JP2000151017A - 半導体レーザ素子及びその作製方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその作製方法

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JP2000151017A
JP2000151017A JP10314207A JP31420798A JP2000151017A JP 2000151017 A JP2000151017 A JP 2000151017A JP 10314207 A JP10314207 A JP 10314207A JP 31420798 A JP31420798 A JP 31420798A JP 2000151017 A JP2000151017 A JP 2000151017A
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Norihiro Iwai
則広 岩井
Tomokazu Mukohara
智一 向原
Akihiko Kasukawa
秋彦 粕川
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Al酸化層による電流狭窄構造を有し、しか
もしきい値電流が低く、量子効率が高い半導体レーザ素
子を提供する。 【解決手段】 本半導体レーザ素子20は、端面発光型
であって、n−InP基板21上に順次形成された、n
−InPクラッド層22、SCH−MQW活性層23、
下部p−InPクラッド層24、AlInAs層25、
上部p−InPクラッド層26、及びp−GaInAs
コンタクト層27からなる積層構造を備えている。積層
構造のうち、n−InPクラッド層の上層部、活性層、
下部p−InPクラッド層、AlInAs層、上部p−
InPクラッド層、及びp−GaInAsコンタクト層
は、ストライプ状リッジ33として形成されている。A
lInAs層のリッジ側面部は、AlInAs層25中
のAlが選択的に酸化されたAl酸化層28となってい
る。活性層の形成面では、活性層よりもバンドギャップ
・エネルギーの大きい半導体層として、InP埋め込み
層34が、中央領域の活性層の側縁からリッジ側面まで
連続して設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Al酸化層による
電流狭窄構造を有する半導体レーザ素子に関し、更に詳
細には、低しきい値電流、高量子効率等のレーザ特性が
良好で、製品歩留りを高くできる構成を備えた半導体レ
ーザ素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ素子では、Alを含む半導
体層を発光領域の積層構造の一部として成膜し、Alを
含む半導体層中のAlを選択的に酸化させてAl酸化層
を形成し、そのAl酸化層を電流ブロッキング層、即ち
電流狭窄構造として用いることが行われている。
【0003】ここで、図7を参照して、Al酸化層を電
流ブロッキング層として用いた従来の半導体レーザ素子
の構成を説明する。図7は従来の半導体レーザ素子の断
面模式図である。従来の半導体レーザ素子15は、端面
発光型の半導体レーザ素子であって、図7に示すよう
に、厚さ約100μm のn−InP基板1と、n−In
P基板1上に順次形成された、n−InPクラッド層
2、SCH−MQW活性層3、第一のp−InPクラッ
ド層4、p−AlInAs層5、第二のp−InPクラ
ッド層6、及びp−GaInAsコンタクト層7からな
る積層構造を備えている。積層構造のうち、第一のp−
InPクラッド層4の上層部、p−AlInAs層5、
第二のp−InPクラッド層6、及びp−GaInAs
コンタクト層7は、幅が約10μmのストライプ状リッ
ジ12として形成されている。また、p−AlInAs
層5のリッジ側面部は、Alが選択的に酸化されたAl
酸化層8となっている。
【0004】リッジ上部の窓13を除く領域上にSiN
X 膜9が保護膜として形成されている。そして、p側電
極10が、リッジ上部の窓13の領域を含めてSiNX
膜9上に、及びn側電極11がn−InP基板裏面にそ
れぞれ形成されている。
【0005】本半導体レーザ素子15では、Al酸化層
8が電気的絶縁特性を有すると共に光学的にも屈折率が
低下しているので、Al酸化膜8により電流及び光の閉
じ込めを行うことができる優れた閉じ込め構造が形成さ
れている。
【0006】次に、図8を参照して、従来の半導体レー
