JP2000140097A - 送血機構付貯血槽 - Google Patents

送血機構付貯血槽

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JP2000140097A
JP2000140097A JP10344890A JP34489098A JP2000140097A JP 2000140097 A JP2000140097 A JP 2000140097A JP 10344890 A JP10344890 A JP 10344890A JP 34489098 A JP34489098 A JP 34489098A JP 2000140097 A JP2000140097 A JP 2000140097A
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blood
feeding mechanism
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reservoir
communication mode
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JP10344890A
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Mitsuaki Ogiwara
光明 荻原
Kazuhiko Takeuchi
和彦 竹内
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送血機構付貯血槽に吸引装置を接続し作動さ
せても、送血用血液保留部の液面感受性機能を阻害する
ことのない送血機構付貯血槽を提供する。 【解決手段】 送血機構付貯血槽1は、貯血部10と、
貯血部の貯血量が所定値以下の場合に貯血部内の貯血量
に比例した量の血液を保留し、外方より押圧されること
により内部の血液を流出可能な血液保留部3a,3b
と、血液保留部3a,3b内の血液を送血する際に作動
する送血用駆動部4a,4bとからなる送血機構3を備
え、貯血部10内部を吸引するための吸引手段を接続可
能となっている。送血機構付貯血槽は、送血機構3の内
部に形成された血液保留部と送血用駆動部との間の空間
49a,49bと貯血部の内部上部とを連通する連通路
18a、18bと、空間49a,49bと貯血部10の
内部上部との連通と送血機構3の空間49a,49bと
外気との連通を選択可能な連通形態選択機能を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工肺などに用い
られる体外血液循環回路中において血液を一時的に貯留
しかつ貯留した血液を送血するための送血機能を備える
送血機構付貯血槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、開心術の際に、生体肺に代わり血
液中の二酸化炭素を除去し、血液に酸素を添加するため
に、人工肺を組み込んだ体外循環回路が用いられてい
る。この体外循環回路では、患者の静脈より脱血し、人
工肺によりガス交換を行った後、この血液を再び患者の
動脈に戻す体外血液循環が行われる。さらに、体外循環
回路には、術野から血液を吸引し、異物を除去した後、
返血するカーディオトミーラインが設けられる。
【0003】そして、このような人工肺体外血液循環回
路には、脱血した血液を一時的に貯留しておくための送
血機構付貯血槽や、術野から吸引された血液を濾過し、
一時的に貯留しておくためのカーディオトミーリザーバ
ーが設置され、回路内の血液量を調整し、返血量を一定
に保つための緩衝機能を果たしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】体外血液循環時に送血
機構付貯血槽内の血液がゼロになると、送血ポンプによ
り空気が体外循環回路に送り込まれることになるので、
送血機構付貯血槽に液面センサーを設けて、送血機構付
貯血槽内の貯血量の管理を行っている。そして、液面セ
ンサーにより貯血量が所定値以下であることが検知され
た場合、送血ポンプによる送血を一時中断し、貯血量の
回復を待つといったことが行われる。しかし、一時的な
送血中断は、人工肺を含む回路内全体での血液滞留とな
り好ましいものではない。そこで、本発明の課題は、貯
血部内の貯血量が少なくとも所定値以下になった場合
に、貯血量に対応して送血量を変動させることができる
送血機構付貯血槽に関するものである。
【0005】最近では、送血機構付貯血槽への血液流入
および患者からの脱血を送血機構付貯血槽に接続した吸
引装置(陰圧付加装置)により行う方法がとられること
がある。吸引脱血は、例えば、MICS(小開胸低侵襲
手術)などのような細い脱血カテーテルしか用いること
ができない場合、また、患者と人工肺との落差が多く取
れない場合などのように十分な脱血量が確保できない場
合に用いられる。この吸引装置を作動させると、送血機
構付貯血槽部内が陰圧となるとともに、この陰圧は、送
