JP2000146896A - 参照電極およびそれを用いたバイオセンサ、測定器 - Google Patents

参照電極およびそれを用いたバイオセンサ、測定器

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JP2000146896A JP11186576A JP18657699A JP2000146896A JP 2000146896 A JP2000146896 A JP 2000146896A JP 11186576 A JP11186576 A JP 11186576A JP 18657699 A JP18657699 A JP 18657699A JP 2000146896 A JP2000146896 A JP 2000146896A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 参照電極の長期安定性を改善する。 【解決手段】 絶縁基板1上に電極2を形成し、その上
にメタクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエステル
層からなる保護層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液中の特定の化
学物質を酵素反応等を利用して電気化学的に測定する際
に使用される参照電極およびこれを用いたバイオセンサ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の参照電極の構造を図4を用いて説
明する。この図は特開平9−182738号公報に開示
された参照電極の断面図および上面図である。図4
(a)を参照すると、カソード膜Kの上に、ポリイミド
層PI1、アノード膜M、銀層Sがこの順で形成されて
いる。銀層Sは参照電極の役割を有し、その上に保護層
としてポリイミド層PI2が設けられている。保護層と
して、ポリイミド層PI2の代わりに撥水性のホトレジ
ストを設けてもよいとされている。参照電極の上にこの
ような保護層を設けることにより、電極が長寿命化する
ことが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記参照
電極では、充分に長い使用寿命を得ることは困難であっ
た。これは、参照電極の表面の一部が電解液に直接触れ
ており、表面に形成されている塩化銀が電解液中で解離
し易いことによるものである。本発明者の検討によれ
ば、上記構造の参照電極が当初の性能を維持して動作す
る期間は、通常、約2日間程度である。
【0004】また上記参照電極において、保護層の材料
に撥水性のホトレジストを用いた場合、製造工程が複雑
となって生産コストが高くなり、この点で改善の余地を
有していた。これは、ホトレジストの形成のため、フォ
トリソグラフィ技術を用い露光および現像を繰り返す工
程を必要とし、さらに、電解質を注入する電解液注入口
や電解液の注入時に生じる気泡を取り除く貫通孔を形成
しておく必要があるためである。
【0005】さらに、上記参照電極をバイオセンサに適
用した場合、測定試料中に含まれる汚染物質が表面に付
着し、感度が低下するという問題があった。これについ
て、以下、説明する。
【0006】バイオセンサは、溶液中の化学物質を酵素
の触媒機能により過酸化水素等に変換し、これを酸化還
元反応により計測するという機能を有するセンサであ
る。バイオセンサの特性を安定化し、使用寿命を長くす
るためには、干渉物質および汚染物質の影響を排除する
ことが重要である。干渉物質とは、上述の酸化還元反応
系に影響を与え測定結果に正誤差を生じさせる化学物質
であり、アスコルビン酸やアセトアミノフェン等があ
る。一方、汚染物質とは、電極表面に吸着して測定結果
に負誤差を生じる化学物質であり、たとえば、アルブミ
ンや尿素、尿素化合物、クレアチニン等がある。
【0007】ところが上記従来技術に係る参照電極は、
保護層の材料としてポリイミドないしフォトレジストを
用いていたため、保護層表面に汚染物質が付着し易く、
長期使用した際の感度の低下を免れることが困難であっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明によれば、絶縁基板上に設けられた電極と、該電極を
覆うように形成された保護層とを有し、該保護層は、フ
ッ素を含まないビニル系重合体に対し、少なくともフル
オロアルキレンブロックを含有するペンダント基が結合
したポリマーから主としてなることを特徴とする参照電
極が提供される。
【0009】すなわち本発明の参照電極は、絶縁基板上
に設けられた電極(電極層)と、この電極上に設けられ
た種々の機能を有する複数の層からなっている。
【0010】本発明において、参照電極とは、作用極の
電極電位を測定する際の基準となる電極をいう。本発明
の参照電極は、溶液中の特定の化学物質を、酵素反応を
用いて電気化学的に測定する際に好適に用いられ、バイ
オセンサ等の一部として好適に用いられる。
【0011】本発明において、保護層を構成するポリマ
ーは、フルオロアルキレンブロック(フルオロアルキレ
ン単位)を含有するペンダント基を有している。このた
め、タンパク質や尿素化合物等の汚染物質の付着が抑制
され、長期使用した場合にも安定した特性を示す参照電
極が得られる。またフルオロアルキレンはほとんどの非
フッ素系溶剤や界面活性剤等の洗浄剤に溶けることがな
いため、耐薬品性の良好な参照電極が得られる。
【0012】また、このポリマーはフッ素を含まないビ
ニル系重合体を主鎖とするため、電極や電極上に形成さ
れた他の有機高分子層との密着性が良好である。このた
め、電極やその表面に形成された有機高分子層等と保護
層との間に間隙が生じることがない。したがって、電極
部表面が電解液に触れることがなく、電極部分を構成す
る金属が電解液に溶出することを防ぐことができる。ま
た、参照電極の洗浄に要する時間を短縮化することがで
きるという利点も得られる。
【0013】さらに、電極等との密着性が良好なため、
層構造の耐久性が向上し、長期使用した場合にも損傷の
起こりにくい参照電極が得られる。
【0014】ここで、上記フルオロアルキレンブロック
を含有するペンダント基以外に、他の適当な側鎖、官能
基が結合していてもよい。たとえば−OH基、−COO
H基等の適度な極性を有する官能基を有することによっ
て、隣接する電極や有機高分子層との密着性をさらに高
めることができる。
【0015】また本発明における保護層は、ディップ
法、スピンコート法、スプレー法等の簡単な工程で均質
な薄膜を製造することが可能であり、量産性にも優れて
いる。また、本発明によれば、絶縁基板上に設けられた
電極と、該電極を覆うように形成された保護層とを有
し、該保護層は、ポリカルボン酸(A)のフルオロアル
コールエステルから主としてなることを特徴とする参照
電極が提供される。
【0016】また本発明によれば、絶縁基板上に設けら
れた電極と、該電極を覆うように形成された保護層とを
有し、該保護層は、ポリカルボン酸(A)のフルオロア
ルコールエステルと、ポリカルボン酸(B)のアルキル
アルコールエステルとを含んでなることを特徴とする参
照電極が提供される。
【0017】さらに本発明によれば、絶縁基板上に設け
られた電極と、該電極を覆うように形成された保護層と
を有し、該保護層は、アルキルアルコールエステル基お
よびフルオロアルコールエステル基を有するポリカルボ
ン酸エステル化合物から主としてなることを特徴とする
参照電極が提供される。
【0018】これらの参照電極は、絶縁基板上に設けら
れた電極(電極層)と、この電極上に設けられた種々の
機能を有する複数の層からなっており、保護層が、特定
構造からなるポリマーにより構成されていることを特徴
としている。
【0019】本発明の参照電極は、保護層の構成材料と
してポリカルボン酸のフルオロアルコールエステルを用
いている。ここで、ポリカルボン酸のフルオロアルコー
ルエステルとは、ポリカルボン酸のカルボキシル基の一
部、または全部をフルオロアルコールでエステル化した
ものである。またフルオロアルコールとはアルコール中
の水素のすべて、または少なくとも一つをフッ素に置き
換えたものである。
【0020】上記保護層の構成材料は、フルオロアルコ
ールエステル基を有するため、タンパク質や尿素化合物
等の汚染物質の付着が抑制され、長期使用した場合にも
安定した特性を示す参照電極が得られる。またフルオロ
アルコールエステル基はほとんどの非フッ素系溶剤や界
面活性剤等の洗浄剤に溶けることがないため、耐薬品性
の良好な参照電極が得られる。
【0021】本発明の参照電極は、保護層にポリカルボ
ン酸主鎖を有するポリマーを用いている。また、この主
鎖に対してフルオロアルコールがエステル基を介して結
合している。このため電極や電極上に形成された有機高
分子層等との密着性が良好であり、これらと保護層との
間に間隙が生じることがない。したがって、電極部表面
が電解液に触れることがなく、電極部分を構成する金属
が電解液に溶出することを防ぐことができる。また、参
照電極の洗浄に要する時間を短縮化することができると
いう利点も得られる。
【0022】さらに、電極等との密着性が良好なため、
層構造の耐久性が向上し、長期使用した場合にも損傷の
起こりにくい参照電極が得られる。
【0023】上記ポリカルボン酸からなる主鎖に対し、
フルオロアルコールエステル基以外の適当な官能基が結
合していてもよい。適度な極性を有する官能基を有する
ことによって、隣接する電極や電極上に形成された有機
高分子層等との密着性をさらに高めることができる。
【0024】また、保護層を、ポリカルボン酸(A)
のフルオロアルコールエステルと、ポリカルボン酸
(B)のアルキルアルコールエステルとを含んでなる構
成、あるいはアルキルアルコールエステル基およびフ
ルオロアルコールエステル基を有するポリカルボン酸エ
ステル化合物から主としてなる構成とした場合、上述の
効果に加え、高温時の安定性が良好になるという利点が
得られる。参照電極やこれを含むバイオセンサは、比較
的高温下(たとえば40℃程度)で保管・使用されるこ
とがある。通常の参照電極は、高温下に放置した後、測
定に使用すると、放置前に測定したときに比べ、測定感
度が著しく変動することが多かった。これに対し上記構
成の保護層を備えた参照電極およびバイオセンサは、高
温下に放置しても測定感度がほとんど変化せず、安定性
に優れている。
【0025】以上述べた本発明の参照電極において、電
極と保護層とは、直接、接するように形成されていても
よいし、これらの間に他の層が介在してもよい。たとえ
ば、電極と保護層の間にシランカップリング剤から主と
してなる結合層を有する構成とすることもできる。
【0026】なお本発明における保護層は、ディップ
法、スピンコート法、スプレー法等の簡単な工程で均質
な薄膜を製造することが可能であり、量産性にも優れて
いる。また本発明によれば、上記の参照電極を用いたバ
イオセンサが提供される。このバイオセンサは、参照電
極表面に上述した特有の構造を有するポリマーからなる
保護層を設けているため、長期安定性に優れ、広範囲な
測定条件下で使用することが可能である。
【0027】さらに本発明によれば、上記バイオセンサ
を用いた種々の測定器が提供される。すなわち、本発明
によれば、上記バイオセンサと、該バイオセンサから得
られた電気信号を報知するデータ報知部とを有してなる
ことを特徴とする測定器が提供される。
【0028】また、上記バイオセンサと、該バイオセン
サから電気信号を得る電気化学測定回路部と、該電気信
号をもとに測定値を算出するデータ処理部と、該測定値
を報知するデータ報知部とを有してなることを特徴とす
る測定器が提供される。
【0029】これらの測定器は、特定構造の作用極を具
備するバイオセンサを有しているため、長期安定性に優
れ、広範囲な測定条件下で使用することが可能である。
その上、操作方法が簡便であり、装置に不慣れな人でも
簡単に取り扱うことができる。
【0030】また本発明によれば、絶縁基板上に電極を
形成する工程と、該電極に直接、または他の層を介し
て、フッ素を含まないビニル系重合体に対し少なくとも
フルオロアルキレンブロックを含有するペンダント基が
結合したポリマーを含む液を塗布した後、乾燥させ、保
護層を形成する工程とを含むことを特徴とする参照電極
の製造方法が提供される。
【0031】この参照電極の製造方法は、上記のような
特定構造のポリマーを含む液を塗布・乾燥することによ
り保護層を形成する。このため、繰り返し測定時におけ
る安定性、隣接する層との密着性、耐久性等に優れる保
護層を、良好な膜厚制御性で形成することができる。ま
た、上記ポリマーを含む液は低粘度であるので、保護層
を容易に薄い膜厚で形成することができる。具体的に
は、乾燥後において0.01〜3μmの保護層を良好に
形成することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明において、「参照電極」と
は、前述したように作用極の電位測定の際に基準となる
電極をいう。本発明における「バイオセンサ」は、上記
参照電極を備えるものであって、通常、作用極、対極を
さらに含む構成とする。また、本発明における「測定
器」とは、上記バイオセンサを含むシステムをいい、バ
イオセンサから得られた電気信号を報知したり処理を行
う種々の手段を備えたものをいう。以下、本発明に係る
参照電極、バイオセンサ、および測定器について詳細に
説明する。
【0033】本発明に係る第一の参照電極は、絶縁基板
上に設けられた電極と、該電極を覆うように形成された
保護層とを有し、該保護層は、フッ素を含まないビニル
系重合体に対し、少なくともフルオロアルキレンブロッ
クを含有するペンダント基が結合したポリマーから主と
してなることを特徴とする。ここで、「主としてなる」