ザ素子15の作製方法を説明する。図8(a)から
(c)は、それぞれ、従来の半導体レーザ素子15を作
製する際の工程毎の基板断面を示す縦断面図である。先
ず、MOCVD法により、n−InP基板1上に、順
次、n−InPクラッド層2、SCH−MQW活性層
3、第一のp−InPクラッド層4、p−AlInAs
層5、第二のp−InPクラッド層6、及びp−GaI
nAsコンタクト層7を成膜して、図8(a)に示すよ
うに、積層構造を形成する。次に、SiO2膜からなる
マスク14をコンタクト層7上に形成し、続いてマスク
14を使って、コンタクト層7、第二のp−InPクラ
ッド層6、及びp−AlInAs層5をエッチングして
除去し、、更に、第一のp−InPクラッド層4をその
途中までエッチングして除去し、図8(b)に示すよう
に、幅10μmのストライプ状リッジ12を形成する。
次に、マスク14を除去し、水蒸気中にて、約500℃
の温度で150分間熱処理を施すことにより、p−Al
InAs層5のAlをリッジ側面から選択的に酸化さ
せ、図8(c)に示すように、Al酸化層8を形成す
る。
【0007】次に、リッジ上部の窓13を除く領域上に
SiNX 膜9を保護膜として形成する。続いて、n−I
nP基板1の厚さが100μm程度の厚さになるように
基板裏面を研磨し、p側電極10をリッジ上部の窓13
の領域を含めてSiNX 膜9上に、及びn側電極11を
基板裏面にそれぞれ形成する。これにより、図7に示す
半導体レーザ素子15を作製することができる。
【0008】半導体レーザ素子の上述した作製方法は、
閉じ込め構造の形成を除き、基本的には、通常のリッジ
型の端面発光型半導体レーザ素子の作製方法と同じであ
るものの、次の利点を有する。即ち、上述した作製方法
では、p−AlInAs層5を結晶成長させ、次いで酸
化させる、一回の結晶成長及び酸化工程にて、閉じ込め
構造を形成することができるので、p−半導体層とn−
半導体層とを成膜して、リッジ構造を埋め込み、p−n
接合分離により形成した通常の閉じ込め構造の形成方法
に比べて、製造工程が簡単で、素子の歩留まり向上や低
コスト化が期待できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Al酸化層に
よる閉じ込め構造を有する上述した従来の半導体レーザ
素子は、活性層を含むメサを埋め込むBH型構造を有す
る半導体レーザ素子に比べて、しきい値電流が高く、ま
た量子効率が低いという問題があった。
【0010】そこで、本発明の目的は、Al酸化層によ
る電流狭窄構造を有し、しかもしきい値電流が低く、量
子効率が高い半導体レーザ素子を提供し、その作製方法
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、Al酸化層
による閉じ込め構造を有する、上述の従来の端面発光型
の半導体レーザ素子で、しきい値電流が高くなる原因を
追求した結果、次のことが判った。すなわち、一般的な
リッジ導波路型レーザを含めて、上述のようなリッジ構
造を有する半導体レーザ素子では、図9に示すように、
活性層3がリッジ幅全幅にわたり連続して延在している
ものの、発光領域16は、閉じ込め層の電気的開口部1
8(p−AlInAs層5)から矢印のように広がって
外側領域17に注入された領域、すなわち、活性層3の
中央領域にのみある。そして、発光領域16の両脇にあ
る外側領域17の半導体層の組成は発光領域と同じ組成
であることから、当然のこととして、光吸収が外側領域
17で発生し、光損失(α)が生じる。この光損失によ
り、しきい値電流が高くなり、また量子効率が低下する
ということが判った。
【0012】そこで、本発明者は、活性層よりもバンド
ギャップ・エネルギーの大きい半導体層、即ち光吸収を
行わない透明な半導体層で活性層3の発光領域16の外
側領域17を構成することにした。そして、これによ
り、Al酸化層による閉じ込め構造を有し、しかも活性
層脇で光吸収が生じない構成を備え、従来の作製方法と
比べて作製工程を増やすことなく作製できる半導体レー
ザ素子を実現することにした。
【0013】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づいて、本発明に係る半導体レーザ素子は、活性層
と、Alを含む半導体層のAlを選択的に酸化させてな
るAl酸化層によって、活性層の少なくとも一方の側に
形成された閉じ込め構造とを有し、ストライプ状リッジ
