8を積層して積層体
12とすることにより、該積層体12内には、2つのビ
ア導体の積層による2本の同軸型共振器14a及び14
bが内装され、かつ、これら同軸型共振器14a及び1
4bの開放側端が積層体12の一主面に露出したかたち
となる。
【0033】また、この第1の実施の形態に係るフィル
タ10Aにおいては、第3の誘電体層S3の一主面に、
2枚の結合調整電極22が2つのビア導体24a及び2
4b(同軸型共振器14a及び14b)の配列方向に沿
って、かつ、これら2つのビア導体24a及び24bを
挟む位置に形成されている。
【0034】前記第3の誘電体層S3の下層に位置する
第4の誘電体層S4の一主面には、2つのビア導体26
a及び26bにそれぞれ接続され、かつ、これら2つの
ビア導体26a及び26bから第4の誘電体層S4の長
辺に向かって張り出す張出し電極28a及び28bが形
成されている。
【0035】前記第4の誘電体層S4の下層に位置する
第5の誘電体層S5の一主面には、2枚の結合調整電極
30が2つのビア導体32a及び32bの配列方向に沿
って、かつ、これら2つのビア導体32a及び32bを
挟む位置に形成されている。
【0036】上述した結合調整電極22及び30は、ア
ース電極20、入力端子16及び出力端子18に対して
電位的にフローティング状態とされている。
【0037】前記第5の誘電体層S5の下層に位置する
第6の誘電体層S6の一主面には、入力側のビア導体3
4a(入力側の同軸型共振器14a)と接続され、か
つ、入力端子16と接続される入力側引出し電極36a
と、出力側のビア導体34b(出力側の同軸型共振器1
4b)と接続され、かつ、出力端子18と接続される出
力側引出し電極36bとが形成されている。
【0038】そして、この第1の実施の形態に係るフィ
ルタ10Aにおいては、最下層に位置する第8の誘電体
層S8の一主面に、入力側の同軸型共振器14aにおけ
る短絡側端と接続され、かつ、積層体12の1つの側面
(一方の短辺側の側面)に形成されたアース電極20と
接続される入力側短絡電極40aが形成され、出力側の
同軸型共振器14bにおける短絡側端と接続され、か
つ、積層体12の1つの側面(他方の短辺側の側面)に
形成されたアース電極20と接続される出力側短絡電極
40bが形成されている。
【0039】第1の実施の形態に係るフィルタ10A
は、基本的には以上のように構成されるものであるが、
ここで、各電極の電気的な結合について図2及び図3を
参照しながら説明する。
【0040】図2に示すように、入力側の同軸型共振器
14a及び出力側の同軸型共振器14b同士は互いに誘
導結合され、これにより、等価回路上ではインダクタン
スLが挿入されたかたちになる(図3参照)。
【0041】また、入力側の同軸型共振器14aに形成
された張出し電極28aと上方の結合調整電極22との
間、並びに出力側の同軸型共振器14bに形成された張
出し電極28bと上方の結合調整電極22との間にはそ
れぞれ静電容量C1及びC2が形成されたかたちとな
り、入力側の同軸型共振器14aに形成された張出し電
極28aと下方の結合調整電極30との間、並びに出力
側の同軸型共振器14bに形成された張出し電極28b
と下方の結合調整電極30との間にはそれぞれ静電容量
C3及びC4が形成されたかたちとなる。
【0042】従って、第1の実施の形態に係るフィルタ
10Aの等価回路は、図3に示すようになり、バンドパ
スフィルタを構成することとなる。
【0043】図3において、静電容量C10は、入力側
の同軸型共振器14aと上方及び下方の結合調整電極2
2及び30間の静電容量C1及びC3(図2参照)と、
出力側の同軸型共振器14bと上方及び下方の結合調整
電極22及び30間の静電容量C2及びC4との合成容
量を示す。
【0044】また、静電容量C11及びインダクタンス
L11は入力側の同軸型共振器14aを等価変換したと
きの静電容量及びインダクタンスであり、静電容量C1
2及びインダクタンスL12は出力側の同軸型共振器1
4bを等価変換したときの静電容量及びインダクタンス
である。
【0045】このように、第1の実施の形態に係るフィ
ルタ10Aにおいては、積層体12内における2つの同
軸型共振器14a及び14bの各短絡側端に、アース電
極20と接続される短絡電極40a及び40bをそれぞ
