JP2000142968A - 列独立搬送部を備えた個別送り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装機から複数列で排出された包装体、例え
ば深絞り包装後のハム等の真空包装体を、次工程である
検査・計量・連結・箱詰め工程で迅速かつ精確に処理す
ることができるように、所定のコンベア上の位置や一定
の向きに、１列に変えて搬送するための個別送り装置を
提供すること。 【解決手段】 搬入コンベアからの包装体を、包装体を
列毎に搬入コンベアと同じ方向に搬送することができる
複数の列独立搬送コンベアから構成される列独立搬送部
上に搬入した状態で、搬出コンベアの始端側と対向して
位置する列独立搬送コンベアのみを駆動して包装体を搬
出コンベア上に排出させ、次の列独立搬送コンベアを搬
出コンベアの始端側と対向する位置にくるように移動さ
せた後、同様に排出させ、以下同様の動作を繰り返し、
１列で搬出コンベアから搬出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、搬入コンベアによ
り複数列で供給されてくる包装体を、１列に変えて搬出
コンベアに排出することができる個別送り装置、より詳
しくは、搬入コンベアにより複数列で供給されてくる深
絞り包装による食品包装体、特にデリケートなハム等の
真空包装体を、搬出コンベアに１列で排出することがで
きる列独立搬送部を備えた個別送り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、ハム等の真空包装体の深絞り包装
製品は、深絞り包装機から３列ずつ排出され、この３列
の包装製品を１列にして、次工程である検査工程や製品
連結工程や箱詰め工程に搬送している。このため従来
は、図１に示すような、深絞り包装機から排出された３
列のハム包装体Ｐを搬送する第１コンベアＣ１と、３列
のハム包装体Ｐを１列に変えることができる、第１コン
ベアＣ１の終端に第１コンベアＣ１の搬送方向と直行す
る方向に設けられた第２コンベアＣ２とからなる搬送装
置が用いられていた。しかし、この従来の装置では、ハ
ム包装体Ｐを第１コンベアＣ１の搬送方向と直行する方
向に第２コンベアＣ２に移載することになるから、移載
時に例え第２コンベアＣ２を停止していたとしても、ハ
ム包装体Ｐがコンベアの端に偏ったり、互いに異なる方
向を向いていたり、場合によっては重なったりすること
があり、このため、正確な異物探知検査や計量ができな
い問題があるばかりでなく、製品連結工程や箱詰め工程
の自動化が図れないという問題があった。

【０００３】特に、図２に示すように、深絞り包装機に
よるハム等の真空包装体Ｐにおいては、該包装機から排
出するとき、反転した状態、すなわち歪で不安定な上面
部分Ｓを下にしてコンベア上に排出・載置されることか
ら、平らで安定な底面部分Ｂを下にしてコンベア上に載
置される場合と比べて、真空包装体がコンベアＣの端に
偏ったり、互いに異なる方向を向いていたり、場合によ
っては重なったりすることが頻繁に発生していた。この
ため、搬送されてくる真空包装体の位置や向きなどを人
手によって修正せざるを得ず、包装ラインの自動化の大
きな障害となっていたばかりでなく、労務費の増加や衛
生面が別の問題として発生していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、包装
機から複数列で排出された包装体、例えば深絞り包装後
のハム等の真空包装体を、次工程である検査・計量・連
結・箱詰め工程で迅速かつ精確に処理することができる
ように、所定のコンベア上の位置や一定の向きに、すな
わちコンベアの端に偏ったり、互いに異なる方向を向い
ていたりすることなく、１列に変えて搬送するための個
別送り装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究し、包装機から複数列で排出さ
れた包装体を、所定のコンベア上の位置や一定の向き
に、１列に変えて個別搬送するには、包装体の搬送方向
を複数列の場合も１列の場合も同方向とする必要がある
ことを見い出し、かかる知見に基づいて、列独立搬送コ
ンベアが複数個連なった列独立搬送部を用いて、所定の
コンベア上の位置や一定の向きに１列に変え得ることを
確認し、本発明を完成するに至った。

