JP2012209413A - 太陽電池用金属プリカーサー形成材、太陽電池用金属プリカーサーの製造方法およびib−iiia−via族系化合物太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池用金属プリカーサー形成材、太陽電池用金属プリカーサーの製造方法およびib−iiia−via族系化合物太陽電池の製造方法 Download PDF

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【課題】安価に、膜質が良好な金属プリカーサーを製造することができる太陽電池用金属プリカーサー形成材、太陽電池用金属プリカーサーの製造方法およびIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10は、複数の粒子12が基体11上に堆積されている太陽電池用金属プリカーサー形成材であって、粒子12は、IIIA族元素を含むコア粒子16と、コア粒子16の周りを被覆し、IB族元素を含む被覆物質14とを有することを特徴とする。これにより、後に熱処理を行い、金属プリカーサーを得る場合に、IIIA族が融点以上となって溶けた場合においてもIB族物質がIIIA族の凝集を妨げることで、凝集を抑制しながら金属プリカーサーを得ることができる。この太陽電池用金属プリカーサー形成材10を用いることで、凹凸が小さくなり、組成バラツキがない金属プリカーサーを得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池用金属プリカーサー形成材、太陽電池用金属プリカーサーの製造方法およびIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池の製造方法に関し、安価で高性能な特性を示す化合物系太陽電池を作製するための前駆体に関する。
現在、太陽電池はシリコンを主とした太陽電池が多く生産されている。シリコン太陽電池は厚みが200μm程度であり、大面積モジュールとした場合に重量が重く、設置が困難となる箇所もある。そのため、材料削減に向けた各種薄膜太陽電池の研究開発も盛んに行われており、一部販売もされている。
こうした薄膜太陽電池の1つとして化合物系太陽電池がある。例えば、IB族、IIIA族、VIA族、特に、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)、硫黄(S)を含む化合物半導体薄膜を用いた太陽電池は、従来から用いられているシリコンを含む半導体を用いたバルク型太陽電池と比べて、使用材料量は1/100程度であり、特性は同等レベルが見込まれ、製造工程も容易である。そのため、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜を用いた太陽電池はシリコンを含む半導体を用いたバルク型太陽電池に比べ、材料の削減が可能で、且つ高性能な太陽電池として期待されている。
また、近年では、太陽電池市場における太陽電池への更なる低価格化の要求はより一層強まっている。
このような要求に対応するため、従来では、太陽電池等に用いられるIB−IIIA−VIA族系化合物薄膜の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1では、Cu、In、Ga、Seなどの複数成分の元素を真空中で同時蒸着したり金属間化合物を真空中で蒸着する方法が記載されている。
また、特許文献2では、Cu及びInを基体上に蒸着することで金属プリカーサーを作製し、それをH2SeおよびH2Sいずれかを含むガスの存在下で熱処理を行うことで、カルコパイライト半導体を形成する方法が開示されている。
上述の特許文献1、2のようなIB−IIIA−VIA族系化合物薄膜の製造方法では、真空法を用いることから高価な装置を使用する必要があることや、処理速度が遅いことなどの理由から、更なる低価格化の要求に対応するのは困難となる可能性が高い。
そこで、より安価な酸化物を形成した後にVI族化物が含まれた雰囲気中で熱処理することで、IB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池を製造する半導体薄膜の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、酸化物の還元が十分でない状態でVI族化されてしまうことから、膜中に残る酸化物の影響で、結晶化が十分でないという可能性があった。また、還元性ガス中での熱処理を行う場合においては、IIIA族が溶融して凝集してしまう可能性があった。
また、酸化物を使用した別の化合物半導体薄膜を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4では、IB族及びIIIA族元素を含む酸化物含有粒子を備えたソース材料を調合した後、基板にそれらを塗布し、適切な雰囲気中で加熱してIB族元素及びIIIA族元素の非酸化物を含む膜を得る。その膜をVI族元素を含むガス雰囲気中で加熱することで、カルコパイライト半導体膜を形成している。この化合物半導体薄膜の製造方法は、安価な酸化物材料を用いて、非真空中で堆積することで、材料利用効率が100%に近い状態で製造することが可能でありながら、ソース材料の一部をCuとInの複合酸化物化した材料を用いていることから、比較的Inの凝集を抑制する効果が得られる。
特開昭57−502196号公報 特開平1−231313号公報 特許第3484259号公報 特許第4303363号公報
しかしながら、CuとInの複合酸化物材料が還元中に金属化するInが一部凝集し、またソース材料の一部がInの酸化物であることから、還元したInが凝集するなどが予期される。そのことにより半導体膜の表面の凹凸や微小領域の組成比バラツキが生じてしまう、という問題点があった。そのため、化合物半導体薄膜を太陽電池として用いる際には、光変換効率など太陽電池としての更なる特性向上に支障を生じる虞がある。また、前述するようにIIIA族を使用する場合、適切な雰囲気中での熱処理時にその融点の低さから、IIIA族が凝集することで、凹凸が発生してしまう。そのため、膜中のIIIA族とIB族の組成比が不均一となり、その膜を使って太陽電池を作製した場合には、太陽電池としての特性が低下してしまう。
