JP2021157925A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性を向上させることができるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】このリチウムイオン二次電池は、活物質を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に挟まれたセパレータと、非水電解液と、を有し、前記活物質は、リチウム複合酸化物を含むコアと、前記コアの表面の少なくとも一部を被覆する被覆層と、を有し、前記被覆層は、前記リチウム複合酸化物と異なる酸化物又はフッ化物を含み、前記非水電解液は、リン酸塩を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器やハイブリットカー等の動力源としても広く用いられている。これらの分野の発展と共に、リチウムイオン二次電池は、より高い性能が求められている。
その性能の一つが、リチウムイオン二次電池のサイクル特性である。サイクル特性は、リチウムイオン二次電池が充放電を行った際の劣化の指標である。特許文献1には、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が記載されている。特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池は、コア粒子が第1の被覆層と第2の被覆層とで被覆された活物質を有する。第1の被覆層はリチウムイオンの挿入脱離反応に伴うコア粒子の格子や結晶子の歪を緩和し、第2の被覆層はコア粒子からの金属溶出を抑制する。第2の被覆層がコア粒子からの金属溶出を防ぐことで、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が向上する。
特開2016−33902号公報
しかしながら、特許文献1に記載の活物質を用いても、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が十分ではない場合があった。
本開示は上記問題に鑑みてなされたものであり、サイクル特性を向上することができるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特許文献1のリチウムイオン二次電池のサイクル特性の劣化は、第2の被覆層にクラックが生じることが原因であると考えた。第2の被覆層にクラックが生じると、クラックから金属が溶出し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下する。第2の被覆層は、コア粒子がリチウムイオンの挿入脱離反応により収縮、膨張することで、クラックが生じる。
本発明者らは、リン酸塩を含む非水電解液を用いることで、クラックを修復することができ、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の低下を抑制できることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるリチウムイオン二次電池は、活物質を含む正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に挟まれたセパレータと、非水電解液と、を有し、前記活物質は、リチウム複合酸化物を含むコアと、前記コアの表面の少なくとも一部を被覆する被覆層と、を有し、前記被覆層は、前記リチウム複合酸化物と異なる酸化物又はフッ化物を含み、前記非水電解液は、リン酸塩を含む。
(2)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池の前記被覆層は、前記正極の充放電電圧においてリチウムイオンを脱挿入しなくてもよい。
(3)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記活物質は、前記コアと前記被覆層との間の表面の少なくとも一部に中間層を有し、前記中間層は、リチウム複合酸化物を含み、前記中間層に含まれるリチウム複合酸化物は、前記コアに含まれるリチウム複合酸化物と組成が略同等であり、前記コアに含まれるリチウム複合酸化物と比較して結晶性が低くてもよい。
(4)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記被覆層は、クラックを有し、前記クラックは、前記被覆層と組成が異なるリチウム化合物で被覆されていてもよい。
(5)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記リン酸塩は、ジフルオロリン酸塩であってもよい。
(6)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記非水電解液における前記リン酸塩の濃度は、10ppm以上130000ppm以下であってもよい。
(7)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記負極は、シリコンを含んでもよい。
(8)上記態様にかかるリチウムイオン二次電池において、前記負極は、金属リチウムを含んでもよい。
上記態様に係るリチウムイオン二次電池は、サイクル特性が向上する。
第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式図である。 第1実施形態に係る正極活物質の断面図である。 第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池の動作時における正極活物質の近傍の状態を示す。 第1変形例に係る正極活物質の断面図である。 第2変形例に係る正極活物質の断面図である。
以下、実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「リチウムイオン二次電池」
図1は、第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の模式図である。図1に示すリチウムイオン二次電池100は、発電素子40と外装体50と非水電解液(図示略)とを備える。外装体50は、発電素子40の周囲を被覆する。発電素子40は、接続された一対の端子60、62によって外部と接続される。非水電解液は、外装体50内に収容されている。
(発電素子)
発電素子40は、正極20と負極30とセパレータ10とを備える。
<セパレータ>
セパレータ10は、正極20と負極30とに挟まれる。セパレータ10は、正極20と負極30とを隔離し、正極20と負極30との短絡を防ぐ。リチウムイオンは、セパレータ10を通過できる。
セパレータ10は、例えば、電気絶縁性の多孔質構造を有する。セパレータ10は、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
