JP2000146732A - センサ装置 - Google Patents
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Abstract
検出信号を温度補償するための温度信号の増幅に同一の
オペアンプを利用する構成とすることにより物理量の検
出精度の向上を図る場合に、最終的に得られる物理量検
出値の誤差を十分に小さくする。 【解決手段】 基準電圧発生回路5からの基準信号S
a、温度検出用ブリッジ回路4からの温度信号St、圧
力検出用ブリッジ回路3からの検出信号Sdは、アナロ
グマルチプレクサ6を通じて時分割処理され、それらの
信号Sd、St及びSaがオペアンプ8a、8bを備え
た同一の差動増幅回路8及びA/D変換回路9を通じて
採取される。補正演算回路14は、A/D変換回路9か
らのデジタルデータ及びEPROM13からの補正係数
に基づいた演算処理により、検出信号Sdに応じた圧力
量検出値を温度補償した状態で算出する。トリミング抵
抗Rw1〜Rw4は、検出信号Sd及び温度信号Stの電位
レベルを基準信号Saの電位レベルと等しい状態に調整
するために設けられている。
Description
ッジ回路からの検出信号を、そのセンシング用ブリッジ
回路の温度特性に応じて補正した状態で信号処理するこ
とにより物理量を検出するようにしたセンサ装置に関す
る。
圧力センサ装置の一例として、以下のような構成のもの
が考えられている。即ち、この圧力センサ装置は、ピエ
ゾ抵抗係数が大きな半導体より成るセンサチップ上に、
被検出圧力に応じた電圧値の検出信号を発生する圧力検
出用ブリッジ回路と、このブリッジ回路の温度に応じた
電圧値の温度信号を発生する温度検出用ブリッジ回路と
が拡散抵抗を利用して形成され、また、上記センサチッ
プ若しくはこれと異なる半導体チップ上に、上記圧力検
出用ブリッジ回路に作用する圧力及びそのブリッジ回路
の温度と無関係に一定の電圧値となる基準信号を発生す
る基準電圧発生回路が拡散抵抗を利用して形成される。
さらに、前記検出信号、温度信号及び基準信号を選択的
に出力するアナログマルチプレクサと、このアナログマ
ルチプレクサから順次出力される信号を増幅する差動増
幅回路と、この差動増幅回路により増幅された前記検出
信号、温度信号及び基準信号をデジタルデータに変換す
るA/D変換回路と、このA/D変換回路からのデジタ
ルデータに基づいた演算処理により前記検出信号に応じ
た圧力検出値を前記温度信号及び基準信号により補正し
ながら算出する補正演算回路とが設けられる。
号及び基準信号をアナログマルチプレクサを通じて時分
割処理すると共に、それらの信号に対応した複数種類の
デジタルデータを同一の差動増幅回路及びA/D変換回
路を用いて採取し、斯様に採取したデジタルデータに基
づいたデジタル的な補正演算により、感度やオフセット
などに対する温度補償を施した精度の高い圧力検出値を
得るようにしている。この場合、最終的にデジタルデー
タに変換される検出信号、温度信号及び基準信号は、全
て同じアナログ回路(アナログマルチプレクサ、差動増
幅回路、A/D変換回路)を通過する構成であるから、
その信号伝送系統での回路定数の変動に起因した各信号
のドリフト成分が互いにキャンセルされることになり、
結果的に、圧力検出値の精度を長期間に渡って良好な状
態に維持できるようになる。
サ装置内の差動増幅回路は、オペアンプを利用して構成
されるのが一般的である。ところが、理想オペアンプに
あっては、差動入力電圧が同じであれば常に同じ出力電
圧が得られるのに対して、実際のオペアンプにあって
は、入力電位レベルの高低に応じてオフセット値などの
温度特性が異なるという特性があるため、差動入力電圧
が同じであっても入力電位レベルが相違する場合には出
力電圧が変化するという事情が存在する。このため、前
記圧力センサ装置においては、検出信号、温度信号及び
基準信号の増幅に同一の差動増幅回路を利用することに
よって、当該差動増幅回路の温度特性などに起因した信
号レベルの変動をキャンセルする構成としているにも拘
らず、それら各信号の電位レベルが異なる場合には、上
述した特性に起因した出力電圧の変動分をキャンセルで
きなくなる。従って、このような場合には、補正演算回
路において、検出信号に応じた圧力検出値を温度信号及
び基準信号により補正する際に、その補正が不正確にな