れ形成するようにしたので、2つの同軸型共振器14a
及び14bの各短絡側端が短絡電極40a及び40bを
介して積層体12の例えば側面に形成されたアース電極
20に接続されることになり、同軸型共振器14a及び
14b間の誘導結合(インダクタンスL)を抑制するこ
とが可能となる。
【0046】これにより、通過帯域幅を一定にしても、
減衰極の位置を調整することが可能となり、必要な減衰
量を確保することができる。また、例えば積層型誘電体
フィルタ10Aを個別に分割する際に積層体12の側面
を削って短絡電極40a及び40bの長さを調整するこ
とによって、共振器長(周波数)の調整も可能となる。
【0047】また、積層体12の他主面にアース電極2
0を形成する必要がなくなるため、製造工程の簡単化、
材料費の削減化を図ることができる。
【0048】特に、この第1の実施の形態においては、
入力側短絡電極40a及び出力側短絡電極40bを、積
層体12の一対の短辺側の側面にそれぞれ引き出すよう
にしたので、入力側短絡電極40aとアース電極20と
の接続点と出力側短絡電極40bとアース電極20との
接続点とが互いに離間した位置となり、同軸型共振器1
4a及び14b間の誘導結合の抑制を効果的に行うこと
ができる。
【0049】また、積層体12内における第4の誘電体
層S4の一主面に2つの同軸型共振器14a及び14b
と接続される張出し電極28a及び28bをそれぞれ形
成し、積層体12内に、これら張出し電極28a及び2
8bに対して容量結合された結合調整電極22及び30
を設けるようにしたので、上方及び下方の結合調整電極
22及び30と入力側の同軸型共振器14aとの間にそ
れぞれ容量C1及びC3が形成され、上方及び下方の結
合調整電極22及び30と出力側の同軸型共振器14b
との間にそれぞれ容量C2及びC4が形成される。
【0050】等価回路的には、これら容量C1、C2、
C3及びC4の合成容量C10が入力側の同軸型共振器
14aと出力側の同軸型共振器14bとの間に形成され
るインダクタンスLと並列に接続されたかたちになるた
め、前記合成容量C10によって同軸型共振器14a及
び14b間の誘導結合度を調整することができ、所望の
帯域幅を有する積層型誘電体フィルタ10Aを得ること
ができる。
【0051】前記合成容量C10の調整は、例えば入力
側の同軸型共振器14aに形成された張出し電極28a
と結合調整電極22及び30との重なり面積及びこれら
の間の距離並びに出力側の同軸型共振器14bに形成さ
れた張出し電極28bと結合調整電極22及び30との
重なり面積及びこれらの間の距離を変化させることによ
って容易に行うことができる。
【0052】また、結合調整電極22及び30による合
成容量C10が同軸型共振器14a及び14b間のイン
ダクタンスLと並列に接続されたかたちになることか
ら、隣接する同軸型共振器14a及び14b間には並列
共振回路が挿入接続されたことになる。
【0053】この容量C10とインダクタンスLとから
なる並列共振回路のインピーダンスは並列共振点の前後
で誘導性から容量性へと変化するため、隣接する同軸型
共振器14a及び14bと結合調整電極22及び30間
にそれぞれ形成される容量C1〜C4の値を調整するこ
とにより、同軸型共振器14a及び14b間の結合を誘
導性にも容量性にもすることができる。
【0054】いま、同軸型共振器14a及び14b間の
結合を誘導性にした場合を考えると、通過帯域の高周波
側に並列共振点が存在することから、高周波側に減衰極
をもったフィルタが得られ、また、同軸型共振器14a
及び14b間の結合を容量性にすると、通過帯域の低周
波側に並列共振点が存在することになり、低周波側に減
衰極をもったフィルタが得られ、いずれの場合もフィル
タの減衰特性を改善することができる。
【0055】次に、第1の実施の形態に係るフィルタ1
0Aの製造方法について説明する。第1の実施の形態に
係るフィルタ10Aは、2つの同軸型共振器14a及び
14b、結合調整電極22及び30、張出し電極28a
及び28b、入力側引出し電極36a及び出力側引出し
電極36b、入力側短絡電極40a及び出力側短絡電極
40b等を完全に積層体12中に内蔵することから、こ
れらの電極には損失の少ない比抵抗の低いものを用いる
ことが好ましい。
【0056】使用する誘電体としては、信頼性が高く、