セパレータ10は、例えば、固体電解質であってもよい。固体電解質は、例えば、高分子固体電解質、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質である。高分子固体電解質は、例えば、ポリエチレンオキサイド系高分子にアルカリ金属塩を溶解させたものである。酸化物系固体電解質は、例えば、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(ナシコン型)、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO(ガラスセラミックス)、Li0.34La0.51TiO2.94(ペロブスカイト型)、LiLaZr12(ガーネット型)、Li2.9PO3.30.46(アモルファス、LIPON)、50LiSiO・50LiBO(ガラス)、90LiBO・10LiSO(ガラスセラミックス)である。硫化物系固体電解質は、例えば、Li3.25Ge0.250.75(結晶)、Li10GeP12(結晶、LGPS)、LiPSCl(結晶、アルジロダイト型)、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3(結晶)、Li3.250.95(ガラスセラミックス)、Li11(ガラスセラミックス)、70LiS・30P(ガラス)、30LiS・26B・44LiI(ガラス)、50LiS・17P・33LiBH(ガラス)、63LiS・36SiS・LiPO(ガラス)、57LiS・38SiS・5LiSiO(ガラス)である。
<正極>
正極20は、正極集電体22と正極活物質層24とを有する。正極活物質層24は、正極集電体22の少なくとも一面に形成されている。
[正極集電体]
正極集電体22は、例えば、導電性の板材である。正極集電体22は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属薄板である。
[正極活物質層]
正極活物質層24は、例えば、正極活物質と導電助剤とバインダーとを有する。
正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとカウンターアニオンのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることができる。
図2は、第1実施形態に係る正極活物質の断面図である。正極活物質25は、コア26と被覆層27と中間層28とを有する。
コア26は、正極活物質25の核となる部分である。コア26の形状は、特に問わない。コア26は、例えば、球状、楕円体状、針状、板状、鱗片状、チューブ状、ワイヤ状、ロッド状、不定形である。
コア26は、リチウム複合酸化物を含む。リチウム複合酸化物は、リチウムイオンを吸蔵、放出できる。コア26は、リチウムイオンを吸蔵、放出する際に、体積が膨張、収縮する。リチウム複合酸化物は、例えば、結晶相転移によりリチウムイオンを脱挿入する。リチウム複合酸化物は、結晶質又は結晶質と非晶質との混合体である。リチウム複合酸化物は、例えば、リチウムと1種又は2種以上の遷移金属元素と酸素とを含む。リチウム複合酸化物は、例えば、層状岩塩型構造、オリビン型構造、スピネル型構造を有する。
層状岩塩型構造のリチウム複合酸化物は、例えば、以下の組成式(1)、(2)で示される。
Li2−z ・・・(1)
組成式(1)において、wは0.8<w<1.2を満たし、x+yは0.9<x+y<1.1を満たし、yは0≦y<0.1を満たし、zは0≦z<0.05を満たす。組成式(1)においてMはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、MnおよびCuのうちの少なくとも1種である。組成式(1)においてNはNa、Mg、Al、Si、K、Ca、Zn、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ba、La、WおよびBiのうちの少なくとも1種である。組成式(1)においてXはF、ClおよびSのうちの少なくとも1種である。リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、wの値は完全放電状態における値を表している。マンガン酸リチウム(LiMnO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)は、組成式(1)の一例である。
LiCo1−y2−z ・・・(2)
組成式(2)において、xは0.8<w<1.2を満たし、yは0≦y<0.15を満たし、zは0≦z<0.05を満たす。組成式(2)においてMはTi、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Mn、Cu、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Zn、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ba、LaおよびWのうちの少なくとも1種である。組成式(2)においてXはF、ClおよびSのうちの少なくとも1種である。リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、xの値は完全放電状態における値を表している。コバルト酸リチウム(LiCoO)は、組成式(2)の一例である。
オリビン型構造のリチウム複合酸化物は、例えば、以下の組成式(3)で示される。
LiPO ・・・(3)
組成式(3)においてaは0≦a≦2.0を満たし、bは0.5≦b≦2.0を満たす。組成式(3)においてMは、2族から15族から選ばれる元素のうちの少なくとも1種である。リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、aの値は完全放電状態における値を表している。
スピネル型構造のリチウム複合酸化物は、例えば、以下の組成式(4)で示される。
LiMn2−w ・・・(4)
組成式(4)においてvは0.9≦v≦1.1を満たし、wは1.0≦w≦0.6を満たし、xは3.7≦x≦4.1を満たし、yは0≦y≦0.1を満たす。組成式(4)にいてMは、Co、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Mo、Sn、Ca、Sr及びWのうちの少なくとも1種である。リチウムの組成は充放電の状態によって異なり、vの値は完全放電状態における値を表している。リチウムマンガンスピネル(LiMn)は、組成式(4)の一例である。
リチウム複合酸化物は、この他に例えば、リチウムバナジウム化合物(LiV)、リチウムバナジウム化合物(LiV)、チタン酸リチウム(LiTi12)等がある。
被覆層27は、コア26を被覆する。被覆層27は、コア26の少なくとも一部を被覆する。被覆層27は、コア26の外側を全て覆ってもよいし、一部を覆ってもよい。
