JP2000149671A - 止水テープおよびその製造法 - Google Patents

止水テープおよびその製造法

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JP2000149671A
JP2000149671A JP10314422A JP31442298A JP2000149671A JP 2000149671 A JP2000149671 A JP 2000149671A JP 10314422 A JP10314422 A JP 10314422A JP 31442298 A JP31442298 A JP 31442298A JP 2000149671 A JP2000149671 A JP 2000149671A
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rubber
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absorbing resin
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Hiroshi Watanabe
博 渡辺
Hisao Sakaguchi
久雄 坂口
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Fujikura Ltd
Fujikura Composites Inc
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Fujikura Rubber Ltd
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の止水テープに比べて、吸水樹脂の吸水
脱落量が少なく、膨張率(厚さ増加率)の高い止水テー
プを提供すること。絶縁電力ケーブルを構成する遮断層
と、縦断面がコルゲート形状の金属シースとの隙間にお
いても優れた止水効果を発揮することができる止水テー
プを提供すること。吸水樹脂の脱落量が少なく、膨張率
の高い止水テープを確実に製造することができる方法を
提供すること。 【解決手段】 本発明の止水テープは、半導電化処理さ
れた基布の内部に吸水樹脂が含有されてなることを特徴
とする。本発明の止水テープは、半導電化処理された基
布を構成する繊維の表面が、吸水樹脂により被覆されて
いることを特徴とする。本発明の製造法は、半導電化処
理された基布の内部に水溶性樹脂を含有させた後、この
水溶性樹脂を架橋させて吸水樹脂を調製する工程を含む
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、止水テープおよび
その製造法に関し、さらに詳しくは、絶縁電力ケーブル
を構成する遮蔽層と金属シースとの間に敷設される止水
テープおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケーブルの外皮部材が破損して、
そこから水が浸入したときに、当該ケーブルの長手方向
に移動しようとする水を吸収することにより、当該水の
移動を抑止(止水)する止水テープが知られている。
【0003】図1は、そのような止水テープの断面構造
の一例を示す説明図である。この止水テープは、織物ま
たは不織布からなる基布1と、この基布1の両面に形成
された吸水樹脂層2とにより構成されている。基布1の
両面に形成された吸水樹脂層2は、バインダーである架
橋ゴム中に、吸水樹脂粒子が分散されて構成されてい
る。このような構造の止水テープは、吸水樹脂粒子が分
散されたゴム溶液を基布の両面に塗布し、塗膜を乾燥し
て溶剤を除去するとともに、塗膜を構成するゴムを架橋
させることによって製造することができる。
【0004】しかして、このような構造の止水テープを
ケーブルに実装した場合において、当該ケーブルの外皮
部材が破損して、そこからケーブル内に水が浸入する
と、破損部分に巻き付けられている止水テープの吸水樹
脂層2が、浸入してきた水を吸収して膨張(厚みが増
加)し、水の移動路となるケーブル内の隙間を封止す
る。また、これと同時に、吸水により膨潤した吸水樹脂
粒子の一部(50〜95重量%程度)が、バインダーに
よる固着力に打ち勝って吸水樹脂層から外部に移行(脱
落)して、微小な隙間を封止する。
【0005】図2は、絶縁電力ケーブルの横断面構造を
模式的に示す断面図である。図2において、Aは絶縁コ
アであり、この絶縁コアAは、中心導体3の外周に、内
部半導電層4、絶縁層5および外部半導電層6が順次被
覆されて構成されている。この絶縁コアAの外周には、
半導電性のクッションテープを巻回してなるクッション
層7および遮蔽層8が被覆され、さらに隙間Gを介して
金属シース9および防食層Pが被覆されている。ここ
に、クッション層7を構成するクッションテープは、厚
さ方向の弾性により、通電・停電のヒートサイクルなど
に伴う絶縁コアAの熱変形(膨張/収縮)に対応(応力
吸収/復元)して絶縁コアAの損傷を防止するととも
に、絶縁コアAの外周面(外部半導電層6の表面)に密
