JP2000149995A - 正極材料及びそれを用いた非水電解質電池 - Google Patents
正極材料及びそれを用いた非水電解質電池Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 リチウムマンガン化合物よりなり、4V領域
が広く、電池に高容量を付与できる。 【解決手段】 LixMn2O4(但し、0≦x≦3)の
マンガンイオンの少なくとも一部が、当該マンガンイオ
ンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置換され
たリチウム化合物よりなる。
が広く、電池に高容量を付与できる。 【解決手段】 LixMn2O4(但し、0≦x≦3)の
マンガンイオンの少なくとも一部が、当該マンガンイオ
ンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置換され
たリチウム化合物よりなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極材料及びそれ
を用いた非水電解質電池に関する。
を用いた非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、充放電可能な電池の中で、リチウ
ムイオン又は電子が正負極間を移動することによって充
放電を繰り返す、いわゆるリチウムイオン二次電池(非
水電解質電池)は、4V前後の高い電圧特性を示す二次
電池として注目されている。
ムイオン又は電子が正負極間を移動することによって充
放電を繰り返す、いわゆるリチウムイオン二次電池(非
水電解質電池)は、4V前後の高い電圧特性を示す二次
電池として注目されている。
【0003】リチウムイオン二次電池では、一般に、正
極には層状構造のコバルト酸リチウム(LixCoO2:
0≦x≦1)、負極には層状構造のカーボン或いはグラ
ファイトが用いられている。このような二次電池では、
正極と負極とを構成する層状化合物の層間にリチウムイ
オンが挿入又は取り出されることによって充放電が行わ
れる。
極には層状構造のコバルト酸リチウム(LixCoO2:
0≦x≦1)、負極には層状構造のカーボン或いはグラ
ファイトが用いられている。このような二次電池では、
正極と負極とを構成する層状化合物の層間にリチウムイ
オンが挿入又は取り出されることによって充放電が行わ
れる。
【0004】この正極に用いられるLixCoO2は、4
V以上の高い電圧特性を示し、リチウムイオンの挿入又
は取り出しに対して比較的安定な構造を保つことができ
る優れた材料である。
V以上の高い電圧特性を示し、リチウムイオンの挿入又
は取り出しに対して比較的安定な構造を保つことができ
る優れた材料である。
【0005】しかしながら、LixCoO2の原料となる
コバルトは、資源が少ないため入手が困難であり、高価
である。このため、LixCoO2に代わる、コバルトを
用いない正極材料の開発が必要とされている。
コバルトは、資源が少ないため入手が困難であり、高価
である。このため、LixCoO2に代わる、コバルトを
用いない正極材料の開発が必要とされている。
【0006】コバルトを用いない正極材料の候補として
は、層状構造のニッケル酸リチウム(LixNiO2:0
≦x≦1)や、スピネル構造をとるマンガン酸リチウム
(LiMn2O4)にリチウムイオン及び電子の挿入或い
は取り出しを行ったLixMn2O4(0≦x≦3)など
が提案されている。そのなかでも特に、LixMn2O4
は、マンガンが、コバルトに対しては勿論のこと、ニッ
ケルに比べても資源が豊富で安価であり、非常に恵まれ
た材料である。
は、層状構造のニッケル酸リチウム(LixNiO2:0
≦x≦1)や、スピネル構造をとるマンガン酸リチウム
(LiMn2O4)にリチウムイオン及び電子の挿入或い
は取り出しを行ったLixMn2O4(0≦x≦3)など
が提案されている。そのなかでも特に、LixMn2O4
は、マンガンが、コバルトに対しては勿論のこと、ニッ
ケルに比べても資源が豊富で安価であり、非常に恵まれ
た材料である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このL
ixMn2O4は、電圧特性の点で問題を有している。即
ち、LixMn2O4におけるxの値は、理論上0≦x≦
3なる範囲とされ得るが、結晶構造の安定性等の理由か
ら0≦x≦2での利用が有力であると考えられている。
ixMn2O4は、電圧特性の点で問題を有している。即
ち、LixMn2O4におけるxの値は、理論上0≦x≦
3なる範囲とされ得るが、結晶構造の安定性等の理由か
ら0≦x≦2での利用が有力であると考えられている。
【0008】ところが、LixMn2O4(0≦x≦2)
をリチウムイオン二次電池の正極に用いた場合、図3に
示す電圧特性からもわかるように、0≦x≦1の領域で
は4V以上の高電圧特性が得られるにも拘わらず、x=
1で急激に電圧が降下し、1≦x≦2の領域では3V程
度の電圧特性が得られるのに留まっている(以下、4V
以上の電圧特性が得られる領域を4V領域、3V程度の
電圧特性しか得られない領域を3V領域と称する。)。
をリチウムイオン二次電池の正極に用いた場合、図3に
示す電圧特性からもわかるように、0≦x≦1の領域で
は4V以上の高電圧特性が得られるにも拘わらず、x=
1で急激に電圧が降下し、1≦x≦2の領域では3V程
度の電圧特性が得られるのに留まっている(以下、4V
以上の電圧特性が得られる領域を4V領域、3V程度の
電圧特性しか得られない領域を3V領域と称する。)。
【0009】つまり、LixMn2O4(0≦x≦2)の
4V領域は、LixCoO2(0≦x≦1)の理論容量の
50%程度でしかない。但し、層状構造のLixCoO2
よりも、スピネル構造のLixMn2O4のマンガン酸化
物(Mn2O4)の骨格の方が安定であり、リチウムイオ
ンを十分に取り出すことができるため、実際には、Li
xMn2O4は、LixCoO2を用いた場合の80%程度
の容量が得られている。従って、LixCoO2に匹敵す
る容量を得るためには、LixMn2O4の4V領域を更
に拡大することが必要である。
4V領域は、LixCoO2(0≦x≦1)の理論容量の
50%程度でしかない。但し、層状構造のLixCoO2
よりも、スピネル構造のLixMn2O4のマンガン酸化
物(Mn2O4)の骨格の方が安定であり、リチウムイオ
ンを十分に取り出すことができるため、実際には、Li
xMn2O4は、LixCoO2を用いた場合の80%程度
の容量が得られている。従って、LixCoO2に匹敵す
る容量を得るためには、LixMn2O4の4V領域を更
に拡大することが必要である。
【0010】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、リチウムマンガン化合物