そのため、特許文献1〜4のように従来の化合物半導体薄膜の製造方法では、上記のような理由から、安価に半導体膜を製造することはできるが、膜質が十分なものではなかった。よって、VI族を含む雰囲気中で熱処理をして得られる太陽電池用の金属プリカーサーは、IIIA族の凝集を減らし、表面の凹凸を抑制し、組成のバラツキが小さいものが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安価に、膜質が良好な金属プリカーサーを製造することができる太陽電池用金属プリカーサー形成材、太陽電池用金属プリカーサーの製造方法およびIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材は、複数の粒子が基体上に堆積されている太陽電池用金属プリカーサー形成材であって、前記粒子は、IIIA族元素を含むコア粒子と、前記コア粒子の周りを被覆し、IB族元素を含む被覆物質とを有することを特徴とする。
IIIA族元素の融点はIB族元素よりも低い。そのため、熱処理を行って金属プリカーサーを得る場合には、熱処理中に先にIIIA族元素がIB族元素より先に溶けて、その表面張力により凝集してしまう。本発明に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材は、IIIA族元素を含むコア粒子の周りを、IIIA族元素より融点の高いIB族元素を含む被覆物質で被覆しているコアシェル粒子の形態をなしている。このため、太陽電池用金属プリカーサー形成材を、後に熱処理して金属プリカーサーを得る場合に、IIIA族元素が融点以上となって溶けた場合においてもIB族元素がIIIA族元素の凝集を抑制することができるため、IIIA族元素の凝集を抑制しながら金属プリカーサーを得ることができる。よって、本発明に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材を用いることで、表面の凹凸が小さくなり、組成バラツキが小さい金属プリカーサーを得ることができる。
また、本発明においては、前記コア粒子が異なるIIIA族元素を含む混合体であることが好ましい。IB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池を形成する場合、複数のIIIA族元素を同一膜中に入れることで、太陽電池のバンドギャップを変更させることができる。本発明における太陽電池用金属プリカーサー形成材は複数のIIIA族元素を含むコア粒子をそれぞれIB族元素を含む被覆物質に被覆させることで、後の熱処理工程においてそれぞれのIIIA族元素を含むコア粒子が溶融しても複数のIIIA族元素を凝集させることなく、均一な組成の金属プリカーサーを得ることができる。
また、本発明においては、前記コアシェル粒子が層状に複数堆積し、各層ごとに前記コア粒子の異なるIIIA族元素の混合比率を厚さ方向に変化させてなることが好ましい。通常、例えばIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池を形成する場合、基体方向から膜の堆積方向へかけて、異なるIIIA族元素の混合比を変えることで、太陽電池特性が向上することが知られている。本発明においては、異なるIIIA族の元素を含むコア粒子の周りを、IB族元素を含む被覆物質で被覆したコアシェル粒子を含んでなる層を基体上に複数層堆積させておくことで、段階的に複数のIIIA族元素の混合比を調整することができる。このような太陽電池用金属プリカーサー形成材は、後にそれを還元性ガスを含む雰囲気中で熱処理しても、IIIA族を含むコア粒子が溶けて凝集することを抑制しつつ、連続的に複数のIIIA族比を変化させたIB−IIIA族金属間化合物を含む金属プリカーサーを作製することが可能となる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る太陽電池用金属プリカーサーの製造方法は、上記何れか1つに記載の太陽電池用金属プリカーサー形成材を還元性ガスを含む雰囲気中で熱処理を行うことで得ることを特徴とする。これにより、太陽電池用金属プリカーサーの表面の凹凸が小さくすることができると共に、組成ばらつきを小さくすることができる上、バンドギャップの調整が可能な太陽電池用金属プリカーサーを得ることができる。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池の製造方法は、上記太陽電池用金属プリカーサーの製造方法で得た太陽電池用金属プリカーサーを、VIA族元素物質を含む雰囲気中で熱処理して得ることを特徴とする。VIA族元素物質を含む雰囲気中で熱処理を行って作製することにより、安価で、膜質が良好なIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池を得ることができる。
本発明によれば、安価に、膜質が良好な金属プリカーサーを提供することができる。また、前記金属プリカーサーを用いることにより、安価で膜質が良好なIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池を製造することができる。
図1は、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材の構成を簡略に示す断面図である。 図2は、基体上に堆積されるコアシェル粒子の構成を示す模式図である。 図3は、基体上に成膜されたコアシェル粒子被膜を熱処理した後の状態を模式的に示す断面図である。 図4は、化合物系太陽電池を模式的に示す断面図である。 図5は、X線回折の測定結果を示す図である。 図6は、熱処理後のX線回折の測定結果を示す図である。 図7は、太陽電池用金属プリカーサー形成材を熱処理した後の膜表面のSEM写真である。 図8は、断面加工を行った膜をSTEM−EDSにより分析を行った結果を示す図である。 図9は、サンプルのX線回折の測定結果を示す図である。 図10は、回収したサンプルの表面のSEM写真である。 図11は、STEM−EDSによる分析結果を示す図である。 図12は、STEM−EDSにより分析結果を示す図である。 図13は、STEM−EDSによる分析結果を示す図である。 図14は、STEM−EDSにより分析結果を示す図である。 図15は、取り出した膜のSEM写真を示す図である。 図16は、分析箇所の模式図である。 図17は、取り出した膜のSEM写真を示す図である。
以下、本発明に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材、太陽電池用金属プリカーサーの製造方法およびIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池の製造方法の実施の形態(以下、実施形態という)及び実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための実施形態及び実施例により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせても良いし、適宜選択して用いてもよい。
