JP2008153556A - 電気回路用放熱基板の製造方法 - Google Patents

電気回路用放熱基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 絶縁性の高い電気回路用放熱基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 シュウ酸浴、硫酸浴、リン酸浴の内の少なくとも一種の浴を用いてアルミニウム基板表面に陽極酸化処理を施してアルミニウム基板表面に多孔質層を形成し、その後、硼酸アンモニウム浴、硼酸ナトリウム浴、酒石酸アンモニウム浴、クエン酸アンモニウム浴などの中性塩浴もしくはマレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸などイオン解離度の小さい有機酸浴のうちの少なくとも一種の浴を用いて陽極酸化処理を施す。この際、放熱基板として必要とされる電圧以上の電圧を印加しつつ、水及び/または多孔質層に含有される微量不純物による電流しか流れなくなるまで保持して絶縁層を形成し、絶縁層上にスパッタ法または蒸着法にてシード層を形成したのち、シード層表面に電気めっき法にて所望の厚さの金属皮膜を形成して電気回路用放熱基板を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、放熱性を重要視した電気回路用基板、特にアルミニウムベースの電気回路用放熱基板の製造方法に関する。
従来から、インバータ、電源、あるいは車載用などに用いる電気回路用基板では、回路から発生する熱を放出するため高い放熱性が要求されている。また、最近では、レーザーダイオードや発光ダイオードなどのハイパワー化の流れから、これらのダイオードを実装する回路用基板についても、放熱性の優れた基板の要求が高まっている。
このような要求に対して、放熱性の優れた様々な基板が開発されており、メタルベース基板もその1つである。例えば、アルミニウム又は銅の基材上にエポキシあるいはガラスエポキシで絶縁層を形成し、その上に銅箔を接着し、これにより回路パターンを形成した電気回路用放熱基板が知られている。
セラミックベース基板も放熱性に優れ、特に窒化アルミニウム基板は金属並の放熱性を有している。例えば、セラミック基材上に銅板又はアルミニウム板をロウ材で貼り付けるか、あるいは金属をスパッタリング又は蒸着して導電層を形成し、この導電層をエッチング加工して回路パターンを形成することにより使用される。また、セラミック基材上に金属ペーストを印刷後、焼成することにより、回路パターンを形成した基板もある。
これら電気回路用放熱基板の熱伝導率は、電気回路に多く使用されているプリント基板の熱伝導率がおよそ0.5W/mKであるのに対して、メタルベース基板の熱伝導率は約4W/mK程度と優れている。一方、セラミックベース基板の熱伝導率は、アルミナ基板で約20W/mK、窒化アルミニウム基板では約170W/mKと非常に優れている。
しかし、セラミックベース基板は、上記のごとく放熱性に優れているが、直接穴開け加工することができないという欠点を有しており、そのため固定手段として穴開け加工可能なメタル基材を貼り付ける等の対策が必要であった。一方、メタルベース基板は、穴開け加工が容易であるが、放熱性は十分満足すべきものとはいえなかった。
上記欠点を解決する放熱基板の製造方法として、特開平09−266374号公報には、アルミニウム基材に燐酸浴を用いて陽極酸化処理を施して基材表面に開口端をゆえする多孔質層を設け、次に、多孔質層の孔底部近傍の絶縁特性を確保するために、シュウ酸浴、スルファミン酸浴、硼酸浴のいずれかを用いて再度陽極酸化処理を行い、多孔質層底部にバリア層を設け、多孔質層とバリア層とからなる酸化アルミニウムの絶縁層(アルマイト層)を形成し、その絶縁層上に無電解金属めっきにより電気回路を形成する方法が提案されている。また、特開平10−004260号公報には、上記方法の改良技術であって、無電解めっきの後に電解めっきを行う方法が記載されている。
近時、これらシュウ酸浴、スルファミン酸浴、硼酸浴の3種類の浴でバリア層を形成すると、バリア層が燐酸浴の場合に形成される孔よりも径の小さな微細孔を有するバリア層となる(非特許文献1)ことが明らかにされた。従って、これらの微細孔底面の絶縁特性はこの微細孔底面の周囲に比べて低くなっているばかりか、こうした絶縁層の表面に無電解めっき層を形成した場合、バリア層の微細孔の最下部表面までめっき液が浸入し、あるいは金属が析出する虞があり、こうした場合には、アルマイト層の絶縁特性が低下する。