よりなり、4V領域が広く、電池に高容量を付与できる
正極材料及びそれを用いた非水電解質電池を提供するこ
とを目的とする。
鑑みて提案されたものであり、リチウムマンガン化合物
よりなり、4V領域が広く、電池に高容量を付与できる
正極材料及びそれを用いた非水電解質電池を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の正極材料は、L
ixMn2O4(但し、0≦x≦3)のマンガンイオンの
少なくとも一部が、当該マンガンイオンよりもイオン半
径の大きな正の金属イオンで置換されたリチウム化合物
よりなることを特徴とする。
ixMn2O4(但し、0≦x≦3)のマンガンイオンの
少なくとも一部が、当該マンガンイオンよりもイオン半
径の大きな正の金属イオンで置換されたリチウム化合物
よりなることを特徴とする。
【0012】上述したような本発明に係る正極材料で
は、LixMn2O4におけるマンガンイオンの少なくと
も一部が、当該マンガンイオンよりもイオン半径の大き
な正の金属イオンで置換されているので、放電の際に挿
入されたリチウムイオンが、LixMn2O4結晶格子の
中間的なサイトに存在し、x>1においても単相が維持
されて4V領域が拡大される。
は、LixMn2O4におけるマンガンイオンの少なくと
も一部が、当該マンガンイオンよりもイオン半径の大き
な正の金属イオンで置換されているので、放電の際に挿
入されたリチウムイオンが、LixMn2O4結晶格子の
中間的なサイトに存在し、x>1においても単相が維持
されて4V領域が拡大される。
【0013】本発明の非水電解質電池は、正極が、Li
xMn2O4(但し、0≦x≦3)のマンガンイオンの少
なくとも一部が、当該マンガンイオンよりもイオン半径
の大きな正の金属イオンで置換されたリチウム化合物よ
りなることを特徴とする。
xMn2O4(但し、0≦x≦3)のマンガンイオンの少
なくとも一部が、当該マンガンイオンよりもイオン半径
の大きな正の金属イオンで置換されたリチウム化合物よ
りなることを特徴とする。
【0014】上述したような本発明に係る非水電解質電
池では、正極が、LixMn2O4におけるマンガンイオ
ンの少なくとも一部が、当該マンガンイオンよりもイオ
ン半径の大きな正の金属イオンで置換されたリチウム化
合物よりなるので、放電の際に挿入されたリチウムイオ
ンが、LixMn2O4結晶格子の中間的なサイトに存在
し、x>1においても単相が維持されて4V領域が拡大
され、大容量が得られる。
池では、正極が、LixMn2O4におけるマンガンイオ
ンの少なくとも一部が、当該マンガンイオンよりもイオ
ン半径の大きな正の金属イオンで置換されたリチウム化
合物よりなるので、放電の際に挿入されたリチウムイオ
ンが、LixMn2O4結晶格子の中間的なサイトに存在
し、x>1においても単相が維持されて4V領域が拡大
され、大容量が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
態について説明する。
【0016】本発明に係る正極材料は、LixMn2O4
(但し、0≦x≦3)のマンガンイオンの少なくとも一
部が、当該マンガンイオンよりもイオン半径の大きな正
の金属イオンで置換されたリチウム化合物よりなる。
(但し、0≦x≦3)のマンガンイオンの少なくとも一
部が、当該マンガンイオンよりもイオン半径の大きな正
の金属イオンで置換されたリチウム化合物よりなる。
【0017】LixMn2O4は、図1に示すようなスピ
ネル構造をとるリチウム複合酸化物であり、リチウムイ
オンは8aと呼ばれるサイトに属している。このLix
Mn2O4を電池の正極材料として用いた場合には、充放
電に伴ってリチウムイオン及び電子の挿入あるいは取り
出しがなされて、Liの原子比xが0≦x≦3の範囲で
変化する。但し、構造の安定性等の点から、通常はxが
0≦x≦2の範囲で用いられる。そして、放電の際に
は、0≦x≦1では8aサイトに、1≦x≦2では16
cと呼ばれるサイトに、それぞれリチウムイオンが挿入
されることが知られている。
ネル構造をとるリチウム複合酸化物であり、リチウムイ
オンは8aと呼ばれるサイトに属している。このLix
Mn2O4を電池の正極材料として用いた場合には、充放
電に伴ってリチウムイオン及び電子の挿入あるいは取り
出しがなされて、Liの原子比xが0≦x≦3の範囲で
変化する。但し、構造の安定性等の点から、通常はxが
0≦x≦2の範囲で用いられる。そして、放電の際に
は、0≦x≦1では8aサイトに、1≦x≦2では16
cと呼ばれるサイトに、それぞれリチウムイオンが挿入
されることが知られている。
【0018】ここで、16cサイトは、図1に示すよう
に、両側に隣接する8aサイトで挟まれている非常に狭
いサイトである。従って、LixMn2O4のxが1を超
えると、8aサイト及び16cサイトに存在するリチウ
ムイオン間のクーロン反発が大きくなり、その結果、L
iMn2O4結晶全体のエネルギーが大きくなってしま
う。そのため、LixMn2O4は、結晶全体のエネルギ
ーを小さくするために、x=1を境に単相から2相へと
変化することが、実験的に知られている。すなわち、1
≦x≦2では、LiMn2O4の相とLi2Mn2O4の相
とが境界をもって併存した構造になる。
に、両側に隣接する8aサイトで挟まれている非常に狭
いサイトである。従って、LixMn2O4のxが1を超
えると、8aサイト及び16cサイトに存在するリチウ
ムイオン間のクーロン反発が大きくなり、その結果、L
iMn2O4結晶全体のエネルギーが大きくなってしま
う。そのため、LixMn2O4は、結晶全体のエネルギ
ーを小さくするために、x=1を境に単相から2相へと
変化することが、実験的に知られている。すなわち、1
≦x≦2では、LiMn2O4の相とLi2Mn2O4の相
とが境界をもって併存した構造になる。
【0019】また、後述するように、LixMn2O
4(0≦x≦3)をリチウムイオン二次電池の正極に用
いた場合、x=1を境に4V領域から3V領域へと急激
に電圧が降下する事実と、上記のLiMn2O4結晶の単
相から2相への構造の変化とは、密接に関係しているこ
とが本発明者によって確認されている。
4(0≦x≦3)をリチウムイオン二次電池の正極に用
いた場合、x=1を境に4V領域から3V領域へと急激
に電圧が降下する事実と、上記のLiMn2O4結晶の単
相から2相への構造の変化とは、密接に関係しているこ
とが本発明者によって確認されている。
【0020】従って、x>1における4V領域を拡大さ
せる場合、換言すれば、x>1においても単相を維持す
る場合、16cサイトに存在するリチウムイオンと8a
サイトに存在するリチウムイオンとの間のクーロン反発
を小さくすることが必要である。
せる場合、換言すれば、x>1においても単相を維持す
る場合、16cサイトに存在するリチウムイオンと8a
