JP2000145503A - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JP2000145503A
JP2000145503A JP31568898A JP31568898A JP2000145503A JP 2000145503 A JP2000145503 A JP 2000145503A JP 31568898 A JP31568898 A JP 31568898A JP 31568898 A JP31568898 A JP 31568898A JP 2000145503 A JP2000145503 A JP 2000145503A
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JP
Japan
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fuel
injection amount
engine
amount
fuel injection
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Application number
JP31568898A
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English (en)
Inventor
Kimito Kashiwabara
公人 柏原
Sumihisa Oda
純久 小田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の燃料噴射量制御装置において、エ
ンジン始動後の運転状態に応じた燃料の蒸発特性を的確
に把握して良好な燃料噴射量制御を可能とする。 【解決手段】 基本噴射量設定手段101がエンジン1
0の吸気量Q(n)に対して適正な空燃比A/Fを達成
すべき基本噴射量TB(n)を設定し、直送割合設定手
段103が燃焼室18へ直接輸送される燃料の直送割合
αを設定し、直送量算出手段105が基本噴射量TB
(n)と直送割合αとから直送量Tα(n)を算出する
とき、割合補正手段104が直送割合αをエンジン始動
後の経過時間tに対応して補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気管に燃料を噴
射する方式の内燃機関に用いて好適な内燃機関の燃料噴
射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射を吸気管内に行う方式の燃料噴
射量制御装置を具えた内燃機関では、噴射した燃料の一
部が吸気管内壁面に付着し、蒸発分が筒内に輸送され
る。このため、吸気量に対応した燃料量の噴射を行って
も、加速や減速時等の過渡時においては、気筒内に輸送
される燃料に不足もしくは過剰が発生し、失火や空燃比
変動、排ガス性能の悪化等を招来する可能性がある。
【0003】このため、加減速時に付着燃料量を計算
し、燃料噴射量を補正して制御を行うものとして、例え
ば、特開平4−36032号公報に記載されたものがあ
る。この技術では、燃料噴射量を、多気筒エンジンにお
ける1サイクル前の吸気ポート内残留燃料量、1気筒に
おける吸気工程と次の吸気行程間の吸気ポート内燃料蒸
発率、噴射燃料の吸気ポート内壁面付着率等を考慮して
算出しており、この算出手段は、付着燃料の蒸発量が一
次遅れ応答であり、この蒸発量と付着せずに直接輸送さ
れる燃料量との総和が輸送量になるという思想に基づい
ている。
【0004】ところが、付着燃料は、吸気管内壁に付着
するものだけではなく、吸気弁に付着するものも存在す
る。吸気弁は運転時に200℃程度まで上昇し、80℃
程度の吸気管内璧より高温であり、吸気弁に付着した燃
料は蒸発しやすく、蒸発速度が大きい。そして、吸気管
内壁と吸気弁とでは、エンジンの運転状態に対する温度
上昇特性が異なっており、一つの特性値で示すことはで
きない。これは、燃料輸送系が、一般的に認識されてい
る単純な一次遅れ特性によるものではないことを示して
おり、特に過渡状態でその影響が大きく、蒸発特性を認
識した補正を行う必要がある。
【0005】また、噴射された燃料のうち、気筒内に直
接輸送されるものの中には、吸気管内壁や吸気弁に付着
した後に即座に蒸発して輸送されるものが含まれるた
め、冷態時において蒸発速度が低下すると、直接輸送さ
れる割合が減少し、従来の制御手段では的確な燃料噴射
量制御を行えないため、この点についても補正を行う必
要がある。
