JP2842975B2 - 回転電機の固定子コイル - Google Patents

回転電機の固定子コイル

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JP2842975B2
JP2842975B2 JP29248192A JP29248192A JP2842975B2 JP 2842975 B2 JP2842975 B2 JP 2842975B2 JP 29248192 A JP29248192 A JP 29248192A JP 29248192 A JP29248192 A JP 29248192A JP 2842975 B2 JP2842975 B2 JP 2842975B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転電機の固定子コイ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、高電圧機器、例えば定格電圧3k
V以上の交流発電機のコイル絶縁層の製作方式として、
プリプレグ方式及び真空加圧含浸方式が主流である。
【0003】プリプレグ方式は、半硬化状の熱硬化性レ
ジンを含むプリプレグテープを導体に巻回後、加熱加圧
成形により製作できるのに対し、真空加圧含浸方式はド
ライテープを導体に巻回後、熱硬化性レジンを注入し、
加熱加圧成形を行うため1工程余分にかかる。また、プ
リプレグ方式は絶縁層の電界強度が真空加圧含浸方式と
比べ強く、絶縁層の厚みは薄肉となり、機器のサイズを
コンパクト化できることにより、プリプレグ方式の採用
の傾向が高まっている。
【0004】このように絶縁処理しただけの固定子コイ
ルを固定子鉄心のスロットに挿入し固定した場合、この
固定子コイルに高電圧が印加されると、スロット内に挿
入された部分の表面からスロットに向かってコロナが発
生する。このため、図6に示されているようにスロット
内挿入部分の固定子コイル1のコイル絶縁層2の表面に
半導電層(低抵抗コロナシールド層)3を設けている。
また、固定子コイル1のスロット出口付近(以下、コイ
ルエンド部と称する)の表面は導体4の電位と同じにな
っており、低抵抗コロナシールド層3の端部との間で沿
面の電位傾度を形成し、低抵抗コロナシールド層3の端
部は電界が集中し易く、急激に電位が上がるとコロナ放
電が生じるため、低抵抗コロナシールド層3の端部から
コイルエンド部のコイル絶縁層2の表面における沿面電
位傾度が大きくなる部分に電界緩和層5を設けている。
なお同図において6はカバー絶縁層である。
【0005】電界緩和層5の処理方法としては、次ぎに
述べるようなものがある。(1)高抵抗値の半導電性テ
ープを予め加熱加圧成形したコイル絶縁層2の上に固着
剤を用いて巻回して固着する方法。(2)炭化珪素粒子
は非直線性特性があり、電界緩和材として多く用いられ
るものであり、この炭化珪素粒子を含有したレジンを予
め加熱加圧成形したコイル絶縁層2の上にブラッシング
により塗布して処理する方法。(3)補強布に炭化珪素
粒子を含有した半硬化状の熱硬化性レジンを塗布してな
る電界緩和テープをコイル絶縁層2の上に巻回し、コイ
ル絶縁層2の加熱加圧成形と同時に処理する方法。
【0006】なおこれに関するものとして特開昭54−
116603号公報、特開昭62−68031号公報、
特開昭62−123936号公報、特開昭62−132
650号公報がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の電界緩
和層の処理方法である上述(1)の高抵抗値の半導電性
テープを予め加熱加圧成形したコイル絶縁層の上に固着
剤を塗り、巻回して処理する方法では、半導電性テープ
のラップ面に固着剤が浸入し半導電性テープの抵抗値が
不適性となり、高電界仕様に耐えられなくなる懸念があ
る。このことにより、上述(2)の炭化珪素粒子を含有
したレジンを予め加熱加圧成形したコイル絶縁層の上に
