JP2000150933A - 太陽電池吸収層及びそれに用いられる合金材料の製造方法 - Google Patents
太陽電池吸収層及びそれに用いられる合金材料の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 均一で目的とする化学量論組成を容易に達成
することができ、高速で安価に太陽電池吸収層を作製す
る。 【解決手段】 カルコパイライト系化合物を構成する元
素(Cu,In,Se)を含む原料金属を加熱溶解し、
この加熱溶解された原料金属を金属ロール11上に滴下
して急冷凝固させることによりリボン状の合金材料15
を作製する。このリボン状の合金材料15を使用してカ
ルコパイライト系太陽電池の吸収層を形成する。
することができ、高速で安価に太陽電池吸収層を作製す
る。 【解決手段】 カルコパイライト系化合物を構成する元
素(Cu,In,Se)を含む原料金属を加熱溶解し、
この加熱溶解された原料金属を金属ロール11上に滴下
して急冷凝固させることによりリボン状の合金材料15
を作製する。このリボン状の合金材料15を使用してカ
ルコパイライト系太陽電池の吸収層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルコパイライト
系の太陽電池の製造方法に関し、特に太陽電池吸収層及
びそれに用いられる合金材料の製造方法に関する。
系の太陽電池の製造方法に関し、特に太陽電池吸収層及
びそれに用いられる合金材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルコパイライト系太陽電池では、吸収
層としてカルコパイライト化合物薄膜が用いられるが、
この種のカルコパイライト化合物として、以下の組成の
ものが知られている。
層としてカルコパイライト化合物薄膜が用いられるが、
この種のカルコパイライト化合物として、以下の組成の
ものが知られている。
【0003】
【化1】Cu(Inx,Ga(1-x))(Sey,S(1-y))2 x
=0〜1,y=0〜1
=0〜1,y=0〜1
【0004】このカルコパイライト化合物薄膜は、CI
GS膜と呼ばれるもので、現在、真空蒸着法がほぼ実用
段階で、他にスパッタ法、メッキ法、印刷法等が提案さ
れている。これらの製造方法によってカルコパイライト
化合物薄膜を金属基板又はガラス基板の上に形成する場
合、加熱によってカルコゲナイト元素(Se,S)が抜
けやすい。このため、これらの成膜法で一旦、カルコゲ
ン過少の、
GS膜と呼ばれるもので、現在、真空蒸着法がほぼ実用
段階で、他にスパッタ法、メッキ法、印刷法等が提案さ
れている。これらの製造方法によってカルコパイライト
化合物薄膜を金属基板又はガラス基板の上に形成する場
合、加熱によってカルコゲナイト元素(Se,S)が抜
けやすい。このため、これらの成膜法で一旦、カルコゲ
ン過少の、
【0005】
【化2】Cu(Inx,Ga(1-x))(Sey,S(1-y))
2(1-z) x,y,z=0〜1
2(1-z) x,y,z=0〜1
【0006】で示される組成の前駆膜(プリカーサ)を
成膜した後、Se又はSの蒸気雰囲気中で400〜60
0℃の温度で1〜数時間程度の熱処理を行うようことに
より、結晶粒を成長させ、太陽電池の吸収層として適し
た化学量論比組成を満たす結晶粒の大きな膜(〜数μ
m)を得るようにしている。
成膜した後、Se又はSの蒸気雰囲気中で400〜60
0℃の温度で1〜数時間程度の熱処理を行うようことに
より、結晶粒を成長させ、太陽電池の吸収層として適し
た化学量論比組成を満たす結晶粒の大きな膜(〜数μ
m)を得るようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の太陽電池吸収層の製造方法のうち、真空蒸着
法、スパッタ法及びメッキ法では、成膜速度が非常に遅
く、大量に成膜する場合、大がかりな設備が必要とな
り、そのためランニングコストも高くなるという問題が
ある。また、従来の方式では、印刷法も含めて膜の組成
・膜厚制御が難しく、成膜後の組織が相分離したり、偏
析が起こりやすいため、均一な組成・膜厚の前駆膜を形
成するのが困難であった。
た従来の太陽電池吸収層の製造方法のうち、真空蒸着
法、スパッタ法及びメッキ法では、成膜速度が非常に遅