【0006】そこで、本出願人は、吸気管内壁や吸気弁
とでそれぞれ異なる蒸発特性が存在することを考慮して
燃料噴射量を補正することを考え、特願平5−3094
76号(特開平7−158480号公報参照)として出
願しており、吸気ポート内の付着燃料液膜から蒸発して
燃焼室へ輸送される液膜輸送量を、異なる蒸発特性に対
応した部分輸送量の和として算出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本出願人
は、その後、実験を繰り返すことで、壁面に付着する燃
料の挙動は、実際には、エンジン始動後の経過時間の影
響を受けていることを突き止めた。特に、エンジン始動
後の経過時間にともなって上昇する吸気弁における裏面
の温度は、エンジン水温の上昇に比例しておらず、吸気
弁温度と吸気ポート温度とでは温度上昇にずれが発生し
ていることが判明した。
【0008】以上のことから、先の出願では、液膜輸送
量を算出する場合に、蒸発特性のパラメータとしてエン
ジン水温やエンジン回転数だけを考慮するのでは、正確
な燃料噴射量制御を行う上で不十分であった。
【0009】本発明は、このような問題を解決するもの
であって、エンジン始動後の運転状態に応じた燃料の蒸
発特性を的確に把握して良好な燃料噴射量制御を可能と
して内燃機関の燃料噴射量制御装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の内燃機関の燃料噴射量制御装置では、内燃
機関の吸気管に配置された燃料噴射弁から噴射された燃
料が燃焼室内に導入される割合に基づいて目標燃料噴射
量を補正して燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段
と、始動後の経過時間に従って燃焼室内に導入される燃
料の割合を増大させると共に経過時間に伴うこの割合の
増大度合を割合の増大または経過時間に従って低下させ
る割合補正手段とを設けている。
【0011】従って、燃料噴射量算出手段が噴射燃料が
燃焼室内に導入される割合に基づいて目標燃料噴射量を
補正して燃料噴射量を算出するが、割合補正手段が始動
後の経過時間に従ってこの割合を増大させると共にその
増大度合を低下させることで、エンジン始動直後におけ
る吸気弁等の温度変化に対応した燃料蒸発特性を的確に
把握することで、正確な空燃比制御が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0013】図1に本発明の一実施形態に係る内燃機関
の燃料噴射量制御装置を表す制御ブロック、図2に本実
施形態の内燃機関の概略構成、図3及び図4に本実施形
態の内燃機関の燃料噴射量制御装置の制御要領を説明す
るフローチャート、図5乃至図7に燃料直送割合を算出
するためのマップ、図8に付着燃料の配分係数を算出す
るためのマップ、図9乃至図10に第1の平滑化係数を
算出するためのマップ、図11乃至図12に第2の平滑
化係数を算出するためのマップを示す。
【0014】本実施形態の内燃機関の燃料噴射量制御装
置を適用したエンジンにおいて、図2に示すように、こ
のエンジン10には吸気ポート11及び排気ポート12
が設けられ、吸気バルブ13及び排気バルブ14によっ
て開閉自在となっている。クランクシャフト15にはコ
ンロッド16を介してピストン17が連結され、シリン
ダ内を摺動自在に支持されている。燃焼室18には点火
プラグ19が取付けられており、イグニッションコイル
20を介して電子制御ユニット(ECU)21に接続さ
れる。
【0015】先端部にエアクリーナ22が連結された吸
気管23はサージタンク24を介して吸気ポート11に
連結されている。この吸気管23の先端部には、吸入空
気量を検出するエアフローセンサ25と、吸気温度を検
出する吸気温センサ26と、大気圧を検出する大気圧セ
ンサ27とが取付けられている。そして、各センサ2
5,26,27の検出値がECU21に入力されるよう
になっている。また、この吸気管23におけるサージタ
ンク24の上流側にはスロットル弁28が設けられ、こ
のスロットル弁28にはその開度を検出するスロットル
ポジションセンサ29が取付けられると共に、その全閉
状態を検出してアイドリング状態を認識するアイドルス
イッチ30が取付けられている。そして、スロットルポ
ジションセンサ29とアイドルスイッチ30の出力信号
はECU21に入力され、スロットル弁28はアクセル
ペダルの踏み込み量に応じて開度が変わるようになって
いる。
【0016】エンジン10の吸気ポート11の近傍には
各気筒ごとに電磁式のインジェクタ(燃料噴射弁)31
