JP2002223550A - 回転電機の固定子絶縁コイルの製造方法 - Google Patents
回転電機の固定子絶縁コイルの製造方法Info
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- JP2002223550A JP2002223550A JP2001015696A JP2001015696A JP2002223550A JP 2002223550 A JP2002223550 A JP 2002223550A JP 2001015696 A JP2001015696 A JP 2001015696A JP 2001015696 A JP2001015696 A JP 2001015696A JP 2002223550 A JP2002223550 A JP 2002223550A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】回転電機の運転時にコイル導体で発生する熱に
より、絶縁コイル表面に施されている低抵抗のコロナ防
止層が熱劣化を受けても、熱伸びや電磁振動等の作用に
よって絶縁コイル表面と固定子鉄心スロットとの間に剥
離や亀裂等の欠陥が発生することがなく、耐熱性および
耐コロナ性に優れていること。 【解決手段】絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成
形した素線導体1上に、未含浸のマイカシートまたはマ
イカテープ5を複数回巻回して絶縁層5を形成して成る
絶縁コイル2を固定子鉄心3に収納結線した後、当該固
定子鉄心3ごと熱硬化性樹脂中に浸漬して真空・加圧含
浸処理し、その後加熱硬化させるようにした回転電機の
固定子絶縁コイルの製造方法において、絶縁コイル2の
絶縁層5表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無機
炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を巻回し
てコロナ防止層6,7を形成する。
より、絶縁コイル表面に施されている低抵抗のコロナ防
止層が熱劣化を受けても、熱伸びや電磁振動等の作用に
よって絶縁コイル表面と固定子鉄心スロットとの間に剥
離や亀裂等の欠陥が発生することがなく、耐熱性および
耐コロナ性に優れていること。 【解決手段】絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成
形した素線導体1上に、未含浸のマイカシートまたはマ
イカテープ5を複数回巻回して絶縁層5を形成して成る
絶縁コイル2を固定子鉄心3に収納結線した後、当該固
定子鉄心3ごと熱硬化性樹脂中に浸漬して真空・加圧含
浸処理し、その後加熱硬化させるようにした回転電機の
固定子絶縁コイルの製造方法において、絶縁コイル2の
絶縁層5表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無機
炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を巻回し
てコロナ防止層6,7を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電動機や発
電機等の回転電機に使用する絶縁コイルの製造方法に係
り、特に真空・加圧含浸によって絶縁処理される絶縁コ
イルのコロナ防止処理法を採用した回転電機の固定子絶
縁コイルの製造方法に関するものである。
電機等の回転電機に使用する絶縁コイルの製造方法に係
り、特に真空・加圧含浸によって絶縁処理される絶縁コ
イルのコロナ防止処理法を採用した回転電機の固定子絶
縁コイルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の回転電機の固定子絶
縁コイルの製造方法の1つとしては、例えば絶縁被覆が
施された素線を複数本束ねて成形した素線導体上に、マ
イカシートまたはマイカテープを複数回巻回して絶縁層
を形成して絶縁コイルを形成した後、全体を真空乾燥し
て絶縁コイルを固定子鉄心に収納結線し、固定子鉄心ご
と絶縁組織の空隙部に、エポキシ等の無溶剤含浸熱硬化
性樹脂を真空・加圧含浸し、その後加熱硬化させるよう
にした全含浸方式がある。
縁コイルの製造方法の1つとしては、例えば絶縁被覆が
施された素線を複数本束ねて成形した素線導体上に、マ
イカシートまたはマイカテープを複数回巻回して絶縁層
を形成して絶縁コイルを形成した後、全体を真空乾燥し
て絶縁コイルを固定子鉄心に収納結線し、固定子鉄心ご
と絶縁組織の空隙部に、エポキシ等の無溶剤含浸熱硬化
性樹脂を真空・加圧含浸し、その後加熱硬化させるよう
にした全含浸方式がある。
【0003】この場合、絶縁コイルには、絶縁コイルと
固定子鉄心スロットとの間での部分放電の発生を防止す
るために、収納される固定子鉄心スロット長とほぼ同じ
範囲の絶縁層表面の外周部に、炭素粉末等の導電性充填
材を配合した樹脂をガラス繊維や高分子繊維に含浸して
硬化させたテープまたはシート、および上記樹脂を高分
子フィルムの片面あるいは両面に塗布して硬化させたテ
ープまたはシートを巻回して、低抵抗のコロナ防止層を
施している。
固定子鉄心スロットとの間での部分放電の発生を防止す
るために、収納される固定子鉄心スロット長とほぼ同じ