とは、上記ポリマーが保護層を構成する主成分となって
いることをいい、たとえば、保護層に対する上記ポリマ
ーの含有率が50重量%以上であることをいう。
【0034】「フッ素を含まないビニル系重合体」は、
電極や電極上に形成された有機高分子層等との密着性を
良好にする役割を有する部分であり、特に構造の制限は
ないが、フッ素を含むものであってはならない。ペンダ
ント基を除く重合体部分にフッ素を含むと、電極や電極
上に形成された有機高分子層等との密着性が低下し、溶
液の調整が困難となり、保護層を薄膜として形成するこ
とが困難になる。
【0035】フッ素を含まないビニル系重合体は、炭素
−炭素結合からなる主骨格を有する重合体であり、好ま
しい例としては、不飽和炭化水素、不飽和カルボン酸、
および不飽和アルコールからなる群より選ばれた一種以
上のモノマーの単独重合体または共重合体が挙げられ
る。このうち特にポリカルボン酸が好ましい。このよう
な重合体を選択することによって、電極や電極上に形成
された有機高分子層等との密着性が特に良好となり、耐
久性に優れる保護層を得ることができる。また、ビニル
系重合体に対し、フルオロアルキレンブロックがエステ
ル基を介して結合していることが好ましい。エステル基
は適度な極性を有しているため、電極や電極上に形成さ
れた有機高分子層等との密着性がより向上する。
【0036】フルオロアルキレンブロックを含有するペ
ンダント基とは、フルオロアルキレンを構成単位として
含有するペンダント基をいう。フルオロアルキレンと
は、アルキレン基の水素の一部または全部をフッ素で置
換したものをいう。ペンダント基のフッ素含有率、すな
わち、ペンダント基中に含まれるフッ素原子数をx、ペ
ンダント基中に含まれる水素原子数をyとしたときのx
/(x+y)の値は、好ましくは0.3〜1、さらに好
ましくは0.8〜1とする。このようにすることによっ
て保護層に対する汚染物質の付着が効果的に抑制され
る。
【0037】ペンダント基の炭素数は、好ましくは3〜
15、さらに好ましくは5〜10、もっとも好ましくは
8〜10とする。このようにすることによってペンダン
ト基の長さが適度となり、良好な製膜性が得られるとと
もに汚染物質等の付着が効果的に防止される。また、隣
接する電極や高分子層との密着性も良好に維持される。
【0038】ビニル系重合体に対するペンダント基の結
合率、すなわちペンダント基の含有率は特に制限がな
く、他の高分子層材料や用途に応じて適宜な値とするこ
とができる。たとえば、0.1〜30%とする。このよ
うに撥水性を有するペンダント基の含有比率を適度な範
囲とすることで、電極表面の保護性能が良好となり、ま
た、隣接高分子層に対する良好な密着性が得られる。こ
こでペンダント基の結合率とは、ビニル系重合体の主骨
格となる炭素−炭素結合に結合するすべての基に対する
ペンダント基の占める割合をいう。たとえば、主鎖とな
るビニル系重合体がポリアクリル酸であって、−COO
H基の10%がエステル化されペンダント基となってい
る場合は、−COOH基の結合率25%にエステル化率
10%を乗じて得られる2.5%がペンダント基の結合
率となる。
【0039】本発明に係る第二の参照電極は、絶縁基板
上に設けられた電極と、該電極を覆うように形成された
保護層とを有し、該保護層は、ポリカルボン酸のフルオ
ロアルコールエステル(A)から主としてなることを特
徴とする。なお、「主としてなる」とは、上記ポリマー
が保護層を構成する主成分となっていることをいい、た
とえば、保護層に対する上記ポリマーの含有率が50重
量%以上であることをいう。
【0040】また、本発明に係る第三の参照電極は、絶
縁基板上に設けられた電極と、該電極を覆うように形成
された保護層とを有し、該保護層は、ポリカルボン酸
(A)のフルオロアルコールエステルと、ポリカルボン
酸(B)のアルキルアルコールエステルとを含んでなる
ことを特徴とする。
【0041】また、本発明に係る第四の参照電極は、絶
縁基板上に設けられた電極と、該電極を覆うように形成
された保護層とを有し、該保護層は、アルキルアルコー
ルエステル基およびフルオロアルコールエステル基を有
するポリカルボン酸エステル化合物から主としてなるこ
とを特徴とする。なお、「主としてなる」とは、上記ポ
リマーが保護層を構成する主成分となっていることをい
い、たとえば、保護層に対する上記ポリマーの含有率が
50重量%以上であることをいう。
【0042】ポリカルボン酸(A)、(B)および上記
ポリカルボン酸エステル化合物を構成するポリカルボン
酸は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン
酸等のカルボン酸を構成単位を有する重合体をいう。た
とえばポリメタクリル酸、ポリアクリル酸またはこれら
の共重合体等が挙げられる。ポリカルボン酸(A)とポ
リカルボン酸(B)は、同種のものであっても異種のも
のであってもよい。
【0043】ポリカルボン酸とは、アクリル酸、メタク
リル酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボン酸を構成単
位を有する重合体をいい、たとえばポリメタクリル酸ま
たはポリアクリル酸等が挙げられる。
【0044】フルオロアルコールエステル基中に含まれ
るフッ素原子数をx、水素原子数をyとしたときに、x
/(x+y)で表される前記フルオロアルコールエステ
ル基のフッ素含有率は、好ましくは0.3〜1、さらに
好ましくは0.8〜1とする。このようにすることによ
って保護層に対する汚染物質の付着が効果的に抑制され
る。
【0045】フルオロアルコールエステルを構成するフ
ルオロアルコールの炭素数は、好ましくは3〜15、さ
らに好ましくは5〜10、最も好ましくは8〜10とす
る。このようにすることによってペンダント基の長さが
適度となり、良好な製膜性が得られるとともに汚染物質
等の付着が効果的に防止される。また、隣接する電極や
高分子層との密着性も良好に維持される。
【0046】ポリカルボン酸のフルオロアルコールエス
テルのエステル化率は特に制限がなく、他の高分子層材
料や用途に応じて適宜な値とすることができる。たとえ
ば、0.1〜30%とする。エステル化率とは、主鎖の
ポリアクリル酸の有するカルボキシル基がエステル化さ
れた割合をいう。エステル化率を上記の範囲とすること
で、撥水性を有するフルオロアルコールエステル基の含
有率が適度となり、保護層に対する汚染物質の付着が効
果的に抑制される一方、電極部分や有機高分子層等に対
する密着性が良好に維持される。
【0047】本発明において、前記フルオロアルコール
エステルを構成するフルオロアルコールは、一級アルコ
ールであることが好ましい。保護層に対する汚染物質の
付着が効果的に抑制され、また、酸、アルカリ、各種有
機溶媒に対する高い耐薬品性が得られるからである。た
とえばポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオク
チルやポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフ
ルオロデシルを好ましく用いることができる。
【0048】保護層を、ポリカルボン酸(A)のフルオ
ロアルコールエステルと、ポリカルボン酸(B)のアル
キルアルコールエステルとを含んでなる構成、あるい
は、アルキルアルコールエステル基およびフルオロアル
コールエステル基を有するポリカルボン酸エステル化合
物から主としてなる構成とすると、高温安定性の良好な
参照電極が得られる。
【0049】「フルオロアルコールエステル」の好まし
い形態については上述したとおりである。
【0050】アルキルアルコールエステル部分のアルキ
ルアルコールとは、Cnn+2OH(nは自然数)で表さ
れる鎖状または環状のアルコールをいう。nは1以上の
整数であるが、好ましくは2〜10、より好ましくは4
〜8、最も好ましくは6である。たとえば、ヘキシル
基、シクロヘキシル基等が好ましく用いられる。このよ
うにすれば、参照電極を高温下に放置した場合の安定性
がさらに良好となる。
【0051】保護層を、ポリカルボン酸(A)のフルオ
ロアルコールエステルと、ポリカルボン酸(B)のアル
キルアルコールエステルとを含んでなる構成とする場
合、保護層に対するポリカルボン酸(A)のフルオロア
ルコールエステルの含有率は、好ましくは50〜99重
量%、より好ましくは75〜99重量%、最も好ましく
は80〜95重量%とする。含有率が低すぎると保護層
の耐久性が低下する場合がある。また含有率が高すぎる
と高温下に放置した際の安定性が充分に得られない場合
がある。一方、ポリカルボン酸(B)のアルキルアルコ
ールエステルの保護層に対する含有率は、好ましくは1
〜50重量%、より好ましくは1〜25重量%、最も好
ましくは5〜20重量%とする。含有率が低すぎると高
温下に放置した際の安定性が充分に得られない場合があ
る。また含有率が高すぎると保護層の耐久性が低下する
場合がある。なお、ポリカルボン酸(B)のアルキルア
ルコールエステルとは、ポリカルボン酸(B)の少なく
とも一部が、上記アルキルアルコールによりエステル化
されてなるものであり、好ましい例としてポリメタクリ
ル酸シクロヘキシルが挙げられる。
【0052】アルキルアルコールエステル基およびフル
オロアルコールエステル基を有するポリカルボン酸エス
テル化合物を用いて保護層を構成する場合、各エステル
基の好ましい形態は上述したとおりであり、その組み合
わせとして種々の形態のものを採用することができる。
アルキルアルコールエステル基とフルオロアルコールエ
ステル基の比率は特に制限がないが、上記エステル化合
物中のフルオロアルコールエステル基の数をa、アルキ
ルアルコールエステル基の数をbとしたときのa/bの
値は、好ましくは50/50〜99/1、より好ましく
は75/25〜99/1、最も好ましくは80/20〜
95/5とする。
【0053】このようなポリカルボン酸エステル化合物
の例として、たとえば下記式(1)に示す繰り返し単位
を有する化合物が挙げられる。COO−R基をポリメタ
クリル酸シクロヘキシルとすれば、特に高温安定性が良
好となる。また、電極保護性能も良好となる。
【0054】
【化1】 (nは2以上の整数、Xは0以上の整数、Yは1以上の
整数を示す。) このような化合物として、メタクリル酸1H,1H−パ
ーフルオロオクチルとメタクリル酸シクロヘキシルの共
重合体、あるいは、アクリル酸1H,1H,2H,2H
−パーフルオロデシルとメタクリル酸シクロヘキシルの
共重合体等が挙げられる。たとえば下記式(2)のよう
な、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
デシルとメタクリル酸シクロヘキシルの繰り返し単位を
有する化合物が好ましく用いられる。
【0055】
【化2】 (nは2以上の整数を示す。) 以上のような共重合体を用いれば、高温安定性が特に良
好となる上、電極保護性能等他の特性も良好となる。
【0056】以上述べたように、本発明の参照電極の保
護層は特定構造のポリマーにより構成されるが、構造や
分子量の異なる2種以上のポリマーの混合物により構成
されていてもよい。
【0057】以上述べた参照電極において、保護層の厚
みは、好ましくは0.01〜3μm、さらに好ましくは
0.01〜1μm、最も好ましくは0.01〜0.1μ
mとする。このような厚みとすることで、感度や応答性
の向上および洗浄時間の短縮化を図ることができる。
【0058】本発明において、保護層を構成するポリマ
ーの分子量は、好ましくは1000〜50000、さら
に好ましくは3000〜30000とする。ここでいう
分子量とは数平均分子量をいい、GPC(Gel Permiati
on Chromatography)により測定される。分子量が大き
すぎると溶液の調整が困難となり、保護層の薄層化が困
難となることがある。分子量が小さすぎると汚染物質等
の付着を充分に防止できないことがある。なお、保護層
を、ポリカルボン酸(A)のフルオロアルコールエステ
ルと、ポリカルボン酸(B)のアルキルアルコールエス
テルを含む構成とする場合は、いずれのポリマーも上記
範囲の分子量とすることが望ましい。
【0059】以上説明したように本発明の参照電極はフ
ッ素含有ポリマーを含んでなる保護層を備えているが、
このフッ素含有ポリマーは、上述したような特定の構造
を有している点に特徴があり、これにより、参照電極へ
の汚染物質の付着を防止し、長期使用時における測定感
度の安定性を高めている。バイオセンサにおけるフッ素
含有ポリマーの利用技術として、作用極の固定化酵素層
上部にイオン交換樹脂であるナフィオン膜を配置する技
術が知られている(特開平8−50112号公報)が、
このような構造のポリマーでは、本発明の効果は得られ
ない。ナフィオンとは、陽イオン交換樹脂であり、パー
フルオロメチレン主鎖に、末端スルホン酸基を有するパ
ーフルオロポリアルキレンエーテル側鎖を結合させた構
造を有している(式(3))。
【0060】
【化3】 しかしながら、ナフィオン膜は、電極反応に干渉するイ
オン性の干渉物質の透過を阻止することを目的とするも
のであって、参照電極を保護する機能はほとんど有して
いないのである。
【0061】本発明のバイオセンサに含まれる作用極
は、酵素電極であることが望ましい。酵素電極とは、電
極表面に固定化酵素層の形成された電極をいう。固定化
酵素層とは、有機高分子を母材として、触媒機能をもつ
酵素を固定化したものである。固定化酵素層は、例え
ば、各種酵素、グルタルアルデヒド等のタンパク質架橋
剤、およびアルブミンを含む溶液を滴下し、スピンコー
ト法にて形成される。アルブミンは、各種酵素を架橋剤
の反応から保護するとともにタンパク質の基材となる。
酵素としては、乳酸酸化酵素、グルコース酸化酵素、尿
