JP3638642B2 - 活性炭シート及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

活性炭シート及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は活性炭シート及び電気二重層キャパシタ(以下、キャパシタという)に関するもので、更に詳しく述べると繊維状活性炭及び粉末活性炭を主成分としてポリオレフィンパルプを含むバインダーによって融着成形したシート及びそれを電極に使用したキャパシタである。
【0002】
【従来の技術】
近年電極表面と電解液との界面に形成される電気二重層を利用して蓄電させるキャパシタの需要が高まり、コイン型の小型のキャパシタは主としてランダムアクセスメモリーのバックアップ用として広く使用される様になっている。電気二重層キャパシタの分極性電極は正負両極とも活性炭を主体とするシートが使用される。活性炭は比表面積が大きくかつ化学的に安定性が高いため、キャパシタ用電極材料として適しているためである。活性炭をキャパシタ用分極性電極に使用するためには活性炭をシートの形状に成形しなければならない。
【0003】
繊維状活性炭の織布は電極としての性質を殆ど備えており、また単位重量あたりの比表面積を2000 m2/g 程度に上げることが出来る利点がある。しかし極めて高価であり、また厚みおよび目付の均一性に乏しい欠点がある。フェノール樹脂発泡体を炭化、賦活する方法によれば電気抵抗が低い電極が得られるが、比表面積を上げることが困難である。またこの方法で得られた活性炭シートは柔軟性が殆どなく脆い欠点がある。粉末活性炭と硫酸水溶液を混合して調製したペーストを塗布して得られた活性炭シートは電気抵抗が大きく、活性炭シートそのものの強度が乏しいためにキャパシタを迅速に組み立てることが困難である。
【0004】
その他、活性炭をシートの形状にするための方法としては、繊維状活性炭の織布を使用する方法に関する特開昭64-82514号、フェノール樹脂発泡体を炭化、賦活する事により得られる活性炭成形体に関する特開平2-297915号、活性炭の粉末を硫酸水溶液と混合しペースト状にしこれを導電性シート、例えば金属箔に塗布する方法に関する特開平2-174210号及び特開昭63-244609 号、炭素繊維、繊維状活性炭、粉末活性炭およびパルプを用いた紙を使用する方法に関する特開平2-241012号及び特開平2-240909号等の方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記の様な従来のキャパシタの問題点を考慮して、繊維状活性炭及び粉末活性炭を化学的安定性が高いパルプをバインダーとして抄紙法によって電極用の活性炭シートを成形し、このシートを使用して高容量で充放電を繰り返しても劣化しない放電特性を有する電極及びそれを使用したキャパシタを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は高性能のキャパシタ用電極を得るため、繊維状活性炭及び粉末活性炭にバインダーを加えて抄紙法によって活性炭シートを成形する方法について研究した。その結果バインダーとして従来の天然パルプに代えて、従来困難視されていた密度が低く水に浮くポリオレフィン繊維を叩解して得られたパルプを使用し、抄紙後加熱プレスして融着成形して得られたシートを電極とすれば、高容量で充放電を繰り返しても劣化しない放電特性を有するキャパシタが得られることを見出し、更に成形活性炭シートの組成について検討して本発明に到達した。
【0007】
すなわち、繊維状活性炭、粉末活性炭及びバインダーよりなり、粉末活性炭含有量が40重量%(以下、%という)以上、バインダーはポリオレフィンパルプを含み、これらの混合物を成形せしめてなる、比表面積700 m2/g以上、密度 0.5g/cc以上、1.2 g/cc 以下である活性炭シートである。ここで、繊維状活性炭の含有量が5〜50%、粉末活性炭含有量が50〜90%、バインダー含有量が5〜40%である混合物から成形された活性炭シートがより好ましい。
【0008】
更に、これらの混合物を水中に分散して抄紙後、加熱プレスして成形した比表面積及び密度が共に高い活性炭シートの製法であり、またこのシートを電極として使用したキャパシタである。
【0009】
ここでポリオレフィンパルプとはポリオレフィン繊維を叩解することによりフィブリル化した繊維からなるパルプや、ポリマー合成と同時にパルプ化する様に反応系を攪拌して合成したパルプ等である。いずれの方法により得られたパルプであっても、ビーターにより更に叩解して使用するのが粉末活性炭の付着性が高まるので好ましい。以下本発明について詳しく説明する。
