JP2000146837A - 被検物保持装置及び屈折率分布測定装置 - Google Patents

被検物保持装置及び屈折率分布測定装置

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JP2000146837A JP10331928A JP33192898A JP2000146837A JP 2000146837 A JP2000146837 A JP 2000146837A JP 10331928 A JP10331928 A JP 10331928A JP 33192898 A JP33192898 A JP 33192898A JP 2000146837 A JP2000146837 A JP 2000146837A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率が被検物とほぼ等しい試液内に被検物
を保持し、被検物の屈折率の分布を測定する装置におい
て、試液の温度を一定に制御することができる被検物保
持装置を提供する。 【解決手段】 屈折率が被検物とほぼ等しい試液内Bに
被検物Aを保持するとともに相互に平行な入射窓25と
射出窓27とを有するセル21と、該セル21の外側に
設けられセルの少なくとも一部を液体Cに浸す容器31
と、上記セル21内の被検物Aを光軸と直交する軸周り
に回転自在に保持する支持手段23と、上記支持手段を
回転させる駆動手段302と、上記液体を上記容器内と
の間で循環させる循環装置304と、上記容器の外周を
覆う断熱部材42と、を有する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干渉縞の解析によ
り被検物の屈折率分布を3次元的に測定する技術に関
し、特に、被検物を屈折率がほぼ等しい試液内に保持す
る被検物保持装置と、この被検物保持装置を用いた屈折
率分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザプリンタやカメラなどの光
学機器に使用される光学レンズの材料としてプラスチッ
クを用いることが多くなっている。プラスチック成形レ
ンズはガラス研磨レンズに比較して、コスト低減や非球
面レンズの製作性に優れ、安価であるというメリットが
ある。
【0003】しかし、その反面、ガラスレンズに比べ製
造上、屈折率分布が不安定でレンズの内部に不均一性を
生じることがある。レンズ内部に不均一性があると、光
学特性に大きな影響を及ぼし、画質の劣化やボケといっ
た原因につながる。従って、レンズ内部の屈折率分布を
高精度に測定し、光学レンズの均質性を評価する必要が
ある。
【0004】そこで、本発明の出願人は、先願の特願平
6−203502号において、被検物を試液中に浸した
状態で光軸と直交する軸を中心に回転させ、複数の回転
角位置の各々で干渉縞の解析を行い、これらの干渉縞か
ら透過波面量を算出し、これを一次フーリエ変換し、さ
らに、二次元逆フーリエ変換を行って屈折率の分布を求
める方法を提案した。
【0005】図7を用いて具体的に説明する。同図の装
置は、マハツェンダ型の干渉計を基本構成としており、
可干渉光としてのレーザ光を射出する光源1と、ビーム
エキスパンダ3と、光束分割用のビームスプリッタ5
と、2つの反射ミラー7、9と、光束重畳用のビームス
プリッタ11と、結像レンズ13と、CCDなどからな
る干渉縞検出器15と、高速画像処理装置、マイクロコ
ンピュータなどからなる演算処理装置17とを備えてい
る。以上の構成のうち、光源1から結像レンズ13まで
で、干渉計を構成している。
【0006】光源1より出射するレーザ光は、ビームエ
キスパンダ3によって光束径を拡大され、ビームスプリ
ッタ5によってこれを直進して参照波aとなるレーザ光
束と、直角に屈折して被検物Aとしての位相物体を透過
する被検波bとなるもう一つのレーザ光束とに分割され
る。参照波aと被検波bとは、ほぼ1:1となるように
なっている。
【0007】反射ミラー7は、ピエゾ素子などによる電
気−変位変換素子19により支持され、位相シフト法に
よる干渉縞解析を行うために、参照波aの光路長を波長
以下のオーダで変更できるものである。