誘電率の高いもの、即ちセラミック誘電体が好ましい。
この場合、フィルタの小型化を有効に図ることができ
る。
【0057】また、製造方法としては、セラミック粉末
の成形体に導体ペーストを塗布して電極パターンを形成
した後、各々の成形体を積層し、更に焼成して緻密化
し、導体がその内部に積層された状態でセラミック誘電
体と一体化することが望ましい。
【0058】Ag系やCu系の導体を使用する場合に
は、それらの導体の融点が低く、通常の誘電体材料と同
時焼成することは困難であるところから、それらの融点
(1100℃以下)よりも低い温度で焼成され得る誘電
体材料を用いる必要がある。
【0059】また、マイクロ波フィルタとしてのデバイ
スの性格上、形成される並列共振回路の共振周波数の温
度特性(温度係数)が±50ppm/℃以下になるよう
な誘電体材料が好ましい。
【0060】このような誘電体材料としては、例えばコ
ージェライト系ガラス粉末とTiO 2 粉末及びNd2
2 7 粉末との混合物等のガラス系のものや、BaO
−TiO2 −Re2 3 −Bi2 3 系組成(Re:レ
アアース成分)に若干のガラス形成成分やガラス粉末を
添加したもの、酸化バリウム−酸化チタン−酸化ネオジ
ウム系誘電体磁気組成物粉末に若干のガラス粉末を添加
したものがある。
【0061】一例として、MgO:18wt%−Al2
3 :37wt%−SiO2 :37wt%−B2 3
5wt%−TiO2 :3wt%からなる組成のガラス粉
末の73wt%と、市販のTiO2 粉末の17wt%
と、Nd2 Ti2 7 粉末の10wt%を十分に混合
し、混合粉末を得た。
【0062】なお、Nd2 Ti2 7 粉末は、Nd2
3 粉末とTiO2 粉末を1200℃で仮焼した後、粉砕
して得たものを使用した。
【0063】次いで、この混合粉末に、アクリル系有機
バインダー、可塑剤、トルエン及びアルコール系の溶剤
を加え、アルミナ玉石で十分に混合してスラリーとし
た。そして、このスラリーを用いて、ドクターブレード
法により、0.2mm〜0.5mmの厚みのグリーンテ
ープを作製した。
【0064】次に、第1の実施の形態に係るフィルタ1
0Aにおいては、銀ペーストを導体ペーストとして図1
に示した導体パターンをそれぞれ印刷し、次いで、これ
ら導体パターンが印刷されたグリーンテープの厚みを調
整するために必要なグリーンテープを重ねて図1の構造
となるように重ね、積層した後、900℃で焼成して、
積層体12を作製した。
【0065】前記のように構成した積層体12の側面の
うち、入力端子16及び出力端子18を除く部分に、銀
電極からなるアース電極20を印刷し、更に、アース電
極20から絶縁し、かつ、入力側引出し電極36a及び
出力側引出し電極36b(図2参照)に接続される銀電
極を入力端子16及び出力端子18として印刷し、印刷
した電極16、18及び20を850℃で焼き付けるこ
とによって、第1の実施の形態に係るフィルタ10Aを
得た。
【0066】次に、第1の実施の形態に係るフィルタ1
0Aのいくつかの変形例について図4〜図9を参照しな
がら説明する。なお、図1及び図2と対応するものにつ
いては同符号を付してその重複説明を省略する。
【0067】まず、第1の変形例に係るフィルタ10A
aは、図4及び図5に示すように、第1の実施の形態に
係るフィルタ10A(図1及び図2参照)とほぼ同じ構
成を有するが、第1の誘電体層S1にはビア導体は形成
されず、代わりにその一主面にアース電極20が形成さ
れている点で異なる。即ち、この第1の変形例に係るフ
ィルタ10Aaは、積層体12の上面にもアース電極2
0が形成されたかたちになっている。
【0068】従って、図5に示すように、2つの同軸型
共振器14a及び14bにおける各開放側端と積層体1
2の上面に形成されたアース電極20との間に容量C2
1及びC22が形成されることになる。等価回路的に
は、図3中に破線で示すように、各同軸型共振器14a
及び14bの開放側端とアース電極20との間に形成さ
れる静電容量C21及びC22が2つの同軸型共振器1
4a及び14bを等価変換したときの各並列共振回路の
静電容量C11及びC12に付加されることになるた
め、共振周波数を同一とすれば、並列共振回路のインダ
クタンスは小さくて済むことになり、その結果、各同軸