サイトに存在するリチウムイオンとの間のクーロン反発
を小さくすることが必要である。
【0021】そこで、本発明に係る正極材料は、Lix
Mn2O4のマンガンイオンの少なくとも一部を、当該マ
ンガンイオンよりもイオン半径の大きな正の金属イオン
で置換することにより、放電の際に挿入されたリチウム
イオンを、8a及び16cサイト間の中間的なサイトに
存在させ、x>1においても単相を維持するようになさ
れている。そして、このマンガンイオンの少なくとも一
部が当該マンガンイオンよりもイオン半径が大きな正の
金属イオンで置換されたリチウム化合物は、LixMn2
O4に比べて電圧特性において広い4V領域が得られ
る。
Mn2O4のマンガンイオンの少なくとも一部を、当該マ
ンガンイオンよりもイオン半径の大きな正の金属イオン
で置換することにより、放電の際に挿入されたリチウム
イオンを、8a及び16cサイト間の中間的なサイトに
存在させ、x>1においても単相を維持するようになさ
れている。そして、このマンガンイオンの少なくとも一
部が当該マンガンイオンよりもイオン半径が大きな正の
金属イオンで置換されたリチウム化合物は、LixMn2
O4に比べて電圧特性において広い4V領域が得られ
る。
【0022】以下、この理由を電子論的に説明する。
【0023】まず、電池の電圧特性に現れる開回路電圧
Voc(単位はV;ボルト)は、 Voc=(Φc−Φa)/e (1) Φc:正極の仕事関数(eV) Φa:負極の仕事関数(eV) e:電荷素量(=1.6×10-19クーロン) で表される。つまり、電圧特性の電圧Vocは、正極と負
極の仕事関数の差に比例した値になる。
Voc(単位はV;ボルト)は、 Voc=(Φc−Φa)/e (1) Φc:正極の仕事関数(eV) Φa:負極の仕事関数(eV) e:電荷素量(=1.6×10-19クーロン) で表される。つまり、電圧特性の電圧Vocは、正極と負
極の仕事関数の差に比例した値になる。
【0024】ここで、仕事関数は真空準位からフェルミ
レベルEFまでのエネルギーの大きさで表されるので、
フェルミレベルEFの変化は電圧特性の変化に対応する
ことになる。したがって、負極の仕事関数が一定である
と仮定した場合には、正極の仕事関数が大きければ大き
い程、換言すれば正極のフェルミレベルEFが低ければ
低いほど、高い電圧を得ることができる。
レベルEFまでのエネルギーの大きさで表されるので、
フェルミレベルEFの変化は電圧特性の変化に対応する
ことになる。したがって、負極の仕事関数が一定である
と仮定した場合には、正極の仕事関数が大きければ大き
い程、換言すれば正極のフェルミレベルEFが低ければ
低いほど、高い電圧を得ることができる。
【0025】次に、LixMn2O4(0≦x≦2)の電
圧特性についてフェルミレベルEFの点から検討する。
圧特性についてフェルミレベルEFの点から検討する。
【0026】まず、LixMn2O4(0≦x≦2)の場
合、Mnイオンの平均価数は、Liの価数を1+、Oの
価数を2−と仮定すると、x=0でMn4+、x=1でM
n3.5+、x=2でMn3+である。LixMn2O4の電圧
特性は、このMn4+、Mn3.5+及びMn3+のそれぞれの
フェルミレベルEFから推測することができる。
合、Mnイオンの平均価数は、Liの価数を1+、Oの
価数を2−と仮定すると、x=0でMn4+、x=1でM
n3.5+、x=2でMn3+である。LixMn2O4の電圧
特性は、このMn4+、Mn3.5+及びMn3+のそれぞれの
フェルミレベルEFから推測することができる。
【0027】ここで、Mn4+、Mn3+のフェルミレベル
EFを、MnO6 8-八面体(Mn4+)及びMnO6 9-八面
体(Mn3+)という簡単なモデルで計算した結果を図2
に示す。なお、この図2にはフェルミレベルEFととも
に電子のエネルギー準位も併せて示している。また、こ
こでは示していないが、MnO6 8.5-(Mn3.5+)のフ
ェルミレベルEFは、ちょうどこの中間のエネルギー状
態になる。したがって、このことから推測すると、Mn
4+からMn3+へ変化するにつれてフェルミレベルEFが
ゆるやかに上昇し、逆に電圧はゆるやかに減少すること
になる。
EFを、MnO6 8-八面体(Mn4+)及びMnO6 9-八面
体(Mn3+)という簡単なモデルで計算した結果を図2
に示す。なお、この図2にはフェルミレベルEFととも
に電子のエネルギー準位も併せて示している。また、こ
こでは示していないが、MnO6 8.5-(Mn3.5+)のフ
ェルミレベルEFは、ちょうどこの中間のエネルギー状
態になる。したがって、このことから推測すると、Mn
4+からMn3+へ変化するにつれてフェルミレベルEFが
ゆるやかに上昇し、逆に電圧はゆるやかに減少すること
になる。
【0028】これに対して、LixMn2O4を正極材料
として用いた非水電解液二次電池の電圧特性は図3(実
測値)に示す通りである。LixMn2O4(0≦x≦
2)の電圧特性は、0≦x≦1では電圧がゆるやかに減
少し、x=1で急激に減少する。そして、1≦x≦2で
は一定の電圧になる。つまり、実験によって得られた電
圧特性は、単にMnO6 n-をモデルにして推測される電
圧特性と異なるものとなる。
として用いた非水電解液二次電池の電圧特性は図3(実
測値)に示す通りである。LixMn2O4(0≦x≦
2)の電圧特性は、0≦x≦1では電圧がゆるやかに減
少し、x=1で急激に減少する。そして、1≦x≦2で
は一定の電圧になる。つまり、実験によって得られた電
圧特性は、単にMnO6 n-をモデルにして推測される電
圧特性と異なるものとなる。
【0029】LixMn2O4が、MnO6 n-をモデルにし
て推測される電圧特性と異なり、x=1で電圧が急激に
減少するのは、LixMn2O4はx=1を境に単相から
2相へと変化するからと考えられる。
て推測される電圧特性と異なり、x=1で電圧が急激に
減少するのは、LixMn2O4はx=1を境に単相から
2相へと変化するからと考えられる。
【0030】図1にスピネル構造のLiMn2O4を示し
たが、LixMn2O4のxが0≦x≦1の場合では、こ
のスピネル構造の8aと呼ばれるサイトにリチウムイオ
ンが挿入される。このサイトへのリチウムイオンの挿入
によって、Liが0≦x≦1の範囲では、図3に示すよ
うに電池の電圧が緩やかに減少する。
たが、LixMn2O4のxが0≦x≦1の場合では、こ
のスピネル構造の8aと呼ばれるサイトにリチウムイオ
ンが挿入される。このサイトへのリチウムイオンの挿入
によって、Liが0≦x≦1の範囲では、図3に示すよ
うに電池の電圧が緩やかに減少する。
【0031】一方、xが1≦x≦2の場合では、原子
(イオン)によって占有されていない16cのサイトに
リチウムイオンが挿入される。但し、LixMn2O4で
はx=1を境に単相から2相に変化することが実験的に