【0008】参照波aは反射ミラー7で反射され、ビー
ムスプリッタ11に達し、他方の被検波bは、被検物A
を透過して反射ミラー9で反射され、ビームスプリッタ
11に達して参照波aと重なり合うが、電気−変位変換
素子19により参照波aと被検波bとの光路長には、n
π/2の位相の差ができるように調整される。
【0009】参照波aと被検波bは重畳され、ビームス
プリッタ11から射出されて結像レンズ13に入射し、
干渉縞検出器15の撮像面に干渉縞を結像する。干渉縞
検出器15にはリニアCCDやアレイ状のセンサを用い
る。
【0010】被検物Aの屈折率は空気の屈折率とはかな
り相違しており、被検物の入射面と射出面とが平行でな
い限り、被検物Aを透過した被検波bは、不規則に収束
・発散する。一方、干渉計で干渉縞を結像させるには、
被検波bは、ほぼ平行な光束となっていなければならな
い。そこで、被検物Aがどのような形状であっても、被
検物Aを透過した被検波bがほぼ平行光束になるため
に、次のような構成としている。
【0011】すなわち、被検物Aは、被検波bの光路の
途中に設けられた容器状のセル21内に設置する。セル
21内には、その屈折率が被検物Aの屈折率とほぼ同一
に調合された試液Bを満たしてある。なお、被検物A
は、支持手段23に把持され、支持手段23は、図示し
ないサーボモータなどにより、被検波bに対して直交す
る軸を中心に任意の角度だけ回転自在である。セル21
の両端、すなわち、被検波bの入射窓25と射出窓27
は互いに平行で、かつ、それぞれに面精度が高いオプチ
カルフラット28,29を取り付けて液密にシールドし
ている。したがって、被検物Aと試液Bで充填されたセ
ル21は、全体として均一な屈折率の物体となり、か
つ、入射面と射出面とが平行なので、セル21内を透過
した被検波bは、ほぼ平行な光束となって射出されるよ
うになる。
【0012】干渉縞像は、干渉縞検出器15で検出さ
れ、光電変換されて電気的な画像信号となり、A/D変
換器20によってA/D変換された後、演算装置17に
入力される。なお、演算装置17は、位相シフト法など
による干渉縞像の解析によって透過波面の計測演算を行
う透過波面計測部18を含んでいる。
【0013】次に上述の構成よりなる測定装置を利用し
て被検物Aの屈折率を計測する方法を説明する。まず、
被検物Aを支持手段23にセットしない状態で、干渉縞
検出器15が出力する干渉縞像の画像信号を演算処理装
置17に取り込んで演算処理装置内部の透過波面計測部
18により干渉縞像の解析を行い、初期状態の透過波面
の計測をする。この計測結果に基づいて測定装置自身の
定常的な誤差成分を排除する初期処理を行う。
【0014】次に、支持手段23に被検物Aをセット
し、支持手段23がθ=0の位置(基準となる位置)で
干渉縞検出器15の撮像面に干渉縞を結像し、干渉縞検
出器15が出力する干渉縞像の画像信号を演算処理装置
17に取り込んで干渉縞像の解析を行う。
【0015】支持手段23が初期回転位置にある透過波
面の計測では、干渉縞像の解析結果は被検物Aの厚み方
向(光軸方向)に積算されており、これだけでは屈折率
の不均一部分の空間的な位置を特定することができな
い。
【0016】そこで、支持手段23を初期回転位置よ
り、矢印に示すように、所定角度回転させ、支持手段2
3上の被検物Aを被検波bの光軸に対して変化させる。
このように被検物Aが回転変位しても干渉縞像は干渉縞
検出器15の撮像面に結像する。この状態下にて干渉縞
検出器15が出力する干渉縞像の画像信号を演算処理装
置17に取り込んで透過波面の計測をする。こうしてた
とえば、1゜刻みで180゜(π)あるいは360゜
(2π)の方向から複数回に渡って干渉縞を形成し、こ
の透過波面を計測して、コンピュータ、すなわち、演算
処理装置17上で再合成する。この画像の再構成は、公
知のX線CT(Computed Tomograph
y)解析の手法を用いて行うことができる。
【0017】図8はCT法の原理を示すものであり、角
度θから入射した被検波による透過波面のデータp
(x,θ)を変数xについて一次元フーリエ変換すれ
ば、求めるべき屈折率の分布Δn(x,y)の二次元フ
ーリエ変換の極座標表現におけるθ方向成分が得られ
