JP2000143225A - 活性炭素材およびその製造法 - Google Patents

活性炭素材およびその製造法

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JP2000143225A
JP2000143225A JP10378631A JP37863198A JP2000143225A JP 2000143225 A JP2000143225 A JP 2000143225A JP 10378631 A JP10378631 A JP 10378631A JP 37863198 A JP37863198 A JP 37863198A JP 2000143225 A JP2000143225 A JP 2000143225A
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Tsutomu Masuko
努 増子
Tatsuya Inada
達也 稲田
Yuichi Kamijo
祐一 上條
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Showa Denko KK
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ等の電気二重層を利用した分極電
極材に使用される高性能な活性炭炭素材を安価に製造す
る。 【解決手段】 固相炭化する有機高分子繊維を抄紙後、
該抄紙シートにフェノール樹脂液を含浸した多孔質シー
トもしくはそれを積層圧着したあものを550〜900
℃に焼成炭化後、750〜1100℃で水蒸気賦活す
る。これにより、開気孔率5〜40%の電極用多孔質活
性炭素材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサー、二
次電池、エレクトロクロミックディスプレイ等に使用さ
れる活性炭素材及びその製造法に関する。さらに詳しく
述べるならば、多孔質活性炭電極材及びその製造方法に
関するものであり、表面と電解液との界面に形成される
電気二重層を利用した分極性電極材等に利用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサー用電極材につい
て説明する。電気二重層コンデンサーの基本構成を図1
に示す。図1において1は電解液を含む分極性電極であ
り、一対の電極間はイオン透過性の電気絶縁材からなる
セパレーター2で仕切られている。そして分極性電極1
の周辺は封止材3で密閉され、またこの単セルは不浸透
かつ導電性の集電板4を介して多数セルが積層されて使
用に供される。
【0003】この電気二重層コンデンサーは電解液の種
類により、大きく2種類に分けられる。1つは、硫酸水
溶液を電解質としたもので、一般に水系キャパシターも
しくは硫酸系キャパシターと呼ばれる。もう1つのタイ
プは、有機系キャパシターと呼ばれるもので第四アンモ
ニウム塩/プロピレンカーボネート溶液などが電解液に
使用されているものである。分極性電極(以下単に「電
極」と言う)は静電容量を大きくするために表面積があ
る程度大きい必要があることから、活性炭粉末や活性炭
素繊維などが多く使用されている。活性炭としては椰子
殻、大鋸屑、フェノール樹脂、ポリビニリデンクロライ
ド樹脂等を原料として得られる粉末状あるいは繊維状の
活性炭が使用される。この活性炭を電極として使用する
時の形態として、従来法として 活性炭粉末を硫酸水溶液でペーストにしたペースト状
電極を導電性ゴムシート等ではさんだもの(特開昭62
−130506、特開昭63−244609、特開平2
−174210) ポリビニリデンクロライドを予備熱処理後型中で加圧
焼成した焼結板電極(特開平7−249551) 多孔質の炭素成形体に電解液を含浸して使用するもの
(特開平2−297915、特開平2−185008) 活性炭素繊維の織布等を用い電解液を含浸するもの
(特開昭64−82514など様々な形態がある。また
電極の特性を左右する物性その他の要因については、 (1)静電容量については活性炭素の10〜20Å程度
の微細孔が多く存在し比表面積が大きいほど大きくなり
良好である。しかしあまり比表面積が大きすぎると嵩高
になるので電極体積当たりの性能が下がってしまう。 (2)セル抵抗は小さい程良い。セル抵抗は電極のオー
ミック抵抗、接触抵抗の他に電解液のイオン拡散抵抗に
も影響を受ける。イオン拡散抵抗を低下させるためには
電極の形態、即ち電解液が含浸されている電極中に数〜