【０００６】すなわち本発明は、搬入コンベアにより間
欠的に供給されてくるｎ列（ｎは２以上の整数）の包装
体を搬出コンベアに１列で排出するための個別送り装置
であって、包装体を列毎に搬入コンベアと同じ方向に搬
送することができるｎ個の列独立搬送コンベアから構成
される列独立搬送部を、搬入コンベアの終端側に対向配
置させ、搬入コンベアからｎ個又はその整数倍の包装体
を列独立搬送部上に搬入した状態で、搬出コンベアの始
端側と対向して位置する列独立搬送第１コンベアのみを
駆動し、その上の包装体を搬入コンベアと同じ方向に搬
出コンベア上に排出させ、次いで列独立搬送第２コンベ
アが搬出コンベアの始端側と対向する位置にくるように
列独立搬送部を移動させた状態で、列独立搬送第２コン
ベアのみを駆動し、その上の包装体を列独立搬送第１コ
ンベアの場合と同様に搬出コンベア上に排出させ、以下
同様の動作を繰り返すことにより列独立搬送部上の包装
体を搬出コンベア上に１列で排出し終わった後、搬入コ
ンベアにより間欠的に供給されてくる次の包装体を列独
立搬送部上に搬入することができるように列独立搬送部
を元の位置まで戻すことができるようにした、ことを特
徴とする列独立搬送部を備えた個別送り装置に関する。

【０００７】また本発明は、搬出コンベアの始端側と対
向する位置に反転装置が設けられたことを特徴とする上
記列独立搬送部を備えた個別送り装置や、包装体が深絞
り包装による食品包装体であることを特徴とする上記の
列独立搬送部を備えた個別送り装置に関する。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の個別送り装置は、例えば
包装機により製造された複数列の深絞り包装による食品
包装体等の包装体を間欠的に移送する搬入コンベアの終
端側と、該複数列の包装体を１列で搬出する搬出コンベ
アの始端側との間に配置され、複数列で供給された包装
体を１列に変えて排出することができる列独立搬送部を
備えた装置であり、好ましくは、複数列で供給された包
装体を１列に変え、かつ反転させて排出することができ
る列独立搬送部を備えていることを特徴とする。

【０００９】本発明の個別送り装置は、搬入コンベアの
終端側に対向配置され、複数列、例えばｎ列（ｎは２以
上の整数）となって搬入コンベアにより間欠的に供給さ
れてくるｎ個又はその整数倍の包装体を、搬入コンベア
の搬送方向と同じ方向に搬入することができる列独立搬
送コンベアがｎ個連なった、例えばノンスリットコンベ
アからなる列独立搬送部を備えている。また、本発明の
個別送り装置は、この列独立搬送部を横方向、すなわち
搬送方向と直行する方向に段階的に順次移動させた後、
元の位置に戻すことができる直動ユニットを備えてい
る。この直動ユニットは、例えばサーボモータ等により
段階的に移動することができるように制御されている。
そしてまた、列独立搬送部を構成するｎ個の列独立搬送
コンベアの各々は、例えば、列毎に独立して駆動するこ
とができる駆動手段と、搬入コンベアの搬送方向と同じ
方向に包装体を搬送することができるコンベアから構成
されている。

【００１０】次に、本発明の個別送り装置の動作につい
て以下説明する。ｎ個の列独立搬送コンベアの各々は、
間欠的に駆動する搬入コンベアからｎ個又はその整数倍
の包装体が移送されてくると、列独立搬送部を構成する
すべての列独立搬送コンベアが駆動し、搬入されてきた
すべての包装体を列独立搬送コンベア上に移載すること
ができるようになっている。この場合、列独立搬送コン
ベアの搬送速度を、搬入コンベアの搬送速度より少し速
く設定しておくことが好ましい。

【００１１】間欠的に搬入されてきたすべての包装体が
列独立搬送コンベア上に移載されると、搬出コンベアの
始端部に対向して位置する列独立搬送第１コンベアを除
く他の列独立搬送コンベアはその駆動を停止し、列独立
搬送第１コンベアのみが駆動され、その上の１個又は２
個以上の包装体が搬出コンベア上に排出され、排出が終
了した時点で列独立搬送第１コンベアの駆動が停止す
る。

【００１２】次いで、直動ユニットが駆動し、列独立搬
送部を横方向に段階的に移動させ、列独立搬送第２コン
ベアが搬出コンベアの始端部と対向する位置に移行した
時点で直動ユニットの駆動が停止するとともに、列独立
搬送第２コンベアのみが駆動し、その上の１個又は２個
以上の包装体が搬出コンベア上に排出され、排出が終了
した時点で列独立搬送第２コンベアの駆動が停止する。

【００１３】以下同様の動作を繰り返すことにより列独
立搬送部上の包装体を搬出コンベア上に１列で排出し終
わった後、搬入コンベアにより間欠的に供給されてくる
次の包装体を列独立搬送部上に搬入することができるよ
うに、列独立搬送部を横反対方向に移動させ、元の位置
に戻す。以後上記動作が繰り返され、搬入コンベアから
列独立搬送部に搬入された包装体が１列となって順次排
出され、搬出コンベア上を１列となった包装体が次工程
に搬送されていくことになる。