<太陽電池用金属プリカーサー形成材>
本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材の構成を簡略に示す断面図である。図1に示すように、太陽電池用金属プリカーサー形成材10は、基体11と、基体11の上に堆積される複数のコアシェル粒子12とを有するものである。
基体11は、基板13と、下部電極14とを有する。下部電極14は基板13の上に積層されている。基板13を構成する材料としては、一般的にガラスが使用される。ガラスは、青板ガラス、石英ガラスなどが挙げられるが、コストを低く抑える観点から、青板ガラスが好ましい。また、基板13の材料としては、ガラスの他に、金属基板、セラミックス基板、有機基板などが挙げられる。金属基板としては、例えば、鉄、ステンレス、モリブデン、タングステン、アルミニウムなどが挙げられる。セラミックス基板としては、例えば、ジルコニアやアルミナなどが挙げられる。有機基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene Terephthalate:PET)、ポリカーボネート(Polycarbonate:PC)などが挙げられる。
基板13の形状は特に限定されるものではなく、基板13の材料は、耐熱温度等により適宜選定することができる。
基板13の材料として、FeなどI−III−VI族系化合物半導体に対して特性低下を与える可能性のある材料を使用する場合には、基板13と下部電極14との間にはSiO2などの保護層を設けることが好ましい。SiO2保護層はスパッタリング法やSiO2微粒子を含む溶媒を塗布する塗布法などを用いて形成することができる。
下部電極14を構成する材料としては、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体とオーミック接触を得られ、VI族物質と過剰反応しない物質が用いられる。下部電極14を構成する材料としては、例えば、モリブデン、タングステン、タンタル、金などが挙げられる。これらの中でも下部電極14の材料としては、コスト面などの観点からモリブデンが好ましい。また、基板13が下部電極14と同じ材料である場合には、下部電極14は設けなくてもよい。下部電極14はスパッタリング法や塗布法などを用いて形成することができるが、スパッタリング法を用いて形成することが好ましい。
図2は、基体上に堆積されるコアシェル粒子12の構成を示す模式図である。図2に示すように、コアシェル粒子12は、コア粒子16と被覆物質17で構成され、コア粒子16はIIIA族元素を含む粒子、被覆物質17はIB族元素を含む元素であることが好ましい。これは、IB族元素よりも融点が低いIIIA族元素をIB族元素で被覆することで、熱処理を行った際に液相化したIIIA族元素が表面張力により凝集してしまうことをIB族元素が抑制するためだからである。また、コア粒子16に含まれるIIIA族元素はIn、Ga、Alなどが挙げられる。また、被覆物質17に含まれるIB族元素は、Cu、Ag、Auなどが挙げられる。
そのため、IB族元素よりも融点が低いIIIA族元素を含む粒子であるコア粒子16をIB族元素を含む元素である被覆物質17で被覆することにより、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10を熱処理してIIIA族元素が融点以上となって溶けた場合でもIB族元素がIIIA族元素の凝集を抑制することができる。また、IIIA族元素の凝集を抑制することで、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10を熱処理して得られる金属プリカーサーの表面の凹凸は小さくなる。さらに、金属プリカーサーの表面の凹凸が大きくなることによる組成バラツキを抑制することが可能である。
コア粒子16が異なるIIIA族元素を複数含む混合体であることが好ましい。後述するように、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10を用いて、IB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池を形成する場合、複数のIIIA族元素を同一膜中に入れることで、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜のバンドギャップを変更させることができる。また、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10は複数のIIIA族元素を含むコア粒子16を各々IB族元素を含む被覆物質17に被覆させることで、後の熱処理工程においてそれぞれのIIIA族元素を含むコア粒子16が溶融しても複数のIIIA族元素を凝集させることなく、均一な組成の金属プリカーサーを得ることができる。
IB族とIIIA族との比は、IB族に被覆する被覆厚みで調整することが好ましい。IB族とIIIA族との比(IB族/IIIA族比)は、一般的に0.7以上1.0以下が好ましい。これは、0.7以下の場合はアクセプター濃度よりもドナー濃度が多くなることでn型の半導体となることで、太陽電池の発電特性が低下する。また1.0以上の場合は低抵抗のCuSeが生じるため、太陽電池材料として使用できないからである。
コア粒子16は熱処理を行うことで、被覆物質17と金属間化合物を形成することが好ましい。そのため、コア粒子16に含まれるIIIA族元素は酸化物、金属であることが好ましい。酸化物の場合、水素などの還元性ガス中の熱処理で容易に還元することが可能であり、それにより被覆物質17との金属間化合物の形成が容易となる。また、金属も同様に熱処理を行うことで被覆物質17との金属間化合物の形成が容易となる。IB族/IIIA族比を調整するために、コア粒子16が酸化物である場合と金属である場合は被覆する被覆物質17の厚みをそれぞれで調整する必要があるが、コア粒子16は、金属を使用しても酸化物を使用しても、または双方に別々に被覆物質17を被覆し、それを後で混合してもよい。
例えば、平均粒子径が0.5μmのIn23にCuOをCu/In比1.0で被覆する場合、In23に被覆されるCuOの平均厚みは0.044μm程度となる。また、平均粒子径が0.5μmのInにCuOをCu/In比1.0で被覆する場合は0.053μmとなる。組成は化学分析により確認を行い、被覆状態は被覆された粒子の断面をSTEM−EDX(Scanning Transmission Electron Microscope-Energy Dispersive X-ray Analysis)マッピングにより厚みを確認する。