着して絶縁コアAと一体的に挙動することにより、金属
シース9との電気的な接続状態を長期にわたり維持させ
ることができる。
【0006】図3は、図2に示した絶縁電力ケーブルの
縦断面構造の一部(遮蔽層8および金属シース9)を模
式的に示す断面図である。図3に示すように、金属シー
ス9の縦断面形状はコルゲート(波付)状であり、金属
シース9と遮蔽層8との離間距離は周期的に変化してい
る。これにより、絶縁電力ケーブルにフレキシブル性を
発揮させることができる。ここに、金属シース9の内面
が遮蔽層8の外面に接近している部分(狭窄部)におけ
る両者の離間距離dは、通常5mm以下とされ、金属シ
ース9の内面が、遮蔽層8の外面から最も離間している
部分における両者の離間距離Dは3〜20mm程度とさ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、図2乃
至図3に示したような絶縁電力ケーブルについて、これ
を構成する遮蔽層8と、金属シース9との隙間Gに止水
テープを実装することが有効であると考えた。
【0008】そこで、当該絶縁電力ケーブルの遮蔽層8
と金属シース9との隙間G(離間距離d=1mm,離間
距離D=7mm)に、図1に示したような構造の止水テ
ープ(厚さ1mm)を実装し、実装部位に水を供給する
ことにより、止水テープによる止水効果を評価した。
【0009】その結果、供給された水を吸収して止水テ
ープの厚みが増加するとともに、吸水樹脂層(2)中に
分散含有されていた吸水樹脂粒子が外部に移行(脱落)
し、当該吸水樹脂粒子(膨潤粒子)によって隙間Gの狭
窄部を封止することができた。しかしながら、実装部位
への水の供給を継続すると、狭窄部以外の隙間G内に溜
まっていた水(吸水樹脂層によって吸収できなかった
水)の水圧により、狭窄部を封止していた吸水樹脂粒子
が流されてしまい、水の移動(走水)が再び起こってし
まった。
【0010】上記の結果から、縦断面がコルゲート形状
の金属シース(9)と遮蔽層(8)との隙間(G)にお
いて良好な止水効果を発揮させるためには、 止水テ
ープにおける吸水樹脂の脱落量(吸水脱落量)を少なく
し、 止水テープ自体の膨張率(厚さ増加率)を高く
することが必要であると認識するに至った。
【0011】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものである。本発明の第1の目的は、従来の止水テー
プに比べて、吸水樹脂の吸水脱落量が少ない止水テープ
を提供することにある。本発明の第2の目的は、従来の
止水テープに比べて、膨張率(厚さ増加率)の高い止水
テープを提供することにある。本発明の第3の目的は、
絶縁電力ケーブルを構成する遮蔽層と、縦断面がコルゲ
ート形状の金属シースとの隙間においても優れた止水効
果を発揮することができる止水テープを提供することに
ある。本発明の第4の目的は、吸水樹脂の吸水脱落量が
少なく、膨張率の高い止水テープを確実に製造すること
ができる方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の止水テープは、
半導電化処理された基布の内部に吸水樹脂が含有されて
なることを特徴とする。本発明の止水テープは、半導電
化処理された基布を構成する繊維の表面が、吸水樹脂に
より被覆されていることを特徴とする。本発明の止水テ
ープにおいては、短繊維不織布、長繊維不織布および三
次元的織布から選ばれた一種の布から基布が構成されて
いることが好ましい。
【0013】本発明の止水テープは、絶縁電力ケーブル
を構成する遮蔽層と、この遮蔽層の外周に隙間を介して
設けられ、縦断面がコルゲート形状である金属シースと
の間に敷設されることが好ましい。
【0014】本発明の止水テープは、下記の工程〔A〕
〜〔B〕により得られることを特徴とする。 工程〔A〕:半導電性ゴムを溶解してなるゴム溶液を基
布に含浸させ、これを乾燥処理して溶剤を除去した後、
前記半導電性ゴムを架橋させることにより、前記基布を
半導電化処理する工程。 工程〔B〕:水溶性樹脂および架橋剤を溶解してなる溶
液を、半導電化処理された基布に含浸させ、これを乾燥
処理することにより溶剤を除去した後、前記半導電化処
理された基布の内部で前記水溶性樹脂を架橋させて吸水
樹脂を調製する工程。
【0015】本発明の製造法は、半導電化処理された基
布の内部に水溶性樹脂を含有させた後、この水溶性樹脂
を架橋させて吸水樹脂を調製する工程を含むことを特徴
とする。
【0016】本発明の製造法は、下記の工程を含むこと
を特徴とする。 工程〔A−1〕:半導電性ゴムを溶解してなるゴム溶液
中に基布を浸漬することにより、当該ゴム溶液を基布に
含浸させる工程。 工程〔A−2〕:ゴム溶液中に浸漬した基布の両面に更
にゴム溶液を塗布することにより、当該ゴム溶液を基布
に含浸させる工程。 工程〔A−3〕:ゴム溶液が含浸された基布を乾燥処理
して溶剤を除去した後、当該基布の内部に含有されてい
る半導電性ゴムを架橋させることにより、前記基布を半
導電化処理する工程。 工程〔B−1〕:水溶性樹脂および架橋剤を溶解してな