被覆層27は、酸化物又はフッ化物を含む。被覆層27を構成する酸化物は、コア26を構成するリチウム複合酸化物と異なる。被覆層27は、非晶質、結晶質のいずれでもよい。
被覆層27を構成する酸化物は、例えば、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mn、Cu、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Zn、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ba、La、W、Bi、P及びBから選ばれる元素のうち少なくとも1種を含む。被覆層27を構成する酸化物は、例えば上記元素を含む酸化物であり、例えばLiO、Al、MgO、NiO、Mn、ZrO、TiO、B、Pである。被覆層27を構成する酸化物は、例えばコア26を構成するリチウム複合酸化物と異なるリチウム複合酸化物であり、例えばLiMn、LiCoOである。
被覆層27を構成するフッ化物は、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mn、Cu、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Zn、Ga、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ba、La、W、Bi、P及びBから選ばれる元素のうち少なくとも1種を含む。フッ化物は、例えば、LiF、MgFである。
被覆層27は、例えば、正極20の充放電電圧においてリチウムイオンを脱挿入しない酸化物又はフッ化物が好ましい。正極20の充放電電圧は、通常動作時における充放電電圧であり、例えば、2.0V以上4.5V以下である。この場合、被覆層27は、充放電時にリチウムを脱挿入せず、充放電時の体積変化が少ない。
被覆層27は、一部にクラック27Aを有する場合がある。クラック27Aは、例えば、リチウムイオンの脱挿入時における被覆層27とコア26との体積膨張率の違いにより生じる。また例えば、クラック27Aは、被覆層27の形成時に、被覆層27が形成されなかった部分でもよい。
クラック27Aの一部は、リチウム化合物29で被覆される。リチウム化合物29は、後述する非水電解液に含まれるリン酸塩とコア26から溶出した金属イオンとによって形成されたものである。リチウム化合物29は、被覆層27と組成が異なる。
リチウム化合物29の存在は、ナノスケールの分解能を有する赤外分光分析(ナノIR)によって確認できる。例えば、リチウムイオン二次電池100から正極20を取り出し、ジメチルカーボネート等で洗浄した後に、ナノIRによって正極活物質25の表面(被覆層27)を測定する。ナノIRによる分析結果において、P=O結合が伸縮する際に生じる振動ピーク、P−F結合によって観測されるピークが見られる場合、被覆層27にリチウム化合物29が存在すると言える。P=O結合が伸縮する際に生じる振動ピークは、波数1150cm−1以上1362cm−1以下のピークである。P−F結合ピークは、波数815cm−1以上940cm−1以下のピーク、又は、波数740cm−1以上800cm−1以下のピークである。
リチウム化合物29は、例えば、金属イオンに対してリン酸塩が配位したものであると考えられる。リン酸塩は、例えば、金属イオンに対してアイオノマーのように配位する。アイオノマーは、金属イオンによる凝集力を利用し、高分子が凝集した合成樹脂である。リン酸塩は、高分子の代わりに、金属イオンにより凝集する。マイナスの電荷を持つリン酸塩の酸素イオンは、プラスの電荷を持つ金属イオンに配位する。リチウム化合物29は、コア26からの金属イオンの溶出を防ぐ。
正極活物質25全体に対する被覆層27の割合は、0.1mol%以上10mol%以下であることが好ましい。正極活物質25全体に対する被覆層27の割合が少ないと、被覆層27がコア26を十分被覆できず、コア26から金属が溶出する確率が高まる。正極活物質25全体に対する被覆層27の割合が高いと、充放電に対する被覆層27の寄与が高まり、リチウムイオン二次電池100の容量等が変化する。
被覆層27の平均厚みは、例えば10nm以上1μm以下であり、好ましくは10nm以上500nm以下である。被覆層27の厚みが厚いとクラック27Aが発生しやすくなり、薄いと金属イオンの溶出を十分抑制できない。被覆層27の平均厚みは、例えば、クラック27Aを被覆するリチウム化合物29の平均厚みと異なる。被覆層27とリチウム化合物29との間には、段差が形成される。被覆層27及びリチウム化合物29の厚みは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて確認できる。
中間層28は、コア26と被覆層27との間に位置する。中間層28は、例えば、コア26の表面に形成されている。中間層28は、コア26の外側を全て覆ってもよいし、一部を覆ってもよい。
中間層28は、リチウム複合酸化物を含む。中間層28に含まれるリチウム複合酸化物は、コア26に含まれるリチウム複合酸化物と組成が略同等である。組成が略同等とは、リチウム複合酸化物を構成する構成元素が同一であり、各構成元素の原子比率が略同一であることを意味する。原子比率が略同一とは、原子比率がリチウムイオンの脱挿入反応においてリチウム複合酸化物が同様の結晶構造をとる範囲内にあることを意味する。中間層28に含まれるリチウム複合酸化物とコア26に含まれるリチウム複合酸化物との各構成元素の原子比率の差は、10原子%以内であることが好ましく、3原子%以内であることがより好ましい。
中間層28の組成は、コア26との境界で不連続に変化してもよいし、連続的に変化してもよい。中間層28の組成がコア26の組成に対して連続的に変化する場合は、中間層28とコア26との境界を明確に確認することは難しい。
中間層28含まれるリチウム複合酸化物の結晶性は、例えば、コア26に含まれるリチウム複合酸化物の結晶性より低い。例えば、コア26に含まれるリチウム複合酸化物が結晶質であり、中間層28含まれるリチウム複合酸化物が非晶質又は非晶質と結晶質の混合体である場合、コア26及び中間層28に含まれるリチウム複合酸化物が結晶質と非晶質の混合体であり、中間層28に含まれるリチウム複合酸化物の方が非晶質の割合が多い場合において、中間層28に含まれるリチウム複合酸化物の結晶性はコア26に含まれるリチウム複合酸化物の結晶性より低くなる。
リチウム複合酸化物の結晶性は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面像、又は、ラマン分光法により確認できる。ラマン分光法による結晶性の確認は、正極活物質25のラマンスペクトルを測定し、第1のピークのピーク強度Aと第2のピークのピーク強度Eとのピーク強度比E/Aにより求められる。第1のピークは550cm−1以上650cm−1以下の範囲にあるピークであり、第2のピークは450cm−1以上500cm−1以下の範囲にあるピークである。第1ピークはc軸に平行な方向のCo−Oの振動によるものであり、第2のピークはLi層に平行方向の振動によるものである。第1のピークのピーク強度Aが第2のピークのピーク強度Eより小さい場合、測定箇所の結晶性は低いことを示す。
