JP2000150718A - スルーホール付き金属ベース配線基板および製造方法 - Google Patents

スルーホール付き金属ベース配線基板および製造方法

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JP2000150718A
JP2000150718A JP10317765A JP31776598A JP2000150718A JP 2000150718 A JP2000150718 A JP 2000150718A JP 10317765 A JP10317765 A JP 10317765A JP 31776598 A JP31776598 A JP 31776598A JP 2000150718 A JP2000150718 A JP 2000150718A
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metal
film
metal substrate
insulating layer
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Toshishige Yamamoto
利重 山本
Eitoku Murase
永徳 村瀬
Yoribumi Sakamoto
頼史 阪本
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スルーホールを設け、配線密度を高めた金属
ベース配線基板とその製造方法を提供する。 【解決手段】陽極酸化皮膜として無孔質バリア型酸化ア
ルミニウム層を用いることで絶縁樹脂の使用を不要にで
き、それによってスルーホールを小径とすることがで
き、配線密度の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱性に優れ、高
密度配線可能な金属ベース配線基板とその製造方法に関
し、より詳しくは放熱性に優れた高周波金属ベース配線
基板を備えた高周波半導体装置とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、放熱性に優れた配線基板とし
て、金属ベース配線基板が盛んに用いられている。特
に、金属ベース用の金属基板として、安価で、軽く、熱
伝導性に優れたアルミニウムあるいはアルミニウム合金
を用いた金属ベース配線基板が多く使用されている。
【0003】このアルミニウムあるいはアルミニウム合
金製の金属ベース配線基板は、通常その表面に陽極酸化
によって多孔質の酸化アルミニウム層 (以下単にアルミ
ナ層とも言う) を10〜数十μm の厚みで形成し、さらに
その表面に樹脂層を10〜数十μm の厚みで設けて絶縁層
として使用する。
【0004】ところで、一般に陽極酸化により2μm を
超えた厚みに形成されたアルミナ層は多孔質となり、表
面には凹凸が形成される。このような凹凸を有する表面
に直接金属配線層を形成することは困難である。さら
に、厚みの大きいアルミナ層は、下地のアルミニウムあ
るいはアルミニウム合金と熱膨張係数が異なるため、通
常150 ℃以下の温度サイクルで繰り返し使用されるとク
ラックが発生し、十分な絶縁性/信頼性が確保されな
い。
【0005】したがって、アルミナ層表面に十分厚い樹
脂層を形成することで、表面の凹凸を無くすとともに、
使用中にクラックが発生しても十分な絶縁性/信頼性を
確保できるようにするのである。つまりアルミナ層表面
の凹凸と樹脂層とのアンカー効果を積極的に利用するこ
とによって、樹脂層との密着強度を巧みに向上させるの
である。特開昭58−202590号公報、特開昭59−149094号
公報参照。
【0006】しかしながら、そのような目的で設けられ
る樹脂層は、熱伝導性が悪いため、その厚みが大きい
と、配線基板の放熱性が劣化するという問題があった。
また、製造プロセスも複雑になり、コストも増大すると
いう欠点もあった。
【0007】すなわち、従来の金属ベース配線基板は、
その特徴である高放熱性を犠牲にする樹脂層を形成しな
いと、配線形成性および絶縁性/信頼性が確保されない
という問題点があった。
【0008】陽極酸化によって形成された数十μm 厚の
アルミナ層を設けることは、本来、絶縁層を安価に形成
