JP2000142842A - ウエット材料の収容容器 - Google Patents

ウエット材料の収容容器

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JP2000142842A
JP2000142842A JP10325863A JP32586398A JP2000142842A JP 2000142842 A JP2000142842 A JP 2000142842A JP 10325863 A JP10325863 A JP 10325863A JP 32586398 A JP32586398 A JP 32586398A JP 2000142842 A JP2000142842 A JP 2000142842A
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lid
container
container body
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wet material
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JP10325863A
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English (en)
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Kenjiyo Kaku
健如 郭
Masayuki Nakahara
雅之 中原
Zenichi Onuki
善市 大貫
Yoichi Nakada
洋一 仲田
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Pigeon Corp
Original Assignee
Pigeon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋体を閉止することによりほぼ完全な密閉構
造とすることができ、長期間使用しても、収納したウエ
ット材料に含浸させた液体が揮発して、その機能を損な
うことがないウエット材料の収容容器を提供すること。 【解決手段】 上部に開閉可能な蓋体12が設けられ、
底面が開放された中空ケース状の容器本体13と、この
容器本体の底面に着脱される適宜柔軟な材料で形成され
た底面閉止手段15とを有し、前記容器本体の上部に形
成され前記蓋体により開閉される取り出し口18と、前
記蓋体の内面と取り出し口との間に介在され、蓋体を閉
止したときに前記取り出し口に密着される弾性を備えた
密閉手段11とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薬液等の液体を
含浸させた材料でなるウエットナップ等のウエット材料
を収容するのに好適な収容容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の収容容器は例えば図18
に示すように構成されている。図において、収容容器1
は、上端が開口した底の深い容器本体3と、この容器本
体3の上記した上端開口を塞ぐようにに装着されるベー
ス部材4と、ベース部材4にヒンジ5を介して固定され
た蓋体2と、この蓋体2を閉めた状態で保持する係止手
段6とを備えている。
【0003】容器本体3内には、液体を滲み込ませた紙
または不織布で形成したウエットタイプのナプキンもし
くはティシュ等が多数枚折り畳まれて収容された包装体
(図示せず)が収納される。ベース部材4は上記容器本
体3の開口を塞ぐ着脱自在の蓋であり、全体に薄い板状
の部材でなっている。このベース部材4の周縁部には下
方に折り返しを設けて、容器本体3の上部に、はめ込む
ことができるようにされている。
【0004】ベース部材4の上面側の中央付近は図示さ
れているように楕円状の凹部7が設けられている。この
凹部7は蓋体2の形状に沿うように形成されていて、そ
の中心付近はさらに窪んだ二段目の凹部になっている。
この二段目の凹部7aはほぼ楕円形になっており、その
底面はHの字状にスリットが形成された開口としての取
り出し口8が設けられている。
【0005】これによって、ベース部材4は容器本体3
に折り畳まれて収容された多数枚の濡れた収容物を密閉
している。また、蓋体2を開いたときには、使用単位毎
に折り重ねられたウエットティシュを、取り出し口8か
ら使用単位毎に引き出す際に、これと一部が折り重ねら
れて収容された次回分のウエットティシュが一緒に引き
出されてしまわないように、H字状のスリットによって
抑えられるようになっている。そして、この次回使用分
のウエットティシュは、今回使用する分を全部引き出し