形又はメサポスト形に形成された積層構造を半導体基板
上に有する半導体レーザ素子において、活性層の形成面
では、活性層よりもバンドギャップ・エネルギーの大き
い半導体層が、形成面の中央領域に設けられた活性層の
側縁からリッジ側面又はメサポスト側面まで活性層に連
続して設けられていることを特徴としている。
【0014】本発明で、閉じ込め構造は、活性層のいず
れの側、即ち活性層の半導体基板側又は半導体基板と反
対側にあっても、また、その双方にあっても良い。活性
層よりもバンドギャップ・エネルギーの大きい半導体層
は、活性層よりバンドギャップ・エネルギーが大きく、
かつ、半導体基板と格子整合する限りその種類を問わな
いが、好適には、バンドギャップ・エネルギーが活性層
より少なくとも100meV以上の大きな半導体層、例
えばクラッド層と同じ組成の半導体による埋め込み層に
する。
【0015】本発明に係る半導体レーザ素子を作製する
方法は、半導体基板上に、少なくとも、下部クラッド
層、活性層、上部クラッド層、及び、Alを含む半導体
層を結晶成長させて積層構造を形成する工程と、積層構
造をストライプ状リッジ形又はメサポスト形に加工する
工程と、熱処理を施して、Alを含む半導体層を酸化さ
せ、Al酸化層を生成する工程と、活性層をリッジ側面
又はメサポスト側面からエッチングして、中央領域に活
性層を残すと共に、活性層の側縁からリッジ側面又はメ
サポスト側面まで活性層の膜厚と同じか又は幅広の溝を
積層構造に形成する工程と、活性層よりもバンドギャッ
プ・エネルギーの大きい半導体で溝を埋め込む工程とを
備えていることを特徴としている。
【0016】本発明方法では、活性層のエッチングは、
ウエットエッチング法、例えば硫酸系のエッチング液を
使ってエッチングする。溝を埋め込む手法には制約はな
く、通常のエピタキシャル成長法により溝を埋め込むこ
とができるが、好適には、溝をバンドギャップ・エネル
ギーの大きい半導体で埋め込む工程では、マストランス
ポートにより溝を埋め込む。ここで、マストランスポー
トとは、P(リン)雰囲気下で熱処理を施すことによ
り、両側のクラッド層の結晶を溝内に移動されて溝を埋
め込む手法を言う。
【0017】また、本発明に係る半導体レーザ素子を作
製する方法では、熱処理を施すことにより、Alを含む
半導体層を酸化させるとともに、同時に、マストランス
ポートにより、溝を埋め込むようにすることもできる。
その際には、本発明に係る半導体レーザ素子を作製する
方法は、半導体基板上に、少なくとも、下部クラッド
層、活性層、上部クラッド層、及び、Alを含む半導体
層を結晶成長させて積層構造を形成する工程と、積層構
造をストライプ状リッジ形又はメサポスト形に加工する
工程と、活性層をリッジ側面又はメサポスト側面からエ
ッチングして、中央領域に活性層を残すと共に、活性層
の側縁からリッジ側面又はメサポスト側面まで活性層の
膜厚と同じか又は幅広の溝を積層構造に形成する工程
と、熱処理を施して、Alを含む半導体層を酸化させA
l酸化層を生成すると共に、マストランスポートにより
活性層よりもバンドギャップ・エネルギーの大きい半導
体で溝を埋め込む工程とを備えていることを特徴として
いる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。実施形態例1 本実施形態例は、n−InP基板上に形成された半導体
レーザ素子に、本発明に係る半導体レーザ素子を適用し
た実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の半導
体レーザ素子の積層構造を示す断面図である。本実施形
態例の半導体レーザ素子20は、端面発光型の半導体レ
ーザ素子であって、図1に示すように、厚さ約100μ
m のn−InP基板21と、n−InP基板21上に順
次形成された、n−InPクラッド層22、SCH−M
QW活性層23、第一のp−InPクラッド層24、p
−AlInAs層25、第二のp−InPクラッド層2
6、及びp−GaInAsコンタクト層27からなる積
層構造を備えている。
【0019】積層構造のうち、n−InPクラッド層2
2の上層部、活性層23、第一のp−InPクラッド層
24、p−AlInAs層25、第二のp−InPクラ
ッド層26、及びp−GaInAsコンタクト層27
は、幅が約10μmのストライプ状リッジ33として形
成されている。また、p−AlInAs層25のリッジ
側面部は、p−AlInAs層25中のAlが選択的に
酸化されたAl酸化層28となっている。活性層23の