数十μm程度の大きさの開気孔が存在していることが重
要である。これにより、炭材の形態も重要な用件とな
る。また、電解液と電極の界面の親和性も重要である。
これは、炭材の賦活方法に影響を受ける。 (3)電極シートをセルに組み込み実際に使用するに
は、ある程度以上の機械強度が必要である。 (4)さらに、実際の量産にあたっては、原料として容
易に入手でき、製法的に生産性の良いことが必要であ
る。
【0004】従来法では、活性炭粉末間の接触抵抗が
高くなり、その結果、電極全体のオーミック抵抗が高く
なり、大電流で使用した場合の抵抗による容量損失が大
きくなる。従来法では、高い容量特性が得られるもの
の、生産性に問題がある。従来法では、充分な容量特
性が得られない。従来法では、原料コストが高価とな
り実用てきでない等問題があった。本発明は上記のよう
な問題を解決するため、近年抄紙法により微細な活性炭
を抄紙し成形焼成することにより高性能の電極用炭素を
製造する方法が提案されている(特開平6−26779
4)。これは、活性炭間の微細な空隙(数〜数十μm)
を利用しイオン拡散を効果的にするもので、かつ抄紙法
であるため比較的生産性が良い。しかし、抄紙用の原料
として、やはり高価な活性炭粉末や活性炭繊維を使用す
るため量産上では、より安価な材料が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】昨今環境問題から電気
自動車の開発が盛んである。しかし、二次電池のみの駆
動方式のEVは充電設備等のインフラが整備されていな
いこと等から未だ本格化する兆しが見られていない。こ
のような状況下より現実的な従来のガソリンエンジンと
のハイブリッド方式であるHEVがEVに先駆けて一部
商品化され始めている。HEVは二次電池、大容量コン
デンサ等とのハイブリッド方式であり、ガソリンの消費
量を従来のガソリンエンジン単独駆動車の半分程度まで
低減することができる。このHEV用大容量コンデンサ
は電気二重層コンデンサあるいはキャパシタと呼ばれる
ものであり、これらに対し産業界から更なる性能の改良
と低コスト化が要望されている。本発明の目的は性能向
上と低コスト化を実現できる大容量電気二重層コンデン
サ等に使用される分極性電極、その他の炭素材料を提供
するための製造法及び炭素材に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、抄紙法による炭素材の製造を更に検
討し、より安価に量産化する製造法及び材料を得た。即
ち本発明は、 1)固相炭化する有機高分子繊維を抄紙後、該抄紙シー
トにフェノール樹脂液を含浸した多孔質シートもしくは
該シートを積層圧着した多孔質シートを550〜900
℃に焼成炭化した後に該カーボンシートを750〜11
00℃で水蒸気賦活してなる電極用多孔質活性炭素材の
製造方法、 2)前記1)にて製造した、水銀圧入法にて測定した開
気孔率5〜40%の電極用多孔質活性炭素材、 3)固相炭化する有機高分子繊維を抄紙後、該抄紙シー
トにフェノール樹脂液と炭素粉もしくは炭素短繊維の混
合液を含浸した多孔質シートもしくは該シートを積層圧
着した多孔質シートを550〜900℃に焼成炭化した
後に該カーボンシートを750〜1100℃で水蒸気賦
活してなる電極用多孔質活性炭素材の製造方法、および 4)前記3)にて製造した、水銀圧入法にて測定した開
気孔率が5〜40%の電極用多孔質活性炭素材である。
【0007】
【発明の実施の形態】さらに詳細に本発明について説明
すれば、固相炭化する有機高分子繊維としては、レーヨ
ン繊維、ビニロン繊維、フェノール樹脂繊維、コットン
リンター繊維、木材パルプ、アバカパルプ(麻)等抄紙
可能な繊維であれば何れも使用できる。抄紙用繊維の長
さは、20mm以下が望ましい。固相炭化する有機高分
子繊維および固相炭化するフェノール樹脂を選定する理
由は、熱可塑性を呈するアクリル繊維等では緻密な比表
面積の小さな低機能な活性炭しか得ることが出来ないた
めである。
【0008】抄紙は通常行われるような長網式、丸網
式、ヤンキードラム方式等、原料繊維に適した抄紙機で
抄紙バインダーとしてビニロンバインダー、アクリルバ
インダー等を少量使用して抄紙される。抄紙バインダー
の抄紙シート中の配合量は、キャパシター性能への影響
が許容できる35wt%以下が好ましい。尚、この抄紙
工程で電極の電気特性を改善する目的で炭素粉を混抄す
ることもできる。炭素粉等を混抄すると抄紙シートの強
度が下がり、後工程の樹脂含浸がしにくくなる。炭素粉