たとき、一部が外に露出するようにされて、H字状のス
リットによって保持されるので、次に収容物を引き出す
ときに便利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な収容容器1では、長期間使用すると、蓋体2とベース
部材4との僅かな隙間から、ティシュに含浸させた薬液
等の液体が揮発してしまうことがあった。
【0007】この点、収容容器1では、蓋体2を閉止し
た時に、この蓋体2の内面に形成されているリブ2a
が、ベース部材4の取り出し口8を囲むリング状の壁9
の内面に嵌入され、密閉されるようにしている。これに
より、収容容器1内のウエットティシュ等に含浸された
液体が、揮発しないように配慮されているが、やはり蓋
体12とベース部材4との僅かな隙間は存在し、十分な
密閉状態を確保することは困難であった。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、蓋体を閉止することによりほぼ完全
な密閉構造とすることができ、長期間使用しても、収納
したウエット材料に含浸させた液体が揮発して、その機
能を損なうことがないウエット材料の収容容器を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明によれば、上部に開閉可能な蓋体が設けられ、底面
が開放された中空ケース状の容器本体と、この容器本体
の底面に着脱される適宜柔軟な材料で形成された底面閉
止手段とを有し、前記容器本体の上部に形成され前記蓋
体により開閉される取り出し口と、前記蓋体の内面と取
り出し口との間に介在され、蓋体を閉止したときに前記
取り出し口に密着される弾性を備えた密閉手段とを備え
る、ウエット材料の収容容器により、達成される。
【0010】請求項1の構成によれば、中空のケース状
でなる容器本体は、上部が蓋体により閉じられるように
なっており、底部の開口は柔軟な材料でなる底面閉止手
段で塞がれるようになっている。このため、容器本体の
底面側は、底面閉止手段が柔軟に密接して塞ぐのとにな
るので、この部分のシール性が向上する。一方蓋体は、
この蓋体の内面と容器本体の取り出し口との間に弾性を
備えた密着手段が配置されることから、蓋体を閉じた状
態においては、この密着手段が取り出し口と蓋体との間
を弾性的に塞ぐので、この部分のシール性もきわめて高
くなる。かくして、蓋体を閉止した状態においては、長
期間が経過しても、容器本体はほぼ完全なシール状態で
密閉されるので、容器本体内に収容したウエット材料の
液体もしくは薬液が揮発することがない。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記容器本体と前記密閉手段および蓋体との間に
は、前記蓋体の閉止状態において内部空間が形成される
ことを特徴とする。
【0012】請求項2の構成によれば、前記内部空間内
に容器本体内に収容されているウエット材料に基づく湿
気が作用するので、この内部空間は外部よりも高い湿度
となる。このような高い湿度の空間を外界との間に介在
させることにより、さらにシール性を高めることができ
る。
【0013】上記目的は、請求項3の発明によれば、少
なくとも上部に開閉可能な蓋体が設けられた容器本体
と、 この容器本体の上部に形成され前記蓋体により開
閉される取り出し口と、前記蓋体の内面と取り出し口と
の間に介在され、蓋体を閉止したときに前記取り出し口
に密着される弾性を備えた密閉手段とを備えており、前
記容器本体と前記密閉手段及び蓋体の間には、前記蓋体
の閉止状態において内部空間が形成される、ウエット材
料の収容容器により、達成される。
【0014】請求項3の構成によれば、容器本体の上部
に設けられる蓋体は、この蓋体の内面と容器本体の取り
出し口との間に弾性を備えた密着手段が配置されること
から、蓋体を閉じた状態においては、この密着手段が取
り出し口と蓋体との間を弾性的に塞ぐので、この部分の
シール性もきわめて高くなる。かくして、蓋体を閉止し
た状態においては、長期間が経過しても、容器本体はほ
ぼ完全なシール状態で密閉されるので、請求項1の容器
よりはやや劣るものの、容器本体内に収容したウエット
材料の液体もしくは薬液が揮発することがない。
【0015】請求項4の発明は、請求項2または3のい
ずれかの構成において、前記蓋体の内面と前記取り出し
口のいずれか一方に、取り出し口の周囲に対応した壁部
を配置し、この壁部が相手部材に配置された前記密閉手
段に当接する構成としたことを特徴とする。
【0016】請求項4の構成によれば、容器本体の上部
にあっては、外部と連通する箇所は取り出し口である。
この取り出し口を壁で囲み、これを弾性を有する密閉手
段に当接させれば、この壁の箇所にて、完全にシールさ