が取付けられており、このインジェクタ31は燃圧レギ
ュレータ33に連結されると共に、図示しない燃料タン
ク内の燃料ポンプに連結されている。従って、燃料ポン
プによって供給されて燃圧レギュレータ33によって圧
力が調整された燃料がインジェクタ31に送給され、E
CU21の指令に基づいてドライバ34がインジェクタ
31を駆動して所定量の燃料を噴射する。
【0017】また、エンジン10には各気筒のクランク
位置を検出するクランク角センサが設けられており、こ
のクランク角センサは検出結果をECU21に入力でき
るようになっている。また、カムシャフトの回転位置信
号SGCを出力するカムポジションセンサが設けられて
おり、これらのセンサによってエンジン回転数と気筒判
別信号が認識できる。更に、エンジン10にはエンジン
冷却水温を検出する水温センサ36が設けられている。
【0018】一方、エンジン10の排気ポート12には
排気管37が接続され、排気管37にはO2 センサ38
が取付けられている。また、排気管37には三元触媒3
9及び図示しないマフラーが備えられている。
【0019】ところで、本実施形態において、燃料噴射
量制御(空燃比制御)に着目すると、ECU21から
は、後述の手法で演算された燃料噴射用制御信号がドラ
イバ34を介してインジェクタ31のソレノイドへ出力
されて、気筒毎の4つのインジェクタ31を順次駆動さ
せるようになっているが、この燃料噴射量制御(インジ
ェクタ駆動時間制御)のために、ECU21は、図1に
示すように、基本噴射量設定手段101と噴射量補正手
段102の機能を有している。
【0020】この基本噴射量設定手段101は、エンジ
ン10への吸気量Q(n)に対して適正な空燃比A/F
を達成すべき燃料の基本噴射量(目標燃料噴射量)TB
(n)を、次式により設定するように構成されている。 TB(n)=KINJ ・Q(n) ・・・・(1) ここで、KINJ は吸気量を燃料量に変換する燃料量変換
係数であり、目標空燃比等に応じて設定されている。
【0021】一方、噴射量補正手段102は、エンジン
温度としての冷却水温WTを検出する水温センサ36の
出力を用いて、エンジン10の運転状態に対応した基本
噴射量TB(n)の補正を行うべく、以下のような各手
段を有している。即ち、直送割合設定手段103は、基
本噴射量中において吸気ポート11の内壁へ付着せずに
燃焼室18へ直接輸送される燃料の直送割合αを設定す
るものである。この直送割合αは、図5の特性f1を記
憶したマップにより設定されることで、冷却水温WTに
対応して与えられるようになっている。
【0022】また、この直送割合αは、割合補正手段1
04により、図6の特性f2を記憶したマップの値に基
づいて補正されるようになっており、エンジン回転が中
速程度以上になるとエンジン回転数Neに対応して直送
割合αを高く設定するような補正を行う。更に、直送割
合αは、この割合補正手段104により、図7の特性f
3を記憶したマップの値に基づいて補正されるようにな
っており、エンジン始動後の経過時間tに対応して直送
割合αを高く設定するような補正を行う。ここで、直送
割合αは、次式(2)で表される。 α=f1(WT)×f2(Ne)×f3(t) ・・・・(2)
【0023】この特性f2による補正は、エンジン回転
が速くなると噴射タイミングが吸気行程とオーバーラッ
プするようになり、気筒内への直接飛び込みが増加する
現象に対応して設定されている。また、特性f3による
補正は、エンジン始動直後における吸気弁13の裏面の
温度は、冷却水温WTの上昇に比例しておらず、吸気弁
温度は冷却水温WTの上昇よりも短期間に上昇するとい
う現象に対応して設定されており、直送割合αを始動後
の経過時間tに従って増大させると共に、その経過時間
tに伴う直送割合αの増大度合を経過時間tに従って低
下させるようにしている。即ち、図7に表すマップに示
すように、直送割合αの反映係数kとしての初期値k0
を設定して始動モードでは一定(k=k0 )とし、始動
直後では直送割合の反映係数kをk0 からk1 まで大き
な増大度合で増加し、その後はkまで小さな増大度合で
増加するようになっている。
【0024】また、噴射量補正手段102には直送量算
出手段105が設けられており、吸気ポート11内に付
着することなく直接輸送される直送量Tα(n)は、基
本噴射量TBのうち割合αを占めるため、この直送量算
出手段105は次式(3)で直送量を算出するように構
成されている。 Tα(n)=TB・α ・・・・(3)
