JP2000145490A - 車両のエンジン始動制御装置 - Google Patents

車両のエンジン始動制御装置

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JP2000145490A
JP2000145490A JP10323528A JP32352898A JP2000145490A JP 2000145490 A JP2000145490 A JP 2000145490A JP 10323528 A JP10323528 A JP 10323528A JP 32352898 A JP32352898 A JP 32352898A JP 2000145490 A JP2000145490 A JP 2000145490A
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淳 田端
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00 the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
    • B60K6/50Architecture of the driveline characterised by arrangement or kind of transmission units
    • B60K6/54Transmission for changing ratio
    • B60K6/543Transmission for changing ratio the transmission being a continuously variable transmission

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の始動装置を的確に使用して補機を可及
的に継続して駆動するとともに駆動トルクの低下やそれ
に起因するドライバビリティの悪化を防止する。 【解決手段】 車輪に動力を伝達するエンジンと、この
エンジンを始動する機能および補機を駆動する機能とを
有する第1の始動装置と、前記エンジンを始動する機能
を有する第2の始動装置とを備えた車両のエンジン始動
制御装置であって、前記第1の始動装置によって前記補
機を駆動していることを検出する補機駆動検出手段(ス
テップ207)と、前記第1の始動装置によって前記補
機を駆動していることが前記補機駆動検出手段(ステッ
プ207)によって検出された場合には前記第2の始動
装置によってエンジンの始動をおこなわせる始動指示手
段(ステップ210)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンとエン
ジン以外の動力源とを備えた車両の制御装置に関し、特
に、一方の動力源の動力によりエンジンを始動させるこ
との可能なエンジン始動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の動力源として一般に使用さ
れている内燃機関(エンジン)に加えて、第2の動力源
として電動機(モータ・ジェネレータ)を搭載した車両
が開発されている。この種の車両では、電動機の出力す
る動力が、車両の走行のためには必ずしも充分ではない
が、電動機の出力の制御性がよいこと、電動機によって
エネルギの回生をおこなうことできること、電動機は排
ガスを生じないことなどの利点を生かして電動機を使用
するように構成している。
【0003】例えば、発進時などに大きいトルクが必要
な場合には、電動機を内燃機関の補助的な動力源として
動作させ、また減速時には、電動機を発電機として機能
させてエネルギの回生をおこなうなどの制御がおこなわ
れている。このように、エンジンおよび電動機を動力源
とするハイブリッド車の一例が特開平8−168104
号公報、特開平9−39613号公報に記載されてい
る。また、このようなハイブリッド車におけるエンジン
の始動制御に関する技術の一例が特開平7−11570
9号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年においては
多機能化などの要請により、エンジンを始動させるにあ
たり、第1の始動装置によりエンジンを始動する他に、
前記電動機を第2の始動装置として機能させてエンジン
を始動することの可能なハイブリッド車が提案されてい
る。このような構成のハイブリッド車においては、エン
ジンを始動させるにあたり、車両の状態に応じて第1の
始動装置または第2の始動装置を選択的に使用すること
が可能である。
【0005】ここで、第1の始動装置と第2の始動装置
とは、エンジンを回転させる点では共通しているもの
の、その能力や用途などが元来異なっているから、エン
ジンを始動するにあたっていずれの始動装置を使用する
かによっては、車両の挙動に対する影響が相違する。し
かしながら、上記の各公報には、電動機を含む複数の始
動装置の制御に関する技術が記載されていず、この点で
の新たな技術の開発が必要であった。
【0006】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、車両の挙動に対する影響を可及的に抑
制してエンジンを始動することのできる始動制御装置を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、車輪に動力を
伝達するエンジンと、このエンジンを始動する機能およ
び補機を駆動する機能とを有する第1の始動装置と、こ
の第1の始動装置とは別に設けられ、かつ前記エンジン
を始動する機能を有する第2の始動装置とを備えた車両
のエンジン始動制御装置において、前記第1の始動装置
によって前記補機を駆動していることを検出する補機駆
動検出手段と、前記第1の始動装置によって前記補機を
駆動していることが前記補機駆動検出手段によって検出
された場合には前記第2の始動装置によってエンジンの
始動をおこなわせる始動指示手段とを備えていることを