る。
【0018】すなわち、0≦θ≦2π又は0≦θ≦πの
角度範囲にわたって透過波面を計測し、その透過波面デ
ータを一次元フーリエ変換し、フーリエ変換された各断
面の極座標データP(x,θ)を直交座標データに変換
し、その後二次元逆フーリエ変換し、さらに屈折率に変
換する、ことにより被検物Aの三次元屈折率分布を再構
成することができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の屈折
率分布測定方法によれば、被検物Aとしての位相物体を
浸す試液Bは、装置のまわりの空気やレーザによる発熱
などの影響を受け、その温度が徐々に上昇する。そし
て、温度が変化すれば試液Bの屈折率も変化する。この
とき、温度変化が小さければ屈折率の変化も小さく、引
き続いて干渉縞の測定も可能である。しかし、温度変化
が大きくなると、屈折率の変化が大きくなり、被検物を
透過した被検波bの平行度が乱れ、干渉縞の結像が困難
になる。
【0020】したがって、測定中の試液Bの温度変化を
一定の範囲内に制御し、試液の屈折率と被検物の屈折率
の差を小さく保てるようにすることが重要である。でき
れば、測定中の試液の温度を一定に保っておきたい。し
かし、上記の熱源は、装置に不可欠のものでもあり、試
液の温度変化を一定の範囲内に保つこととは二律背反の
関係になる。本発明は、上記の事実から考えられたもの
で、試液の温度を一定に制御することができる被検物保
持装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の被検物保持装置は、屈折率が被検物とほぼ
等しい試液内に被検物を保持するとともに相互に平行な
入射窓と射出窓とを有するセルと、該セルの外側に設け
られセルの少なくとも一部を液体に浸す容器と、上記セ
ル内の被検物を光軸と直交する軸周りに回転自在に保持
する支持手段と、上記支持手段を回転させる駆動手段
と、上記液体を上記容器内との間で循環させる循環装置
と、上記容器の外周を覆う断熱部材と、を有することを
特徴としている。
【0022】また、上記循環装置が、上記液体の温度調
節をする熱交換機を有する構成としたり、上記断熱部材
が、上記入射窓と射出窓とを通過する光束が遮蔽されな
いように容器を覆う構成としたり、上記循環装置が、上
記容器と管路で接続され、該管路が中間でコネクターに
よって切り離し自在に接続され、該コネクターが接続さ
れると開き切り離されると閉じる自動弁を有する構成と
することができる。
【0023】上記の目的を達成するための本発明の屈折
率分布測定装置は、上記のいずれかに記載の被検物保持
装置と、光源からの可干渉光を参照波と被検物を透過す
る被検波とに分割し、両波を重ねて干渉させる干渉光学
系とを有することを特徴としている。
【0024】また、上記被検物保持装置と、干渉光学系
とが同一基盤上にそれぞれ独立して設置された構成とし
たり、上記干渉光学系が、上記基盤の上に振動減衰の高
い機構を介して載置される構成とすることができる。ま
た、上記いずれか1つの屈折率分布測定装置にたいし、
上記いずれかに記載された被検物保持装置を複数設けた
構成としてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施例を詳細に説明する。図1は本発明の屈折率分布測
定装置の外観を示す図である。図1において、基盤10
0は上面が水平になるように設置された台で、その上
に、図7に示す干渉光学系200が設置されている。干
渉光学系200は、具体的には、図7で説明した干渉
計、すなわち、光源1から結像レンズ13までである
が、この実施例ではさらに、干渉縞検出器15も含んで
いる。そして、これらの部分が1つのユニットとして箱
状に組み込まれたものである。箱状の干渉光学系200
には凹部があり、ここに被検物保持装置300の本体部
301を載置する。
【0026】図2は、この本体部301の内部構造を示
す図である。被検物Aはセル21内に収容され、支持手
段23に吊り下げられ、被検波bと直交する軸(支持手
段23の軸)を中心として回動自在になっている。駆動
手段302は、干渉光学系200の上に立設された支持
