JP2561248B2 - 内燃機関の燃料カツト制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料カツト制御装置

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JP2561248B2
JP2561248B2 JP61185697A JP18569786A JP2561248B2 JP 2561248 B2 JP2561248 B2 JP 2561248B2 JP 61185697 A JP61185697 A JP 61185697A JP 18569786 A JP18569786 A JP 18569786A JP 2561248 B2 JP2561248 B2 JP 2561248B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車等内燃機関の燃料供給装置、特に燃
料遅れ補正量が所定値以下となったときは燃料供給をカ
ットする装置に関する。
(従来の技術) 一般に、フュエルカットを行う主目的は燃費の向上と
不要排気ガスの低減とにあり、これらを効率よく達成し
つつエンジンの運転性をも考慮することが必要である。
従来のこの種の内燃機関の燃料供給制御装置として
は、例えば特公昭54−25973号公報に記載の装置があ
る。この装置では、エンジン回転数に応じて機関が所定
の減速運転に移行すると燃料の供給を停止して(フュエ
ルカットを行い)、エンジンを車両の走行慣性力により
負のトルクで運転し、未燃焼ガスの発生および燃料節減
を図っている。
一方、機関の加減速時における空燃比の目標空燃比か
らのずれは、ほとんどが吸気系の吸気マニホルドや吸気
ポートに付着した付着燃料および浮遊燃料の量的変化に
起因するものであり、この付着、浮遊燃料量は機関の運
転状態に応じて大きく変化する。また、付着、浮遊燃料
量は運転状態の変化に対して、ある遅れをもって変化
し、この遅れの時定数も一定ではない。さらに、付着、
浮遊燃料量の変化は、運転状態の変化だけではなく、そ
の時点における量と平衡状態(定常状態)における量と
の差の大きさによっても異なる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の燃料供給制御装置に
あっては、スロットルバルブが全閉となり所定の遅れ時
間後始めてフュエルカットが開始されるという構成とな
っていたため、スロットルバルブが全閉になる前に燃料
の噴射を停止(すなわち、フュエルカット)をしたいよ
うな場合でも現実にはフュエルカットを行うことができ
ないという不具合がある。
例えば、スロットルバルブが全開の時から急速に減速
運動になった場合にはスロットルバルブが全閉になる前
に全開時の壁流量が既に多量に存在していることがあ
る。ところが、このようなときでも燃料は噴射され続け
ているので、空燃比が過渡にリッチ化してエンジン失火
等の運転性の低下や燃費の悪化を招くことがある。この
ように、特にSPi(Single Point Injection)方式のエ
ンジンのフュエルカット方法としては上述したように減
速時にスロットルバルブが全閉となり所定の遅れ時間を
経て一律にフュエルカットを開始させる現行技術(すな
わち、従来の装置)では運転性および燃費の面で問題が
ある。
このような理由から、壁流分等のいわゆる過渡補正量
KATHOS(このKATHOSについては後に詳述する)の影響に
着目しながら所定の減速時には適切にフュエルカットを
開始できる装置の実現が望まれるが、現状では壁流等の
燃料遅れ補正分を考慮に容れてフュエルカットを行う装
置は実現されていない。
(発明の目的) そこで本発明は、所定の減速時には減速情報のみなら
ずそのときの過渡補正量KATHOSの量と基本供給量とに基
づいてフュエルカットを開始することにより、フュエル
カット開始時期をより適切なものとしてエンジン失火や
燃費の悪化を防止し、運転性や燃費を向上させることを
目的としている。
(問題点を解決するための手段) 本発明による空燃比制御装置は上記目的達成のため、