被覆物質17に含まれるIB族元素は酸化物のほか、金属が好ましい。酸化物の場合、その還元、分解温度はIIIA族の還元温度よりも低い。そのため、コア粒子16が還元される前に被覆粒子17が金属となり、同時に熱処理により被覆粒子17同士の結合が進む。これによりコア粒子16が溶融状態となった場合においても、凝集しないで、被覆粒子17との金属間化合物の形成を促進することが可能となる。被覆粒子が金属の場合においても同様に、熱処理により被覆粒子17同士の結合が進むことで、コア粒子16の凝集を抑制しながら、金属間化合物の形成を行うことができるからである。
被覆物質17に含まれるIB族の物質は結晶質が好ましいが、非晶質であってもその効果は失われない。これは、非晶質であっても、熱処理による還元、分解及び、被覆粒子17同士の結合のプロセスに違いがないからである。
コア粒子16への被覆物質17の被覆方法は、乾式法、湿式法などがある。乾式法では、例えば、プラズマコーティングやCVDコーティングなどが挙げられる。湿式法では、例えば、スプレー法や化学処理法などが挙げられる。組成安定性を考慮に入れると仕込みの段階で組成の調整が可能な湿式法が好ましいが、これに限定されるものではない。また、湿式法の製法によっては、酸化物の一部が水酸化物となるが、本実施形態においては、一部が水酸化物でも可能である。
コアシェル粒子12が基体1上に堆積されることでコアシェル粒子被膜18が形成される。コアシェル粒子12を含んで形成されるコアシェル粒子被膜18の膜厚は特に限定はされないが、0.1μm以上10μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上4μm以下が好ましい。コアシェル粒子被膜18の膜厚が10μmを超えると、コアシェル粒子被膜18を形成し、後述するように、適切な熱処理を行いIB−IIIA族金属間化合物を含む金属プリカーサーを形成した後、VI族を含むガス中で熱処理を行って得るIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜の抵抗値が高くなり、光変換効率など太陽電池としての特性が低下する傾向にある。また、コアシェル粒子被膜18の膜厚が0.1μm未満の場合では、リークの傾向が強くなる。そのため、コアシェル粒子被膜18の厚さを上記範囲内とすることで、太陽電池としての特性の低下を抑制することができると共に、リークを抑制することができる。
基体11上に成膜するコアシェル粒子被膜18の成膜方法は、種々の技術を利用することができるが、例えば、スパッタリング法、スクリーン印刷法、スプレー法、スピンコート法、バーコーター、ドクターブレードなどが挙げられる。
このような成膜方法でコアシェル粒子被膜18を形成する場合においては、コア粒子16を被覆物質17で被覆したコアシェル粒子12を容器へ入れ、Zrビーズなどのメディア、溶媒、分散剤などと共に、容器内で分散する。分散方法としては、公知の分散方法で行えばよいが、コア粒子16を被覆した被覆物質17がコア粒子16から剥離しないように、コアシェル粒子12に過剰なエネルギーがかからないような分散方法を用いるのがよい。例えば、各種分散機(ボールミルやビーズミルなど)を用いるのが好ましい。メディアレスでの分散方法もあるが、粉体の凝集が発生しない程度に分散できればよい。
使用する溶媒は、アルコール類の他に、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類などの各種有機溶剤から適宜選択すればよい。これらの溶媒は単独でも2種類以上混合して用いてもよい。
コアシェル粒子被膜18中にCが残留成分として残る可能性が考えられるが、コアシェル粒子被膜18中のCがIB−IIIA−VIA系化合物半導体薄膜を含む太陽電池の特性を著しく低下させることはないといえるため、エチルセルロースやポリビニルブチラール等の各種バインダから適宜選択して使用してもよい。溶媒中の粉体の量は10質量%以上50質量%以下とすればよいが、使用する成膜方法やコアシェル粒子被膜18の膜厚により適宜選択し調整を行えばよい。
このようにして得られたスラリーは、上記方法により基体11上に堆積される。堆積された後に溶媒を乾燥させるために、熱風乾燥機などで20℃〜120℃で乾燥させて形成する。これらの方法においては、一度に必要な膜厚にコアシェル粒子被膜18を堆積してもよいが、基体11上に成膜されるコアシェル粒子被膜18の膜厚を厚くするために、複数に分けて上記手順を繰り返して複数層堆積を行うことも可能である。
また、本発明においては、前記コアシェル粒子12が層状に複数層堆積し、各層ごとにコア粒子16の異なるIIIA族元素の混合比率を厚さ方向に変化させることが好ましい。通常、例えば、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10を用いて、IB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池を形成する場合、基体11方向から膜の堆積方向へかけて、異なるIIIA族元素の混合比を変えることで、太陽電池特性が向上する。そこで、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10は、異なるIIIA族の元素を含むコア粒子16の周りを、IB族元素を含む被覆物質17で被覆したコアシェル粒子12を含んでなる層を基体11上に複数層堆積させることで、各層ごとに段階的に複数のIIIA族元素の混合比を調整することができる。このような太陽電池用金属プリカーサー形成材10は、後にそれを還元性ガスを含む雰囲気中で熱処理しても、IIIA族を含むコア粒子12が溶けて凝集することを抑制しつつ、連続的に複数のIIIA族比を変化させたIB−IIIA族金属間化合物を含む金属プリカーサーを作製することが可能となる。
また、その他の堆積方法として、直接基体11上にコアシェル粒子被膜18を形成するのではなく、コアシェル粒子被膜18を基体11に転写させることが可能なPETやポリカーボネートのような別のフィルム等に、コアシェル粒子12を堆積してコアシェル粒子被膜18を形成し、コアシェル粒子被膜18側を基体11上に対向させて、上述の別のフィルム等から基体11上に転写させることで形成することも可能である。
図3は、基体11上に成膜されたコアシェル粒子被膜18を熱処理した後の状態を模式的に示す断面図である。図3に示すように、基体11の上に成膜されたコアシェル粒子被膜18を還元性ガス雰囲気中において熱処理することで、金属プリカーサー20を得ることができる。
金属プリカーサー20はIB−IIIA族金属間化合物で形成されていることが好ましいが、Cu/In比によっては、CuやIn金属が含まれる場合がある。IB−IIIA族金属間化合物としては、例えばCu、InでいえばCu11In9、Cu2In、Cu16In9などが挙げられる。