血用貯血部内にも影響を与える。つまり、送血用貯血部
材は、内部が吸引装置(陰圧付加装置)による陰圧状態
となり、外部は大気圧という状態となる。このため、送
血用貯血部材は両者の圧力の差圧分押され、送血用血液
保留部の液面感受性(圧力感受性、前負荷感受性)機能
を阻害するおそれがある。本発明の目的は、送血機構付
貯血槽に吸引装置(陰圧付加装置)を接続し作動させて
も、送血用血液保留部の液面感受性(圧力感受性、前負
荷感受性)機能を阻害することのない送血機構付貯血槽
を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、貯血部と、該貯血部と連通し、かつ該貯血部の貯血
量が所定値以下となったときに、貯血部内の貯血量に比
例した量の血液を保留し、かつ、外方より押圧されるこ
とにより内部の血液を流出可能な血液保留部と該血液保
留部内の血液を送血する際に作動する送血用駆動部とか
らなる送血機構を備えるとともに、前記貯血部内部を吸
引するための吸引手段を接続可能な送血機構付貯血槽で
あって、該送血機構付貯血槽は、前記送血機構の内部に
形成された前記血液保留部と前記送血用駆動部との間の
空間と前記貯血部の内部上部とを連通する連通路と、前
記送血機構の前記空間と前記貯血部の内部上部との連通
と前記送血機構の前記空間と外気との連通を選択可能な
連通形態選択機能を備えている送血機構付貯血槽であ
る。
【0007】そして、連通形態選択機能は、前記送血機
構の前記空間と前記貯血部の内部とが直接連通すること
なく該空間が外気と連通する状態と、前記送血機構の前
記空間が前記貯血部の上部とのみ連通する状態とを選択
可能なものであることが好ましい。また、前記血液保留
部は、可撓性材料により形成された変形可能部を有し、
前記送血用駆動部は、送血の際に前記変形可能部を変形
させて、該血液保留部内の血液を押し出すための血液保
留部押圧部を備えるものであることが好ましい。さら
に、前記送血機構は、送血機構本体部と、該送血機構本
体部内に収納されるとともに周縁が保持された可撓性ダ
イアフラムおよび伸縮可能なシート材により形成された
可撓性ダイアフラム押圧部ならびに前記可撓性ダイアフ
ラム押圧部を伸縮させるための送血用流体流通ポートと
を備え、前記送血機構の前記空間は、前記送血機構本体
部と前記ダイヤフラムと前記ダイヤフラム押圧部間によ
り形成されていることが好ましい。そして、前記送血機
構は、2組以上設けられていることが好ましい。
【0008】そして、前記連通路の一端は、前記貯血部
の内部上部に位置し、前記連通形態選択機能は、任意に
選択される第1のキャップ部材と第2のキャップ部材を
備え、前記送血機構付貯血槽は、該キャップ部材取付部
を備え、前記第1のキャップ部材は、前記連通路の一端
に接続可能な一端および装着時に貯血部の外部に位置す
る開口した他端を備える管状部を有し、前記第2のキャ
ップは、前記キャップ部材取付部にほぼ気密に装着され
る装着部と外方に延び端部が前記吸引手段接続部を構成
する管状部を備えているものであってもよい。さらに、
前記第1のキャップは、前記キャップ部材取付部の開口
を被包しかつ該キャップ部材取付部を介しての前記貯血
部内部と外気との連通を阻害しない装着部を備えている
ことが好ましい。
【0009】また、前記送血機構付貯血槽は、連通形態
選択用開口を備え、前記連通形態選択機能は、前記連通
路の一端に接続可能な一端および装着時に貯血部の外部
に位置するとともに前記吸引手段接続部を構成する他端
を備える管状部と、該管状部の途中に設けられ前記連通
形態選択用開口に気密に嵌合可能な嵌合可能部と、該嵌
合可能部より前記管状部の一端側に位置し前記管状部と
外部とを連通する側孔を備える連通形態選択部材からな
り、該連通形態選択部材は前記連通路に接続された状態
にて移動可能であり、該連通形態選択部材の前記嵌合可
能部が前記連通形態選択用開口に嵌合していない状態で
は、前記貯血部内部は直接外気と連通し、該連通形態選
択部材の前記嵌合可能部が前記連通形態選択用開口に気
密に嵌合してた状態では、前記貯血部内部は前記側孔を
介して前記管状部内部と連通するものであってもよい。
【0010】また、前記連通形態選択機能は、前記連通
路に設けられた連通形態切換部材を備え、該切換部材
は、操作部および外気連通口を備え、該操作部を操作す
ることにより、前記送血機構の前記空間が外気と連通す
る状態と前記送血機構の前記空間が前記貯血部の上部と
のみ連通する状態とを切換可能となっているものであっ
てもよい。
【0011】また、前記連通形態選択機能は、前記連通
路に設けられた連通形態切換部材を備え、該切換部材
は、操作部および外気連通口兼吸引手段接続部を備え、
該操作部を操作することにより、前記送血機構の前記空
間が外気と連通する状態と前記送血機構の前記空間およ
び前記貯血部の上部の空間の両者が前記外気連通口兼吸
引手段接続部と連通する状態とを切換可能となっている
ものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の送血機構付貯血槽を図面