特徴とするものである。
【0008】したがって請求項1の発明によれば、第1
の始動装置で補機を駆動している場合、エンジンの始動
は第2の始動装置によっておこなわれるので、エンジン
を始動する際であっても補機が停止することがない。
【0009】また、請求項2の発明は、車輪に動力を伝
達するエンジンと、このエンジンを始動する機能および
補機を駆動する機能とを有する第1の始動装置と、この
第1の始動装置とは別に設けられ、かつ、前記車輪に動
力を伝達する機能および前記エンジンを始動する機能を
有する第2の始動装置とを備えた車両のエンジン始動制
御装置において、前記第1の始動装置によって前記補機
を駆動している際に前記第2の始動装置でエンジンを始
動することによる駆動トルクの低下を抑制すべきことを
判断する駆動トルク低下抑制判断手段と、前記第2の始
動装置でエンジンを始動することによる駆動トルクの低
下を抑制すべきことが駆動トルク低下抑制判断手段によ
って判断された場合に前記第1の始動装置による補機の
駆動を中止させるとともに前記第1の始動装置によって
エンジンを始動させる始動指示手段とを備えていること
を特徴とするものである。
【0010】したがって請求項2の発明によれば、第1
の始動装置によって補機を駆動し、かつエンジンが停止
している状態では、第2の始動装置によって走行し、あ
るいは発進することになる。このような場合にエンジン
の始動要求によって第2の始動装置によってエンジンを
始動するとすれば、駆動トルクの低下が生じて走行状態
や発進加速性などに影響が生じるので、駆動トルクの低
下を抑制すべき状態と判断され、それに伴って第2の始
動装置によってはエンジンの始動をおこなわずに、第1
の始動装置が補機の駆動を中止してエンジンの始動をお
こなう。
【0011】さらに、請求項3の発明は、車輪に動力を
伝達するエンジンと、このエンジンを始動する機能およ
び補機を駆動する機能とを有する第1の始動装置と、こ
の第1の始動装置とは別に設けられ、かつ、前記車輪に
動力を伝達する機能および前記エンジンを始動する機能
を有する第2の始動装置とを備えた車両のエンジン始動
制御装置において、前記第1の始動装置が前記補機を駆
動していない状態で前記第2の始動装置でエンジンを始
動することによる駆動トルクの低下を抑制すべきことを
判断する駆動トルク低下抑制判断手段と、前記第2の始
動装置でエンジンを始動することによる駆動トルクの低
下を抑制すべきことが駆動トルク低下抑制判断手段によ
って判断された場合に前記第1の始動装置によってエン
ジンを始動させる始動指示手段とを備えていることを特
徴とするものである。
【0012】したがって請求項3の発明によれば、第2
の始動装置によってエンジンを始動することに伴って駆
動トルクが低下し、その結果、車速が低下したり発進加
速性が損なわれるなどの走行状態に対する影響が大き
く、これを抑制すべきことが判断されると、第2の始動
装置によってはエンジンの始動をおこなわずに、第1の
始動装置によってエンジンの始動がおこなわれる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面を参照して
具体的に説明する。図4は、この発明を適用したハイブ
リッド車A1の基本的な構成を示している。ここに示す
例は、エンジン1の出力側にモータ・ジェネレータ(M
G)2が配置され、モータ・ジェネレータ2の出力側に
トルクコンバータ(T/C)5を介して自動変速機6が
配置されている。エンジン1は、燃料の燃焼によって動
力を出力する形式の装置であり、ガソリンエンジンやデ
ィーゼルエンジンのほかに、液化石油ガスや天然ガスな
どのガス燃料を燃焼させるエンジンなどがその例であ
る。
【0014】図5は、エンジン1からトルクコンバータ
5に至るパワートレーンの配置構成を示すブロック図で
あり、図6はエンジン1から自動変速機6に至るパワー
トレーンのスケルトン図である。エンジン1のクランク
シャフト13にフライホイール3が連結されているとと
もに、このフライホイール3に制振機構(ダンパ)4が
連結されている。また、エンジン1とモータ・ジェネレ
ータ2との間には、係合・解放可能なクラッチ100が
設けられている。
【0015】モータ・ジェネレータ2は、エンジン1と
は異なる種類の動力源であり、電気的エネルギを回転運
動などの運動エネルギに変換して出力することのできる
電動機としての機能と、運動エネルギを電気的エネルギ
に変換する発電機としての機能(回生機能)とを有す
る。前記モータ・ジェネレータ2として、例えば永久磁
石型同期モータが使用され、その出力側部材であるロー
タの回転角度を検出するためのレゾルバ7がモータ・ジ
ェネレータ2と並列に配列されている。そして、レゾル
バ7のロータもモータ・ジェネレータ2のロータと同様
に、ダンパ4とトルクコンバータ5とを連結している部
材もしくはトルクコンバータ5の入力側の部材に連結さ
れている。
【0016】さらに、モータ・ジェネレータ2にはイン
バータ101を介してバッテリ102が接続され、モー
タ・ジェネレータ2およびインバータ101ならびにバ
ッテリ102を制御するコントローラ103が設けられ
ている。バッテリ102の定格電圧は、例えば288V
に設定されている。前記インバータ101は、バッテリ
102の直流電流を3相交流電流に変換してモータ・ジ
ェネレータ2に供給する一方、モータ・ジェネレータ2
で発電された3相交流電流を直流電流に変換してバッテ
リ102に供給する3相ブリッジ回路を備えている。こ
の3相ブリッジ回路は、例えば6個のパワートランジス
タを電気的に接続して構成され、これらのパワートラン
ジスタのオン・オフを切り換えることにより、モータ・
ジェネレータ2とバッテリ102との間の電流の向きを
切り換える。このようにして、3相交流電流と直流電流
との相互の変換と、モータ・ジェネレータ2に印可され
る3相交流電流の周波数の調整と、モータ・ジェネレー
タ2に印可される3相交流電流の大きさの調整と、モー