く、大量に成膜する場合、大がかりな設備が必要とな
り、そのためランニングコストも高くなるという問題が
ある。また、従来の方式では、印刷法も含めて膜の組成
・膜厚制御が難しく、成膜後の組織が相分離したり、偏
析が起こりやすいため、均一な組成・膜厚の前駆膜を形
成するのが困難であった。
【0008】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、均一で目的とする化学量論組成を容易に達成する
ことができ、高速で安価に太陽電池吸収層を作製するこ
とができる太陽電池吸収層及びそれに用いられる合金材
料の製造方法を提供することを目的とする。
ので、均一で目的とする化学量論組成を容易に達成する
ことができ、高速で安価に太陽電池吸収層を作製するこ
とができる太陽電池吸収層及びそれに用いられる合金材
料の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る太陽電池吸
収層用合金材料の製造方法は、カルコパイライト系化合
物を構成する元素を含む原料金属を加熱溶解し、この加
熱溶解された原料金属を急冷凝固させることにより、カ
ルコパイライト系太陽電池の吸収層として使用されるリ
ボン状の合金材料を作製するようにしたことを特徴とす
る。
収層用合金材料の製造方法は、カルコパイライト系化合
物を構成する元素を含む原料金属を加熱溶解し、この加
熱溶解された原料金属を急冷凝固させることにより、カ
ルコパイライト系太陽電池の吸収層として使用されるリ
ボン状の合金材料を作製するようにしたことを特徴とす
る。
【0010】本発明に係る第1の太陽電池吸収層の製造
方法は、カルコパイライト系化合物を構成する元素を含
む原料金属を加熱溶解し、この加熱溶解された原料金属
を急冷凝固させることによりリボン状の合金材料を作製
し、このリボン状の合金材料を使用してカルコパイライ
ト系太陽電池の吸収層を形成するようにしたことを特徴
とする。
方法は、カルコパイライト系化合物を構成する元素を含
む原料金属を加熱溶解し、この加熱溶解された原料金属
を急冷凝固させることによりリボン状の合金材料を作製
し、このリボン状の合金材料を使用してカルコパイライ
ト系太陽電池の吸収層を形成するようにしたことを特徴
とする。
【0011】なお、上記原料金属を急冷凝固させる方法
としては、例えば原料金属の溶湯を金属ロール上に滴下
する方法、即ちアモルファス合金を得るために一般的に
用いられるドラム式急冷装置を使用した方法を用いるこ
とができる。また、本発明の効果を得るための急冷速度
としては、後述するように105K/sec以上である
ことが望ましい。
としては、例えば原料金属の溶湯を金属ロール上に滴下
する方法、即ちアモルファス合金を得るために一般的に
用いられるドラム式急冷装置を使用した方法を用いるこ
とができる。また、本発明の効果を得るための急冷速度
としては、後述するように105K/sec以上である
ことが望ましい。
【0012】この発明によれば、カルコパイライト系太
陽電池の吸収層を、ドラム式急冷法のような方法を使用
して作製することができるため、成膜速度を高速化する
ことができ、均一な厚みで大面積の成膜も可能になる。
また、この方法によれば、目的とする組成が再現性よく
得られ、組織が均一で相分離が起こらない。
陽電池の吸収層を、ドラム式急冷法のような方法を使用
して作製することができるため、成膜速度を高速化する
ことができ、均一な厚みで大面積の成膜も可能になる。
また、この方法によれば、目的とする組成が再現性よく
得られ、組織が均一で相分離が起こらない。
【0013】本発明に係る第2の太陽電池吸収層の製造
方法は、カルコパイライト系化合物を構成する元素を含
む原料金属を加熱溶解し、この加熱溶解された原料金属
を金属ロール上に滴下して急冷凝固させることによりリ
ボン状の合金材料を作製し、このリボン状の合金材料を
粉砕し、溶剤と練り合わすことにより合金ペーストを作
製し、この合金ペーストを基板上に塗布焼結することに
よりカルコパイライト系太陽電池の吸収層を形成するよ
うにしたことを特徴とする。
方法は、カルコパイライト系化合物を構成する元素を含
む原料金属を加熱溶解し、この加熱溶解された原料金属
を金属ロール上に滴下して急冷凝固させることによりリ
ボン状の合金材料を作製し、このリボン状の合金材料を