範囲の絶縁層表面の外周部に、炭素粉末等の導電性充填
材を配合した樹脂をガラス繊維や高分子繊維に含浸して
硬化させたテープまたはシート、および上記樹脂を高分
子フィルムの片面あるいは両面に塗布して硬化させたテ
ープまたはシートを巻回して、低抵抗のコロナ防止層を
施している。
【0004】さらに、固定子鉄心外の低抵抗コロナ防止
層の端部とエンド部の絶縁層との界面での部分放電の発
生を防止するために、低抵抗のコロナ防止層とラップさ
せてエンド部の絶縁層の外周部に、高抵抗のコロナ防止
層を設けて、表面電位傾度を減少させるようにしてい
る。
層の端部とエンド部の絶縁層との界面での部分放電の発
生を防止するために、低抵抗のコロナ防止層とラップさ
せてエンド部の絶縁層の外周部に、高抵抗のコロナ防止
層を設けて、表面電位傾度を減少させるようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、回転電
機の小型化、大容量化に伴なって、固定子絶縁コイルの
コイル導体の電流密度が増加する傾向にあり、これに伴
ないコイル導体の発熱量も増加している。
機の小型化、大容量化に伴なって、固定子絶縁コイルの
コイル導体の電流密度が増加する傾向にあり、これに伴
ないコイル導体の発熱量も増加している。
【0006】このため、回転電機の運転時には、コイル
導体で発生する熱によって、絶縁コイル表面に施されて
いる低抵抗のコロナ防止層が有機物質から構成されてい
るために熱劣化を受け、熱伸びや電磁振動等の作用によ
って、絶縁コイル表面と固定子鉄心スロットとの間に剥
離や亀裂等の欠陥が発生する恐れがある。
導体で発生する熱によって、絶縁コイル表面に施されて
いる低抵抗のコロナ防止層が有機物質から構成されてい
るために熱劣化を受け、熱伸びや電磁振動等の作用によ
って、絶縁コイル表面と固定子鉄心スロットとの間に剥
離や亀裂等の欠陥が発生する恐れがある。
【0007】そして、この欠陥部からは、固定子鉄心と
電気的に接続されず同電位にならないために部分放電が
起こり、当該部分放電の熱によって、大半が有機物質か
ら構成された低抵抗のコロナ防止層は徐々に消失し、さ
らに長期運転中の電磁振動等によって、当該欠陥部は拡
大され、最終的にコイル絶縁層が損傷を受けることで絶
縁特性の低下を招く恐れがある。
電気的に接続されず同電位にならないために部分放電が
起こり、当該部分放電の熱によって、大半が有機物質か
ら構成された低抵抗のコロナ防止層は徐々に消失し、さ
らに長期運転中の電磁振動等によって、当該欠陥部は拡
大され、最終的にコイル絶縁層が損傷を受けることで絶
縁特性の低下を招く恐れがある。
【0008】本発明の目的は、回転電機の運転時にコイ
ル導体で発生する熱により、絶縁コイル表面に施されて
いる低抵抗のコロナ防止層が熱劣化を受けても、熱伸び
や電磁振動等の作用によって絶縁コイル表面と固定子鉄
心スロットとの間に剥離や亀裂等の欠陥が発生すること
がない、耐熱性および耐コロナ性に優れた回転電機の固
定子絶縁コイルの製造方法を提供することにある。
ル導体で発生する熱により、絶縁コイル表面に施されて
いる低抵抗のコロナ防止層が熱劣化を受けても、熱伸び
や電磁振動等の作用によって絶縁コイル表面と固定子鉄
心スロットとの間に剥離や亀裂等の欠陥が発生すること
がない、耐熱性および耐コロナ性に優れた回転電機の固
定子絶縁コイルの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成形した
素線導体上に、未含浸のマイカシートまたはマイカテー
プを複数回巻回して絶縁層を形成して成る絶縁コイルを
固定子鉄心に収納結線した後、当該固定子鉄心ごと熱硬
化性樹脂中に浸漬して真空・加圧含浸処理し、その後加
熱硬化させるようにした回転電機の固定子絶縁コイルの
製造方法において、請求項1に対応する発明では、絶縁
コイルの絶縁層表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性
の無機炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を
巻回してコロナ防止層を形成している。
めに、絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成形した
素線導体上に、未含浸のマイカシートまたはマイカテー
プを複数回巻回して絶縁層を形成して成る絶縁コイルを
固定子鉄心に収納結線した後、当該固定子鉄心ごと熱硬
化性樹脂中に浸漬して真空・加圧含浸処理し、その後加
熱硬化させるようにした回転電機の固定子絶縁コイルの
製造方法において、請求項1に対応する発明では、絶縁
コイルの絶縁層表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性
の無機炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を
巻回してコロナ防止層を形成している。
【0010】従って、請求項1に対応する発明の回転電
機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁コイ
ルの絶縁層表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無
機炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を巻回