タ・ジェネレータ2の回生制動トルクの大きさの調整と
がおこなわれる。
【0017】そして、モータ・ジェネレータ2を電動機
として機能させる場合は、バッテリ102からの直流電
圧を交流電圧に変換してモータ・ジェネレータ2に供給
する。また、モータ・ジェネレータ2を発電機として機
能させる場合は、回転子の回転により発生した誘導電圧
をインバータ101により直流電圧に変換してバッテリ
102に充電する。さらに、コントローラ103は、バ
ッテリ102からモータ・ジェネレータ2に供給される
電流値、またはモータ・ジェネレータ2により発電され
る電流値を検出または制御する機能を備えている。ま
た、コントローラ103は、モータ・ジェネレータ2の
回転数を制御する機能と、バッテリ102の充電状態
(SOC:state of charge)を検出および制御する機
能とを備えている。上記のモータ・ジェネレータ2は、
エンジン1を始動させる機能と、車輪104に伝達する
動力を出力する機能と、車輪104から入力される運動
エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを有す
る。このモータ・ジェネレータ2によりエンジン1を始
動させる場合はクラッチ100が係合される。
【0018】一方、前記トルクコンバータ5は、フロン
トカバー33、ポンプインペラ35、タービンランナ4
8、ステータ35A、一方向クラッチ43、ロックアッ
プクラッチ49などを有する公知の構造のものである。
また、前記自動変速機6は変速機入力軸44を有し、そ
の先端部にハブ46が取り付けられている。そして、こ
のハブ46に対して、タービンランナ48とロックアッ
プクラッチ49とが連結されている。また、自動変速機
6は、後述する歯車変速機部55と油圧制御部56とを
備えており、歯車変速機部55から後方側に延びた出力
軸57を介して動力を出力するようになっている。
【0019】さらに、油圧制御部56は、前記ロックア
ップクラッチ49の係合・解放の制御および変速制御な
らびに摩擦係合装置の係合圧の制御をおこなうためのも
のであって、複数の電磁バルブや切り換えバルブならび
に調圧バルブを備え、電磁バルブを電気的に制御するこ
とにより、上記の各制御を実行するように構成されてい
る。なお、この油圧制御部56としては、従来知られて
いる自動変速機用の油圧制御装置を採用することができ
る。
【0020】前記自動変速機6は後進段を含む複数の変
速段を設定することができるように構成されている。そ
の歯車変速機部55の一例を図6に示してある。ここに
示す構成では、前進5段・後進1段の変速段を設定する
ように構成されている。すなわちここに示す自動変速機
6は、トルクコンバータ5に続けて副変速部61と、主
変速部62とを備えている。その副変速部61は、いわ
ゆるオーバードライブ部であって1組のシングルピニオ
ン型遊星歯車機構63によって構成され、キャリヤ64
が前記変速機入力軸44に連結され、またこのキャリヤ
64とサンギヤ65との間に一方向クラッチF0 と一体
化クラッチC0 とが並列に配置されている。なお、この
一方向クラッチF0 はサンギヤ65がキャリヤ64に対
して相対的に正回転(変速機入力軸44の回転方向の回
転)する場合に係合するようになっている。またサンギ
ヤ65の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設け
られている。そしてこの副変速部61の出力要素である
リングギヤ66が、主変速部62の入力要素である中間
軸67に接続されている。
【0021】したがって副変速部61は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊
星歯車機構63の全体が一体となって回転するため、中
間軸67が変速機入力軸44と同速度で回転し、低速段
となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ65の
回転を止めた状態では、リングギヤ66が変速機入力軸
44に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0022】他方、主変速部62は三組の遊星歯車機構
70,80,90を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
70のサンギヤ71と第2遊星歯車機構80のサンギヤ
81とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機
構70のリングギヤ73と第2遊星歯車機構80のキャ
リヤ82と第3遊星歯車機構90のキャリヤ92との三
者が連結され、かつそのキャリヤ92に出力軸57が連
結されている。さらに第2遊星歯車機構80のリングギ
ヤ83が第3遊星歯車機構90のサンギヤ91に連結さ
れている。
【0023】この主変速部62の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いる第2遊星歯車機構80のリングギヤ83および第3
遊星歯車機構90のサンギヤ91と中間軸67との間に
第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第
1遊星歯車機構70のサンギヤ71および第2遊星歯車
機構80のサンギヤ81と中間軸67との間に第2クラ
ッチC2 が設けられている。
【0024】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構70および第2遊星歯車機構80のサンギヤ71,8
1の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ71,81(すなわち共通サンギヤ軸)とトラ
ンスミッションハウジング10との間には、第1一方向
クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 と