ブラッシングにより塗布して処理する方法があるが、塗
りむらをなくすため、何回もブラッシングを行うを必要
があり、作業性がよくなく、作業者により特性値が変動
することより、非直線性抵抗特性が安定し理想的な値と
するのは困難である。また、コイル絶縁層を形成する工
程と、電界緩和層の処理工程とが別々になるといった不
具合もあった。
【0008】コイル絶縁層の製作方式は上述のようにプ
リプレグ方式の採用の傾向であるので、コイル絶縁層の
加熱加圧成形と同時に電界緩和層を形成する方法とし
て、上述(3)の補強布に炭化珪素粒子を含有した半硬
化状の熱硬化性レジンを塗布してなる電界緩和テープに
より電界緩和層を形成する方法があるが、炭化珪素粒子
を含有した半硬化状の熱硬化性レジンの非直線性抵抗特
性は、炭化珪素粒子間の接触によるものであり、熱硬化
性レジンの硬化条件により特性値が大きく変化する。従
って、単に補強布に炭化珪素粒子を含有した半硬化状の
熱硬化性レジンを塗布してなる電界緩和テープの巻回で
は、非直線性抵抗特性が安定した理想的な値となるよう
電界緩和層を形成するのは困難である。
【0009】また、加熱加圧成形時に、半導電性である
炭化珪素粒子が熱硬化性レジンと共に流動し、コイル絶
縁層内に流れ込み、絶縁特性の低下を招く不具合もあ
る。この対策として電界緩和層とコイル絶縁層との間
に、熱硬化性レジンの流動を防ぐようにセパレート材を
設ける方法もあるが、抵抗値が異なる材料を電界緩和層
とコイル絶縁層との間に設けるのは望ましくなく、長期
運転によりセパレート材が劣化すると電界緩和層とコイ
ル絶縁層との間に空隙等が発生し、電界緩和特性が不安
定になり、コイル絶縁層に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0010】このように電界緩緩和層を形成するには、
プリプレグ方式のコイル絶縁層と同時に加熱加圧成形す
るのが最適であり、種々検討がなされてきた。
【0011】すなわち、電界緩和テープに炭化珪素粒子
を含有するレジンとして半硬化状の熱硬化性レジンを塗
布しており、加熱加圧成形による炭化珪素粒子の流動が
問題であった。そこで、炭化珪素粒子を含有するレジン
を補強布に塗布し、予め乾燥させて製作した電界緩和テ
ープをコイル絶縁層の上に巻回し、コイル絶縁層の加熱
加圧成形と同時に電界緩和層を形成することにより、炭
化珪素粒子の流動がなく絶縁特性を損なう問題は解消さ
れる。
【0012】しかしながら、コイル絶縁層は半硬化状の
熱硬化性レジンを含むプリプレグテープを加熱加圧成形
することにより、プリプレグテープ中のレジンは絶縁層
を形成するのに必要な分だけ残り、余剰分は絶縁層外へ
押し流されることにより、コイル絶縁層の厚みは加熱加
圧成形により寸法が小さくなる。そしてコイル絶縁層の
外周寸法も小さくなるに対し、コイル絶縁層上に巻回さ
れている電界緩和テープは予め乾燥しているため、加熱
加圧成形時に寸法変化がなく、電界緩和層の外周寸法も
変わらないため、電界緩和層がだぶつき、このような状
態で加圧されることにより電界緩和層にしわが発生す
る。このようなしわが生じることにより、電界緩和層に
しわが発生する。しわが生じることにより電界緩和テー
プのラップ面の接触状態が疎となり、非直線性抵抗特性
が不安定となり、電界緩和がなされず、沿面コロナ放電
が発生し電気的弱点部を作りだす欠点があった。
【0013】また、電界緩和テープは予め乾燥している
ため硬く、加熱加圧成形によりコイル絶縁層に食い込
み、コイル絶縁層内に剥離、空隙が生じ、コイル絶縁特
性を著しく低下させる欠点もあった。
【0014】このようにして製作された固定子コイルを
使用して、回転電機を長期間運転すると、特に電界が集
中する低抵抗コロナシールド層の端部で沿面コロナ放電
が常時発生し、コイル絶縁層を侵食し、耐電圧性能が低
下し、劣化を早めることになある。
【0015】従って、これまでの固定子コイルの電界緩