その基本概念図を第1図に示すように、エンジンの運転
状態を検出する運転状態検出手段aと、エンジンの運転
状態に基づいて燃料の基本供給量を演算する基本値演算
手段bと、エンジンの運転状態に基づいて実際にシリン
ダ内に吸入される空気量を演算する吸入空気量演算手段
cと、エンジン水温と、前記実際にシリンダ内に吸入さ
れる空気量と、回転数とに応じて吸気系への付着燃料の
壁流分量を演算する平衡付着量演算手段dと、エンジン
水温と、前記実際にシリンダ内に吸入される空気量と、
回転数とに応じて吸気系への付着燃料の壁流分の蒸発速
度の割合である分量割合を演算する分量割合演算手段e
と、前回演算時の燃料付着量と前記付着燃料の壁流分量
と前記分量割合とに基づいて前記付着燃料の付着速度を
演算する燃料付着速度演算手段fと、前回の付着量と今
回の付着速度とに基づいて今回の付着量を演算する燃料
付着量演算手段gと、前記付着速度に基づいて今回実際
にシリンダに吸入される燃料の遅れ補正量を演算する遅
れ補正量演算手段hと、燃料の基本供給量を前記遅れ補
正量により補正して補正供給量を求める補正量演算手段
iと、前記基本供給量と前記遅れ補正量との和が所定値
以下の時に燃料のカットを指令するカット指令手段j
と、補正供給量に対応する供給信号を出力するととも
に、燃料のカットが指令されると該供給信号の出力を停
止するカット制御手段kと、カット制御手段からの供給
信号に基づいて燃料を供給する燃料供給手段lと、を備
えている。
(作用) 本発明では、所定の減速時の減速情報とエンジンの運
転状態に基づく基本供給量と過渡補正量KATHOSの演算値
とにより、フュエルカット開始時期が適切に決定され
る。したがって、壁流分の影響を加味したより適切なフ
ュエルカット開始が行われ、エンジン失火や燃費の悪化
が防止される。
(実施例) 以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第2〜11図は本発明の一実施例を示す図であり、本発
明をSPi方式のエンジンに適用した例である。まず、構
成を説明する。第2図において、1はエンジンであり、
吸入空気はエアクリーナ2からスロットルチャンバ3を
経て、ヒータ制御信号SHによりON/OFFするPTCヒータ4
で加熱された後、インテークマニホールド5の各ブラン
チより各気筒に供給され、燃料は噴射信号STiに基づき
スロットル弁6の上流側に設けられた単一のインジェク
タ(燃料供給手段)7により噴射される。各気筒には点
火プラグ10が装着されており、点火プラグ10にはディス
トリビュータ11を介して点火コイル12からの高圧パルス
PULSEが供給される。これらの点火プラグ10、ディスト
リビュータ11および点火コイル12は混合気に点火する点
火手段13を構成しており、点火手段13は点火信号SIGN
基づいて高圧パルスPULSEを発生し放電させる。そし
て、気筒内の混合気は高圧パルスPULSEの放電によって
着火、爆発し、排気となって排気管14を通して触媒コン
バータ15で排気中の有害成分(CO、HC、NOx)を三元触
媒により清浄化されてマフラ16から排出される。
ここで、吸入空気の流れはアクセルペダルに連動する
スロットルチャンバ3内のスロットル弁6により制御さ
れ、アイドリング時にはスロットル弁6はほとんど閉じ
ている。アイドリング時の空気の流れはバイパス通路20
を通り、開度信号SISCに基づいてISCバルブ(Idle Spee
d Control Valve:アイドル制御弁)21により適宜必要な
空気が確保される。
また、各気筒の吸気ポート近傍にはスワールコントロ
ール弁22が配設されており、スワールコントロール弁22
はロッド23を介してサーボダイヤフラム24に連結され
る。サーボダイヤフラム24には電磁弁25から所定の制御
負圧が導かれており、電磁弁25はデューティ値DSCVを有
するスワール制御信号SSCVに基づいてインテークマニホ
ールド5から供給される負圧を大気に漏らす(リークす
る)ことによってサーボダイヤフラム24に導入する制御
負圧を連続的に変える。サーボダイヤフラム24は制御負
圧に応動し、ロッド23を介してスワールコントロール弁