が直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1
はサンギヤ71,81が逆回転(変速機入力軸44の回
転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合する
ようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB
3 は第1遊星歯車機構70のキャリヤ72とトランスミ
ッションハウジング10との間に設けられている。そし
て第3遊星歯車機構90のリングギヤ93の回転を止め
るブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4
と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハウ
ジング10との間に並列に配置されている。なお、この
第2一方向クラッチF2 はリングギヤ93が逆回転しよ
うとする際に係合するようになっている。
【0025】上述した各変速部61,62の回転部材の
うち副変速部61のクラッチC0 の回転数を検出するタ
ービン回転数センサ68と、出力軸57の回転数を検出
する出力軸回転数(車速)センサ69とが設けられてい
る。そして、出力軸57にはプロペラシャフト(図示せ
ず)などの動力伝達装置が接続され、この動力伝達装置
を介して動力が車輪104に伝達されるように構成され
ている。
【0026】上記の自動変速機6では、各クラッチやブ
レーキを図7の作動図表に示すように係合・解放するこ
とにより前進5段・後進1段の変速段を設定することが
できる。なお、図7において○印は係合状態、空欄は解
放状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は
係合するものの動力伝達に関係しないことをそれぞれ示
す。
【0027】自動変速機6において、P(パーキン
グ)、R(リバース:後進段)、N(ニュートラル)な
らびに第1速(1st)ないし第5速(5th)の各シ
フト状態は、図示しないシフト装置のレバーをマニュア
ル操作することにより設定される。このシフトレバーに
よって、例えばP(パーキング)ポジション、R(リバ
ース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D
(ドライブ)ポジション、4ポジション、3ポジショ
ン、2ポジション、Lポジションを選択することが可能
である。
【0028】ここで、Dポジションは車速やアクセル開
度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第
5速を設定するためのポジションであり、また4ポジシ
ョンは、第1速ないし第4速、3ポジションは第1速な
いし第3速、2ポジションは第1速および第2速、Lポ
ジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジション
である。なお、3ポジションないしLポジションは、エ
ンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、そ
れぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速
側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成さ
れている。
【0029】一方、エンジン1のクランクシャフト13
におけるモータ・ジェネレータ2とは反対側には、図8
に示すように減速装置105を介してモータ・ジェネレ
ータ106が接続される。モータ・ジェネレータ106
の構成は、モータ・ジェネレータ2の構成と同様であ
る。
【0030】減速装置105は、同心状に配置されたリ
ングギヤ107およびサンギヤ108と、このリングギ
ヤ107およびサンギヤ108に噛み合わされた複数の
ピニオンギヤ109とを備えている。この複数のピニオ
ンギヤ109はキャリヤ110により保持されており、
キャリヤ110にはモータ・ジェネレータ106の回転
軸111が連結されている。そして、回転軸111とク
ランクシャフト13とを接続・遮断するクラッチ112
が設けられている。さらに、回転軸111には、チェー
ン113を介してエアコン用コンプレッサなどの補機1
14が接続されている。
【0031】前記回転軸111にはサンギヤ108が取
り付けられており、減速装置105のケーシング115
には、リングギヤ107の回転を止めるブレーキ116
が設けられている。さらに、回転軸111の周囲には一
方向クラッチ117が配置されており、一方向クラッチ
117の内輪が回転軸111に連結され、一方向クラッ
チ117の外輪がリングギヤ107に連結されている。
上記モータ・ジェネレータ106は、エンジン1を始動
する始動装置としての機能と、エンジン1の動力を電気
エネルギに変換する発電機(オルタネータ)としての機
能と、エンジン1の停止時に補機114を駆動する電動
機としての機能とを兼備している。
【0032】そして、減速装置105により、エンジン
1とモータ・ジェネレータ106との間の動力の伝達が
おこなわれるとともに、モータ・ジェネレータ106の
回転軸111の回転速度が減速されてエンジン1に伝達
される。そして、一方向クラッチ117は、エンジン1
から出力された動力がモータ・ジェネレータ106に伝
達される場合に係合する構成になっている。モータ・ジ
ェネレータ106によりエンジン1を始動する場合は、
クラッチ112およびブレーキ116が係合され、一方
向クラッチ117が解放される。また、モータ・ジェネ
レータ106をオルタネータとして機能させる場合は、
クラッチ112および一方向クラッチ117が係合さ
れ、ブレーキ116が解放される。さらに、モータ・ジ
ェネレータ106により補機114を駆動する場合は、
ブレーキ116が係合され、クラッチ112および一方
向クラッチ117が解放される。
【0033】一方、モータ・ジェネレータ106にはイ