体303に取り付けられ、カプリング22により支持手
段23と結合し、ここで上下が分離できる。駆動手段3
02としては、被検物Aに1°程度といった微小な角度
の回転を与えることができるように、ステッピングモー
タを使用することが望ましい。
【0027】セル21内には試液Bが満たされている。
そして、セル21は、入射窓25と射出窓27の設けら
れた面以外を容器31で覆われ、この容器31内に液体
Cが充填されている。
【0028】さらに、容器31の外側には、容器31と
の間に空間が形成されるように外箱41を設け、その空
間内に断熱部材42を充填している。外箱41と断熱部
材42は、セル21の入射窓25と射出窓27とに対向
する部分が窓41aとなっている。
【0029】容器31内の液体Cは、外箱41に形成さ
れた入口41bと出口41cに接続された管路51,5
2によって循環装置304に接続される。管路51,5
2の中間には、コネクタ53,53が設けられ、ここで
管路51,52を自在に切断することができる。循環装
置304は、容器31内の液体Cを循環するためのポン
プと、液体Cを所定の温度に加熱又は冷却するための熱
交換機とを有する。以上の構成によって、容器31内の
液体Cは常時循環され、均一な温度分布となり、試液B
の温度分布をも一定に保つことができるようになる。
【0030】しかしながら、液体Cの循環を続けると、
外気の影響によって、液体C自身の温度が変化し、試液
Bの温度を変化させてしまう。そこで、本発明の実施例
では、外箱41を設けて断熱部材42で覆った。この場
合、容器31の全体を断熱部材42で覆うことが望まし
いのではあるが、入射窓25や射出窓27のオプチカル
フラットの部分は覆うことはできないので、ここに窓4
1aを開け、外気温の影響を極力排除できるようにし
た。さらに、管路51,52や循環装置304もその外
側を断熱部材で覆っておくとよい。
【0031】被検物Aの屈折率の測定が行われている
間、循環装置304は液体Cを循環させる。液体Cとし
て水を使用すれば、水は、安価で入手し易く、また、空
気などに比べて熱容量が大きく、適当な加熱・冷却手段
によって任意の温度に設定することができ、試液Bを短
時間で所望の温度範囲内に保つことが可能となる。
【0032】実施例では液体Cを循環させているが、条
件によっては、静止した水でも目的を達成することがで
きる。また、セル21は、その全体が液体C内に浸かっ
ているが、一部のみ液体Cと接触させるようにしてもよ
い。
【0033】ところで、循環装置304で液体Cを循環
させる場合、液体Cの流動に伴って振動が発生し、その
振動が干渉光学系200に伝わると、正確な測定ができ
なくなってしまう。
【0034】そこで、本発明の実施例では、流動する液
体Cの入った被検物保持装置300と、干渉光学系20
0とを縁を切って基盤100上に載置し、図3に示すよ
うに、基盤100上に振動減衰効果の高い機構60を設
置し、これによって干渉光学系200を支持する構成と
している。この構成によって、被検物保持装置300内
で液体Cが流動して振動が発生しても、その振動が干渉
光学系200には伝わらないようになった。
【0035】図4は、振動減衰効果の高い機構60の構
成例を示すものである。同図に示すように、この機構6
0は、ダッシュポット60aとばね60bとで構成さ
れ、通常の緩衝器と同じ構成である。ダッシュポット6
0aは、振動のエネルギーをダッシュポット内の液体の
粘性により熱エネルギーに変化させて散逸させる。一
方、ばね60bは、外乱振動の周波数と、基盤100の
周波数が一致して共振が起こらないように系の固有振動
数を適当な振動数へとシフトさせる。すなわち、循環装
置304から送られてくる液体Cの流動に伴って発生す
る振動が、被検物保持装置300から基盤100に伝わ
っても、基盤100から干渉光学系200には伝達され
ないようになる。このため、干渉光学系200は常に安
定した観測を継続できる。
【0036】複数個の被検物を用意し、それらを順番に
測定する場合、被検物を順番にセル21内の試液Bに浸
し、目的の温度に到達させるには、長い時間が必要とな
る。そこで、測定を効率よく行うために、被検物を予め
目的の温度にしておくことが望ましい。たとえば、測定