酸酸化酵素、ガラクトース酸化酵素、ラクトース酸化酵
素、スクロース酸化酵素、エタノール酸化酵素、メタノ
ール酸化酵素、スターチ酸化酵素、アミノ酸酸化酵素、
モノアミン酸化酵素、コレステロール酸化酵素、コリン
酸化酵素およびピルビン酸酸化酵素等、触媒反応の生成
物として過酸化水素を生成する、または酸素を消費する
酵素が挙げられる。
【0062】ここで、2種類以上の酵素を同時に用いて
過酸化水素を生成させてもよい。例えば、クレアチニナ
ーゼ、クレアチナーゼ、およびサルコシンオキシダーゼ
がこれに該当する。これらの酵素を用いることによって
クレアチニンの検出が可能になる。また、酵素と補酵素
を同時に用いてもよい。例えば、3-ヒドロキシ酪酸脱水
素酵素とニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NA
D)がこれに該当する。これらの酵素を用いることによ
って3-ヒドロキシ酪酸の検出が可能になる。さらに、酵
素と電子メディエータを同時に用いてもよい。この場合
は、酵素によって還元された電子メディエータが電極表
面上で酸化され、このときに得られる酸化電流値を測定
する。例えば、グルコースオキシダーゼとフェリシアン
化カリウムがこれに該当する。これらを用いることによ
ってグルコースの検出が可能になる。
【0063】以上述べたように、固定化酵素層は、少な
くとも酵素を含み、測定対象物質を電極感応物質である
過酸化水素等に変換する機能を持つ構成であれば、特に
限定されない。
【0064】本発明の参照電極を用いたバイオセンサの
例を図5に示す。この例では、石英基板上に作用極7、
対極8、および参照極9とを備えている。作用極7およ
び対極8は白金電極であり、参照極9は銀/塩化銀電極
である。対極8の上部に、結合層4、保護層3がこの順
で形成されている。作用極7および参照極9の上部に、
結合層4、固定化酵素層10、および保護層3がこの順
序で形成されている。結合層4はγ−アミノプロピルト
リエトキシシランを主成分とする。固定化酵素層10
は、少なくとも酵素を含み、測定対象物質を電極感応物
質である過酸化水素等に変換する機能を持てばよい。ま
た保護層3は、メタクリル酸樹脂のフルオロアルコール
エステル層を主成分とする。作用極7、対極8、および
参照極9はそれぞれ測定系に電気的に接続されている。
このような構造をとることにより、バイオセンサの使用
寿命を長くし、特性の安定化を図ることができる。な
お、図ではアンペロメトリックタイプのセンサの例を示
したが、本発明の参照電極は、イオン感受性電界効果型
トランジスタタイプのセンサにも適用できることはいう
までもない。
【0065】本発明の測定器は、バイオセンサが着脱自
在に設けられていることが好ましい。バイオセンサの電
極部は使用により消耗するため、容易に交換できる構造
とすることが望ましいからである。ここで、バイオセン
サの部分のみが着脱自在になっている形態のほか、バイ
オセンサと他の部分とを接続する配線や、バイオセンサ
を含む部分が着脱自在になっている形態であってもよ
い。たとえば図6の構成の測定器において、バイオセン
サ50と電気化学測定回路部51との間の配線54が着
脱自在になっていてもよく、また、バイオセンサ50、
配線54、および電気化学測定回路部51からなる部分
が着脱自在になっていてもよい。
【0066】本発明の測定器におけるデータ処理部は、
バイオセンサから得られた電気信号をもとに測定値を算
出する機能を有しており、たとえば、上記電気信号をア
ナログ信号および/またはデジタル信号に変換し、測定
値を算出するという形態で動作する。データ処理部は種
々の手段を備えた構成とすることもでき、たとえば、
(a)計時手段、(b)測定時刻を設定する時刻設定手
段および該時刻設定手段で設定した時刻になったことを
報知する時刻報知手段、(c)測定器の操作方法を説明
する操作説明手段、(d)算出した測定値を記憶する測
定値記憶手段、(e)測定器の使用者の暗証番号を登録
する暗証番号登録手段、(f)メモを登録するメモ登録
手段、(g)測定器の誤作動を検出する動作報知手段、
(h)前記バイオセンサの較正時期を検出し報知する較
正時期報知手段、(i)前記バイオセンサの電極部分の
交換時期を検出し報知する電極交換時期報知手段、
(j)異常電流値を検出し報知する異常電流値報知手
段、および(k)前記バイオセンサの較正を行う較正手
段のうち、一部または全部を含む構成とすることができ
る。このような構成とすることにより、操作性がさらに
向上する。ここで、上記(a)〜(k)のうち一または
二以上の手段により得られた処理結果は、たとえば、報
知部により報知されるものとする。
【0067】本発明の参照電極の製造方法は、絶縁基板
上に電極を形成する工程と、該電極に直接、または他の
層を介して、フッ素を含まないビニル系重合体に対し少
なくともフルオロアルキレンブロックを含有するペンダ
ント基が結合したポリマーを含む液を塗布した後、乾燥
させ、保護層を形成する工程とを含むことを特徴とする
ものである。「フッ素を含まないビニル系重合体に対
し、少なくともフルオロアルキレンブロックを含有する
ペンダント基が結合したポリマー」の好ましい実施形態
等については、本発明に係る第一乃至第四の参照電極に
ついての説明の部分で述べたのと同様であり、たとえ
ば、ポリカルボン酸のフルオロアルコールエステルが例
示され、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオ
クチル、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パー
フルオロデシル、あるいは、メタクリル酸1H,1H−
パーフルオロオクチルとメタクリル酸シクロヘキシルの
共重合体、アクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフ
ルオロデシルとメタクリル酸シクロヘキシルの共重合体
等が挙げられる。
【0068】以下、図面を参照して本発明の実施形態に
ついてさらに説明する。
【0069】(第1の実施の形態)本実施形態について
図1を参照して説明する。本実施形態の参照電極は、絶
縁基板1上に参照電極として機能する電極2が設けら
れ、その上にメタクリル酸樹脂のポリフルオロアルコー
ルエステルからなる保護層3が形成された構造を有して
いる。
【0070】絶縁基板1の材料としては、セラミック
ス、ガラス、石英、プラスチック等の絶縁性の高い材料
から主としてなるものを用いることができる。耐水性、
耐熱性、耐薬品性および電極との密着性に優れた材料で
あることが好ましい。
【0071】電極2は、絶縁基板1上に形成しやすく、
また、取り扱いが容易な銀/塩化銀電極とすることが望
ましい。銀/塩化銀電極の構造としては、感度および強
度が良好なことから、チタン、銀、および塩化銀がこの
順に設けられた積層体、または、チタン、白金、銀、お
よび塩化銀がこの順に設けられた積層体が好ましい。電
極2は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、
真空蒸着法、ケミカル・ベーパー・ディポジッション
法、電解法等を用いて形成することができる。たとえば
銀/塩化銀電極は、まず銀膜をスパッタリング法により
形成した後、銀よりもイオン化傾向の大きい塩素化合物
を含む水溶液、たとえば塩化鉄水溶液に浸漬して電解法
により作製することができる。
【0072】保護層3を構成するメタクリル酸樹脂のフ
ルオロアルコールエステルとは、メタクリル酸樹脂の一
部、または全部がフルオロアルコールでエステル化さ
れ、前記フルオロアルコールとはアルコール中の水素の
すべて、または少なくとも一つがフッ素に置き換えられ
たものである。たとえばポリメタクリル酸1H,1H−
パーフルオロオクチルやポリアクリル酸1H,1H,2
H,2H−パーフルオロデシルを用いることができる。
なお、本発明においては、たとえばポリメタクリル酸1
H,1H−パーフルオロオクチルは、メタクリル酸の一
部または全部が1H,1H−パーフルオロオクチルアル
コールによりエステル化された重合体をいうものとす
る。
【0073】保護層3は、たとえば、パーフルオロヘキ
サン等のパーフルオロカーボンの溶媒で希釈したメタク
リル酸樹脂のフルオロアルコールエステル溶液を、触媒
機能をもつ酵素を固定化した固定化酵素層4上に滴下し
てスピンコート法により形成することができる。溶液中
のメタクリル酸樹脂フルオロアルコールエステル濃度
は、測定対象物質にもよるが、0.1〜5重量%とする
ことが好ましく、0.3重量%程度とすることがさらに
好ましい。この範囲とすることにより、良好な製膜性が
得られるとともに汚染物質等の付着が効果的に防止され
る。
【0074】なお保護層3の形成方法については、均一
な厚さの層が得られる方法であれば制限がなく、スピン
コート法以外にもスプレーコート法やデップ法なども用
いることができる。
【0075】(第2の実施の形態)本実施形態について
図2を参照して説明する。本実施形態の参照電極は、絶
縁基板1上に参照電極として機能する電極2が設けら
れ、その上にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン層
からなる結合層4、メタクリル酸樹脂のポリフルオロア
ルコールエステル層からなる保護層3がこの順に形成さ
れた構造を有している。電極2と保護層3との間にシラ
ンカップリング剤から主としてなる結合層4を有する点
に特徴がある。
【0076】保護層3は、第1の実施の形態と同様な方
法により形成される。
【0077】結合層4は、電極2と保護層3の結合力を
向上させる役割を有する。また絶縁基板1や電極2の表
面を親水性に改質し、保護層3の層厚の均一性を高める
作用も有する。
【0078】結合層3はシランカップリング剤から主と
してなる。シランカップリング剤の種類としては、アミ
ノシラン、ビニルシラン、エポキシシランが挙げられる
が、このうち、密着性の観点から、アミノシランの一種
であるγ−アミノプロピルトリエトキシシランが好まし
い。結合層4は、例えばシランカップリング剤溶液をス
ピンコートすることにより形成することができる。この
際、シランカップリング剤濃度は、1v/v%(体積/体積
%)程度とすることが好ましい。このような濃度とする
ことで良好な密着性が得られる。
【0079】(第3の実施の形態)本実施形態について
図1を参照して説明する。本実施形態の参照電極は、絶
縁基板1上に参照電極として機能する電極2が設けら
れ、その上にアクリル酸樹脂のポリフルオロアルコール
エステルとポリメタクリル酸シクロヘキシルから主とし
てなる保護層3が形成された構造を有している。保護層
3と電極2との間には、必要に応じてシランカップリン
グ剤から主としてなる結合層を設けてもよい。アクリル
酸樹脂のポリフルオロアルコールエステルとは、例え
ば、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフル
オロデシルを用いることができる。
【0080】保護層3は、例えば、キシレンヘキサフロ
ライドを溶媒とするポリアクリル酸1H,1H,2H,
2H−パーフルオロデシルとポリメタクリル酸シクロヘ
キシルの混合溶液を、電極2上に滴下してスピンコート
法により形成することができる。このとき、混合溶液中
のポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオ
ロデシルの濃度は、測定対象物質にもよるが、0.1〜
5重量%とすることが好ましく、1重量%程度とするこ
とがさらに好ましい。またポリメタクリル酸シクロヘキ
シル濃度については、測定対象物質にもよるが、10重
量%以下が好ましく、1重量%程度とすることがさらに
好ましい。ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パ
ーフルオロデシルにこの濃度範囲のポリメタクリル酸シ
クロヘキシルを添加することにより、保護層の物理化学
的特性が向上する。特に衝撃やキズ、およびねじれ等に
対する強度が向上する。
【0081】(第4の実施の形態)本実施形態は、本発
明に係る参照電極の製造方法の一例を示すものである。
【0082】まず石英からなる基板上に、銀/塩化銀か
らなる電極を形成する。
【0083】次に電極表面および基板表面を洗浄する。
洗浄方法としては、有機溶媒や酸等により洗浄する方法
や超音波洗浄器を用いて洗浄する方法を用いることがで
き、これらを併用することもできる。有機溶媒や酸等と
しては、電極材料を損傷させないものが用いられる。有
機溶媒としては極性溶媒が好ましく用いられ、アセトン
等のケトン系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール系溶媒を用いることができる。また、酸としては、
希硫酸等が用いられる。このほか、電解カソード水を用
いることもできる。電解カソード水とは、純水等を電気
分解した際に陰極側に生成される液のことをいう。電解
カソード水は中性〜弱アルカリ性でありながら高い還元
性を有するため、基板や電極の損傷を抑えつつ、基板表
面および付着粒子の表面の電位をともに負電位とするこ
とができ、脱離粒子の再付着を抑制することができる。
上記したうち、たとえば、アセトンおよび希硫酸で順次
洗浄するという方法が好ましく用いられる。
【0084】次いで、電極の表面に結合層を形成する。
前述のように、結合層を構成する材料としては、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリン
グ剤が好ましく用いられる。
【0085】カップリング剤液等の塗布方法としては、
スピンコート法、スプレー法、ディップ法、加熱気流法
等が用いられる。スピンコート法とは、カップリング剤
等、結合層の構成材料を溶解または分散させた液をスピ