ることが避けられず、結果的に感度やオフセットに対す
る温度補償が不十分になって、検出誤差が拡大するとい
う問題点があった。
あり、その目的は、被検出物理量を示す検出信号の増幅
及びその検出信号を温度補償するための温度信号の増幅
に同一のオペアンプを利用する構成とすることにより物
理量の検出精度の向上を図る場合に、最終的に得られる
物理量検出値の誤差を十分に小さくできるようになるセ
ンサ装置を提供することにある。
に請求項1に記載した手段を採用することができる。こ
の手段によれば、センシング用ブリッジ回路から被検出
物理量に応じた電圧値の検出信号が出力されると共に、
温度検出用ブリッジ回路から上記センシング用ブリッジ
回路の温度に応じた電圧値の温度信号が出力される。ア
ナログマルチプレクサは、センシング用ブリッジ回路か
らの検出信号、温度検出用ブリッジからの温度信号を選
択的に通過させるようになり、その通過信号が、オペア
ンプにより構成された差動増幅回路によって増幅されて
出力されるようになる。このように、検出信号及び温度
信号が同じ差動増幅回路により増幅される構成であるか
ら、その差動増幅回路の回路定数の変動に起因した各信
号のドリフト成分を互いにキャンセルできることにな
り、結果的に、当該差動増幅回路からの出力信号に基づ
いて得られる物理量検出値の精度を長期間に渡って良好
な状態に維持できるようになる。また、アナログマルチ
プレクサが設けられているから、多数のオペアンプを必
要としないものであり、以て全体の小型化を実現できる
ようになる。しかも、比較的大きな面積を占有すること
になる差動増幅回路を、検出信号及び温度信号の増幅用
に兼用する構成となっているから、多数の差動増幅回路
を設ける必要がなくなって、この面からも全体の小型化
を実現できるようになる。
れたセンシング用ブリッジ回路及び温度検出用ブリッジ
回路にあっては、それらの少なくとも一方に設けられた
トリミング用抵抗によって、それぞれから出力される検
出信号及び温度信号の電位レベルが互いに等しくなる状
態に調整することができる。このように調整された状態
では、前記差動増幅回路を構成するオペアンプの特性、
具体的には、入力電位レベルの高低に応じて温度特性が
異なるという特性が存在するという状況下にあっても、
その特性が差動増幅回路からの出力電圧に悪影響を及ぼ
す事態を未然に防止できるようになり、結果的に最終的
に得られる物理量検出値の誤差を十分に小さくできるよ
うになる。
ルチプレクサは、センシング用ブリッジ回路からの検出
信号及び温度検出用ブリッジ回路からの温度信号の他
に、基準電圧発生回路からの基準信号を選択的に通過さ
せるようになり、その通過信号が差動増幅回路によって
増幅されて出力されるようになる。この場合、信号処理
手段は、上記差動増幅回路により増幅された前記検出信
号、温度信号及び基準信号に基づいた演算処理により当
該検出信号に対応した物理量検出値を上記温度信号及び
基準信号により補正した状態で算出するようになる。つ
まり、検出信号、温度信号及び基準信号をアナログマル
チプレクサを通じて時分割処理すると共に、それらの信
号を同一の差動増幅回路を通じて増幅し、斯様に増幅し
た信号に基づいた補正演算により、感度などに対する温
度補償を施した精度の高い物理量検出値を得るようにし
ている。
温度検出用ブリッジ回路の双方にトリミング用抵抗が設
けられているから、それらトリミング抵抗によって、各
ブリッジ回路から出力される検出信号及び温度信号の電
位レベルを前記基準信号と等しくなる状態に調整するこ
とができる。このように調整された状態では、前記差動
増幅回路を構成するオペアンプの特性、具体的には、入
力電位レベルの高低に応じて温度特性が異なるという特
性が存在するという状況下にあっても、その特性が差動
増幅回路からの出力電圧に悪影響を及ぼす事態を未然に
防止できるようになり、結果的に、信号処理手段での演
算処理により算出される物理量検出値の誤差を十分に小
さくできるようになる。
ルチプレクサを選択的に通過した後に差動増幅回路によ
り増幅された検出信号、温度信号及び基準信号がA/D
変換回路によりデジタルデータに変換されると共に、信
号処理手段が当該デジタルデータに基づいたデジタル演
算処理を行うことにより、前記検出信号に応じた物理量
検出値を前記温度信号及び基準信号により補正した状態
で算出するようになる。つまり、検出信号、温度信号及
び基準信号をアナログマルチプレクサを通じて時分割処