る水溶液を、半導電化処理された基布の表面に塗布する
ことにより、当該基布に前記水溶液を含浸させる工程。 工程〔B−2〕:水溶性樹脂および架橋剤を溶解してな
る水溶液が含浸された基布を乾燥処理することにより溶
剤である水を除去した後、当該基布の内部に含有されて
いる水溶性樹脂を架橋させて吸水樹脂を調製する工程。
【0017】
【作用】(1)半導電化処理された基布の内部に吸水樹
脂が含有されているので、基布の表面に吸水樹脂層(図
1に示したような吸水樹脂層2)を有する止水テープよ
りも、吸水時における吸水樹脂の脱落量(吸水脱落量)
が少ない。また、吸水により膨潤した吸水樹脂が基布自
体を膨張させるので、高い膨張率(厚さ増加率)を得る
ことができる。そして、膨張した基布(止水テープ)に
よって隙間を封止するので、狭窄部における吸水樹脂粒
子のように水圧によって流されるようなことはなく、従
って、一旦封止(止水)された後において走水が再発す
ることはない。
【0018】(2)半導電化処理された基布を構成する
繊維の表面が吸水樹脂により被覆されていることによ
り、当該基布内において吸水樹脂が強固に保持された状
態となり、しかも、繊維の表面を被覆する吸水樹脂は、
連続体(非粒子)であるため、外部へ移行されにくく、
基布の膨張率の向上に大きく寄与することができる。
【0019】(3)短繊維不織布、長繊維不織布および
三次元的織布は、空隙率が高くて液状物質の浸透性に優
れ、半導電性ゴムおよび吸水樹脂を高い割合で保持する
ことができ、これらを基布として使用することにより、
半導電性および止水効果に優れた止水テープを構成する
ことができる。
【0020】(4)本発明の止水テープは、吸水樹脂の
吸水脱落量が少なく、テープ自体の膨張率(厚さ増加
率)が高いものである。そして、膨張した基布(止水テ
ープ)によって隙間を封止するので、縦断面がコルゲー
ト形状の金属シースと、遮蔽層との隙間においても優れ
た止水効果を発揮することができる。
【0021】(5)工程〔A〕において、基布の内部に
半導電性ゴム(架橋ゴム)が導入され、工程〔B〕にお
いて、半導電化処理された基布の内部に吸水樹脂(水溶
性樹脂の架橋物)が導入される。従って、工程〔A〕お
よび工程〔B〕により得られる止水テープは、半導電化
処理された基布の内部に吸水樹脂が含有されたものとな
る。
【0022】(6)半導電化処理された基布の内部にお
いて吸水樹脂が調製されるので、当該吸水樹脂の吸水脱
落量が少なく、膨張率の高い止水テープを確実に製造す
ることができる。
【0023】(7)工程〔A−1〕乃至〔A−3〕によ
り、基布の内部に半導電性ゴム(架橋ゴム)が含有さ
れ、工程〔B−1〕乃至〔B−2〕により、半導電化処
理された基布の内部に吸水樹脂(水溶性樹脂の架橋物)
が含有される。従って、これらの工程を含む製造法によ
れば、吸水樹脂の吸水脱落量が少なく、膨張率の高い止
水テープを確実に製造することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】<止水テープ>図4(1)は、本
発明の止水テープの断面構造の一例を示す説明図であ
り、同図(2)は、この止水テープの内部における繊維
構造(半導電性ゴムにより表面が被覆され、当該表面
(被覆面)の一部が更に吸水樹脂により被覆された状態
の繊維の構造)を模式的に示す断面図である。図4にお
いて、10は止水テープ、11は基布を構成する繊維、
12は、繊維11の表面に形成された半導電性ゴム層
(架橋ゴム層)、13は、半導電性ゴム層12の表面の
一部に積層形成された吸水樹脂層である。
【0025】図4に示す止水テープ10は、半導電化処
理された基布の内部に吸水樹脂が含有されて構成されて
いる。半導電化処理に供される「基布」としては、吸水
樹脂の形成材料(水溶性樹脂および架橋剤の水溶液)や
ゴム溶液などを含浸させることのできるものであれば特
に限定されるものではないが、これらの液状物質に対す
る良好な浸透性を発揮させる観点から空隙率(液状物質
の保持領域)の高い布であることが好ましい。また、5
0%圧縮応力が20kgf/cm2 以下である布が好ま
しく、更に好ましくは10kgf/cm2 以下である。
好ましい基布の具体例としては、ステッチボンド不織布
などの短繊維不織布、スパンボンド不織布などの長繊維
不織布、ダンボールニットなどの三次元的織布を挙げる
ことができる。基布の素材としては、例えばポリエステ
ル、ナイロン、綿、レーヨンなどを例示することができ
る。
【0026】また、「半導電化処理された基布」とは、
半導電性ゴム(架橋ゴム)を内部に含有することによっ
て半導電性(体積抵抗率:104 〜106 Ω・cm)を
示す基布をいう。「半導電化処理された基布」の内部
は、図4(2)に示したように、繊維11の表面に半導
電性ゴム層12が形成された状態であり、半導電化処理
後においても繊維形状は維持されている。さらに、繊維
11と繊維11との隙間の一部において半導電性ゴムが
存在していてもよい。
【0027】ここに、半導電性ゴム層12を構成する半
導電性ゴムは導電性物質が充填されてなる架橋ゴムであ