【0025】更に、噴射量補正手段102には液膜輸送
量算出手段106が設けられており、吸気ポート11内
の付着燃料液膜から蒸発して燃焼室18へ輸送される液
膜輸送量を算出する。この液膜輸送量算出手段106
は、液膜輸送量を、異なる蒸発特性に対応した部分輸送
量の和として算出すべく、付着燃料液膜からの蒸発に関
する第1の一次遅れ処理手段107及び第2の一次遅れ
処理手段108を有している。
【0026】第1の一次遅れ処理手段107及び第1の
平滑化係数補正手段111は第1の平滑化係数Xを設定
し、吸気弁13に付着した燃料の蒸発により発生する第
1の部分輸送量109を、第1の平滑化係数Xを用いて
平滑化処理を行って算出するものとして構成されてい
る。この場合、第1の平滑化係数Xは、吸気弁13の温
度に対応させるべく、図9の特性f5及び図10の特性
f6がマップの状態で記憶され、冷却水温WT及び始動
後経過時間tに対応して設定されている。つまり、第1
の平滑化係数Xは始動後の経過時間tに従って増大さ
れ、その経過時間tに伴う平滑化係数Xの増大度合を経
過時間tに従って低下させるようにしている。即ち、図
10に表すマップに示すように、第1の平滑化係数Xの
初期値X0 を設定して始動モードでは一定(X=X0
とし、始動直後では第1の平滑化係数XをX0 からX1
まで大きな増大度合で増加し、その後はX2 まで小さな
増大度合で増加するようになっている。ここで、第1の
平滑化係数Xは、次式(4)で表される。 X=f5(WT)×f6(t) ・・・・(4) このような第1の平滑化係数Xを用いて、後述の式(1
1)により、第1の部分輸送量109が算出されるよう
になっている。
【0027】また、第2の一次遅れ処理手段108及び
第2の平滑化係数補正手段112は、第2の平滑化係数
Yを設定し、吸気ポート13の壁面に付着した燃料の蒸
発により発生する第2の部分輸送量110を、第2の平
滑化係数Yを用いて平滑化処理を行って算出するものと
して構成されている。この場合、第2の平滑化係数Y
は、吸気ポート13の壁面の温度に対応させるべく、図
11の特性f7及び図12の特性f8がマップの状態で
記憶され、冷却水温WT及び始動後経過時間tに対応し
て設定されている。つまり、第2の平滑化係数Yを始動
後の経過時間tに従って増大させる。即ち、図12に表
すマップに示すように、第2の平滑化係数Yの初期値Y
0 を設定して始動モードでは一定(Y=Y0 )とし、始
動直後ではY2 まで所定の増大度合で増加するようにな
っている。ここで、第2の平滑化係数Yは、次式(5)
で表される。 Y=f7(WT)×f8(t) ・・・・(5) このような第2の平滑化係数Yを用いて、後述の式(1
2)により、第2の部分輸送量110が算出されるよう
になっている。
【0028】そして、第1の平滑化係数Xと第2の平滑
化係数Yとは、図9及び図11で比較解釈されるよう
に、管壁付着燃料の蒸発に対応した第2の平滑化係数Y
が小さく設定され、比較的に小さい管壁の蒸発速度に対
応させると共に、第1の平滑化係数Xが大きく設定さ
れ、比較的に大きい弁の蒸発速度に対応させるようにな
っている。
【0029】また、上述のような直送割合αに対し、吸
気ポート11の管璧に付着した燃料からの第2の部分輸
送「TTRNSY(n)」110と、弁に付着した燃料から
の第1の部分輸送量「TTRNSX(n)」109との割合
としての配分係数βを設定する配分係数設定手段113
が液膜輸送量算出手段106に設けられている。この配
分係数βは、噴霧の弁への付着面積の割合を基準とす
る、その近傍の値で設定されているが、付着面積の割合
が冷却水温WTに対応して変化するため、図8における
特性値をマップの状態で記憶することにより、冷却水温
WTに対応した値が設定されるようになっている。 β=f3(WT) ・・・・(6)
【0030】ところで、基本噴射量TB(n)の噴射に
より実現が予測される予測輸送量TTRNS(n)を、液膜
輸送量と直接輸送量とにより次式(7)で算出する予測
輸送量算出手段114が設けられている。 TTRNS(n)=TB(n)・α +TTRNSX(n−4)+TTRNSY(n−4)・・・(7) ここで、上式の第1項が直接輸送量に対応し、第2、第
3項が液膜輸送量に対応しており、液膜輸送量は後述す
る式(11)、(12)により算出された前回の演算サ
イクルにおける値が用いられる。
【0031】そして、実噴射量算出手段115が設けら
れており、基本噴射量TB(n)と予測輸送量TTRNS
(n)との偏差△T(n)を、直送割合αを含めて補償