【0010】
本発明の活性炭シートは繊維状活性炭、粉末活性炭及びバインダーよりなる成形物である。活性炭シート中に含まれる繊維状活性炭の含有量は特に限定しないが、下限は好ましくは5%、より好ましくは10%であり、上限は好ましくは40%、より好ましくは20%である。本発明において繊維状活性炭は吸着性能を発揮すると同時に活性炭シートの補強材としての役割も果たしている。繊維状活性炭の添加量が少ない場合には補強の効果が少なく、かつ重量当たりの比表面積が大きくならず電極としての性能が不良となる。また添加量が多い場合には活性炭シートの密度が低下する傾向があるため好ましくない。
【0011】
また繊維状活性炭の価格は通常の粉末活性炭の10倍以上であるため、この素材含有率をあまり高めることは経済性の点から好ましくない。しかし、成形されたシートの強度が高いため抄紙および連続加熱コントローラープレスの工程にかかり易く、本発明の特定な性状を有する活性炭シートを成形するためには重要な構成成分である。
【0012】
繊維状活性炭としては従来知られているものを使用することができる。例えば、フェノール系、レーヨン系、ピッチ系の繊維状活性炭が使用可能である。これらの中でフェノール系の繊維状活性炭は強度が高いため本発明の活性炭シートの原料に適している。
【0013】
本発明の活性炭シートに含まれる電極として働く活性物質は繊維状活性炭及び粉末活性炭であるが、キャパシタの容量を高めるためには充填比重を高める必要があり、この点からは粉末活性炭は繊維状活性炭より優れていること及び、繊維状活性炭が非常に高価であることを考慮すると、粉末活性炭含有率は繊維状活性炭含有率よりかなり高い構成となる。
【0014】
更に、活性炭シートの比表面積がB.E.T.法 (Brunauer, Emmett & Teller 法表面積、以下同じ) で測定して 700 m2/g 以下になるとキャパシタの容量が急激に低下することが認められる。このため活性炭シートの比表面積は 700 m2/g 以上に保持する必要があり、そのためには活性炭シートの粉末活性炭含有率は40%以上とする必要がある。更に好ましくは50%以上、90%以下である。
【0015】
ここで使用する基材の活性炭は、通常1gあたり数100 m2或いはそれ以上の大きな表面積を有し、高い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用できる。活性炭の原料は通常ヤシ殻または木材等の炭化物或いは石炭が使用されるが何れでもよい。また賦活法も水蒸気或いは二酸化炭素により高温でまたは塩化亜鉛、リン酸、濃硫酸処理等いづれの方法により得られたものでもよい。
【0016】
活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた吸着性を有する特異な物質で、殆どすべてのガス状或いは液状物質に対して高い吸着性を示すことが知られている。更に電極として使用された場合も高い比表面積に基づく優れた機能を示す。
【0017】
本発明の活性炭シートのバインダーには、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン繊維をフィブリル化した繊維からなるポリオレフィンパルプを含む必要がある。高容量でかつ充放電を繰り返しても劣化しない性質を有するキャパシタを得るため、キャパシタ用の電極に使用する活性炭シートは比表面積が大きいこと、活性炭の充填密度が高いこと、耐食性が優れていること、電気抵抗が小さいこと、活性炭シートの柔軟性が高く破損し難いこと等の物性を有する必要がある。
【0018】
繊維状活性炭、粉末活性炭をパルプをバインダーとして、抄紙方法を適用することにより活性炭シートを成形する方法は以前から注目されていた。しかし、従来の方法では電極として実用上充分な性能を有する活性炭シートは得られなかった。その最も大きな理由の一つは従来バインダーとして使用されていたパルプは、主として天然の木材から得られたパルプによるためであった。天然木材パルプをバインダーとして使用すると繰り返し充放電した場合、パルプが電解液中において劣化した。このため、充放電を繰り返しても劣化しないというキャパシタの最も大きな特性を付与することが出来なかった。
【0019】