に示す実施例を用いて詳細に説明する。図1は、本発明
の送血機構付貯血槽の一実施例の正面図である。図2
は、図1に示した送血機構付貯血槽の左側面図である。
図3は、図1に示した送血機構付貯血槽の右側面図であ
る。図4は、図1に示した送血機構付貯血槽の平面図で
ある。図5は、図1ないし図4に示した送血機構付貯血
槽の内部構造を説明するための説明図であり、貯血槽部
および熱交換機能付人工肺部分については、図2の中央
にて切断し、送血機構部分については、図2の屈曲した
破線A−A線に沿って切断した状態を示している。図6
は、図5の送血機構付貯血槽の送血機構付近および貯血
部の下部付近の拡大断面図であり、かつ、可撓性ダイア
フラムの非押圧時(非送血時、血液保留部内に血液が保
留されている時)の状態を示す図である。図7は、図1
ないし図4に示した送血機構付貯血槽の送血機構部分の
正面図である。図8は、図7に示した送血機構付貯血槽
の送血機構部分の断面図であり、かつ、可撓性ダイアフ
ラムの非押圧時(非送血時、血液保留部内に血液が保留
されている時)の状態を示す図である。図9は、連通形
態選択機能である第1のキャップ(非吸引時用キャッ
プ)の正面図であり、図10は、図9に示した、第1の
キャップ(非吸引時用キャップ)の底面図である。な
お、図1、図4、図5には、図9および図10に示す、
連通形態選択機能である非吸引時用キャップ(第1のキ
ャップ54)が装着されている。
【0013】本発明の送血機構付貯血槽1は、貯血部1
0と、貯血部10と連通し、かつ貯血部10の貯血量が
所定値以下となったときに、貯血部10内の貯血量に比
例した量の血液を保留し、かつ、外方より押圧されるこ
とにより内部の血液を流出可能な血液保留部3a,3b
と、血液保留部3a,3b内の血液を送血する際に作動
する送血用駆動部4a,4bとからなる送血機構3を備
えるとともに、貯血部10内部を吸引するための吸引手
段(図示せず)を接続可能な送血機構付貯血槽である。
そして、送血機構付貯血槽1は、送血機構3の内部に形
成された血液保留部3a,3bと送血用駆動部4a,4
bとの間の空間(閉鎖空間)49a,49bと貯血部1
0の内部上部とを連通する連通路18a、18bと、送
血機構3の空間49a,49bと貯血部10の内部上部
との連通と送血機構3の空間49a,49bと外気との
連通を選択可能な連通形態選択機能を備えている。
【0014】送血機構付貯血槽1は、貯血槽部2と、送
血機構3と、貯血槽部2の底面に吊り下げられるように
取り付けられた熱交換機能付人工肺5を備える。熱交換
機能付人工肺5の血液流入口68は、送血機構付貯血槽
1の血液排出口7と接続されている。貯血部10は、貯
血槽部2の血液貯留空間である。
【0015】貯血槽部2は、図1ないし図5に示すよう
に、硬質樹脂により形成された貯血槽部ハウジング本体
23aと蓋体23bとで構成されるハウジングを有す
る。蓋体23bは、貯血槽部ハウジング本体23aの上
部開口を覆うように、ハウジング本体23aの上端に嵌
合されている。蓋体23bは、図1ないし図5に示すよ
うに、血液流入ポート21、22、急速プライミングポ
ート27、および後述する連通形態選択機能を構成する
第1のキャップ部材(非吸引時用キャップ)54および
第2のキャップ部材(吸引時用キャップ)56を任意に
取り付けることができるキャップ部材取付部28を備え
ている。血液流入ポート22は、術野からの血液を送血
するカーディオトミーラインに接続される。血液流入ポ
ート21は、患者の心臓上下行静脈に挿入された脱血カ
ニューレからの血液を送血する脱血ラインと接続され
る。
【0016】貯血槽部ハウジング本体23aおよび蓋体
23bを構成する部材としては、例えば、ポリカーボネ
ート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体等が好適に使用できる。特
に、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0017】ハウジング23a内には、血液流入ポート
21より流入した血液を濾過するための消泡部材および
除泡部材である血液フィルター(静脈血フィルター)6
と、血液流入ポート22より流入した血液を濾過するカ
ーディオトミー血液フィルター9が設けられている。血
液流入ポート21の下端は、貯血部10内に延び、血液
フィルター6内に位置しており、血液流入ポート21よ
り流入したすべての血液は、血液フィルター6を通過し
た後、貯血部10内に流入する。このため、血液流入ポ
ート21より流入した血液が、貯血部10内の血液面に
直接滴下することはないように構成されている。具体的
には、蓋体23bの内面に血液流入ポート21の貯血部
10内への突出部を被包するように、血液フィルター6
が固定されており、血液フィルター6は、貯血部10の
下方に延びている。
【0018】貯血槽部ハウジング本体23aは、下方に
突出した突出部23cを有しており、血液フィルター6
の下端は、この突出部23cの下端付近まで延びてい
る。血液フィルター6の下端は、最低保留血液量の血液