中間層28は、第1のピークと第2のピークとのピーク強度比E/Aが、0.1≦E/A≦0.35を満たすことが好ましい。ピーク強度比E/Aが0.1より小さいと、固体内拡散によりコア26の金属粒子の溶出が増加する。またE/Aが0.35より大きいと、リチウムイオンの脱挿入時におけるコア26の体積の膨張収縮を中間層28で十分緩和できなくなる。
中間層28の平均厚みは、例えば、1nm以上50nm以下である。中間層28の平均膜厚が1nm以上であれば、中間層28の膜厚の均一性が高まる。リチウムイオンの脱挿入の可逆性が高まり、リチウムイオン二次電池100のサイクル特性が向上する。また中間層28の平均膜厚が50nm以下であれば、コア26より結晶性が低く、コア26より金属が溶出しやすい中間層28の正極活物質25における存在比率を下げることができ、金属の溶出量が低減する。
バインダーは、正極活物質層24における正極活物質25同士を結合する。バインダーは、公知のものを用いることができる。バインダーは、例えば、フッ素樹脂である。フッ素樹脂は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等である。
上記の他に、バインダーは、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムでもよい。
導電助剤は、正極活物質層24における正極活物質25間の導電性を高める。導電助剤は、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物である。導電助剤は、カーボンブラック等の炭素材料が好ましい。活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層24は導電助剤を含まなくてもよい。
また正極活物質層24は、固体電解質又はゲル電解質を含んでもよい。固体電解質は、例えば、セパレータに用いることができるものと同様である。
<負極>
負極30は、例えば、負極集電体32と負極活物質層34とを有する。負極活物質層34は、負極集電体32の少なくとも一面に形成されている。
[負極集電体]
負極集電体32は、例えば、導電性の板材である。負極集電体32は、正極集電体22と同様のものを用いることができる。
[負極活物質層]
負極活物質層34は、負極活物質を含む。また必要に応じて、導電材、バインダー、固体電解質を含んでもよい。
負極活物質は、イオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知のリチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質を使用できる。負極活物質は、例えば、金属リチウム、リチウム合金、イオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ、ゲルマニウム等のリチウム等の金属と化合することのできる金属、SiO(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子である。
負極活物質層34は、上述のように例えば、シリコン、スズ、ゲルマニウムを含んでもよい。シリコン、スズ、ゲルマニウムは、単体元素として存在してもよいし、化合物として存在してもよい。化合物は、例えば、合金、酸化物等である。一例として、負極活物質34がシリコンの場合、負極30はSi負極と呼ばれることがある。負極活物質は、例えば、シリコン、スズ、ゲルマニウムの単体又は化合物と炭素材との混合系でもよい。炭素材は、例えば天然黒鉛である。また負極活物質は、例えば、シリコン、スズ、ゲルマニウムの単体又は化合物の表面が炭素で被覆されたものでもよい。炭素材及び被覆された炭素は、負極活物質と導電助剤との間の導電性を高める。負極活物質層がシリコン、スズ、ゲルマニウムを含むと、リチウムイオン二次電池100の容量が大きくなる。
負極活物質層34は、上述のように例えば、リチウムを含んでもよい。リチウムは、金属リチウムでもリチウム合金でもよい。負極活物質層34は、金属リチウム又はリチウム合金でもよい。リチウム合金は、例えば、Si、Sn、C、Pt、Ir、Ni、Cu、Ti、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Sb、Pb、In、Zn、Ba、Ra、Ge、Alからなる群から選択される1種以上の元素と、リチウムと、の合金である。一例として、負極活物質が金属リチウムの場合、負極30はLi負極と呼ばれることがある。負極活物質層34は、リチウムのシートでもよい。
負極30は、作製時に負極活物質層34を有さずに、負極集電体32のみであってもよい。リチウムイオン二次電池100を充電すると、負極集電体32の表面に金属リチウムが析出する。金属リチウムはリチウムイオンが析出した単体のリチウムであり、金属リチウムは負極活物質層34として機能する。
導電材及びバインダーは、正極20と同様のものを用いることができる。負極30におけるバインダーは、正極20に挙げたものの他に、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等でもよい。セルロースは、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)でもよい。
(端子)
端子60、62は、それぞれ正極20と負極30とに接続されている。正極20に接続された端子60は正極端子であり、負極30に接続された端子62は負極端子である。端子60、62は、外部との電気的接続を担う。端子60、62は、アルミニウム、ニッケル、銅等の導電材料から形成されている。接続方法は、溶接でもネジ止めでもよい。端子60、62は短絡を防ぐために、絶縁テープで保護することが好ましい。
(外装体)
外装体50は、その内部に発電素子40及び非水電解液を密封する。外装体50は、非水電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止する。
外装体50は、例えば図1に示すように、金属箔52と、金属箔52の各面に積層された樹脂層54と、を有する。外装体50は、金属箔52を高分子膜(樹脂層54)で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムである。