ンコーターにより塗布する方法である。この方法によれ
ば膜厚の薄い結合層を膜厚制御性良く形成することがで
きる。また、スプレー法とはカップリング剤液等を基板
に向けてスプレー噴霧する方法であり、ディップ法とは
基板をカップリング剤液等に浸漬する方法である。これ
らの方法によれば、特殊な装置を必要とせず、簡便な工
程で結合層を形成することができる。また加熱気流法と
は、基板を加熱雰囲気下に設置し、ここにカップリング
剤液等の蒸気を流動させる方法である。この方法によっ
ても膜厚の薄い結合層を膜厚制御性良く形成することが
できる。
【0086】カップリング剤液等の塗布後、乾燥を行
う。乾燥温度は特に制限がないが、通常、室温(25
℃)〜170℃の範囲で行う。乾燥時間は、温度にもよ
るが、通常は0.5〜24時間とする。乾燥は空気中で
行っても良いが、窒素等の不活性ガス中で乾燥させても
よい。たとえば、窒素を基板に吹き付けながら乾燥させ
る窒素ブロー法を用いることもできる。
【0087】結合層形成後、ポリカルボン酸のフルオロ
アルコールエステル溶液等を塗布し、保護層を形成す
る。上記溶液の塗布方法としては、スピンコート法、デ
ィップ法、スプレー法、刷毛塗り法等が用いられ、この
うち膜厚制御性に優れるスピンコート法が好ましく用い
られる。スピンコート法を用いた場合、0.01〜3μ
m程度の薄膜からなる保護層を膜厚制御性良く形成する
ことができる。また、基板を上記容積に浸漬するディッ
プ法により塗布を行い、次いで窒素ガスを吹き付けなが
ら乾燥を行う方法としてもよい。この方法によれば、簡
便な方法で保護層を形成することができる。
【0088】上記溶液の塗布後、乾燥を行う。乾燥温度
は、固定化酵素層の酵素の活性が損なわれない範囲の温
度とすることが望ましく、室温(25℃)〜40℃の範
囲とすることが好ましい。乾燥時間は、温度にもよる
が、通常、0.5〜24時間とする。乾燥は空気中で行
っても良いが、窒素等の不活性ガス中で乾燥させてもよ
い。たとえば、窒素を基板に吹き付けながら乾燥させる
窒素ブロー法を用いることもできる。
【0089】以上のようにして、電極上に特定の機能を
有する種々の層が形成された参照電極が作製される。
【0090】(第5の実施の形態)本発明に係るバイオ
センサの例を図12に示す。このバイオセンサでは、同
一の絶縁基板1上に作用極7、対極8および参照極9を
形成されている。作用極7および対極8上には結合層
4、固定化酵素層10、制限透過層11がこの順で積層
している。また参照極9上には結合層4、保護層3がこ
の順で積層している。
【0091】本発明に係る他のバイオセンサの例を図1
3に示す。このバイオセンサでは、同一の絶縁基板1上
に作用極7、対極8が形成され、他の絶縁基板1上に参
照極9を形成されている。作用極7および対極8上には
結合層4、固定化酵素層10、制限透過層11がこの順
で積層している。また参照極9上には結合層4、保護層
3がこの順で積層している。
【0092】本発明に係る他のバイオセンサの例を図1
4に示す。このバイオセンサでは、作用極7、対極8お
よび参照極9が、それぞれ異なる絶縁基板1上に形成さ
れている。作用極7および対極8上には結合層4、固定
化酵素層10、制限透過層11がこの順で積層してい
る。また参照極9上には結合層4、保護層3がこの順で
積層している。
【0093】以上のように、作用極7、対極8および参
照極9は同一基板に設けても異なる基板に設けても良
い。
【0094】(第6の実施の形態)本実施形態は、バイ
オセンサ、電気化学測定回路部、データ処理部、および
データ報知部を具備した本発明の測定器の一例を示すも
のである。以下、図6および図7を参照して説明する。
【0095】この測定器は、図6に示すように、バイオ
センサ50、電気化学測定回路部51、データ処理部5
2およびデータ報知部53が、配線54により接続され
た構成となっている。
【0096】バイオセンサ50は、たとえば、第1から
第4の実施形態で説明した参照電極を具備するものを用
いることができる。バイオセンサ50は消耗品であるた
め、交換が容易な脱着式とすることが好ましい。
【0097】電気化学測定回路部51は、本実施形態で
はポテンシオスタットを用いるが、バイオセンサ50に
対して定電位を印加し、電流値を測定できる回路であれ
ば、特に限定されない。
【0098】データ処理部52は、図7に示す構成とな
っており、計時手段60、時刻設定手段61、時刻報知
手段62、操作説明手段63、測定値記憶手段64、暗
証番号登録手段65、メモ登録手段66、動作報知手段
67、較正時期報知手段68、電極交換時期報知手段6
9、異常電流値報知手段70および較正手段71を含ん
でいる。上記各手段を含む構成となっているため、本測
定器の使用者は、電極の較正、測定、測定データの保存
等を円滑に行うことができる。本実施形態では、データ
処理部52としてパーソナルコンピュータ(以下、パソ
コンと記述する)を用いているが、電気化学測定回路部
51からの信号を処理できるマイクロプロセッサ等の演
算部を持つものであれば特に限定されない。データ処理
部52で処理された信号は測定値に換算され、データ報
知部53で測定値として表示される。
【0099】データ報知部53は、本実施形態ではパソ
コン用のディスプレイを用いているが、データ処理部5
2によって処理されたデータを報知する機能を有するも
のであれば特に限定されない。データ処理部52によっ
て処理されたデータとは、データ処理部52で算出され
た測定値、バイオセンサ50の動作確認および誤作動の
確認、異常電流値検出結果、バイオセンサ50の交換時
期、バイオセンサ50の較正時期および較正手順、日
付、時刻、時計、データ処理部52の演算部によって処
理された電気化学測定回路部51からの信号、初期設定
時の操作手段と操作時に操作アドバイスを行うときの操
作説明等である。報知する手段はデジタル数値、アナロ
グ数値、音声である。これ以外の報知手段として、音、
光、振動、色彩、光、図形、熱を利用しても良いが、デ
ジタル数値やアナログ数値が好ましく用いられる。
【0100】配線54はこれらを接続できる電線であれ
ばよい。
【0101】次に、データ処理部52に含まれる各手段
(図7)について説明する。
【0102】計時手段60は、本実施形態ではパソコン
に内蔵されている時計を利用するが、前記演算部に対し
て、時間を示す機能を有するものであれば、特に限定さ
れない。
【0103】時刻設定手段61は、計時手段60を利用
して測定する時刻を設定する機能である。本実施形態で
は計時手段60と同様にパソコンに内蔵されている時計
の機能の一部を利用するが、前記演算部に対して、時間
を示す機能にさらに測定する時刻を設定できる機能を有
するものであれば、特に限定されない。また、設定でき
る時刻は複数であることが好ましい。このようにすれ
ば、一日に複数回の測定を行いたい場合に便利である。
なお時刻設定手段61の利用の有無を選択可能になって
いると、さらに便利である。
【0104】時刻報知手段62は、時刻設定手段61で
設定された時刻に報知する機能である。例えば時刻設定
手段61で12時間毎に報知するように設定すると、測
定者は12時間毎に時刻報知手段62から測定時刻を知
ることが可能になる。
【0105】操作説明手段63は、本発明の測定器の操
作方法や操作を行う際の留意事項を説明する機能を有す
る。操作説明手段63の利用の有無は、設定により適宜
選択できるようになっている。
【0106】測定値記憶手段64は、本測定器による測
定値やその他の情報を記憶する手段であり、半導体記憶
素子としてRAM(ランダム・アクセス・メモリ)が好
ましく使用される。測定値記憶手段64は複数の測定を
記憶できるようになっていることが好ましい。測定値記
憶手段64は、測定値だけでなく、データ処理部52に
おいて処理される種々の情報も記憶できるようになって
いる。記憶させる情報は、設定により適宜制限される。
【0107】暗証番号登録手段65は、特定人物以外の
測定装置の使用と測定値の情報を制限する機能を有して
おり、これを備えていることにより使用者のプライバシ
ーを保護することが可能となる。暗証番号の設定は4桁
以上の数値もしくは英数字が、高い安全性を確保できる
点で好ましい。また暗証番号登録手段65は、複数の暗
証番号を登録できるものであることが望ましい。このよ
うにすれば複数の使用者のプライバシーを保護すること
が可能となる。本実施形態では4桁の暗証番号を入力し
ないと、すべての情報の入出力を行うことができないよ
うになっている。なお、暗証番号登録手段65の利用の
有無は設定により適宜変更できるようになっている。
【0108】メモ登録手段66は、メモを登録できるメ
モ登録手段と、登録したメモ群を呼び出すメモ項目手段
と、呼び出したメモ群から登録したいメモ項目を選択す
るメモ選択手段と、メモ選択手段で選択したメモを呼び
出すメモ呼び出し手段とを備えた構成とすることが好ま
しい。本実施形態ではこのような構成となっており、測
定者の情報として、例えば測定時の体重、血圧、体温を
メモ登録手段を用いて登録する。なお、メモ登録手段6
6の利用の有無は、設定により適宜変更できるようにな
っている。
【0109】動作報知手段67は、バイオセンサ50と
電気化学測定回路部51とデータ処理部52との間の配
線54が断線しているか、もしくは少なくとも一つが接
続されていない状態となっている場合に、このことを報
知する機能を有している。なお、動作報知手段67の利
用の有無は、設定により適宜変更できるようになってい
る。
【0110】較正時期報知手段68は、バイオセンサ5
0の較正時期を報知する手段である。バイオセンサを一
定程度使用すると較正が必要となるが、較正時期報知手
段68はこの較正時期を報知する機能を有している。較
正時期の判断は、測定時間または測定回数を基準に行う
ことができる。本実施形態では、設定により、これらの
両方もしくはいずれか一方を基準とすることができるよ
うになっている。
【0111】電極交換時期報知手段69は、バイオセン
サ50に含まれる電極の交換時期を報知する機能であ
る。交換時期の判断は、測定時間、測定回数、電池の電
圧低下等を基準に行うことができる。本実施形態では、
設定により、これらの全部もしくはいずれか一つを基準
とすることができるようになっている。
【0112】異常電流値報知手段70は、バイオセンサ
50、電気化学測定回路部51、データ処理部52およ
びこれらを接続する配線54に異常電流が流れ、測定不
能な状態に陥ったり、これらの一部が破損したことを報
知する手段である。
【0113】なお、動作報知手段67、較正時期報知手
段68、電極交換時期報知手段69、および異常電流値
報知手段70における「報知」は、たとえば前述したデ
ータ報知部を介して行われ、これにより所定の情報が測
定器の使用者に伝達される。
【0114】較正手段71は、初期使用時や較正時期に
おいて使用されるものであり、バイオセンサ50の較正
手順を説明するとともにバイオセンサ50を較正する機
能を有している。較正手順の説明等は、較正時期報知手
段68を介して行われる。
【0115】本実施形態の測定器を用いると、バイオセ
ンサの使用寿命や較正時期、測定器の操作手順等が表示
されるため、装置の取り扱いに不慣れな人でも、高い精
度の測定を容易に行うことができる。
【0116】本実施形態では、図6に示すように、バイ
オセンサ50、電気化学測定回路部51、データ処理部
52およびデータ報知部53が、配線54により接続さ
れた構成としたが、電気化学測定回路部51を設けずに
電気化学測定回路部51とデータ報知部53が直接に接
続した構成とすることもできる。このようにした場合、
バイオセンサ50から得られたアナログ信号がそのまま
データ報知部53に送られ、目盛と針を用いた表示方法
等により測定値が表示される。この場合、表示された値
を尿糖値や血糖値に換算する表等を添付すれば便利であ
る。
【0117】(第7の実施の形態)本実施形態は、図6
の測定器に、更に温度センサ56、pHセンサ57を具
備した測定器の一例を示すものである。以下、図8を参
照して説明する。
【0118】この測定器は、図8に示すように、バイオ
センサ50と、電気化学測定回路部51と、データ処理
部52と、データ報知部53と、温度センサ56と、p
Hセンサ57とが配線54で接続されている。
【0119】データ処理部52では温度センサ56とp
Hセンサ57からの電気信号を処理し、温度およびpH
を算出する。そして、データ処理部52において算出さ
れる測定試料中の特定成分の測定値が、温度およびpH
をもとに補正され、データ報知部53で表示される。
【0120】温度センサ56は、データ処理部52で処
理できる形式のデータを得ることができるものであれ
ば、特に限定されないが、熱電対温度計や抵抗温度計が
好ましい。温度センサ56は、測定試料の温度または測
定環境の温度を測定するものとする。測定試料の温度を
測定する場合は、たとえば参照電極を含むバイオセンサ
の設けられた基板上に温度センサ56を形成する。この
ようにすれば測定試料の温度を精度良く測定でき、測定
試料中の特定成分の測定にあたって正確に補正を行うこ
とができる。また、バイオセンサと独立した温度センサ
を備える構成とし、バイオセンサと温度センサ56を同
時に測定試料中に浸漬する方式とすることもできる。こ
のようにすれば、バイオセンサの交換の際に同時に温度
センサも交換する必要はなく、低コスト化を図ることが
できる。測定環境の温度を測定する場合は、バイオセン
サと独立した温度センサを備える構成とし、温度センサ
56を測定環境中に設置する。温度センサ56は、たと
えばデータ報知部53や電気化学測定回路部51の内部
に設置する。このようにすれば、測定環境が、測定可能
な温度条件内にあるかどうかを容易にチェックすること
が可能となる。