が保留された状態における血液面の高さXよりも下方に
位置している。つまり、血液フィルター6の下端は、血
液保留部3a,3bの血液保留部内部30a,30bの
下端より下方に位置している。血液フィルター6は、そ
の下端が、貯血部内部に最低保留血液量の血液が保留さ
れた状態においても、血液面下に位置する。このため、
貯血部10の貯血量が減少し所定値以下となり、送血用
血液保留部3a,3bが貯血部10内の貯血量に比例し
た量の血液を保留する機能を発揮する状態となった状態
においても、貯血部10内の血液面より下方まで血液フ
ィルター6の下端は到達しているので流入する血液によ
る泡立ちはなく、さらに、再び、貯血部10の貯血量が
増加し所定値以上に復帰する際においても、貯血部10
内の血液面より下方に血液フィルター6の下端は位置し
ているので流入する血液による泡立ちが極めて少ない。
【0019】そして、血液フィルター6は、フィルター
部材6aとその上部内面の全周に取り付けられた消泡材
6bを備える。同様にカーディオトミー血液フィルター
9は、フィルター部材9aとその上部内面の全周に取り
付けられた消泡材9bを備える。この消泡材6b,9b
もしくは除泡材としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリ
エチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等の
発泡体、メッシュ、織布、不織布、または多孔質セラミ
ックスや樹脂等の焼結体のような各種多孔質体が好適に
使用できる。特に、比較的、空気の通過抵抗(圧力損
失)が少ない材料が好適である。この通気抵抗が少ない
材料として、発泡ポリウレタン等の発泡体やその他の多
孔質材を使用する場合は、その孔径は、20μm〜10
mm、特に50μm〜5mm程度であることが好まし
い。
【0020】さらに、このような消泡材6b,9bに
は、気泡が接触すると破泡するような機能を有する消泡
剤が担持されていることが好ましい。この消泡剤として
は、シリコーン(シリカを配合したコンパウンド型、オ
イル型等)が好適である。なお、消泡材6b,9bに消
泡剤を担持する方法としては、消泡剤を含有する液中に
消泡部材を含浸させる方法、消泡剤を含有する液を塗布
またはスプレーし、乾燥(例えば、30℃、180分)
させる方法などが挙げられる。
【0021】そして、フィルター部材6a,9aは、血
液中の異物や気泡を除去するためのものである。フィル
ター部材6a,9aの材質としては、十分な血液の透過
性を有する多孔質材料が好適である。多孔質材料として
は、メッシュ(ネット)状のもの、織布、不織布等が挙
げられ、これらを単独または任意に組み合わせて(特に
積層して)用いることができる。具体的には、PET、
PBTのようなポリエステル、ナイロン(ポリアミ
ド)、テトロン、レーヨン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の高分
子材料、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせた
ものが好適であるが、アルミニウム、ステンレス等の金
属材料も使用可能である。特に、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ステンレスが好適である。ま
た、また、フィルター部材6a,9aに用いられるメッ
シュの網目のオープニングは、15〜300μm程度、
特に20〜200μmが好適である。なお、フィルター
部材6a,9aには、血液の透過性を向上させるため、
必要に応じてプラズマ処理や親水性高分子材料のコーテ
ィングのような親水化処理を施すことが好ましい。
【0022】そして、貯血槽部2の内部は、図に示すよ
うに、血液を一時的に貯留しておくための貯血部10を
形成している。この貯血部10の容積は、特に限定され
ないが、通常、成人用では、3000〜5000ml程
度であり、小児用では、1000〜2500mlであ
る。また、貯血槽部ハウジング本体23aは、貯血量や
内部に貯留している血液の状態を容易に確認できるよう
に、実質的に透明または半透明であることが好ましい。
突出部23cは、言い換えれば、断面積狭小部であり、
貯血量低下時における貯血量または貯血量の変化を正確
かつ容易に把握できるようにするためのものである。な
お、貯血槽部2としては、軟質樹脂により形成された軟
質送血機構付貯血槽部であってもよい。この場合、送血
機構付貯血槽部は密閉型送血機構付貯血槽部となる。
【0023】貯血槽部2の下方には、図5に示すよう
に、送血機構3が取り付けられている。この送血機構3
は、送血用血液保留部3a,3bと、血液保留部3a,
3bの可撓性材料により形成された変形可能部を変形さ
せて血液保留部内の血液を押し出すための血液保留部押
圧部4a、4bと、血液保留部3a,3bを貯血槽部2
および人工肺5に接続するための血液流路形成部35を
備えている。血液流路形成部35は、貯血槽部2への接
続部81を備える。血液流路形成部35は、図5ないし