型共振器14a及び14bの長さもより小さくなり、積
層型誘電体フィルタ10Aa全体の長さも短くすること
ができる。
【0069】次に、第2の変形例に係るフィルタ10A
bは、図6及び図7に示すように、第1の変形例に係る
フィルタ10Aaとほぼ同じ構成を有するが、第1の誘
電体層S1と第2の誘電体層S2との間に、第9の誘電
体層S9と第10の誘電体層S10が挿入されている点
で異なる。
【0070】第9の誘電体層S9と第10の誘電体層S
10には、それぞれ2つのビア導体(50a、50b)
及び(52a、52b)が形成されており、第1の誘電
体層S1の下層に位置する第9の誘電体層S9の一主面
には、2つのビア導体50a及び50bにそれぞれ接続
され、かつ、これら2つのビア導体50a及び50bか
ら第9の誘電体層S9の短辺に向かってそれぞれ張り出
す張出し電極54a及び54bが形成されている。
【0071】第10の誘電体層S10の一主面には、ビ
ア導体52a及び52bを除くほぼ全面に積層体12の
側面に形成されたアース電極20と接続された内層アー
ス電極56が形成されている。この内層アース電極56
とビア導体52a及び52bとはそれぞれリング状に形
成された開口部58a及び58bを通じて絶縁されてい
る。
【0072】従って、この第2の変形例においては、図
7に示すように、2つの同軸型共振器14a及び14b
の開放側端に形成された張出し電極54a及び54bと
内層アース電極56との間に容量C21及びC22が形
成されることになる。この場合も、第1の変形例に係る
フィルタ10Aaと同様に、等価回路的には、図3に示
すように、各同軸型共振器14a及び14bの開放側端
とアース電極20との間に形成される静電容量C21及
びC22が2つの同軸型共振器14a及び14bを等価
変換したときの各並列共振回路の静電容量C11及びC
12に付加されることになるため、共振周波数を同一と
すれば、並列共振回路のインダクタンスは小さくて済む
ことになり、その結果、各同軸型共振器14a及び14
bの長さもより小さくなり、積層型誘電体フィルタ10
Ab全体の長さも短くすることができる。
【0073】次に、第3の変形例に係るフィルタ10A
cは、図8及び図9に示すように、第2の変形例に係る
フィルタ10Abとほぼ同じ構成を有するが、第6の誘
電体層S6の一主面に、入力端子16に接続された2枚
の入力用電極70と出力端子18に接続された2枚の出
力用電極72が形成されている点と、第6の誘電体層S
6と第7の誘電体層S7との間に第11の誘電体層S1
1が挿入されている点で異なる。
【0074】入力用電極70は、2つのビア導体74a
及び74bの配列方向に沿って、かつ、入力側のビア導
体74aに接続せずに、該入力側のビア導体74aを挟
む位置に形成され、出力用電極72は、2つのビア導体
74a及び74bの配列方向に沿って、かつ、出力側の
ビア導体74bに接続せずに、該出力側のビア導体74
bを挟む位置に形成されている。
【0075】前記第6の誘電体層S6の下層に位置する
第11の誘電体層S11の一主面には、2つのビア導体
76a及び76bにそれぞれ接続され、かつ、これら2
つのビア導体76a及び76b(同軸型共振器14a及
び14b)から第11の誘電体層S11の長辺に向かっ
て張り出す張出し電極78a及び78bが形成されてい
る。
【0076】従って、図10に示すように、入力側の同
軸型共振器14aに形成された張出し電極78aと入力
用電極70との間、並びに出力側の同軸型共振器14b
に形成された張出し電極78bと出力用電極72との間
にはそれぞれ静電容量C31及びC32が形成されたか
たちとなる。
【0077】例えば入力側の同軸型共振器14aに形成
された張出し電極78aと入力用電極70との距離を小
さくする、及び/又は出力側の同軸型共振器14bに形
成された張出し電極78bと出力用電極72との距離を
小さくすることで、これらの間に形成される静電容量C
31及びC32の容量値を大きくすることができ、信号
波形に現れるリップルを小さくすることができる。
【0078】次に、第2の実施の形態に係るフィルタ1
0Bについて図10を参照しながら説明する。なお、図
1と対応するものについては同符号を付してその重複説
明を省略する。
【0079】この第2の実施の形態に係るフィルタ10