装置とは別に用意され温度管理されている試液内に被検
物を入れておき、測定を行う被検物のみをそこから取り
出してセル内にセットする方法が考えられる。
【0037】しかしながら、この方法では、被検物を移
動する際に外気温度の影響により、被検物の温度が目的
の温度と異なる温度に変化してしまう。また、セル21
内に被検物を挿入するために、セル21の一部を開放す
る必要があるが、その際に、セル内の試液Bの温度が外
気の影響を受けて変化してしまい、セル内に被検物をセ
ットし、目的の温度に戻すには、かなりの時間が掛かっ
てしまう。
【0038】そこで、図5に示すように、セル21から
外箱41までを一体化した本体部301と循環装置30
4とを管路51,52で接続した被検物支持装置を30
0,300′……のように、複数個用意しておき、各セ
ットのセル21内に被検物Aを取り付け、目的温度に管
理した状態にしておき、測定時にこれらを交換するよう
にする。そうすれば、1つの被検物の測定を終え、次の
被検物を測定する際の時間を短縮することができる。
【0039】ただし、一般的には、循環装置304は内
部に電動機付きポンプや、熱交換機等が収納されている
ので、重量が非常に重い。そのため、被検物を交換する
際に、循環装置304も交換するのは、作業性が悪い。
【0040】そこで、図1の実施例では、管路51,5
2にコネクター53,53を設け、本体部301と循環
装置304とを分離可能にし、被検物を交換する際に
は、本体部301のみを交換すればよいようにしてい
る。
【0041】コネクター53は、切り離されると自動的
に閉じ、接合されると自動的に開く自動弁を有してい
る。図6によりこの自動弁を説明する。コネクター53
は雌コネクター53aと雄コネクター53bとからなる
が、雌コネクターにはすり鉢型の弁座53a1と、この
弁座に接離する弁体53a2と、弁体を弁座に向けて付
勢するばね53a3とが設けられている。他方の雄コネ
クターにも同様の弁座53b1と、弁体53b2と、ば
ね53b3とが設けられている。
【0042】図6(a)に示すように、雌雄のコネクタ
ー53a,53bが切り離されると、弁体53a2,5
3b2はばね53a3と53b3とによって弁座53a
1,53b1に圧接させられて弁が閉じられ、液体Cの
漏れを自動的に防止する。
【0043】図6(b)に示すように、雌雄のコネクタ
ー53a,53bが接続されると、弁体53a2,53
b2は相互に押し合って弁座から離れ、液体Cを自動的
に流動させることができる。
【0044】駆動手段302はステッピングモータであ
るから、駆動することによって、熱が発生する。駆動手
段302の熱が液体Cに伝わり易く、液体の温度を一定
に保ちにくい。そこで、駆動手段302と支持手段23
とは、プラスチック等の熱伝導性の悪い素材で接続した
り、支持手段自身を熱伝導性の悪い素材で形成するよう
にしている。そのような構成とすることによって、駆動
手段51の熱が液体Cに伝わりにくくなり、液体Cの温
度を一定に保ち易くなる。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の被検物保
持装置は、屈折率が被検物とほぼ等しい試液内に被検物
を保持するとともに相互に平行な入射窓と射出窓とを有
するセルと、該セルの外側に設けられセルの少なくとも
一部を液体に浸す容器と、上記セル内の被検物を光軸と
直交する軸周りに回転自在に保持する支持手段と、上記
支持手段を回転させる駆動手段と、該駆動手段の制御装
置と、上記液体を上記容器内との間で循環させる循環装
置と、上記容器の外周を覆う断熱部材と、を有する構成
なので、被検物を所望の温度に容易に維持することがで
き、安定した屈折率分布の測定ができる。循環装置に、
上記液体の温度を制御する熱交換機を設ければ、さらに
確実な温度制御が可能になる。
【0046】また、上記循環装置が、上記容器と管路で
接続され、該管路が中間で切り離し自在に接続されてい
る構成とすれば、被検物の交換に循環装置を移動する必
要がなく、被検物の交換が容易にできるようになる。
【0047】上記管路の切り離し部がコネクターからな
り、該コネクターが接続されると開き切り離されると閉