れる。
【0017】請求項5の発明は、請求項2ないし4のい
ずれかの構成において、前記容器本体内には、ウエット
材料を使用単位毎に取り出せるように、包装体内に収容
し、かつ次に使用するウエット材料の一部をを取り出し
開口から露出させるポップアップ形式のウエット材料包
装体が収納されており、前記蓋体を閉止したとき、露出
した次回使用単位のウエット材料が、前記内部空間に充
填されることを特徴とする。
【0018】請求項5の構成によれば、前記内部空間に
充填されるウエット材料は、収容物であるウエット材料
の使用に従い、ポップアップ形式にて、次の使用単位の
一部として自動的に供給される。この場合、ウエット材
料の次回使用単位の一部が、前記内部空間に充填される
ことにより、この空間の湿度を効果的に高くすることが
できる。
【0019】請求項6の発明は、請求項2、3、5のい
ずれかの構成において、前記密閉手段は、リング状に形
成したパッキンにより構成されており、このリング状パ
ッキンの内側の空間部により、前記内部空間が形成され
ることを特徴とする。請求項6の構成によれば、請求項
3及び4の内部空間を容易に形成することができる。
【0020】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれかの構成において、前記容器本体に対して前記蓋体
を閉止したときにこの蓋体を係止する手段を備えてお
り、この係止手段が係止状態を保持する係止部とこれを
解除するための解除レバー部とを有し、前記係止部と解
除レバー部とが別々に構成されていることを特徴とす
る。請求項7の構成によれば、蓋体の係止解除動作を確
実に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下
に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0022】図1は、本発明の第1の実施形態によるウ
エット材料の収容容器の全体を示す概略斜視図である。
図1において、ウエット材料の収容容器(以下、「収容
容器」という)10は、容器本体13と、この容器本体
13にウエット材料の包装体21を収容して、底面を塞
ぎ止める底面閉止手段15と、容器本体13の上部,こ
の実施形態では、上端に設けられた蓋体12とを備えて
いる。
【0023】容器本体13は、後述する包装体に収容さ
れたウエット材料を収容するために必要とされる形状と
大きさを備えており、この容器10の場合、容器本体1
3には、液体を滲み込ませた紙または不織布で形成した
ウエットタイプのナプキンもしくはティシュ等が多数枚
折り畳まれて収容される内部空間を有している。このた
め、容器本体13は、例えば横に長い直方体状の箱形状
でなっており、例えばポリプロピレン等にて形成した比
較的硬い材料で形成されている。そして、容器本体13
は、蓋体12により開放される開口を除いて開口や隙間
がないようにされており、底面16だけが開口されてい
る。
【0024】この底面開口16には、例えば図示されて
いるような底面閉止手段15を備えている。この底面閉
止手段15は、薄板状に形成された柔軟材料で形成され
ており、弾性に基づいてある程度変形を許す構成とされ
た底面カバー体である。このような特性を発揮するため
に、底面閉止手段としてのカバー体15は、例えばポリ
エチレン等の材料で形成されていて、その外周縁部に沿
って起立するリブ15aが一体に形成されている。これ
に対応して、図7に示すように、容器本体13の下端側
外周には、凸条15bが周設されており、上記里部15
aの内面にはこれに対応した溝15bが形成されてい
る。これにより、カバー体15は、容器本体13の底面
開口16に対して装着されると、このリブ15aが弾性
変形しながら、やや伸長されつつ、容器本体13の底面
開口13の外周縁部に密着し、容器本体13の底部を完
全にシールすることができる。また、カバー体15は、
その弾性に基づいて、容器本体13の底部に密着するこ
とから、容器本体13の内部空間に収容された比較的重
量のあるウエット材料の包装体(後述)21を十分支持
することができる。
【0025】容器本体13に収容されるウエット材料
は、例えば、水や消毒等のための薬液等をしみ込ませた
紙または不織布等で形成した、ナプキンまたはティシュ
等のシート体が、図2に示すような包装体21に収容さ
れている。図において、包装体21は、例えばアルミニ
ウム,ポリエチレンラミネートフィルムで形成した袋状
のものであって、ほぼ直方体に形成されており、開口2
2の箇所以外は密閉されている。
【0026】包装体21内には、図3に示すように、上
記シート体が収納されている。すなわち、シート体は、
一枚もしくは必要により複数枚のシート体を重ねて、使