回路パターンとアルミニウム基板との密着強度を改良すべく検討されている、無電解めっきの代わりにスパッタ法もしくは蒸着法によってアルマイト層表面にシード層を形成し、このシード層の上に電気めっきを行う方法でも、シード層形成後の電気めっき時に、前記と同様にバリア層の微細孔の内部に導電性を有するめっき液の侵入が生じる虞は拭いきれない。
特開平09−266374号公報 特開平10−004260号公報 新アルマイト理論、カロス出版、p84
ところで、前記した絶縁層を設けたアルミニウム基板では、基板の絶縁特性はバリア層の耐電圧に依存する。一般に、高放熱特性が必要とされる電子基板では、高電圧が用いられるため、バリア層の耐電圧が高いことが求められる。前記した微細孔内に金属が析出したり、めっき液の侵入が起きたりすると、アルマイト層表面に設けられた回路パターンとアルマイト層底面に接するアルミニウム層との間の耐電圧はせいぜい100V以下となる。従って、それ以上の電圧がかかった場合はショートしてしまう。
本発明は上記した従来の問題点を克服し、100V以上の高電圧で使用することができ、かつ放熱特性に劣ることのない電気回路用放熱基板の製造方法の提供を目的とする。
本発明者は前記課題を解決するために種々の検討を行った結果、表面に陽極酸化処理により形成された多孔質層とバリア層とから構成される絶縁層を有するアルミニウム基板の絶縁層表面上に、乾式めっき法にてシード層を形成したのちに電気めっき法にて所望の厚さの金属皮膜を形成する電気回路用放熱基板の製造方法において、多孔質層を形成したのち、バリア層を設けるに際して、陽極酸化時に印加する電圧を電気回路用放熱基板として必要とされる電圧以上とし、水や多孔質層に含まれる微量不純物による電流しか流れなくなるまで通電すれば前記課題を解消できることを見いだして本発明に至った。
即ち、上記課題を解決する本発明の方法は、アルミニウム基材に陽極酸化処理を施すことによりその表面に多孔質層とバリア層とからなる絶縁層を形成した後、その絶縁層上に、スパッタリング法や蒸着法などの乾式めっき法により導電性金属膜を形成し、次に電解めっき法により導電性金属膜を積層して形成して電気回路用放熱基板を得る方法において、下記の処理により前記多孔質層とバリア層とから構成される絶縁層を形成するものである。
(1)シュウ酸浴、硫酸浴、リン酸浴の少なくとも一つの浴を用いてアルミニウム基材表 面を陽極酸化してその表面に多孔質層を有するアルミニウム基材を得る。
(2)硼酸アンモニウム浴、硼酸ナトリウム浴、酒石酸アンモニウム浴、クエン酸アンモ ニウム浴などの中性塩浴もしくはマレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸、酒 石酸などイオン解離度の小さい有機酸浴のうちの少なくとも一つの浴中に(1)で 得られたアルミニウム基材を陽極として浸漬し、放熱基板として必要とされる電圧 以上の電圧を印加しつつ通電したときに、水及び/または多孔質層に含まれる微量 不純物による電流しか流れなくなるまで通電して多孔質の底面にバリア層を形成す る。
なお、水及び/または多孔質層に含まれる微量不純物による電流しか流れなくなったかどうかの判断は、十分間隔を取った二時点間の電流値の差がほぼ無視できる値となったかどうかにより判断する。
また、前記(1)の工程を終了した後、多孔質層を十分乾燥させてから(2)工程を行えば、(2)の工程に要する時間が短縮されるので好ましい。
上記本発明の電気回路用放熱基板の製造方法においては、絶縁層の厚さを5〜200μmとすることが好ましく、より好ましくは10〜100μmとする。
上記本発明の電気回路用放熱基板の製造方法においては、前記乾式めっき法による導電性金属膜の膜厚が0.1〜0.3μmであり、前記電解めっき法による導電性金属膜の膜厚が5〜35μmであることが好ましい。
また、前記乾式めっき法による導電性金属膜は、Ni、Cr、Tiの少なくとも1種を含む金属からなる第1層と、その上に積層して形成されたCuを含む金属からなる第2層とで構成されることが好ましく、且つ前記電解めっき法による導電性金属膜は、Cuを含む金属からなることが好ましい。