知られている。すなわち、LiMn2O4(Mnの平均価
数:3.5+)の相とLi2Mn2O4(Mnの平均価
数:3+)の相とが境界をもって併存した構造になる。
(イオン)によって占有されていない16cのサイトに
リチウムイオンが挿入される。但し、LixMn2O4で
はx=1を境に単相から2相に変化することが実験的に
知られている。すなわち、LiMn2O4(Mnの平均価
数:3.5+)の相とLi2Mn2O4(Mnの平均価
数:3+)の相とが境界をもって併存した構造になる。
【0032】この場合、正極に入ってきたリチウムイオ
ンと電子は、相境界を構成するLiMn2O4側に入り、
LiMn2O4をLi2Mn2O4とするものと考えられ
る。このため、1≦x≦2の範囲ではxがいくら変化し
ても、LiMn2O4の相とLi2Mn2O4の相の割合が
変化するだけ、すなわち、相境界がシフトするだけにな
る。
ンと電子は、相境界を構成するLiMn2O4側に入り、
LiMn2O4をLi2Mn2O4とするものと考えられ
る。このため、1≦x≦2の範囲ではxがいくら変化し
ても、LiMn2O4の相とLi2Mn2O4の相の割合が
変化するだけ、すなわち、相境界がシフトするだけにな
る。
【0033】このようなLiMn2O4の相とLi2Mn2
O4の相の2相が併存する正極材料では、相境界の局所
的な電子状態、つまりLi2Mn2O4のフェルミレベル
EFで電圧が決まり、相境界の位置に関わらず一定の電
圧になる。したがって、この相境界がシフトするだけの
1≦x≦2の範囲では、図3に示すようにx=1におい
てLi2Mn2O4のフェルミレベルEFで決まる電圧にま
で急激に減少し、さらにxが増加してもこの電圧が一定
に持続することになる。
O4の相の2相が併存する正極材料では、相境界の局所
的な電子状態、つまりLi2Mn2O4のフェルミレベル
EFで電圧が決まり、相境界の位置に関わらず一定の電
圧になる。したがって、この相境界がシフトするだけの
1≦x≦2の範囲では、図3に示すようにx=1におい
てLi2Mn2O4のフェルミレベルEFで決まる電圧にま
で急激に減少し、さらにxが増加してもこの電圧が一定
に持続することになる。
【0034】但し、このような相変化を反映する電圧特
性を計算によって定量的に得るには、上述のようなMn
O6 n-のような小さなモデルでは難しいので、ここで
は、電圧特性を計算するためのクラスタモデルとしてL
iyMn6O26 n-を使用する。このクラスタモデルは、M
nの3d軌道を正確に反映するものであり、図4に示す
ように、6つのMnO6八面体と、リチウムが挿入され
る3つのサイト(2つの8aサイトと1つの16cサイ
ト)を有する。このモデルでは、Mn6O26 28-の場合が
Mn2O4(Mn4+)の電子状態に相当し、Li2Mn6O
26 29-の場合がLiMn2O4(Mn3.5+)の電子状態に
相当し、Li3Mn6O26 31-の場合がLixMn2O4(1
≦x≦2,Mn3+)に相当する。
性を計算によって定量的に得るには、上述のようなMn
O6 n-のような小さなモデルでは難しいので、ここで
は、電圧特性を計算するためのクラスタモデルとしてL
iyMn6O26 n-を使用する。このクラスタモデルは、M
nの3d軌道を正確に反映するものであり、図4に示す
ように、6つのMnO6八面体と、リチウムが挿入され
る3つのサイト(2つの8aサイトと1つの16cサイ
ト)を有する。このモデルでは、Mn6O26 28-の場合が
Mn2O4(Mn4+)の電子状態に相当し、Li2Mn6O
26 29-の場合がLiMn2O4(Mn3.5+)の電子状態に
相当し、Li3Mn6O26 31-の場合がLixMn2O4(1
≦x≦2,Mn3+)に相当する。
【0035】このようなLiyMn6O26 n-モデルのフェ
ルミレベルEFを用い、上記式(1)から求めた電圧特
性を、図3のLixMn2O4の電圧特性と重ねて図5に
示す。このように計算結果と実験結果は非常によく一致
している。このことから、LiyMn6O26 n-モデルを用
いることによって、LixMn2O4の電圧特性が電子論
的に導けることがわかる。
ルミレベルEFを用い、上記式(1)から求めた電圧特
性を、図3のLixMn2O4の電圧特性と重ねて図5に
示す。このように計算結果と実験結果は非常によく一致
している。このことから、LiyMn6O26 n-モデルを用
いることによって、LixMn2O4の電圧特性が電子論
的に導けることがわかる。
【0036】なお、図5を見ると、0≦x≦1での電圧
減少は0.52Vであり、x=1での急激な電圧減少は
0.84Vとなっている。この電圧減少分に0.32V
の差があるのは、x=1を境にリチウムイオンの入るサ
イトが8aから16cへと変化し、この16cサイトに
挿入されたリチウムイオンが生成するポテンシャルによ
って電子のエネルギーが変化するからと考えられる。
減少は0.52Vであり、x=1での急激な電圧減少は
0.84Vとなっている。この電圧減少分に0.32V
の差があるのは、x=1を境にリチウムイオンの入るサ
イトが8aから16cへと変化し、この16cサイトに
挿入されたリチウムイオンが生成するポテンシャルによ
って電子のエネルギーが変化するからと考えられる。
【0037】以上のように、LixMn2O4の電圧特
性、特にx=1での急激な電圧減少は、フェルミレベル
EFの変化、相の状態(即ち、単相か2相か)、及びリ
チウムイオンが挿入されるサイトの変化(すなわち、0
≦x≦1では8aサイト、1≦x≦2では16cサイ
ト)の3点を考慮することで説明できる。特に、x=1
での急激な電圧減少は、LixMn2O4がx=1を境に
単相から2相へと変化することによる。
性、特にx=1での急激な電圧減少は、フェルミレベル
EFの変化、相の状態(即ち、単相か2相か)、及びリ
チウムイオンが挿入されるサイトの変化(すなわち、0
≦x≦1では8aサイト、1≦x≦2では16cサイ
ト)の3点を考慮することで説明できる。特に、x=1
での急激な電圧減少は、LixMn2O4がx=1を境に
単相から2相へと変化することによる。
【0038】LixMn2O4の電池特性で4V領域を拡
大するためには、この電圧の急激な減少が起きるときの
xの値を=1からx>1のできるだけ大きな値にシフト
させ、4V領域を拡大することが必要である。すなわ
ち、LixMn2O4での単相の領域をx>1にまで拡大
させることが必要である。そのためには、LixMn2O
4のマンガンイオンの少なくとも一部を、当該マンガン
イオンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置換
する。そして、放電の際に挿入されたリチウムイオンを
8a及び16cサイト間の中間的なサイトに存在させる
ことで、x>1にまで単相を拡大することが有効であ
る。その理由を以下に説明する。