等を混抄する場合は、混抄率を抄紙シートの5wt%以
下にする必要がある。フェノール樹脂は、抄紙シートに
均一含浸が行い易い意味で、室温で液状のレゾール型の
ものが好ましい。この時、含浸を容易にするため、メタ
ノール、エタノール、トルエン等の有機溶剤を加え粘度
を調整したり配合量を調整したりできる。この工程で、
電極用多孔質活性炭素材の電気特性を改善するために、
炭素粉又は炭素短繊維を樹脂に混合して含浸することも
できる。この目的に使用される炭素粉は、含浸性に支障
をきたさないために粒径は約20μm以下の導電性が良
い黒鉛粉末が使用できる。また、炭素短繊維は炭素短繊
維(ミルドファイバー)、ケッチェンブラック、気相法
炭素繊維等が良く、フェノール樹脂との混合率は25w
t%以下が望ましい。粒径や混合率が大きすぎると含浸
むらが発生したり、紙の内部にまで含浸液が浸透しにく
くなったりする。
【0009】次に樹脂含浸シートを積層圧着して多孔質
グリーンシートとする。これは、温度、圧力を調整しな
がら加熱プレスにて行われる。この成形圧が大きいと開
気孔率が著しく減少してしまうので好ましくない。本発
明において、成形圧はシートが圧着し、電極の開気孔率
を5〜40%とするため、0.2〜20kg/cm
プレスすることが好ましい。フェノール樹脂含浸量は、
固形分換算20〜60%程度が好ましい。なお、フェノ
ール樹脂含浸量は以下の式で計算した値である。 フェノール樹脂固形分/(抄紙シート+フェノール樹脂
固形分)×100(%) 含浸量が少ないと後工程の積層圧着工程でシート間の接
着性を確保しにくくなるばかりでなく分極性電極とした
時の性能が低下する。含浸量が多すぎると前述した開気
孔率5〜40%を達成するのが難しくなり、結果として
電極性能が低下してしまう。この開気孔率が5〜40%
であることは、後述の水蒸気賦活時に満遍なく水蒸気が
拡散するために必要な要素である。
【0010】次にこの多孔質グリーンシートは550〜
900℃で炭化焼成される。この焼成温度が低すぎたり
処理時間が短く炭化が不十分であると電極の電気比抵抗
が大きくなり、逆に温度が高すぎたり処理時間が長いと
炭化が進み過ぎて、結晶性が発達し数十オングストロー
ムの細孔が形成せれにくく、キャパシター性能を低下さ
せる。従って炭化焼成温度は550〜900℃とし、3
時間程度で焼き上げるのが好ましい。
【0011】次に炭化焼成した多孔質カーボンシートを
賦活処理する。賦活方法は、紫外線照射賦活、グロー放
電賦活、ハロゲン賦活、KOH、Zn、Cl2等による
薬品賦活、水蒸気賦活等、種々方法があるが、水蒸気賦
活が好ましい特性を示す方法である。その理由は、本発
明の電極が約0.01〜50μmの細孔が電極体積の5
〜40%を占める多孔質であるため賦活反応中に水蒸気
がカーボンシート内部まで十分に拡散するためである。
水蒸気賦活反応は吸熱反応であること、カーボンとの反
応速度を考慮し水蒸気賦活の温度条件は炭化焼成温度5
50〜900℃より高めに設定することが好ましい。ま
た、より高度な電極特性を引き出すために例えばハロゲ
ンガス賦活あるいは薬品賦活と水蒸気賦活を重ねて賦活
する等の可能性も十分考えられる。水蒸気の単独賦活で
は、温度750〜1100℃、時間20〜600分が好
ましい。温度が750℃以下、時間が600分以上の場
合は処理時間が長すぎて実用的でなく温度が1100℃
以上、時間が20分以下の場合は不均一性および強度、
電気比抵抗等の物性が低下する。
【0012】
【作用】本発明の電極は固相炭化する有機高分子繊維、
フェノール樹脂を主原料とした多孔質活性炭素材であ
る。一般的にレーヨン繊維、フェノール樹脂繊維等から
汎用の活性炭素繊維を得ることができるが本発明の電極
は多孔質体であるため電極内部の活性炭細孔まで電解液
中のイオンが容易に拡散するため活性炭の機能がきわめ
て効率的に発揮されると考えられる。図2は熱可塑性樹
脂繊維を炭素化して得られる一般的な市販炭素繊維であ
るPAN系炭素繊維/炭素複合シート(東レ(株)製T
GP−H)を、図3は本発明の実施例3の炭化焼成シー
トのSEM写真である。図2は剛直な丸棒状を、図3は
曲がりくねった表面に筋状の凹凸のある様子を示し、比
表面積が大きいため、水蒸気賦活の際に効果的な賦活が
なされ、またキャパシターに組み込まれた場合には電解
質液との接触面積が大きいので高性能を示す。また、炭
化された繊維は、強度、導電性の向上にも役だっており
コンデンサーへの組立がし易い。更に、抄紙法を採用し