和層ではコイル絶縁層の加熱加圧成形と同時に電界緩和
層を形成する時、電界緩和層にしわが発生する問題があ
った。
【0016】本発明は以上の点に鑑みなされたものであ
り、電界緩和層のしわによる沿面コロナ放電の発生を防
止し、信頼性の向上を可能とした回転電機の固定子コイ
ルを提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、前記電界緩
和層と前記コイル絶縁層との間に、その一方側端部が前
記低抵抗コロナシールド層の端部に当接した緩衝層を設
けることにより、達成される。
【0018】
【作用】上記手段を設けたので、コイル絶縁層の加熱加
圧成形時の寸法変化を緩衝層が吸収するようになる。
【0019】すなわちコイル絶縁層の加熱加圧成形と同
時に電界緩和層を形成する時、コイル絶縁層と電界緩和
層との間に緩衝層を設けることにより、加熱加圧成形に
よりコイル絶縁層内の余剰レジンが排出され、コイル絶
縁層の厚みが小さくなるが、緩衝層が厚み減少分を補う
ことにより、コイル絶縁層の外周寸法が加熱加圧成形前
と変化しないことから、電界緩和層のだぶつきがなくな
り、加熱加圧成形による電界緩和層のしわの発生を防止
することができると共に、コイル絶縁層内の余剰レジン
の電界緩和層への流出を防止することができる。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0021】〔実施例 1〕図1および図2には本発明
の一実施例が示されている。なお従来と同じ部品には同
じ符号を付したので説明を省略する。本実施例では電界
緩和層5とコイル絶縁層2との間に、その一方側端部が
低抵抗コロナシールド層3の端部に当接した緩衝層7を
設けた。このようにすることによりコイル絶縁層2の加
熱加圧成形時の寸法変化を緩衝層7が吸収するようにな
って、電界緩和層5のだぶつきがなくなり、電界緩和層
5のしわによる沿面コロナ放電の発生を防止し、信頼性
の向上を可能とした回転電機の固定子コイル1aを得る
ことができる。
【0022】すなわち導体4の外周にプリプレグ絶縁テ
ープを巻回してなるコイル絶縁層2のコイルエンド部の
外周に、低抵抗コロナシールド層3の端部から電界緩和
層5を形成する範囲まで緩衝層7を設け、この緩衝層7
の外周に低抵抗コロナシールド層2に接触させて電解緩
和層5を設けた。そしてこの電界緩和層5の外周に電界
緩和層5を保護するカバー絶縁層6を設けて固定子コイ
ル1aを形成した(図1参照)。
【0023】この固定子コイル1aはこれらコイル絶縁
層2、低抵抗コロナシールド層3、電界緩和層5、カバ
ー絶縁層6および緩衝層7を導体4の上に設けた後、加
熱加圧成形を行う。緩衝層7はコイル絶縁層2と同一基
材であり、この基材は未硬化樹脂を含有しないドライ集
成マイカ、ノンレジンフィルム、ノンレジン不織布、ノ
ンレジン織物のいずれか一つのテープあるいはシートの
巻回により形成する。
【0024】電界緩和層5は、上述のように炭化珪素粒
子を含有するレジンを補強布に塗布し、予め乾燥させた
電界緩和テープを巻回により形成する。
【0025】低抵抗コロナシールド層3は、半導電性テ
ープをコイル絶縁層2の外周のスロット内に挿入される
部分に巻回し形成する。
【0026】カバー絶縁層6は、プリプレグ絶縁テープ
を電界緩和層5の外周に巻回し、形成する。
【0027】このように緩衝層7を設けて固定子コイル
1aを製作することにより、加熱加圧成形によりコイル
絶縁層2内の余剰レジンが排出され、コイル絶縁層2の
厚みが小さくなるが、緩衝層7が厚み減少分を補うこと
により、コイル絶縁層2の外周寸法が加熱加圧成形前と
変らないことから、電界緩和層5のだぶつきがなくな
り、加熱加圧成形による電界緩和層5のしわの発生を防
止することができる。また、加熱加圧成形による電界緩
和層5のコイル絶縁層2への食い込みも緩衝層7により
防止できる。なお緩衝層7はコイル絶縁層2と同一の基
材であることから、コイル絶縁層2と電界緩和層5との