【0121】図15はバイオセンサの設けられた基板上
に温度センサ56を形成した測定器の一例を示すもので
ある。この測定器は、絶縁基板1上に作用極7、対極
8、および参照極9が形成され、併せて温度センサ56
が設けられている。作用極7、対極8、および温度セン
サ56の上には、結合層4、固定化酵素層10および制
限透過層11がこの順で形成されており、参照極9上に
は、結合層4、保護層3が形成されている。このような
構成とすれば、温度による測定値の補正を正確に行うこ
とができる。
【0122】pHセンサ57は、ガラス電極やイオン感
応性電界効果型トランジスターを好ましく用いることが
できるが、これらに限定されるものではない。pHセン
サ57の較正には、バイオセンサ50を構成する際に使
用する較正液中にpH指示薬を予め溶解したものを用い
ることができる。このようにすれば、バイオセンサ50
とpHセンサ57の較正を同時に行うことが可能とな
る。pH指示薬は通常のガラスpHメータに使用されて
いるシュウ酸塩溶液やフタル酸塩溶液が好ましい。
【0123】本実施形態の測定器を用いれば、温度範囲
およびpH範囲の広い測定試料中の特定成分を正確に測
定することが可能になる。測定した測定試料毎の温度、
pHを用いて、バイオセンサの測定値を補正できるから
である。
【0124】なお、本実施形態では温度センサ56およ
びpHセンサ57が、データ処理部52に接続した構成
をとっているが、これらが電気化学測定回路部51に接
続していてもよい。
【0125】(第8の実施の形態)本実施形態は、図8
の測定器に対し、データ処理部に接続された通信処理部
をさらに具備した構成とし、この通信処理部により、デ
ータ処理部で得られたデータが、測定器の外部に転送さ
れるようにしたものである。以下、図9を参照して説明
する。
【0126】本実施形態の測定器は、図9に示すよう
に、データ処理部52と通信処理部58とが配線54で
接続された構成となっている。通信処理部58は測定値
に関する情報を外部に伝達する手段である。通常モデム
が使用されるが、通信処理機能を有するものであれば限
定されない。伝達に使用される通信回線として、電話回
線、赤外線、無線等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。伝達される情報としては、データ処理
部52において処理される情報、データ報知部53で表
示される情報が挙げられる。例えばバイオセンサ50の
電流値、暗証番号、測定時刻、pH、温度、メモ内容、
データ処理部52で算出された測定値、バイオセンサ5
0の交換時期、バイオセンサ50の較正時期、バイオセ
ンサ50の動作確認および誤作動の確認、異常電流値、
データ処理部52の演算部によって処理された電気化学
測定回路部51からの信号が、通信処理部58によって
測定器の外部に伝達される。伝達先は、通信回線等を通
じて接続されたサーバーやコンピュータ等である。な
お、伝達される情報は、設定により、適宜選択すること
ができるようになっている。
【0127】本実施形態の測定器を用いれば、在宅で糖
尿病患者自身が自分の尿糖を測定し、電話回線を通じて
測定結果を病院等の医療機関に送信することが可能にな
る。その結果、医療機関から食事管理や運動管理等の適
切なアドバイスを受けられ、在宅で糖尿病患者の病態管
理が可能になる。さらに、バイオセンサの誤作動等のデ
ータも送ることができるため、例えば製造メーカから装
置の修理や保全といったサービスも適宜受けることも可
能になる。
【0128】(第9の実施の形態)本実施形態は、図9
の測定器に、更に印刷部59を具備した測定器の一例を
示すものである。以下、図10を参照して説明する。
【0129】本実施形態の測定器は、図10に示すよう
に、データ処理部52と印刷部59とが配線54で接続
された構成となっている。印刷部59は、感熱式、熱転
写式、ドットインパクト式、インクジェット式、レーザ
ビーム乾式であればよいが、特に限定されない。望まし
くは、低コストで構造の簡単な感熱式がよい。印刷部5
9と接続される配線54は、電線でなくとも、印刷部5
9を使用しないときの使用形態を考慮して、赤外線を用
いてもよい。印刷部59は、データ報知部53に表示さ
れるデータを印刷できればよいが、設定により、印刷す
るデータを限定することもできる。
【0130】本実施形態の測定器を用いれば、測定値等
のデータを紙に印刷して保存しておくことが可能になる
だけでなく、糖尿病患者が印刷機能を利用して測定結果
をプリントした用紙を病院に持っていき医師に結果を示
し、この測定結果を見た医師から適切なアドバイスを受
けることが可能になる。
【0131】(第10の実施の形態)本実施形態は、図
10の測定器に、更に外部記憶部55を具備した測定器
の一例を示すものである。以下、図11を参照して説明
する。
【0132】本実施形態の測定器は、図11に示すよう
に、データ処理部52と外部記憶部55とが配線54で
接続された構成となっている。外部記憶部55として
は、通常の記憶媒体を用いることができ、フロッピーデ
ィスク等の磁気記憶媒体や、メモリーカード等の半導体
記憶媒体、および光ディスク等の光記憶媒体が好ましく
用いられる。脱着が容易で、低価格で入手できるためで
ある。
【0133】本実施形態の測定器を用いれば、測定した
データを記憶媒体に保存することができるので、使用者
は、必要に応じて病院にこの記憶媒体を持参することが
できる。そして、病院の医師は記憶された測定データを
解析し、糖尿病患者等に適切な医療措置を施すことが可
能になる。また、大量の測定データを長期間保存するこ
とも可能になる。さらに、暗証番号によって管理するた
め、患者のプライバシーを守ることも可能になり、一台
の装置を複数人で使用することもできる。なお、記憶さ
せる内容は、設定により、適宜選択できるようになって
いる。
【0134】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。
【0135】(実施例1)まず、10mm×6mmの石
英基板上に面積1mm2の銀/塩化銀電極を形成したデ
バイスを、4個製作した。
【0136】次に、これらの銀/塩化銀電極の上に、そ
れぞれ異なる溶液をスピンコートして以下の(1)〜
(4)の参照電極を作製した。 (1)1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v
%アルブミン溶液をスピンコートしてアルブミン層を形
成した参照電極 (2)アセトンを用いて2w/v%に調製したアセチルセ
ルロース溶液をスピンコートしてアセチルセルロース層
を形成した参照電極 (3)パーフルオロヘキサンを用いて0.3重量%に調
整したメタクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエス
テル溶液をスピンコートしてメタクリル酸樹脂のポリフ
ルオロアルコールエステル層を形成した参照電極 (4)キシレンヘキサフロライドを用いて2.0重量%
に調整したアクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエ
ステル溶液をスピンコートしてアクリル酸樹脂のポリフ
ルオロアルコールエステル層を形成した参照電極 スピンコートの条件は、それぞれ3000rpm、30
秒間とした。スピンコートによる塗布後、乾燥を行い、
保護層を形成した。
【0137】グルタルアルデヒド、アルブミン、キシレ
ンヘキサフロライドおよびアセチルセルロースは和光純
薬工業(株)社製、アセトンは関東化学(株)社製のも
のを用いた。アクリル酸樹脂のポリフルオロアルコール
エステルは、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−
パーフルオロデシルを使用した。メタクリル酸樹脂のフ
ルオロアルコールエステルは住友スリーエム社製のフロ
ラード722を使用した。フロラード722は、ポリメ
タクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチルであり、
平均分子量(Mn)は約7000程度(GPC測定値)
である。希釈液であるパーフルオロヘキサンは、住友ス
リーエム社製のフロラード726を使用した。
【0138】これら4種類の参照電極は、150mM塩
化ナトリウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス(ハ
イドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフ
ォニックアシッド)緩衝液中で自然電位を測定して、連
続使用寿命を評価された。得られる自然電位が不安定に
なるまでの時間を連続使用寿命とした。
【0139】その結果、アルブミン層が形成されている
参照電極が約24時間、アセチルセルロース層が形成さ
れている参照電極が約26時間の連続使用寿命であった
のに対し、メタクリル酸樹脂のポリフルオロアルコール
エステル層が形成されている参照電極は約2000時間
以上、アクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエステ
ル層が形成されている参照電極は約2400時間以上の
使用寿命を示した。
【0140】(実施例2)まず、10mm×6mmの石
英基板上に面積1mm2の銀/塩化銀電極を形成したデ
バイスを、4個製作した。
【0141】次に、これらの銀/塩化銀電極の上に、そ
れぞれ異なる溶液をスピンコートして4種類の層を形成
し、以下の(1)〜(4)の参照電極を作製した。 (1)1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/v
%アルブミン溶液をスピンコートしてアルブミン層を形
成した参照電極 (2)アセトンを用いて2w/v%に調製したアセチルセ
ルロース溶液をスピンコートしてアセチルセルロース層
を形成した参照電極 (3)パーフルオロヘキサンを用いて0.3重量%に調
整したメタクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエス
テル溶液をスピンコートしてメタクリル酸樹脂のポリフ
ルオロアルコールエステル層を形成した参照電極 (4)キシレンヘキサフロライドを用いて2.0重量%
に調整したアクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエ
ステル溶液をスピンコートしてアクリル酸樹脂のポリフ
ルオロアルコールエステル層を形成した参照電極 スピンコートの条件は、それぞれ3000rpm、30
秒間とした。
【0142】グルタルアルデヒドは和光純薬工業(株)
社製であり、その他の試薬は実施例1と同様である。
【0143】これら4種類の参照電極は、150mM塩
化ナトリウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス(ハ
イドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフ
ォニックアシッド)緩衝液中で自然電位を測定して、連
続使用寿命を評価された。得られる自然電位が不安定に
なるまでの時間を連続使用寿命とした。
【0144】その結果、アルブミン層が形成されている
参照電極が約38時間、アセチルセルロース層が形成さ
れている参照電極が約48時間の連続使用寿命であった
のに対し、メタクリル酸樹脂のポリフルオロアルコール
エステル層が形成されている参照電極は約3400時間
以上、アクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエステ
ル層が形成されている参照電極も約3400時間以上の
使用寿命を示した。
【0145】(実施例3)10mm×6mmの石英基板
上に面積1mm2の銀/塩化銀電極を形成した後、その
上に、1v/v%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン溶液、さらにその上にパーフルオロヘキサンを用いて
0.3重量%に調整したメタクリル酸樹脂のポリフルオ
ロアルコールエステル溶液をスピンコートして、メタク
リル酸樹脂のポリフルオロアルコールエステル層を形成
した参照電極を製作した。スピンコートの条件はいずれ
も3000rpm、30秒間とした。用いた試薬は実施
例1と同様である。
【0146】製作した参照電極は、150mM塩化ナト
リウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス(ハイドロ
キシメチル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニッ
クアシッド)緩衝液中で過酸化水素の電流−電位特性を
測定して、得られるピーク電位を評価した。作用極およ
び対極は電極面積が4mm2の白金電極とした。また、
対照として既存のガラス参照電極(東亜電波工業(株)
社製GST−5422S)を用いて同様に評価した。得
られた電流−電位特性を図3に示す。図中の0〜4mM
の数値は、過酸化水素の濃度を示す。
【0147】その結果、本発明による参照電極の過酸化
水素に対するピークは約600mV付近に認められ、既
存の参照電極は約700mV付近にピーク示した。両者
の差である100mVは、ネルンストの式から計算され
る(−59.16mV/decade、Ee=E0+(R
T/nF)logao/ar)。すなわち、150mMお
よび3.3M塩化カリウムの濃度差の電位とほぼ一致し
た。また、過酸化水素に対する電流−電位特性は、前述
のピークのずれ以外は良く一致した。
【0148】(実施例4)10mm×6mmの石英基板
を2枚用意し、それぞれに面積1mm2の銀/塩化銀電