してコロナ防止層を形成することにより、回転電機の運
転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊維中に含
浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失しても無
機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導電性であ
るため固定子鉄心と電気的に同電位に接続されるので、
部分放電の発生が起こらない。これにより、耐熱性およ
び耐コロナ性を向上することができる。
機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁コイ
ルの絶縁層表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無
機炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を巻回
してコロナ防止層を形成することにより、回転電機の運
転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊維中に含
浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失しても無
機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導電性であ
るため固定子鉄心と電気的に同電位に接続されるので、
部分放電の発生が起こらない。これにより、耐熱性およ
び耐コロナ性を向上することができる。
【0011】また、請求項2に対応する発明では、絶縁
コイルの絶縁層表面の外周部に、半硬化状に樹脂処理さ
れた導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維から成るシー
トまたはテープ状の部材を巻回してコロナ防止層を形成
している。
コイルの絶縁層表面の外周部に、半硬化状に樹脂処理さ
れた導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維から成るシー
トまたはテープ状の部材を巻回してコロナ防止層を形成
している。
【0012】従って、請求項2に対応する発明の回転電
機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁コイ
ルの絶縁層表面の外周部に、半硬化状に樹脂処理された
導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維から成るシートま
たはテープ状の部材を巻回してコロナ防止層を形成する
ことにより、前記請求項1に対応する発明と同様の作用
を奏するのに加えて、あらかじめ樹脂が含浸されて半硬
化状になっていることにより、絶縁コイルの未含浸絶縁
層へ含浸樹脂を含浸して硬化する際に、絶縁層からの樹
脂流出を防止することができ、絶縁層表面への巻回時に
糸のホツレがないため、作業性を良好とすることができ
る。
機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁コイ
ルの絶縁層表面の外周部に、半硬化状に樹脂処理された
導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維から成るシートま
たはテープ状の部材を巻回してコロナ防止層を形成する
ことにより、前記請求項1に対応する発明と同様の作用
を奏するのに加えて、あらかじめ樹脂が含浸されて半硬
化状になっていることにより、絶縁コイルの未含浸絶縁
層へ含浸樹脂を含浸して硬化する際に、絶縁層からの樹
脂流出を防止することができ、絶縁層表面への巻回時に
糸のホツレがないため、作業性を良好とすることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【0014】(第1の実施の形態)図1は本実施の形態
による固定子絶縁コイルを回転電機の固定子鉄心に組込
んだ固定子鉄心内部構成例を示す一部拡大断面図、図2
は同実施の形態による回転電機の固定子鉄心に組込まれ
る絶縁コイルの構成例を示す外形図である。
による固定子絶縁コイルを回転電機の固定子鉄心に組込
んだ固定子鉄心内部構成例を示す一部拡大断面図、図2
は同実施の形態による回転電機の固定子鉄心に組込まれ
る絶縁コイルの構成例を示す外形図である。
【0015】本実施の形態では、回転電機の固定子絶縁
コイルを、次のようにして製造する。
コイルを、次のようにして製造する。
【0016】すなわち、回転電機の固定子絶縁コイル2
は、絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成形した素
線導体1上に、集成マイカとガラス織布および高分子フ
ィルムから成る未含浸のマイカシートまたはマイカテー
プを複数回巻回して絶縁層5を形成して絶縁コイル2を
形成した後、全体を真空乾燥して絶縁コイル2を固定子
鉄心3に収納結線し、固定子鉄心3ごと絶縁組織の空隙
部に、エポキシ等の無溶剤含浸熱硬化性樹脂を真空・加
圧含浸し、その後加熱硬化させるようにする。
は、絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成形した素