【００１４】本発明における包装体としては、包装機等
により包装された包装体であればどのようなものでもよ
いが、ビン、缶等に用いられている押し流し機構の適用
が困難な、例えばハム等のフィルム包装食品などの包装
体を好ましい例として挙げることができる。また、包装
品は、含気包装、真空包装のどちらでもよい。

【００１５】そして、包装体が深絞り包装による食品包
装体、例えばハム真空包装体等の包装ラインにおけるよ
うに、不安定な面を下にして、安定な面を上にして搬入
コンベアに排出される場合は、包装体の上下面を反転さ
せることができる反転装置を設けることが好ましい。反
転装置は、搬入コンベアの終端側と対向する位置に設け
ることもできるが、搬送をスムーズに行う上から、搬出
コンベアの始端側と対向する位置に設けることが好まし
い。かかる反転装置としては、搬送されてきた包装体の
自重で反転させることができる、互いに反対方向かつ反
対の向きにポケットを有し、その中央横貫軸が両端で軸
支されている自由回転体を例示することができる。

【００１６】

【実施例】次に、本発明の反転装置を備えた個別送り装
置の実施例を図面を参照してさらに具体的に説明する
が、本発明の技術的範囲はかかる説明により限定される
ものではない。この実施例では、深絞り包装機から排出
されるハム真空包装体１ショット（３列×２）が搬入コ
ンベアから供給される場合について説明することとす
る。

【００１７】図３は本発明の反転装置を備えた個別送り
装置を説明するための概略斜視図、図４〜６はその動作
を説明するための概略平面図、図７はその概略縦断面図
である。これらの図において、ＰＳは歪な上面を下にし
たハム真空包装体、ＰＢは安定な底面を下にしたハム真
空包装体、１は搬入コンベア、２は個別送り装置、３は
列独立搬送部、４は列独立搬送第１コンベア、５は列独
立搬送第２コンベア、６は列独立搬送第３コンベア、７
は反転装置、８は反転装置に設けられたポケット、９は
搬出コンベアである。

【００１８】深絞り包装機から排出された１ショット
（３列×２）の歪な上面を下にしたハム真空包装体ＰＳ
が、間欠的に駆動する搬入コンベア１から、その終端部
に対向して位置する個別送り装置２の列独立搬送部３に
移送されてくると、列独立搬送部３を構成するすべての
列独立搬送コンベア４，５，６も駆動し、１ショット
（３列×２）のハム真空包装体ＰＳが列独立搬送コンベ
ア４，５，６上に搬入されると、列独立搬送第１コンベ
ア４を除く列独立搬送第２コンベア５及び列独立搬送第
３コンベア６はその駆動を停止し、搬出コンベア９の始
端部に対向して位置する列独立搬送第１コンベア４か
ら、その上の２個のハム真空包装体ＰＳが反転装置７の
ポケット８に排出され自重で上下面が反転し、安定な底
面を下にしたハム真空包装体ＰＢが搬出コンベア９上に
順次排出され、排出が終了した時点で列独立搬送第１コ
ンベア４の駆動を停止する（図４参照）。

【００１９】次いで、図示していない直動ユニットが駆
動し、列独立搬送部３を横方向に移動させ、列独立搬送
第２コンベア５が搬出コンベア９の始端部と対向する位
置に移行した時点で直動ユニットの駆動が停止するとと
もに、列独立搬送第２コンベア５のみが駆動し、その上
の２個の歪な上面を下にしたハム真空包装体ＰＳが反転
装置７のポケット８に排出され自重で上下面が反転し、
安定な底面を下にしたハム真空包装体ＰＢが搬出コンベ
ア９上に順次排出され、排出が終了した時点で列独立搬
送第２コンベア５の駆動を停止する（図５参照）。

【００２０】次に、再び直動ユニットが駆動し、列独立
搬送部３をさらに横方向に移動させ、列独立搬送第３コ
ンベア６が搬出コンベア９の始端部と対向する位置に移
行した時点で直動ユニットの駆動が停止するとともに、
列独立搬送第３コンベア６のみが駆動し、その上の２個
の歪な上面を下にしたハム真空包装体ＰＳが反転装置７
のポケット８に排出され自重で上下面が反転し、安定な
底面を下にしたハム真空包装体ＰＢが搬出コンベア９上
に順次排出され、排出が終了した時点で列独立搬送第３
コンベア６の駆動を停止する（図６参照）。