ていることから、生産性に優れ、高価な活性炭粒、粉末
等を原料とすることなく量産に適している。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。太さ8デニール、長さ3mmのレーヨン繊維(東
邦レーヨン(株)製)70wt%、ビニロンバインダー
繊維(クラレ(株)製、VBP105)10wt%、カ
ナディアンフリーネス400mlのパルプ(NBPK)
20wt%の混合物に水を加えてスラリーとし円網抄紙
機で常法により秤量110g/mのシートを抄造し
た。この原紙シートにフェノール樹脂(昭和高分子
(株)製、BRL−120Z)を固形分換算50%含浸
した。メタノールで粘度調整したフェノール樹脂液に原
紙を浸漬し所定の樹脂含浸量の含浸シートを得た。この
樹脂含浸シートを110℃、3分乾燥してプリプレグシ
ートAとした。同様に、太さ4デニール、長さ5mmの
レーヨン繊維75wt%、太さ3デニール、長さ3mm
のポリアクリロニトリル繊維(旭化成(株)製)5wt
%、カナディアンフリーネス400mlのパルプ(NB
KP)20wt%の混合物に水を加えてスラリーとし、
円網抄紙機で常法により秤量110g/mのシートを
抄造した。この原紙シートにフェノール樹脂(昭和高分
子(株)製、BRL−120Z)と人造黒鉛微粉(昭和
電工(株)製、UFG−30、平均粒径10μm)の混
合液を固形分(フェノール樹脂固形分+UFG−30)
換算60%含浸した。具体的にはUFG−30とフェノ
ール樹脂を、UFG−30:フェノール樹脂固形分=
2:8の割合で混合し、更にトルエンで粘度調整した混
合液を原紙シートに含浸した。この樹脂含浸シートを1
10℃、3分乾燥してプリプレグシートBとした。各プ
リプレグシートを1枚又は4枚積層し、離型剤を塗布し
たステンレス板に挟み、160℃、30分、表1に示し
た圧力条件で加熱プレスして多孔質グリーンシートとし
た。
【0014】☆
【表1】
【0015】次にこれら多孔質グリーンシートを黒鉛板
に挟み常法により還元雰囲気下750℃まで1日かけて
焼成炭化した。得られたカーボンは、何れも外観良好で
あった。実施例1から6のカーボンシートを水蒸気賦活
炉内にセットし、N2ガスでバブリングした40℃飽和
水蒸気を850℃に温度調整された炉内に導入し4時間
賦活処理した。実施例7と8についても900℃に温度
調整された炉内に他は同条件にて、賦活処理した。水蒸
気賦活されたカーボンシートの各物性(厚さ、嵩密度、
開気孔率、比表面積、曲げ強度)を測定した。また、1
0mm角の板状電極を切り出し、電解液を電極に真空含
浸した後に、図1に示した基本構成のセルを作成し、単
セルでの性能を調べた。セル性能は、30%硫酸電解液
を使用した場合と、有機系電解液である2モルーテトラ
エチルメチルアンモニウム4フッ化ボライド/プロピレ
ンカーボネイト液(TEMMABF4/PC、三菱化学
(株)製、ソルライトCAG)について調べた。セパレ
ーターはアドバンテック(株)製ガラスフィルターGA
100を用い、集電板は昭和電工(株)製SGカーボン
板(SG−3、厚さ0.6mm)を使用した。封止材と
してはテフロン製パッキンシート(ダイキン工業(株)
製、PFA)を適宜切り出して使用した。
【0016】このようにして組み立てたセルを硫酸系の
場合はそのまま大気開放で、また有機系の場合はガラス
容器に封入し、集電板の上下から約5kg/cmの圧
力で締め上げた状態で容量性能を調べた。内部抵抗の評
価は、1kHz,10mAの定電流を前記の単セルに流
し測定した等価直列抵抗(ESR)で行った。容量測定
は、北斗電工(株)製、充放電試験機を使用し,0.0
02Aの定電流充電を行った後、0.002Aの定電流
で放電を行い、電圧が硫酸系電解液の場合は0.9Vか
ら0.1V、有機系電解液の場合は2.4Vから0.1
Vまで降下するのに要する時間から静電容量を算出し、
この静電容量を一対の電極の合計体積で割ることにより
単位体積あたりの容量を算出した。各種物性測定結果を
表2、コンデンサー性能測定結果を表3に示す。なお、
比較のため実施例3の抄造後の原紙シートの代わりに市
販アクリル系繊維である目付50g/mの炭素繊維シ
ート(東レ(株)製、トレカマット)を用いて実施例3
と同様に、フェノール樹脂含浸、積層加熱プレス、炭化
焼成、水蒸気賦活処理を行い、各種物性、容量性能を調
べた。また、参考例として特開平6−267794に示
されるような活性炭を主に用いた場合、すなわち叩解し
た木材パルプ40wt%,PVA繊維10wt%、活性