粉砕し、溶剤と練り合わすことにより合金ペーストを作
製し、この合金ペーストを基板上に塗布焼結することに
よりカルコパイライト系太陽電池の吸収層を形成するよ
うにしたことを特徴とする。
【0014】この発明によれば、前述したような合金材
料から合金ペーストが作製され、この合金ペーストを基
板上に塗布焼結することにより吸収層が形成されるの
で、前述した合金材料の持つ効果に加え、安価で高速に
製造できる印刷法による吸収層の形成が可能になり、太
陽電池の大量生産が容易になる。
料から合金ペーストが作製され、この合金ペーストを基
板上に塗布焼結することにより吸収層が形成されるの
で、前述した合金材料の持つ効果に加え、安価で高速に
製造できる印刷法による吸収層の形成が可能になり、太
陽電池の大量生産が容易になる。
【0015】なお、リボン状合金材料の粉砕は、乳鉢や
ボールミルを用いて行うことができる。粉末の粒径は、
5μm以下とすることが望ましい。5μm以上である
と、膜厚が大きくなり、また、緻密な膜が得られないか
らである。
ボールミルを用いて行うことができる。粉末の粒径は、
5μm以下とすることが望ましい。5μm以上である
と、膜厚が大きくなり、また、緻密な膜が得られないか
らである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の好ましい実施の形態について説明する。図1は、カル
コパイライト系太陽電池の代表的構造を示している。ソ
ーダライムガラス等からなるガラス基板1の上に、Mo
電極2がスパッタ法によって形成され、更にその上にカ
ルコパイライト化合物薄膜からなる吸収層3が形成され
る。次に吸収層3との間でpn接合を形成すべくCdS
からなるバッファ層4が形成される。続いて、ZnO膜
からなる窓層5、ITO(酸化インジウム錫)膜からな
る透明電極6及びAl電極7が、スパッタ法によって順
次形成される。本発明では、上述したカルコパイライト
の吸収層3を、次の各方法によって作製する。
の好ましい実施の形態について説明する。図1は、カル
コパイライト系太陽電池の代表的構造を示している。ソ
ーダライムガラス等からなるガラス基板1の上に、Mo
電極2がスパッタ法によって形成され、更にその上にカ
ルコパイライト化合物薄膜からなる吸収層3が形成され
る。次に吸収層3との間でpn接合を形成すべくCdS
からなるバッファ層4が形成される。続いて、ZnO膜
からなる窓層5、ITO(酸化インジウム錫)膜からな
る透明電極6及びAl電極7が、スパッタ法によって順
次形成される。本発明では、上述したカルコパイライト
の吸収層3を、次の各方法によって作製する。
【0017】実施例1 図2に示すような単ロール法の溶液急冷装置を用いて本
発明を実施した。装置は、厚さ15mm、直径20cm
のCu製冷却ロール11を持つ単ロール式溶液急冷装置
を使用した。ロール11の表面は十分に研磨を行った
後、Ar雰囲気で置換をした。るつぼ12のノズル13
は石英製で、0.5mm径の単孔式のものを用いた。
発明を実施した。装置は、厚さ15mm、直径20cm
のCu製冷却ロール11を持つ単ロール式溶液急冷装置
を使用した。ロール11の表面は十分に研磨を行った
後、Ar雰囲気で置換をした。るつぼ12のノズル13
は石英製で、0.5mm径の単孔式のものを用いた。
【0018】使用するインゴットとして、各原料金属を
Cu:In:Se=1:1:2(各融点Cu:1083
℃,In:157℃,Se:221℃)となるよう密閉
容器に封入し溶解後、空冷して作成したものを用意し
た。このインゴットをるつぼ12内に投入し、高周波誘
導加熱装置14を用いてAr雰囲気内でCuInSe2
の融点(986℃)以上の約1200℃まで加熱した。
その後、るつぼ12内のArガスの圧力をロール11の
周囲のAr圧力+0.5atmに加圧して溶湯をCuロ
ール11上に滴下し急冷凝固を行うことにより、リボン
状の太陽電池吸収層の前駆膜(プリカーサ)15を作製
した。このときのロールの回転速度は、500rpmに
設定した。また、実験開始前には、ロール11の温度を
25±1℃に設定した。
Cu:In:Se=1:1:2(各融点Cu:1083
℃,In:157℃,Se:221℃)となるよう密閉
容器に封入し溶解後、空冷して作成したものを用意し
た。このインゴットをるつぼ12内に投入し、高周波誘