用の際に必要な枚数だけまとめた使用単位P1毎に包装
体21の開口22から外部に引き出されるようになって
いる。好ましくは、このシート体Pの収納はポップアッ
プ形式により行われている。このため、例えば、シート
体は、図示されているように、使用単位P1,P2,P
3が、順次その一部を互いの間に挟むようにして折り返
されて重ねられている。これによって、使用者が使用単
位P1を引き出すと、次の使用単位P2のP1と重ねら
れている部分までが、外部に引き出され、次の使用に備
えて待機することになる。したがって、包装体21の開
口22からは、常に次に使うシート体の使用単位の一部
が外に出ているので、次回の使用の手掛かりが提供され
るようになっている。
【0027】このような包装体21が収容される容器本
体13の上部のほぼ中央付近には、図1に示すように楕
円状の凹部19が設けられている。この凹部19は蓋体
12の形状に沿うように形成されていて、その中心付近
には貫通孔でなる取り出し口18が設けられている。ま
た、蓋体12は、図4ないし図6に示すようにして、容
器本体13に対して固定されている。図4に示されてい
るように、蓋体12の下縁には、水平に回転軸24が一
体に形成されている。この回転軸24の両端には、支軸
28,28が外方に突出して設けられている。
【0028】回転軸24の中央付近には、付勢手段とし
てのトーションスプリング25が収容されるバネケース
26が一体に設けられている。このバネケース26に
は、矢印に示すようにトーションスプリング25が収容
されるようになっており、バネケース26は下方に延び
る舌片27を備えている。この舌片27は、曲折部27
aの箇所で折り曲げられて、容器本体13の背面側周縁
部に形成した溝23内の固定孔(図示せず)に嵌入され
るようになっている。
【0029】容器本体13の上記溝23の両端には、図
5及び図6に示すように、容器本体13の内側に入り込
んだ挿入孔29が形成されている。この挿入孔29の凹
状の内部は図示されているように塞がれていて、気密性
が保たれるようになている。これにより、溝23内に蓋
体12の回転軸24を差し込み、溝23の両端の挿入孔
29内に回転軸24の支軸28,28を差し入れること
によって、これらは蓋体12の開閉のためのヒンジを構
成する。そして、トーションスプリング25の一端25
aがバネケース26に固定され、他端25bが舌片27
とともに容器本体13側に固定されることによって、蓋
体25は、トーションスプリングの比較的強い付勢力に
よって、常に開き方向に付勢されている。
【0030】したがって、蓋体12は、トーションスプ
リング25のねじれ弾性に基づいて開く方向に付勢され
る。この付勢力は、例えばシリコーンゴム等のプラスチ
ックで作った弾性体より大きな力で、蓋体12を開くた
めの回転トルクとなるから、蓋体12は実用上十分なス
ピードで迅速に開くことができる。
【0031】さらに、蓋体12の内面の中央付近には、
下方(内側)に突出するように、例えば楕円リング状の
リブまたは壁11aが形成されている(図1参照)そし
て、このリブ11aの内側には弾性材料11bが配置固
定されており、密閉手段11を構成している。この弾性
材料11bは、繰り返し圧縮されても、変形しないよう
な弾性材料,例えば発泡ポリエチレンやシリコンゴム等
により形成されている。
【0032】これに対して、蓋体12を閉じたときに、
位置的に上記密閉手段11に対応する容器本体13の上
面には、例えば楕円リング状のリブまたは壁18aが形
成されている。このリング状のリブ18aは、蓋体12
の上記リブ11aよりもその径が小さく設定されてい
る。そして、このリブ18aの内側は、上述した凹部1
9よりも一段低い第2の凹部19aが設けられており、
これにより後述するような内部空間Sを形成するように
なっている。尚、このような内部空間Sを必ずしも形成
しなくても、密閉手段11を備えていれば、本実施形態
の収容容器のシール性能は所定のレベルで維持すること
は可能である。
【0033】さらに、図1及び図7,8に示すように、
容器本体13上面の図1において手前側には、蓋体12
の係止手段14が設けられている。これらの図におい
て、係止手段14は、蓋体12の先端部と対向する位置
に設けられている。具体的には、係止手段14は、容器
本体13と一体に形成された部分を図7の右方向に延長
し、容器本体13の右端部31で矢印A方向に折り返し
て重ねたレバー部32を有している。このレバー部32
は、図1に示すように、容器本体13の手前側におい
て、半円状に表れている。
【0034】しかも、この折り返したレバー部31と容
器本体13の上面との間には、図7に示すように、隙間
33が形成されており、これによって、レバー部32
は、その弾性に基づいて容器本体13の右端部31付近
