JP3396967B2 - 回転電機巻線の絶縁構造 - Google Patents

回転電機巻線の絶縁構造

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JP3396967B2
JP3396967B2 JP21970394A JP21970394A JP3396967B2 JP 3396967 B2 JP3396967 B2 JP 3396967B2 JP 21970394 A JP21970394 A JP 21970394A JP 21970394 A JP21970394 A JP 21970394A JP 3396967 B2 JP3396967 B2 JP 3396967B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は回転電機巻線の絶縁構
関し、特に高電圧回転電機の固定子巻線を絶縁する場
合に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】回転電機巻線の絶縁部を含浸樹脂により
全含浸して構成する所謂全含浸絶縁システムは、信頼性
が高くコストパフォーマンスが良いことから近年大形の
回転電機への適用拡大が進んでいる。全含浸絶縁システ
ムを構成する大きな要素は、含浸樹脂とマイカ絶縁テー
プを主体とした絶縁構成にある。この場合の含浸樹脂と
しては、電気的、機械的及び熱的な特性に優れ、他の絶
縁材料との相容性が良いエポキシ樹脂が一般的に使用さ
れている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら含浸樹脂
としてエポキシ樹脂を用いる場合、一般的に次のような
欠点がある。 【0004】(1) 樹脂の増粘が早く、含浸可能な限
界の粘度に達する時間(可使寿命)が短い。 (2) 可使寿命を引き延ばすために、冷蔵貯蔵や水分
からの遮断等を行わなければならず、そのための設備費
がかかる。 (3) ゲル時間が遅く硬化時の樹脂の流出が多くなる
ため、ワークを回転させながら硬化させる等の樹脂流出
防止処置が必要になる。 【0005】しかもこれらの欠点は大型の回転電機にな
る程より大量の含浸樹脂を要するため、より大きな問題
となる。 【0006】従って本発明は上記従来技術に鑑み、エポ
キシ樹脂と同等の電気的、機械的及び熱的な特性を有し
且つ上記の欠点を改善することができる含浸樹脂と、こ
の含浸樹脂に合ったテープとを用いた回転電機巻線の絶
縁構造とを提供すること目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】従来のエポキシ樹脂に替
わる含浸樹脂として、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
及びポリイミド樹脂の3種類の樹脂を有してなる樹脂組
成物を開発した。この樹脂は、従来のエポキシ樹脂と同
等の樹脂硬化物における電気的、機械的及び熱的特性を
有し、しかも可使寿命がエポキシ樹脂の10倍以上であ
ることが確認された。しかしこの樹脂を従来と同じ絶縁
構成のコイルに含浸し硬化させて絶縁特性を試験したと
ころ、部分放電が多発し、Δtanδ特性及び課電寿命
特性が悪化した。これは含浸樹脂中の揮発分が多く、硬
化時に絶縁層から揮発した後に多くのボイド(気泡)が
形成されることから、絶縁層中のボイドの含有率が高く
なったためであることが判明した。そこで前記揮発分を
おさえるためにコイル表面にポリエステルフィルム層を
設けたところ、課電寿命特性は改善されたものの、Δt
anδ特性は依然として良くならなかった。この原因は
ポリエステルフィルム層と、最外層に設けているコロナ
防止テープとの間の接着性が悪いことにあると判明し
た。このため前記揮発分をおさえ且つコロナ防止テープ
との接着性の良い材料(テープ)が必要となった。 【0008】 【0009】 【0010】上記目的を達成する本発明の回転電機巻線
の絶縁構造はかかる開発経緯のもとになされたものであ
り、コイルに絶縁テープを巻回して形成した絶縁層の上
にポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラ
スチックフィルムとポリエステル不織布、アラミッド不
織布等の合成繊維からなる不織布とを貼り合わせて構成
したテープを前記不織布面が外側となるよう巻回し更に
このテープの上にコロナ防止テープを巻回すると共に、
ポリエステル樹脂20〜50%、エポキシ樹脂1〜25
%及びポリイミド樹脂1〜15%の3種類の樹脂を有し
て構成した樹脂組成物である含浸樹脂を含浸して構成し
たことを特徴とする。 【0011】 【作用】上記構成の含浸樹脂では、従来の含浸樹脂であ
るエポキシ樹脂と比較すると、樹脂硬化物の電気的、機
械的及び熱的特性が同等であって、しかも可使寿命が1
0倍以上となる。 【0012】また上記構成のテープでは、上記構成の回
転電機巻線の絶縁構造において、プラスチックフィルム
面により含浸樹脂中の揮発分をおさえ、しかも不織布面
がコロナ防止テープとの接着性を良くしている。 【0013】従って上記構成の回転電機巻線の絶縁構造
では、含浸樹脂が従来のエポキシ樹脂と同等の電気的特
性等を有すると共にテープが含浸樹脂中の揮発分がおさ
えてボイドの発生をおさえ且つコロナ防止テープとの接
着性を良くしているためにΔtanδ特性及び課電寿命
特性が良く、しかも含浸樹脂の可使寿命がエポキシ寿命
の10倍以上であることから従来の絶縁構造に比べてコ
スト的に大幅に有利である。 【0014】 【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。 【0015】〈実施例−I〉図1は本実施例−Iに係る
回転電機巻線の絶縁構造を示す要部断面図である。同図
に示すように本実施例−Iに係る回転電機巻線の絶縁構
造は、サイズ4.0×2.0mmの平角銅線を2並びで
10回巻いて直線部長500mmの亀甲形に成形したコ
イル2の上に、集成マイカ絶縁テープ3をハーフラップ
で4回巻回して絶縁層を形成し、この絶縁層の上にポリ
エステルフィルム(0.025t)とアラミッド不織布
(0.05t)を接着剤で貼り合わせて構成したテープ
4をアラミッド不織布面4aを外側としポリエステルフ
ィルム面4bを内側としてハーフラップで1回巻回し、
更にこのテープ4の鉄心1への挿入部分の上にコロナ防
止テープ5を巻回すると共に、ポリエステル樹脂20〜
50%、エポキシ樹脂1〜25%及びポリイミド樹脂1
〜15%の3種類の樹脂より構成した樹脂組成物(エポ
キシ変成ポリエステルイミド樹脂)である含浸樹脂を真
空加圧含浸処理して構成している。 【0016】〈実施例−II〉本実施例−IIに係る回転電
機巻線の絶縁構造は、図示は省略するが、上記実施例−
Iにおいて、ポリエステルフィルムとアラミド不織布と
を貼り合わせて構成したテープ4の代わりにポリイミド
フィルムとアラミッド不織布とを接着剤で貼り合わせて
構成したテープを用いて構成したものである。 【0017】〈特性試験結果〉次に上記実施例−I及び
IIの絶縁構造と、比較例−I、II及びIII の絶縁構造と
を特性試験して比較した結果について説明する。 【0018】ここで比較例−Iの絶縁構造は、上記実施
例−Iの絶縁構造において、ポリエステルフィルムとア
ラミド不織布とを貼り合わせて構成したテープ4の代わ
りにポリエステルフィルムテープを用いたものである。 【0019】比較例−IIの絶縁構造は、上記実施例−I
の絶縁構造において、テープ4の代わりにガラス繊維織
布テープを用いたものである。 【0020】比較例−III の絶縁構造は、上記実施例−
Iの絶縁構造において、エポキシ変成ポリエステルイミ
ド樹脂の代わりにエポキシ樹脂を用いたものである。 【0021】なお試験はアルミ製の模擬鉄心を装着して
行った。 【0022】表1に特性試験結果、即ち6kVにおける
Δtanδ値、18kV課電時の課電寿命及び含浸樹脂
を25℃で貯蔵した場合の可使寿命(相対値)の測定結
果を示す。 【0023】 【表1】 【0024】表1から次の(1)〜(4)のことがいえ
る。 【0025】(1) 実施例−I,II の場合、比較例
I,IIに比べてΔtanδ値が小さく、絶縁層中のボイ
ドが少い。 (2) 課電寿命が、実施例−I,II>比較例−I>比
較例−IIの順になっており、この結果からテープ4等の