導加熱装置14を用いてAr雰囲気内でCuInSe2
の融点(986℃)以上の約1200℃まで加熱した。
その後、るつぼ12内のArガスの圧力をロール11の
周囲のAr圧力+0.5atmに加圧して溶湯をCuロ
ール11上に滴下し急冷凝固を行うことにより、リボン
状の太陽電池吸収層の前駆膜(プリカーサ)15を作製
した。このときのロールの回転速度は、500rpmに
設定した。また、実験開始前には、ロール11の温度を
25±1℃に設定した。
【0019】実施例2 ロール11の回転速度を5000rpmとした以外の条
件は実施例1と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を作
製した。
件は実施例1と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を作
製した。
【0020】実施例3 ロール11の回転速度を10000rpmとした以外の
条件は実施例1と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を
作製した。
条件は実施例1と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を
作製した。
【0021】実施例4 原料金属をCu:In:Ga:S=1:0.5:0.
5:2としたCuIn0. 5Ga0.5S2について、実施例
1と同様の条件で前駆膜を作製した。
5:2としたCuIn0. 5Ga0.5S2について、実施例
1と同様の条件で前駆膜を作製した。
【0022】実施例5 ロール1の回転速度を5000rpmとした以外の条件
は実施例4と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を作製
した。
は実施例4と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を作製
した。
【0023】実施例6 ロール1の回転速度を10000rpmとした以外の条
件は実施例4と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を作
製した。
件は実施例4と同じにして太陽電池吸収層の前駆膜を作
製した。
【0024】比較例1〜6 比較例として、原料金属CuInSe2のインゴットを
るつぼ12内で自然冷却させて原料プレキャストを作製
した(比較例1)。同じくるつぼ12内で強制冷却させ
て原料プレキャストを作製した(比較例2)。同じくロ
ール11の回転速度を50rpmとして溶湯急冷法によ
り前駆膜を作成した(比較例3)。更に、原料金属をC
uIn0.5Ga0.5S2に変えて、比較例1〜3と同様の
条件にて原料プレキャスト又は前駆膜を作製した(比較
例4〜6)。以上の実施例1〜6及び比較例1〜6で作
製された前駆膜又は前駆鋳造物が太陽電池の吸収層とし
て機能するかどうかを、前駆膜又は前駆鋳造物に含まれ
るカルコゲンの濃度によって評価した。その結果を下記
表1に示す。
るつぼ12内で自然冷却させて原料プレキャストを作製
した(比較例1)。同じくるつぼ12内で強制冷却させ
て原料プレキャストを作製した(比較例2)。同じくロ
ール11の回転速度を50rpmとして溶湯急冷法によ
り前駆膜を作成した(比較例3)。更に、原料金属をC
uIn0.5Ga0.5S2に変えて、比較例1〜3と同様の
条件にて原料プレキャスト又は前駆膜を作製した(比較
例4〜6)。以上の実施例1〜6及び比較例1〜6で作
製された前駆膜又は前駆鋳造物が太陽電池の吸収層とし
て機能するかどうかを、前駆膜又は前駆鋳造物に含まれ
るカルコゲンの濃度によって評価した。その結果を下記
表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】なお、ここで評価○は、リボンとして得ら
れたもののうち、リボン中のカルコゲン(S,Se)濃
度が初期投入量の99.0%以上であったものを示し、
×はカルコゲン濃度がそれよりも小さいものを示してい
る。
れたもののうち、リボン中のカルコゲン(S,Se)濃
度が初期投入量の99.0%以上であったものを示し、
×はカルコゲン濃度がそれよりも小さいものを示してい
る。
【0027】この表1から明らかなように、ロール11
の回転数を500rpm以上、即ち冷却速度を105K