大するためには、この電圧の急激な減少が起きるときの
xの値を=1からx>1のできるだけ大きな値にシフト
させ、4V領域を拡大することが必要である。すなわ
ち、LixMn2O4での単相の領域をx>1にまで拡大
させることが必要である。そのためには、LixMn2O
4のマンガンイオンの少なくとも一部を、当該マンガン
イオンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置換
する。そして、放電の際に挿入されたリチウムイオンを
8a及び16cサイト間の中間的なサイトに存在させる
ことで、x>1にまで単相を拡大することが有効であ
る。その理由を以下に説明する。
【0039】LixMn2O4におけるx=1での単相か
ら2相への変化は、8aサイトに挟まれた16cサイト
にリチウムイオンを挿入することで、LixMn2O4結
晶全体のエネルギーが大きくなり、そのエネルギーを小
さくするために起こると考えられる。従って、単相から
2相へ変化するxの値をx>1へシフトさせ4V領域を
拡大するためには、8aサイトと16cサイトとに存在
するリチウムイオンの間のクローン反発を緩和させるこ
とが必要であり、その一つとして考えられるのが、結晶
の格子定数を大きくすることで、挿入されたリチウムイ
オンを8aサイト16cサイト以外の中間的なサイトに
存在させることでクーロン反発を緩和させる、という方
法である。
ら2相への変化は、8aサイトに挟まれた16cサイト
にリチウムイオンを挿入することで、LixMn2O4結
晶全体のエネルギーが大きくなり、そのエネルギーを小
さくするために起こると考えられる。従って、単相から
2相へ変化するxの値をx>1へシフトさせ4V領域を
拡大するためには、8aサイトと16cサイトとに存在
するリチウムイオンの間のクローン反発を緩和させるこ
とが必要であり、その一つとして考えられるのが、結晶
の格子定数を大きくすることで、挿入されたリチウムイ
オンを8aサイト16cサイト以外の中間的なサイトに
存在させることでクーロン反発を緩和させる、という方
法である。
【0040】実際、LixMn2O4と同様のスピネル構
造をとるLixTi2O4(0≦x≦2)において、リチ
ウムイオンの間のクローン反発を緩和させることで高電
圧領域(LixMn2O4の4V領域に対応する。)が拡
大することが実験的に知られている(J.B.Goodenough e
t al.,J.Power Sources,vol.43-44,pp269-275(199
3))。
造をとるLixTi2O4(0≦x≦2)において、リチ
ウムイオンの間のクローン反発を緩和させることで高電
圧領域(LixMn2O4の4V領域に対応する。)が拡
大することが実験的に知られている(J.B.Goodenough e
t al.,J.Power Sources,vol.43-44,pp269-275(199
3))。
【0041】LixTi2O4(0≦x≦2)を正極材料
としたときの電圧特性は、LixMn2O4(0≦x≦
2)を正極材料としたときの電圧特性と同様の振る舞い
をする。すなわち、0≦x≦0.8では単相構造の高電
圧領域(2.5〜3.0V)となり、x=0.8で電圧
が急激に減少し、0.8≦x≦2では2相構造で電圧一
定の低電圧領域(1.3V)となる。しかしながら、L
ixTi2O4(0≦x≦2)の電圧特性を測定する際に
断続的に電源のオン・オフを繰り返すと、x=1.5ま
で高電圧領域が拡大することが実験的に知られている。
これは、一度挿入されたリチウムイオンが、電源オフの
間にLixTi2O4結晶内で移動し、リチウムイオンの
間のクーロン反発を緩和させているためと考えられる。
としたときの電圧特性は、LixMn2O4(0≦x≦
2)を正極材料としたときの電圧特性と同様の振る舞い
をする。すなわち、0≦x≦0.8では単相構造の高電
圧領域(2.5〜3.0V)となり、x=0.8で電圧
が急激に減少し、0.8≦x≦2では2相構造で電圧一
定の低電圧領域(1.3V)となる。しかしながら、L
ixTi2O4(0≦x≦2)の電圧特性を測定する際に
断続的に電源のオン・オフを繰り返すと、x=1.5ま
で高電圧領域が拡大することが実験的に知られている。
これは、一度挿入されたリチウムイオンが、電源オフの
間にLixTi2O4結晶内で移動し、リチウムイオンの
間のクーロン反発を緩和させているためと考えられる。
【0042】上述のLixTi2O4(0≦x≦2)の実
験結果からも明らかなように、LixMn2O4(0≦x
≦2)の4V領域を拡大させるためには、放電の際に挿
入されたリチウムイオンの、イオン間のクーロン反発を
緩和させることが必要である。本発明では、リチウムイ
オン間のクーロン反発を緩和させるために、LixMn2
O4のマンガンイオンの少なくとも一部を、当該マンガ
ンイオンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置
換している。
験結果からも明らかなように、LixMn2O4(0≦x
≦2)の4V領域を拡大させるためには、放電の際に挿
入されたリチウムイオンの、イオン間のクーロン反発を
緩和させることが必要である。本発明では、リチウムイ
オン間のクーロン反発を緩和させるために、LixMn2
O4のマンガンイオンの少なくとも一部を、当該マンガ
ンイオンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置
換している。
【0043】具体例として、LixMn2O4において格
子定数を10%大きくした場合について、従来のLix
Mn2O4の場合と比較しながら説明を行う。
子定数を10%大きくした場合について、従来のLix
Mn2O4の場合と比較しながら説明を行う。
【0044】先ず、図6に示すようなLiMn6O26 30-
(Mn3.5+)というクラスタモデルを用いて電子状態の
計算を行った、トータルエネルギーの変化を図7に示
す。但し、Liは8a−16c−8aサイトを結ぶ直線
上で動かしている。この図7に示すように、格子定数が
従来のLixMn2O4の場合及びそれよりも10%大き
い場合ともに、8aサイトにLiが存在するときのトー
タルエネルギーの方が、16cサイトにLiが存在する
ときよりも小さくなっている。これは、LixMn2O4
を正極材料に用いた場合、放電の際はまず8aサイトに
リチウムイオンが挿入されるという実験結果に矛盾しな
い結果となっている。また、16cサイトにLiが存在
するときのトータルエネルギーは極小値とはならず、1
6cサイトはリチウムイオンにとって必ずしも安定なサ
イトではないことを意味する。
(Mn3.5+)というクラスタモデルを用いて電子状態の
計算を行った、トータルエネルギーの変化を図7に示
す。但し、Liは8a−16c−8aサイトを結ぶ直線
上で動かしている。この図7に示すように、格子定数が