また、パルプの劣化を防止するため木材パルプの代わりにバインダーとして、化学的に安定性が高いため電解液中で劣化し難いポリエチレンあるいはポリプロピレン等の繊維状ポリオレフィンを使用することも考えられた。しかし、ポリオレフィンの密度が 1.0 g/cc より低いため、スラリー状態とした場合繊維状ポリオレフィンが分散液に浮くため活性炭と均一に混合させることが困難であった。このため従来は繊維状ポリオレフィンをバインダーを使用し均一な組成を有する活性炭シートを抄紙することは困難であった。しかし、本発明ではポリオレフィン繊維特にポリエチレン繊維を叩解したフィブリルを含むパルプを使用することにより、繊維状活性炭及び粉末活性炭にバインダーのポリオレフィンパルプを均一に分散させた活性炭シートの成形に成功した。
【0020】
本発明においてはバインダーにはポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィンよりなるパルプを含む必要がある。より好ましくはポリエチレンパルプを含んだバインダーである。
【0021】
ここでポリオレフィンパルプとは、フィブリル化したポリオレフィン繊維の総称であり、このようなポリオレフィンパルプは、ポリオレフィン繊維をビーターやファイナーで叩解する方法や、ポリオレフィンを合成しつつ一挙にフィブリル状の形態とする方法等により得られる。一挙にフィブリル状の形態とする方法により製造されたパルプであっても、再度叩解することにより一層フィブリル化を進めたものがより好ましい。ポリオレフィンのなかでも、ポリエチレンパルプは他の素材に対するからみつき性が高いため、ポリエチレンパルプの比重が1以下であっても活性炭と容易に混合して均一なスラリーを得ることができるため好ましい。ポリオレフィンパルプを構成するポリオレフィンはオレフィンの単独重合体はもちろんのこと、オレフィンを主体とする共重合体であってもよい。更にポリオレフィンパルプにはポリオレフィンの他に、他のポリマーや添加剤が含まれていてもよい。
【0022】
本発明においてバインダーとしてはポリオレフィンパルプのみでもよいが、更に他のバインダーを混合して使用することが可能である。この場合に使用されるその他のバインダーとしては例えば、未延伸で軟化点が110 〜120 ℃のポリエチレンテレフタレート繊維、またはその他軟化点が110 〜120 ℃の熱可塑性繊維等が使用可能である。熱融着性を有する繊維をバインダーとして使用すれば成形した活性炭シートの補強効果もあるためより好ましい。バインダーとして使用されるポリエチレンパルプ等ポリオレフィンパルプの含有率は特に限定しないが、好ましくは下限が5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは上限が40%以下、より好ましくは30%以下である。
【0023】
ポリオレフィンパルプ特にポリエチレンパルプの含有率が5%より少ない場合にはバインダーと繊維状活性炭及び粉末活性炭の混合が不充分となるため、活性炭シートの電極としての強度が不足すると共に粉末活性炭を保持する機能が低下する傾向がみられる。これは本活性炭シート及びキャパシタの物性に大きな影響を及ぼす要因になっている。またポリオレフィンパルプの含有率が40%以上になった場合には活性炭シートを電極として使用した場合、抵抗値が増加するために好ましくない。最も好ましいポリオレフィンパルプの含有率は10%以上30%以下である。
【0024】
本発明の活性炭シートの密度は 0.5 g/cc 以上 1.2 g/cc 以下とする必要がある。活性炭シートを電気二重層キャパシタの電極として使用する場合、密度が高い程キャパシタの容積当たりの容量を高くすることが出来るため好ましい。本発明者等の検討結果によれば分極性電極の密度が 0.5 g/cc 以下になると活性炭シートの吸着性能が高い場合でも電極として充分な性能を発揮することが出来ない。吸着性能が高いにも拘らず電極の性能が低下する理由は、シート中に存在する活性炭の相互の接触が不充分になるためと考えられる。
【0025】
更に、活性炭シートの密度が低いことはキャパシタの容量を大きくする場合、キャパシタの容積が大きくなるため好ましくない。一方、活性炭シートの密度が1.2 g/cc 以上になると比表面積が低下すると共にキャパシタの容量も低下する傾向を示す。
【0026】
活性炭シートの密度を上げた場合比表面積及び電極性能が低下する理由は必ずしも明らかではないが、活性炭シートを加熱プレスしてシートの密度を上げる際活性炭内部のミクロポアから外部へ通じる通路が一部閉塞されるためと考えられる。本発明の活性炭シートの密度は好ましくは下限が 0.6 g/cc 、より好ましくは 0.7 g/cc であり、また好ましくは上限が 1.1 g/cc 、より好ましくは 1.0g/ccである。
【0027】