間に設置しても、電界緩和特性を害することはなく、ま
た、緩衝層7は未硬化樹脂を含有しないノンレジン材で
あることから、コイル絶縁層2内の余剰レジンを吸収
し、電界緩和層5への流出を防止することもできる。
【0028】この電界緩和層5を形成する電界緩和テー
プ8は、炭化珪素粒子を含有するレジンを補強布に塗布
した電界緩和材9と、多孔質状の織物10bの収縮性を
保つように炭化珪素粒子を含有するレジン10aを適量
に含浸した電界緩和材10とで形成されている(図2参
照)。
【0029】電界緩和テープ8を巻回して電界緩和層5
を設置し、加熱加圧成形すると、コイル絶縁層2の厚み
が小さくなるが、小さくなると電界緩和テープ8自体も
加熱加圧成形により追従して収縮する。このことによ
り、コイル絶縁層2の外周の寸法変化に追従して電界緩
和層5も寸法変化することにより、しわの発生を防止す
ることができる。なお、電界緩和テープ8は、多孔質状
の織物10bに炭化珪素粒子を含有するレジン10aを
含浸していることにより、電界緩和特性を害することは
ない。電界緩和テープ8を巻回し電界緩和層5とする場
合、緩衝層7は、電界緩和層5のコイル絶縁層2への食
い込み防止や、コイル絶縁層2内の余剰レジンを吸収
し、電界緩和層5への流出を防止する効果があり、設置
した方が効果的であることは云うまでもない。
【0030】このような緩衝層7を使用し、その効果を
検討した結果を次に述べる。
【0031】マイカエポキシプリプレグよりなるコイル
絶縁層2のコイルエンド部の外周に、カーボンを基材と
した低抵抗コロナシールド層3の端部から電界緩和層5
を形成する所定の範囲までドライ集成マイカテープを半
掛で所定の回数巻いて緩衝層7を設けた。この緩衝層7
の外周に低抵抗コロナシールド層3に接触させて炭化珪
素粒子を含有するエポキシレジンをポリエステル繊維に
塗布し、予め乾燥させた電界緩和テープ8を所定の長さ
に半掛で巻回して電界緩和層5を設け、この電界緩和層
5の外周にプリプレグガラステープを半掛で巻回してカ
バー絶縁層6を設けた後、加熱加圧成形を行い、固定子
コイル1aを得た。このようにして成形した固定子コイ
ル1aのコイルエンド部外観は、表面にしわの発生がな
く、均一な面を形成しており良好である。
【0032】また、図5には本実施例の固定子コイル1
aと従来例の固定子コイル1(図6参照)との電気特性
の比較結果が示されている。同図は縦軸に可視コロナ発
生電圧及びフラッシュオーバー電圧をとり、横軸に可視
コロナ、フラッシュオーバーをとって、可視コロナ発生
電圧及びフラッシュオーバー電圧特性を示したものであ
る。同図から明らかなように本実施例の特性は直線Aで
示されるように、従来例の特性直線Bに比べ可視コロナ
発生電圧及びフラッシュオーバー電圧とも約30%高
く、優れている。これは本実施例のコイルが緩衝層を設
けてあるので、電界緩和層がしわの発生がなく、その機
能を十分に発揮することができたためである。
【0033】このように本実施例によれば回転電機の大
容量化、機器のコンパクト化に伴い、高電圧、高電界仕
様となる固定子コイルのコイルエンド部の沿面コロナ放
電を防止する電界緩和層を形成する時、コイル絶縁層の
加熱加圧成形と同時に電界緩和層のしわの発生を防止す
ることにより、電界緩和テープのラップ面の接触状態が
緻密となり、非直線性抵抗特性が安定した理想的な値と
なり、沿面コロナ放電がなく、コイル絶縁性能に優れ、
信頼性の向上した回転電機の固定子コイルを得ることが
できる。
【0034】〔実施例 2〕図3および図4には電界緩
和層に適用する電界緩和テープの他の実施例が示されて
いる。電界緩和テープ11は、炭化珪素粒子を含有する
レジン11aを熱収縮織物11bに熱収縮性を保つよう
にまだらに塗布したものである。
【0035】この電界緩和テープ11を巻回して電界緩
和層を形成し、加熱加圧成形すると、電界緩和テープ1
1は収縮することから電界緩和テープ8(図2参照)に
ついて述べたように、電界緩和層も寸法変化することに