ンバータ118を介してバッテリ119が接続され、モ
ータ・ジェネレータ106およびインバータ118なら
びにバッテリ119には、コントローラ120が接続さ
れている。バッテリ119の定格電圧は、例えば12V
に設定されている。インバータ118は、インバータ1
01と同様に構成されている。そして、モータ・ジェネ
レータ106により発電された電気エネルギを、インバ
ータ118を介してバッテリ119に充電することが可
能である。さらに、モータ・ジェネレータ106を発電
機として機能させる場合は、回転子の回転により発生し
た誘導電圧をインバータ118により直流電圧に変換し
てバッテリ119に充電する。
【0034】前記コントローラ120は、バッテリ11
9からモータ・ジェネレータ106に供給される電流
値、またはモータ・ジェネレータ106により発電され
る電流値を検出または制御する機能を備えている。ま
た、コントローラ120は、モータ・ジェネレータ10
6の回転数を制御する機能と、バッテリ119の充電状
態(SOC:state of charge)を検出および制御する
機能とを備えている。
【0035】上記のエンジン1、モータ・ジェネレータ
2,106、自動変速機6、減速装置105、クラッチ
100などの各装置は、車両の状態を示す各種の検出信
号や、予め設定されているデータならびに制御パターン
に基づいて制御される。例えば図9に示すように、マイ
クロコンピュータを主体とするハイブリッド制御装置も
しくは総合制御装置(ECU)60に各種の信号を入力
し、その入力された信号に基づく演算結果を制御信号と
して出力するようになっている。この入力信号の例を挙
げれば、ABS(アンチロックブレーキシステム)コン
ピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)
コンピュータからの信号、エンジン回転数NE の信号、
エンジン水温の信号、図4に示されたイグニッションキ
ー121の操作位置を検出するイグニッションスイッチ
からの信号、バッテリ102,119のSOC(State
of Charge:充電状態)信号、ヘッドライトのオン・オ
フ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン
・オフ信号、車速信号、自動変速機6の作動油温の信
号、シフトレバーにより選択されるシフトポジション、
サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオ
ン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度信号、アクセ
ル開度の信号、カム角センサからの信号、スポーツシフ
ト信号、車両加速度センサからの信号、モータ・ジェネ
レータ2の回生制動トルクを調整するための動力源ブレ
ーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサ
68からの信号、レゾルバ7の信号などである。
【0036】また、出力信号の例を挙げると、クラッチ
100,112への制御信号、点火装置への制御信号、
噴射(燃料の噴射)装置への制御信号、コントローラ1
03,120への信号、減速装置105への信号、油圧
制御部56の自動変速機(AT)ソレノイドへの信号、
油圧制御部56のATライン圧コントロールソレノイド
への信号、ABSアクチュエータへの信号、エアコン用
コンプレッサなどの補機114を制御する信号、エンジ
ン1またはモータ・ジェネレータ2が動力源として使用
されているか否かを表示する駆動源インジケータへの信
号、スポートモードインジケータへの信号、VSCアク
チュエータへの信号、油圧制御部56のATロックアッ
プコントロールバルブへの信号などである。
【0037】そして、アクセル開度、シフトポジショ
ン、車速などの信号が総合制御装置60に入力される
と、これらの信号に対応するエンジン出力、モータ・ジ
ェネレータ2の出力が演算され、総合制御装置60から
制御信号が出力されて車両の駆動力が制御される。ま
た、総合制御装置60においては、フットブレーキペダ
ルの信号、車速などに基づいて車両に対する減速要求が
演算され、その減速要求に対応して油圧ブレーキ装置
(図示せず)により負担するべき制動力と、モータ・ジ
ェネレータ2により負担するべき制動力(回生制動トル
ク)とが演算される。
【0038】ここで、実施形態の構成とこの発明の構成
との対応関係を説明すると、モータ・ジェネレータ10
6がこの発明の第1の始動装置に相当し、モータ・ジェ
ネレータ2がこの発明の第2の始動装置に相当する。
【0039】つぎに、モータ・ジェネレータ2,106
によりエンジン1を始動する場合の制御内容を、図1の
フローチャートに基づいて説明する。まず、データの読
み込みなどの総合制御装置60に入力される信号が処理
される(ステップ201)。この制御例においては、総
合制御装置60に入力される信号に基づいて、エンジン
1の自動停止制御および自動復帰制御をおこなうことが
可能である。エンジン1の自動停止制御とは、エンジン
1の運転中に、イグニッションキー121の操作以外の
停止条件に基づいて、エンジン1を自動的に停止させる
制御を意味している。停止条件は、例えば、バッテリ1
02,119の充電状態SOCが所定値以上であり、か
つ、アクセルペダルの踏み込み量に対応して車輪104
に伝達するべきトルクの全てを、モータ・ジェネレータ
2により発生させることができる場合に成立する。
【0040】また、エンジン1の自動復帰制御とは、エ
ンジン1の自動停止状態から、イグニッションキー12
1の操作以外の復帰条件に基づいて、エンジン1を自動
的に運転状態に復帰する制御を意味している。復帰条件
は、停止条件の少なくとも一つの項目が欠落した場合に
成立する。
【0041】上記のステップ201に続いて、エンジン
1の始動中であるか否かが判断される(ステップ20
2)。ステップ202で肯定判断された場合には、エン
ジン1の始動制御が既に実行されているので、特に制御