極を形成した。ついで、その上に1v/v%のγ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン溶液をスピンコートした。
スピンコートの条件は、それぞれ3000rpm、30
秒間とした。
【0149】次に、これらの上にそれぞれ異なる溶液を
スピンコートして以下の(1)、(2)の参照電極を作
製した。 (1)パーフルオロヘキサンを用いて0.3重量%に調
整したメタクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエス
テル溶液をスピンコートしてメタクリル酸樹脂のポリフ
ルオロアルコールエステル層を形成した参照電極 (2)キシレンヘキサフロライドを用いて2.0重量%
に調整したアクリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエ
ステル溶液をスピンコートしてアクリル酸樹脂のポリフ
ルオロアルコールエステル層を形成した参照電極 スピンコートの条件は、それぞれ3000rpm、30
秒間とした。用いた試薬は実施例1と同様である。
【0150】上記2種類の参照電極について、150m
M塩化ナトリウムを含むpH7のTES(エヌ・トリス
(ハイドロキシメチル)・メチル・2−アミノエタンサ
ルフォニックアシッド)緩衝液中で塩素イオン濃度に対
する自然電位の減少率を、ネルンストの式である−5
9.16mV/decadeと比較して評価した。
【0151】その結果、本発明による参照電極の自然電
位は、50〜500mMの塩素イオン濃度に対してメタ
クリル酸樹脂のポリフルオロアルコールエステルの参照
電極が−59.4mV/decade、アクリル酸樹脂
のポリフルオロアルコールエステルの参照電極が−5
9.0mV/decadeで減少し、ネルンストの式と
良く一致した。参照電極として正常に機能していること
が示された。
【0152】(実施例5)10mm×6mmの石英基板
上に面積1mm2の銀/塩化銀電極を形成したデバイスを
6個作製した。
【0153】次に、これらの銀/塩化銀電極上に、1v/v
%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン溶液をスピ
ンコートしてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン層
を形成し、続いて以下の(1)から(3)の参照電極を作製し
た。 (1) γ−アミノプロピルトリエトキシシラン層上に、
パーフルオロヘキサンを用いて0.3重量%に調整した
ポリメタクリル酸1H,1H-パーフルオロオクチル溶
液をスピンコートしてポリメタクリル酸1H,1H-パ
ーフルオロオクチルからなる保護層を形成した参照電
極。 (2) γ−アミノプロピルトリエトキシシラン層上に、
キシレンヘキサフロライドを用いて2重量%に調整した
ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
デシル溶液をスピンコートしてポリアクリル酸1H,1
H,2H,2H−パーフルオロデシルからなる保護層を
形成した参照電極。 (3) γ−アミノプロピルトリエトキシシラン層上に、
キシレンヘキサフロライドを用いて2重量%に調整した
ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
デシルと2重量%に調整したポリメタクリル酸シクロヘ
キシルとの混合溶液をスピンコートして、ポリメタクリ
ル酸シクロヘキシルおよびポリアクリル酸1H,1H,
2H,2H−パーフルオロデシルを含む保護層を形成し
た参照電極。
【0154】スピンコートの条件はすべて3000rp
m、30秒間とした。これら3種類の参照電極は別々
に、25℃と50℃で、150mMの塩化ナトリウムを含
むpH7のTES(エヌ・トリス(ハイドロキシメチル)・
メチル・2−アミノエタンサルフォニックアシッド)緩
衝液中で自然電位を測定して、連続使用寿命を評価し
た。得られる自然電位が不安定になるまでの時間を連続
使用寿命とした。
【0155】その結果、ポリメタクリル酸1H,1H-
パーフルオロオクチル層が形成されている参照電極は、
25℃で2000時間、50℃で10時間の使用寿命を
示した。ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パー
フルオロデシル層が形成されている参照電極は、25℃
で2400時間、50℃で1200時間の使用寿命を示
した。そして、ポリメタクリル酸シクロヘキシルを含む
ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオロ
デシル層が形成されている参照電極は、25℃で300
0時間、50℃で2800時間の使用寿命を示した。
【0156】(実施例6)本実施例は、図6の構成を有
する測定器の一例を示すものである。
【0157】はじめに本実施例に係る測定器のバイオセ
ンサ部の作製手順について説明する。まず10mm×6
mmの石英基板上に銀/塩化銀電極(面積1mm2)を
形成した。つづいて、全面に1v/v%のγ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を
形成した。そしてその上に、キシレンヘキサフロライド
を用いて2重量%に調整したポリアクリル酸1H,1
H,2H,2H−パーフルオロデシルと2重量%に調整
したポリメタクリル酸シクロヘキシルとの混合溶液をス
ピンコートして、ポリメタクリル酸シクロヘキシルを含
むポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフルオ
ロデシル層を形成した参照電極を製作した。スピンコー
トの条件はすべて3000rpm,30秒間とした。
【0158】つづいて、参照電極を形成した基板とは別
に10mm×6mmの石英基板を用意し、この上に白金
からなる作用極(面積7mm2)と対極(面積4mm2
を形成した後、全面に1v/v%のγ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン溶液をスピンコートして結合層を形成し
た。その後、56.5U/μlグルコース酸化酵素を含
み、かつ1v/v%のグルタルアルデヒドを含む22.5w/
v%のアルブミン溶液をスピンコートして固定化酵素層を
形成した。そしてその上に1.7重量%のアクリル酸樹
脂のポリフルオロアルコールエステル溶液をスピンコー
トして制限透過層を形成した。アクリル酸樹脂のポリフ
ルオロアルコールエステルは、ポリアクリル酸1H,1
H,2H,2H−パーフルオロデシルを使用した。希釈
液はキシレンヘキサフルオライドを使用した。スピンコ
ートの条件は3000rpm、30秒とした。
【0159】以上のようにして電極部を形成したバイオ
センサを用い、図6に示す構成の測定器を作製した。電
極部分とフレキシブル基板はワイヤーボンディングで結
線し、フレキシブル基板と電気化学測定回路部はピンジ
ャック型の電線を用いて接続した。
【0160】電気化学測定回路は、北斗電工社製のポテ
ンシオスタットHOKUTODENKOPOTENTIOSTAT/GALVANOSTATH
A150Gを使用した。データ処理装置は、日本電気(株)社
製のパーソナルコンピュータPC-9821RaII23を使用し
た。データ報知部53は、日本電気(株)社製のディスプ
レイPC-KP531を使用した。電気化学測定回路とデータ処
理装置とデータ報知部53とをピンジャック型の電線で
接続した。
【0161】続いて、本実施例の測定器の動作について
説明する。使用者は、上述のバイオセンサを150mMの塩
化ナトリウムを含むpH7の1mMTES(エヌ・トリス(ハ
イドロキシル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニ
ックアシッド)緩衝液中に浸漬し、次いで装置の電源を
入れた。すると、データ報知部に[時刻を設定します。
現在の時刻を入力して下さい。]と表示された。この表
示に基づいて使用者がキーを操作して現在の時刻を入力
すると、データ報知部に[現在の時刻が入力されまし
た。]と表示された。正確に時刻が入力されないと、再
度[時刻を設定します。現在の時刻を入力して下さ
い。]と表示されるようになっている。こうして、入力
された現在の時刻はデータ処理部内に保存される。
【0162】次に、データ報知部に[準備中です。しば
らくお待ち下さい。]と表示された。酵素電極から送ら
れてくる電流値が安定すると、データ報知部に[較正を
行います。電極を較正液に浸漬して下さい。]と表示さ
れた。この表示に基づいて、使用者は、バイオセンサを
200mg/dlグルコースの較正液に浸漬して較正を行った。
すると、データ報知部に[較正が正常に完了しました。
洗浄後、緩衝液に戻して下さい。]と表示された。正常
に較正されたか否かはデータ処理部が判断し、その結果
がデータ報知部に表示されるようになっている。較正が
正常に行われなかった場合は、[較正できません。電極
を洗浄し、再度、較正液に浸漬して下さい。]もしくは
[電極が壊れています。交換して下さい。]というメッ
セージが表示される。較正終了後、使用者は酵素電極を
緩衝液に浸漬し、測定の準備を整えた。較正が終了して
から10秒間以上、電極が緩衝液に戻されない場合に
は、警告音が発生するようになっている。
【0163】つづいて使用者は、データ報知部に表示さ
れた[測定開始]の項目を選択した。するとデータ報知
部には、[測定を開始します。電極を尿に浸漬して下さ
い。]というメッセージが表示された。この表示に基づ
いて使用者は、電極を尿に浸漬して測定を開始した。測
定を開始してから10秒後、データ報知部に[測定が正
常に完了しました。尿糖値は○○mg/dlです。]と表示
された。正常に測定が行われたか否かはデータ処理部が
判断し、その結果がデータ報知部に表示されるようにな
っている。較正が正常に行われなかった場合は、[測定
できません。電極を洗浄し、再度、尿に浸漬して下さ
い。]もしくは[電極が壊れています。交換して下さ
い。]というメッセージがデータ報知部に表示される。
【0164】測定完了後、データ報知部に[電極を洗浄
し、緩衝液に戻して下さい。]と表示された。測定終了
後10秒間以上電極が緩衝液に戻されない場合には、警
告音が発生するようになっている。その後、使用者はデ
ータ報知部の[測定終了]の項目を選択し、測定を終了
した。
【0165】本実施例の測定器は、測定すべき時刻を予
め設定しておくこともできる。設定した時刻になると、
報知音が発生するとともに、データ報知部に[測定を開
始します。電極を尿に浸漬して下さい。]というメッセ
ージが表示される。設定時刻は任意に設定でき、複数の
時刻を設定できるようになっている。
【0166】本実施例の測定器におけるデータ処理部へ
の入力に際しては、入力が受け入れられた場合と、入力
が受け入れられない場合に、報知音が発せられるように
なっている。報知音ではなく報知光を発するようにして
もよい。また、バイオセンサ、電気化学測定回路、デー
タ処理装置および電線間に異常電流が生じると、異常電
流報知手段によって[異常電流が検出されました。]と
データ報知部に表示される。この表示によって、装置の
破損を防ぐことができる。
【0167】さらに、バイオセンサ、電気化学測定回
路、データ処理装置は、いずれもピンジャック型の電線
で接続されているため、これらの間において脱着が容易
であり、必要に応じて交換が可能である。
【0168】以上のように本実施例の測定器を用いれ
ば、規則正しい時刻に測定を行うことができ、さらに操
作ミスが発生することなく、誰にでも簡単に扱うことが
可能になる。
【0169】(実施例7)本実施例は、図8に示す構成
を有する測定器の一例を示すものである。この測定器
は、図6の測定器に対し、さらに、pHセンサおよび温
度センサを付加したものとなっている。
【0170】温度センサおよびpHセンサとして、それ
ぞれ熱電対方式の温度センサとイオン感応性電界効果型
トランジスター方式のpHセンサを用いた。pHセン
サ、温度センサ、電気化学測定回路、データ処理装置、
およびデータ報知部は、それぞれ電線により接続した。
【0171】以下、本実施例の測定器の動作について説
明する。使用者はまず酵素電極を150mMの塩化ナトリウ
ムを含むpH7の1mMTES(エヌ・トリス(ハイドロキシ
ル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニックアシッ
ド)緩衝液中に浸漬してから装置の電源を入れた。約1
分後、酵素電極のベース電流値が安定化した。この状態
で酵素電極を200mg/dlグルコース標準液に浸漬し、酵素
電極の較正を行った。このグルコース標準液は、pH指
示薬も含まれているため、同時にpHセンサの較正も同
時に行うことができる。なお、電極の交換時を除き、酵
素電極が接続された状態で装置の電源は切られないよう
になっている。
【0172】つづいて使用者はデータ報知部に表示され
た[測定開始]の項目を選択した。すると[測定を開始
します。電極を尿に浸漬して下さい。]というメッセー
ジがデータ報知部に表示された。
【0173】この表示に基づいて使用者は、被験者とし
て2人の糖尿病患者の尿糖を続けて一回づつ測定した。
なお、測定の際にメモ登録手段を利用して、被験者の血
圧と体温を同時に入力した。その結果、1人目の患者が
酵素電極を尿中に浸漬して10秒後に、データ報知部に
[測定が正常に完了しました。尿糖値は80mg/dlで
す。]と表示され、同時に音声で[測定が正常に完了し
ました。尿糖値は80mg/dlです。]と表示された。続い
て約20秒後、2人目の患者が酵素電極を尿中に浸漬し
て10秒後に、データ報知部に[測定が正常に完了しま
した。尿糖値は180mg/dlです。]と表示され、同時に音
声で[測定が正常に完了しました。尿糖値は180mg/dlで