22の開度を調整する。上記スワールコントロール弁22、
ロッド23、サーボダイヤフラム24および電磁弁25は全体
としてスワール操作手段26を構成する。
スロットル弁6の開度αはスロットルセンサ30により
検出され、冷却水の温度Twは水温センサ31により検出さ
れる。また、エンジンのクランク角Caはディストィビュ
ータ11に内蔵されたクランク角センサ(回転数検出手
段)32により検出され、クランク角Caを表すパルスを計
数することによりエンジン回転数Nを知ることができ
る。排気管14には酸素センサ33が取り付けられており、
酸素センサ33は空燃比検出回路34に接続される。空燃比
検出回路34は酸素センサ33にポンプ電流Ipを供給し、こ
のポンプ電流Ipの値から排気中の酸素濃度がリッチから
リーンまで広範囲に亘って検出される。酸素センサ33お
よび空燃比検出回路34は空燃比検出手段35を構成する。
変速機の操作位置は位置センサ36により検出され、車両
の速度SVSPは車速センサ37により検出される。また、エ
アコンの作動はエアコンスイッチ38により検出され、パ
ワステの作動はパワステ検出スイッチ39により検出され
る。
上記各センサ30、31、32、34、36、37、38、39からの
信号はコントロールユニット50に入力されており、コン
トロールユニット50はこれらのセンサ情報に基づいてエ
ンジンの燃焼制御(点火時期制御、燃料噴射制御等)を
行う。すなわち、コントロールユニット50は基本値演算
手段、吸入空気量演算手段、平衡付着量演算手段、分量
割合演算手段、燃料付着速度演算手段、燃料付着量演算
手段、遅れ補正量演算手段、補正量演算手段、カット指
令手段およびカット制御手段としての機能を有し、CPU5
1、ROM52、RAM53およびI/Oポート54により構成される。
CPU51はROM52に書き込まれているプログラムに従ってI/
Oポート54より必要とする外部データを取り込んだり、
またRAM53との間でデータの授受を行ったりしながらエ
ンジンの燃焼制御に必要な処理値を演算し、必要に応じ
て処理したデータをI/Oポート54へ出力する。I/Oポート
54には上記各センサ30、31、32、34、36、37、38、39か
らの信号が入力されるとともに、I/Oポート54からは前
記各信号STi、SIGN、SISC、SSCV、SHが出力される。ROM
52はCPU51における演算プログラムを格納しており、RAM
53は演算に使用するデータをマップ等の形で記憶してい
る。なお、RAM53の一部は不揮発性メモリからなり、エ
ンジン1停止後もその記憶内容を保持する。
次に、作用を説明するが、最初に空気流量の算出シス
テムについて説明する。
本実施例では空気流量の検出に際して従来のようなエ
アフローメータ等を設けておらず、スロットル開度αお
よびエンジン回転数Nをパラメータとしてインジェクタ
7の部分を通過する空気量QAinj(以下、インジェクタ
部空気量という)を算出するという方式(以下、単にα
−Nシステムという)を採っている。
このようなα−Nシステムによってインジェクタ部通
過空気量QAinj算出しているのは、次のような理由によ
る。
すなわち、上記従来のセンサによると、 (イ)吸気脈動によるセンサ出力の変動が大きく、これ
は燃料の噴射量の変動を引き起こし、トルク変動を生じ
させる、 (ロ)センサの応答性の面で過渡時に検出誤差が大きく
なる、 (ハ)上記センサはコストが比較的高い、 という面があるためで、本実施例ではかかる観点から低
コストで応答性、検出精度に優れたα−Nシステムを採
用している。また、特にSPi方式のエンジンにあって
は、かかるα−Nシステムを採用することで、空燃比の
制御精度が格段と高められる。
以下に、本システムによるインジェクタ部通過空気量
QAinj算出を説明する。
第3図はシリンダ空気量QAcyLの算出プログラムを示
すフローチャートである。まず、P1で前回のQAcyLをオ
ールド値QAcyL′としてメモリに格納する。ここで、Q
AcyLはシリンダ部を通過する吸入空気量であり、従来の
装置(例えば、EGi方式の機関)での吸入空気量Qaに相