理すると共に、それらの信号に対応した複数種類のデジ
タルデータを同一の差動増幅回路及びA/D変換回路を
用いて採取し、斯様に採取したデジタルデータなどに基
づいた補正演算(デジタル演算)により、感度などに対
する温度補償を施した精度の高い物理量検出値を得るよ
うにしている。このように、信号処理手段での演算をデ
ジタル的に行う構成によれば、センサ感度に対し安定し
た温度補償機能が得られるようになる。
用ブリッジ回路からの検出信号、温度検出用ブリッジ回
路からの温度信号、基準電圧発生回路からの基準信号
を、A/D変換回路内のリングゲート遅延回路に電源電
圧として与えると、当該A/D変換回路は、このように
電源電圧が与えられた各状態でリングゲート遅延回路に
パルス信号が入力されたときのパルス信号周回数に基づ
いて上記検出信号、温度信号及び基準信号をデジタルデ
ータに変換するようになる。
たA/D変換回路にあっては、変換速度の大幅な向上を
実現できるという利点があるため、物理量検出値の算出
のために必要な時間の大幅な短縮を実現できるようにな
る。
装置に適用した一実施例について図面を参照しながら説
明する。全体の電気的構成を示す図1において、本実施
例による半導体圧力センサ装置は、圧力検出用のセンサ
部1と、このセンサ部1からの出力を処理するための信
号処理部2とを備えた構成となっており、これらセンサ
部1及び信号処理部2は、異なる半導体チップ上に分離
した状態で形成されている。
導体チップ(例えばシリコン単結晶基板)を利用して形
成されたもので、圧力検出用ブリッジ回路3(本発明で
いうセンシング用ブリッジ回路に相当)と、この圧力検
出用ブリッジ回路3の温度を検出するための温度検出用
ブリッジ回路4とにより構成されている。
は、基本的には、半導体チップに設けたダイヤフラム上
に拡散抵抗により形成した抵抗素子Rd1、Rd2、Rd3、
Rd4をフルブリッジ接続して構成されるものであるが、
本実施例では、上記半導体チップ上に薄膜抵抗により形
成されたトリミング抵抗Rw1及びRw2を当該フルブリッ
ジ回路中に挿入した構成となっている。
間に、抵抗素子Rd1、Rd2及びトリミング抵抗Rw1の直
列回路、並びに抵抗素子Rd3、Rd4及びトリミング抵抗
Rw2の直列回路を接続した状態となっており、抵抗素子
Rd1、Rd2の共通接続点が出力端子Q1、抵抗素子Rd
3、Rd4の共通接続点が出力端子Q2となるように構成
される。この場合、圧力検出用ブリッジ回路3において
は、印加圧力の増大に応じて各抵抗素子Rd1、Rd2、R
d3、Rd4の抵抗値が図1に矢印で示す態様(上向きの矢
印は抵抗値が増加することを示し、下向きの矢印は抵抗
値が減少することを示す)で変化する構成となってい
る。また、圧力検出用ブリッジ回路3の入力端子P1は
定電圧電源端子+Vccに接続され、入力端子P2はグラ
ンド端子に接続されている。
の出力端子Q1の電位は印加圧力の増大に応じて上昇
し、他方の出力端子Q2の電位は印加圧力の増大に応じ
て低下するものであり、出力端子Q1及びQ2間から
は、印加圧力に応じた電圧値の検出信号Sdが出力され
ることになる。また、この検出信号Sdの電位レベル
は、トリミング抵抗Rw1及びRw2の抵抗値を変化させる
ことにより調整できることになる。尚、上記検出信号S
dは、圧力検出用ブリッジ回路3の温度にも依存して変
動するものであり、斯様な温度ドリフト除去用のデータ
を得るために前記温度検出用ブリッジ回路4が設けられ
ている。
には、拡散抵抗(温度係数は1500〜1700ppm/℃
程度)により形成された感温抵抗素子Rt1、Rt2と、温
度係数が零に近い材料である例えばCrSiにより形成
された抵抗素子Rc1、Rc2とをフルブリッジ接続して構
成されるものであるが、本実施例では、半導体チップ上
に薄膜抵抗により形成されたトリミング抵抗Rw3及びR
w4を当該フルブリッジ回路中に挿入した構成となってい
る。
間に、抵抗素子Rc1、感温抵抗素子Rt1及びトリミング
抵抗Rw3の直列回路、並びに感温抵抗素子Rt2、抵抗素
子Rc2及びトリミング抵抗Rw4の直列回路を接続した状
態となっており、抵抗素子Rc1及び感温抵抗素子Rt1の
共通接続点が出力端子Q3、感温抵抗素子Rt2及び抵抗
素子Rc2の共通接続点が出力端子Q4となるように構成
される。また、温度検出用ブリッジ回路4の入力端子P