/secとした溶湯急冷法で作成された前駆膜では、カ
ルコゲン濃度がいずれも初期投入量の99%以上であっ
たが、冷却速度104K/secとした溶湯急冷法及び
溶湯急冷法を使用しないで作成された原料プレキャスト
では、カルコゲン濃度がいずれも初期投入量の99%を
下回った。
の回転数を500rpm以上、即ち冷却速度を105K
/secとした溶湯急冷法で作成された前駆膜では、カ
ルコゲン濃度がいずれも初期投入量の99%以上であっ
たが、冷却速度104K/secとした溶湯急冷法及び
溶湯急冷法を使用しないで作成された原料プレキャスト
では、カルコゲン濃度がいずれも初期投入量の99%を
下回った。
【0028】原料金属をCuInSe2とし、ロール回
転数を5000rpmとした実施例2では、幅3mm、
厚さ50μmのリボン状の前駆膜が連続して得られた。
この前駆膜をXRD、原子吸光分析により分析したとこ
ろ、得られた前駆膜はほぼアモルファス合金であり、ま
た組成のばらつきについても1.0%未満であり、目的
の組成を持つ合金が安定して得られることが分かった。
転数を5000rpmとした実施例2では、幅3mm、
厚さ50μmのリボン状の前駆膜が連続して得られた。
この前駆膜をXRD、原子吸光分析により分析したとこ
ろ、得られた前駆膜はほぼアモルファス合金であり、ま
た組成のばらつきについても1.0%未満であり、目的
の組成を持つ合金が安定して得られることが分かった。
【0029】上記実施例1〜6で得られた前駆膜15を
ボールミルで粉砕することにより粉末状とし、プロピレ
ングリコールを加えて練ることにより、粒径5μmのペ
ーストを作製した。得られたペーストの組成を分析した
ところ、カルコゲン濃度比が化学量論比の99%以上で
あり、相分離や偏析の発生がないことが確認できた。
ボールミルで粉砕することにより粉末状とし、プロピレ
ングリコールを加えて練ることにより、粒径5μmのペ
ーストを作製した。得られたペーストの組成を分析した
ところ、カルコゲン濃度比が化学量論比の99%以上で
あり、相分離や偏析の発生がないことが確認できた。
【0030】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。セレン化処理又は硫化処理の時間を長
くとることができれば、上記の原料をCu,Inのみに
してCuIn前駆膜としても良い。また、禁止帯幅を制
御する意味でGa,Sを添加する場合も、上記の原料金
属の投入時に目的比となるように同時に投入すればよ
い。
るものではない。セレン化処理又は硫化処理の時間を長
くとることができれば、上記の原料をCu,Inのみに
してCuIn前駆膜としても良い。また、禁止帯幅を制
御する意味でGa,Sを添加する場合も、上記の原料金
属の投入時に目的比となるように同時に投入すればよ
い。
【0031】投入する原料金属は、ほぼ各成分元素の比
通りでよいが、成膜時に僅かながらIn,Seの蒸発が
起こるため、これらの金属、特にSeに関しては数%余
分に投入するのが望ましい。溶湯は高周波によって加熱
されることで成膜中は常に撹拌されている。
通りでよいが、成膜時に僅かながらIn,Seの蒸発が
起こるため、これらの金属、特にSeに関しては数%余
分に投入するのが望ましい。溶湯は高周波によって加熱
されることで成膜中は常に撹拌されている。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カルコパイライト系太陽電池の吸収層が、アモルファス
合金を得るために一般的に用いられるドラム式急冷装置
を使用して作製することができるため、成膜速度が高速
であり、均一な厚みで大面積の成膜も可能になる。ま
た、この方法によれば、目的とする組成が再現性よく得
られ、組織が均一で相分離が起こらないという効果も奏
する。
カルコパイライト系太陽電池の吸収層が、アモルファス
合金を得るために一般的に用いられるドラム式急冷装置
を使用して作製することができるため、成膜速度が高速
であり、均一な厚みで大面積の成膜も可能になる。ま
た、この方法によれば、目的とする組成が再現性よく得
られ、組織が均一で相分離が起こらないという効果も奏
する。
【図1】本発明の一実施例に係るカルコパイライト系太
陽電池の構成を示す断面図である。