図8に示すように、貯血部10とそれぞれの送血用血液
保留部3a,3bと連通する血液通路35a,35bと
一つの血液排出口7を備えている。
【0024】血液流路形成部35内に形成された第1の
血液通路35aは、第1の送血用血液保留部3aとのみ
連通する。血液流路形成部35内に形成された第2の血
液通路35bは、第2の血液保留部3bとのみ連通して
いる。また、貯血部10と血液通路35a,35bの境
界部位(接続部81の内側)には、第1の逆止弁33
a,33bが設けられ、貯血部10側から血液通路側
(言い換えれば、血液保留部3側)への血液の流通を許
容し、その逆方向の血液の流通を規制(阻止)してい
る。
【0025】この第1の逆止弁33a,33bは、後述
する送血駆動部4の作動中における貯血部10と血液保
留部間の連通を遮断する流路制御部材として機能する。
また、送血機構3には、血液通路35a,35bと連通
する血液排出口7が設けられており、この血液排出口7
側には、第2の逆止弁34a,34bが設けられてい
る。第2の逆止弁34a,34bにより、血液通路35
a,35b側(言い換えれば、血液保留部3側)より下
流側への血液流通を許容し、その逆方向の血液流通を規
制している。この第2の逆止弁34a,34bは、後述
する送血駆動部4の非作動時における下流側からの血液
の血液保留部側(血液流通部側)への流入を遮断する流
路制御部材として機能する。
【0026】逆止弁33、34は、円盤状の可動弁体の
一部をハウジングに固定することにより形成されてい
る。可動弁体は、血液より比重が若干軽いものが好まし
く、ショアA硬度で30〜90程度のものが好適であ
る。このような弁体としては、例えば、スチレン系エラ
ストマーオイル系ゲル、シリコーンゲル、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴムなどが好適であり、厚さは、0.5〜5
mm程度が好ましい。
【0027】送血機構3は、送血機構本体部と、送血機
構本体部内に収納されるとともに周縁が保持された可撓
性ダイアフラム42a,42bおよび伸縮可能なシート
材により形成された可撓性ダイアフラム押圧部43a,
43bと、送血機構本体部に設けられ、可撓性ダイアフ
ラム押圧部を伸縮させるための送血用流体流通ポート4
4a,44bとを備える。そして、送血機構3の空間4
9a、49bは、送血機構本体部とダイヤフラム42
a,42bとダイヤフラム押圧部43a,43b間によ
り形成されている。送血機構本体部は、硬質材料により
形成された血液保留部本体部41a、41bと送血用流
体流通ポート44a,44bを備える送血用駆動部本体
部45a、45bからなる。血液保留部3a、3bは、
血液保留部本体部41a、41bとこの血液保留部本体
部に周縁が保持された可撓性ダイアフラム42a,42
bにより構成され、送血用駆動部4a、4bは、可撓性
ダイアフラム押圧部43a,43bと送血用駆動部本体
部45a、45bとにより構成されている。
【0028】より具体的には、血液保留部3a,3b
は、硬質材料により形成された血液保留部本体部41
a,41bと、血液保留部本体部41a,41bに周縁
が保持もしくは固定された可撓性ダイアフラム42a,
42bと、血液保留部本体部41a,41bと可撓性ダ
イアフラム42a,42b間により形成された血液保留
部内部30a,30b(図6,図8参照)を有する。可
撓性ダイアフラム42a,42bは、血液保留部の一部
を形成する可撓性材料により形成された変形可能部であ
る。送血機構付貯血槽1は、送血の際に変形可能部をで
ある可撓性ダイアフラム42a,42b変形させて、血
液保留部3a,3b内の血液を押し出し血液を送血する
際に作動するための送血駆動部4a,4bを備えてい
る。送血駆動部4a,4bについては、後述する。
【0029】血液保留部本体部41a,41bは、内側
にすり鉢状に窪んだ凹面部を備え、可撓性ダイアフラム
42a,42bは、血液保留部本体部41a,41bの
凹面部の周縁部付近に周縁が凹面部の中央に向かって傾
斜するように保持されている。血液保留部本体部41
a,41bは、周縁部を含む内側全体がすり鉢状に窪ん
でおり、この凹面部表面が血液送血時に可撓性ダイアフ
ラム42a,42bと密着する。よって、血液保留部内
部30a,30bは、凹面部表面と可撓性ダイアフラム
42a,42bの内面により形成される容積が変化する
空間である。
【0030】そして、ダイヤフラム42a,42bの周
縁は、血液保留部本体部41a,41bの周縁部(周縁
より若干内側となっている部分)とダイヤフラム保持用
環状部材間53a,53bの外側周縁部にて挟まれ保持
されている。
【0031】送血用血液保留部3a,3bの最大血液保
留量(血液保留部内部の最高収納量、容積)としては、
使用する貯血槽部2の最高貯血量などにより相違する
が、20〜500ml程度が好ましく、特に50〜50
0ml程度が好ましい。より好ましくは、50〜300
mlであり、特に、80〜300mlである。
【0032】そして、ダイアフラム42a,42bは、