る。ゴムの種類としては、ブチルゴム(IIR)、エチ
レンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジ
エンゴム(EPDM)を例示することができる。また、
導電性物質としては、アセチレンブラック、ファーネス
ブラックなどのカーボンブラックを例示することができ
る。半導電性ゴム(架橋ゴム)を得るための配合剤とし
ても特に限定されるものではなく、従来公知の種々の配
合剤、例えばゴム架橋剤(キノン系架橋剤,過酸化物系
架橋剤など)、架橋助剤(亜鉛華,鉛丹など)、軟化
剤、粘着性付与剤、老化防止剤、加工助剤などを使用す
ることができる。本発明の止水テープにおける半導電性
ゴムの含有量としては、例えば50〜200g/m2
される。
【0028】本発明の止水テープを構成する「吸水樹
脂」は、「半導電化処理された基布」の内部に含有され
ている。具体的には、図4(2)に示したように、半導
電性ゴム層12の表面の一部に積層形成された状態、す
なわち、繊維表面を部分的に被覆する吸水樹脂層13と
して含有されている。さらに、繊維と繊維との隙間にお
いて吸水樹脂が存在していてもよい。
【0029】このように、吸水樹脂の連続体(吸水樹脂
層13)によって、繊維(繊維11)表面の一部が被覆
されていることにより、基布の表面に吸水樹脂層が形成
されてなる従来公知の止水テープ(図1に示したような
止水テープ)よりも、吸水時における吸水樹脂の脱落量
(吸水脱落量)を少なくすることができる。また、吸水
により膨潤した吸水樹脂によって基布自体が膨張するの
で、従来公知の止水テープよりも、膨張率(厚さ増加
率)を高いものとすることができる。さらに、膨張した
基布(止水テープ)によって隙間を封止するので、狭窄
部における吸水樹脂粒子のように水圧によって流される
ようなことはなく、従って、封止(止水)後において走
水が再発することはない。
【0030】本発明の止水テープを構成する「吸水樹
脂」としては、水に不溶性(膨潤性・親水性)であるこ
と、自重の30〜300倍程度の水を吸収して膨潤する
こと、微生物によって分解されないことなどの条件を満
足する合成樹脂であれば特に限定されるものではない
が、その製造が容易であることから、水溶性樹脂の架橋
物が好ましい。かかる吸水樹脂の具体例としては、イソ
ブチレン−無水マレイン酸系共重合体(−COON
+ ,−COOK+ ,−COOLi+ ,−COONH4
+ が含有されている共重合体)の架橋物、ポリエチレン
オキサイドの架橋物、アクリル酸塩系の架橋物、ポリビ
ニルアルコール−マレイン酸共重合体の架橋物、スルホ
アルキルアクリレート−アクリル酸共重合体の架橋物な
どを挙げることができる。本発明の止水テープにおける
吸水樹脂の含有量としては、例えば30〜200g/m
2 とされる。
【0031】<止水テープの製造法>本発明の止水テー
プの製造法は、半導電化処理された基布の内部に水溶性
樹脂を含有させた後、当該水溶性樹脂を架橋(不溶化)
させて吸水樹脂を調製する工程を含む点に特徴を有する
ものである。
【0032】図5は本発明の製造法の一例における工程
図であり、本発明の止水テープは、下記の工程〔A−
1〕乃至〔A−3〕および工程〔B−1〕乃至〔B−
2〕を含む方法により好適に製造することができる。
【0033】工程〔A−1〕:この工程は、未架橋の半
導電性ゴムを溶剤に溶解させることによりゴム溶液を調
製し(図5の「a1」)、得られたゴム溶液中に基布を
浸漬することにより、当該ゴム溶液を基布に含浸させる
工程である(図5の「a2」)。ここに、ゴム溶液を構
成する半導電性ゴムは、未架橋の原料ゴム(例えばII
R,EPM,EPDM)と、導電性物質(例えばカーボ
ンブラック)と、ゴム架橋剤(例えばキノン系架橋剤,
過酸化物系架橋剤)と、架橋助剤(例えば亜鉛華,鉛
丹)と、その他のゴム配合剤(例えば軟化剤、粘着性付
与剤、老化防止剤、加工助剤)とを含有するゴム組成物
を挙げることができる。また、半導電性ゴムを溶解する
溶剤としてはトルエンを挙げることができ、溶解して得
られる浸漬用のゴム溶液の粘度は1〜20ポイズとされ
る。このような浸漬法によってゴム溶液を含浸させるこ
とにより、当該ゴム溶液が基布の内部まで確実に浸透さ
れ、得られる止水テープに要求される半導電性を付与す
ることができる。ゴム溶液中に浸漬された基布は、ロー
ル間を通過してゴム溶液が絞り出された後、80〜15
0℃で3〜15分間乾燥処理される(図5の「a
3」)。
【0034】工程〔A−2〕:この工程は、上記の工程
〔A−1〕を経た基布の両面に、半導電性ゴム(未架
橋)を溶解してなるゴム溶液を塗布する工程である(図
5の「a4」)。この工程により、最終的に得られる止
水テープの表面平滑性が向上し、所期の導電性を付与す
ることができる。ここに、ゴム溶液を構成する半導電性
ゴムとしては工程〔A−1〕で使用したものと同様のも
のを使用することができる。また、半導電性ゴムを溶解
する溶剤としてはトルエンを挙げることができ、溶解し
て得られる塗布用のゴム溶液の粘度は50〜300ポイ
ズとされる。ゴム溶液の塗布操作は、例えばナイフオー