当するもので、後述する第8図に示すプログラムによっ
てインジェクタ部における空気量QAinjを演算するとき
の基礎データとなる。次いで、P2で必要なデータ、すな
わちスロットル開度α、ISCバルブ21への開度信号SISC
のデューティ(以下、ISCデューティという)Ds、エン
ジン回転数Nを読む込む。P3ではスロットル開度αに基
づいてスロットル弁6が装着されている部分における流
路面積(以下、スロットル弁流路面積という)Aαを算
出する。これは、例えば第4図に示すテーブルマップか
ら該当するAαの値をルックアップして求める。P4では
同様にISCデューティDISCに基づき第5図のテーブルマ
ップからバイパス路面積ABを算出し、P5で次式に従っ
て総流路面積Aを求める。
A=Aα+AB …… 次いで、P6で定常空気量QHを算出する。この算出は、
まず総流路面積Aをエンジン回転数Nで除してA/Nを求
め、このA/Nとエンジン回転数Nをパラメータとする第
6図に示すようなテーブルマップから該当する定常空気
量QHの値をルックアップして行う。次いで、P7でAとN
とをパラメータとして第7図に示すテーブルマップから
インテークマニホールド5の容積を考慮した遅れ係数K2
をルックアップし、P8で次式に従ってシリンダ空気量
QAcyLを算出してルーチンを終了する。
QAcyL=QAcyL′×(1−K2)+QH×K2 …… 但し、QAcyL′:P1で格納した値 このようにして求めたシリンダ空気量QAcyLは本実施
例のようなSPi方式でなく、例えば吸気ポート近傍に燃
料を噴射するEGi方式の機関にはそのまま適用すること
ができる。しかし、本実施例はSPi方式であるから、イ
ンジェクタ部空気量QAinjを求める必要があり、この算
出を第8図に示すプログラムで行っている。同プログラ
ムでは、まず、P11で次式に従って吸気管内空気変化
量ΔCMを求める。このΔCMはシリンタ空気量QAcyLに対
して過渡時にスロットルチャンバ3内の空気を圧力変化
させるための空気量を意味している。
ΔCM=KM×(QAcyL−QAcyL′)/N …… 式において、KMはインテークマニホールド5の容積
に応じて決定される定数であり、エンジン1の機種等に
応じて最適値が選定される。次いで、P12で次式に従
ってインジェクタ空気量QAinjを算出する。
QAinj=QAcyL+ΔCM …… このようにして求めたQAinjはスロットル弁開度αを
情報パラメータの一つとしていることから応答性が極め
て高く、また実験データに基づくテーブルマップによっ
て算出しているので、実際の値の正確に相関し検出精度
が高い(分解能が高い)。さらに、既設のセンサ情報を
利用し、マイクロコンピュータによるソフトの対応のみ
でよいから低コストなものとなる。特に、SPi方式のよ
うにスロットルチャンバ3の上流側で燃料を噴射するタ
イプに適用して極めて好都合である。
次に、本論の作用を説明する。
第9図は燃料カット制御のプログラムを示すフローチ
ャートである。本プログラムは所定時間毎に一度実行さ
れる。まず、P21でエンジンの運転状態に基づいて過渡
補正量KATHOSを演算する。ここに、この過渡補正量KATH
OSは吸気系への燃料付着、浮遊燃料等の影響によるシリ
ンダ流入燃料の遅れに相当する遅れ補正量である。な
お、過渡補正量KATHOSの算出については後述する第10図
に示すプログラムで詳述する。
次いで、P22でインジェクタ部を通過する吸入空気量
に相当するインジェクタ空気量QAinjを演算する。この
インジェクタ空気量QAinjの算出については上述した第
3〜8図で既に説明している。次いで、P23で次式に
従って目標燃空比TFBYAを演算する。
すなわち、目標燃空比TFBYAは空気過剰率λの逆数で
あり、そのときの空気量に対する燃料の割合を示す。し
たがって、インジェクタ空気量QAinjに目標空燃比を乗
じたパラメータ(QAinj×TFBYA)は空燃比の変化の影響
を受けない正確なエンジン負荷を表している。なお、第
式に従って目標空燃比を求めるのに際して、現在の空
燃比は空燃比センサによって検出した前回の値でも今回