形成面では、活性層23よりもバンドギャップ・エネル
ギーの大きい半導体層として、InP埋め込み層34
が、中央領域の活性層23の側縁からリッジ側面まで連
続して設けられている。
【0020】リッジ上部の窓30を除く領域上にSiN
X 膜29が保護膜として形成されている。そして、p側
電極31が、リッジ上部の窓30の領域を含めてSiN
X 膜29上に、及びn側電極32がn−InP基板21
の裏面にそれぞれ形成されている。
【0021】図2及び図3を参照して、本実施形態例の
半導体レーザ素子の作製方法を示す。図2(a)から
(c)及び図3(d)、(e)は、それぞれ、本実施形
態例の半導体レーザ素子を作製する際の工程毎の積層構
造を示す基板断面図である。先ず、n−InP基板21
上に、MOCVD法により、順次、n−InPクラッド
層22、SCH−MQW活性層23、第一のp−InP
クラッド層24、p−AlInAs層25、第二のp−
InPクラッド層26、及び、p−GaInAsコンタ
クト層27を成膜して、図2(a)に示すように、積層
構造を形成する。
【0022】次に、コンタクト層27上にSiO2膜を
成膜し、パターニングしてストライプ状のマスク35を
形成する。続いて、マスク35を使って、コンタクト層
27、第二のp−InPクラッド層26、p−AlIn
As層25、第一のp−InPクラッド層24、活性層
23をエッチングして除去し、更にn−InPクラッド
層22をその途中までをエッチングして除去し、図2
(b)に示すように、幅Wが10μmのストライプ状リ
ッジ33を形成する。
【0023】次に、水蒸気中にて約450℃から520
℃の温度で150分間熱処理を施すことにより、図2
(c)に示すように、p−AlInAs層25をリッジ
33の側面から酸化させ、中央領域に幅Waのp−Al
InAs層25を残留させつつ、その外側のAlInA
s層のAlを選択に酸化してAl酸化層28を形成す
る。
【0024】次いで、硫酸系のエッチング液にて活性層
23を側面からエッチングして、図3(d)に示すよう
に、中央領域に幅Wl の活性層23を残すと共に、活性
層23の側縁からリッジ側面まで活性層23の膜厚と同
じ溝幅の溝36を形成する。
【0025】続いて、PH3 雰囲気中にて熱処理を積層
構造に施すことにより、上下のInPクラッド層22、
24からInP結晶のマストランスポートが起こり、図
3(e)に示すように、活性層23の両脇の溝36をI
nP埋め込み層34で埋め込む。そして、活性層23で
はp−AlInAs層25の開口幅Waよりも電流が広
がるので、活性層23の幅をWl 、p−AlInAs層
25の開口幅をWaとしたとき、これを考慮して、Wl
>Waとすることが望ましい。尚、電流の広がり量は、
p−InPクラッド層24の厚さと電気抵抗率でほぼ決
まる。
【0026】次に、図1に示すように、リッジ上部を除
く領域にSiNx膜29を形成する。更に、n−InP
基板21を100μm程度の厚さに研磨し、SiNx膜
29上にp型電極31、n−InP基板21の裏面にn
側電極32をそれぞれ形成する。これにより、図1に示
す本実施形態例の半導体レーザ素子20を作製すること
ができる。
【0027】本実施形態例の半導体レーザ素子では、活
性層23の形成面では、活性層23からなる発光領域以
外の部分が、バンドギャップ・エネルギーの大きい半導
体層、即ちレーザ発振光に対して透明なInP層34で
置き換えられているので、従来の半導体レーザ素子で問
題となっていた光吸収が生じない。即ち、作製工程を複
雑化することなしに、従来の半導体レーザ素子に比べ
て、しきい値電流が低く、量子効率の高い半導体レーザ
素子を作製することができる。尚、本実施形態例では、
マストランスポートの工程を独立して設けて行ったが、
工程を簡略化するために、AlInAs層の酸化処理す
る際の熱処理と同時に行っても良い。この時には、活性
層のエッチング、すなわち溝36の形成はリッジ33を
形成した後に行う。そして、酸化工程では、前記基板上
にフェイス・ツウ・フェイス(Face to Face)にして、
他のInP基板をダミー基板として被せることにより、
熱処理時に前記ダミー基板からpが抜けるので、p圧を
かけることができ、マストランスポートを生じさせるこ
とができる。
【0028】実施形態例2 本実施形態例は、p−InP基板上に形成された半導体
レーザ素子に、本発明に係る半導体レーザ素子を適用し
た実施形態の一例であって、図4は本実施形態例の半導