より、しわの発生を防止することができる。熱収縮織物
11bに熱収縮性を保つように炭化珪素粒子を含有する
レジン11aをまだらに塗布する一例を図4に示してあ
る。熱収縮織物11bに炭化珪素粒子を含有するレジン
11aを所定の範囲で約70%以上、所定の範囲で約3
0%以下という具合に、密の部分と疎の部分ができるよ
うに塗布することにより、加熱加圧成形時に疎の部分で
熱収縮を行うことができる。
【0036】この場合も電界緩和テープ11を巻回し電
界緩和層とする場合、緩衝層は前述の場合と同様に、電
界緩和層のコイル絶縁層への食い込み防止や、コイル絶
縁層内の余剰レジンを吸収し、電界緩和層への流出を防
止する効果があり、設置した方が効果的であることは云
うまでもない。
【0037】この場合も前述の場合と同様な作用効果を
奏することができる。
【0038】
【発明の効果】上述のように本発明は、電界緩和層とコ
イル絶縁層との間に、その一方側端部が低抵抗コロナシ
ールド層の端部に当接した緩衝層を設けたので、コイル
絶縁層の加熱加圧成形時の寸法変化を緩衝層が吸収する
ようになって、電界緩和層のだぶつきがなくなり、電界
緩和層のしわによる沿面コロナ放電の発生を防止し、信
頼性の向上を可能とした回転電機の固定子コイルを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転電機の固定子コイルの一実施例の
コイル要部の縦断側面図である。
【図2】同じく一実施例の電界緩和テープの断面図であ
る。
【図3】本発明の回転電機の固定子コイルの他の実施例
の電界緩和テープの断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】本発明の回転電機の固定子コイルの一実施例に
よるコイルと従来例のコイルとの可視コロナ発生電圧お
よびフラッシュオーバー電圧特性図である。
【図6】従来の回転電機の固定子コイルのコイル要部の
縦断側面図である。
【符号の説明】
1a…固定子コイル、2…コイル絶縁層、3…低抵抗コ
ロナシールド層、4…導体、5…電界緩和層、7…緩衝
層、8…電界緩和テープ、11…電界緩和テープ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−114355(JP,U) 実開 昭62−132650(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 3/30 - 3/52

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に巻回され、かつプリプレグ絶縁
    材で構成されたコイル絶縁層と、このコイル絶縁層のス
    ロットに挿入される部分の表面に形成された低抵抗コロ
    ナシールド層と、この低抵抗コロナシールド層から前記
    スロットの外部に突出するコイルエンド部の所定範囲に
    わたって形成され、かつ前記低抵抗コロナシールド層の
    端部側とコイル絶縁層とを覆つて設けられた電界緩和層
    とを備え、これらコイル絶縁層、低抵抗コロナシールド
    層、電界緩和層が一緒に加熱加圧成形してなる回転電機
    の固定子コイルにおいて、前記電界緩和層と前記コイル
    絶縁層との問に、その一方側端部が前記低抵抗コロナシ
    ールド層の端部に当接した緩衝層が設けられ、前記緩衝
    層が、前記コイル絶縁層の基材と同一の基材のドライ集
    成マイカ、ノンレジンフィルム、ノンレジン不織布、ノ
    ンレジン織物のいずれか一つで形成され、かつ前記コイ
    ル絶縁層、低抵抗コロナシールド層、電界緩和層と一緒
    に加熱加圧成形され、前記電界緩和層が、炭化珪素粒子
    を含有するレジンを補強布に塗布した電界緩和材と、多
    孔質状の織物の収縮性を保つように炭化珪素粒子を含有
    するしジンを所定量合浸した電界緩和材とで形成され、