線導体1上に、集成マイカとガラス織布および高分子フ
ィルムから成る未含浸のマイカシートまたはマイカテー
プを複数回巻回して絶縁層5を形成して絶縁コイル2を
形成した後、全体を真空乾燥して絶縁コイル2を固定子
鉄心3に収納結線し、固定子鉄心3ごと絶縁組織の空隙
部に、エポキシ等の無溶剤含浸熱硬化性樹脂を真空・加
圧含浸し、その後加熱硬化させるようにする。
【0017】この場合、本実施の形態では、絶縁コイル
2には、絶縁コイル2と固定子鉄心スロット4との間で
の部分放電の発生を防止するために、組込まれる固定子
鉄心スロット4長とほぼ同じ範囲の絶縁層5表面の外周
部に、導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維(例えば、
東レ製のトレカ織物C06151B)から成るテープ状
の部材(シート状の部材)を1/2重ねで1回巻きし
て、低抵抗コロナ防止層6を形成している。
2には、絶縁コイル2と固定子鉄心スロット4との間で
の部分放電の発生を防止するために、組込まれる固定子
鉄心スロット4長とほぼ同じ範囲の絶縁層5表面の外周
部に、導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維(例えば、
東レ製のトレカ織物C06151B)から成るテープ状
の部材(シート状の部材)を1/2重ねで1回巻きし
て、低抵抗コロナ防止層6を形成している。
【0018】さらに、固定子鉄心3外の低抵抗コロナ防
止層6の端部とエンド部の絶縁層との界面での部分放電
の発生を防止するために、低抵抗コロナ防止層6とラッ
プさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コロナ
防止層7を形成して、表面電位傾度を減少させるように
している。
止層6の端部とエンド部の絶縁層との界面での部分放電
の発生を防止するために、低抵抗コロナ防止層6とラッ
プさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コロナ
防止層7を形成して、表面電位傾度を減少させるように
している。
【0019】次に、以上のような本実施の形態による回
転電機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁
コイル2の絶縁層5表面の外周部に、導電性でかつ高耐
熱性の無機炭素繊維から成るテープ状の部材を巻回して
低抵抗コロナ防止層6を形成し、さらに低抵抗コロナ防
止層6とラップさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、
高抵抗コロナ防止層7を形成していることにより、回転
電機の運転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊
維中に含浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失
しても無機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導
電性であるため固定子鉄心3と電気的に同電位に接続さ
れるので、部分放電の発生が起こらない。
転電機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁
コイル2の絶縁層5表面の外周部に、導電性でかつ高耐
熱性の無機炭素繊維から成るテープ状の部材を巻回して
低抵抗コロナ防止層6を形成し、さらに低抵抗コロナ防
止層6とラップさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、
高抵抗コロナ防止層7を形成していることにより、回転
電機の運転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊
維中に含浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失
しても無機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導
電性であるため固定子鉄心3と電気的に同電位に接続さ
れるので、部分放電の発生が起こらない。
【0020】これにより、耐熱性および耐コロナ性を向
上することができる。
上することができる。
【0021】上述したように、本実施の形態による回転
電機の固定子絶縁コイルの製造方法では、絶縁コイル2
の絶縁層5表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無
機炭素繊維から成るテープ状の部材を巻回して低抵抗コ
ロナ防止層6を形成し、さらに低抵抗コロナ防止層6と
ラップさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コ
ロナ防止層7を形成するようにしているので、回転電機
の運転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊維中
に含浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失して
も無機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導電性