し、基本噴射量TB(n)の輸送を実現すべき補正量を
算出するとともに、この補正量を含めた実噴射量TINJ
(n)を算出するように構成されている。即ち、基本噴
射量TB(n)と予測輸送量TTRNS(n)との偏差△T
(n)が、次式(8)により算出されるようになってい
る。
【0032】 △T(n)=TB(n)−TTRNS(n) ・・・・(8) この偏差△T(n)を、直送割合αを含めて補償し、基
本噴射量TB(n)の輸送を実現すべき補正量が次式
(9)により算出される。 (1/α)・△T(n) ・・・・(9) 即ち、偏差△T(n)の量を補正量とした湯合には、そ
の量のうち、直送割合αに対応する量のみが気筒内に供
給されることとなり、補正量が不足することを考慮して
直送割合αを乗じた場合に偏差△T(n)の量となるよ
うに構成されている。
【0033】そして、基本噴射量TB(n)の輸送を実
現すべき補正量を含めた実噴射量TINJ (n)が、次式
(10)により算出されるように構成されている。 TINJ (n)=TB(n)+(1/α)・△T(n) ・・・・(10) 更に、実噴射量TINJ (n)の噴射を行った場合におけ
る液膜輸送量TTRNSX(n)、TTRNSY(n)が、次式
(11)、(12)により算出されるように構成されて
いる。 TTRNSX(n)=(1−X)・TTRNSX(n−4) +X・(1− α)・β・TINJ (n)・・・(11) TTRNSY(n)=(1−Y)・TTRNSY(n−4) +Y・(1− α)・(1−β)・TINJ (n) ・・・(12)
【0034】これらの式(11)、(12)における演
算は、前回の輸送量TTRNSX(n−4),TTRNSY(n
−4)と、今回の噴射量TINJ (n)とについて、平滑
化係数X,Yにより平滑化処理を行うもので、Xが大き
くなれば今回の噴射で吸気弁に付着した燃料量の重み付
けが大きくなることを示し、また、Yが大きくなれば今
回の噴射で吸気ポートに付着した燃料量の重み付けが大
きくなることを示すものである。この演算結果である液
膜輸送量TTRNSX(n),TTRNSY(n)は次回の演算
サイクルにおける予測輸送量算出手段112の演算に用
いられる。そして、実燃料噴射量算出手段115におい
て算出された実噴射量TINJ (n)は、燃料噴射指令と
して出力され、噴射ドライバ34を介して燃料噴射が行
われる。
【0035】ここで、上述した本実施形態のエンジンの
燃料噴射量制御装置における制御要領を図3及び図4の
フローチャートに基づいて説明する。まず、図3に示す
ようなメインルーチンが所定の演算周期で繰り返されて
おり、このメインルーチンにおけるステップA1で、各
係数α,β,X,Yがそれぞれ図5〜図12のマップに
示す特性から決定されて読み込まれる。
【0036】即ち、吸気ポート11内へ付着せずに気筒
内に直接輸送される割合である直送割合αが、図5の特
性f1を記憶したマップにより設定される。そして、こ
の設定の際に、冷却水温WTが水温センサ36からの出
力信号により参照され、この冷却水温WTに対応した特
性値が決定される。また、この直送割合αは、図6の特
性f2を記憶したマップの値により補正されるようにな
っており、クランク角センサ35で検出されるエンジン
回転数Neに対応した補正値f2(Ne)がマップから
読み出される。更に、この直送割合αは、図7の特性f
3を記憶したマップの値により補正されるようになって
おり、図示しないタイマでカウントされるエンジン始動
後の経過時間tに対応した補正値f3(t)がマップか
ら読み出され、次の演算により直送係数αが算出され
る。 α=f1(WT)×f2(Ne)×f3(t) ・・・・(2)
【0037】次に、配分係数βが、図8における特性値
のマップにより、冷却水温WTに対応した値が設定され
る。 β=f3(WT) ・・・・(6)
【0038】また、第1の平滑化係数Xが、図9に示す
特性値のマップにより、冷却水温WTに対応して設定さ
れ、図10の特性値を記憶したマップの値により補正さ
れるようになっており、図示しないタイマでカウントさ
れるエンジン始動後の経過時間tに対応した補正値f6
(t)がマップから読み出され、次の演算により平滑化
係数Xが算出される。 X=f5(WT)×f6(t) ・・・・(4) 更に、第2の平滑化係数Yが、図11に示す特性値のマ
ップにより、冷却水温WTに対応して設定され、図12
の特性値を記憶したマップの値により補正されるように
なっており、図示しないタイマでカウントされるエンジ
ン始動後の経過時間tに対応した補正値f8(t)がマ
ップから読み出され、次の演算により平滑化係数Yが算