3は定電圧電源端子+Vccに接続され、入力端子P4は
グランド端子に接続されている。
の出力端子Q3の電位は検出温度の上昇に応じて上昇
し、他方の出力端子Q4の電位は検出温度の低下に応じ
て低下するものであり、出力端子Q3及びQ4間から
は、圧力検出用ブリッジ回路3の温度に応じた電圧値の
温度信号Stが出力されることになる。また、この温度
信号Stの電位レベルは、トリミング抵抗Rw3及びRw4
の抵抗値を変化させることにより調整できることにな
る。
上に以下に述べるような各回路要素を形成した構成とな
っている。基準電圧発生回路5は、拡散抵抗により形成
した抵抗素子Ra1及びRa2を備えたもので、それら抵抗
素子Ra1及びRa2の直列回路を定電圧電源端子+Vcc及
びグランド端子間に接続した構成となっている。この場
合、抵抗素子Ra1及びRa2の温度係数は厳密に一致する
ものであり、従って、基準電圧発生回路5の出力端子Q
5(抵抗素子Ra1及びRa2の共通接続点)からは、前記
圧力検出用ブリッジ回路3に作用する圧力(被検出圧
力)及び当該圧力検出用ブリッジ回路3の温度と無関係
に一定の電圧値となる基準信号Saが出力されることに
なる。尚、この基準電圧発生回路5は、前記センサ部1
側の半導体チップ上に形成することも可能である。
出用ブリッジ回路3からの検出信号Sd、温度検出用ブ
リッジ回路4からの温度信号St、基準電圧発生回路5
からの基準信号Saを、後述する制御ブロック7から与
えられるセレクト信号に基づいて選択出力するためのも
のである。
CMOSオペアンプ8a、8b及び抵抗8c、8d、8
eを組み合わせて成る周知構成のもので、前記アナログ
マルチプレクサ6から順次出力される信号を増幅してA
/D変換回路9に与えるようになっている。この場合、
差動増幅回路8には、その増幅出力電圧を持ち上げるた
めの定電圧電源8f及び抵抗8gが付随して設けられて
いる。尚、差動増幅回路8の電源は、前記定電圧電源端
子+Vccから与えられるようになっている。
平5−259907号公報に記載されたA/D変換回路
と同様構成のものであり、詳細には図示しないが、反転
動作時間が電源電圧に応じて変化するNANDゲート1
0a(本発明でいう反転回路に相当)と、同じく反転動
作時間が電源電圧に応じて変化する偶数個のインバータ
10b(本発明でいう反転回路に相当)とをリング状に
連結して成るリングゲート遅延回路10(以下の説明で
は、リングゲート遅延回路をRGD(Ring Gate Delay
)と略称する)、このRGD10内でのパルス信号の
周回数をカウントするための周回数カウンタ11、この
周回数カウンタ11の計数値を上位ビットとし、且つR
GD10内の各インバータ10bの出力を下位ビットと
して格納するためのスタックメモリ12などを含んで構
成されている。
変換原理の大略は以下の通りである。即ち、RGD10
内のNANDゲート10aに対し、図2に示すようなパ
ルス信号PAを与えると、NANDゲート10a及び各
インバータ10bがその電源電圧に応じた速度で逐次的
に反転動作を開始して、そのパルス信号PAの入力期間
中は信号周回動作が継続して行われるものであり、斯様
なパルス信号周回数を示す二進数のデジタルデータが、
スタックメモリ12に対しリアルタイムで与えられるこ
とになる。この後、図2に示すように、一定のサンプリ
ング周期Δt(例えば〜100μ秒)を得るためのパル
ス信号PBの立上がり毎にスタックメモリ12をラッチ
すれば、そのスタックメモリ12内の各ラッチデータの
差に基づいて、インバータ10bに与えられている電源
電圧を二進数のデジタルデータに変換した値が得られる
ようになる。
10a及びインバータ10bには、前記差動増幅回路8
から電源電圧が与えられる構成となっている。従って、
A/D変換回路9にあっては、差動増幅回路8からの出
力信号、つまり、アナログマルチプレクサ6を通じて選
択出力される検出信号Sd、温度信号St及び基準信号
Saをデジタルデータに変換することになる。
よる変換データのうち、検出信号Sdに対応したデジタ
ルデータを圧力情報D、温度信号Stに対応したデジタ
ルデータを温度情報T、基準信号Saに対応したデジタ
ルデータを基準情報Aと呼ぶことにする。
回路3に対する印加圧力Pとの間には次式のような関