    かつ、所定の非直線性抵抗特性を有する電界緩和テープ
    で巻回形成されたことを特徴とする回転電機の固定子コ
    イル。
  2. 【請求項2】 導体上に巻回され、かつリプレグ絶縁
    材で構成されたコイル絶縁層と、このコイル絶縁層のス
    ロットに挿入される部分の表面に形成された低抵抗コロ
    ナシールド層と、この低抵抗コロナシールド層から前記
    スロットの外部に突出するコイルエンド部の所定範囲に
    わたって形成され、かつ前記低抵抗コロナシールド層の
    端部側とコイル絶縁層とを覆つて設けられた電界緩和層
    とを備え、これらコイル絶縁層、低抵抗コロナシールド
    層、電界緩和層が一緒に加熱加圧成形してなる回転電機
    の固定子コイルにおいて、前記電界緩和層と前記コイル
    絶縁層との問に、その一方側端部が前記低抵抗コロナシ
    ールド層の端部に当接した緩衝層が設けられ、前記緩衝
    層が、前記コイル絶縁層の基材と同一の基材のドライ集
    成マイカ、ノンレジンフィルム、ノンレジン不織布、ノ
    ンレジン織物のいずれか一つで形成され、かつ前記コイ
    ル絶縁層、低抵抗コロナシールド層、電界緩和層と一緒
    に加熱加圧成形され、前記電界緩和層が、炭化珪素粒子
    を含有する レジンを熱収縮 織物に熱収縮性を保持する
    ようにまだらに塗布してなる所定の非直線性抵抗特性を
    有する電界緩和テープで巻回形成されたことを特徴とす
    回転電機の固定子コイル。
  3. 【請求項3】 導体上に巻回され、かつリプレグ絶縁
    材で構成されたコイル絶縁層と、このコイル絶縁層のス
    ロットに挿入される部分の表面に形成された低抵抗コロ
    ナシールド層と、この低抵抗コロナシールド層から前記
    スロットの外部に突出するコイルエンド部の所定範囲に
    わたって形成され、かつ前記低抵抗コロナシールド層の
    端部側とコイル絶縁層とを覆つて設けられた電界緩和層
    とを備え、これらコイル絶縁層、低抵抗コロナシールド
    層、電界緩和層が一緒に加熱加圧成形してなる回転電機
    の固定子コイルにおいて、前記電界緩和層と前記コイル
    絶縁層との問に、その一方側端部が前記低抵抗コロナシ
    ールド層の端部に当接した緩衝層が設けられ、前記電界
    緩和層が、炭化珪素粒子を含有するレジンを補強布に塗
    布した電界緩和材と、多孔質状の織物の収縮性を保つよ
    うに炭化珪素粒子を含有するレジンを所定量合浸した電
    界緩和材とで形成され、かつ所定の非直線性抵抗特性を
    有する電界緩和テープで巻回形成されたことを特徴とす
    る回転電機の固定子コイル。
  4. 【請求項4】 導体上に巻回され、かつリプレグ絶縁
    材で構成されたコイル絶縁層と、このコイル絶縁層のス
    ロットに挿入される部分の表面に形成された低抵抗コロ
    ナシールド層と、この低抵抗コロナシールド層から前記
    スロットの外部に突出するコイルエンド部の所定範囲に
    わたって形成され、かつ前記低抵抗コロナシールド層の
    端部側とコイル絶縁層とを覆つて設けられた電界緩和層
    とを備え、これらコイル絶縁層、低抵抗コロナシールド
    層、電界緩和層が一緒に加熱加圧成形してなる回転電機
    の固定子コイルにおいて、前記電界緩和層と前記コイル
    絶縁層との問に、その一方側端部が前記低抵抗コロナシ
    ールド層の端部に当接した緩衝層が設けられ、前記電界
    緩和層が、炭化珪素粒子を含有するレジンを熱収縮織物
    に熱収縮性を保持するようにまだらに塗布してなる所定
    の非直線性抵抗特性を有する電界緩和テープで巻回形成
    されたことを特徴とする回転電機の固定子コイル。
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