本発明では、絶縁膜を、多孔質層を形成したのち、放熱基板として必要とされる電圧以上の電圧を印加しつつ、水及び/または多孔質層に含まれる微量不純物による電流しか流れなくなるまで通電することで多孔質層の孔底面にバリア層を形成するので、バリア層に形成される微細孔内部にめっき液が浸入し、または金属が析出してもバリア層の絶縁特性が低下することはない。
従って、前記多孔質層表面にシード層を設け、その上に電気めっきを施して電気回路パターンを得た場合、電気回路パターンの高電圧下での絶縁信頼性は高いものとなる。
本発明では、表面に陽極酸化処理により形成された絶縁層を有するアルミニウム基板上にスパッタ法または蒸着法にてシード層を形成したのち、シード層表面に電気めっき法にて所望の厚さの金属皮膜を形成する電気回路用放熱基板の製造方法において、絶縁層を形成するに際して、まずシュウ酸浴、硫酸浴、リン酸浴の内の少なくとも一種の浴を用いてアルミニウム基板表面に陽極酸化処理を施してアルミニウム基板表面に多孔質層を形成し、その後、硼酸アンモニウム浴、硼酸ナトリウム浴、酒石酸アンモニウム浴、クエン酸アンモニウム浴などの中性塩浴もしくはマレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸などイオン解離度の小さい有機酸浴のうちの少なくとも一種の浴を用いて陽極酸化処理を施す。この際、放熱基板として必要とされる電圧以上の電圧を印加し、水及び/または多孔質層に含有される微量不純物による電流しか流れなくなるまで通電することで多孔質層の孔底面に絶縁特性に優れたバリア層を形成する。
なお、水及び/または多孔質層に含まれる微量不純物による電流しか流れなくなったかどうかの判断は、十分間隔を取った二時点間の電流値の差がほぼ無視できる値となったかどうかにより判断する。
本発明方法に適用できるアルミニウム基材としては、例えば、一般の99%アルミニウム若しくは10重量部以下の添加物を含有したアルミニウム合金が使用可能である。このアルミニウム基材をシュウ酸浴中、硫酸浴中あるいはリン酸浴中で陽極酸化して、表面に多孔質層の絶縁層を形成する。これらの浴を混合して用いても良い。
次いで、多孔質層を有するアルミニウム基材を硼酸アンモニウム浴、硼酸ナトリウム浴、酒石酸アンモニウム浴、クエン酸アンモニウム浴などの中性塩浴もしくはマレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸、酒石酸などイオン解離度の小さい有機酸浴の何れかの浴中で放熱基板として必要とされる電圧以上の電圧を印加し、水及び/または多孔質に含まれる微量不純物による電流しか流れなくなるまで通電して電気回路用放熱基板を得る。こうして信頼性の高い絶縁層を有するアルミニウム基材を得る。
なお、陽極酸化の進行に伴い流れる電流は、水分や多孔質層に含まれる微量の導電性不純物等による微弱な電流まで減衰し、その後この値を取り続ける。従って、終点判断としては、十分間隔を取った二時点間の電流値の差がほぼ無視できる値となったかどうかにより判断することが可能となる。
また、多孔質層を設けた後、多孔質層を十分乾燥させてからバリア層を設けると、バリア層形成に要する時間が短縮されるので好ましい。
上記絶縁層の厚さとしては、絶縁層の強度と電気回路用の基板として十分な絶縁性を確保するために、処理時間などの陽極酸化処理条件を調整して、5μm以上とすることが望ましい。ただし、絶縁層の厚さを200μm以上にすることは、長い処理時間を要するため実用的ではない。より好ましい絶縁層の厚さは、10〜100μmの範囲である。
次に、上記陽極酸化処理により得られたアルミニウム基材表面の絶縁層上に、乾式めっき法により薄い導電性金属膜を形成する。この乾式めっき法により形成する導電性金属膜の膜厚は、0.1〜0.3μmの範囲が好ましい。この導電性金属膜の膜厚が0.1μm未満では下地である絶縁層との密着強度が不十分となり、また0.3μmを超えると膜形成に時間を要するからである。乾式めっき法としてはスパッタリング法又は蒸着法が好ましいが、得られる導電性金属膜と絶縁層の密着強度の点ではスパッタリング法が優れている。
その後、上記乾式めっき法により形成した薄い導電性金属膜の上に、電解めっき法により厚い導電性金属膜を積層して形成する。この電解めっき法により形成する導電性金属膜の膜厚は、必要に応じて任意に定めることができるが、通常は5〜35μmの範囲が好ましい。この膜厚が5μm未満では、全体として導電性金属膜の膜厚が薄すぎるため導電性が不十分となる。また、この膜厚が35μmを超えると、膜形成に時間を要するため好ましくない。