をおこなうことなくリターンする。これとは反対にステ
ップ202で否定判断された場合は、イグニッションキ
ー121がスタート位置に操作されたことによるエンジ
ン1の始動要求が成立したか否かが判断される(ステッ
プ203)。このステップ203で肯定判断された場合
は、モータ・ジェネレータ106の動力によりエンジン
1を始動させ(ステップ204)、その後にリターンす
る。
【0042】一方、イグニッションキー121による始
動操作がおこなわれていないことによりステップ203
で否定判断された場合は、エンジン1の自動復帰制御に
基づくエンジン1の始動指令があるか否かが判断される
(ステップ205)。例えば、バッテリ102,119
の充電状態SOCが所定値未満であること、または車両
の駆動力が不足していることなどに基づくエンジン1の
始動要求が、ステップ205の始動指令に該当する。こ
のステップ205で否定判断された場合には、エンジン
1を始動する必要がないので、特に制御をおこなうこと
なくリターンする。
【0043】ステップ205で肯定判断された場合は、
車速が零に近い基準車速以下か否か、すなわち車両が停
止中であるか否かが判断される(ステップ206)。こ
のステップ206で否定判断された場合、すなわちモー
タ・ジェネレータ2の動力で走行している場合には、他
方のモータ・ジェネレータ106により補機114が駆
動されているか否かが判断される(ステップ207)。
モータ・ジェネレータ106が補機114を駆動してい
ないことによりステップ207で否定判断された場合に
は、そのモータ・ジェネレータ106によるエンジン1
の始動制御を実行する(ステップ208)。したがって
エンジン1をクランキングするための負荷をモータ・ジ
ェネレータ106が受け持ち、走行のための動力を出力
しているモータ・ジェネレータ2に、エンジン1を始動
するための負荷が更に掛かることがないので、駆動トル
クの低下やそれに起因する失速感を防止することができ
る。
【0044】また、車両が停止していることによりステ
ップ206で肯定判断された場合には、アクセルペダル
が踏み込まれているか否かが判断される(ステップ20
9)。これは、車両の発進および加速が要求されている
か否かの判断であり、このステップ209で否定判断さ
れた場合には、モータ・ジェネレータ2によるエンジン
1の始動制御を実行する(ステップ210)。すなわち
車両が停止しており、しかも発進の要求がないので、こ
の場合、容量が大きくかつ通常は走行および回生のため
に主として使用されるモータ・ジェネレータ2によって
エンジン1を始動する。このようにすることにより、ス
タータモータに相当するモータ・ジェネレータ106の
使用頻度が低下してその耐久性を向上させることができ
る。
【0045】これに対してステップ209で肯定判断さ
れた場合、すなわち車両の発進および加速の要求があっ
た場合には、ステップ207に進んでモータ・ジェネレ
ータ106によって補機114が駆動されているか否か
が判断される。これは、発進および加速要求があった場
合、走行のための駆動トルクに関係しないモータ・ジェ
ネレータ106を可能な限り優先的に使用するためであ
り、したがってモータ・ジェネレータ106が補機11
4を駆動していない場合には、これによってエンジン1
を始動する制御を実行する(ステップ208)。しかし
ながらモータ・ジェネレータ106が補機114を駆動
していることによりステップ207で肯定判断された場
合には、ステップ201に進んでモータ・ジェネレータ
2によってエンジン1を始動する。これは、補機114
の駆動を継続するためである。
【0046】したがって上記のエンジンの始動制御によ
れば、モータ・ジェネレータ2によって走行している場
合やモータ・ジェネレータ2によって発進かつ加速する
場合のように、駆動トルクの低下を回避もしくは抑制す
べき状態では、補機114の駆動をおこなっていないモ
ータ・ジェネレータ106によってエンジン1を始動す
るので、失速感や加速性の不足感などの違和感を未然に
防止することができる。これに対して、モータ・ジェネ
レータ106が補機114を駆動している場合には、他
方のモータ・ジェネレータ2によってエンジン1を始動
するので、補機114の駆動の中断を防止することがで
きる。したがってステップ206およびステップ209
の機能は、駆動トルク低下抑制判断手段ということがで
きる。
【0047】なお、図1に示す制御例は、請求項1の発
明の制御例に相当し、したがってステップ207の機能
が請求項1の補機駆動検出手段に相当し、またステップ
210の機能が請求項1の始動指示手段に相当する。
【0048】つぎにこの発明の他の制御例を図2を参照
して説明する。ここに示す例は、請求項2および3の発
明に係る装置で実行される制御例であり、モータ・ジェ
ネレータ106による補機114の駆動の判断プロセス
以降のプロセスが上記の図1に示す制御例と異なるか
ら、その図1とは異なる点についてのみ説明する。
【0049】すなわち図2に示すステップ301からス
テップ306までの各プロセスは、図1に示すステップ
201からステップ206までの各プロセスと同様であ
り、そのステップ306で車両が停止中か否かが判断さ
れ、その判断結果が否定的であれば、モータ・ジェネレ
ータ106によって補機114が駆動されているか否か
が判断される(ステップ307)。このステップ307
も図1に示すステップ207と同様の判断プロセスであ
る。
【0050】図2に示す制御例では、モータ・ジェネレ
ータ106が補機114を駆動していることによりステ
ップ307で肯定判断された場合、補機144の駆動を
中止する(ステップ308)。そして補機114に替え
てエンジン1をモータ・ジェネレータ106によって回
転させてエンジン1を始動する(ステップ309)。ま
た、モータ・ジェネレータ106が補機114ょ駆動し
ていないことによりステップ307で否定判断された場
合には、ステップ309に進んでモータ・ジェネレータ