バーロールコーター、フローティングナイフコーター、
リバースロールコーターなどを使用して行うことができ
る。
【0035】工程〔A−3〕:この工程は、上記の工程
〔A−2〕を経た基布を乾燥処理して溶剤を除去し、次
いで、基布の内部に含有されている半導電性ゴムを架橋
させる工程である(図5の「a5」および「a6」)。
ここに、乾燥条件としては、例えば80〜150℃で3
〜15分間とされ、架橋条件としては、例えば140〜
170℃で5〜30分間とされる。
【0036】上記の工程〔A−1〕乃至〔A−3〕によ
り、半導電性ゴム(架橋ゴム)を内部に含有する基布、
すなわち、半導電化処理された基布が得られる。
【0037】工程〔B−1〕:この工程は、水溶性樹脂
と架橋剤とを水(溶剤)に溶解させることにより水溶液
を調製し(図5の「b7」)、得られた水溶液を、半導
電化処理された基布の表面(少なくとも一面)に塗布す
ることにより、当該基布に前記水溶液を含浸させる工程
である(図5の「b8」)。
【0038】ここに、水溶液を構成する水溶性樹脂とし
ては、架橋により不溶化(膨潤性化・親水性化)される
樹脂の中から選択することができる。かかる水溶性樹脂
の具体例としては、イソブチレン−無水マレイン酸系共
重合体(−COONa+ ,−COOK+ ,−COOLi
+ ,−COONH4 + が含有されている共重合体)、ポ
リエチレンオキサイド、アクリル酸塩、ポリビニルアル
コール−マレイン酸共重合体、スルホアルキルアクリレ
ート−アクリル酸共重合体などを挙げることができる。
水溶液中における水溶性樹脂の含有割合は、例えば10
〜50重量%とされる。
【0039】また、水溶液を構成する架橋剤としては、
エポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合物、ウレア−
メラミン樹脂、イソシアネート化合物、ジカルボン酸、
ジオール化合物、ジアミン化合物、その他の二官能性架
橋剤、三官能性架橋剤などを挙げることができる。これ
らのうち、イソブチレン−無水マレイン酸系共重合体の
ための架橋剤として、エポキシ基含有化合物、アミノ基
含有化合物、ウレア−メラミン樹脂を好ましく使用する
ことができ、ポリエチレンオキサイドのための架橋剤と
して、イソシアネート化合物、ジカルボン酸、ジオール
化合物、ジアミン化合物などの二官能性架橋剤を好まし
く使用することができる。水溶液中における架橋剤の含
有割合は、水溶性樹脂の含有割合、止水テープに要求さ
れる特性(吸水倍率など)によって適宜調整することが
できる。
【0040】水溶性樹脂および架橋剤を溶解してなる水
溶液の粘度は、例えば1〜30ポイズとされる。また、
当該水溶液の塗布操作は、例えばナイフオーバーロール
コーター、フローティングナイフコーター、リバースロ
ールコーター、含浸機などを使用して行うことができ
る。この工程〔B−1〕により、吸水樹脂の形成材料
(水溶性樹脂および架橋剤)を、半導電化処理された基
布の内部に均一に分散含有させることができる。
【0041】工程〔B−2〕:この工程は、水溶性樹脂
および架橋剤を溶解してなる水溶液が含浸された基布を
乾燥処理することにより溶剤である水を除去し、次い
で、基布の内部に含有されている水溶性樹脂を架橋させ
て吸水樹脂を調製する工程である(図5の「b9」およ
び「b10」)。この工程〔B−2〕により、半導電化
処理された基布の内部に吸水樹脂が含有されてなる(基
布を構成する繊維の表面が吸水樹脂により被覆されてい
る)止水テープを確実に得ることができる。
【0042】以上、本発明の製造法の一例を説明した
が、本発明の製造法は、半導電化処理された基布の内部
に含有させた水溶性樹脂を架橋させる工程(基布の内部
で吸水樹脂を調製する工程)を含むものであれは、上記
の製造法に限定されるものではない。
【0043】例えば、上記の製造法に下記のような変更
を加えることもできる。 (1)ゴム溶液を基布に含浸させる工程として、上記の
工程〔A−1〕および工程〔A−2〕の何れか一方のみ
を実施してもよい。 (2)水溶性樹脂および架橋剤の水溶液を基布に含浸さ
せる方法として、工程〔B−1〕の塗布法に代えて浸漬
法を採用してもよい。 (3)工程〔B−1〕において、水溶性樹脂および架橋
剤の溶剤として、水以外の溶剤(極性溶剤)を使用して
もよい。 (4)工程〔B−1〕に代えて、水溶性樹脂の水溶液と
架橋剤の水溶液とを別々に含浸させてもよい。また、こ
の場合において、水溶性樹脂の溶剤および/または架橋
剤の溶剤として、水以外の溶剤を使用してもよい。 (5)工程〔B−2〕において、乾燥処理および架橋処
理を同時に実施することも可能であり、例えば100〜
170℃で3〜120分間加熱することにより、溶剤で
ある水が除去されるともに、水溶性樹脂を架橋させるこ
とができる。
【0044】更に、本発明の止水テープは、本発明の製
造法以外の方法によっても製造することができる。例え
ば、吸水樹脂を溶解してなる有機溶剤溶液を、半導電化
処理された基布に含浸させた後、当該基布を乾燥処理し
て溶剤を除去することにより、本発明の止水テープ(半