コアシェル粒子被膜18を金属プリカーサー20へ転換する際の熱処理雰囲気としては、還元性ガスが含まれていることが好ましい。還元性ガスとしては、例えば、水素(H2)、一酸化炭素(CO)などが好ましく用いられる。また、ガスは単一ではなく、不活性ガスと還元性ガスとの混合ガスを使用しても良い。不活性ガスとしては、例えば、窒素(N2)、アルゴン(Ar)などが挙げられるが、特に限定されることはない。混合ガスを使用する場合、安全面を考慮して爆発限界内で行うことが好ましい。
また、使用する熱処理炉は、一般的なバッチ炉や連続炉であって、熱処理温度としては、200℃以上400℃以下で10分以上120分以下行うことが好ましい。
このように、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10によれば、融点の低いIIIA族元素を含むコア粒子16を、IB族元素を含む被覆物質17で被覆したコアシェル粒子12を用いている。この金属プリカーサー形成材10を後に熱処理する際、IIIA族元素が融点以上となってIIIA族元素が溶けてもIB族元素がIIIA族元素の凝集を抑制することができるため、IIIA族元素の凝集を抑制しながら金属プリカーサー20を得ることができる。よって、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10を用いることで、表面の凹凸が小さくなり、且つ微小領域の組成バラツキが小さい良質な金属プリカーサー20を得ることができる。この金属プリカーサー20を、後述するように、IB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池として使用する場合、金属プリカーサー20をVI族化したときにも、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜の膜表面の凹凸も小さくすることができることから膜質の高いp型の化合物半導体薄膜を得ることができる。
<化合物系太陽電池>
本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10を用いて得られる金属プリカーサー20は、上述の通り、VI族化することで、高品質なp型のIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜とすることができる。そのため、本実施形態に係る太陽電池用金属プリカーサー形成材10から製造される化合物半導体薄膜は、太陽電池に好適に用いることができる。太陽電池の構造の一例を図4に示す。図4は、化合物系太陽電池を模式的に示す断面図である。図4に示すように、太陽電池30は、基体11と、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31と、バッファー層32と、取り出し電極33とを有する。基体11は、上述の通り、基板13及び下部電極14とを有する。IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31は、光吸収層として機能する。太陽光は、バッファー層32側から入射する。
IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31はp型の半導体であり、上述の通り、基体11上に形成される。バッファー層32はn型の半導体であり、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31の上に形成される。また、取り出し電極33はバッファー層32の上に設けられる。
IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31の製造方法としては、蒸着法による堆積の他、IB族とIIIA族とを含む金属プリカーサー20(図3参照)を積層した後、Se化法、S化法と呼ばれるH2SeやH2SなどのVI族物質が含まれるガス雰囲気中、またはセレン(Se)や硫黄(S)の蒸気中で熱処理されることでp型のIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31を得ることができる。熱処理温度は250℃以上900℃以下で1分以上10時間以下で行うことが好ましい。また、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31の製造方法は、これに限定されるものではなく、VIA族粒子をIB族とIIIA族とを含む金属プリカーサー20(図3参照)上に非真空中で堆積し、高速アニールすることで形成するようにしてもよい。この場合、熱処理温度は350℃以上900℃以下で0.1分以上3分以内で行うことが好ましい。
バッファー層32を構成する材料として、ZnOやCdSなどが用いられ、取り出し電極33を構成する材料として、AlやNiなどが用いられる。
IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31とバッファー層32とを接触させて積層することにより、PN接合が形成され、太陽光がバッファー層32側から入射することで発電することができる。
また、太陽電池30は、必要に応じて、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31やバッファー層32の各層の間にサブ層を設けるようにしてもよい。これにより、発電効率を向上させることができる。また、取り出し電極33はIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31とバッファー層32との間で発電して生じた電気を外部へ取り出すことが可能となる。
したがって、太陽電池30は、光吸収層として本実施形態に係る金属プリカーサー20を用いて製造されたIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31を用いており、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31をIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池として使用する場合、金属プリカーサー20をVI族化したときにも、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31の膜表面の凹凸も小さくすることができることから膜質の高い、高品質なp型の化合物半導体薄膜であるため、高い変換効率を得ることができる。