Bは、図10に示すように、第1の実施の形態に係るフ
ィルタ10Aとほぼ同じ構成を有するが、第8の誘電体
層S8の一主面に形成される入力側短絡電極40a及び
出力側短絡電極40bがそれぞれ平面ほぼL字状とさ
れ、それぞれのアース電極20との接続点が第8の誘電
体層S8の1つの長辺に対応した位置とされている点で
異なる。
【0080】この場合、共振器長(周波数)の調整を行
う際に、積層体12の1つの側面、つまり入力側短絡電
極40aと出力側短絡電極40bが引き出された側面の
みを管理すればよいため、調整作業が簡単になるという
効果がある。
【0081】この第2の実施の形態に係るフィルタ10
Bにおいても、第1の実施の形態に係るフィルタ10A
の変形例、即ち、第1〜第3の変形例に係るフィルタ1
0Aa〜10Acと同様の構成を採用することができ
る。
【0082】次に、第3の実施の形態に係るフィルタ1
0Cについて図11を参照しながら説明する。なお、図
10と対応するものについては同符号を付してその重複
説明を省略する。
【0083】この第3の実施の形態に係るフィルタ10
Cは、図11に示すように、第2の実施の形態に係るフ
ィルタ10B(図10参照)とほぼ同じように、入力側
短絡電極40a及び出力側短絡電極40bを積層体12
の1つの側面(第8の誘電体層S8の一方の長辺)に引
き出すようにしているが、入力側短絡電極40a及び出
力側短絡電極40bがほぼ平行四辺形状に形成され、か
つ、第8の誘電体層S8の一方の長辺に向かってこれら
短絡電極40a及び40b間の間隔が変化するように形
成されている点で異なる。この例では、各短絡電極40
a及び40b間の間隔が第8の誘電体層S8の一方の長
辺に向かって徐々に離間するように形成した場合を示し
ている。
【0084】この第3の実施の形態に係るフィルタ10
Cにおいては、各短絡電極40a及び40b間の間隔を
容易に変更できるため、同軸型共振器14a及び14b
間の誘導結合を容易に調整でき、通過帯域幅を一定にし
ても減衰極を任意の位置に容易に調整することができ
る。
【0085】この第3の実施の形態に係るフィルタ10
Cにおいても、第1の実施の形態に係るフィルタ10A
の変形例、即ち、第1〜第3の変形例に係るフィルタ1
0Aa〜10Acと同様の構成を採用することができ
る。
【0086】次に、第4の実施の形態に係るフィルタ1
0Dについて図12を参照しながら説明する。なお、図
1と対応するものについては同符号を付してその重複説
明を省略する。
【0087】この第4の実施の形態に係るフィルタ10
Dは、図12に示すように、第1の実施の形態に係るフ
ィルタ10A(図1参照)と同様の構成を有するが、複
数枚の板状の誘電体層が積層、焼成されて構成された積
層体12内に、3本の同軸型共振器14a〜14cが形
成された構成を有する点で異なる。
【0088】具体的には、第1〜第7の誘電体層S1〜
S7について、それぞれ3つのビア導体が埋め込まれた
かたちとなっており、第1〜第8の誘電体層S1〜S8
を積層して積層体12とすることにより、該積層体12
内には、3つのビア導体の積層による3本の同軸型共振
器14a〜14cが内装され、かつ、これら同軸型共振
器14a〜14cの開放側端が積層体の一主面に露出し
たかたちとなる。
【0089】また、この第4の実施の形態に係るフィル
タ10Dにおいては、第3の誘電体層S3の一主面に、
2枚の結合調整電極22a及び22bが2つのビア導体
24a〜24c(同軸型共振器14a〜14c)の配列
方向に沿って形成されている。
【0090】一方の結合調整電極22aは、入力側のビ
ア導体24aと中央のビア導体24cに対応した位置で
あって、かつ、第3の誘電体層S3の一方の長辺寄りに
形成され、他方の結合調整電極22bは、出力側のビア
導体24bと中央のビア導体24cに対応した位置であ
って、かつ、第3の誘電体層S3の他方の長辺寄りに形
成されている。
【0091】前記第3の誘電体層S3の下層に位置する
第4の誘電体層S4の一主面には、3つのビア導体26
a〜26cにそれぞれ接続され、かつ、これら3つのビ
ア導体26a〜26cから第4の誘電体層S4の長辺に
向かって張り出す張出し電極28a〜28cが形成され
ている。
【0092】前記第4の誘電体層S4の下層に位置する
第5の誘電体層S5の一主面には、2枚の結合調整電極