炭粉末(武田薬品工業(株)製LPK−436、平均粒
径7μmに調整したもの)50wt%を混合したスラリ
ー水溶液を丸網抄紙機((株)東洋精機製作所、TSS
マシーン)により抄紙し、混抄シートを得た。このシー
トをフェノール樹脂に浸漬後、120℃で1分間乾燥
し、プリプレグシートとした。樹脂含浸量は樹脂固形分
換算で35wt%であった。これを8枚積層し、黒鉛板
に挟み20kg/cmで加圧して155℃、30分間
加熱硬化した。これを非酸化性雰囲気下3日間で750
℃に昇温した。このカーボンシートを、窒素ガスでバブ
リングした40℃の飽和水蒸気を850℃に温度調節さ
れた炉内に導入し、3時間水蒸気賦活処理した。この電
極材を、実施例と同様に性能測定を行った。これらの結
果を、あわせて表2、表3に示すが、本発明により従来
の活性炭粉末を使用する方法に比して同等以上の性能が
得られた。☆
【表2】
【表3】
【発明の効果】本発明によるキャパシター用活性炭電極
を用いれば、内部抵抗の小さい高容量のキャパシターを
得ることができる。また該電極シートは、繊維を原料と
しており、抄紙法を使用しているので、薄いにもかかわ
らず、強度的に優れ、取り扱い容易であり、極めて生産
性に優れている。また抄紙の原料として高価な活性炭粉
末、活性炭繊維等を使用しないため量産に向いている。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気二重層コンデンサーの基本構成図である。
【図2】熱可塑性樹脂繊維を炭素化して得られる一般的
な炭素繊維の拡大写真である。
【図3】本発明の炭素材を拡大した写真である。
【符号の説明】 1 活性炭電極 2 多孔質ガラスセパレーター 3 パッキンシート 4 集電板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上條 祐一 長野県大町市大字大町6850番地 昭和電工 株式会社大町工場内 Fターム(参考) 4G046 HA03 HB00 HB03 HB05 HC09 HC14 5H003 AA02 BA00 BA01 BA02 BB01 BC01 BD01 BD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固相炭化する有機高分子繊維を抄紙後、
    該抄紙シートにフェノール樹脂液を含浸した多孔質シー
    トもしくは該シートを積層圧着した多孔質シートを55
    0〜900℃に焼成炭化した後に該カーボンシートを7
    50〜1100℃で水蒸気賦活してなる電極用多孔質活
    性炭素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1によって製造された、水銀圧入
    法にて測定した開気孔率5〜40%の電極用多孔質活性
    炭素材。
  3. 【請求項3】 固相炭化する有機高分子繊維を抄紙後、
    該抄紙シートにフェノール樹脂液と炭素粉もしくは炭素
    短繊維の混合液を含浸した多孔質シートもしくは該シー
    トを積層圧着した多孔質シートを550〜900℃に焼
    成炭化した後に該カーボンシートを750〜1100℃
    で水蒸気賦活してなる電極用多孔質活性炭素材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3によって製造された、水銀圧入
    法にて測定した開気孔率が5〜40%の電極用多孔質活
    性炭素材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002032568A1 (fr) * 2000-10-18 2002-04-25 Toyo Kohan Co., Ltd. Support particulaire pour effectuer une separation/purification ou une extraction et procede de production dudit support
JP2014027031A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Sato Komusho:Kk 電気二重層キャパシタ
CN104823255A (zh) * 2012-12-06 2015-08-05 旭化成株式会社 非水系锂型蓄电元件

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