体レーザ素子の積層構造を示す断面図である。本実施形
態例の半導体レーザ素子40は、端面発光型の半導体レ
ーザ素子であって、図1に示すように、厚さ約100μ
m のpーInP基板41と、pーInP基板41上に順
次形成された、第一のp−InPクラッド層42、p−
AlInAs層43、第二のp−InPクラッド層4
4、SCH−MQW活性層45、n−InPクラッド層
46、及びn−GaInAsコンタクト層47からなる
積層構造を備えている。
【0029】積層構造のうち、第一のp−InPクラッ
ド層42の上層部、p−AlInAs層43、第二のp
−InPクラッド層44、活性層45、n−InPクラ
ッド層46、及びn−GaInAsコンタクト層47
は、幅が約10μmのストライプ状リッジ53として形
成されている。また、p−AlInAs層43のリッジ
側面部は、p−AlInAs層43中のAlが選択的に
酸化されたAl酸化層48となっている。活性層45の
形成面では、活性層45よりもバンドギャップ・エネル
ギーの大きい半導体層として、InP埋め込み層54
が、中央領域の活性層45の側縁からリッジ側面まで連
続して設けられている。
【0030】リッジ上部の窓50を除く領域上にSiN
X 膜49が保護膜として形成されている。そして、p側
電極51がリッジ上部の窓50の領域を含めてSiNX
膜49上に、及びn側電極52がpーInP基板41の
裏面にそれぞれ形成されている。
【0031】図5及び図6を参照して、本実施形態例の
半導体レーザ素子の作製方法を示す。図5(a)から
(c)及び図6(d)、(e)は、それぞれ、本実施形
態例の半導体レーザ素子を作製する際の工程毎の積層構
造を示す基板断面図である。先ず、pーInP基板41
上に、MOCVD法により、順次、第一のp−InPク
ラッド層42、p−AlInAs層43、第二のp−I
nPクラッド層44、SCH−MQW活性層45、n−
InPクラッド層46、及び、n−GaInAsコンタ
クト層47を成膜して、図5(a)に示すように、積層
構造を形成する。
【0032】次に、コンタクト層47上にSiO2膜を
成膜し、パターニングしてストライプ状のマスク55を
形成する。続いて、マスク55を使って、コンタクト層
47、n−InPクラッド層46、活性層45、第二の
p−InPクラッド層44、p−AlInAs層43を
エッチングして除去し、更に第一のp−InPクラッド
層42をその途中までエッチングして除去し、図5
(b)に示すように、幅Wが10μmのストライプ状リ
ッジ53を形成する。
【0033】次に、水蒸気中にて約450℃から520
℃の温度で150分間熱処理を施すことにより、図5
(c)に示すように、p−AlInAs層43をリッジ
53の側面から酸化させ、中央領域に幅Waのp−Al
InAs層43を残留させつつ、その外側のAlInA
s層のAlを選択に酸化してAl酸化層48を形成す
る。
【0034】次いで、硫酸系のエッチング液にて活性層
45を側面からエッチングして、図6(d)に示すよう
に、中央領域に幅Wl の活性層45を残すと共に、活性
層45の側縁からリッジ側面まで活性層45の膜厚と同
じ溝幅の溝56を形成する。
【0035】続いて、PH3 雰囲気中にて熱処理を積層
構造に施すことにより、上下InPクラッド層44、4
6からInP結晶のマストランスポートが起こり、図6
(e)に示すように、活性層45の両脇の溝56をIn
P埋め込み層54で埋め込む。そして、活性層45で
は、p−AlInAs層43の開口幅Waよりも電流が
広がるので、活性層45の幅をWl 、p−AlInAs
層43の開口幅をWaとしたとき、これを考慮して、W
l >Waとすることが望ましい。尚、電流の広がり量
は、p−InPクラッド層44の厚さと抵抗率でほぼ決
まる。
【0036】次に、図4に示すように、リッジ上部を除
く領域にSiNx膜49を形成する。更に、pーInP
基板41を100μm程度の厚さに研磨し、SiNx膜
49上にp型電極51、pーInP基板41の裏面にn
側電極52をそれぞれ形成する。これにより、図4に示
す本実施形態例の半導体レーザ素子40を作製すること
ができる。
【0037】本実施形態例の半導体レーザ素子では、活
性層45の形成面では、活性層45からなる発光領域以
外の部分が、バンドギャップ・エネルギーの大きい半導
体層、即ちレーザ発振光に対して透明なInP層54で
置き換えられているので、従来の半導体レーザ素子で問
題となっていた光吸収が生じない。即ち、作製工程を複