出される。 Y=f7(WT)×f8(t) ・・・・(5)
【0039】このようにして、各係数α,β,X,Yが
設定され、他ルーチンからの所定の呼出し動作により、
その時点の設定値が出力される。
【0040】一方、クランク角に同期して動作する図4
のクランク角同期ルーチンが所定のサイクルで実行され
る。まず、ステップB1においてエンジンへの吸気量Q
(n)が、エアフローセンサ25の検出信号により算出
される。次いで、ステップB2において、基本噴射量設
定手段101による演算が行われ、エンジン10ヘの吸
気量Q(n)に対して適正な空燃比A/Fを達成すべき
燃料の基本噴射量TB(n)が、次式(1)により算出
される。 TB(n)=KINJ・Q(n) ・・・・(1)
【0041】そして、ステップB3において、基本噴射
量TB(n)を噴射した場合における気筒内への燃料輸
送量TTRNS(n)が次式(7)により算出される。 TTRNS(n)=TB(n)・α +TTRNSX(n−4)+TTRNSY(n−4)・・・(7) ここで、TTRNSX(n−4),TTRNSY(n−4)は、
後述のステップB5において算出される液膜輸送量を示
しており、それぞれ吸気弁13に付着した燃料から蒸発
して輪送される弁蒸発分と、吸気ポート11の管壁に付
着した燃料から蒸発して輸送される吸気管壁蒸発分とを
前回の噴射における噴射量を用いて平滑化処理して算出
されるもので、1サイクル前に算出された値を採用す
る。
【0042】次に、ステップB4において、補正供給す
べき燃料供給量△T(n)が次式(8)により算出され
る。 △T(n)=TB(n)−TTRNS(n) ・・・・(8) そして、この補正燃料供給量△T(n)を含めた実燃料
噴射量TINJ (n)が直送割合αを用いて次式(10)
により算出される。 TINJ (n)=TB(n)+(1/α)・△T(n) ・・・・(10) これにより、このサイクルにおける実燃料噴射量TINJ
(n)が決定される。更に、ステップB5が実行され、
次式(11)、(12)によりTTRNSX(n),TTRNS
Y(n)が算出される。 TTRNSX(n)=(1−X)・TTRNSX(n−4) +X・(1− α)・β・TINJ (n)・・・(11) TTRNSY(n)=(1−Y)・TTRNSY(n−4) +Y・(1− α)・(1−β)・TINJ (n) ・・・(12) ここで算出されたTTRNSX(n),TTRNSY(n)が、
次回の噴射に対する演算時において、式(7)のTTRNS
X(n−4),TTRNSY(n−4)として用いられる。
【0043】このような演算処理が行われて、ECU2
1から、燃料噴射用制御信号がドライバ34を介してイ
ンジェクタソレノイドへ出力され、4つのインジェクタ
31が順次駆動されて、所望の空燃比制御が行われる。
従って、本実施形態の内燃機関の燃料噴射量制御装置に
よれば、次のような効果が得られる。
【0044】(1)吸気弁13と吸気ポート11の内壁
とのように、エンジン10の運転温度に対応して変化す
る温度分布と、この温度分布の変化による吸気ポート1
1内からの蒸発輸送特性が、燃料噴射量算出において所
定の配分比で的確に反映されるようになり、運転状態に
対応した正雄な燃料噴射量が算出されるようになる。 (2)吸気ポート11内に付着した後、即座に蒸発して
輸送される燃料は、冷態(低水温)時においては減少
し、燃料噴射量中の直接輸送量が低下する。このときの
制御について、直送割合がエンジン温度に依存して設定
されるため、直接輸送量の低下に対応した燃料噴射量算
出が行われ、運転状態に対応した正確な燃料噴射量が算
出されるようになる。 (3)直送割合αを冷却水温WTに対応して設定し、エ
ンジン回転数Ne及びエンジン始動後の経過時間tに対
応して補正しており、エンジン始動直後における吸気弁
13の温度上昇の度合に対応させることで、運転状態に
対応した正確な燃料噴射量が算出されるようになる。そ
のため、エンジン始動直後における失火や空燃比の不適
によるもたつきを防止できる。また、相乗効果として、
暖機増量、始動直後増量リーン化による排気エミッショ
ン低減が可能となる。 (4)その結果、冷態(低水温)時における加減速等の
過渡時においても、的確な燃料噴射量の算出が行われる
ため、常時正確な空燃比制御が行われ、安定したエンジ
ンの運転状態が達成される。
【0045】なお、上述の実施形態では、割合補正手段
104が直送割合αを図7の特性f3を記憶したマップ
の値に基づいて補正するが、この図7の特性f3を記憶