する方法として非常に有用であるが、アルミナ層自身の
絶縁性は不十分 (温度サイクルによるクラック発生) で
あり、むしろ多孔質であることを利用して樹脂層との密
着強度確保に使用されているというのが実状である。
【0009】一方、金属ベース配線基板では、金属ベー
ス基板をはさんで表裏面に配線が設けられ、それらを接
続するために金属ベース基板を突き抜けるスルーホール
が形成されることがあり、そのようなスルーホールの製
造プロセスもいくつか開発されている。
【0010】例えば、特開昭55−19853 号公報の提案す
る方法では、金属ベース基板としてのアルミニウム基材
に打ち抜き加工によりスルーホールを形成後、スルーホ
ール側壁を陽極酸化によって絶縁化処理し、絶縁性を強
化するためにさらに電着により絶縁樹脂膜を形成し、次
いでその表面にめっきにより金属膜を形成する。
【0011】また、特開昭59−121896号公報の開示する
方法では、同じくアルミニウム基板のスルーホール側壁
を陽極酸化により絶縁化した後、絶縁性を強化する目的
で酸化アルミニウム皮膜中の微細孔や欠陥部を樹脂封着
している。
【0012】さらに、特開平10−12982 号公報の開示す
る方法では、アルミニウム基板にスルーホールを形成し
てから絶縁性を強化する目的でスルーホールに絶縁性樹
脂を埋め込み、次いで陽極酸化により表裏面を絶縁化し
た後、さらに小径ドリルでスルーホールと同心円状の孔
を形成する。最後に、そのようにして形成した樹脂製ス
ルーホールの側壁に金属膜を形成している。
【0013】以上のように、従来の技術では、スルーホ
ール側壁の絶縁化処理を、陽極酸化処理だけでなく、絶
縁性樹脂をさらに使用することで行っており、それによ
り絶縁性をさらに強化している。
【0014】樹脂を用いる理由の1つは、陽極酸化処理
により形成される皮膜が、厚みを数十ミクロンまで厚く
できるが、クラックが発生しやすく絶縁性が不十分な多
孔質の酸化アルミニウム皮膜であることが挙げられる。
【0015】もう1つの理由は、上述したように、金属
膜の密着強度向上のために樹脂層が必要なためである。
すなわち、従来技術では、金属膜形成プロセスとしてめ
っき技術の適用を前提に考えている。しかし、酸化アル
ミニウム皮膜の表面に直接、密着強度の高い金属膜をめ
っきによって形成することができない (両者が化学結合
しないため) 。そこでめっき金属膜と酸化アルミニウム
層との間に樹脂層を介在させ、その樹脂層の表面を機械
研磨や化学研磨の方法で粗面化し、その凹凸を利用した
アンカー効果によってめっき金属膜との密着強度を保っ
ているのである。従って、スルーホール側壁のみなら
ず、基板主面上にも樹脂層が必要であり、めっきプロセ
スを使用する以上は、樹脂層の存在は必須であった。し
かし、これにより放熱性が劣化することは上述の通りで
ある。また、このように従来技術にあっては、必要な樹
脂層を形成する必要があるため、スルーホール径は大き
くしなければならない。
【0016】ところで一方、従来技術で使用されている
金属ベースとなるアルミニウム板は柔らかく、機械加工
によるスルーホール形成が特に困難な材料であることが
知られている。近年、プリント基板のスルーホール加工
技術が向上し、直径300 μm以下のような微細なスルー
ホール形成が可能になっている。ところが、アルミニウ
ム板へのスルーホールの機械加工は未だ困難であり、細
径のドリルでは欠損は避けられず、スルーホール径は約
1mmと大きいのが現状である。これらの理由から、従来
の金属ベース配線基板は、配線密度がプリント基板に比
べて著しく低く、このため用途が限られているという問
題があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題に鑑みてなされたもので、微細なスルーホール形成
を可能にした金属ベース配線基板およびその製造方法を
提供することである。
【0018】また、本発明の具体的課題は、放熱性を犠
牲にする樹脂層を形成せず、微細なスルーホール形成を
可能にするとともに陽極酸化によって形成されたアルミ
ナ層の表面に直接金属配線層を形成しても、十分な絶縁
性/信頼性を確保することができる金属ベース配線基板
とその製造方法を提供することである。さらに具体的な
本発明の課題は、高周波信号を良好に伝送できる金属ベ