本発明の活性炭シートは抄紙法によって成形したシートを更に加熱プレスによって高密度化することにより得られる。抄紙法によって得られたシートは加熱プレス処理によって、密度を上げることが出来ると同時に電極の電気抵抗も低下させることが出来るため電極に適した性能を付与出来る。一般に抄紙法のみではこの程度迄シートの密度を高めることは困難である。本発明者等の検討結果によれば抄紙をプレスしない場合は密度は殆ど0.5 g/ccに迄達せず、シートの密度を0.4 g/cc以上とするためには更に加熱プレスが必要であった。
【0028】
活性炭シートの密度を 0.5 g/cc 以上に上げるため加熱プレス処理をするためには、加熱したローラーによってシートを連続的にプレスを行う方法が適している。平板プレス法によって活性炭シートの密度を 0.5 g/cc以上に上げるためには、加熱ローラープレス法よりかなり高圧力を要し生産性が低下する欠点がある。活性炭シートの高密度化を行う場合、加熱ローラープレス法は平板プレスと比較してシートの密度を容易に高めることが出来る理由は、加熱ローラープレスの場合にはローラーとローラーが接触する線状の部分に集中して高い圧力をかけることが出来るためと考えられる(この圧力を線圧ともいう)。
【0029】
加熱ローラープレスをするためには、活性炭シートを加熱したローラーによりプレスするか、或いは活性炭シートを予め所定の温度に加熱した状態でローラープレスをする方法がある。加熱ローラープレスを実施する温度はバインダーの融点より10℃程度低い温度が適当である。バインダーの融点以上の温度でローラープレスを行った場合には、バインダーが溶融して活性炭の表面を覆うため、活性炭シートの比表面積が大幅に低下するからである。バインダーの融点より10℃程度低い温度でもポリマーが軟化しているため、比表面積の低下が少なく活性炭シートの密度を大幅に高めることが出来る。
【0030】
バインダーとしてポリエチレンパルプを使用した場合にはローラーの温度は110 〜125 ℃とし、ローラーとローラーの接触部分の圧力は 50 〜250 kg/cm 、好ましくは 70 kg/cm 〜200 kg/cm とすることによって所定の密度迄高めることが出来る。
【0031】
本発明の活性炭シートの厚さは特に限定しないが、好ましくは30μm 以上 1mm以下であり、より好ましくは50μm 以上 300μm 以下である。活性炭シートが薄い場合にはシートの強度が乏しくなり電極としての取扱性が悪くなる。また、厚過ぎると活性炭シートの集電性が低下するため好ましくない。
【0032】
本発明の活性炭シートをキャパシタの電極として使用する場合、活性炭シートをそのまま使用することも可能であり、または活性炭シートと集電極を張り合わせた状態で使用してもよい。
【0033】
キャパシタに使用される電極にはキャパシタの溶媒がプロピレンカーボネート等の有機極性溶媒の場合にはアルミ箔が適し、硫酸等の水系の溶媒の場合には黒鉛粉末の成形シートを使用するのが適している。本発明の活性炭シートとアルミ箔等の集電極を貼り合わせるには、活性炭シートの熱ローラープレス工程において同時に加工することが出来る。
【0034】
前述の様に本発明の活性炭シートの比表面積は700 m2/g以上とする必要がある。比表面積は700 m2/g未満になると後述の比較例3、表1に示す様にキャパシタの容量が体積当たり、重量当たり共に急激に低下し、実用性が失われるからである。
【0035】
本発明で使用される電解液としては水系および有機非水系極性溶媒系のいずれも使用出来る。有機極性溶媒系電解液には溶媒としては非プロトン性でかつ高誘導電率のものが用いられる。例えば、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、アセトニトリル、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等である。これらの有機溶媒は一種または二種以上の混合溶媒として用いることも出来る。
【0036】
これらの溶媒中で電解質としては金属の陽イオンと陰イオンの塩が使用される。ここで用いられる陰イオンとしては例えば、過塩素酸イオンClO4 - 、4 フッカ化ホウ素イオンBF4 - 、6 フッカ化リンイオンPF6 - 、6 フッカ化ヒ素イオンAsF6 - 等である。また、電解質としては例えば、リチウムパークロレートLiClO4、テトラブチルアンモニウムパークロレートBu4N・ClO4、 ナトリウムテトラフルオロボレートNaBF4 等がある。また、本発明において使用される水系の電解液としては食塩水溶液NaCl、水酸化ナトリウム水溶液NaOH、水酸化カリウム水溶液KOH 、塩酸HCl 、硫酸水溶液H2SO4 等を使用することが出来る。
【0037】
電解液中の電解質の濃度は特に限定しないが、有機非水系極性溶媒の場合には0.5 M/l 〜3 M/l が好ましく、1 M/l 〜2 M/l がより好ましい。水系電解液の場合には電解質の濃度は20%〜40%にするのがよい。