金属箔52としては例えばアルミ箔を用いることができる。樹脂層54には、ポリプロピレン等の高分子膜を利用できる。樹脂層54を構成する材料は、内側と外側とで異なっていてもよい。例えば、外側の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等を用い、内側の高分子膜の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等を用いることができる。
(非水電解液)
非水電解液は、外装体50内に封入され、発電素子40に含浸している。
非水電解液は、例えば、非水溶媒と電解質とを有する。電解質は、非水溶媒に溶解している。
非水溶媒は、例えば、環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有する。環状カーボネートは、電解質を溶媒和する。環状カーボネートは、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートである。環状カーボネートは、プロピレンカーボネートを少なくとも含むことが好ましい。鎖状カーボネートは、環状カーボネートの粘性を低下させる。鎖状カーボネートは、例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートである。非水溶媒は、その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等を有してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
非水電解液は、電解質としてリン酸塩を含む。非水電解液は、リン酸塩以外の電解質を有してもよい。例えば、非水電解液は、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等のリチウム塩を、リン酸塩と同時に含んでもよい。
リン酸塩は、例えば、LiPO(ジフルオロリン酸リチウム)、LiPOF(モノフルオロリン酸リチウム)、LiPO(リン酸三リチウム)、NaPO(リン酸三ナトリウム)、ジブチルリン酸リチウム、ジフェリルリン酸リチウム、リン酸フェニル二ナトリウム、1−ナフチルリン酸二ナトリウムである。リン酸塩は、LiPO(ジフルオロリン酸リチウム)が好ましい。リン酸塩は、コア26から溶出する金属と結合し、リチウム化合物29を形成する。
非水電解液におけるリン酸塩の濃度は、好ましくは10ppm以上130000ppm以下である。リン酸塩の濃度は、より好ましくは10ppm以上10000ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以上1000ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以上1000ppm以下である。
また非水電解液は、リン酸塩に加えて、1,3-プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1−プロペン1,3スルトン、1,3,2−ジオキサチオラン2,2−ジオキシド(エチレンスルファート)等のスルトン系化合物、アジポニトリル、スクシノニトリル、ピメロニトリル等のニトリル系化合物を含んでいることが好ましい。
「リチウムイオン二次電池の製造方法」
まず正極活物質25を作製する。コア26は、固相反応法等により作製できる。中間層28及び被覆層27は、複合化処理により形成する。複合化処理は、例えば、メカニカルアロイング法である。まず中間層28となる材料の粉末とコア26とを機械的に混合し、コア26の表面に中間層28が形成された粒子を作製する。次いで、作製された粒子と被覆層27となる材料の粉末とを機械的に混合すると、中間層28の表面に被覆層27が形成され、正極活物質25が得られる。中間層28となる材料の粉末及び被覆層27となる材料の粉末は、それぞれ固相反応法等により作製できる。また被覆層27は、コーティングにより形成してもよい。コーティングは、コーティング液中に中間層28が形成されたコア26を投入し、熱処理する。
次いで、正極20を作製する。正極20は、正極活物質、バインダー及び溶媒を混合して、ペースト状の正極スラリーを作製する。正極スラリーを構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。次いで、正極スラリーを、正極集電体22に塗布する。塗布方法は、特に制限はない。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、正極集電体22上に塗布された正極スラリー中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、正極スラリーが塗布された正極集電体22を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させる。次いで、得られた塗膜をプレスして、正極活物質層24を高密度化することで、正極20が得られる。プレスの手段は、例えばロールプレス機、静水圧プレス機等を用いることができる。
次いで、負極30を作製する。負極30は、正極20と同様に作製できる。負極30は、負極活物質、バインダー及び溶媒を混合して、ペースト状の負極スラリーを作製する。負極スラリーを負極集電体32に塗布し、乾燥することで負極30が得られる。負極活物質が金属リチウムの場合は、負極集電体32にリチウム箔を貼り付けてもよい。
次いで、作製した正極20及び負極30の間にセパレータ10が位置するようにこれらを積層して、発電素子40を作製する。発電素子40が捲回体の場合は、正極20、負極30及びセパレータ10の一端側を軸として、これらを捲回する。
最後に、発電素子40を外装体50に封入する。非水電解液は外装体50内に注入する。非水電解液を注入後に減圧、加熱等を行うことで、発電素子40内に非水電解液が含浸する。熱等を加えて外装体50を封止することで、リチウムイオン二次電池100が得られる。
第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、サイクル特性の低下を抑制できる。図3は、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池の動作時における正極活物質の近傍の状態を示す。
正極活物質25は、コア26と被覆層27とは組成が異なる。リチウムイオン二次電池100を充放電した際に、コア26と被覆層27とは、膨張、収縮の程度が異なる。例えば、被覆層27がリチウムイオンを脱挿入しない場合、被覆層27はほとんど充放電により体積変化しない。これに対し、コア26は、充放電によりリチウムイオンが脱挿入し、体積が変化する。図3に示すように、被覆層27がコア26の体積変化を緩和できない場合、被覆層27にクラック27Aが生じる。
クラック27Aが生じると、非水電解液がコア26に至る。コア26に含まれる金属Mは、コア26から非水電解液中にイオンとして溶出する。コア26から金属Mが溶出すると、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が低下する。