効果、即ちポリエステルフィルム面4b又はポリイミド
フィルム面にて含浸樹脂(エポキシ変成ポリエステルイ
ミド樹脂)中の揮発分をおさえると共にアラミド不織物
面にてコロナ防止テープ5との接着性が改善された効果
が表われている。 (3) 実施例−I,IIと比較例−III とを比較する
と、Δtanδ値及び課電寿命においては同等である
が、含浸樹脂の可使寿命において約10倍の開きがあ
り、実施例−I,IIの方がコスト的に大幅に有利であ
る。 (4) また実施例−I,IIによれば、このように含浸
樹脂の可使寿命が長くなる分、再使用回数が増やせるた
め廃棄樹脂が少なくなり省資源及び地球環境保護の促進
につながる。 【0026】なお上記実施例−Iではポリエステルフィ
ルムとアラミッド不織布とを貼り合わせて構成したテー
プ4を用い、上記実施例−IIではポリイミドフィルムと
アラミッド不織布とを貼り合わせて構成したテープを用
いたが、これに限定するものではなく、ポリエステルフ
ィルムやポリイミドフィルムに代えて他のプラスチック
フィルムを用いてもよく、またアラミッド不織布に代え
て他の合成繊維からなる不織布(例えばポリエステル不
織布)を用いてもよい。 【0027】 【発明の効果】以上実施例と共に具体的に説明したよう
に本発明によれば、ポリエステル樹脂20〜50%、エ
ポキシ樹脂1〜25%及びポリイミド樹脂1〜15%の
3種類の樹脂を有して構成した樹脂組成物を含浸樹脂と
することにより、従来の含浸樹脂であるエポキシ樹脂と
比較すると、電気的、機械的及び熱的特性が同等に優れ
ており、しかも可使寿命が10倍以上となる。またポリ
エステルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチッ
クフィルムとポリエステル不織布、アラミッド不織布等
の合成繊維からなる不織布とを貼り合わせて構成したテ
ープにより、含浸樹脂の硬化時の揮発分をおさえると共
にコロナ防止テープとの接着性が良くなる。従ってこれ
らの特性を有する含浸樹脂やテープを用いて回転電機巻
線の絶縁構造を構成することにより、Δtanδ特性や
課電寿命特性等の絶縁特性に優れ、しかもコスト的に大
幅に有利になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例−Iに係る回転電機巻線の絶縁
構造を示す要部断面図である。 【符号の説明】 1 鉄心 2 コイル 3 集成マイカ絶縁テープ 4 テープ 5 コロナ防止テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−237559(JP,A) 特開 平3−252415(JP,A) 特開 昭63−7602(JP,A) 特開 平8−23651(JP,A) 特開 平7−131960(JP,A) 特開 昭57−67618(JP,A) 特開 平2−136046(JP,A) 特開 昭62−196052(JP,A) 特開 平5−15095(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 3/32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 コイルに絶縁テープを巻回して形成した
    絶縁層の上にポリエステルフィルム、ポリイミドフィル
    ム等のプラスチックフィルムとポリエステル不織布、ア
    ラミッド不織布等の合成繊維からなる不織布とを貼り合
    わせて構成したテープを前記不織布面が外側となるよう
    巻回し更にこのテープの上にコロナ防止テープを巻回す
    ると共に、ポリエステル樹脂20〜50%、エポキシ樹
    脂1〜25%及びポリイミド樹脂1〜15%の3種類の
    樹脂を有して構成した樹脂組成物である含浸樹脂を含浸
    して構成したことを特徴とする回転電機巻線の絶縁構
    造。
JP21970394A 1994-09-14 1994-09-14 回転電機巻線の絶縁構造 Expired - Lifetime JP3396967B2 (ja)

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