この血液保留部本体部41a,41bの凹面部の内面形
状に対応した形状に形成されている。ダイアフラム42
a,42bは、変形に必要とする圧力が100mmH2
O以下であることが好ましい。このようにすれば、貯血
部10の貯血量に敏感に反応し、貯血部10の貯血量に
比例した量の血液の保留がより確実となる。ダイアフラ
ム42a,42bは、変形に必要とする圧力が、50m
mH2O以下であることがより好ましい。
【0033】ダイアフラム42a,42bの形成材料と
しては、例えばポリウレタン、シリコン、ポリ塩化ビニ
ル等が好適に使用できる。特に血液に接触する部材とし
て現在広く用いられているポリウレタン、シリコンが好
ましい。
【0034】ダイアフラム42a,42bは、十分に柔
軟であることが望ましく、柔軟性の指標としては、例え
ば、コンプライアンスがある。送血用血液保留部3a,
3bとしては、送血機構付貯血槽1の貯血部10内の血
液面が、送血用血液保留部3a,3bの内部の最上部
(図6のY)より低いとき、言い換えれば、送血用血液
保留部3a,3bの圧力感受性(液面感受性)が機能す
るときに、コンプライアンスが、2ml/sec・mm
Hg以上であることが好ましく、5〜30ml/sec
・mmHgであるものが好ましい。さらに、送血機構付
貯血槽1の貯血部10内の血液面が、送血用血液保留部
3a,3bの内部の最上部(図6のY)より高いときに
は、送血用血液保留部3a,3bは、コンプライアンス
が、上記値より低いものとなるものがより好適である。
また、送血用血液保留部3a,3bへの血液の流入抵抗
は、送血用血液保留部3a,3bへの血液の流入速度に
より、表すことができ、送血用血液保留部3a,3bと
しては、血液流入速度が、20〜600ml/secで
あることが好ましい。
【0035】さらに、ダイアフラム42a,42bの外
側を被覆し、かつ周縁が血液保留部本体部41a,41
bに固定された補強体(図示せず)を設けることが好ま
しい。そして、ダイアフラムと補強体をあわせたものの
物性は、ダイアフラムの変形に必要とする圧力が100
mmH2O以下、破断強度が5kg/cm2以上で、ダイ
アフラム自身が変形に対する自己復元力をもたないこと
が好ましい。また、ダイアフラムと補強体は、全く接着
されていないか、少なくとも周縁部以外では接着されて
いないものとすることが好ましい。補強材としては、織
布、不織布、編布、シートなどいずれでもよいが、強度
面より、織布、編布が好ましい。また、補強材形成材料
としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイ
ロン6、ナイロン66,再生セルロース、ポリプロピレ
ン、FRP(アラミド繊維他)、ステンレス、アルミニ
ウム等が好適に使用できる。特にポリエチレンテレフタ
テート、ナイロン6、ナイロン66,再生セルロース、
ポリプロピレンが好ましい。
【0036】そして、血液保留部内部30a,30bは
その下方(下端)において血液通路35a,35bと連
通している。送血用血液保留部3a,3bは、貯血部1
0と血液通路35a,35bの境界部位を形成する第1
の逆止弁33a,33bより上方に位置している。そし
て、送血用血液保留部3a,3bは、ほぼ水平方向に伸
びるように形成されている。もし、送血用血液保留部3
a,3bの血液保留部内部30a,30b(内部空間)
の最上端より貯血部10内の血液面が下方であれば、送
血用血液保留部3a,3b内には、この血液面に比例し
た量の血液が流入する。逆に、送血用血液保留部3a,
3bの血液保留部内部30a,30bの最大保留量は不
変であるので、送血用血液保留部3a,3bの血液保留
部内部30a,30bの最大拡張時の最上端(図6の
Y)より貯血部10内の血液面が上方であれば、この最
大保留量(図6の状態)の血液がこの内部に流入する。
【0037】つまり、この送血用血液保留部3a,3b
には、貯血部10内の貯血量に比例した圧力が負荷され
ており、圧力感受性容器となっている。貯血部10の液
面高さ(貯血量)が所定量以上(この例では、送血用血
液保留部3a,3bの内部空間の最上端より貯血部10
内の血液面が上方、血液面がYより上方)であれば、貯
血量による圧力よりも送血用血液保留部3a,3bの最
大保留量が優先され、送血用血液保留部3a,3bは最
大保留量の血液を保留する。貯血部10の貯血量が所定
量以下(この例では、送血用血液保留部3a,3bの内
部空間の最上端より貯血槽部2内の血液面が下方、血液
面がYより下方)であれば、送血用血液保留部3a,3
bの圧力感受性が機能し、貯血部10内の貯血量(言い
換えれば、貯血槽部2内の血液面高さ)に比例した量の
血液を保留する。つまり、この送血用血液保留部3a,
3bは、貯血部10の貯血量が少なくとも所定値以下と
なったときに、貯血部10内の貯血量に比例した量の血
液を自動的に保留する機能を備えている。
【0038】そして、送血用血液保留部3a,3bは、
自己的に血液を吸引しないもの、言い換えれば、形状自
己復元性を実質的に持たない。送血用血液保留部3a,