非水電解液がリン酸塩を含むと、コア26から溶出する金属Mはリン酸塩の分解物と反応する。金属Mに対してリン酸塩は、アイオノマーのように配位する。金属Mとリン酸塩との反応は、金属Mが溶出しやすいクラック27Aの近傍で生じる。その結果、クラック27Aは、金属Mとリン酸塩との反応物であるリチウム化合物29により被覆され、修復される。リチウム化合物29は、非水電解液とコア26との接触を阻害し、金属Mの溶出を防ぐ。
つまり、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、正極活物質25にクラック27Aが生じた場合でも、クラック27Aが自己修復し、金属Mの溶出が抑制される。その結果、第1実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、サイクル特性の低下を抑制できる。
また正極活物質25が中間層28を有すると、中間層28がコア26のリチウムイオンの脱挿入に伴う格子や結晶子の歪みを緩和する。中間層28は、コア26より結晶性が低いためである。中間層28がコア26の体積変化に伴う歪みを緩和すると、被覆層27にクラック27Aが生じにくくなる。クラック27Aの発生頻度が低下すれば、金属Mは溶出しにくくなり、リチウムイオン二次電池100のサイクル特性がより向上する。
またリン酸塩がジフルオロリン酸塩の場合、リチウム化合物29が形成されやすく、クラック27Aが修復されやすい。さらに、非水電解液におけるリン酸塩の濃度が10ppm以上130000ppm以下であれば、溶出する金属Mを十分補足でき、金属Mの溶出を効果的に抑制できる。
またコア26から溶出した金属Mは、負極30の表面に移動する。負極30の表面に金属Mが析出すると、負極30が自己放電しやすくなる。負極30がシリコン、スズ、ゲルマニウムを含む場合(例えば、Si負極の場合)、および、負極30がリチウムを含む場合(例えばLi負極の場合)、金属Mの析出が自己放電特性に与える影響は大きい。例えば負極30がSi負極又はLi負極の場合、金属Mの溶出を防ぐと、リチウムイオン二次電池100の特性(例えば、自己放電特性)の劣化を特に抑制できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
例えば、図4は、第1変形例に係る正極活物質25Aの断面図である。第1変形例に係る正極活物質25Aは、中間層28を有さない点が第1実施形態に係る正極活物質25と異なる。図4において正極活物質25と同様の構成については、同様の符号を付す。
正極活物質25Aは、正極活物質25よりコア26の体積変化に伴う歪みを緩和できず、被覆層27にクラック27Aが生じやすい。しかしながら、クラック27Aは、金属Mとリン酸塩の分解物との反応物であるリチウム化合物29により修復される。したがって、第1変形例に係る正極活物質25Aを用いたリチウムイオン二次電池においても、サイクル特性の低下を抑制することができる。
また例えば、図5は、第2変形例に係る正極活物質25Bの断面図である。第2変形例に係る正極活物質25Bは、コア26及び中間層28が凝集し二次粒子を形成し、被覆層27が二次粒子の周囲を被覆している点が第1実施形態に係る正極活物質25と異なる。図5において正極活物質25と同様の構成については、同様の符号を付す。
正極活物質25Bにおいて被覆層27にクラック27Aが生じた場合でも、クラック27Aは、金属Mとリン酸塩の分解物との反応物であるリチウム化合物29により修復される。したがって、第2変形例に係る正極活物質25Bを用いたリチウムイオン二次電池においても、サイクル特性の低下を抑制することができる。
「実施例1」
(正極の作製)
まず正極活物質を作製した。酸化コバルトと炭酸リチウムとを、CoとLiとのモル比が1:1となるように混合し、1000℃で6時間焼成後、徐冷し、コア26を作製した。またコア26と焼成後の冷却条件を急冷とした点以外は同様の手順で、中間層28となる材料を作製した。コア26の粉末97質量%と中間層28となる材料3質量%とを、ホソカワミクロン株式会社製の混合機を用いて、機械的に互いに擦りながら混合し、中間層28がコア26を被覆した粒子を作製した。
次いで、LiF粒子を準備し、中間層28がコア26を被覆した粒子と混合した。混合時の質量比は、中間層28がコア26を被覆した粒子を97質量%、LiF粒子を3質量%とした。混合は、ホソカワミクロン株式会社製の混合機を用いて、機械的に互いに擦りながら混合した。その結果、正極活物質25が得られた。
次いで、正極活物質と導電材とバインダーとを混合し、正極合材を作製した。導電材はカーボンブラック、バインダーはポリフッ化ビニリデン(PVDF)とした。正極活物質と、導電材と、バインダーは質量比で90:5:5とした。この正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極スラリーを作製した。そして、厚さ15μmのアルミニウム箔の一面に、正極スラリーを塗布した。塗布後に、100℃で乾燥させ、溶媒を除去して正極活物質層を形成した。
(負極の作製)
負極活物質と導電材とバインダーとを混合し、負極合材を作製した。負極活物質はグラファイト、導電材はカーボンブラック、バインダーはカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)とした。負極活物質と導電材とバインダーは質量比で90:5:5とした。この負極合剤を、蒸留水に分散させて負極スラリーを作製した。そして、厚さ10μmの銅箔の一面に、負極スラリーを塗布した。塗布後に、100℃で乾燥させ、溶媒を除去して負極活物質層を形成した。
(セルの作製)
作製した負極と正極とを、所定の形状に打ち抜き、厚さ25μmのポリプロピレン製のセパレータを介して交互に積層し、負極9枚と正極8枚とを積層することで積層体を作製した。
積層体を、アルミラミネートフィルムの外装体内に挿入して周囲の1箇所を除いてヒートシールすることにより開口部を形成した。外装体内には、非水電解液を注入した。非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DEC)が等量混合された溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)1.0MOL/Lを溶解させ、さらにジフオロリン酸リチウム(LiPO)を100ppm添加したものである。そして、残りの1箇所を真空シール機によって減圧しながらヒートシールで密封し、実施例1に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
(電池の構造解析と評価)
作製したリチウムイオン電池のサイクル特性を評価した。サイクル特性は、1C/1Cの充放電サイクルで評価を行った。
(充放電サイクル特性の測定)