す。]と表示された。この時に既存の臨床検査装置(日
立自動分析装置7050、グルコースデヒドロゲナーゼ法)
との測定値の比較を行った結果、測定値はほぼ一致し、
高い相関を示した。
【0174】このように本実施例の測定器を用いること
により、2人の尿糖を連続測定することができた。ま
た、視力の衰えた人でも確実に自分の尿糖値を知ること
が可能であった。さらにメモ登録手段を利用して入力し
ておいた体温と血圧を呼び出し、尿糖値と比較すること
が可能になり、詳細な病態管理が可能になった。また、
得られた測定値に対して温度補正とpH補正を行ったた
め、既存の臨床検査装置に匹敵する高い測定精度の測定
を行うことができた。
【0175】(実施例8)本実施例は、図9に示す構成
を有する測定器の一例を示すものである。この測定器
は、図8の測定器に対し、さらに、通信処理部58を付
加したものとなっている。通信処理部58は、日本電気
(株)社製のモデム・ターミナルアダプタPC-IT65S1Pを使
用した。pHセンサ、温度センサ、電気化学測定回路、
データ処理装置、データ報知部、通信処理部の各部は、
いずれも電線により接続した。
【0176】この装置を用いて、1人の糖尿病患者の尿
糖を30日間、毎日2回(朝食後、夕食後、それぞれ2
時間後)連続して測定し、測定後のデータを電話回線を
利用して逐一、病院に送信した。
【0177】その結果、患者は尿糖の測定時間を遵守
し、病院は送られた尿糖値をもとにグラフ化して解析
し、適宜患者の病態管理を行うことができた。
【0178】(実施例9)本実施例は、図10に示す構
成を有する測定器の一例を示すものである。この測定器
は、図9の測定器に対し、さらに、印刷部59を付加し
たものとなっている。印刷部59としては、日本電気
(株)社製のレーザープリンタMultiwriter2000Xを使用し
た。データ処理装置と印刷部はプリンタケーブルPC-CA2
02で接続した。以下、本実施例の測定器を用いて測定を
行った結果について説明する。
【0179】この装置を用いて、100人の糖尿病患者
の尿糖を連続して測定した。較正は装置を立ち上げたと
きに一回のみ行った。同じ試料について既存の臨床検査
装置を用いた測定も行い、本実施例の測定器および既存
の臨床検査装置(日立自動分析装置7050、グルコースデ
ヒドロゲナーゼ法)の測定結果の比較を行った。その結
果、相関係数は0.96、回帰式はY=1.09X+8
8となった。本実施例の測定器によれば、臨床検査装置
と同等の測定精度が得られることが明らかになった。ま
た、本実施例の測定器を用いた場合の測定時間は、1サ
ンプル当たり90秒程度であり、迅速な測定が可能であ
った。さらに本実施例の測定器は、印刷部59を具備し
ているため、測定結果が速やかに印刷され、確認を行う
ことができた。患者は、測定値の印刷されたものを病院
に持ち込み、医師からのアドバイスを受けることもでき
た。
【0180】(実施例10)本実施例は、図11に示す
構成を有する測定器の一例を示すものである。この測定
器は、図10の測定器に対し、さらに、外部記憶部55
を付加したものとなっている。外部記憶部として、日本
電気(株)社製の3.5インチ光ディスクユニットPC-OD3
02Rを使用した。外部記憶装置とデータ処理部とは、電
線により接続した。以下、本実施例の測定器の動作につ
いて説明する。
【0181】使用者はまず酵素電極を150mMの塩化ナト
リウムを含むpH7の1mMTES(エヌ・トリス(ハイドロ
キシル)・メチル・2−アミノエタンサルフォニックア
シッド)緩衝液中に浸漬してから装置の電源を入れた。
約1分後、酵素電極のベース電流値が安定化した。この
状態で酵素電極を200mg/dlグルコース標準液に浸漬し、
酵素電極の較正を行った。
【0182】つづいて使用者は、データ報知部に表示さ
れた[測定人数の入力]の項目を選択し、[測定人数を
入力して下さい。]と表示させた。この表示に基づいて
使用者が測定する人数を入力すると、データ報知部に
[○人の測定を行います。(はい、Y/いいえ、N)]と
表示された。[はい、Y]が選択されると、[○人の測
定が可能です。]と表示された。[いいえ、N]であれ
ば、再度、[測定人数入力して下さい。]と表示され、
[はい、Y]が選択されるまで上記手順が繰り返され
る。
【0183】次に使用者は、データ報知部に表示された
[暗証番号]の項目を選択し、次いで[暗証番号の登
録]を選択した。データ処理部は暗唱番号入力ボタンが
押されたことを認識して、データ報知部に[暗唱番号を
登録します。4桁の番号を入力して下さい。]と表示さ
せる。この表示に基づいて使用者がキーを操作して4桁
の番号を入力すると、データ報知部に[同じ暗証番号を
入力して下さい。]と表示された。使用者が再度同じ番
号を入力すると、[暗証番号を受け付けました。]と表
示された。暗証番号の登録は測定人分登録される。こう
して、登録した暗証番号はデータ処理部内のメモリに保
存される。
【0184】次に、データ報知部に[測定を開始しま
す。暗証番号を入力してから、電極を尿に浸漬して下さ
い。]と表示された。この表示に基づいて使用者は、暗
証番号を入力してから、電極を尿に浸漬して測定を開始
した。すると、データ報知部に[測定が正常に完了しま
した。尿糖値は○○mg/dlです。]と表示された。測定
が正常に行われなかった場合には、[測定できません。
電極を洗浄し、再度、尿に浸漬して下さい。]もしくは
[電極が壊れています。交換して下さい。]と表示され
るようになっている。また、正しい暗証番号が入力され
ないと、再度[測定を開始します。暗証番号を入力して
から、電極を尿に浸漬して下さい。]と表示される。ま
た、3回連続して暗証番号が一致しないと、前回までの
測定データはすべて消去され、初期設定に戻るようにな
っている。
【0185】測定が正常に完了した後、データ報知部に
[電極を洗浄し、緩衝液に戻して下さい。]と表示され
た。
【0186】次に使用者はデータ報知部の[メモ登録]
を選択し、[メモを登録しますか。(はい、Y/いい
え、N)]と表示させた。[Y]を選択すると、[暗証番
号を入力して下さい]と表示された。暗証番号を入力し
てから、メモ内容を入力すると、データ報知部に[メモ
を登録しますか。(はい、Y/いいえ、N)]と表示され
た。[Y]を入力し、メモを入力すると、再度[メモを
登録しますか。(はい、Y/いいえ、N)]と表示され
た。使用者は[Y]を入力し、メモの登録を行った。こ
れらの入力をやめるときには[N]を入力すればよい。
また、登録したメモを呼び出したり、修正したり、消去
するときには、[暗証番号を入力後、メモ番号を指定し
て下さい。]と表示される。この表示に基づいて使用者
は暗証番号を入力すると、メモを呼び出したり、修正し
たり、消去することができる。暗証番号が正しく入力さ
れない場合には[暗証番号が一致しません。再度暗証番
号を入力して下さい。]と表示される。3回連続して暗
証番号が一致しないと、前回までのメモ内容はすべて消
去され、初期設定にもどる。
【0187】次に、本実施例の測定器を用いて測定を行
った結果について説明する。本実施例の測定器を用い
て、2人の糖尿病患者の尿糖を1日2回、一週間、繰り
返して測定した。較正は装置を立ち上げたときに一回の
み行った。同じ試料について既存の臨床検査装置(日立
自動分析装置7050、グルコースデヒドロゲナーゼ法)を
用いた測定も行い、本実施例の測定器および既存の臨床
検査装置の測定結果の比較を行った。その結果、相関係
数は0.955(n=28)となった。本実施例の測定器に
よれば、臨床検査装置と同等の測定精度が得られること
が明らかになった。また、メモ機能を利用して患者名を
入力していたため、測定値のデータを取り違えることも
無く、さらに、暗証番号で管理されているため、測定時
のプライバシーを守ることも可能であった。また、測定
データを棒グラフで表示することもできた。さらに、デ
ータが記憶されている光ディスクは、携帯可能であるた
め、別のパソコンでデータの管理を行ったり、データの
解析を行うこともできた。
【0188】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の参照電極
およびこれを用いたバイオセンサは、電極上に、特定の
構造を有するポリマーから主としてなる保護層を備えて
いるため、以下のような効果を奏する。
【0189】第1の効果は、使用寿命および使用時の安
定性が著しく増加することである。これは、電極が保護
層で覆われ、電極を構成する金属材料が電解液に溶出す
ること等が防止されることによる。たとえば、電極を銀
/塩化銀電極とした場合、塩化銀の解離や銀イオンの溶
出が抑えられる。
【0190】第2の効果は、参照電極表面に汚染物質が
付着し難くなり、長期使用した場合にも安定した感度が
得られることである。その理由は、汚染物質の付着し難
い特定の構造を有するポリマーを主成分とする保護層を
備えているためである。
【0191】第3の効果は、参照電極やバイオセンサを
従来よりも小型化することができ、また、これらの形状
に対する製造上の制約を従来よりも少なくできるという
ことである。その理由は、電極内部に塩化カリウム溶液
や、溶液をためておくスペース、溶液の注入口および液
絡部等を必要とせず、一定濃度の塩素イオンが存在する
だけで作動するためである。
【0192】第4の効果は、大量に、しかも低コストで
生産が可能になることである。その理由は、主たる製造
工程が、スパッタリング法等による電極の作製と、スピ
ンコート法による保護層等の形成とからなっており、既
存の半導体製造工程の大部分を流用することが可能なた
めである。
【0193】第5の効果は、参照電極の強度が向上する
ため、取り扱いが容易になることである。本発明の参照
電極表面に形成される保護層は、強度が高く、かつ、電
極等との密着性に優れた特定の構造を有するポリマーを
主成分とするからである。
【0194】また、本発明のバイオセンサを、尿中のグ
ルコース(尿糖)を測定する尿糖センサとして用いれ
ば、従来のセンサでは不可能であった、尿糖値が正常範
囲内にある人や、糖尿病予備軍に該当する人の尿糖を測
定することが可能となり、糖尿病の予防に役立つデータ
収集が可能となる。
【0195】また、本発明の酵素電極の製造方法は、特
定構造のポリマー成分を含む液を塗布・乾燥することに
より保護層を形成するため、繰り返し測定時における安
定性、隣接する層との密着性、耐久性等にすぐれる保護
層を、膜厚制御性良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参照電極の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の参照電極の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の参照電極の特性を示す図である。
【図4】従来技術のバイオセンサ(尿糖センサ)の正面
図および断面図である。
【図5】本発明のバイオセンサ(尿糖センサ)の概略構
造を示す図である。
【図6】本発明の測定器の構成の一例を示す図である。
【図7】本発明の測定器に含まれるデータ処理部の構成
の一例を示す図である。
【図8】本発明の測定器の構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の測定器の構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の測定器の構成の一例を示す図であ
る。
【図11】本発明の測定器の構成の一例を示す図であ
る。
【図12】本発明のバイオセンサの構成の一例を示す図
である。
【図13】本発明のバイオセンサの構成の一例を示す図
である。
【図14】本発明のバイオセンサの構成の一例を示す図
である。
【図15】本発明のバイオセンサの構成の一例を示す図
である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 電極 3 保護層 4 結合層 8 対極 9 参照極 10 固定化酵素層 11 制限透過層 40 アノード電極 41 開口 42B リード線 43 カソード電極 48A パッド 48B パッド 49 ガラス基板 50 バイオセンサ 51 電気化学測定回路部 52 データ処理部 53 データ報知部 54 配線 55 外部記憶部 56 温度センサ 57 pHセンサ 58 通信処理部 60 計時手段 61 時刻設定手段 62 時刻報知手段 63 操作説明手段 64 測定値記憶手段 65 暗証番号登録手段 66 メモ登録手段 67 動作報知手段 68 較正時期報知手段 69 電極交換時期報知手段 70 異常電流値報知手段 71 較正手段 P11 ポリイミド層 P12 ポリイミド層 K カソード膜 M アノード膜 S 銀層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/27 G01N 27/30 353J 27/416 353U 27/46 B 336C

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に設けられた電極と、該電極
    を覆うように形成された保護層とを有し、該保護層は、
    フッ素を含まないビニル系重合体に対し、少なくともフ
    ルオロアルキレンブロックを含有するペンダント基が結
    合したポリマーから主としてなることを特徴とする参照
    電極。
  2. 【請求項2】 前記ビニル系重合体は、不飽和炭化水
    素、不飽和カルボン酸、および不飽和アルコールからな
    る群より選ばれた一種以上のモノマーの単独重合体また
    は共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の参
    照電極。