ース配線基板を備えた半導体装置とその製造方法を提供
することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決すべ
く、本発明者らは従来技術の問題点の内、スルーホール
径を小さくできなかった理由が下記2点にあることに着
目した。
【0020】(1) アルミニウム基板に小径スルーホール
を安価に形成する方法がない。 (2) 陽極酸化処理により形成される多孔質酸化アルミニ
ウム層は絶縁性が不十分でさらに肉厚の樹脂層がスルー
ホール側壁に必要であり、そして、その内壁に金属層を
形成しなければならない。
【0021】そこで、本発明者らは、金属ベースとして
アルミニウム以外の加工性のよい金属を選び、小径スル
ーホールを形成した上で、表面にアルミニウム皮膜を形
成し、このアルミニウム皮膜を陽極酸化する方法を着想
した。
【0022】さらに陽極酸化によって形成される酸化ア
ルミニウム層は、無孔質の緻密なバリア型酸化アルミニ
ウムとすることでも、十分な絶縁性を確保でき、従来、
スルーホール内壁に形成することが必要とされた樹脂層
を不要とできることを知り、本発明に至った。
【0023】ここに、本発明は次の通りである。 (1) 下記(i) ないし(iv)の各工程から構成されるスルー
ホール付き金属ベース配線基板の製造方法。
【0024】(i) 金属ベースを構成する金属基板にスル
ーホールを形成するスルーホール形成工程; (ii)スルーホールが形成された金属基板の表裏面および
スルーホール側壁にアルミニウム皮膜を設けるアルミニ
ウム皮膜形成工程; (iii) アルミニウム皮膜が設けられた金属基板に陽極酸
化処理を行って無孔質バリア型酸化アルミニウム絶縁層
を形成する陽極酸化処理工程; および (iv)前記酸化アルミニウム絶縁層の上に信号用の導電パ
ターンを設ける配線パターン形成工程。
【0025】(2) 上記(1) 記載の(i) ないし(iv)の工程
によって得られたスルーホール付き金属ベース配線基板
にさらに下記(v) 工程を行う半導体装置の製造方法。 (v) 前記(iv)工程によって設けられた導電パターンに半
導体素子を実装する実装工程。
【0026】(3) 前記(ii)アルミニウム皮膜形成工程に
おいて、金属基板の表裏面およびスルーホール側壁にア
ルミニウム膜を形成する際、スパッタ法、蒸着法あるい
はCVD法によりアルミニウム皮膜を形成する上記(1) 記
載の金属ベース配線基板の製造方法。
【0027】(4) 前記(iii) 陽極酸化処理工程におい
て、アルミニウム皮膜を陽極酸化により酸化させ、無孔
質バリア型酸化アルミニウム絶縁層に変化させる際、陽
極としての金属基板および陰極を中性塩浴中に配置し、
該陽極および陰極の両電極に電流を流すことで金属基板
表面を酸化して無孔質バリア型酸化アルミニウム絶縁層
を形成する上記(1) 記載の金属ベース配線基板の製造方
法。
【0028】(5) スルーホールを備えた金属基板と、該
金属基板の表裏面およびスルーホール側壁に設けた無孔
質バリアー型酸化アルミニウム絶縁層と、該絶縁層の上
に設けられた導電パターンとを備えた金属ベース配線基
板。
【0029】(6) スルーホールを備えた金属基板と、該
金属基板の表裏面およびスルーホール側壁に設けた無孔
質バリアー型酸化アルミニウム絶縁層と、該絶縁層の上
に設けられた導電パターンと、さらに該導電パターンに
実装された半導体素子とを備えた半導体装置。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明によれば、上述のように、
スルーホール形成工程、アルミニウム皮膜形成工程、陽
極酸化処理工程、配線パターン形成工程、そして必要に
より半導体素子の実装工程から金属ベース配線基板およ
び半導体装置が製造される。これらに工程について順次
説明する。
【0031】スルーホール形成工程:本発明にあって
は、まず、金属ベースを構成する金属基板を選択する必
要があるが、本発明の場合には、十分な熱伝導性を備え
スルーホールの形成に困難がない金属材であれば特定の
ものに制限されないが、通常は、加工性が大幅に改善さ
れたアルミニウム合金、例えばAl−Cu系アルミニウム合
金 (2011、2024) 、または銅あるいは銅合金(黄銅、青