を中心として、内側(左側)が揺動するようになってい
る。
【0035】一方、図7において、レバー部31の内側
(左側)先端部には徐々に下降する傾斜面と下向き段部
を有する係止部としての係止爪34が設けられている。
これに対して蓋体12の先端部には、前記レバー部32
の係止爪34と逆方向に傾斜する傾斜面と上向き段部と
を有する被係止部としての係止爪12bが設けられてい
る。
【0036】本実施形態の収容容器10は以上のように
構成されており、先ず図7のように、蓋体12が開いて
いて、トーションスプリング25の付勢力によって、蓋
体12が開いたまま保持されている状態から、使用者が
蓋体12をトーションスプリング25の付勢力に抗して
矢印B方向に閉めるようにする。このとき蓋体12の先
端部に形成された係止爪12bの傾斜面と、レバー部3
2の係止爪34の傾斜面とが当接して互いに摺動し、そ
れぞれの弾性に基づいて僅かに変形することによって、
係止爪12bの上向き段部とレバー部32の下向き段部
とが噛み合って係止される(図8参照)。
【0037】これとは逆に、図8にて、蓋体12が閉ま
っている状態から、レバー部32を矢印Cに示すように
上から押すと、レバー部32は下方向に揺動し、各係止
爪34,12bの段部同士のかみあいが外れる。これに
よって、蓋体12はトーションスプリング25の付勢力
によって、図7の矢印B方向とは逆に開く。
【0038】この場合、この実施形態の係止手段14で
は、レバー部32が、図1に示すようにほぼ半円状に区
画して形成されているので、使用者が蓋体12を開閉し
ようとするときに操作すべき箇所が視認しやすく、ワン
タッチにて簡単に蓋体12を開くことができ、解除操作
を確実に行うことができる。また、レバー部32は、上
述のように、容器本体13と同一の材料により一体に形
成されているから、製造が容易で、製造コストを低く抑
えることができる。
【0039】また、このように蓋体12を開閉する場合
において、図8の閉止状態では、容器本体13の上面の
リブ18aが、蓋体12の密閉手段11のリブ11aの
内側に入り込んで、リブ18aの先端は弾性材料11b
に当接し、これに食い込むように入り込んで密着してい
る。これにより、図示されているように、第2の凹部1
9aとリブ18a及び弾性材料11bに区画された内部
空間Sを介して、容器本体13の開口18はリブ18a
と密着手段11の弾性材料11bにより完全にシールさ
れる。
【0040】一方、容器本体13のもうひとつの開口で
ある底部開口16は、カバー体15によって完全に塞が
れているので、容器内部の包装体21に収容されている
ウエット材料としてのシート体は、その含浸された液体
が外気に触れることがなく、シールされる。
【0041】ここで、液体の揮発方向として重要な収容
容器10の上部の開口18においては、ポップアップ形
式で包装体21から外部にひきだされて、使用待機状態
となっている次回使用単位のシート体P1が、上記内部
空間S内に止まることから、この内部空間S内は、シー
ト体P1の揮発した水蒸気により高い湿度となってい
る。このため、取り出し口18と容器10の外部との間
にこのような高い湿度の内部空間Sが介在することで、
容器本体13内の包装体21のシート体(ウエット材料
9はより一層その含浸された液体が揮発しにくくなる。
これにより、収容容器10の内部はより一層完全な状態
でシールされることになる。つまり、収容容器10にあ
っては、密閉手段11が蓋体12を閉止した時に容器本
体13の取り出し口18周辺に密着すれば、上述のよう
な内部空間Sをもうけなくても、所定のレベルでシール
性能を発揮することができる。これに対して、上記のよ
うに密閉した上でさらに上記内部空間Sを設けること
で、この内部空間S内に、容器本体13内に収容された
ウエット材料に基づく湿気が充満し、外界との間で湿度
の高い空間を介在させることができる。これにより、上
記シール性はさらに向上する。また、この場合におい
て、ウエット材料がポップアップ形式で収容されている
と、上述のように、次回使用単位であるシート体P1の
一部が上記内部空間S内に充填されて、このような湿気
を積極的かつ効果的に供給することになるので、その分
さらにシール性は向上する。しかも、ポップアップ形式
とした場合には、上述のような内部空間Sを設けない
と、外部に出ている上記次回使用単位であるシート体P
1が、密閉手段11の弾性材料11bと容器本体13と
の間に挟まって、そこに隙間を形成してしまうおそれも
ある。したがって、内部空間Sは、このような隙間をつ
くらないで、シール性を向上させる点でも有利である。
ここで、容器本体13は、必ずしも図1の構成に限定さ
れない。例えば容器本体13を図18にて説明した容器