従来のLixMn2O4の場合及びそれよりも10%大き
い場合ともに、8aサイトにLiが存在するときのトー
タルエネルギーの方が、16cサイトにLiが存在する
ときよりも小さくなっている。これは、LixMn2O4
を正極材料に用いた場合、放電の際はまず8aサイトに
リチウムイオンが挿入されるという実験結果に矛盾しな
い結果となっている。また、16cサイトにLiが存在
するときのトータルエネルギーは極小値とはならず、1
6cサイトはリチウムイオンにとって必ずしも安定なサ
イトではないことを意味する。
【0045】従って、Liが8aサイト及び16cサイ
トからはずれた中間的なサイトに存在する場合の方が、
エネルギー的に安定になる可能性が出てくる。その可能
性を調べた結果を図8に示す。この図8は、図4に示す
LiMn6O26 30-(Mn3.5+)というクラスタモデルを
用いて電子状態の計算を行った結果であり、8aサイト
及び16cサイトに存在する3つのLiを8a−16c
−8aサイトを結ぶ直線上で同じ大きさだけ変位させた
場合のトータルエネルギーの変化を示すものである。さ
らに、格子定数を10%大きくした場合のみの図8の計
算結果を拡大したものを図9に示す。格子定数が従来の
LixMn2O4の場合は、変位がゼロの場合にトータル
エネルギーは最小となるが、格子定数が従来のLixM
n2O4よりも10%大きい場合は、3つのLiが変位し
たときの方がトータルエネルギーが最小となることが、
図8及び図9からわかる。このことは、格子定数が従来
のLixMn2O4よりも10%大きい場合、挿入された
リチウムイオンは8aサイト及び16cサイトに存在す
るよりも、それらのサイトから変位した中間的なサイト
に存在する方が安定であることを意味する。従って、格
子定数を10%大きくすることによって、従来x=1で
起きていたLixMn2O4における単相から2相への変
化すなわち電圧の急激な減少を、x>1へシフトさせる
ことが可能となる。
トからはずれた中間的なサイトに存在する場合の方が、
エネルギー的に安定になる可能性が出てくる。その可能
性を調べた結果を図8に示す。この図8は、図4に示す
LiMn6O26 30-(Mn3.5+)というクラスタモデルを
用いて電子状態の計算を行った結果であり、8aサイト
及び16cサイトに存在する3つのLiを8a−16c
−8aサイトを結ぶ直線上で同じ大きさだけ変位させた
場合のトータルエネルギーの変化を示すものである。さ
らに、格子定数を10%大きくした場合のみの図8の計
算結果を拡大したものを図9に示す。格子定数が従来の
LixMn2O4の場合は、変位がゼロの場合にトータル
エネルギーは最小となるが、格子定数が従来のLixM
n2O4よりも10%大きい場合は、3つのLiが変位し
たときの方がトータルエネルギーが最小となることが、
図8及び図9からわかる。このことは、格子定数が従来
のLixMn2O4よりも10%大きい場合、挿入された
リチウムイオンは8aサイト及び16cサイトに存在す
るよりも、それらのサイトから変位した中間的なサイト
に存在する方が安定であることを意味する。従って、格
子定数を10%大きくすることによって、従来x=1で
起きていたLixMn2O4における単相から2相への変
化すなわち電圧の急激な減少を、x>1へシフトさせる
ことが可能となる。
【0046】ただし、図4のクラスタモデルは、16c
サイトの半分のみにLiを置いた場合(即ちx=2の場
合)の計算結果であり、さらに上述のようにLiが変位
することで単相を維持する場合には、16cサイトのL
iは、さらに半分程度しか存在しない場合(即ちx=
1.5の場合)が限界であると考えられる。この結果
は、上述したLixTi2O4の結果に矛盾しない。
サイトの半分のみにLiを置いた場合(即ちx=2の場
合)の計算結果であり、さらに上述のようにLiが変位
することで単相を維持する場合には、16cサイトのL
iは、さらに半分程度しか存在しない場合(即ちx=
1.5の場合)が限界であると考えられる。この結果
は、上述したLixTi2O4の結果に矛盾しない。
【0047】以上のようなマンガンイオンを置換したリ
チウム化合物は、通常の固相反応法によって合成するこ
とができる。すなわち、リチウム塩、マンガン塩、及び
マンガンイオンと置換すべき正の金属イオンの塩を原料
として所定のモル比で混合し、酸素気流中で焼成を行え
ばよい。
チウム化合物は、通常の固相反応法によって合成するこ
とができる。すなわち、リチウム塩、マンガン塩、及び
マンガンイオンと置換すべき正の金属イオンの塩を原料
として所定のモル比で混合し、酸素気流中で焼成を行え
ばよい。
【0048】このような、マンガンイオンよりもイオン
半径の大きな正の金属イオンとしては、例えば、Ti、
Se、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、S
n、Te、La、Ce、Pr、Hf、Ta、W、Re、
Os、Ir、Pt、Pb、Po、Ac、Th、Pa等の
正の金属イオンが挙げられる。
半径の大きな正の金属イオンとしては、例えば、Ti、
Se、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、S
n、Te、La、Ce、Pr、Hf、Ta、W、Re、
Os、Ir、Pt、Pb、Po、Ac、Th、Pa等の
正の金属イオンが挙げられる。
【0049】つぎに、マンガンイオンの一部が置換され
たリチウム化合物の具体例として、LiMnZrO4、
LiMnRuO4の合成例を示す。ここで、Zr及びR
uは、ともに+4価のときのイオン半径が、Mnのイオ
ン半径よりも20%以上大きく、そのため、LiMnZ
rO4、LiMnRuO4の格子定数は、ともにLiMn
2O4の格子定数よりも10%以上大きくなると考えられ
る。
たリチウム化合物の具体例として、LiMnZrO4、
LiMnRuO4の合成例を示す。ここで、Zr及びR
uは、ともに+4価のときのイオン半径が、Mnのイオ
ン半径よりも20%以上大きく、そのため、LiMnZ
rO4、LiMnRuO4の格子定数は、ともにLiMn
2O4の格子定数よりも10%以上大きくなると考えられ
る。
【0050】LiMnZrO4の合成 炭酸リチウム(Li2CO3)と、酸化マンガン(Mn2
O3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)とを1:1:2
のモル比で混合した後、エタノールで12時間程度ボー
ルミルを行う。その後、この混合物を、空気中、70℃
で乾燥させた後、500cc/分の酸素気流中、700
℃で10時間の仮焼を行う。さらにその後、再び500
cc/分の酸素気流中、850℃で24時間の本焼成を
行い、室温まで除冷する。このようなプロセスを経て、
LiMnZrO4を合成することができる。
O3)と、酸化ジルコニウム(ZrO2)とを1:1:2
