JP2000148207A - 位置制御装置 - Google Patents

位置制御装置

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JP2000148207A JP10323103A JP32310398A JP2000148207A JP 2000148207 A JP2000148207 A JP 2000148207A JP 10323103 A JP10323103 A JP 10323103A JP 32310398 A JP32310398 A JP 32310398A JP 2000148207 A JP2000148207 A JP 2000148207A
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健一 牧野
Hidehiko Mori
英彦 森
Yoshiyuki Tomita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置制御装置において機構に働く外乱トルク
を推定し補償することで、機構の速度変動及び位置変動
を抑制できるようにする。 【解決手段】 位置検出器6からの検出値のフィードバ
ックループに離散系カルマンフィルタ12と外乱推定器
13とを付加する。離散系カルマンフィルタは、前記検
出値から負荷5の位置及び速度を推定して位置推定値及
び速度推定値を出力する。外乱推定器は、トルク指令値
と速度推定値とから負荷に加わる外乱を推定する。位置
推定値を位置制御器1にフィードバックすると共に、速
度推定値を速度制御器2にフィードバックし、更に前記
速度制御器からのトルク目標値と前記推定された外乱と
の偏差を前記トルク指令値として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物を移動及び
位置決めする装置の速度制御及び位置制御に適した位置
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な位置制御装置について、図3を
参照して説明する。この位置制御装置は、位置制御器
1、速度制御器2、モータドライバ3、制御対象である
負荷5を駆動するためのモータ4、パルスエンコーダの
ような位置検出器6、速度演算器7、減算器8及び9を
含んでいる。負荷5は、例えば被加工物をX−Y方向に
移動させるためのX−Yテーブルであり、この場合、モ
ータ4はサーボモータが適している。
【0003】作用について説明すると、制御対象の変位
が位置検出器6で計測される。速度演算器7は位置検出
値から速度検出値を演算する。減算器8は位置指令値か
ら位置検出値を減じ位置偏差を演算する。位置制御器1
は、位置偏差を増幅し速度指令値を算出する。減算器9
は速度指令値から速度検出値を減じ速度偏差を演算す
る。速度制御器2は、速度偏差を増幅しトルク指令値を
算出する。算出されたトルク指令値は、モータドライバ
3へ入力されモータ4を駆動する。
【0004】図4は、図3のブロック線図を示す。図4
中の記号GP (z)は位置制御器1の伝達関数であり、
v (z)は速度制御器2の伝達関数、Kt はモータ4
のトルク定数、(1/Js 2 )は制御対象の伝達関数、
(1−z-1)は速度演算器7の伝達関数である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】制御対象はモータトル
クτm と外乱トルクdの和によって駆動されるため、位
置決め時に誤差を生じる原因となる。このような外乱に
よる誤差を低減するには、位置制御器1及び速度制御器
2を調整する以外の手段がない。このため、目的とする
外乱抑制効果を得るため位置制御器1及び速度制御器2
のゲインを高くすると、制御対象の持つ機械的振動ある
いは位置制御器1及び速度制御器2の演算時間による位
相遅れにより制御システムが不安定になりやすい。
【0006】また、制御対象の位置検出値には観測ノイ
ズが含まれる。この観測ノイズ自体によって位置決め時
に誤差を生じる原因となる。更に、位置制御器1及び速
度制御器2のゲインを高くした場合のシステム不安定化
の原因になる。特に、ディジタル制御系ではサンプリン
グ周波数帯の量子化ノイズ、速度演算器7の発生する微
分ノイズが大きい。
【0007】そこで、本発明の課題は、位置制御装置に
おいて機構に働く外乱トルクを推定し補償することで、
機構の速度変動及び位置変動を抑制できるようにするこ
とにある。
【0008】本発明の他の課題は、位置検出時の観測ノ
イズを除去し、高い周波数領域での外乱抑制特性の劣化
を防止することにある。