30a及び30bが2つのビア導体32a〜32c(同
軸型共振器14a〜14c)の配列方向に沿って形成さ
れている。
【0093】一方の結合調整電極30aは、入力側のビ
ア導体32aと中央のビア導体32cに対応した位置で
あって、かつ、第5の誘電体層S5の一方の長辺寄りに
形成され、他方の結合調整電極30bは、出力側のビア
導体32bと中央のビア導体32cに対応した位置であ
って、かつ、第5の誘電体層S5の他方の長辺寄りに形
成されている。
【0094】上述した結合調整電極22a、22b、3
0a及び30bは、アース電極20、入力端子16及び
出力端子18に対して電位的にフローティング状態とさ
れている。
【0095】そして、この第4の実施の形態に係るフィ
ルタ10Dにおいては、最下層に位置する第8の誘電体
層S8の一主面に、入力側の同軸型共振器14aにおけ
る短絡側端と接続され、かつ、積層体12の1つの側面
(一方の短辺側の側面)に形成されたアース電極20と
接続される入力側短絡電極40aが形成され、出力側の
同軸型共振器14bにおける短絡側端と接続され、か
つ、積層体12の1つの側面(他方の短辺側の側面)に
形成されたアース電極20と接続される出力側短絡電極
40bが形成され、更に、中央の同軸型共振器14cに
おける短絡側端と接続され、かつ、積層体12の1つの
側面(一方の長辺側の側面)に形成されたアース電極2
0と接続される中央短絡電極40cが形成されている。
【0096】この第4の実施の形態に係るフィルタ10
Dにおいても、第1の実施の形態に係るフィルタ10A
と同様に、3つの同軸型共振器14a〜14cの各短絡
側端が短絡電極40a〜40cを介して積層体12の例
えば側面に形成されたアース電極20に接続されること
になり、同軸型共振器14a〜14c間の誘導結合を抑
制することが可能となる。
【0097】これにより、通過帯域幅を一定にしても、
減衰極の位置を調整することが可能となり、必要な減衰
量を確保することができ、しかも、例えば積層型誘電体
フィルタ10Dを個別に分割する際に積層体12の側面
を削って短絡電極40a〜40cの長さを調整すること
によって、共振器長(周波数)の調整も可能となる。
【0098】また、入力側短絡電極40aとアース電極
20との接続点、出力側短絡電極40bとアース電極2
0との接続点及び中央短絡電極40cとアース電極20
との接続点とが互いに離間した位置となり、同軸型共振
器14a〜14c間の誘導結合の抑制を効果的に行うこ
とができる。
【0099】また、結合調整電極22a、22b、30
a及び30bを設けるようにしたので、同軸型共振器1
4a〜14c間の誘導結合度を調整することができ、所
望の帯域幅を有するフィルタ10Dを得ることができ
る。
【0100】この第4の実施の形態に係るフィルタ10
Dにおいても、第1の実施の形態に係るフィルタ10A
の変形例、即ち、第1〜第3の変形例に係るフィルタ1
0Aa〜10Acと同様の構成を採用することができ
る。
【0101】次に、第5の実施の形態に係るフィルタ1
0Eについて図13を参照しながら説明する。なお、図
12と対応するものについては同符号を付してその重複
説明を省略する。
【0102】この第5の実施の形態に係るフィルタ10
Eは、図13に示すように、第4の実施の形態に係るフ
ィルタ10D(図12参照)とほぼ同じ構成を有する
が、第8の誘電体層S8の一主面に形成される入力側短
絡電極40a及び出力側短絡電極40bがそれぞれ平面
ほぼL字状とされ、そのアース電極20との接続点が、
中央短絡電極40cと同様に第8の誘電体層S8の1つ
の長辺に対応した位置とされている点で異なる。
【0103】この場合、共振器長(周波数)の調整を行
う際に、積層体12の1つの側面、つまり入力側短絡電
極40a、出力側短絡電極40b及び中央短絡電極40
cが引き出された側面のみを管理すればよいため、調整
作業が簡単になるという効果がある。
【0104】この第5の実施の形態に係るフィルタ10
Eにおいても、第1の実施の形態に係るフィルタ10A
の変形例、即ち、第1〜第3の変形例に係るフィルタ1
0Aa〜10Acと同様の構成を採用することができ
る。
【0105】次に、第6の実施の形態に係るフィルタ1
0Fについて図14を参照しながら説明する。なお、図