導電化処理された基布の内部に吸水樹脂が含有されてな
る止水テープ)を得ることができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれらによって限定されるものではない。なお、以下
において、「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0046】<実施例1> (1)ゴム溶液の調製:ブチルゴム100部と、アセチ
レンブラック(導電性物質)70部と、キノン系のゴム
架橋剤10部と、鉛丹(架橋助剤)5部と、老化防止剤
1部とをロールにて混練して半導電性ゴム(未架橋組成
物)を調製した。得られた半導電性ゴムをトルエンに溶
解することにより、浸漬用のゴム溶液(25℃における
粘度=20ポイズ)および塗布用のゴム溶液(25℃に
おける粘度=100ポイズ)を調製した。
【0047】(2)ゴム溶液の含浸(浸漬法):上記
(1)によって得られた浸漬用のゴム溶液中に、ポリエ
ステルの短繊維をステッチ加工して得られた厚さ1mm
のステッチボンド不織布「アラベバ」(高安(株)製)
からなる基布を浸漬することにより、当該基布にゴム溶
液を含浸させた。次いで、この基布をロール間に通過さ
せて過剰量のゴム溶液を絞り出した後、100℃で5分
間かけて乾燥処理することにより溶剤(トルエン)を除
去した。
【0048】(3)ゴム溶液の含浸(塗布法):上記
(2)により浸漬処理された基布の両面にフローティン
グナイフコーターを用いて塗布用のゴム溶液を塗布する
ことにより、当該ゴム溶液を更に含浸させた。次いで、
100℃で10分間かけて乾燥処理することにより溶剤
(トルエン)を除去した。
【0049】(4)半導電性ゴムの架橋処理:上記
(2)〜(3)により半導電性ゴムを含有させた基布
を、150℃で15分間加熱することによって当該半導
電性ゴムを架橋させ、半導電性ゴム(架橋ゴム)を内部
に含有する基布を作製した。
【0050】(5)吸水樹脂の形成材料の調製:イソブ
チレン−無水マレイン酸系共重合体(水溶性樹脂)の水
溶液「KI−ゲル溶液 A液」(クラレ社製:樹脂の含
有割合=約25重量%)100部に対して「架橋剤 B
液」(クラレ社製)2部を添加して、この系を攪拌混合
することにより、水溶性樹脂および架橋剤の水溶液(2
5℃における粘度=35ポイズ)を調製した。
【0051】(6)吸水樹脂の形成材料の含浸(塗布
法):半導電化処理された基布の一面にフローティング
ナイフコーターを用いて上記(5)により得られた水溶
性樹脂および架橋剤の水溶液(吸水樹脂の形成材料)を
塗布することにより、当該基布に前記水溶液を含浸させ
た。
【0052】(7)吸水樹脂の形成材料の架橋:上記
(6)により吸水樹脂の形成材料を含浸させた基布を、
130℃で20分間加熱することによって、水を除去す
るとともに、水溶性樹脂を架橋(不溶化)させ、これに
より、半導電化処理された基布の内部に吸水樹脂が含有
されてなる本発明の止水テープを製造した。以上のよう
にして得られた本発明の止水テープは、厚さ1.0m
m、重量が330g/m2 、体積抵抗率が1×105 Ω
・cmであった。
【0053】<実施例2>実施例1(1)〜(4)と同
様にして、半導電性ゴムを内部に含有する基布(半導電
化処理された基布)を作製した。次いで、半導電化処理
された基布の一面に、フローティングナイフコーターを
用いて、ポリエチレンオキサイド(吸水樹脂)の有機溶
剤溶液「スミカゲル R−30L」(住友化学(株)
製:樹脂の含有割合15重量%,25℃における粘度=
20ポイズ)を塗布することにより、当該基布に前記有
機溶剤溶液を含浸させた。次いで、有機溶剤溶液を含浸
させた基布を、100℃で15分間加熱して有機溶剤を
除去することにより、半導電化処理された基布の内部に
吸水樹脂が含有されてなる本発明の止水テープを製造し
た。以上のようにして得られた本発明の止水テープは、
厚さ1.0mm、重量が330g/m2 、体積抵抗率が
1×105 Ω・cmであった。
【0054】<比較例1> (1)吸水樹脂層形成用組成物の調製:ブチルゴム10
0部と、アセチレンブラック(導電性物質)70部と、
キノン系のゴム架橋剤10部と、鉛丹(架橋助剤)5部
と、老化防止剤1部とをロールにて混練して半導電性ゴ
ム(未架橋組成物)を調製した。このようにして得られ
た半導電性ゴム100部をトルエン100部に溶解させ
た後、当該溶液中に、イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体架橋物からなる吸水樹脂粒子「KIゲル F4」
(クラレ社製)300部を添加し、この系を攪拌混合し
て、吸水樹脂粒子を分散させることにより、吸水樹脂層
形成用組成物(25℃における粘度=100ポイズ)を
調製した。
【0055】(2)止水テープの製造:綿帆布(厚さ
0.95mm、重量450g/m2 )からなる基布の両
面に、上記(1)により得られた吸水樹脂層形成用組成
物を塗布し、吸水樹脂層形成用組成物の塗膜を100℃
で15分間加熱して吸水樹脂層(目付60g/m2 )を
形成することにより、基布の両面に吸水樹脂層が形成さ