のモル比で混合した後、エタノールで12時間程度ボー
ルミルを行う。その後、この混合物を、空気中、70℃
で乾燥させた後、500cc/分の酸素気流中、700
℃で10時間の仮焼を行う。さらにその後、再び500
cc/分の酸素気流中、850℃で24時間の本焼成を
行い、室温まで除冷する。このようなプロセスを経て、
LiMnZrO4を合成することができる。
【0051】LiMnRuO4の合成 炭酸リチウム(Li2CO3)と、酸化マンガン(Mn2
O3)と、酸化ルテニウム(RuO2)とを1:1:2の
モル比で混合した後、エタノール中で12時間程度ボー
ルミルを行う。その後、この混合物を、空気中、70℃
で乾燥させた後、500cc/分の酸素気流中、700
℃で10時間の仮焼を行う。さらにその後、再び500
cc/分の酸素気流中、850℃で24時間の本焼成を
行い、室温まで除冷する。このようなプロセスを経て、
LiMnRuO4を合成することができる。
O3)と、酸化ルテニウム(RuO2)とを1:1:2の
モル比で混合した後、エタノール中で12時間程度ボー
ルミルを行う。その後、この混合物を、空気中、70℃
で乾燥させた後、500cc/分の酸素気流中、700
℃で10時間の仮焼を行う。さらにその後、再び500
cc/分の酸素気流中、850℃で24時間の本焼成を
行い、室温まで除冷する。このようなプロセスを経て、
LiMnRuO4を合成することができる。
【0052】以上、説明したような正極材料は、非水電
解液二次電池の正極に用いられるときに特に好適であ
る。このような非水電解液二次電池を構成する他の構成
要素については、この種の非水電解液二次電池で通常用
いられているものがいずれも使用できる。
解液二次電池の正極に用いられるときに特に好適であ
る。このような非水電解液二次電池を構成する他の構成
要素については、この種の非水電解液二次電池で通常用
いられているものがいずれも使用できる。
【0053】例えば負極材料としては、リチウムイオン
の挿入、取り出しがなされる炭素材料が用いられ、例え
ばポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー、
あるいはコークス、ポリマー炭、カーボンファイバー等
の他、単位体積当りのエネルギー密度が大きい点から、
熱分解炭素類、コークス類(石油コークス、ピッチコー
クス、石炭コークス等)、カーボンブラック(アセチレ
ンブラック等)、ガラス状炭素、有機高分子材料焼成体
(有機高分子材料を500℃以上の適当な温度で不活性
ガス気流中、あるいは真空中で焼成したもの)等が好ま
しい。
の挿入、取り出しがなされる炭素材料が用いられ、例え
ばポリアセチレン、ポリピロール等の導電性ポリマー、
あるいはコークス、ポリマー炭、カーボンファイバー等
の他、単位体積当りのエネルギー密度が大きい点から、
熱分解炭素類、コークス類(石油コークス、ピッチコー
クス、石炭コークス等)、カーボンブラック(アセチレ
ンブラック等)、ガラス状炭素、有機高分子材料焼成体
(有機高分子材料を500℃以上の適当な温度で不活性
ガス気流中、あるいは真空中で焼成したもの)等が好ま
しい。
【0054】また、電解液に用いる有機溶媒としては、
特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ
ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−
ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテ
トラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル
−1,3−ジオキソラン、ジグライム類、トリグライム
類、スルホラン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジ
プロピル等を単独もしくは二種以上を混合して使用する
ことができる。
特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ
ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−
ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテ
トラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル
−1,3−ジオキソラン、ジグライム類、トリグライム
類、スルホラン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジ
プロピル等を単独もしくは二種以上を混合して使用する
ことができる。
【0055】電解質も従来より公知のものがいずれも使
用でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、Li
BF4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、CH
3SO3Li、CF3SO3Li等が用いられる。
用でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、Li
BF4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、CH
3SO3Li、CF3SO3Li等が用いられる。
【0056】
【発明の効果】本発明に係る正極材料は、LixMn2O
4(0≦x≦3)の酸素イオンの少なくとも一部を、マ
ンガンイオンよりもイオン半径が大きな正の金属イオン
で置換したリチウム化合物LixMn2-xO4からなるの
で、LixMn2O4の電圧特性に比べて4V領域が拡大
し、LixCoO2を正極材料とする場合に匹敵する良好
な電圧特性を実現することができる。
4(0≦x≦3)の酸素イオンの少なくとも一部を、マ
ンガンイオンよりもイオン半径が大きな正の金属イオン
で置換したリチウム化合物LixMn2-xO4からなるの
で、LixMn2O4の電圧特性に比べて4V領域が拡大
し、LixCoO2を正極材料とする場合に匹敵する良好
な電圧特性を実現することができる。
【0057】また、本発明に係る非水電解質電池は、正
極が、LixMn2O4(0≦x≦3)の酸素イオンの少
なくとも一部を、マンガンイオンよりもイオン半径が大
きな正の金属イオンで置換したリチウム化合物LixM
n2-xO4からなるので、LixMn2O4の電圧特性に比
べて4V領域が拡大し、LixCoO2を正極材料とする
場合に匹敵する良好な電圧特性を実現することができ
る。
極が、LixMn2O4(0≦x≦3)の酸素イオンの少
なくとも一部を、マンガンイオンよりもイオン半径が大
きな正の金属イオンで置換したリチウム化合物LixM