【0009】本発明の更に他の課題は、特に、ディジタ
ル制御系におけるサンプリング周波数帯の観測ノイズ、
微分ノイズの影響を低減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータにより
駆動される被駆動体の位置を検出するための位置検出器
を備え、該位置検出器の検出値と該検出値から算出され
る速度値とをそれぞれ位置制御器と速度制御器にフィー
ドバックして、前記被駆動体の移動、位置決めを行うよ
うに、前記モータのフィードバック制御を行うフィード
バック制御系を備えた位置制御装置において、前記検出
値のフィードバックループに離散系カルマンフィルタと
外乱推定器とを付加し、前記離散系カルマンフィルタ
は、前記検出値から前記被駆動体の位置及び速度を推定
して位置推定値及び速度推定値を出力し、前記外乱推定
器は、トルク指令値と前記速度推定値とから前記被駆動
体に加わる外乱を推定し、前記位置推定値を前記位置制
御器にフィードバックすると共に、前記速度推定値を前
記速度制御器にフィードバックし、更に前記速度制御器
からのトルク目標値と前記推定された外乱との偏差を前
記トルク指令値として出力するようにしたことを特徴と
する。
【0011】なお、前記位置制御器は、位置指令値と前
記位置推定値との偏差を受けて速度指令値を出力し、前
記速度制御器は、前記速度指令値と前記速度推定値との
偏差を受けて前記トルク目標値を出力する。
【0012】
【発明の実施の形態】図1、図2を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図1において、図3と同じ部分
には同一番号を付して説明は省略する。本形態において
は、位置検出値のフィードバックラインに離散系カルマ
ンフィルタ12と外乱推定器13及び減算器14を設け
た点に特徴を有する。
【0013】カルマンフィルタ12は、位置検出値より
位置推定値xep及び速度推定値xevを算出する。減算器
8は、位置指令値から位置推定値を減じ位置偏差を演算
する。位置制御器1は、位置偏差を増幅し速度指令値を
算出する。減算器9は速度指令値から速度推定値を減じ
速度偏差を演算する。速度制御器2は、速度偏差を増幅
しトルク目標値を算出する。
【0014】外乱推定器13は、トルク指令値と速度推
定値xevより制御対象へ加わる外乱を推定する。減算器
14はトルク目標値から外乱推定値iedを減じトルク指
令値を算出する。算出されたトルク指令値τc はモータ
ドライバ3へ入力され、モータ4を駆動する。
【0015】図2は、図1のブロック線図を示す。図2
において、カルマンフィルタ12は、z-1で規定される
1サンプル遅れ要素15、16、Ts で規定されるサン
プル時間17、加算器18、19、K1 、K2 で規定さ
れるカルマンフィルタゲイン20、21で表される。
【0016】また、外乱推定器13は、[Kt 0 ( 1
−z-1) ]/(D0 −D1 -1)で規定されるモータト
ルクモデルフィルタ23、[Jn s 0 ( 1+z-1)
]/2(D0 −D1 -1)で規定される制御対象逆モ
デルフィルタ24、(1/Kt )で規定されるモータト
ルク逆モデル25、減算器26で表される。
【0017】制御対象に加わる外乱力と位置検出値に含
まれる観測ノイズは、互いに独立な正規分布に従う白色
ノイズであると考えられる。このような場合の制御対象
の状態量(位置及び速度)は、カルマンフィルタ12に
よって推定できる。カルマンフィルタ12は次の数1で
表される。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、xm (k)はサンプリングk番目
の検出位置、xep(k)はサンプリングk番目の推定位
置、xev(k)はサンプリングk番目の推定速度、Ts
はサンプリング時間である。カルマンフィルタ12は検
出位置と推定位置を比較し、その結果である推定誤差を
フィードバックすることで、制御対象の真の位置と推定
位置との誤差を小さくするように働く。カルマンフィル
タゲインK1 (20)及びカルマンフィルタゲインK2
(21)は、制御対象の真の位置と推定位置との誤差の
2乗平均値が最小になるように決定する。ディジタル制
御系における量子化ノイズ及び微分ノイズはサンプリン
グ周波数及びその高調波で生じるが、カルマンフィルタ
12はこれら観測ノイズを除去し制御対象の位置及び速
度を推定する。
【0020】次に、外乱推定器13は次のように機能す
る。カルマンフィルタ12によって推定された制御対象
速度推定値xevは、制御対象にモータトルクτm と外乱
トルクdが加わった場合の推定状態量である。この速度