れてなる比較用の止水テープを製造した。以上のように
して得られた比較用の止水テープは、厚さ1.0mm、
重量が510g/m2 、体積抵抗率が1×105 Ω・c
mであった。
【0056】<止水テープの評価試験>上記の実施例1
〜2および比較例1により得られた止水テープの各々に
ついて、下記の項目について試験を行って性能を評価し
た。これらの評価結果を表1に示す。
【0057】(1)吸水倍率:止水テープ約1gを精秤
し(このときの重量をAとする)、この止水テープを2
0℃の人工海水中に浸漬した。10分間経過後、止水テ
ープを取り出して秤量し(このときの重量をB1 とす
る)、さらに、止水テープの吸水樹脂層から脱落して人
工海水中に移行している吸水樹脂(粒子)を濾別採取し
て秤量し(このときの重量をB2 とする)、下記式に従
って、吸水倍率(W)を算出した。
【0058】
【数1】
【0059】(2)吸水脱落量(吸水脱落率):止水テ
ープを5cm×5cmに裁断して試験片を作製し、この
試験片に人工海水0.2ml注入し、5分間経過後、膨
潤して表面に移行した吸水樹脂(粒子)をスクレーパー
を用いて掻き落とし、当該吸水樹脂(粒子)の重量(吸
水脱落量)を測定し、吸水脱落率(吸水樹脂の全量に対
する脱落量の割合)を求めた。
【0060】(3)厚さの増加率:上記(2)により、
吸水樹脂(粒子)が掻き落とされた後の試験片につい
て、ダイヤル式厚さゲージを使用して厚さ(t)を測定
し、吸水前における止水テープの厚さ(t0 )に対する
増加率〔(t−t0 )/t0 ×100〕を求めた。
【0061】(4)走水距離:図6は、走水距離を測定
するために使用した装置の縦断面図である。同図におい
て、21は樹脂製のロッド、22は、縦断面がコルゲー
ト状の管材(アルミニウム製)、Tは、ロッド21の外
周面に巻き付けられた止水テープ(1層巻き)である。
この装置において、ロッド21の外径(D1 )は10
2mm、管材22の最小内径(D2 )は105mm、最
大内径(D3 )は115mmであり、従って、管材22
の内面がロッド21の外周面に最も接近している部分に
おける両者の離間距離d〔d=(D2 −D1 )/2〕は
1.5mm、管材22の内面がロッド21の外周面から
最も離間している部分における両者の離間距離D〔D=
(D3 −D1 )/2〕は6.5mmとなる。また、管材
22の長さ(L)は2m、コルゲートのピッチ(f)は
35mmである。
【0062】このような構成の装置を使用し、一端側か
ら管材22内に水道水(w)を浸入させた。ここに、水
道水の水圧は0.1kgf/cm2 とした。この状態を
24時間保持した後、この装置を解体して、当該装置の
一端部から他端部に向かって管材22内(管材22内の
内面とロッド21の外周面との隙間)を移動した水道水
の距離(走水距離)を測定した。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1および実施例2に係る止水テープは、比較例1に係
る止水テープよりも、吸水樹脂の吸水脱落量(吸水脱落
率)が少なく、厚さ増加率が高い。また、実施例1およ
び実施例2に係る止水テープによれば、縦断面がコルゲ
ート形状である管材22内においても、優れた止水効果
を発揮することができる。
【0065】
【発明の効果】本発明の止水テープは、従来の止水テー
プに比べて、吸水樹脂の吸水脱落量が少なく、膨張率
(厚さ増加率)が高い。本発明の止水テープは、絶縁電
力ケーブルを構成する遮蔽層と、縦断面がコルゲート形
状の金属シースとの隙間においても優れた止水効果を発
揮することができる。本発明の製造法によれば、吸水樹
脂の吸水脱落量が少なく、膨張率の高い止水テープを確
実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の止水テープの断面構造の一例を示す説明
図である。
【図2】絶縁電力ケーブルの横断面構造を模式的に示す
断面図である。
【図3】図2に示した絶縁電力ケーブルの縦断面構造の
一部を模式的に示す断面図である。
【図4】(1)は、本発明の止水テープの断面構造の一
例を示す説明図であり、(2)は、この止水テープの内
部における繊維構造を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の製造法の一例における工程図である。
【図6】走水距離を測定するために使用した装置の縦断
面図である。
【符号の説明】