係がある。 D={(ct+d)×P+et+f}×β(t) …… 但し、t:圧力検出用ブリッジ回路3の温度 c:圧力検出用ブリッジ回路3の感度の温度係数 d:圧力検出用ブリッジ回路3の室温感度 e:圧力検出値のオフセットの温度係数 f:圧力検出値の室温オフセット値 また、β(t)は、差動増幅回路8の温度特性やRGD
10の遅延時間の温度特性などに依存した非線形項であ
り、これが圧力検出値の精度劣化の要因となるものであ
る。
必要であり、また、非線形の係数であるβ(t)を除去
する必要がある。このため、温度検出用ブリッジ回路4
を通じて温度情報Tを得ると共に、基準電圧発生回路5
を通じて基準情報Aを得るようにしている。
ジ回路3の温度tとの間には次式のような関係が存在
するものである。 T=(at+b)×β(t) …… 但し、a:温度検出値の温度係数 b:温度検出値の室温オフセット値
回路3に作用する圧力及び温度と無関係に一定の電圧値
となる基準信号Saを、差動増幅回路8により増幅し且
つA/D変換回路9によりデジタル変換したデータであ
るから、次式が成立することになる。 A=β(t) ……
(t)が削除された状態の次式が得られる。 T/A=at+b …… D/A=(ct+d)×P+et+f ……
次式が得られる。 P={(T/A−b)×(−e/a)+D/A−f} /{(T/A−b)×c/a+d} …… EPROM13には、式に基づいた圧力Pの演算に必
要な係数a、b、c、d、e、fが補正係数として予め
記憶されている。
手段に相当)は、前記式を利用した圧力Pの演算を、
制御ブロック7からの指令を受けて行うものであり、そ
の演算時には、スタックメモリ12から読み出した圧力
情報D、温度情報T及び基準情報A、並びにEPROM
13から読み出した補正係数(a、b、c、d、e、
f)を使用する構成となっている。そして、この補正演
算回路14による演算結果は、センサ部1による検出圧
力を示す圧力データとしてI/Oブロック15から出力
される。
御内容が概略的に示されており、以下これについて関連
した作用と共に説明する。即ち、制御ブロック7は、ま
ず、アナログマルチプレクサ6に対して、基準電圧発生
回路5からの基準信号Saを選択するためのセレクト信
号を出力する(ステップS1)。すると、差動増幅回路
8から上記基準信号Saを増幅した電圧信号が出力され
るようになり、この電圧信号がA/D変換回路9内のR
GD10に対しA/D変換対象信号として印加されるよ
うになる。
A及びPBの出力制御ルーチンS2を実行する。このル
ーチンS2では、図2に示す時刻t1〜t2の期間中に
おいてパルス信号PAを出力すると共に、その時刻t1
後においてパルス信号PBを図2に示すようなタイミン
グ(具体的には、時刻t1〜t2の期間において4回立
ち上がる状態)で出力する。
において、RGD10内で信号周回動作が継続して行わ
れると共に、パルス信号PBの立上がり毎にスタックメ
モリ12がラッチされるものであり、そのラッチデータ
の差(例えば3回目の立ち上がりと4回目の立ち上がり
における各ラッチデータの差)に基づいて、差動増幅回
路8からの電圧信号(基準信号Saを増幅した電圧信
号)に応じたデジタルデータが基準情報Aとして得られ
るようになる。
S2の実行に応じて基準情報Aを取り込んだ後には、ア
ナログマルチプレクサ6に対して、基準電圧発生回路5
からの温度信号Stを選択するためのセレクト信号を出
力する(ステップS3)。すると、差動増幅回路8から
上記温度信号Stを増幅した電圧信号が出力されるよう
になり、この電圧信号が、A/D変換回路9内のRGD
10に対しA/D変換対象信号として印加されるように
なる。
A及びPBの出力制御ルーチンS4を実行する。このル
ーチンS4では、図2に示す時刻t3〜t4の期間中に
おいてパルス信号PAを出力すると共に、その時刻t3
後においてパルス信号PBを図2に示すようなタイミン
グで出力する。
において、RGD10内で信号周回動作が継続して行わ
れると共に、パルス信号PBの立上がり毎にスタックメ
モリ12がラッチされるものであり、そのラッチデータ
の差に基づいて、差動増幅回路8からの電圧信号(温度
信号Stを増幅した電圧信号)に応じたデジタルデータ
が温度情報Tとして得られるようになる。
S4の実行に応じて温度情報Tを取り込んだ後には、ア
ナログマルチプレクサ6に対して、基準電圧発生回路5
からの検出信号Sdを選択するためのセレクト信号を出
力する(ステップS5)。すると、差動増幅回路8から
上記検出信号Sdを増幅した電圧信号が出力されるよう