であるため固定子鉄心3と電気的に同電位に接続される
ので部分放電の発生が起こらない。これにより、耐熱性
および耐コロナ性を向上することが可能となる。
電機の固定子絶縁コイルの製造方法では、絶縁コイル2
の絶縁層5表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無
機炭素繊維から成るテープ状の部材を巻回して低抵抗コ
ロナ防止層6を形成し、さらに低抵抗コロナ防止層6と
ラップさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コ
ロナ防止層7を形成するようにしているので、回転電機
の運転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊維中
に含浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失して
も無機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導電性
であるため固定子鉄心3と電気的に同電位に接続される
ので部分放電の発生が起こらない。これにより、耐熱性
および耐コロナ性を向上することが可能となる。
【0022】(第2の実施の形態)本実施の形態では、
回転電機の固定子絶縁コイルを、次のようにして製造す
る。
回転電機の固定子絶縁コイルを、次のようにして製造す
る。
【0023】すなわち、回転電機の固定子絶縁コイル2
は、絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成形した素
線導体1上に、集成マイカとガラス織布および高分子フ
ィルムから成る未含浸のマイカシートまたはマイカテー
プを複数回巻回して絶縁層5を形成して絶縁コイル2を
形成した後、全体を真空乾燥して絶縁コイル2を固定子
鉄心3に収納結線し、固定子鉄心3ごと絶縁組織の空隙
部に、エポキシ等の無溶剤含浸熱硬化性樹脂を真空・加
圧含浸し、その後加熱硬化させるようにする。
は、絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて成形した素
線導体1上に、集成マイカとガラス織布および高分子フ
ィルムから成る未含浸のマイカシートまたはマイカテー
プを複数回巻回して絶縁層5を形成して絶縁コイル2を
形成した後、全体を真空乾燥して絶縁コイル2を固定子
鉄心3に収納結線し、固定子鉄心3ごと絶縁組織の空隙
部に、エポキシ等の無溶剤含浸熱硬化性樹脂を真空・加
圧含浸し、その後加熱硬化させるようにする。
【0024】この場合、本実施の形態では、絶縁コイル
2には、絶縁コイル2と固定子鉄心スロット4との間で
の部分放電の発生を防止するために、組込まれる固定子
鉄心スロット4長とほぼ同じ範囲の絶縁層5表面の外周
部に、半硬化状に樹脂処理された導電性でかつ高耐熱性
の無機炭素繊維(例えば、東レ製のトレカ織物F615
1B−05)から成るテープ状の部材(シート状の部
材)を1/2重ねで1回巻きして、低抵抗コロナ防止層
6を形成している。
2には、絶縁コイル2と固定子鉄心スロット4との間で
の部分放電の発生を防止するために、組込まれる固定子
鉄心スロット4長とほぼ同じ範囲の絶縁層5表面の外周
部に、半硬化状に樹脂処理された導電性でかつ高耐熱性
の無機炭素繊維(例えば、東レ製のトレカ織物F615
1B−05)から成るテープ状の部材(シート状の部
材)を1/2重ねで1回巻きして、低抵抗コロナ防止層
6を形成している。
【0025】さらに、固定子鉄心3外の低抵抗コロナ防
止層6の端部とエンド部の絶縁層との界面での部分放電
の発生を防止するために、低抵抗コロナ防止層6とラッ
プさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コロナ
防止層7を形成して、表面電位傾度を減少させるように
している。
止層6の端部とエンド部の絶縁層との界面での部分放電
の発生を防止するために、低抵抗コロナ防止層6とラッ
プさせてエンド部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コロナ
防止層7を形成して、表面電位傾度を減少させるように
している。
【0026】次に、以上のような本実施の形態による回
転電機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁
コイル2の絶縁層5表面の外周部に、半硬化状に樹脂処
理された導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維から成る
テープ状の部材を巻回して低抵抗コロナ防止層6を形成
し、さらに低抵抗コロナ防止層6とラップさせてエンド
部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コロナ防止層7を形成
していることにより、前記第1の実施の形態と同様の作
用効果を得ることができる。
転電機の固定子絶縁コイルの製造方法においては、絶縁
コイル2の絶縁層5表面の外周部に、半硬化状に樹脂処
理された導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維から成る
テープ状の部材を巻回して低抵抗コロナ防止層6を形成
し、さらに低抵抗コロナ防止層6とラップさせてエンド