また、バッファー層32と取り出し電極33との間に透明電極を設けてもよいし、バッファー層32の上に必要に応じて反射防止膜を設けてもよい。
IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31を太陽電池に用いる場合、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31の膜厚は1μm以上あれば、太陽光の吸収に十分である。さらに、裏面で光を反射させることで、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31内での光路長を長くすることができ、1μm以下の薄膜でも太陽光を十分に吸収することができるようになる。また、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31の膜厚は、10μm以下が好ましい。IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31の膜厚は、10μm以下とすることで、太陽電池の製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31は、下部電極14側から厚み方向に向かって被覆物質17に含まれるIB族同士の比、例えばCu/(Cu+Ag)比やコア粒子16に含まれるIIIA族同士の比、例えばIn/(In+Ga)を変化させ、その禁制体幅をかえることにより、光変換効率を向上させるなど太陽電池としての特性向上を図ることができる。本実施形態においては、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31は、上述の図1に示すように、コア粒子16に含まれる異なるIIIA族元素や被覆物質17に含まれるIB族元素の比を変えたコアシェル粒子12を含むコアシェル粒子被膜18を下部電極14側から厚み方向に向かって複数層構成させることにより太陽電池用金属プリカーサー形成材10を作製したものであることが好ましい。
太陽電池用金属プリカーサー形成材10の作製方法は、上述の通り、還元性ガスを含む雰囲気中で熱処理を行うことで、下部電極14側から厚み方向に向かって組成比を変化させることができる。熱処理により拡散させることから、熱処理温度、時間は拡散させる量により前述した範囲内で適宜選択すればよい。組成比は同一のコアシェル粒子被膜18中に存在するコア粒子16に含まれるIIIA族同士の比や被覆物質17に含まれるIB族同士の比、例えばそれぞれIn/(In+Ga)、Cu/(Cu+Ag)が、0および100となることも有りえる。複数層堆積させる方法としては、上記に示す方法で一層目のコアシェル粒子被膜18を堆積させ、乾燥した上に二層目のコアシェル粒子被膜18を積層させても良いし、前述したようにコアシェル粒子被膜18を転写して積層させても問題ない。
上述の通り、IB族の元素はIIIA族の元素よりも融点が高い。例えばIB族のCuは1083℃、Agは962℃、Auは1064℃であり、IIIA族のInは156℃、Gaは30℃、Alは662℃である。そのため、IIIA族元素を含むコア粒子16とIB族元素を含む被覆17を有することなく、IB族の元素を含む物質と、IIIA族の元素を含む物質とを同時に溶媒中で分散させて作製した太陽電池金属プリカーサー形成材10を還元性雰囲気中において熱処理をする場合においては、IIIA族の元素が低い温度で溶融し、その表面張力により凝集してしまう。また、IB族の元素の酸化物およびIIIA族の元素の酸化物を使用した場合においては、CuOの還元温度が300℃程度である一方で、In23は400℃程度であり、またGa23は700℃程度必要となる。そのため、In23、Ga23の還元温度に達した時点で既にCuOは還元されて金属となっているがCuの融点が1083℃であるため溶融することはない。In23、Ga23については還元時点でIn、Gaの融点を越えており溶融状態となっており、熱処理を終えるとその表面張力により凝集してしまい、基体11上に半球状に形成されてしまう。また、水酸化物に関しても酸化物と同じ現象が生じる。
本実施形態においては、図1に示すように、IIIA族の元素を含むコア粒子16の周りをIB族の元素を含む被覆物質17で被覆していることから、IIIA族の元素が溶融してもIIIA族の元素同士で凝集してしまうのをIB族の元素が抑制し、且つIB族との金属間化合物の形成が進行することで、図3に示すように、金属プリカーサー20となったときにはIIIA族の元素が単体で存在する量を低減することができる。そのため、表面の凹凸が小さく、またそれにより組成の均一性が高い金属プリカーサー20を得ることができる。
IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31は、図1に示すような太陽電池用金属プリカーサー形成材10を還元性ガス雰囲気で熱処理を行うことで得られる図3に示すような金属プリカーサー20を用いて作製される。この金属プリカーサー20をVI族化することで、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31を得ることができる。
VI族化は公知の方法で行うことで可能であるが、VI族化する方法として、例えば、セレン化水素(H2Se)や硫化水素(H2S)、あるいはテルル化水素(H2Te)などVIA族元素を含むガス中でVI族化を行う方法がある。また、各種VI族化ガスと、窒素やアルゴンなどの不活性ガスとの混合ガスを使用することが好ましい。また、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜31は、SeやSやTeを、金属プリカーサー20上に堆積させて熱処理を行って得ることができる。その他の方法として、ジメチルセレン((CH32Se)やジエチルセレン((C252Se)を導入した雰囲気中で熱処理を行うようにしてもよく、特に上記方法に限定されるものではない。また、熱処理温度と熱処理時間は、基板13の耐熱温度等により適宜設定すればよいが250℃以上900℃以下で1分以上10時間以下の間が好ましい。
以下、本実施形態に係る発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本実施形態に係る発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