サイクル特性は、二次電池充放電試験装置を用いて行った。電圧範囲は、4.3Vから3.0Vまでとした。まずプレ処理として初回の充電のみを0.2C定電流充電にて行た。その後、サイクル特性を求めるための充放電を行った。充電は定電流定電圧で行った。充電は、1.0Cの電流値で充電し、4.3Vに到達後、1C電流値の5%の電流値になったときに終了した。放電は、1.0Cでの電流値で放電する条件で行った。なお、サイクル特性は容量維持率(%)として評価した。容量維持率(%)は、1サイクル目の放電容量を初期放電容量とし、初期放電容量に対する500サイクル後の放電容量の割合である。容量維持率(%)は、以下の数式で表される。
容量維持率(%)=(「500サイクル後における放電容量」/「1サイクル目の放電容量」)×100
1Cは、公称容量値の容量を有する電池セルを定電流充電、または定電流放電して、ちょうど1時間で充放電が終了となる電流値のことである。容量維持率が高いほど、サイクル特性が良好であることを意味する。
実施例1で作製したリチウムイオン二次電池は、上記の条件によって充放電を繰り返し、500サイクル後の容量維持率をサイクル特性として評価した。この結果を表1に示す。
「実施例2〜6」
実施例2〜6は、正極活物質のコア及び中間層の材料を変えた点が実施例1と異なる。 実施例2は、正極活物質のコア及び中間層をLiNi0.5Co0.2Mn0.3(表1ではNCM523と表記する。)とした。
実施例3は、正極活物質のコア及び中間層をLiNi0.6Co0.2Mn0.2(表1ではNCM622と表記する。)とした。
実施例4は、正極活物質のコア及び中間層をLiNi0.8Co0.1Mn0.1(表1ではNCM811と表記する。)とした。
実施例5は、正極活物質のコア及び中間層をLiNi0.85Co0.12Al0.03(表1ではNCAと表記する。)とした。
実施例6は、正極活物質のコア及び中間層をLiFePO(表1ではLFPと表記する。)とした。
実施例2〜6についてもサイクル特性を評価し、その結果を表1に示す。
「実施例7〜9」
実施例7〜9は、非水電解液に含まれるリン酸塩を変えた点が実施例1と異なる。
実施例7は、リン酸塩をモノフルオロリン酸リチウム(LiPOF)とした。
実施例8は、リン酸塩をリン酸三リチウム(LiPO)とした。
実施例9は、リン酸塩をリン酸三ナトリウム(NaPO)とした。
実施例7〜9についてもサイクル特性を評価し、その結果を表1に示す。
「実施例10」
実施例10は、正極活物質に中間層を設けずに、被覆層のみを形成した点が実施例1と異なる。実施例10についてもサイクル特性を評価し、その結果を表1に示す。
「実施例11〜17」
実施例11〜17は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)の非水電解液に対する添加量を変更した。
実施例11は、添加量を10ppmとした。
実施例12は、添加量を1000ppmとした。
実施例13は、添加量を5000ppmとした。
実施例14は、添加量を10000ppmとした。
実施例15は、添加量を75000ppmとした。
実施例16は、添加量を130000ppmとした。
実施例17は、添加量を150000ppmとした。
実施例11〜17についてもサイクル特性を評価し、その結果を表1に示す。
「実施例18〜24」
実施例18〜25は、正極活物質の被覆層の材料を変えた点が実施例1と異なる。
実施例18は、正極活物質の被覆層をAlとした。
実施例19は、正極活物質の被覆層をTiOとした。
実施例20は、正極活物質の被覆層をLiOとした。
実施例21は、正極活物質の被覆層をMgOとした。
実施例22は、正極活物質の被覆層をMgFとした。
実施例23は、正極活物質の被覆層をNCAとした。
実施例24は、正極活物質の被覆層をNCM523とした。
実施例11〜17についてもサイクル特性を評価し、その結果を表1に示す。
「比較例1〜4」
比較例1は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)を非水電解液に添加しなかった点が実施例1と異なる。
比較例2は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)を非水電解液に添加せず、中間層を設けなかった点が実施例1と異なる。
比較例3は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)に変えて炭酸リチウムを非水電解液に添加した点が実施例1と異なる。炭酸リチウムの非水電解液に対する添加量は100ppmとした。
比較例1は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)に変えて水酸化リチウムを非水電解液に添加した点が実施例1と異なる。水酸化リチウムの非水電解液に対する添加量は100ppmとした。
比較例1〜4についてもサイクル特性を評価し、その結果を表1に示す。
Figure 2021157925
表1に示すように、実施例1〜24は、リン酸塩を含まない比較例1〜4に比べてサイクル特性が向上した。また活物質の種類、リン酸塩の種類、被覆層の種類を変更した場合でも、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が向上することが確認された。また非水電解液におけるリン酸塩の量を変えることで、サイクル特性が変化することが確認された。
「実施例25〜27」
実施例25〜27は、非水電解液に含まれるリン酸塩を変えた点が実施例5と異なる。
実施例25は、リン酸塩をモノフルオロリン酸リチウム(LiPOF)とした。
実施例26は、リン酸塩をリン酸三リチウム(LiPO)とした。
実施例27は、リン酸塩をリン酸三ナトリウム(NaPO)とした。
実施例25〜27についてもサイクル特性を評価し、その結果を表2に示す。
「実施例28」
実施例28は、正極活物質に中間層を設けずに、被覆層のみを形成した点が実施例5と異なる。実施例28についてもサイクル特性を評価し、その結果を表2に示す。
「実施例29〜35」
実施例29〜35は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)の非水電解液に対する添加量を変更した。
実施例29は、添加量を10ppmとした。
実施例30は、添加量を1000ppmとした。
実施例31は、添加量を5000ppmとした。
実施例32は、添加量を10000ppmとした。
実施例33は、添加量を75000ppmとした。
実施例34は、添加量を130000ppmとした。
実施例35は、添加量を150000ppmとした。
実施例29〜35についてもサイクル特性を評価し、その結果を表2に示す。
「実施例36〜42」
実施例36〜42は、正極活物質の被覆層の材料を変得た点が実施例5と異なる。
実施例36は、正極活物質の被覆層をAlとした。
実施例37は、正極活物質の被覆層をTiOとした。