推定値xevに制御対象逆モデル(24)を乗じると、制
御対象に加わる推定外力(τem+de )が算出される。
また、モータトルク指令値ic にモータトルクモデル
(23)を乗じるとモータトルク推定値τemが推定され
る。減算器26によって両者の差分をとり、外乱トルク
e を推定する。このとき、外乱力推定帯域を制限する
ため、制御対象逆モデル(24)及びモータトルクモデ
ル(23)には、ローパスフィルタ特性を持たせる。推
定外乱トルクde にモータトルク逆モデル(25)を乗
じて推定トルクiedを算出し、この値を減算器14にお
いてモータトルク目標値ir から減じて外乱トルク分を
キャンセルし、モータトルク指令値ic とする。
【0021】以上の動作は、以下の数2で表される。
【0022】
【数2】
【0023】なお、本発明は、X−Yテーブルのような
直線運動制御系の位置制御装置に適しているが、回転運
動系の位置制御装置にも適用できることは言うまでもな
い。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、カルマン
フィルタにより得られた速度推定値を用いて外乱推定器
による外乱オブザーバによって演算した推定外乱トルク
をトルク目標値から減算することによって外乱をキャン
セルし、トルク指令値を算出する。このトルク指令値に
よって制御対象を駆動するので外乱の影響を小さくでき
る。
【0025】また、外乱オブザーバは位置制御器及び速
度制御器と独立に構成されているので、位置制御器及び
速度制御器のゲイン設定を変更せずに外乱抑圧のみが行
え、全体制御系を不安定化しない。
【0026】更に、位置制御器及び速度制御器への各フ
ィードバック量としてカルマンフィルタによって観測ノ
イズを除去した位置推定値及び速度推定値を用いるた
め、位置制御器及び速度制御器のゲインを高くしたり、
あるいは外乱オブザーバの応答帯域を高くしても制御シ
ステムが不安定になりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置制御器の実施の形態の構成を
示したブロック図である。
【図2】図1のブロック線図である。
【図3】従来の位置制御器の実施の形態の構成を示した
ブロック図である。
【図4】図3のブロック線図である。
【符号の説明】
1 位置制御器 2 速度制御器 3 モータドライバ 4 モータ 5 負荷 6 位置検出器 7 速度演算器 8、9、14 減算器 10 加算器 12 離散系カルマンフィルタ 13 外乱推定器
フロントページの続き (72)発明者 冨田 良幸 神奈川県平塚市夕陽ヶ丘63番30号 住友重 機械工業株式会社平塚事業所内 Fターム(参考) 5H004 GA07 GB15 HA07 HB07 JA07 JB01 JB22 JB23 KA01 KA31 KB39 5H303 AA01 CC06 DD01 FF03 KK01 KK11 KK17 LL02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより駆動される被駆動体の位置
    を検出するための位置検出器を備え、該位置検出器の検
    出値と該検出値から算出される速度値とをそれぞれ位置
    制御器と速度制御器にフィードバックして、前記被駆動
    体の移動、位置決めを行うように、前記モータのフィー
    ドバック制御を行うフィードバック制御系を備えた位置
    制御装置において、 前記検出値のフィードバックループに離散系カルマンフ
    ィルタと外乱推定器とを付加し、 前記離散系カルマンフィルタは、前記検出値から前記被
    駆動体の位置及び速度を推定して位置推定値及び速度推
    定値を出力し、 前記外乱推定器は、トルク指令値と前記速度推定値とか
    ら前記被駆動体に加わる外乱を推定し、 前記位置推定値を前記位置制御器にフィードバックする
    と共に、前記速度推定値を前記速度制御器にフィードバ
    ックし、更に前記速度制御器からのトルク目標値と前記
    推定された外乱との偏差を前記トルク指令値として出力
    するようにしたことを特徴とする位置制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の位置制御装置において、
    前記位置制御器は、位置指令値と前記位置推定値との偏
    差を受けて速度指令値を出力し、前記速度制御器は、前
    記速度指令値と前記速度推定値との偏差を受けて前記ト
    ルク目標値を出力することを特徴とする位置制御装置。
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