部の絶縁層5の外周部に、高抵抗コロナ防止層7を形成
していることにより、前記第1の実施の形態と同様の作
用効果を得ることができる。
【0027】さらに、あらかじめ樹脂が含浸されて半硬
化状になっていることにより、絶縁コイル2の未含浸絶
縁層5へ含浸樹脂を含浸して硬化する際に、絶縁層5か
らの樹脂流出を防止することができ、絶縁層5表面への
巻回時に糸のホツレがないため、作業性を良好とするこ
とができる。
化状になっていることにより、絶縁コイル2の未含浸絶
縁層5へ含浸樹脂を含浸して硬化する際に、絶縁層5か
らの樹脂流出を防止することができ、絶縁層5表面への
巻回時に糸のホツレがないため、作業性を良好とするこ
とができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回転電機
の固定子絶縁コイルの製造方法によれば、絶縁コイルの
絶縁層表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無機炭
素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を巻回して
コロナ防止層を形成するようにしているので、回転電機
の運転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊維中
に含浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失して
も無機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導電性
であるため固定子鉄心と電気的に同電位に接続されるの
で部分放電の発生が起こらない。これにより、耐熱性お
よび耐コロナ性を向上することが可能となる。
の固定子絶縁コイルの製造方法によれば、絶縁コイルの
絶縁層表面の外周部に、導電性でかつ高耐熱性の無機炭
素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を巻回して
コロナ防止層を形成するようにしているので、回転電機
の運転中に熱劣化を受けることがなく、無機炭素繊維中
に含浸した含浸樹脂が熱劣化を受けて部分的に消失して
も無機炭素繊維への損傷はなく、無機炭素繊維が導電性
であるため固定子鉄心と電気的に同電位に接続されるの
で部分放電の発生が起こらない。これにより、耐熱性お
よび耐コロナ性を向上することが可能となる。
【0029】また、本発明の回転電機の固定子絶縁コイ
ルの製造方法によれば、絶縁コイルの絶縁層表面の外周
部に、半硬化状に樹脂処理された導電性でかつ高耐熱性
の無機炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を
巻回してコロナ防止層を形成するようにしているので、
あらかじめ樹脂が含浸されて半硬化状になっているた
め、絶縁コイルの未含浸絶縁層へ含浸樹脂を含浸して硬
化する際に、絶縁層からの樹脂流出を防止することがで
き、絶縁層表面への巻回時に糸のホツレがないため、作
業性を良好とすることが可能となる。
ルの製造方法によれば、絶縁コイルの絶縁層表面の外周
部に、半硬化状に樹脂処理された導電性でかつ高耐熱性
の無機炭素繊維から成るシートまたはテープ状の部材を
巻回してコロナ防止層を形成するようにしているので、
あらかじめ樹脂が含浸されて半硬化状になっているた
め、絶縁コイルの未含浸絶縁層へ含浸樹脂を含浸して硬
化する際に、絶縁層からの樹脂流出を防止することがで
き、絶縁層表面への巻回時に糸のホツレがないため、作
業性を良好とすることが可能となる。
【図1】本発明の第1および第2の各実施の形態による
固定子絶縁コイルを回転電機の固定子鉄心に組込んだ固
定子鉄心内部構成例を示す一部拡大断面図。
固定子絶縁コイルを回転電機の固定子鉄心に組込んだ固
定子鉄心内部構成例を示す一部拡大断面図。
【図2】本発明の第1および第2の各実施の形態による
回転電機の固定子鉄心に組込まれる絶縁コイルの構成例
を示す外形図。
回転電機の固定子鉄心に組込まれる絶縁コイルの構成例
を示す外形図。
1…素線導体 2…絶縁コイル 3…固定子鉄心 4…固定子鉄心スロット 5…絶縁層 6…低抵抗コロナ防止層 7…高抵抗コロナ防止層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 15/04 H02K 15/04 A 15/085 15/085 (72)発明者 平井 久之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 東芝アイテック株式会社内 (72)発明者 岩田 憲之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 幡野 浩 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 土屋 寛芳 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 柄沢 一成 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 ティーエムエイエレクトリック株式会社 内 Fターム(参考) 5H604 AA02 AA08 BB01 BB03 CC01 CC05 CC13 DA05 DB02 DB11 DB25 DB26 PB01 PB03 5H615 AA01 BB01 BB02 PP01 PP08 PP13 PP14 QQ03 QQ06 QQ12 QQ19 RR02 RR07 RR09 SS24 SS41 TT31