雑化することなしに、従来の半導体レーザ素子に比べ
て、しきい値電流が低く、量子効率が高い半導体レーザ
素子を実現することができる。尚、本実施形態例では、
マストランスポートの工程を独立して設けて行ったが、
工程を簡略化するために、酸化処理の熱処理と同時に行
っても良い。この時には、活性層のエッチング、すなわ
ち溝36の形成は、リッジ33を形成した後に行う。そ
して、酸化工程では、前記基板上にフェイス・ツウ・フ
ェイス(Face to Face)にして、他のInP基板をダミ
ー基板として被せることにより、熱処理時に前記ダミー
基板からpが抜けるので、p圧をかけることができ、マ
ストランスポートを生じさせることができる。
【0038】上述の実施形態例では、リッジを有する端
面発光型半導体レーザ素子を例にして説明しているが、
メサポストを有する面発光型半導体レーザ素子に適用す
る際には、リッジ形に加工することに代えて、メサポス
ト形に加工すれば良い。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、中央領域に設けられた
活性層の側縁からリッジ側面又はメサポスト側面まで活
性層に連続して、活性層よりもバンドギャップ・エネル
ギーの大きい半導体層を設けて、発光領域脇で光吸収が
生じないようにすることにより、しきい値電流が低く、
量子効率の高い半導体レーザ素子を実現している。ま
た、本発明方法は、Al酸化層による閉じ込め構造を有
し、しかもレーザ特性の良好な半導体レーザ素子を、作
製工程を複雑化させることなしに、作製する方法を実現
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の半導体レーザ素子の積層構造を
示す断面図である。
【図2】図2(a)から(c)は、それぞれ、実施形態
例1の半導体レーザ素子を作製する際の工程毎の積層構
造を示す基板断面図である。
【図3】図3(d)、(e)は、それぞれ、図2(c)
に続いて、実施形態例1の半導体レーザ素子を作製する
際の工程毎の積層構造を示す基板断面図である。
【図4】実施形態例2の半導体レーザ素子の積層構造を
示す断面図である。
【図5】図5(a)から(c)は、それぞれ、実施形態
例2の半導体レーザ素子を作製する際の工程毎の積層構
造を示す基板断面図である。
【図6】図6(d)、(e)は、それぞれ、図5(c)
に続いて、実施形態例1の半導体レーザ素子を作製する
際の工程毎の積層構造を示す基板断面図である。
【図7】従来の面発光型半導体レーザ素子の積層構造を
示す断面図である。
【図8】図8(a)から(c)は、それぞれ、従来の面
発光型レーザ素子を作製する際の工程毎の積層構造を示
す基板断面図である。
【図9】従来の端面発光型の半導体レーザ素子で、しき
い値電流が高くなる原因を説明する図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板 2 n−InPクラッド層 3 活性層 4 第一のp−InPクラッド層 5 AlInAs層 6 第二のp−InPクラッド層 7 p−GaInAsコンタクト層 8 Al酸化層 9 SiNX 膜 10 p側電極 11 n側電極 12 リッジ 13 窓 14 マスク 15 従来のInP系の端面発光型半導体レーザ素子 20 実施形態例1の半導体レーザ素子 21 n−InP基板 22 n−InPクラッド層 23 SCH−MQW活性層 24 第一のp−InPクラッド層 25 p−AlInAs層 26 第二のp−InPクラッド層 27 p−GaInAsコンタクト層 28 Al酸化層 29 SiNX 膜 30 窓 31 p側電極 32 n側電極 33 リッジ 34 InP埋め込み層 35 マスク 36 溝 40 実施形態例2の半導体レーザ素子 41 p−InP基板 42 第一のp−InPクラッド層 43 p−AlInAs層 44 第二のp−InPクラッド層 45 SCH−MQW活性層 46 n−InPクラッド層 47 n−GaInAsコンタクト層 48 Al酸化層 49 SiNX 膜 50 窓 51 n側電極 52 p側電極 53 リッジ 54 InP埋め込み層 55 マスク
フロントページの続き (72)発明者 粕川 秋彦 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA03 AA13 AA43 AA74 AB17 CA12 DA22 DA27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層と、Alを含む半導体層のAlを