本体3と同様に、上端が大きく開口したものを用いても
よい。そして、この容器本体に図18にて説明した着脱
可能なベース材料を装着し、このベース材料に図1の取
り出し口18や蓋体12及び密閉手段11と同様の構成
を設けてもよい。この場合には、第1の実施形態の収容
容器10よりもシール性はある程度劣るが、収容するウ
エット材料の種類や用途等によっては、十分な揮発防止
性能を発揮することができる。
【0042】図9ないし図11は、本発明の第2の実施
形態にかかる収容容器40を示している。この収容容器
40に関して第1の実施形態と同様の構成は、同一の符
号を付して重複する説明は省略し、以下に相違点のみ説
明する。特に説明しない箇所は第1の実施形態と同じ構
成であり、同様の作用効果を発揮する。この収容容器4
0では、蓋体12の内面に配置される密着手段44が、
図9に示されているように、リング状の肉厚の弾性材料
で形成されている。この弾性材料44の材質は第1の実
施形態と同じである。
【0043】一方、この実施形態では、容器本体13に
は、開口18の周囲にリブは形成されていない。したが
って、図10に示す蓋体12を開いた状態から、図11
に示す蓋体12を閉じた場合には、密着手段44は、容
器本体13上面の第1の段部19と第2の段部19aの
間に入り込んで、上記開口18の周囲をシールする。こ
のとき、密着手段44は、リング状に形成されているか
ら、その内側の空隙によって、比較的大きな内部空間S
を作りだすことができる(図11参照)。
【0044】以上により、本実施形態の収容容器40は
第1の実施形態と同様に作用し、これに加えて、密着手
段をリング状の弾性材料44により形成したことによ
り、容器本体13や蓋体12にリブを形成する必要がな
く、構成が簡単になるので、製造が容易である。しか
も、弾性材料44はリング状に形成したことにより、そ
の分弾性材料を少なくできることから、材料の無駄がな
いという利点がある。ここで、容器本体13は、必ずし
も図9の構成に限定されない。例えば容器本体13を図
18にて説明した容器本体3と同様に、上端が大きく開
口したものを用いてもよい。そして、この容器本体に図
18にて説明した着脱可能なベース材料を装着し、この
ベース材料に図9の取り出し口18や蓋体12及び密閉
手段44と同様の構成を設けてもよい。この場合には、
第2の実施形態の収容容器40よりもシール性はある程
度劣るが、収容するウエット材料の種類や用途等によっ
ては、十分な揮発防止性能を発揮することができる。
【0045】図12ないし図17は、本発明の第3の実
施形態にかかる収容容器50を示している。この収容容
器50に関して第1の実施形態と同様の構成は、同一の
符号を付して重複する説明は省略し、以下に相違点のみ
説明する。特に説明しない箇所は第1の実施形態と同じ
構成であり、同様の作用効果を発揮する。この実施形態
の収容容器50が、第1の実施形態と異なる点は、取り
出し口58の開口形状と、係止手段54の構成である。
【0046】先ず取り出し口58は、中央に丸い開口6
6を有しており、この丸い開口66の外周部において、
左右対称にそれぞれ延びる一対のスリット58a,58
bを備えている。そして、この各スリット58a,58
bの各基端付近には、丸い開口66との境界箇所に中央
側に突出する突起65,65を有している。これによ
り、図13に示すシート体P1を引き出すさいには、主
として上記丸い開口66から外部に引き出されるととも
に、このとき次回使用単位P2は、上記各突起65,6
5により、押さえられる。これにより、シート体の使用
単位P1が引きだされると同時に、誤って次の使用単位
P2が全て引き出されることがないようになっている。
【0047】また、係止手段54は、第1及び第2の実
施形態のように、解除レバーの部分と係止部とが一体で
はなく、これらを別々に構成している。係止手段54
は、例えば、図13ないし図17に示すように構成され
ており、容器本体13の図12において手前側に解除レ
バー部72が、これより奥側に係止部71が設けられて
いる。
【0048】図15は、この係止手段54の構成を説明
するための概略拡大平面図であり、図16は、そのA−
A断面図、図17はB−B断面図である。解除レバー部
72は、水平に保持されたレバー57と、レバー57と
一体に容器本体の取り出し口58方向に延びている解除
片61とを備えている。レバー57は、ほぼ3等分する
ように、内方に切れ込んだスリット64,64により、
レバー本体部62と、その両側に区分されたサイドレバ
ー73,73を備えている。レバー57のサイドレバー
部73,73は、図17に示すように、容器本体13の
側縁部よりやや内側にて上方に一体に起立する支持壁6
3により一体に支持されており、サイドレバー部73と