になり、この電圧信号が、A/D変換回路9内のRGD
10に対しA/D変換対象信号として印加されるように
なる。
A及びPBの出力制御ルーチンS6を実行する。このル
ーチンS6では、図2に示す時刻t5〜t6の期間中に
おいてパルス信号PAを出力すると共に、その時刻t5
後においてパルス信号PBを図2に示すようなタイミン
グで出力する。
において、RGD10内で信号周回動作が継続して行わ
れると共に、パルス信号PBの立上がり毎にスタックメ
モリ12がラッチされるものであり、そのラッチデータ
の差に基づいて、差動増幅回路8からの電圧信号(検出
信号Sdを増幅した電圧信号)に応じたデジタルデータ
が圧力情報Dとして得られるようになる。
ーチンS2、S4、S6の実行時において、スタックメ
モリ12からラッチデータの差に基づいたデジタルデー
タを3回取り込むことができるから、それらを平均化し
た値をデジタルデータ(基準情報A、温度情報T及び圧
力情報D)として得る構成とすることもできる。
S6の実行後には、補正演算回路14に対して演算指令
を出力する(ステップS7)。すると、補正演算回路1
4にあっては、スタックメモリ12から読み出した圧力
情報D、温度情報T及び基準情報A、並びにEPROM
13から読み出した補正係数(a、b、c、d、e、
f)を使用して、前記式の演算を行うものであり、そ
の演算結果を、センサ部1による検出圧力を示す圧力デ
ータとしてI/Oブロック15から出力するようにな
る。
間が経過するまで待機し(ステップS8)、当該待機時
間が経過したときにステップS1へ戻るようになる。従
って、一連の圧力検出動作(S1〜S7)は、上記待機
時間が経過する毎に周期的に行われることになる。
置においては、その製造途中の段階(例えば、センサ部
1のための半導体チップがウェハ状態にある段階、或い
は当該半導体チップをウェハから切り出した後の段階)
にて、トリミング抵抗Rw1〜Rw4をレーザトリミングす
ることによって、圧力検出用ブリッジ回路3からの検出
信号Sdの電位レベル並びに温度検出用ブリッジ回路4
からの温度信号Stの電位レベルを調整する工程が行わ
れるようになっている。具体的には、上記検出信号Sd
及び温度信号Stの各電位レベルが、基準電圧発生回路
5からの基準信号Saの電位レベルと等しくなるように
トリミング抵抗Rw1〜Rw4をレーザトリミングするもの
である。このレーザトリミングの手順は以下の通りであ
る。
測定し、その測定結果をレーザトリミング装置に記憶す
る。その後、例えば検出信号Sdの電位レベルを測定し
ながらトリミング抵抗Rw1、Rw2のレーザトリミングを
開始し、その検出信号Sdの測定電位レベルが上記記憶
電位レベルと等しくなった時点で当該レーザトリミング
を終了する。さらに、この後に、温度信号Stの電位レ
ベルを測定しながらトリミング抵抗Rw3、Rw4のレーザ
トリミングを開始し、その温度信号Stの測定電位レベ
ルが前記記憶電位レベルと等しくなった時点で当該レー
ザトリミングを終了する。尚、レーザトリミングの順序
は逆でも良い。また、上記のようなレーザトリミングを
行った場合には、検出信号Sd及び温度信号Stの電位
レベルが上昇することになるから、センサ部1を形成す
る半導体チップのパターンレイアウト時において、上記
検出信号Sd及び温度信号Stの電位レベルが基準信号
Saの電位レベルより小さくなるように設計する必要が
ある。
信号Sd、温度信号St及び基準信号Saをアナログマ
ルチプレクサ6を通じて時分割処理すると共に、それら
の信号Sd、St及びSaに対応した各デジタルデータ
(圧力情報D、温度情報T、基準情報A)を同一の差動
増幅回路8及びA/D変換回路9を用いて採取し、斯様
に採取したデジタルデータを利用した式の補正演算
(デジタル演算)を行う構成としており、これによっ
て、感度やオフセットなどに対する温度補償を施した精
度の高い圧力検出値を得ることができるものである。
するために最終的に圧力情報D、温度情報T及び基準情
報Aに変換される検出信号Sd、温度信号St及び基準
信号Saは、全て同じアナログ回路(アナログマルチプ
レクサ6、差動増幅回路8、A/D変換回路9)を通過
する構成であるから、その信号伝送系統での回路定数の
変動に起因した各信号のドリフト成分が互いにキャンセ
ルされることになって、上記T/A及びD/Aが経時変
化することがなくなる。この結果、最終的に得られる圧