じる自動弁を有する構成にすれば、管路を切り離して
も、液体が漏れることがなく、液体の温度を一定に保ち
易くなる。
【0048】被検物保持装置と、干渉光学系とが同一基
盤上にそれぞれ独立して設置され、干渉光学系が、上記
基盤の上に振動減衰の高い機構を介して載置される構成
とすれば、液体の循環による振動が生じても、干渉光学
系には影響を与えることなく測定することができる。
【0049】本発明のいずれか1つの屈折率分布測定装
置にたいし、本発明のいずれかの被検物保持装置を複数
設けた構成とすれば、測定に先だって予備となる被検物
保持装置に被検物をセットして所定の温度に保持してお
くことができ、複数の被検物を測定する場合に能率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屈折率分布測定装置の全体を示す斜視
図である。
【図2】被検物保持装置の要部の構成を説明する図で、
(a)は側面断面図、(b)は正面断面図である。
【図3】本発明の屈折率分布測定装置において、干渉光
学系の支持構造を示す図である。
【図4】振動減衰の高い機構の構成を示す図である。
【図5】複数の被検物保持装置を示す斜視図である。
【図6】コネクターの構成を示す断面図である。
【図7】従来の屈折率分布測定装置の構成を示す図であ
る。
【図8】CT解析の原理を説明する図である。
【符号の説明】 A 被検物 B 試液 C 液体 21 セル 23 支持手段 25 入射窓 27 射出窓 31 容器 41 外箱 42 断熱部材 51,52 管路 53 コネクター 60 振動減衰の高い機構 100 基盤 200 干渉光学系 302 駆動手段 304 循環装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が被検物とほぼ等しい試液内に被
    検物を保持するとともに相互に平行な入射窓と射出窓と
    を有するセルと、該セルの外側に設けられセルの少なく
    とも一部を液体に浸す容器と、上記セル内の被検物を光
    軸と直交する軸周りに回転自在に保持する支持手段と、
    上記支持手段を回転させる駆動手段と、上記液体を上記
    容器内との間で循環させる循環装置と、上記容器の外周
    を覆う断熱部材と、を有することを特徴とする被検物保
    持装置。
  2. 【請求項2】 上記循環装置が、上記液体の温度調節を
    する熱交換機を有することを特徴とする請求項1記載の
    被検物保持装置。
  3. 【請求項3】上記断熱部材が、上記入射窓と射出窓とを
    通過する光束が遮蔽されないように容器を覆うことを特
    徴とする請求項1又は2記載の被検物保持装置。
  4. 【請求項4】 上記循環装置が、上記容器と管路で接続
    され、該管路が中間でコネクターによって切り離し自在
    に接続され、該コネクターが接続されると開き切り離さ
    れると閉じる自動弁を有することを特徴とする請求項1
    から3のいずれかに記載の被検物保持装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の被検
    物保持装置と、光源からの可干渉光を参照波と被検物を
    透過する被検波とに分割し、両波を重ねて干渉させる干
    渉光学系とを有することを特徴とする屈折率分布測定装
    置。
  6. 【請求項6】 上記被検物保持装置と、干渉光学系とが
    同一基盤上にそれぞれ独立して設置されたことを特徴と
    する請求項5記載の屈折率分布測定装置。
  7. 【請求項7】 上記干渉光学系が、上記基盤の上に振動
    減衰の高い機構を介して載置されることを特徴とする請
    求項5又は6記載の屈折率分布測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項5から7に記載されたいずれか1
    つの屈折率分布測定装置に対し、請求項1から4のいず
    れかに記載された被検物保持装置を複数設けたことを特
    徴とする屈折率分布測定装置。
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