【００２１】列独立搬送部３上のすべてのハム真空包装
体ＰＳが搬出コンベア９上に排出されると、直動ユニッ
トが駆動し、列独立搬送部３を横反対方向に移動させ、
列独立搬送部３が元に位置に戻る。以下同様の動作が繰
り返され、搬入コンベア１から列独立搬送部３に搬入さ
れた１ショット（３列×２）の形態のハム真空包装体Ｐ
Ｓが１列となって順次排出され、搬出コンベア１７上を
１列となったハム真空包装体ＰＢが次工程に搬送されて
いく。

【００２２】

【発明の効果】本発明の列独立搬送部を備えた個別送り
装置を用いることにより、包装機から複数列で排出され
た包装体、例えば深絞り包装後のハム等の真空包装体
を、次工程である検査・計量・連結・箱詰め工程で迅速
かつ精確に処理することができるように、所定のコンベ
ア上の位置や一定の向きに、すなわちコンベアの端に偏
ったり、互いに異なる方向を向いていたりすることな
く、１列に変えて個別搬送をすることができ、また、本
発明の列独立搬送部を備えた個別送り装置に反転装置を
具備することにより、例えば上記ハム真空包装体等の包
装ラインにおけるように、不安定な面を下にして、安定
な面を上にして搬入コンベアに排出される場合であって
も、安定な面を下にして搬出コンベアに排出することが
できることから、所定のコンベア上の位置や一定の向き
に、１列に変えて個別搬送をすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の複数列のハム真空包装体を１列に変える
搬送装置の概略斜視図である。

【図２】歪な上面や平らな下面を下にしたコンベア上の
ハム真空包装体の概略縦断面図である。

【図３】本発明の反転装置を備えた個別送り装置を説明
するための概略斜視図である。

【図４】本発明の反転装置を備えた個別送り装置の動作
を説明するための概略平面図である。

【図５】本発明の反転装置を備えた個別送り装置の動作
を説明するための概略平面図である。

【図６】本発明の反転装置を備えた個別送り装置の動作
を説明するための概略平面図である。

【図７】本発明の反転装置を備えた個別送り装置の概略
縦断面図である。

【符号の説明】

ＰＳ 歪な上面を下にしたハム真空包装体 ＰＢ 安定な底面を下にしたハム真空包装体 １ 搬入コンベア ２ 個別送り装置 ３ 列独立搬送部 ４ 列独立搬送第
１コンベア ５ 列独立搬送第２コンベア ６ 列独立搬送第
３コンベア ７ 反転装置 ８ 反転装置のポ
ケット ９ 搬出コンベア

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E054 AA13 DE01 DE02 DE03 DE05 DE08 EA01 FA04 FC09 FC13 FC15 3F070 AA12 BD01 DA03 DA09 EA08 EC01 EC11 FA06 3F081 AA43 AA47 BD02 BD15 BD16 BE03 BE09 BF13 CA04 CC08 FB01

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬入コンベアにより間欠的に供給されて
   くるｎ列（ｎは２以上の整数）の包装体を搬出コンベア
   に１列で排出するための個別送り装置であって、包装体
   を列毎に搬入コンベアと同じ方向に搬送することができ
   るｎ個の列独立搬送コンベアから構成される列独立搬送
   部を、搬入コンベアの終端側に対向配置させ、搬入コン
   ベアからｎ個又はその整数倍の包装体を列独立搬送部上
   に搬入した状態で、搬出コンベアの始端側と対向して位
   置する列独立搬送第１コンベアのみを駆動し、その上の
   包装体を搬入コンベアと同じ方向に搬出コンベア上に排
   出させ、次いで列独立搬送第２コンベアが搬出コンベア
   の始端側と対向する位置にくるように列独立搬送部を移
   動させた状態で、列独立搬送第２コンベアのみを駆動
   し、その上の包装体を列独立搬送第１コンベアの場合と
   同様に搬出コンベア上に排出させ、以下同様の動作を繰
   り返すことにより列独立搬送部上の包装体を搬出コンベ
   ア上に１列で排出し終わった後、搬入コンベアにより間
   欠的に供給されてくる次の包装体を列独立搬送部上に搬
   入することができるように列独立搬送部を元の位置まで
   戻すことができるようにした、ことを特徴とする列独立
   搬送部を備えた個別送り装置。
2. 【請求項２】 搬出コンベアの始端側と対向する位置に
   反転装置が設けられたことを特徴とする請求項１記載の
   列独立搬送部を備えた個別送り装置。
3. 【請求項３】 包装体が深絞り包装による食品包装体で
   あることを特徴とする請求項１又は２記載の列独立搬送
   部を備えた個別送り装置。