陽電池の構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の一実施例に係る太陽電池吸収層に使
用される合金材料の製造方法を説明するための図であ
る。
用される合金材料の製造方法を説明するための図であ
る。
【符号の説明】 1…ガラス基板、2…Mo電極、3…吸収層、4…バッ
ファ層、5…窓層、6…透明電極、7…Al電極、11
…Cuロール、12…るつぼ、13…ノズル、14…高
周波加熱装置、15…前駆膜。
ファ層、5…窓層、6…透明電極、7…Al電極、11
…Cuロール、12…るつぼ、13…ノズル、14…高
周波加熱装置、15…前駆膜。
Claims (3)
- 【請求項1】 カルコパイライト系化合物を構成する元
素を含む原料金属を加熱溶解し、 この加熱溶解された原料金属を急冷凝固させることによ
り、 カルコパイライト系太陽電池の吸収層として使用される
リボン状の合金材料を作製するようにしたことを特徴と
する太陽電池吸収層用合金材料の製造方法。 - 【請求項2】 カルコパイライト系化合物を構成する元
素を含む原料金属を加熱溶解し、 この加熱溶解された原料金属を急冷凝固させることによ
りリボン状の合金材料を作製し、 このリボン状の合金材料を使用してカルコパイライト系
太陽電池の吸収層を形成するようにしたことを特徴とす
る太陽電池吸収層の製造方法。 - 【請求項3】 カルコパイライト系化合物を構成する元
素を含む原料金属を加熱溶解し、 この加熱溶解された原料金属を急冷凝固させることによ
りリボン状の合金材料を作製し、 このリボン状の合金材料を粉砕し、溶剤と練り合わすこ
とにより合金ペーストを作製し、 この合金ペーストを基板上に塗布焼結することによりカ
ルコパイライト系太陽電池の吸収層を形成するようにし
たことを特徴とする太陽電池吸収層の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10321150A JP2000150933A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 太陽電池吸収層及びそれに用いられる合金材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10321150A JP2000150933A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 太陽電池吸収層及びそれに用いられる合金材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000150933A true JP2000150933A (ja) | 2000-05-30 |
Family
ID=18129369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10321150A Pending JP2000150933A (ja) | 1998-11-11 | 1998-11-11 | 太陽電池吸収層及びそれに用いられる合金材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000150933A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006167652A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Tokyo Univ Of Science | 可視光を全吸収する水素生成のための黒色光触媒 |
-
1998
- 1998-11-11 JP JP10321150A patent/JP2000150933A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006167652A (ja) * | 2004-12-17 | 2006-06-29 | Tokyo Univ Of Science | 可視光を全吸収する水素生成のための黒色光触媒 |
JP4608693B2 (ja) * | 2004-12-17 | 2011-01-12 | 学校法人東京理科大学 | 可視光を全吸収する水素生成のための黒色光触媒 |
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