実施例38は、正極活物質の被覆層をLiOとした。
実施例39は、正極活物質の被覆層をMgOとした。
実施例40は、正極活物質の被覆層をMgFとした。
実施例41は、正極活物質の被覆層をNCAとした。
実施例42は、正極活物質の被覆層をNCM523とした。
実施例36〜42についてもサイクル特性を評価し、その結果を表2に示す。
「比較例5〜8」
比較例5は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)を非水電解液に添加しなかった点が実施例5と異なる。
比較例6は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)を非水電解液に添加せず、中間層を設けなかった点が実施例5と異なる。
比較例7は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)に変えて炭酸リチウムを非水電解液に添加した点が実施例5と異なる。炭酸リチウムの非水電解液に対する添加量は100ppmとした。
比較例8は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)に変えて水酸化リチウムを非水電解液に添加した点が実施例5と異なる。水酸化リチウムの非水電解液に対する添加量は100ppmとした。
比較例5〜8についてもサイクル特性を評価し、その結果を表2に示す。
Figure 2021157925
表2に示すように、実施例5、25〜42は、リン酸塩を含まない比較例1〜4に比べてサイクル特性が向上した。また活物質をNCAに変えた場合でも、リン酸塩がサイクル特性に与える影響は、活物質がLCOの場合と同様であった。
「実施例43〜47」
実施例43〜47は、負極活物質をグラファイトから変更した。
実施例43は、負極スラリーを作製せずに、銅箔(負極集電体)の一面にLi箔を貼り付けた点が実施例1と異なる。実施例43は、負極がLi負極である。
実施例44は、負極活物質としてシリコン(Si)を用いた点が実施例1と異なる。実施例44は、負極がSi負極である。
実施例45は、負極活物質としてシリコン(Si)とグラファイトを用いた点が実施例1と異なる。実施例45は、負極がSiとグラファイトの混合負極である。
実施例46は、負極活物質として酸化シリコン(SiO)を用いた点が実施例1と異なる。
実施例47は、負極活物質として酸化シリコン(SiO)とグラファイトを用いた点が実施例1と異なる。
実施例43〜47についてもサイクル特性を評価し、その結果を表3に示す。
また実施例43〜47は、自己放電特性も評価した。自己放電特性は、以下の手順で測定した。
リチウムイオン二次電池を、25℃の恒温槽内で、電流密度として0.2Cに相当する電流値で3.7Vまで定電流で充電し、3.7Vで定電圧充電を行った。定電圧充電は、電流密度が0.05Cに相当する値に低下するまで続けた。
その後、25℃で1週間待機した後のリチウムイオン二次電池の電圧をV1とし、さらに25℃で24時間保管した後の電圧をV2として記録した。24時間経過後の電圧降下量から自己放電特性を(V1−V2)/24と定義した。リチウムイオン二次電池は、電圧降下量が小さいほど、自己放電特性に優れる。その結果を表3に示す。
「比較例9〜11」
比較例9は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)を非水電解液に添加しなかった点が実施例43と異なる。
比較例10は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)を非水電解液に添加しなかった点が実施例44と異なる。
比較例11は、ジフオロリン酸リチウム(LiPO)を非水電解液に添加しなかった点が実施例46と異なる。
比較例9〜11についてもサイクル特性を評価し、その結果を表3に示す。
Figure 2021157925
表3に示すように、負極がグラファイト以外の場合でも、リン酸塩を非水電解液に添加することで、サイクル特性が向上した。また負極をグラファイト以外の材料に変えることで、自己放電特性が向上した。これは、正極活物質からの金属の溶出を防ぐことで、溶出した金属が負極表面に析出することが抑制されたためと考えられる。
10 セパレータ
20 正極
22 正極集電体
24 正極活物質層
25、25A、25B 正極活物質
26 コア
27 被覆層
27A クラック
28 中間層
29 リチウム化合物
30 負極
32 負極集電体
34 負極活物質層
40 発電素子
50 外装体
52 金属箔
54 樹脂層
60、62 端子
100 リチウムイオン二次電池
M 金属

Claims (8)

  1. 活物質を含む正極と、
    負極と、
    前記正極と前記負極との間に挟まれたセパレータと、
    非水電解液と、を有し、
    前記活物質は、リチウム複合酸化物を含むコアと、前記コアの表面の少なくとも一部を被覆する被覆層と、を有し、
    前記被覆層は、前記リチウム複合酸化物と異なる酸化物又はフッ化物を含み、
    前記非水電解液は、リン酸塩を含む、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記被覆層は、前記正極の充放電電圧においてリチウムイオンを脱挿入しない、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記活物質は、前記コアと前記被覆層との間の表面の少なくとも一部に中間層を有し、
    前記中間層は、リチウム複合酸化物を含み、
    前記中間層に含まれるリチウム複合酸化物は、前記コアに含まれるリチウム複合酸化物と組成が略同等であり、前記コアに含まれるリチウム複合酸化物と比較して結晶性が低い、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記被覆層は、クラックを有し、
    前記クラックは、前記被覆層と組成が異なるリチウム化合物で被覆されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記リン酸塩は、ジフルオロリン酸塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記非水電解液における前記リン酸塩の濃度は、10ppm以上130000ppm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記負極は、シリコンを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記負極は、金属リチウムを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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