13と対応するものについては同符号を付してその重複
説明を省略する。この第6の実施の形態に係るフィルタ
10Fは、図14に示すように、第5の実施の形態に係
るフィルタ10E(図13参照)とほぼ同じように、入
力側短絡電極40a及び出力側短絡電極40bを積層体
12の1つの側面(第8の誘電体層S8の一方の長辺)
に引き出すようにしているが、入力側短絡電極40a及
び出力側短絡電極40bがほぼ平行四辺形状に形成さ
れ、かつ、第8の誘電体層S8の一方の長辺に向かって
これら短絡電極40a〜40c間の間隔が変化するよう
に形成されている点で異なる。この例では、各短絡電極
40a〜40c間の間隔が第8の誘電体層S8の一方の
長辺に向かって徐々に離間するように形成した場合を示
している。
【0106】この第6の実施の形態に係るフィルタ10
Fにおいては、各短絡電極40a〜40c間の間隔を容
易に変更できるため、同軸型共振器14a〜14c間の
誘導結合を容易に調整でき、通過帯域幅を一定にしても
減衰極を任意の位置に容易に調整することができる。
【0107】この第6の実施の形態に係るフィルタ10
Fにおいても、第1の実施の形態に係るフィルタ10A
の変形例、即ち、第1〜第3の変形例に係るフィルタ1
0Aa〜10Acと同様の構成を採用することができ
る。
【0108】上述した第1〜第6の実施の形態に係るフ
ィルタ10A〜10Fにおいては、積層体12内に2本
の同軸型共振器14a及び14b並びに3本の同軸型共
振器14a〜14cを内装させた場合を示したが、その
他、4本以上の同軸型共振器を内装させたフィルタにも
適用させることができる。
【0109】なお、この発明に係る積層型誘電体フィル
タは、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸
脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろん
である。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る積層
型誘電体フィルタによれば、同軸型共振器間の誘導結合
を抑制することができ、通過帯域幅を一定にしても減衰
極の位置を調整することができ、しかも、共振器長(周
波数)の調整も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るフィルタの構成を示す
分解斜視図である。
【図2】第1の実施の形態に係るフィルタの構成を示す
縦断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係るフィルタを示す等価回
路図である。
【図4】第1の変形例に係るフィルタの構成を示す分解
斜視図である。
【図5】第1の変形例に係るフィルタの構成を示す縦断
面図である。
【図6】第2の変形例に係るフィルタの構成を示す分解
斜視図である。
【図7】第2の変形例に係るフィルタの構成を示す縦断
面図である。
【図8】第3の変形例に係るフィルタの構成を示す分解
斜視図である。
【図9】第3の変形例に係るフィルタの構成を示す縦断
面図である。
【図10】第2の実施の形態に係るフィルタの構成を示
す分解斜視図である。
【図11】第3の実施の形態に係るフィルタの構成を示
す分解斜視図である。
【図12】第4の実施の形態に係るフィルタの構成を示
す分解斜視図である。
【図13】第5の実施の形態に係るフィルタの構成を示
す分解斜視図である。
【図14】第6の実施の形態に係るフィルタの構成を示
す分解斜視図である。
【符号の説明】
10A、10Aa〜10Ac、10B〜10F…フィル
タ 12…積層体 14a…入力側の
同軸型共振器 14b…出力側の同軸型共振器 14c…中央の同
軸型共振器 16…入力端子 18…出力端子 20…アース電極 22、22a、2
2b…結合調整電極 28a、28b…張出し電極 30、30a、3
0b…結合調整電極 36a…入力側引出し電極 36b…出力側引
出し電極 40a…入力側短絡電極 40b…出力側短
絡電極 40c…中央短絡電極 54a、54b…
張出し電極 56…内層アース電極 70…入力用電極 72…出力用電極 78a、78b…
張出し電極 S1〜S11…第1〜第11の誘電体層