10 止水テープ 11 繊維 12 半導電性ゴム層 13 吸水樹脂層 21 ロッド 22 管材 T 止水テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/10 C09K 3/10 N Z H01B 9/02 H01B 9/02 B (72)発明者 坂口 久雄 千葉県富津市新富42番1 株式会社フジク ラ富津工場内 Fターム(参考) 4F100 AA37A AA37B AA37C AB01D AK01A AK01B AK01C AK08A AK08B AK08C AK08J AK24B AK24C AK24J AK41A AK54B AK54C AL01B AL01C AL05B AL05C AN00A AN00B AN00C AR00E BA03 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E CA02B CA02C DA16 DG03A DG04A DG11A DG12A DG15A EG002 EH462 EJ051 EJ052 EJ64 EJ821 EJ861 EJ862 GB46 GB90 JA02 JB09B JB09C JD01E JD15 JD15A JG01A JG01B JG01C 4H017 AA03 AA04 AA22 AA31 AC06 AC10 AC16 AD06 AE05 5G313 FA03 FB06 FB10 FC01 FD16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導電化処理された基布の内部に吸水樹
    脂が含有されてなることを特徴とする止水テープ。
  2. 【請求項2】 半導電化処理された基布を構成する繊維
    の表面が、吸水樹脂により被覆されていることを特徴と
    する止水テープ。
  3. 【請求項3】 短繊維不織布、長繊維不織布および三次
    元的織布から選ばれた1種の布から基布が構成されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の止
    水テープ。
  4. 【請求項4】 絶縁電力ケーブルを構成する遮蔽層と、
    この遮蔽層の外周に隙間を介して設けられ、縦断面がコ
    ルゲート形状である金属シースとの間に敷設されること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の止
    水テープ。
  5. 【請求項5】 下記の工程〔A〕〜〔B〕により得られ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記
    載の止水テープ。 工程〔A〕:半導電性ゴムを溶解してなるゴム溶液を基
    布に含浸させ、これを乾燥処理して溶剤を除去した後、
    前記半導電性ゴムを架橋させることにより、前記基布を
    半導電化処理する工程。 工程〔B〕:水溶性樹脂および架橋剤を溶解してなる溶
    液を、半導電化処理された基布に含浸させ、これを乾燥
    処理することにより溶剤を除去した後、前記半導電化処
    理された基布の内部で前記水溶性樹脂を架橋させて吸水
    樹脂を調製する工程。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    止水テープを製造する方法であって、半導電化処理され
    た基布の内部に水溶性樹脂を含有させた後、この水溶性
    樹脂を架橋させて吸水樹脂を調製する工程を含むことを
    特徴とする止水テープの製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
    止水テープを製造するための方法であって、下記の工程
    を含むことを特徴とする止水テープの製造法。 工程〔A−1〕:半導電性ゴムを溶解してなるゴム溶液
    中に基布を浸漬することにより、当該ゴム溶液を基布に
    含浸させる工程。 工程〔A−2〕:ゴム溶液中に浸漬した基布の両面に更
    にゴム溶液を塗布することにより、当該ゴム溶液を基布
    に含浸させる工程。 工程〔A−3〕:ゴム溶液が含浸された基布を乾燥処理
    して溶剤を除去した後、当該基布の内部に含有されてい
    る半導電性ゴムを架橋させることにより、前記基布を半
    導電化処理する工程。 工程〔B−1〕:水溶性樹脂および架橋剤を溶解してな
    る水溶液を、半導電化処理された基布の表面に塗布する
    ことにより、当該基布に前記水溶液を含浸させる工程。 工程〔B−2〕:水溶性樹脂および架橋剤を溶解してな
    る水溶液が含浸された基布を乾燥処理することにより溶
    剤である水を除去した後、当該基布の内部に含有されて
    いる水溶性樹脂を架橋させて吸水樹脂を調製する工程。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101812701B1 (ko) * 2015-09-10 2017-12-28 안광호 반도전성 테이프 및 이의 제조 방법
CN108666014A (zh) * 2018-06-20 2018-10-16 沈阳天荣电缆材料有限公司 一种耐海水半导电止水绑扎带及其制备方法
CN111785427A (zh) * 2020-07-22 2020-10-16 河北华通线缆集团股份有限公司 一种电缆用突脊型屏蔽层及其用途
CN111899938A (zh) * 2020-08-03 2020-11-06 远程电缆股份有限公司 一种高压电缆用阻燃阻水带及其制备方法

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