新たに検出したものでもよい。
P24では次式に従って基本噴射量Tpを演算する。
Tp=QAinj×TFBYA×K …… 但し、K:インジェクタ特性に基づく流量定数 次いで、P25で基本噴射量Tpと過渡補正量KATHOSとを
足した値が所定値aより小さいか(Tp+KATHOS≦aか)
否かを判別する。
Tp+KATHOS>aのときは壁流量が比較的少なくフュエ
ルカットを開始できる状況にないと判断し、P26で次式
に従って最終噴射量Tiを演算して、今回の処理を終了
する。
Ti=(Tp+KATHOS)×LAMBDA+Ts …… 但し、LAMBDA:空燃比フィードバック補正係数 Ts:電圧補正分 ここで、上記空燃比フィードバック補正係数LAMBDAお
よび電圧補正分Tsは基本燃料噴射量を補正する各補正係
数であるが本発明と関係が薄いので詳しい説明は省略す
る。なお、最終噴射量TiはI/Oポート54の出力レジスタ
に所定のデューティ値を有する電圧パルス幅としてスト
アされ、所定ランク角度でこのTiに対応する噴射信号S
Tiをインジェクタ7に出力する。
一方、P25でTp+KATHOS≦aのときは壁流量が多量に
存在しており空燃比がかなりリッチになっていると判断
し、P27で失火防止および燃費向上のため直ちにフュエ
ルカットを行う。すなわち、最終噴射量Tiを電圧補正分
Tsのみとして(Ti=Ts)実質的な燃料噴射は行わない。
特に、(Tp+KATHOS)の値がマイナスのときは燃料を回
収する必要があることを意味しているが、従来例ではこ
のようなときも燃料を噴射し続けており、過渡の空燃比
のリッチ化からエンジン失火等の不具合が発生していた
ことは上述の従来例で指摘した通りである。
このように、本実施例では所定の運転条件下の減速状
態でかつ基本噴射量Tpと過渡補正量KATHOSとを足した値
が所定値以下のときは、スロットルバルブが全閉となっ
ていなくても(あるいは、全閉になって所定時間が経過
していなくても)フュエルカットを開始する。したがっ
て、例えば全開から急減速してインテークマニホールド
5等に相当多量の壁流分が存在し、空燃比のリッチ化過
剰からエンジン失火が発生しそうな場合にも従来例のよ
うに全閉後所定時間経過する迄俟つことなく直ちにフュ
エルカットが開始できる。その結果、エンジンの失火を
防止して運転性や燃費を向上させることができる。
第10図は過渡補正量KATHOSを演算するプログラムを示
すフローチャートであり、このKATHOSは第9図で述べた
P26の第式中の燃料の遅れ部(KATHOS×KBTLRC)に相
当する補正係数の一つである。まず、P31で平衡付着量M
FH{MFH=func(Tw,QAcyL,N)}を演算する。この平衡
付着量MFHはTw、QAcyLおよびNを関数とする付着燃料の
壁流分の量を示すもので、第11図にスロットル開度との
関係で表すとスロットル開度全開に近づくに従って急激
にその値が増加する傾向を示す。次いで、P32で分量割
合KMF{KMF=func(Tw,QAcyL,N)}を演算する。この分
量割合KMFは上述のMFHと同様にTw、QAcyLおよびNを関
数として演算されるもので、付着燃料の壁流分の蒸発速
度に相当する。
P33では次式に従って付着速度VMFを演算し(但し、
スタートSWが0のときはVMF=0)、P34で次式に従っ
て今回の付着量MFを演算する。
VMF=(MFH−MF)×KMF …… 但し、MF:全開の付着量 MF=MF-1+VMF …… 但し、MF-1:全開の付着量 VMF:第式で算出した値 次いで、P35で次式に従って補正率GHFを演算し、P
36で次式に従って過渡補正量KATHOSを演算して今回の
処理を終了する。
GHF=GHFQACYL×GHFFBYA …… 但し、GHFQACYL:減速補正率 GHFFBYA:空燃比補正率 KATHOS=VMF×GHF …… 但し、VMF:P35で得られた値 このように、本実施例では平衡付着量MFHおよび分量
割合KMFをエンジンの運転状態や機関水温に基づいて適
切に算出し、このMFHおよびKMFにより過渡補正量KATHOS
(すなわち、付着、浮遊燃料量に相当する)を適切に演