n2-xO4からなるので、LixMn2O4の電圧特性に比
べて4V領域が拡大し、LixCoO2を正極材料とする
場合に匹敵する良好な電圧特性を実現することができ
る。
【0058】さらに、このLixMn2-xO4は、LixC
oO2に比べて構造が安定であるほか、価格も安いの
で、本発明では、信頼性に優れた正極材料及び非水電解
質電池を低コストで提供することが可能になる。
oO2に比べて構造が安定であるほか、価格も安いの
で、本発明では、信頼性に優れた正極材料及び非水電解
質電池を低コストで提供することが可能になる。
【図1】LiMn2O4の結晶構造を示す模式図である。
【図2】MnO6 n-モデルを用いて計算されたMn4+、
Mn3+の電子状態を示す模式図である。
Mn3+の電子状態を示す模式図である。
【図3】LixMn2O4を正極材料として用いたリチウ
ムイオン二次電池の電圧特性を示す特性図である。
ムイオン二次電池の電圧特性を示す特性図である。
【図4】LiyMn6O26 n-のクラスタモデルを示す模式
図である。
図である。
【図5】LiyMn6O26 n-のクラスタモデルを用いて求
められる電圧特性と、LixMn2O4を正極材料として
用いたリチウムイオン二次電池の電圧特性を重ねて示す
特性図である。
められる電圧特性と、LixMn2O4を正極材料として
用いたリチウムイオン二次電池の電圧特性を重ねて示す
特性図である。
【図6】LiMn6O26 30-(Mn3.5+)のクラスタモデ
ルを示す模式図である。
ルを示す模式図である。
【図7】LiMn6O26 30-(Mn3.5+)のクラスタモデ
ルで、Liの座標を変化させたときのトータルエネルギ
ーの変化を示す特性図である。
ルで、Liの座標を変化させたときのトータルエネルギ
ーの変化を示す特性図である。
【図8】LiyMn6O26 n-のクラスタモデルで、3つの
Liを変位させたときのトータルエネルギーの変化を示
す特性図である。
Liを変位させたときのトータルエネルギーの変化を示
す特性図である。
【図9】図8の結果で、格子定数を10%大きくした場
合のトータルエネルギーの変化を示す特性図である。
合のトータルエネルギーの変化を示す特性図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 LixMn2O4(但し、0≦x≦3)の
マンガンイオンの少なくとも一部が、当該マンガンイオ
ンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置換され
たリチウム化合物よりなることを特徴とする正極材料。 - 【請求項2】 上記リチウム化合物は、LixMn2-xM
zO4(但し、Mはイオン半径の大きな正の金属イオンで
あっても、2種類の金属イオンであってもよい。また、
0≦x≦3、0<z<2である。)で表されることを特
徴とする請求項1記載の正極材料。 - 【請求項3】 上記マンガンイオンよりもイオン半径の
大きな正の金属イオンは、次の元素記号で表される金属
イオンのいずれかであることを特徴とする請求項1記載
の正極材料。Ti、Se、Zr、Nb、Mo、Tc、R
u、Rh、Pd、Sn、Te、La、Ce、Pr、H
f、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Pb、Po、
Ac、Th、Pa - 【請求項4】 正極が、LixMn2O4(但し、0≦x
≦3)のマンガンイオンの少なくとも一部が、マンガン
イオンよりもイオン半径の大きな正の金属イオンで置換
されたリチウム化合物よりなることを特徴とする非水電
解質電池。 - 【請求項5】 上記リチウム化合物は、LixMn2-xM
zO4(但し、Mはイオン半径の大きな正の金属イオンで
あっても、2種類の金属イオンであってもよい。また、
0≦x≦3、0<z<2である。)で表されることを特
徴とする請求項4記載の非水電解質電池。 - 【請求項6】 上記マンガンイオンよりもイオン半径の
大きな正の金属イオンは、次の元素記号で表される金属
イオンのいずれかであることを特徴とする請求項4記載
の非水電解質電池。Ti、Se、Zr、Nb、Mo、T
c、Ru、Rh、Pd、Sn、Te、La、Ce、P
r、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Pb、
Po、Ac、Th、Pa
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JP10316420A JP2000149995A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 正極材料及びそれを用いた非水電解質電池 |
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JP10316420A JP2000149995A (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 正極材料及びそれを用いた非水電解質電池 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20110097811A (ko) * | 2008-11-24 | 2011-08-31 | 내셔널 유니버시티 오브 싱가포르 | 높은 전류밀도에서 향상된 사이클 성능을 갖는 전지의 양극 재료 |
CN113677624A (zh) * | 2018-11-30 | 2021-11-19 | 株式会社Lg新能源 | 八面体结构的锂锰基正极活性材料以及包含其的正极和锂二次电池 |
-
1998
- 1998-11-06 JP JP10316420A patent/JP2000149995A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20110097811A (ko) * | 2008-11-24 | 2011-08-31 | 내셔널 유니버시티 오브 싱가포르 | 높은 전류밀도에서 향상된 사이클 성능을 갖는 전지의 양극 재료 |
KR101711221B1 (ko) * | 2008-11-24 | 2017-02-28 | 내셔널 유니버시티 오브 싱가포르 | 높은 전류밀도에서 향상된 사이클 성능을 갖는 전지의 양극 재료 |
CN113677624A (zh) * | 2018-11-30 | 2021-11-19 | 株式会社Lg新能源 | 八面体结构的锂锰基正极活性材料以及包含其的正极和锂二次电池 |
CN113677624B (zh) * | 2018-11-30 | 2023-10-13 | 株式会社Lg新能源 | 八面体结构的锂锰基正极活性材料以及包含其的正极和锂二次电池 |
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