乾式めっき法及び電解めっき法により形成する導電性金属膜は、CuやNiなど、必要な導電性を確保できる金属であればよい。好ましい態様としては、乾式めっき法による導電性金属膜を、Ni、Cr、Tiの少なくとも1種を含む金属からなる第1層と、その上に積層されたCuを含む金属からなる第2層とで構成する。また、電解めっき法による導電性金属膜としては、Cuを含む金属からなる導電性金属膜が好ましい。Ni、Cr、Tiの少なくとも1種を含む金属としては、Ni、Cr、Tiのほか、これらの合金、例えばNiCrなどがある。また、Cuを含む金属としては、Cu又はその合金である。
乾式めっき法による導電性金属膜の第1層は、アルミニウム基材の陽極酸化処理で形成された多孔質層と強固に結合して、密着強度を向上させるためのシード層となる。また、乾式めっき法による導電性金属膜の第2層は、次の電解めっき法による導電性金属膜と同種の金属、好ましくはCuを含む金属を用いることで、電解めっき法による導電性金属膜との密着性を良好にすると共に導電性金属膜を効率よく形成することができる。
このようして得られる本発明の電気回路用放熱基板は、導電性金属膜を乾式めっき法と電解めっき法の2種類の方法により積層して形成するため、上述した特開平09−266374号公報や特開平10−004260号公報に記載の従来の放熱基板と比較して、導電性金属膜と下地である絶縁層との密着強度がはるかに優れている。また、本発明の電気回路用放熱基板の熱伝導率は、上記した従来の放熱基板と同程度であり、具体的には60〜95W/mKの範囲と優れたものである。
尚、本発明の放熱基板の製造に際して、基板をネジ止めするためや、放熱性を更に向上させるためなどにより、部分的に陽極酸化処理を施したくない領域が存在する場合には、その領域を樹脂などで部分的にマスキングすることで対応することが可能である。また、本発明の放熱基板は、導電性金属膜にエッチング加工で回路パターンを形成して使用される。
(実施例1)
厚さ1mm、縦横それぞれ25.4mmで純度99%のアルミニウム板を記載とし、この基材の陽極酸化する面以外の面に樹脂コーティングを施し、5%シュウ酸水溶液を用い、処理温度25℃、電流密度1A/dm2で60分間通電して陽極酸化処理を施した。得られた基材の表面には、厚さ約30μmの多孔質の酸化アルミニウム層(絶縁層)が形成されていた。
次に、このアルミニウム基材を25℃の5%硼酸アンモニウム水溶液に浸漬し、最初電流密度Dk=1A/dm2で通電を開始し、電圧が350Vになった後は、電圧を350V一定として通電を続けた。電流値が10分間以上一定となった時点で通電を停止し、バリア層を形成した。得られた基材のバリア層の厚さは約1μmであった。
次に、得られたアルミニウム基材を乾燥し、その後スパッタリング装置内に設置して、装置内の真空度を10-7torrとし、NiCrターゲットを用い、スパッタパワー500Wで2分間スパッタリングして基材表面の絶縁層上にNiCr膜を形成した。引き続き、同じ条件にてCuターゲットを用いて3分間スパッタリングして、NiCr膜上にCu膜を積層して形成した。
その後、上記乾式めっき法による導電性金属膜形成後の基材を取り出し、電気めっき法によりCu膜を形成した。用いた電気めっき液の組成は、CuSO4:90g/l、H2SO4:180g/l、Cl-:50mg/lとした。めっき条件は、液温25℃、電流密度3A/dm2、めっき時間30分間とした。
水洗後60℃で2時間乾燥して、アルミニウムベースの電気回路用放熱基板を得た。この放熱基板の断面を顕微鏡観察した結果、導電性金属膜の膜厚は、乾式めっき法による第1層のNiCr膜が0.1μm、第2層のCu膜が0.2μm、電解めっき法によるCu膜が20μmであることが確認された。
得られた放熱基板の表面にスクリーン印刷によってレジスト層を設け、縦5列、横5列、計25個の直径2mmの円形パターンを有するマスクを用いて露光し、現像し、導電性金属膜をエッチングして縦5列、横5列、計25個の直径2mmの円形パターンを作成した。
絶縁層側面以外に塗布された樹脂を除去したあと、露出したアルミニウム面と円形パターンとの間に250Vの電圧を印加し、流れる電流値を測定した。その結果、25点とも導通はなく、絶縁率(絶縁ヶ所/25×100)は100%であった。
(実施例2)
バリア層作成時の最高電圧を150Vとし、絶縁性を測定する際の電圧を100Vとした以外は実施例1と同様にして電気回路用放熱基板を得、絶縁性を測定した。その結果は、実施例1と同様に絶縁率100%であった。