【0038】
本発明の活性炭シートは繊維状活性炭及び粉末活性炭を、耐薬品性に優れたポリオレフィンパルプを含むバインダーによってシート状とした成形物で、比表面積及び密度が共に高く柔軟性に富んだシートである。このためキャパシタの電極に使用すれば容量が大きく充放電を繰り返しても劣化しない放電特性を有するため、電極に適した物性を持っている。また、燃料電池の電極にも適している。
【0039】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0040】
(実施例1)
ノボラック系フェノール樹脂〔住友デュレズ(株)製、 PR-53195 〕を130 ℃で口数252 、直径0.20mmの紡糸口金を使用し、巻き取り速度520mで溶融紡糸を行い、1.90 dの未硬化フェノール樹脂繊維を得た。
【0041】
得られた未硬化フェノール樹脂繊維を20%の塩酸と15%のホルムアルデヒドからなる混合水溶液に室温で浸漬して昇温した。96℃の温度まで昇温後この温度で8時間保持した。次いで2%のアンモニアと50%のメタノールよりなる混合水溶液に70℃で1時間浸漬した。この繊維を取り出し水洗後乾燥した。
【0042】
この様にして繊度が2.1 d 、強度19 kg/mm2 、伸度40%の硬化したフェノール樹脂繊維を得た。
【0043】
この繊維をプロパンの燃焼ガス中で温度 900℃で25分間賦活して繊維状活性炭を得た。B.E.T.法による比表面積は2180 m2/g であった。この繊維状活性炭を水流カッターにより平均繊維長が5mmの長さに切断した。
【0044】
(株)三井石油化学工業製ポリエチレンパルプ(商品名は SWPE620、融点132 ℃)を13重量%、未延伸で殆ど結晶化せず、軟化点が100 〜120 ℃のポリエチレンテレフタレート繊維〔(株)クラレ製、 EP101〕の3mmカット品を7重量%、粉末活性炭〔クラレケミカル(株)製、 P-60 〕60%、前述の様にして得られた繊維状活性炭20%を水と混合したスラリーを調製した。
【0045】
使用したポリエチパルプの内70%は叩解することにより粉末活性炭の付着性を高めた。繊維状活性炭と粉末活性炭がこのパルプにより均一に分散したスラリーが得られた。このスラリーを丸網抄紙機により主成分として活性炭を含む混抄シートを得た。ヤンキードライヤーの温度は 120℃に設定した。得られた活性炭シートは目付 80 g/m2、厚さ 0.23mm 、密度 0.35 g/cc であった。このシートの B.E.T.法による比表面積は 1311 m2/gであった。
【0046】
前記で得られた活性炭シートに対して加熱ローラープレスを使用した連続プレスを行った。ローラーの温度は 120℃、プレス圧力はローラーの接触部分の圧力を100 kg/cm とした。得られた活性炭シートの厚さは 0.09 mm、密度は 0.89 g/ccであった。加熱ローラープレス処理によって活性炭シートの密度は大幅に上昇した。このシートの比表面積は 1230m2/g であった。活性炭シートの吸着能力は加熱ローラープレスにより低下したが、低下の度合いはごく僅かで実用上全く問題がなかった。
【0047】
この活性炭シートを両極に使用したコイン型のキャパシタを試作し、活性炭シートのキャパシタ容量を測定した。コイン型のキャパシタの断面図を図1に示した。コイン型キャパシタの直径は2cmである。電解液として 1 M/l の過塩素酸リチウムのプロピレンカーボネート溶液を使用した。電解液は活性炭シートに真空含浸をした。活性炭シートの重量当たりの容量は32 F(ファラッド)/g、体積当たりの容量は 28 F/g であった。体積当たりの容量とは重量当たりの容量と密度との積で与えられる数値である。本活性炭シートはキャパシタの分極性電極の容量として実用上充分な値を示していた。また作成したコイン型キャパシタも良好な性能を示した。
【0048】
(実施例2〜6)
ローラープレスのローラーの接触部分の圧力を変化させた以外は、実施例1と同様にして活性炭シートを調製した。これを使用したキャパシタを作成し活性炭シートのキャパシタとしての容量を測定した。その結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
Figure 0003638642
【0050】
(比較例1)
実施例1において、抄紙後ローラープレス処理前の活性炭シートを使用して実施例1と同様にしてコイン型キャパシタを作成した。活性炭シートの重量当たりの容量は 15 F/g 、体積当たりの容量は 5 F/gであり、実用上使用可能な性能には達していなかった。