  3. 【請求項3】 前記ビニル系重合体は、ポリカルボン酸
    であることを特徴とする請求項1に記載の参照電極。
  4. 【請求項4】 前記ビニル系重合体に対し前記フルオロ
    アルキレンブロックがエステル基を介して結合したこと
    を特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の参照電
    極。
  5. 【請求項5】 前記ペンダント基中に含まれるフッ素原
    子数をx、前記ペンダント基中に含まれる水素原子数を
    yとしたときに、x/(x+y)で表される前記ペンダ
    ント基のフッ素含有率が、0.3〜1であることを特徴
    とする請求項1乃至4いずれかに記載の参照電極。
  6. 【請求項6】 前記ペンダント基の炭素数が3〜15で
    あることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の
    参照電極。
  7. 【請求項7】 前記ポリマーの分子量が、1000〜5
    0000である請求項1乃至6いずれかに記載の参照電
    極。
  8. 【請求項8】 絶縁基板上に設けられた電極と、該電極
    を覆うように形成された保護層とを有し、該保護層は、
    ポリカルボン酸(A)のフルオロアルコールエステルか
    ら主としてなることを特徴とする参照電極。
  9. 【請求項9】 絶縁基板上に設けられた電極と、該電極
    を覆うように形成された保護層とを有し、該保護層は、
    ポリカルボン酸(A)のフルオロアルコールエステル
    と、ポリカルボン酸(B)のアルキルアルコールエステ
    ルとを含んでなることを特徴とする参照電極。
  10. 【請求項10】 前記ポリカルボン酸(B)が、ポリメ
    タクリル酸、ポリアクリル酸、またはアクリル酸とメタ
    クリル酸の共重合体であることを特徴とする請求項9に
    記載の参照電極。
  11. 【請求項11】 前記ポリカルボン酸(B)のアルキル
    アルコールエステルは、ポリカルボン酸(B)のカルボ
    キシル基の少なくとも一部が、炭素数2〜10のアルキ
    ルアルコールによりエステル化されてなるエステル化合
    物であることを特徴とする請求項9または10に記載の
    参照電極。
  12. 【請求項12】 前記ポリカルボン酸(B)のアルキル
    アルコールエステルは、ポリメタクリル酸シクロヘキシ
    ルであることを特徴とする請求項11に記載の参照電
    極。
  13. 【請求項13】 前記ポリカルボン酸(A)が、ポリメ
    タクリル酸、ポリアクリル酸、またはアクリル酸とメタ
    クリル酸の共重合体であることを特徴とする請求項8乃
    至12いずれかに記載の参照電極。
  14. 【請求項14】 前記ポリカルボン酸(A)のフルオロ
    アルコールエステルに含まれるフルオロアルコールエス
    テル基中のフッ素原子数をx、水素原子数をyとしたと
    きに、x/(x+y)で表される前記フルオロアルコー
    ルエステル基のフッ素含有率が、0.3〜1であること
    を特徴とする請求項8乃至13いずれかに記載の参照電
    極。
  15. 【請求項15】 前記ポリカルボン酸(A)のフルオロ
    アルコールエステルに含まれるフルオロアルコールエス
    テル基を構成するフルオロアルコールの炭素数が3〜1
    5であることを特徴とする請求項8乃至14いずれかに
    記載の参照電極。
  16. 【請求項16】 前記ポリカルボン酸(A)のフルオロ
    アルコールエステルに含まれるフルオロアルコールエス
    テル基を構成するフルオロアルコールは、一級アルコー
    ルであることを特徴とする請求項8乃至15いずれかに
    記載の参照電極。
  17. 【請求項17】 前記ポリカルボン酸(A)のフルオロ
    アルコールエステルは、ポリメタクリル酸1H,1H−
    パーフルオロオクチルであることを特徴とする請求項1
    6に記載の参照電極。
  18. 【請求項18】 前記ポリカルボン酸(A)のフルオロ
    アルコールエステルは、ポリアクリル酸1H,1H,2
    H,2H−パーフルオロデシルであることを特徴とする
    請求項16に記載の参照電極。
  19. 【請求項19】 前記ポリカルボン酸(A)のフルオロ
    アルコールエステルの分子量が、1000〜50000
    である請求項8乃至18いずれかに記載の参照電極。
  20. 【請求項20】 絶縁基板上に設けられた電極と、該電
    極を覆うように形成された保護層とを有し、該保護層
    は、アルキルアルコールエステル基およびフルオロアル
    コールエステル基を有するポリカルボン酸エステル化合
    物から主としてなることを特徴とする参照電極。
  21. 【請求項21】 前記フルオロアルコールエステル基中
    のフッ素原子数をx、水素原子数をyとしたときに、x
    /(x+y)で表される前記フルオロアルコールエステ
    ル基のフッ素含有率が、0.3〜1であることを特徴と
    する請求項20に記載の参照電極。
  22. 【請求項22】 前記フルオロアルコールエステル基を
    構成するフルオロアルコールの炭素数が3〜15である
    ことを特徴とする請求項20または21に記載の参照電
    極。
  23. 【請求項23】 前記フルオロアルコールエステル基を
    構成するフルオロアルコールは、一級アルコールである
    ことを特徴とする請求項20乃至22いずれかに記載の
    参照電極。
  24. 【請求項24】 前記フルオロアルコールエステル基
    は、ポリメタクリル酸1H,1H−パーフルオロオクチ
    ルであることを特徴とする請求項23に記載の参照電
    極。
  25. 【請求項25】 前記フルオロアルコールエステル基
    は、ポリアクリル酸1H,1H,2H,2H−パーフル
    オロデシル基であることを特徴とする請求項23に記載
    の参照電極。
  26. 【請求項26】 前記アルキルアルコールエステル基の
    炭素数が2〜10であることを特徴とする請求項20乃
    至25いずれかに記載の参照電極。
  27. 【請求項27】 前記アルキルアルコールエステル基
    は、ポリメタクリル酸シクロヘキシルであることを特徴
    とする請求項26に記載の参照電極。
  28. 【請求項28】 前記電極が、銀/塩化銀電極である請
    求項1乃至27いずれかに記載の参照電極。
  29. 【請求項29】 前記銀/塩化銀電極が、チタン、銀、
    および塩化銀がこの順に設けられた積層体、またはチタ
    ン、白金、銀、および塩化銀がこの順に設けられた積層
    体からなることを特徴とする請求項28に記載の参照電
    極。
  30. 【請求項30】 前記保護層の厚みが、0.01〜3μ
    mである請求項1乃至29いずれかに記載の参照電極。
  31. 【請求項31】 前記電極と前記保護層との間に、シラ
    ンカップリング剤から主としてなる結合層を有すること
    を特徴とする請求項1乃至30いずれかに記載の参照電
    極。
  32. 【請求項32】 請求項1乃至31いずれかに記載の参
    照電極を備えたことを特徴とするバイオセンサ。
  33. 【請求項33】 尿中のグルコースの測定に使用される
    ことを特徴とする請求項32に記載のバイオセンサ。
  34. 【請求項34】 請求項32または33に記載のバイオ
    センサと、該バイオセンサから得られた電気信号を報知
    するデータ報知部とを有してなることを特徴とする測定
    器。
  35. 【請求項35】 請求項32または33に記載のバイオ
    センサと、該バイオセンサから電気信号を得る電気化学
    測定回路部と、該電気信号をもとに測定値を算出するデ
    ータ処理部と、該測定値を報知するデータ報知部とを有
    してなることを特徴とする測定器。
  36. 【請求項36】 前記データ処理部は、(a)計時手
    段、(b)測定時刻を設定する時刻設定手段および該時
    刻設定手段で設定した時刻になったことを報知する時刻
    報知手段、(c)測定器の操作方法を説明する操作説明
    手段、(d)算出した測定値を記憶する測定値記憶手
    段、(e)測定器の使用者の暗証番号を登録する暗証番
    号登録手段、(f)メモを登録するメモ登録手段、
    (g)測定器の誤作動を検出する動作報知手段、(h)
    前記バイオセンサの較正時期を検出し報知する較正時期
    報知手段、(i)前記バイオセンサの電極部分の交換時
    期を検出し報知する電極交換時期報知手段、(j)異常
    電流値を検出し報知する異常電流値報知手段、および
    (k)前記バイオセンサの較正を行う較正手段のうち、
    一部または全部を含むことを特徴とする請求項35に記
    載の測定器。
  37. 【請求項37】 前記データ報知部は、前記データ処理
    部により算出された測定値のほか、さらに、(a)〜
    (k)のうち一または二以上の手段により得られた処理
    結果を報知することを特徴とする請求項36に記載の測
    定器。
  38. 【請求項38】 前記時刻設定手段で設定できる時刻が
    複数であることを特徴とする請求項36または37に記
    載の測定器。
  39. 【請求項39】 前記暗証番号登録手段は複数の暗証番
    号を登録できることを特徴とする請求項36乃至38い
    ずれかに記載の測定器。
  40. 【請求項40】 前記測定値記憶手段は複数の測定値を
    記憶できることを特徴とする請求項36乃至39いずれ
    かに記載の測定器。
  41. 【請求項41】 前記メモ登録手段は、予め登録したメ
    モ群を呼び出すメモ項目手段と、呼び出したメモ群から
    登録したいメモ項目を選択するメモ選択手段と、メモ選
    択手段で選択したメモを呼び出すメモ呼び出し手段とを
    備え、登録できるメモが複数であることを特徴とする請
    求項36乃至40いずれかに記載の測定器。
  42. 【請求項42】 温度センサをさらに有し、該温度セン
    サで測定された、測定試料または測定環境の温度を用い
    て、前記測定値が補正されることを特徴とする請求項3
    6乃至41いずれかに記載の測定器。
  43. 【請求項43】 pHセンサをさらに有し、該pHセン
    サで測定された測定試料のpH値を用いて前記測定値が
    補正されることを特徴とする請求項36乃至42いずれ
    かに記載の測定器。
  44. 【請求項44】 前記データ処理部に接続された通信処
    理部をさらに有し、該通信処理部により、前記データ処
    理部で得られたデータが、測定器の外部に転送されるこ
    とを特徴とする請求項36乃至43いずれかに記載の測
    定器。
  45. 【請求項45】 前記データ処理部に接続された印刷部
    をさらに有し、該印刷部により、前記データ処理部で得
    られたデータが印刷されることを特徴とする請求項36
    乃至44いずれかに記載の測定器。
  46. 【請求項46】 前記データ処理部に接続された外部記
    憶部をさらに有し、該外部記憶部により、前記データ処
    理部で得られたデータが保存されることを特徴とする請
    求項36乃至45いずれかに記載の測定器。
  47. 【請求項47】 前記外部記憶部は、脱着可能な記憶媒
    体を利用するものであることを特徴とする請求項46に
    記載の測定器。
  48. 【請求項48】 前記記憶媒体が、半導体記憶媒体、磁
    気記憶媒体、または光学的記憶媒体であることを特徴と
    する請求項47に記載の測定器。
  49. 【請求項49】 前記データ報知部の報知方法が、デジ
    タル数値、アナログ数値、図形、音声、音、振動、熱、
    または光であることを特徴とする請求項34乃至48い
    ずれかに記載の測定器。
  50. 【請求項50】 前記バイオセンサが着脱自在に設けら
    れたことを特徴とする請求項34乃至49いずれかに記
    載の記載の測定器。
  51. 【請求項51】 絶縁基板上に電極を形成する工程と、
    該電極に直接、または他の層を介して、フッ素を含まな
    いビニル系重合体に対し少なくともフルオロアルキレン
    ブロックを含有するペンダント基が結合したポリマーを
    含む液を塗布した後、乾燥させ、保護層を形成する工程
    とを含むことを特徴とする参照電極の製造方法。
  52. 【請求項52】 前記電極を形成した後、シランカップ
    リング剤から主としてなる結合層を形成し、次いで前記
    保護層を形成することを特徴とする請求項51に記載の
    参照電極の製造方法。
  53. 【請求項53】 前記ポリマーを含む液をスピンコート
    法により塗布することを特徴とする請求項51または5
    2に記載の参照電極の製造方法。
  54. 【請求項54】 ディップ法により前記ポリマーを含む
    液を塗布した後、窒素ガスを吹き付けながら乾燥を行う
    ことを特徴とする請求項51または52に記載の参照電
    極の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記保護層の厚みを、乾燥後において
    0.01〜3μmとすることを特徴とする請求項51乃
    至54いずれかに記載の参照電極の製造方法。
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