(比較例1)
25℃の5%硼酸アンモニウム水溶液を用いたバリア層の形成を80V、0.5時間として行った以外は実施例と同様にしてアルミニウム基材を作製し、25個の円形パターンを作成して100Vの電圧を印加し、流れる電流値を測定した。その結果、絶縁ヶ所は21ヶ所、導通ヶ所4ヶ所で絶縁率は84%であった。
(比較例2)
25℃の5%硼酸アンモニウム水溶液を用いたバリア層の形成を150V、1時間として行った以外は実施例と同様にしてアルミニウム基材を作製し、25個の円形パターンを作成して250Vの電圧を印加し、流れる電流値を測定した。その結果、絶縁ヶ所は23ヶ所、導通ヶ所2ヶ所で絶縁率は92%であった。
(比較例3)
比較例1のスパッタリングによる乾式めっき法の代わりに無電解めっき法を用いて、アルミニウムベースの放熱基板を作製した。即ち、比較例1と同様にして得た絶縁層を有するアルミニウム基材を、組成がPdCl2:1ml/l、HCl:1ml/lの前処理液に液温25℃で1分間浸漬した後、市販の無電解Niめっき浴に10分間浸漬して、膜厚約3μmのNi膜を形成した。次に、組成がCuSO4:90g/l、H2SO4:180g/l、Cl-:50mg/lの電解Cuめっき浴にて、液温25℃、電流密度3A/dm2、めっき時間30分間の処理を行って、膜厚約20μmのCu膜を形成した。
その後、実施例と同様にして25個の円形パターンを作成し、実施例と同様にした250Vの電圧を印加し、流れる電流値を測定した。その結果、絶縁ヶ所が17ヶ所、導通ヶ所が8ヶ所で絶縁率は68%であった。
以上、この結果から、中性塩浴もしくはイオン解離性の低い有機酸浴を用いて、使用される電圧で電流が水及びまたは多孔質層に含まれる導電性不純物による電流しか流れなくなるまで通電して陽極酸化し、バリア層を設けた基板では、耐電圧特性が向上していることが確認できた。

Claims (6)

  1. アルミニウム基材に陽極酸化処理を施すことにより表面に多孔質層とバリア層とからなる絶縁層を形成した後、そのアルミニウム基材の絶縁層上に、スパッタリング法や蒸着法などの乾式めっき法により導電性金属膜を形成し、次に電解めっき法により導電性金属膜を積層して形成する方法において、前記多孔質層とバリア層とから構成される絶縁層を形成するに際して下記の処理を行うことを特徴とする電気回路用放熱基板の製造方法。
    (1)シュウ酸浴、硫酸浴、リン酸浴の少なくとも一つの浴を用いてアルミニウム基材表 面を陽極酸化してその表面に多孔質層を有するアルミニウム基材を得る。
    (2)硼酸アンモニウム浴、硼酸ナトリウム浴、酒石酸アンモニウム浴、クエン酸アンモ ニウム浴などの中性塩浴もしくはマレイン酸、マロン酸、フタル酸、クエン酸、酒 石酸などイオン解離度の小さい有機酸浴のうちの少なくとも一つの浴中に(1)で 得られたアルミニウム基材を陽極として浸漬し、放熱基板として必要とされる電圧 以上の電圧を印加しつつ通電したときに、水及び/または多孔質層に含まれる微量 不純物による電流しか流れなくなるまで通電して多孔質の底面にバリア層を形成す る。
  2. 請求項1記載の発明において前記(1)の工程を終了した後、多孔質層を十分乾燥させてから(2)工程を行うことを特徴とする電気回路用放熱基板の製造方法。
  3. 絶縁層の厚さが5〜200μmである請求項1又は2に記載の電気回路用放熱基板の製造方法。
  4. 前記乾式めっき法による導電性金属膜の膜厚が0.1〜0.3μmであり、前記電解めっき法による導電性金属膜の膜厚が5〜35μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電気回路用放熱基板の製造方法。
  5. 前記乾式めっき法による導電性金属膜が、Ni、Cr、Tiの少なくとも1種を含む金属からなる第1層と、その上に積層して形成されたCuを含む金属からなる第2層とで構成され、且つ前記電解めっき法による導電性金属膜がCuを含む金属からなることを特徴とする、請求項1〜4記載のいずれかの電気回路用放熱基板の製造方法。
  6. 前記乾式めっき法として、スパッタリング法又は蒸着法を用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の電気回路用放熱基板の製造方法。
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