3bが、予め形成された内部容積を持つような形状に形
成されていると、内部に収納した血液が駆動部材により
押し出され、駆動部材による負荷が解除されたとき、予
め形成されている形状に復元し、その復元力によって生
じる吸引力により、貯血槽部2側から血液を吸引してし
まう。このため、血液保留部は、最低血液保有量を持つ
ことになり、この最低血液保有量以下では、上記のよう
な、圧力感受性を発揮しなくなる。
【0039】そして、送血機構3の血液通路35a,3
5b(言い換えれば、第1の逆止弁33a,33bと第
2の逆止弁34a,34bと血液保留部の血液保留部内
部30a,30bの血液流入口間にて形成される一つの
血液通路)の容積は、各々150mL以下とすることが
好ましい。なお、送血機構3の血液通路35a,35b
は、送血用血液保留部3a,3bのダイアフラム42
a,42bが閉じた状態にいて、第1の逆止弁33a,
33bと第2の逆止弁34a,34bと血液保留部3
a,3bの血液保留部内部30a,30bの血液流入口
(ダイアフラム42a,42bの内側面)間にて形成さ
れる一つの血液通路を示すものである。
【0040】さらに、血液通路35a,35bの最小断
面積は、1.0cm2以上となっている。このようなも
のであれば、血液保留部の圧力感受性を阻害することが
なく、送血用血液保留部3a,3bの圧力感受性は十分
に機能し、貯血部10内の貯血量(言い換えれば、貯血
槽部2内の血液面高さ)に比例した量の血液を保留す
る。そして、血液通路35a,35bの圧力損失(一つ
の血液通路の圧力損失)は、より低いことが好ましい
が、本発明では、130mmH2O以下であることが好
ましく、特に、110mmH2O以下、より好ましく
は、100mmH2O以下であることが好ましく、この
ようなものであれば、十分に圧力感受性を発揮でき、か
つ、良好に使用できる。さらに、血液通路35a,35
bの最小断面積は、1.5cm2以上であることが好ま
しい。このようなものであれば、血液保留部の圧力感受
性をより確実に発揮させることができる。
【0041】また、血液通路35a,35bの容積は、
送血用血液保留部3a,3bの最大血液保留量(血液保
留部の最大収納量)より少ないことが好ましく、このよ
うであれば、送血用血液保留部3a,3b内の血液の排
出により血液通路35a,35b内に貯留していた血液
全量が押し出されるので、送血機構内に同じ血液が保留
されることがない。
【0042】血液保留部本体部41a,41bの形成材
料としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル
−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン
共重合体等が好適に使用できる。特に、ポリカーボネー
ト、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルが好
ましい。なお、この実施例では、血液保留部本体部41
a、41bと血液流路形成部35は別個に形成され接続
されているが、一体に形成してもよい。
【0043】送血用血液保留部3a,3bの外側には、
送血用血液保留部3a,3bの変形可能部であるダイヤ
フラムを被包するように送血用駆動部4a,4bが設け
られている。血液保留部3a,3bとこの送血用駆動部
4a,4bにより、送血機構が構成される。
【0044】送血用駆動部4a,4bは、伸縮可能なシ
ート材により形成された血液保留部内の血液を送血する
際に作動する血液保留部押圧部(ダイヤフラム押圧部)
43a,43bを備える。具体的には、送血用駆動部4
a,4bは、中央部に水平方向外側に突出する送血用流
体流通ポート44a,44bを備えるとともに、硬質材
料により形成された送血用駆動部本体部45a,45b
を備えている。
【0045】そして、血液保留部押圧部43a,43b
は、周縁より若干内側の環状部分が、送血用駆動部本体
部45a,45bとダイヤフラム保持用環状部材53
a,53bの周縁部間に押圧され、それらによりほぼ気
密に保持されている。ダイヤフラム保持用環状部材53
a,53bは、ダイヤフラムと血液保留部押圧部43
a,43bの両者を保持するとともに、ダイヤフラムの
過剰膨張を抑制する。なお、送血用駆動部4a,4bの
血液保留部押圧部43a,43bは、流体により膨張収
縮を行う伸縮可能なシート材であるので、血液保留部の
押圧時にダイアフラムに損傷を与えることが少ない。さ
らに、血液保留部押圧部43a,43bは周縁部が、ダ
イヤフラム保持用環状部材53a,53bの環状傾斜面
に規制されて伸張する。
【0046】そして、使用時には、送血用流体流通ポー
ト44a,44bには、送血用流体供給機(図示せず)
が接続され、送血用流体供給機が備えるコンプレッサー
による送液(もしくは送気)および排出(もしくは排
気)により、血液保留部押圧部43a,43bは、伸張
(膨張)および収縮といった駆動を繰り返す。送血用駆
動部4a,4bの血液保留部押圧部43a,43bは、
非膨張時(収縮時)には、図5に示すように、送血用血