力検出値の精度を長期間に渡って良好な状態に維持でき
るようになる。
ッジ回路3及び温度検出用ブリッジ回路4に設けたトリ
ミング抵抗Rw1〜Rw4をレーザトリミングすることによ
って、それらブリッジ回路3及び4からの検出信号Sd
及び温度信号Stの電位レベルと、基準電圧発生回路5
からの基準信号Saの電位レベルとが等しくなるように
調整した構成にある。即ち、このような調整状態では、
差動増幅回路8を構成するオペアンプ8a、8bの特
性、具体的には、オペアンプ8a、8bにおいては、図
4に一例を示すように、入力電位レベルの高低に応じて
オフセット値の温度特性が異なるという特性があるが、
このような特性が存在する状況下であっても、その特性
が差動増幅回路8からの出力電圧(検出信号Sd、温度
信号St、基準信号Saを増幅した電圧)に悪影響を及
ぼす事態を未然に防止できるようになり、結果的に、そ
の出力電圧をデジタルデータに変換した後に行われる補
正演算回路14での演算処理により算出される圧力検出
値の誤差を十分に小さくできるようになる。
基準信号Saの各電位レベルは厳密に一致させる必要は
なく、例えば図4の縦軸において、温度特性の曲がりに
1目盛り分程度の誤差が許容される場合には、その許容
誤差範囲内に収まる電位レベルに設定すれば良いもので
ある。
チプレクサ6が設けられているから、多数のオペアンプ
を必要としないものであり、以て全体の小型化を実現で
きるようになる。しかも、比較的大きな面積を占有する
ことになる差動増幅回路8を、検出信号Sd、温度信号
St及び基準信号Saの増幅用に兼用する構成となって
いるから、多数の差動増幅回路を設ける必要がなくなっ
て、この面からも全体の小型化を実現できるようにな
る。
利用したA/D変換回路9にあっては、変換速度の大幅
な向上(つまりサンプリング時間の大幅な短縮)を実現
できるという利点があるため、圧力検出値の算出に必要
な時間を短縮できるようになる。
ものではなく、次のような変形または拡張が可能であ
る。半導体圧力センサ装置に適用した例を説明したが、
加速度、磁束、湿度などの他の物理量を検出するための
センサ装置に広く適用することができる。A/D変換回
路9内のRGD10は、基本的な構成例を示したもので
あり、これと異なる構成のRGDを設けることもでき
る。感度やオフセットに対する温度補償をアナログ的な
補正演算により行うようにしたセンサ装置にも適用範囲
を広げることができる。基準電圧発生回路5からの基準
電圧Saの電位レベルを調整するためのトリミング抵抗
を設ける構成としても良いが、この基準電圧発生回路5
は必要に応じて設ければ良い。
ート
ジ回路(センシング用ブリッジ回路)、Rd1、Rd2、R
d3、Rd4は抵抗素子、4は温度検出用ブリッジ回路、R
t1、Rt2は感温抵抗素子、Rc1、Rc2は抵抗素子、Rw
1、Rw2、Rw3、Rw4はトリミング抵抗、5は基準電圧
発生回路、6はアナログマルチプレクサ、7は制御ブロ
ック、8は差動増幅回路、8a、8bはオペアンプ、9
はA/D変換回路、10はリングゲート遅延回路、10
aはNANDゲート(反転回路)、10bはインバータ
(反転回路)、11は周回数カウンタ、12はスタック
メモリ、13はEPROM(記憶手段)、14は補正演
算回路(信号処理手段)を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 抵抗素子を組み合わせて構成され被検出
物理量に応じた電圧値の検出信号を発生するセンシング
用ブリッジ回路と、 抵抗素子を組み合わせて構成され前記センシング用ブリ
ッジ回路の温度に応じた電圧値の温度信号を発生する温
度検出用ブリッジ回路と、 前記検出信号及び温度信号を選択的に出力するアナログ
マルチプレクサと、 オペアンプにより構成され前記アナログマルチプレクサ
から順次出力される信号を増幅する差動増幅回路と、 前記センシング用ブリッジ回路及び温度検出用ブリッジ
回路の少なくとも一方に設けられ、各ブリッジ回路から
出力される前記検出信号及び温度信号の電位レベルが互
いに等しくなる状態に調整可能なトリミング用抵抗とを
備えたことを特徴とするセンサ装置。 - 【請求項2】 前記被検出物理量及び前記センシング用
ブリッジ回路の温度と無関係に一定の電圧値となる基準
信号を出力するように構成され、その基準信号を前記ア
ナログマルチプレクサを通じて前記差動増幅回路に与え