したマップにて、傾きを二段階に変化するようにした
が、三段階以上であってもよい。また、平滑化係数Xを
補正する図10の特性f6を記憶したマップでも、傾き
を三段階以上にしてもよい。
【0046】更に、本実施形態では、始動直後の補正を
式(2)(4)(5)のように積で表した。 α=f1(WT)×f2(Ne)×f3(t) ・・・・(2) X=f5(WT)×f6(t) ・・・・(4) Y=f7(WT)×f8(t) ・・・・(5) しかし、下記式とし、冷却水温WTと始動後経過時間t
の2変数関数で各定数を決定しても同様の効果が得られ
る。また、直送割合αについては、エンジン回転数Ne
の補正を省略してもよい。 α=f1(WT,t)×f2(Ne) X=f5(WT,t) Y=f7(WT,t)
【0047】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように本発明の内燃機関の燃料噴射量制御装置によれ
ば、噴射燃料が燃焼室内に導入される割合に基づいて目
標燃料噴射量を補正して燃料噴射量を算出するが、始動
後の経過時間に従ってこの割合を増大させると共にその
増大度合を低下させることで、エンジン始動直後におけ
る吸気弁等の温度変化に対応した燃料蒸発特性を的確に
把握することで、正確な空燃比制御を可能とすることが
でき、ドライバビリティを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃料噴射
量制御装置を表す制御ブロック図である。
【図2】本実施形態の内燃機関の概略構成図である。
【図3】本実施形態の内燃機関の燃料噴射量制御装置の
制御要領を説明するメインルーチンのフローチャートで
ある。
【図4】本実施形態の内燃機関の燃料噴射量制御装置の
制御要領を説明するクランク角同期ルーチンのフローチ
ャートである。
【図5】燃料直送割合をエンジン温度より算出するため
のマップである。
【図6】燃料直送割合をエンジン回転数より補正するた
めのマップである。
【図7】燃料直送割合をエンジン始動後の経過時間より
補正するためのマップである。
【図8】付着燃料の配分係数を算出するためのマップで
ある。
【図9】第1の平滑化係数をエンジン温度より算出する
ためのマップである。
【図10】第1の平滑化係数をエンジン始動後の経過時
間より補正するためのマップである。
【図11】第2の平滑化係数をエンジン温度より算出す
るためのマップである。
【図12】第2の平滑化係数をエンジン始動後の経過時
間より算出するためのマップである。
【符号の説明】
10 エンジン 11 吸気ポート 13 吸気弁 18 燃焼室 21 電子制御ユニット(ECU) 28 スロットル弁 31 インジェクタ(燃料噴射弁) 34 ドライバ 36 水温センサ 101 基本噴射量設定手段 102 燃料射量補正手段 103 直送割合設定手段 104 割合補正手段 105 直送量算出手段 106 液膜輸送量算出手段 107 第1の一次遅れ処理手段 108 第2の一次遅れ処理手段 109 第1の部分輸送量 110 第2の部分輸送量 111 第1の平滑化係数補正手段 112 第2の平滑化係数補正手段 113 配分係数設定手段 114 予測輸送量算出手段 115 実燃料噴射量算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G301 HA06 JA12 JA23 LB06 MA01 MA11 MA18 NA01 NA08 NC02 NC08 NE01 NE23 PA01Z PA10Z PA11Z PA14Z PB03Z PB10Z PD03A PE01Z PE03Z PE04Z PE05Z PE08Z PF16Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気管に配置された燃料噴射
    弁から噴射された燃料が燃焼室内に導入される割合に基
    づいて目標燃料噴射量を補正して前記燃料噴射弁から噴
    射される燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    始動後の経過時間に従って前記割合を増大させると共に
    該経過時間に伴う該割合の増大度合を前記割合の増大ま
    たは前記経過時間に従って低下させる割合補正手段とを
    具えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
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