銅)を金属ベースとして用いればよい。
【0032】このようにして微小スルーホールの形成が
容易な金属ベースを選定してから、所定形状のスルーホ
ールを設ける。このときの手段としては、コスト面を考
えるとドリルなどの機械的手段が好ましい。また、レー
ザ加工、放電加工などを用いてもよく、場合によっては
エッチングによってスルーホール形成を行ってもよい。
このときのスルーホールの寸法は、従来技術の場合と異
なり、直径50〜200 μm とすることもできる。
【0033】アルミニウム皮膜形成工程:このようにし
てスルーホールの形成された金属ベース基板は、例えば
アルミニウム合金や銅製であるため、いずれにしても金
属ベース表面には、絶縁性の良い酸化アルミニウム層を
陽極酸化によって形成できない。従って、陽極酸化処理
に先立って、金属ベース基板表面に高純度なアルミニウ
ム皮膜を形成する必要がある。なお、アルミニウム合金
の場合、それに直接陽極酸化を行って形成されるアルミ
ナ層は合金成分を含有しているため十分な絶縁性を発揮
できない。
【0034】スルーホール側壁にもアルミニウム皮膜が
形成できる方法としては方向性の見られないスパッタリ
ングや真空蒸着やCVD 等のドライプロセスを使用するの
が好ましい。これらドライプロセスを用いることで99%
以上の高純度アルミニウム膜をスルーホール側壁にも形
成可能である。もちろん、スルーホール側壁にも電着が
効果的に行える限りにおいて、電気めっきあるいは無電
解めっきを採用してもよい。
【0035】このようにして形成するアルミニウム皮膜
と金属ベースとの密着強度を向上させるために、必要に
応じてCrやTi等の下地金属膜を1000オングストローム程
度予め形成しておいてもよい。
【0036】上述のようなドライプロセスで形成できる
アルミニウム皮膜厚は数μm 程度であり、これを陽極酸
化処理しても従来技術のような数十μm もの厚みを有す
る酸化アルミニウム皮膜は形成できない。また、その必
要性もない。なぜなら厚み1μm 程度のバリアー型酸化
アルミニウム層でも十分な絶縁性を発揮できるからであ
る。このようなアルミニウム層で十分な絶縁性が確保で
きることは、アルミニウム電解コンデンサで実証済みで
ある。厚み2μm 以下の絶縁層に十分な絶縁性を持たせ
るためには、陽極酸化されるアルミニウム膜の純度が99
%以上であることが好ましい。
【0037】陽極酸化処理工程:ホウ酸水溶液等の中性
塩浴中で形成される陽極酸化皮膜は高々2μm、通常は
1μm程度と薄いものの、皮膜は凹凸がなく緻密で、十
分な絶縁性を確保できることに着目した。これは、前述
のようにアルミニウム電解コンデンサの絶縁層形成に使
用されている陽極酸化方法で、従来の金属ベース配線基
板用の陽極酸化皮膜が多孔質皮膜成長型と言われるのに
対して、それにより製造される皮膜は無孔質バリア型皮
膜と呼ばれている。無孔質バリア型皮膜は十分な絶縁性
を確保できることは知られていたが、薄い膜しかできな
いために、すでに述べたような理由で、これまで配線基
板形成用の陽極酸化皮膜として使用されることはなく、
Al電解コンデンサの製造に利用されていたにすぎない。
【0038】本発明の好適態様において、酸化アルミニ
ウム絶縁層の厚みを2μm 以下に限定する理由は、次の
通りである。すなわち、2μm 超の厚膜になると、アル
ミナ層が多孔質になり表面に凹凸を生じ、金属配線層の
形成が困難になるからである。また、2μm 超の厚みに
なると金属ベースとの熱膨張係数の差からクラックが生
じるからである。これが多孔質であることもクラックが
発生しやすい要因になっている。
【0039】次に、酸化アルミニウム絶縁層を形成する
際に、ホウ酸アンモニウム水溶液等の中性塩浴を用いた
陽極酸化処理を利用するのは、この陽極酸化方法によれ
ば、緻密な2μm 以下の凹凸のない無孔質バリア型酸化
アルミニウム膜が効果的に形成されるからである。
【0040】すでに述べたように、かかる処理方法はア
ルミナ電解コンデンサの絶縁膜形成方法として知られて
いる。逆に、この方法を用いれば、陽極酸化時間にかか
わらず、酸化膜厚が2μm 超になることがない。ホウ酸
アンモニウム水溶液以外に同様の効果を示す電解浴とし
ては、酒石酸アンモニウムやクエン酸アンモニウム等の
水溶液が挙げられる。
【0041】導電パターン形成工程:このときの導電