【0051】
(比較例2、3)
活性炭シートをローラープレスする際、ローラーの接触部分の圧力を変化させた以外は実施例1と同様にして活性炭シートを調製した。活性炭シートの密度および容量を併せて表1に示した。
【0052】
活性炭シートの密度が 0.5 g/cc 以上の場合には重量あたりの容量が大幅に増加し実用上使用可能なレベルに達した。しかし体積当たりの容量は密度が 0.6g/ccの以上の場合には 20 F/g に向上し、更に密度が 0.7 g/cc 以上の場合には体 25 F/g 以上となり極めて高性能の電極が得られた。一方密度が 1.2 g/cc 以上になると比表面積および重量当たりの容量が大幅に低下した。また活性炭シートの比表面積は少なくとも 700 m2/g は必要であった。
【0053】
(実施例7)
実施例1において、抄紙後ローラープレス処理前の活性炭シートを使用し平板プレスを行った。プレス温度 120℃、圧力 300 kg/cm2 で3分間処理した後、室温で10分間冷却プレスをした。活性炭シートの表裏両面には剥離を容易にするためにテフロンシートを貼り付けた。得られた活性炭シートの密度は 0.62 g/ccであり、比表面積は 1250 m2/g、重量当たりの容量は 28 F/g 、体積当たりの容量は 17 F/g であった。
【0054】
(実施例8〜10)
繊維状活性炭、粉末活性炭、ポリエチレンパルプ及び PET (ポリエチレンテレフタレート繊維) の比率を変更した以外は実施例1と同様にして活性炭シートを作成し、電極性能を測定した。その結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
Figure 0003638642
【0056】
表2に示した結果によって、繊維状活性炭の比率が増大するに従って単位重量当たりの比表面積は増大するが、活性炭シートの密度が低下するために単位体積当たりの電極性能は低下していた。
【0057】
(比較例4)
繊維状活性炭を混入せず、粉末活性炭の混合量を80%とした以外は実施例1と同様にして活性炭シートを作成し、その電極性能を測定した。その結果を表2に併せて示す。
【0058】
表2に示した結果により繊維状活性炭を混入せず、粉末活性炭のみの場合にはシートの密度を高めることは出来るが、重量当たりの比表面積が大きくならないため電極としての性能は不良であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の活性炭シートは繊維状活性炭及び粉末活性炭にバインダーを加えて成形した比表面積及び密度が共に高く柔軟性に富んだシートであり、キャパシタの容量が大きく充放電を繰り返しても劣化しない放電特性を有するキャパシタの電極として適している。また、この様な密度が高い活性炭シートは繊維状活性炭、粉末活性炭及びバインダーの混合物を水中に分散して抄紙後高温ローラープレス処理することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様であるコイン型キャパシタの断面図を示す。
【符号の簡単な説明】
1 正極
2 負極
3 ステンレス蓋
4 ステンレスケース
5 封口体
6 セパレーター
7 電解液

Claims (4)

  1. 繊維状活性炭、粉末活性炭及びバインダーよりなり、粉末活性炭含有量が40重量%以上、バインダーはフィブリル化した繊維からなるポリオレフィンパルプを含み、これらの混合物を成形せしめてなる、比表面積700m/g以上、密度0.5g/cc以上、1.2g/cc以下である活性炭シート。
  2. 繊維状活性炭の含有量が5〜50重量%、粉末活性炭含有量が50〜90重量%、バインダー含有量が5〜40重量%である請求項1記載の比表面積700m/g以上、密度0.5g/cc以上、1.2g/cc以下である活性炭シート。
  3. 繊維状活性炭、粉末活性炭及びバインダーよりなり、粉末活性炭含有量が40重量%以上、バインダーはフィブリル化した繊維からなるポリオレフィンパルプを含み、これらの混合物を抄紙後、加熱プレスせしめて高密度化することを特徴とする、比表面積700m/g以上、密度0.5g/cc以上、1.2g/cc以下である活性炭シートの製法。
  4. 繊維状活性炭、粉末活性炭及びバインダーよりなり、粉末活性炭含有量が50重量%以上、バインダーはフィブリル化した繊維からなるポリオレフィンパルプを含み、これらの混合物を成形せしめた、比表面積700m/g以上、密度0.5g/cc以上、1.2g/cc以下である活性炭シートを電極とした電気二重層キャパシタ。
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