106によってエンジン1を始動する。
【0051】すなわちモータ・ジェネレータ2の出力す
る動力で走行している状態でエンジン1の始動要求があ
った場合には、補機114の駆動の有無に拘わらず、他
方のモータ・ジェネレータ106によってエンジン1を
始動する。そのモータ・ジェネレータ106が補機11
4を駆動していれば、補機114の駆動を中止する。し
たがって走行のために使用されているモータ・ジェネレ
ータ2の動力が、エンジン1の始動のために削減される
ことがないので、駆動トルクの低下やそれに起因する失
速感を回避することができる。
【0052】一方、車両が停止していることによりステ
ップ306で肯定判断された場合には、アクセルペダル
が踏み込まれたか否か(アクセルオンか否か)が判断さ
れる(ステップ310)。これは図1に示すステップ2
09と同様の判断プロセスであり、ここで肯定判断され
た場合には、ステップ307に進む。すなわちこの場合
も、補機114の駆動の有無に拘わらず、モータ・ジェ
ネレータ106によってエンジン1を始動する。なお、
補機114を駆動していれば、補機114の駆動を中止
する。
【0053】したがって発進のために大きい駆動力が要
求されている状態、言い換えれば、駆動トルクの低下を
抑制すべき状態が判断されると、走行のための動力を出
力するモータ・ジェネレータ2の動力をエンジン1の始
動のために使用せずに、他方のモータ・ジェネレータ1
06によってエンジン1を始動する。そのため、発進の
ために使用されるモータ・ジェネレータ2の動力が、エ
ンジン1を始動するために削減されることがないので、
駆動トルクの低下やそれに起因する加速力の不足感を回
避することができる。
【0054】なお、発進が要求されていないことにより
ステップ310で否定判断された場合には、モータ・ジ
ェネレータ2によってエンジン1を始動する(ステップ
311)。これは、図1に示す制御例と同様であり、ス
タータモータに相当するモータ・ジェネレータ106の
使用頻度を低下させてその耐久性を向上させるためであ
る。
【0055】ここで請求項2および3の発明と上記の具
体例との関係を説明すると、ステップ306およびステ
ップ310の機能が請求項2の発明における駆動トルク
低下抑制判断手段に相当し、またステップ309の機能
が請求項2の発明における始動指示手段に相当する。ま
た、ステップ306およびステップ310の機能が請求
項3の発明における駆動トルク低下抑制判断手段に相当
し、またステップ308およびステップ309の機能が
請求項3の発明における始動指示手段に相当する。
【0056】図3には、上述したモータ・ジェネレータ
106によってエンジン1を始動した場合と、モータ・
ジェネレータ2によってエンジン1を始動した場合との
タイムチャートを示してある。前述したステップ20
5,305でのエンジン1の始動指令がt0 時点に発信
させられ、これと同時もしくは直後のt1 時点にエンジ
ン1の回転数が増大させられる。これは、駆動トルクの
低下を抑制する必要の有無に応じて、前記のようにモー
タ・ジェネレータ2もしくはモータ・ジェネレータ10
6のトルクによってエンジン1を回転させることによっ
ておこなわれる。
【0057】駆動トルクの低下が問題とならない場合に
は、モータ・ジェネレータ2によってエンジン1の始動
が実行され、その場合には、モータ・ジェネレータ2の
出力トルクが大きいことにより、エンジン回転数が比較
的に急激に増大し、t2 時点でエンジン1の始動が完了
する。すなわち、エンジン1の回転数がアイドリング回
転数もしくはそれより幾分低い回転数に達するととも
に、燃料の供給および必要な点火がおこなわれてエンジ
ン1がその燃料の燃焼によって自律回転する。この時点
でモータ・ジェネレータ2のエンジン1を始動するため
の指令信号がOFFとなる。
【0058】一方、駆動トルクの低下が問題となる場合
には、他方のモータ・ジェネレータ106によってエン
ジン1の始動が実行され、その場合には、モータ・ジェ
ネレータ106の出力トルクが相対的に小さいので、エ
ンジン回転数が比較的に緩慢に上昇し、t3 時点でエ
ンジン1の始動が完了する。すなわち、エンジン1の回
転数がアイドリング回転数もしくはそれより幾分低い回
転数に達するとともに、燃料の供給および必要な点火が
おこなわれてエンジン1がその燃料の燃焼によって自律
回転する。この時点でモータ・ジェネレータ106のエ
ンジン1を始動するための指令信号がOFFとなる。な
お、エンジン1の始動の完了は、エンジン1の回転数や
始動制御開始からの経過時間などによって判断すること
ができる。
【0059】なお、この発明は、変速機などによって構
成される動力伝達系統にエンジン1を常時連結した車両
を対象とすることができ、その場合、モータ・ジェネレ
ータ2によって走行する際にもエンジン1を回転させる
ことになるが、そのためのモータリングトルクを可及的
に抑制して燃費の向上を図るために、吸気バルブと排気
バルブとが共に開いているいわゆるオーバラップ期間が
長くなるようにバルブタイミングを制御することが好ま
しい。また、上記の例では、2つのモータ・ジェネレー
タ2,106を備えた車両を対象として説明したが、こ
の発明は、2つ以上のモータ・ジェネレータを備えた車
両の始動制御装置に適用することもできる。さらにこの
発明は、無段変速機を備えたハイブリッド車や変速機を
備えていないハイブリッド車における内燃機関の始動制
御装置に適用することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、第1の始動装置によって補機を駆動していれば、
エンジンの始動要求に応じて第2の自動装置によってエ
ンジンを始動するので、補機をそのまま継続して駆動す
ることが可能になる。
【0061】また、第2の始動装置によって走行もしく
は発進するなどのように駆動トルクの低下を抑制するべ
き状態で第1の始動装置が補機を駆動していれば、その
補機の駆動を中止して第1の始動装置でエンジンを始動