(配線)パターン、つまり金属配線層の形成手段は、特
に制限はなく、例えば電気めっきのようなウエットプロ
セスで形成してもよく、あるいは、ドライプロセスによ
って金属配線層を形成してもよい。しかし、凹凸のない
酸化アルミニウム層の表面に直接金属層を形成する必要
があるため、密着強度の小さい、めっきプロセスによる
配線形成は困難であるため、CrやTi等の下地金属層を設
けるなどの予備処理を行う必要がある。
【0042】しかし、スルーホール側壁にも金属層が必
要なことから、プロセスとしてはスパッタリングや真空
蒸着やCVD 等のドライプロセスが望ましい。この場合
も、密着性を強化するために、導線性膜の金属層の主成
分として盛んに用いられるCu層と酸化アルミニウム層の
間にCrやTi等の下地金属層を1000オングストローム程度
形成しておくことが望ましい。
【0043】密着強度の点からはドライプロセスが好ま
しい。ここに、「ドライプロセス」とは、電気めっきの
ようないわゆるドライプロセスに対する用語であって、
具体的には、スパッタ、蒸着、CVD 、イオンプレーティ
ングなどの乾式処理によって金属基板に銅皮膜などの導
電性皮膜を形成し、次いでこれをエッチング処理するこ
とによって不要部分を除去して導電パターン、つまり配
線パターン(回路)を形成する方法を言う。
【0044】半導体素子の実装工程:このようにして形
成された金属配線層を構成する導電パターンの上には、
さらに半導体素子をはんだバンプを用いてフリップチッ
プ実装するとともに、接地端子となるはんだボールを接
続する。
【0045】半導体素子と半導体装置、つまり金属ベー
ス配線基板との熱膨張係数差によるクラック発生を防止
する目的および半導体素子の耐湿性を向上させる目的
で、必要により、半導体素子と半導体装置の界面にアン
ダーフィル( 樹脂) を注入して使用してもよい。
【0046】このように、本発明によれば、絶縁層とし
て樹脂層を使用しないから、十分な放熱性を確保でき、
微細スルーホールの形成が可能であるから、配線密度は
高められ、さらにドライプロセスにより精度の良い配線
形成が行えるため、高周波特性に優れた半導体装置を構
成することができる。
【0047】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施の形態として本
発明を高周波回路基板に応用した場合について説明する
ものであって、本発明にかかる金属ベース配線基板10の
断面図である。本例では、金属ベースとして厚み0.5 mm
の銅板1を用い、これに直径200 μmのスルーホール2
、3をドリルで形成した。
【0048】次に、下地金属であるCrを約1000オングス
トローム厚さまでスパッタリングにより形成する (図示
せず) 。スパッタリングを使用するとスルーホール側壁
にもCr層が形成される。このようにして下地金属層を形
成してから、同じくスパッタリングによって高純度アル
ミニウム皮膜 (純度99%以上) をスルーホール2、3の
側壁に2ミクロン厚に形成されるまでスパッタリングを
行った。このとき、基板の表裏面には4ミクロン程度の
アルミニウム皮膜( 図示せず) が形成されたが、おおむ
ね2ミクロン以上の厚みであれば問題ない。アルミニウ
ム皮膜の形成後、陽極酸化によって酸化アルミナ層4を
厚さ約1ミクロン形成した。このときに陽極酸化処理条
件は次の通りであった。
【0049】「陽極酸化条件」 浴:ホウ酸アンモニウム水溶液 陽極:アルミニウムをスパッタリングしたCu板 浴温度:90度 化成処理条件:浴を攪拌しながら、電圧が100Vに達する
まで、定電流密度 (1mA/cm2) で化成する。100Vに達し
た後は、100Vを維持する定低電圧化成に切り替え、30分
間化成処理を行った。
【0050】次に、陽極酸化処理済の金属ベース(金属
基板)に200 ℃で10分程度熱処理を行った。この金属基
板の表面にスパッタリングによって金属配線層5を形成
した。金属薄膜構成は、アルミナ膜上にCr 1000 オング
ストローム、その上にCu薄膜を2ミクロン厚で形成した
ものであった。アルミナ膜とCu膜の間にCr薄膜を下地金
属として形成することにより、配線の密着強度が確保さ
れる。
【0051】Cu薄膜形成後、エッチングにより所定の導