支持壁63との間に切り込みを入れて形成したヒンジ6
3aを備えている。
【0049】一方、レバー本体部62には、図16に示
されているように、支持壁63は接続されておらず、し
たがって、レバー本体部62は、スリット64,64の
切り込みがされていない残余部分により、各サイドレバ
ー部73,73とのみ連結されている。そして、上記解
除片61は、レバー本体部62に連設されている。
【0050】また、係止部71は、図12及び図13に
示すように、容器本体13の上記解除レバー部72より
も内側に配置されており、解除レバー部72の内側に枠
状に形成された枠状リブ55と、図16に示すように、
この枠状リブ55の内側に設けた下向きの段部を有する
係止片56を有している。一方、蓋体12の前端部は、
図12に示されているように、前方に張り出したフラン
ジ部53と、このフランジ部53の内側でこれよりも下
に配置された上向きの段部を有する被係止片52を備え
ている。
【0051】本実施形態の係止手段54は以上のように
構成されており、図14及び図16に示すように、蓋体
12を閉止した状態においては、容器本体13側の枠状
リブ55が有する係止片56と、蓋体12側の被係止片
52とが、互いの段部により係合されており、図16に
示すように蓋体12のフランジ部53の前端は、解除片
61の上に水平に位置していて、蓋体12の閉止状態が
維持される。この状態においては、本実施形態において
も、第1の実施形態にて説明したのと同様に、容器本体
13の内部は完全なシール状態にある。
【0052】ここで、図16の矢印Eに示すように、使
用者が解除レバー部72のレバー57の側縁(図におい
て右端側)を押すと、サイドレバー部73,73は図1
7のヒンジ部63aにて曲折されるので、これに連結さ
れているレバー本体部62は、図16に鎖線で示されて
いるように右側を下にして傾斜する。このため、レバー
本体部62の内側(図において左側)に連設されている
解除片61が上方に左を上にして傾き、これにより、蓋
体12のフランジ部53を上に押し上げるから、蓋体1
2の被係止片52が、係止部71の係止片56の段部を
乗り越えて、係止状態が解除される。これにより、蓋体
12は、図13に示されているように、トーションスプ
リング25の付勢力によって、開かれる。
【0053】したがって、本実施形態の収容容器50
は、第1の実施形態と同様の作用効果を発揮することに
加えて、係止手段が係止部と解除レバー部とに分離して
構成されていることにより、蓋体12の係止動作及び解
除動作を精度よく実現でき、確実に動作するので、その
分操作性を向上することができる。
【0054】ここで、容器本体13は、必ずしも図12
の構成に限定されない。例えば容器本体13を図18に
て説明した容器本体3と同様に、上端が大きく開口した
ものを用いてもよい。そして、この容器本体に図18に
て説明した着脱可能なベース材料を装着し、このベース
材料に図12の取り出し口58や蓋体12及び密閉手段
11と同様の構成を設けてもよい。この場合には、第3
の実施形態の収容容器50よりもシール性はある程度劣
るが、収容するウエット材料の種類や用途等によって
は、十分な揮発防止性能を発揮することができる。
【0055】この発明は上述の実施形態に限定されな
い。容器本体13の形状は実施形態に限定されず、縦方
向(高さ方法)に長い形状としてもよい。蓋体12の付
勢手段はトーションスプリングに限定されず、十分な付
勢力をえられれば、シリコンゴム等により形成してもよ
い。また、上述の複数の実施形態の各構成部分は、相互
に入れ換えて収容容器を構成することができることは勿
論である。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、蓋
体を閉止することによりほぼ完全な密閉構造とすること
ができ、長期間使用しても、収納したウエット材料に含
浸させた液体が揮発して、その機能を損なうことがない
ウエット材料の収容容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるウエット材料の収容容器の第1の
実施形態を示す概略分解斜視図である。
【図2】図1の容器に収容される包装体を示す概略斜視
図である。
【図3】図2の包装体内にウエット材料を収納する状態
を説明するための図である。
【図4】図1の容器の蓋体構造の一例を示す部分拡大斜
視図である。
【図5】図4の蓋体の回転軸を支持する構造を示す部分
斜視図である。
【図6】図4の蓋体の回転軸を支持する構造を示す部分
平面図である。
【図7】図1の容器の蓋体を開いた状態を示す容器の概
略断面図である。
【図8】図1の容器の蓋体を閉めた状態を示す容器の概
略断面図である。
【図9】本発明によるウエット材料の収容容器の第2の