算している。このように、適切な過渡補正量KATHOSを求
めることは単に基本噴射量Tpの補正分として最終噴射量
Tiの精度を向上させるだけではなく、フュエルカットの
開始時期をより適切なものとするために欠かすことがで
きない。
(効果) 本発明によれば、所定の減速時には過渡補正量KATHOS
の量と基本供給量とに基づいてフュエルカットを開始す
るので、フュエルカットの開始時期をより適切なものに
することができ、エンジン失火を防止して運転性や燃費
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本概念図、第2〜11図は本発明の一
実施例を示す図であり、第2図はその全体構成図、第3
図はそのシリンダ空気量区QAcyLの算出プログラムを示
すフローチャート、第4図はそのスロットル弁流路面積
Aαのテーブルマップ、第5図はそのバイパス路面積AB
のテーブルマップ、第6図は総流路面積Aをエンジン回
転数Nで除したA/Nとエンジン回転数Nとをパラメータ
とする定常空気量QMのテーブルマップ、第7図はその遅
れ係数K2のテーブルマップ、第8図はそのインジェクタ
空気量QAinjの算出プログラムを示すフローチャート、
第9図はその燃料カット制御のプログラムを示すフロー
チャート、第10図はその過渡補正量KATHOSを演算するプ
ログラムを示すフローチャート、第11図はその平衡付着
量MFHをスロットル開度との関係で示す図である。 1……エンジン、 7……インジェクタ(燃料供給手段)、 50……コントロールユニット(基本値演算手段、吸入空
気量演算手段、平衡付着量演算手段、分量割合演算手
段、燃料付着速度演算手段、燃料付着量演算手段、遅れ
補正量演算手段、補正量演算手段、カット指令手段、カ
ット制御手段)。
フロントページの続き (72)発明者 内田 正明 横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−93151(JP,A) 特開 昭56−18035(JP,A) 特開 昭56−18036(JP,A) 特開 昭61−212642(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)エンジンの運転状態を検出する運転状
    態検出手段と、 b)エンジンの運転状態に基づいて燃料の基本供給量を
    演算する基本値演算手段と、 c)エンジンの運転状態に基づいて実際にシリンダ内に
    吸入される空気量を演算する吸入空気演算手段と、 d)エンジン水温と、前記実際にシリンダ内に吸入され
    る空気量と、回転数とに応じて吸気系への付着燃料の壁
    流分量を演算する平衡付着量演算手段と、 c)エンジン水温と、前記実際にシリンダ内に吸入され
    る空気量と、回転数とに応じて吸気系への付着燃料の壁
    流分の蒸発速度の割合である分量割合を演算する分量割
    合演算手段と、 f)前回演算時の燃料付着量と前記付着燃料の壁流分量
    と前記分量割合とに基づいて前記付着燃料の付着速度を
    演算する燃料付着速度演算手段と、 g)前回の付着量と今回の付着速度とに基づいて今回の
    付着量を演算する燃料付着量演算手段と、 h)前記付着速度に基づいて今回実際にシリンダに吸入
    される燃料の遅れ補正量を演算する遅れ補正量演算手段
    と、 i)燃料の基本供給量を前記遅れ補正量により補正して
    補正供給量を求める補正量演算手段と、 j)前記基本供給量と前記遅れ補正量との和が所定値以
    下の時に燃料のカットを指令するカット指令手段と、 k)補正供給量に対応する供給信号を出力するととも
    に、燃料のカットが指令されると該供給信号の出力を停
    止するカット制御手段と、 l)カット制御手段からの供給信号に基づいて燃料を供
    給する燃料供給手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料カット制御装
    置。
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