IIIA族元素粒子はIn23を用い、IB族元素物質はCuOを用い、IB/IIIA族比を0.95程度とした。液相法により平均粒子径0.5μmのIn23にCuOを被覆させ粉体(コアシェル粒子)を作製した。このとき組成分析でCu/Inは0.948であった。また被覆膜厚を測定するために、STEM−EDXマッピングによりIn23が平均粒子径に近い粒子100個についてCuOの厚みを測定した。その結果、測定した平均値が0.042μm程度であり、おおよそ計算値に近いものであった。その粉体を容器中へ入れて(メディア径:2mmのジルコニアビーズ、溶媒:アルコール)1時間かけて予備分散を行った。その後、更にメディア径が異なるジルコニアビーズ(メディア径:0.1mm、溶媒:アルコール)を用いて5分間分散を行い、スラリーを作製した。このときの溶媒中の粉体の濃度は25質量%とした。
分散による、変質の有無が無いか確認するために、分散前後の粉体をX線回折により分析した。図5は、X線回折の測定結果を示す図である。図5に示すように、分散前後において、In23とCuOとの金属間化合物反応などによる複合酸化物が生成されるなどの変化は見られなかった。
次に基体にはモリブデン箔を使用し、モリブデン箔上にこのスラリーをバーコーターにて塗布し、50℃の熱風乾燥機で乾燥させて太陽電池用金属プリカーサー形成材を得た。次いで、得られたIIIA族元素を含むコア粒子がIB族元素を含む被覆物質で被覆されているコアシェル粒子のコアシェル粒子被膜の乾燥体の厚みは約2μmあった。なお、基体に使用したモリブデン箔は圧延にて作製された箔を使用していたため、スラリー塗布前に事前に水素雰囲気中において700℃で1時間の熱処理を行い、付着した余分な有機成分を除去した。その後、アルコールで超音波洗浄を10分行った後、純水で洗浄した。
次に、太陽電池用金属プリカーサー形成材を石英ガラスの炉心管内へ入れて、H2ガス中で600℃/時間で300℃まで昇温し、10分保持した後、600℃/時間で400℃まで昇温し、30分保持した後、自然冷却を行い取り出した。これにより金属プリカーサーを作製した。
図6は、熱処理後のX線回折の測定結果を示す図である。図6に示すように、金属プリカーサーには、In23が検出されずCuとInの金属間化合物と、若干のInが形成された。金属間化合物はCu11In9である。
また、太陽電池用金属プリカーサー形成材を熱処理した後の膜表面の金属プリカーサーを走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)により観察した。図7は、太陽電池用金属プリカーサー形成材を熱処理した後の膜表面の金属プリカーサーの電子顕微鏡(SEM)写真である。図7に示すように、金属プリカーサーの表面には凹凸が小さく均質な膜が形成されていることが確認された。
また、金属プリカーサーの膜の表面方向からの組成状態を調べるため、断面加工を行った膜をSTEM−EDSにより分析を行った。図8は、断面加工を行った膜をSTEM−EDSにより分析を行った結果を示す図である。図8に示すように、膜の表面から下部までCuとIn比のズレがほとんど無いことが示されている。得られた膜は酸素が抜けたことにより、膜厚みは約1.1μmへと収縮していた。
次いで、太陽電池用金属プリカーサー形成材を熱処理した後の膜をVI族化するために、グラファイトのるつぼの中に金属セレンと共に入れて蓋をし、それを石英ガラスの炉心管内へ入れて、窒素雰囲気中で1000℃/時間の昇温速度で500℃まで昇温した後、20分間保持して自然冷却を行った。炉内が50℃を下回ったところで、グラファイトるつぼを取り出してサンプルを回収した。
図9は、サンプルのX線回折の測定結果を示す図である。図9に示すように、回収したサンプルのX線回折の結果は、CuInSe2であった。また、図10は、回収したサンプルの表面のSEM写真である。図10に示すように、回収したサンプルの表面は凹凸も大きくないこと確認された。また、得られた結晶粒子径は数μm程度であり、非常に大きく成長していることが確認された。また、図11は、STEM−EDSによる分析結果を示す図である。図11に示すように、回収したサンプルの膜断面の表面方向からの組成を確認したところ、ほぼ一定であることが確認された。これにより、低コストのプロセスでありながら、膜の凹凸が小さく、また微視的な組成バラツキの小さいIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜を形成すること可能であることが判明された。
<実施例2>
次に、準備する粉体のみを変更し、実施例1と同様に、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜の作製を行った。本実施例では、コア粒子に含まれるIIIA族元素をIn23とGa23とした。平均粒子径は0.3μmであった。IB/IIIA族比を0.95程度として、In23およびGa23にそれぞれ液相法にてCuOを被覆した。実施例1と同様に、Cu/In比およびCu/Ga比とCuOの厚みを分析した結果、Cu/In比は0.963程度であり、Cu/Gaは0.957程度であった。CuO被覆の厚さはそれぞれ0.027μm程度であった。
ここで、それぞれの粉体を2つに分けた。一方は、CuOに被覆されたIn23の粒子と、CuOに被覆されたGa23の粒子とした。In23にCuOを被覆した粒子と、Ga23にCuOを被覆した粒子とを、それぞれ別々にアルコール中で分散させ、それぞれのスラリーを得た。
もう一方は、In/(In+Ga)が0.5程度となるように、それぞれを秤量し、アルコール中で2種の粉体を混合、分散させた。分散方法は、実施例1と同様にして行った。
洗浄したモリブデン箔上に前者の方法で作製した、Ga23にCuOを被覆した粒子のスラリーを堆積させ、膜を圧縮するためにカレンダー加工を行った後、その上に後者の方法で作製したIn/(In+Ga)が0.5程度としたIn23にCuOを被覆した粒子と、Ga23にCuOを被覆した粒子とのスラリーを堆積させ、カレンダー加工を行い、最後にIn23にCuOを被覆した粒子のスラリーを堆積させた後、同様にカレンダー加工を行った。
それぞれの乾燥膜厚はGa23にCuOを被覆した粒子の膜が1.0μm程度、In23にCuOを被覆した粒子とGa23にCuOを被覆した粒子との膜が1.15μm程度、In23にCuOを被覆した粒子の膜が1.3μm程度であった。この太陽電池用金属プリカーサー形成材は、熱処理を行うことで、基体上から膜厚方向に対して、In/(In+Ga)比を変化させた。
この方法によって製造された、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜の表面方向からの組成状態を調べるために、それぞれのIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜の断面加工を行った後、STEM−EDSにより分析を行った。図12は、STEM−EDSにより分析結果を示す図である。図12に示すように、In/(In+Ga)が膜の表面から深さ方向へ変化していることがわかる。