実施形態を示す概略斜視図である。
【図10】図9の容器の蓋体を開いた状態を示す容器の
概略断面図である。
【図11】図9の容器の蓋体を閉めた状態を示す容器の
概略断面図である。
【図12】本発明によるウエット材料の収容容器の第3
の実施形態を示す概略斜視図である。
【図13】図12の容器の蓋体を開いた状態を示す容器
の概略断面図である。
【図14】図12の容器の蓋体を閉めた状態を示す容器
の概略断面図である。
【図15】図12の容器の係止手段の構造を示す概略平
面図である。
【図16】図15のA−A断面図である。
【図17】図15のB−B端面図である。
【図18】従来の収容容器を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10,40,50・・・収容容器、11・・・密閉手
段、12・・・蓋体、13・・・容器本体、14・・・
係止手段、15・・・底面閉止手段(カバー体)、16
・・・底部開口、18・・・取り出し口、19・・・凹
部、21・・・包装体。
フロントページの続き (72)発明者 大貫 善市 東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジ ョン株式会社内 (72)発明者 仲田 洋一 東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジ ョン株式会社内 Fターム(参考) 3E014 LA09 LB02 LB08 MC07 3E084 AA05 AA13 AB10 FA06 GA06 GB06 HA03 HB03 HD04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に開閉可能な蓋体が設けられ、底面
    が開放された中空ケース状の容器本体と、 この容器本体の底面に着脱される適宜柔軟な材料で形成
    された底面閉止手段とを有し、 前記容器本体の上部に形成され前記蓋体により開閉され
    る取り出し口と、 前記蓋体の内面と取り出し口との間に介在され、蓋体を
    閉止したときに前記取り出し口に密着される弾性を備え
    た密閉手段とを備えることを特徴とする、ウエット材料
    の収容容器。
  2. 【請求項2】 前記容器本体と前記密閉手段及び蓋体の
    間には、前記蓋体の閉止状態において内部空間が形成さ
    れることを特徴とする、請求項1に記載のウエット材料
    の収容容器。
  3. 【請求項3】 少なくとも上部に開閉可能な蓋体が設け
    られた容器本体と、 この容器本体の上部に形成され前記蓋体により開閉され
    る取り出し口と、 前記蓋体の内面と取り出し口との間に介在され、蓋体を
    閉止したときに前記取り出し口に密着される弾性を備え
    た密閉手段とを備えており、 前記容器本体と前記密閉手段及び蓋体の間には、前記蓋
    体の閉止状態において内部空間が形成されることを特徴
    とする、ウエット材料の収容容器。
  4. 【請求項4】 前記蓋体の内面と前記取り出し口のいず
    れか一方に、取り出し口の周囲に対応した壁部を配置
    し、この壁部が相手部材に配置された前記密閉手段に当
    接する構成としたことを特徴とする、請求項2または3
    のいずれかに記載のウエット材料の収容容器。
  5. 【請求項5】 前記容器本体内には、ウエット材料を使
    用単位毎に取り出せるように、包装体内に収容し、かつ
    次に使用するウエット材料の一部をを取り出し開口から
    露出させるポップアップ形式のウエット材料包装体が収
    納されており、前記蓋体を閉止したとき、露出した次回
    使用単位のウエット材料が、前記内部空間に充填される
    ことを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかにに記
    載のウエット材料の収容容器。
  6. 【請求項6】 前記密閉手段は、リング状に形成したパ
    ッキンにより構成されており、このリング状パッキンの
    内側の空間部により、前記内部空間が形成されることを
    特徴とする、請求項2、3、5のいずれかに記載のウエ
    ット材料の収容容器。
  7. 【請求項7】 前記容器本体に対して前記蓋体を閉止し
    たときにこの蓋体を係止する手段を備えており、この係
    止手段が係止状態を保持する係止部とこれを解除するた
    めの解除レバー部とを有し、前記係止部と解除レバー部
    とが別々に構成されていることを特徴とする、請求項1
    ないし6のいずれかに記載のウエット材料の収容容器。
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