フロントページの続き (72)発明者 水野 和幸 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 5J006 HA04 HA15 HA17 HA18 HA25 HA35 JA01 JA17 LA11 LA28 MA03 MA07 NA03 NA04 NB07 NB08 NC03 NE13 NE14 NF02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のビア導体が形成された誘電体層が多
    数積層されて、内部に前記ビア導体の積層による複数の
    同軸型共振器が内装され、かつ、外周面に入力端子、出
    力端子及びアース電極が形成された積層体を有し、 前記積層体内における前記複数の同軸型共振器の各短絡
    側端に、前記アース電極と接続される短絡電極がそれぞ
    れ形成されていることを特徴とする積層型誘電体フィル
    タ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の積層型誘電体フィルタにお
    いて、 前記複数の短絡電極は、前記積層体の少なくとも2つの
    側面に引き出されていることを特徴とする積層型誘電体
    フィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1記載の積層型誘電体フィルタにお
    いて、 前記複数の短絡電極は、前記積層体の1つの側面に引き
    出されていることを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層
    型誘電体フィルタにおいて、 前記複数の短絡電極は、前記同軸型共振器の短絡側端か
    ら前記アース電極に向かって互いの間隔が変化するよう
    に形成されていることを特徴とする積層型誘電体フィル
    タ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層
    型誘電体フィルタにおいて、 前記積層体の表面のうち、少なくとも1つの面に前記ア
    ース電極が形成されていないことを特徴とする積層型誘
    電体フィルタ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層
    型誘電体フィルタにおいて、 前記積層体内の誘電体層上に前記複数の同軸型共振器と
    接続される張出し電極がそれぞれ形成され、 前記積層体内に、前記張出し電極に対して容量結合され
    た結合調整電極を有することを特徴とする積層型誘電体
    フィルタ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層
    型誘電体フィルタにおいて、 前記積層体内の誘電体層上において、入力側の同軸型共
    振器と接続され、かつ、前記入力端子と接続される入力
    側引出し電極と、 前記積層体内の誘電体層上において、出力側の同軸型共
    振器と接続され、かつ、前記出力端子と接続される出力
    側引出し電極とを有することを特徴とする積層型誘電体
    フィルタ。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層
    型誘電体フィルタにおいて、 前記積層体内の誘電体層上において、入力側の同軸型共
    振器に形成された入力側張出し電極と、 前記積層体内の誘電体層上において、出力側の同軸型共
    振器に形成された出力側張出し電極と、 前記入力端子に接続され、かつ、前記入力側張出し電極
    に対して容量結合された入力用電極と、 前記出力端子に接続され、かつ、前記出力側張出し電極
    に対して容量結合された出力用電極とを有することを特
    徴とする積層型誘電体フィルタ。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層
    型誘電体フィルタにおいて、 前記アース電極に接続され、かつ、前記積層体内の誘電
    体層上において前記複数の同軸型共振器の各開放側端と
    容量結合された内層アース電極を有することを特徴とす
    る積層型誘電体フィルタ。
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