るように設けられた基準電圧発生回路と、 前記差動増幅回路により増幅された前記検出信号、温度
信号及び基準信号に基づいた演算処理により当該検出信
号に対応した物理量検出値を上記温度信号及び基準信号
により補正した状態で算出する信号処理手段とを備え、 前記センシング用ブリッジ回路及び温度検出用ブリッジ
回路の双方に前記トリミング用抵抗を設けたことを特徴
とする請求項1記載のセンサ装置。 - 【請求項3】 前記差動増幅回路により増幅された前記
検出信号、温度信号及び基準信号をデジタルデータに変
換するA/D変換回路を備え、 前記信号処理手段は、前記A/D変換回路からのデジタ
ルデータに基づいたデジタル演算処理により前記検出信
号に対応した物理量検出値を前記温度信号及び基準信号
により補正した状態で算出するように構成されているこ
とを特徴とする請求項2記載のセンサ装置。 - 【請求項4】 前記A/D変換回路は、反転動作時間が
電源電圧に応じて変化する複数個の反転回路をリング状
に連結して成るリングゲート遅延回路を含んで成り、前
記検出信号、温度信号及び基準信号が上記リングゲート
遅延回路に電源電圧として与えられた各状態で当該リン
グゲート遅延回路にパルス信号が入力されたときのパル
ス信号周回数に基づいて上記検出信号、温度信号及び基
準信号をデジタルデータに変換する構成のものであるこ
とを特徴とする請求項3記載のセンサ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31317198A JP3985366B2 (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | センサ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31317198A JP3985366B2 (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | センサ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000146732A true JP2000146732A (ja) | 2000-05-26 |
JP3985366B2 JP3985366B2 (ja) | 2007-10-03 |
Family
ID=18037971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31317198A Expired - Lifetime JP3985366B2 (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | センサ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3985366B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015045267A1 (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-02 | 株式会社デンソー | センサ信号検出装置 |
-
1998
- 1998-11-04 JP JP31317198A patent/JP3985366B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015045267A1 (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-02 | 株式会社デンソー | センサ信号検出装置 |
JP2015092149A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-05-14 | 株式会社デンソー | センサ信号検出装置 |
US9784632B2 (en) | 2013-09-30 | 2017-10-10 | Denso Corporation | Sensor signal detection device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3985366B2 (ja) | 2007-10-03 |
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