    選択的に酸化させてなるAl酸化層によって、活性層の
    少なくとも一方の側に形成された閉じ込め構造とを有
    し、ストライプ状リッジ形又はメサポスト形に形成され
    た積層構造を半導体基板上に有する半導体レーザ素子に
    おいて、 活性層の形成面では、活性層よりもバンドギャップ・エ
    ネルギーの大きい半導体層が、形成面の中央領域に設け
    られた活性層の側縁からリッジ側面又はメサポスト側面
    まで活性層に連続して設けられていることを特徴とする
    半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 形成面の中央領域に設けられた活性層の
    横断寸法は、閉じ込め構造の電気的開口部の横断寸法よ
    り大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体レー
    ザ素子。
  3. 【請求項3】 活性層と、Alを含む半導体層のAlを
    選択的に酸化させてなるAl酸化層によって、活性層の
    少なくとも一方の側に形成された閉じ込め構造とを有
    し、ストライプ状リッジ形又はメサポスト形に形成され
    た積層構造を半導体基板上に有する半導体レーザ素子の
    作製方法であって、 半導体基板上に、少なくとも、下部クラッド層、活性
    層、上部クラッド層、及び、Alを含む半導体層を結晶
    成長させて積層構造を形成する工程と、 積層構造をストライプ状リッジ形又はメサポスト形に加
    工する工程と、 熱処理を施して、Alを含む半導体層を酸化させ、Al
    酸化層を生成する工程と、 活性層をリッジ側面又はメサポスト側面からエッチング
    して、中央領域に活性層を残すと共に、活性層の側縁か
    らリッジ側面又はメサポスト側面まで活性層の膜厚と同
    じか又は幅広の溝を積層構造に形成する工程と、 活性層よりもバンドギャップ・エネルギーの大きい半導
    体で溝を埋め込む工程とを備えていることを特徴とする
    半導体レーザ素子の作製方法。
  4. 【請求項4】 バンドギャップ・エネルギーの大きい半
    導体で溝を埋め込む工程が、マストランスポートにより
    行うことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ素
    子の作製方法。
  5. 【請求項5】 活性層と、Alを含む半導体層のAlを
    選択的に酸化させてなるAl酸化層によって、活性層の
    少なくとも一方の側に形成された閉じ込め構造とを有
    し、ストライプ状リッジ形又はメサポスト形に形成され
    た積層構造を半導体基板上に有する半導体レーザ素子の
    作製方法であって、 半導体基板上に、少なくとも、下部クラッド層、活性
    層、上部クラッド層、及び、Alを含む半導体層を結晶
    成長させて積層構造を形成する工程と、 積層構造をストライプ状リッジ形又はメサポスト形に加
    工する工程と、 活性層をリッジ側面又はメサポスト側面からエッチング
    して、中央領域に活性層を残すと共に、活性層の側縁か
    らリッジ側面又はメサポスト側面まで活性層の膜厚と同
    じか又は幅広の溝を積層構造に形成する工程と、 熱処理を施して、Alを含む半導体層を酸化させAl酸
    化層を生成すると共に、マストランスポートにより活性
    層よりもバンドギャップ・エネルギーの大きい半導体で
    溝を埋め込む工程とを備えていることを特徴とする半導
    体レーザ素子の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004341092A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Furukawa Electric Co Ltd:The 電界吸収型光変調器、電界吸収型光変調器付き半導体集積素子、それらを用いたモジュール及び電界吸収型光変調器付き半導体集積素子の製造方法
CN105048283A (zh) * 2015-07-30 2015-11-11 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 高功率共面电极泄露波激光器

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