するので、駆動トルクの低下やそれに起因する失速感も
しくは加速力不足などを未然に回避することができる。
【0062】さらに、請求項3の発明によれば、第2の
始動装置によってエンジンを始動することに伴って駆動
トルクが低下し、その結果、車速が低下したり発進加速
性が損なわれるなどの走行状態に対する影響が大きく、
これを抑制すべきことが判断されると、第2の始動装置
によってはエンジンの始動をおこなわずに、第1の始動
装置によってエンジンの始動がおこなわれるので、駆動
力を確保してドライバビリティの悪化を未然に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の始動制御装置で実行される制御例
を説明するためのフローチャートである。
【図2】 この発明の始動制御装置で実行される他の制
御例を説明するためのフローチャートである。
【図3】 二種類のモータ・ジェネレータのそれぞれが
エンジンを始動した場合の各信号や回転数の変化を概略
的に示すタイムチャートである。
【図4】 この発明で対象とする車両の一例であるハイ
ブリッド車における動力系統の構成を原理的に示すブロ
ック図である。
【図5】 この発明の第2の動力源の制御系統を示すブ
ロック図である。
【図6】 この発明の一例における自動変速機のギヤト
レーンを示すスケルトン図である。
【図7】 図6の自動変速機の各変速段を設定するため
のクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表であ
る。
【図8】 この発明の第1の動力源の制御系統を示すブ
ロック図である。
【図9】 この発明の一例における総合制御装置におけ
る入出力信号を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…モータ・ジェネレータ、 104
…車輪、 106…モータ・ジェネレータ、 121…
イグニッションキー、 A1…ハイブリッド車。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D039 AA01 AA02 AA03 AA04 AB27 AC01 AC21 AC37 AC39 AC54 AD06 AD11 AD23 AD53 3G093 AA05 AA06 AA07 AA16 AB00 AB01 BA17 BA21 BA22 CA01 DA06 DA12 DB00 DB06 EB00 FB05 5H115 PA01 PG04 PI16 PI22 PI29 PI30 PO17 PU10 PU22 PU24 PU25 PU29 PV09 PV23 QA01 QE10 QI04 QI09 QN02 RB08 RE01 RE03 RE05 RE07 SE04 SE05 SE08 TB01 TE02 TE07 TE08 TI01 TO02 TO05 TO12 TO21 TO30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に動力を伝達するエンジンと、この
    エンジンを始動する機能および補機を駆動する機能とを
    有する第1の始動装置と、この第1の始動装置とは別に
    設けられ、かつ前記エンジンを始動する機能を有する第
    2の始動装置とを備えた車両のエンジン始動制御装置に
    おいて、 前記第1の始動装置によって前記補機を駆動しているこ
    とを検出する補機駆動検出手段と、 前記第1の始動装置によって前記補機を駆動しているこ
    とが前記補機駆動検出手段によって検出された場合には
    前記第2の始動装置によってエンジンの始動をおこなわ
    せる始動指示手段とを備えていることを特徴とする車両
    のエンジン始動制御装置。
  2. 【請求項2】 車輪に動力を伝達するエンジンと、この
    エンジンを始動する機能および補機を駆動する機能とを
    有する第1の始動装置と、この第1の始動装置とは別に
    設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する機能および
    前記エンジンを始動する機能を有する第2の始動装置と
    を備えた車両のエンジン始動制御装置において、 前記第1の始動装置によって前記補機を駆動している際
    に前記第2の始動装置でエンジンを始動することによる
    駆動トルクの低下を抑制すべきことを判断する駆動トル
    ク低下抑制判断手段と、 前記第2の始動装置でエンジンを始動することによる駆
    動トルクの低下を抑制すべきことが駆動トルク低下抑制
    判断手段によって判断された場合に前記第1の始動装置
    による補機の駆動を中止させるとともに前記第1の始動
    装置によってエンジンを始動させる始動指示手段とを備
    えていることを特徴とする車両のエンジン始動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 車輪に動力を伝達するエンジンと、この
    エンジンを始動する機能および補機を駆動する機能とを
    有する第1の始動装置と、この第1の始動装置とは別に
    設けられ、かつ、前記車輪に動力を伝達する機能および
    前記エンジンを始動する機能を有する第2の始動装置と
    を備えた車両のエンジン始動制御装置において、 前記第1の始動装置が前記補機を駆動していない状態で
    前記第2の始動装置でエンジンを始動することによる駆
    動トルクの低下を抑制すべきことを判断する駆動トルク
    低下抑制判断手段と、 前記第2の始動装置でエンジンを始動することによる駆
    動トルクの低下を抑制すべきことが駆動トルク低下抑制
    判断手段によって判断された場合に前記第1の始動装置
    によってエンジンを始動させる始動指示手段とを備えて
    いることを特徴とする車両のエンジン始動制御装置。
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