電パターン、つまり配線パターン5を形成した。さら
に、このようにして得た金属ベース配線基板の導電パタ
ーン5に半導体素子6、7、8や受動部品9を実装して
半導体装置とした。
【0052】図示装置の場合、回路の接地端子と金属ベ
ースである銅板1は絶縁されている。また、回路の接地
ラインは金属配線層3と同一層に形成されており、コプ
レーナ構造を形成している。
【0053】さて、この高周波用回路基板の中で、スル
ーホールを2カ所経由した信号ライン (ライン長:約20
mm) の信号伝送特性をネットワークアナライザを用いて
計測した結果、5GHz において、挿入損失は−0.5dB 、
反射損失は−28dBといずれも良好であった。
【0054】なお、本例ではアルミニウム皮膜の形成お
よび導電パターンの形成にスパッタリング法を用いてい
るが、真空蒸着法およびCVD 法によっても同様の効果が
得られた。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の金属ベー
ス配線基板においては、微小スルーホール形成を可能に
し、表裏面に回路を形成した両面の高密度配線基板を実
現できるとともに、絶縁性/信頼性の高い、薄くて緻密
な陽極酸化膜のみを絶縁層として使用することによっ
て、安価で放熱性に優れた金属ベース配線基板を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る半導体装置の断面図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(i) ないし(iv)の各工程から構成さ
    れるスルーホール付き金属ベース配線基板の製造方法。 (i) 金属ベースを構成する金属基板にスルーホールを形
    成するスルーホール形成工程; (ii)スルーホールが形成された金属基板の表裏面および
    スルーホール側壁にアルミニウム皮膜を設けるアルミニ
    ウム皮膜形成工程; (iii) アルミニウム皮膜が設けられた金属基板に陽極酸
    化処理を行って無孔質バリア型酸化アルミニウム絶縁層
    を形成する陽極酸化処理工程; および (iv)前記酸化アルミニウム絶縁層の上に信号用の導電パ
    ターンを設ける導電パターン形成工程。
  2. 【請求項2】請求項1記載の(i) ないし(iv)の工程によ
    って得られたスルーホール付き金属ベース配線基板にさ
    らに下記(v) 工程を行う半導体装置の製造方法。 (v) 前記(iv)工程によって設けられた導電パターンに半
    導体素子を実装する実装工程。
  3. 【請求項3】 前記(ii)アルミニウム皮膜形成工程にお
    いて、金属基板の表裏面およびスルーホール側壁にアル
    ミニウム膜を形成する際、スパッタ法、蒸着法あるいは
    CVD 法によりアルミニウム皮膜を形成する請求項1記載
    の金属ベース配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記(iii) 陽極酸化処理工程において、
    アルミニウム皮膜を陽極酸化により酸化させ、無孔質バ
    リア型酸化アルミニウム絶縁層に変化させる際、陽極と
    しての金属基板および陰極を中性塩浴中に配置し、該陽
    極および陰極の両電極に電流を流すことで金属基板表面
    を酸化して無孔質バリア型酸化アルミニウム絶縁層を形
    成する請求項1記載の金属ベース配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 スルーホールを備えた金属基板と、該金
    属基板の表裏面およびスルーホール側壁に設けた無孔質
    バリアー型酸化アルミニウム絶縁層と、該絶縁層の上に
    設けられた導電パターンとを備えた金属ベース配線基
    板。
  6. 【請求項6】 スルーホールを備えた金属基板と、該金
    属基板の表裏面およびスルーホール側壁に設けた無孔質
    バリアー型酸化アルミニウム絶縁層と、該絶縁層の上に
    設けられた導電パターンと、さらに該導電パターンに実
    装された半導体素子とを備えた半導体装置。
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