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて
成形した素線導体上に、未含浸のマイカシートまたはマ
イカテープを複数回巻回して絶縁層を形成して成る絶縁
コイルを固定子鉄心に収納結線した後、当該固定子鉄心
ごと熱硬化性樹脂中に浸漬して真空・加圧含浸処理し、
その後加熱硬化させるようにした回転電機の固定子絶縁
コイルの製造方法において、 前記絶縁コイルの絶縁層表面の外周部に、導電性でかつ
高耐熱性の無機炭素繊維から成るシートまたはテープ状
の部材を巻回してコロナ防止層を形成したことを特徴と
する回転電機の固定子絶縁コイルの製造方法。 - 【請求項2】 絶縁被覆が施された素線を複数本束ねて
成形した素線導体上に、未含浸のマイカシートまたはマ
イカテープを複数回巻回して絶縁層を形成して成る絶縁
コイルを固定子鉄心に収納結線した後、当該固定子鉄心
ごと熱硬化性樹脂中に浸漬して真空・加圧含浸処理し、
その後加熱硬化させるようにした回転電機の固定子絶縁
コイルの製造方法において、 前記絶縁コイルの絶縁層表面の外周部に、半硬化状に樹
脂処理された導電性でかつ高耐熱性の無機炭素繊維から
成るシートまたはテープ状の部材を巻回してコロナ防止
層を形成したことを特徴とする回転電機の固定子絶縁コ
イルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001015696A JP2002223550A (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | 回転電機の固定子絶縁コイルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001015696A JP2002223550A (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | 回転電機の固定子絶縁コイルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002223550A true JP2002223550A (ja) | 2002-08-09 |
Family
ID=18882199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001015696A Pending JP2002223550A (ja) | 2001-01-24 | 2001-01-24 | 回転電機の固定子絶縁コイルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002223550A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT412694B (de) * | 2002-08-13 | 2005-05-25 | Va Tech Hydro Gmbh & Co | Verfahren zum beheben von defekten an elektrisch leitfähigen beschichtungen zur potentialsteuerung |
WO2021145097A1 (ja) * | 2020-01-17 | 2021-07-22 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | プリプレグマイカテープ、回転電機及び回転電機の製造方法 |
CN113364165A (zh) * | 2021-07-12 | 2021-09-07 | 安徽德科电气科技有限公司 | 一种适用于5km海拔高压发电机防电晕绝缘结构 |
JP7498098B2 (ja) | 2020-01-17 | 2024-06-11 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | プリプレグマイカテープ、回転電機及び回転電機の製造方法 |
-
2001
- 2001-01-24 JP JP2001015696A patent/JP2002223550A/ja active Pending
Cited By (4)
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AT412694B (de) * | 2002-08-13 | 2005-05-25 | Va Tech Hydro Gmbh & Co | Verfahren zum beheben von defekten an elektrisch leitfähigen beschichtungen zur potentialsteuerung |
WO2021145097A1 (ja) * | 2020-01-17 | 2021-07-22 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | プリプレグマイカテープ、回転電機及び回転電機の製造方法 |
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