もう一方のスラリーについては基板にはMoスパッタ膜つきの石英ガラスを使用し、その上に、堆積させて、In23にCuOを被覆した粒子と、Ga23にCuOを被覆した粒子の混合膜を作製した。この太陽電池用金属プリカーサー形成材は実施例1で作製したときにIIIA族の種類が単一であったものから、複数としたものである。
その後、太陽電池用金属プリカーサー形成材を、実施例1と同様にH2ガス中で熱処理を行った。ただし、保持温度を300℃で10分保持した後、600℃まで昇温して10分保持した後、自然冷却を行った。この結果、得られた太陽電池用金属プリカーサーは実施例1で得たときと同様に金属質なものであり、それをVI族化するために、グラファイトのるつぼにセレン金属と共に入れて蓋をして、石英炉心管中で窒素雰囲気にして熱処理を行った。熱処理は実施例1と同じく500℃で20分行った。
この方法によって製造された、IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜の表面方向からの組成状態を調べるために、それぞれのIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜の断面加工を行った後、STEM−EDSにより分析を行った。図13は、STEM−EDSにより分析結果を示す図である。図13に示すように、膜中にInとGaが均一となっていることがわかる。図12、13に示すように、本方法により膜内の組成(異なるIIIA族の比率)を意図的に変化させることができ、化合物半導体薄膜の禁制体幅を変化させることが可能であるといえる。
<実施例3>
III族元素を平均粒子径0.5μmの金属Inとし、それにCuOをCu/In比0.95程度となるように被覆した。組成分析値はCu/Inが0.944で、被覆厚みは0.055μmであった。その粒子をアルコール中で分散させてスラリーを作製した後、約1.5μmに堆積し、実施例1と同様の条件で熱処理を行った。そのようにして作製されたIB−IIIA族金属間化合物を含む金属プリカーサー膜の組成状態を調査するために断面加工を行い、STEM−EDXにより分析を行った。図14は、STEM−EDSにより分析結果を示す図である。図14に示すように、実施例1に記載した、酸化物の場合と同様、組成のバラツキがないことが確認された。
<比較例1>
実施例の比較として、平均粒子径0.5μmのIn23粒子とCuO粒子をそれぞれ準備し、Cu/In比が0.95程度となるように秤量を行い、実施例1と同様に、ジルコニアビーズを使用し1時間かけて予備分散した。その後、メディア径が異なるジルコニアビーズを用いて5分間分散を行い、スラリーを作製した。Inの分散を行いスラリーを作製した。このときの溶媒中の粉体の濃度は25質量%とした。
洗浄したモリブデン箔上にこのスラリーをバーコーターにて塗布し、太陽電池用金属プリカーサー形成材を得た。次に、それを石英ガラスの炉心管内へ入れて、実施例1と同じ条件、すなわちH2ガス中で600℃/時間で300℃まで昇温し、10分保持した後に600℃/時間で400℃まで昇温し、30分保持した後、自然冷却を行い取り出した。
図15は、取り出した膜のSEM写真を示す図である。図15に示すように、実施例1で作成した図7と異なり表面の凹凸が大きくなっていることが確認された。これは、H2ガス中で熱処理を行った際に、Inが凝集して、大きな塊を作ったと考えられる。このときの膜の凸面部分を断面加工し、STEM−EDXにより点分析を行った。図16は、分析箇所の模式図である。図16に示すように、基板面に近い部分点BはCu/In比が1.2程度であったのと比較して、膜の表面点AはCu/In比が0.1程度であり、組成がばらついていることが確認された。これは、Inが凝集した際に、部分的にはCuとの反応が起こるが、大部分がInとなってしまった結果であることを示唆する。また、別の断面部分である点Cにおいては、Cu/In比が1.5程度であり、CuがリッチなCu−In金属間化合物が検出される結果も得られた。すなわち、同じ膜中で組成のばらつきが生じてしまっているといえる。
この膜をVI族化するために、グラファイトの坩堝の中に金属セレンと共に入れて蓋をし、それを石英ガラスの炉心管内へ入れて、窒素中で1000℃/時間で500℃まで昇温した後に、20分間保持して自然冷却を行った。得られたSEM写真を図17に示す。図10と比較して、凹凸が目に見えて大きいことが確認された。また、前述のように金属プリカーサーの表面付近がInリッチであったために、表面付近は細かい粒子が並ぶような結果となってしまった。
この結果より、本発明の金属プリカーサーを用いて製造されたIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜は、基体面が露出する凹凸がなく、p型の半導体膜であることができた。これにより酸化物膜を高品質なIB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜へと変換することが可能となることが確認された。
10 太陽電池用金属プリカーサー形成材
11 基体
12 コアシェル粒子
13 基板
14 下部電極
16 コア粒子
17 被覆物質
18 コアシェル粒子被膜
20 金属プリカーサー
30 太陽電池
31 IB−IIIA−VIA族系化合物半導体薄膜
32 バッファー層
33 取り出し電極

Claims (5)

  1. 複数の粒子が基体上に堆積されている太陽電池用金属プリカーサー形成材であって、
    前記粒子は、IIIA族元素を含むコア粒子と、前記コア粒子の周りを被覆し、IB族元素を含む被覆物質とを有することを特徴とする太陽電池用金属プリカーサー形成材。
  2. 前記コア粒子が異なるIIIA族元素を含む混合体である請求項1に記載の太陽電池用金属プリカーサー形成材。
  3. 前記粒子が層状に複数堆積し、各層ごとに前記コア粒子のIIIA族元素の異なる率を厚さ方向に変化させてなる請求項1または2に記載の太陽電池用金属プリカーサー形成材。
  4. 請求項1〜3の何れか1つに記載の太陽電池用金属プリカーサー形成材を還元性ガスを含む雰囲気中で熱処理を行うことで得ることを特徴とする太陽電池用金属プリカーサーの製造方法。
  5. 請求項4に記載の太陽電池用金属プリカーサーの製造方法を用いて得られた太陽電池用金属プリカーサーを、VIA族元素物質を含む雰囲気中で熱処理して得ることを特徴とするIB−IIIA−VIA族系化合物太陽電池の製造方法。
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