液保留部3a,3bのダイアフラム42a,42bに接
触しない状態となっており、伸張時(膨張時)には膨ら
み、送血用血液保留部3a,3bのダイアフラム42
a,42bを血液保留部本体部41a,41bと共同し
て押圧し、送血用血液保留部3a,3b内(血液保留部
内部30a,30b内)の血液を排出させる。
【0047】血液保留部押圧部43a,43bの形成に
使用される弾性材料としては、ウレタンゴム、シリコー
ンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴ
ムなどの天然ゴム、オレフィン系エラストマー、アミド
系エラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、ス
チレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−
イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン
ブチレン−スチレンコポリマー)、ポリウレタンエラス
トマーなどのエラストマーが好適である。
【0048】また、この実施例の送血機構付貯血槽1で
は、血液保留部のダイアフラム42a,42bは、血液
保留部本体部41a,41bにより囲まれており、外部
に露出していない。これらが、いわゆる保護カバーとし
て機能している。
【0049】そして、この送血機構付貯血槽1は、送血
機構3の内部に形成された血液保留部3a、3bと送血
用駆動部4a,4bとの間の空間49a、49bと貯血
部10の内部上部とを連通する連通路18a、18bを
備えている。
【0050】この実施例では、連通路18a、18b
は、送血機構3の開口48a、48bおよびこれと連通
するポート59a、59b、このポート59a、59b
に一端が接続された管体52a、52b、管体52a、
52bの他端が接続された貯血槽部ハウジング本体23
aに形成された連通路形成ポート190a、190bに
より構成されている。
【0051】送血機構3は、血液保留部3a,3b(ダ
イヤフラム42a,42b)と血液保留部押圧部43
a,43b間の空間49a、49b(言い換えれば、送
血用血液保留部3a,3bと送血用駆動部4a,4b間
の空間)とそれぞれ連通する開口48a、48bおよび
この開口48a、48bと連通するポート59a、59
bを備えている。具体的には、送血用駆動部本体部45
a,45bと血液保留部本体部41a,41bの接合部
間に開口48a、48bが形成され、この開口48a、
48bにポート59a、59bが気密に固定されてい
る。また、ダイヤフラム保持用環状部材53a,53b
にも、上記開口48a、48bに対応する位置に開口が
形成されている。
【0052】そして、送血機構付貯血槽1は、送血機構
3の内部に形成された血液保留部3a、3bと送血用駆
動部4a,4bとの間の空間49a、49bと貯血部1
0の内部上部との連通と送血機構3の空間49a、49
bと外気との連通を選択可能な連通形態選択機能を備え
ている。
【0053】この実施例の送血機構付貯血槽1における
連通形態選択機能は、第1のキャップ(非吸引時用キャ
ップ)54と、第2のキャップ(吸引時用キャップ)5
6ならびに蓋体23bのキャップ部材取付部28により
構成されている。
【0054】図9は、連通形態選択機能である第1のキ
ャップ(非吸引時用キャップ)の正面図であり、図10
は、図9に示した、第1のキャップ(非吸引時用キャッ
プ)の底面図である。図11は、第1のキャップ(非吸
引時用キャップ)が装着された状態における送血機構付
貯血槽の連通路端部付近の拡大断面図である。図12
は、連通形態選択機能である第2のキャップ(吸引時用
キャップ)の正面図であり、図13は、図12に示し
た、第2のキャップ(吸引時用キャップ)の平面図であ
り、図14は、図13のB−B線断面図である。図15
は、第2のキャップ(吸引時用キャップ)が装着された
状態における送血機構付貯血槽の連通路端部付近の拡大
断面図である。図16は、他の実施例における第1のキ
ャップ(非吸引時用キャップ)が装着された状態におけ
る送血機構付貯血槽の連通路端部付近の拡大断面図であ
る。
【0055】図5および図11に示すように、貯血槽部
ハウジング本体23aは、蓋体23bのキャップ部材取
付部28の下方に位置する部分付近が、蓋体近接部とな
っている。そして、この近接部のキャップ部材取付部2
8の下方に位置する部分には、連通路形成用ポート19
0a、190bが形成されている。連通路形成用ポート
190a、190bは、ハウジング23aの外部下方に
延び、管体52a、52bを接続するためのる管体接続
ポート192a、192bと、ハウジング23aの内部
であり蓋体23bのキャップ部材取付部28方向に延び
る第1のキャップ54の2つの管状部54a、54bの
下端55a、55bを装着するための装着用ポート19
1a、191bを備えている。
【0056】なお、ハウジング23aと管体52a、5
2bとの接続形態は、上記のものに限らず、図16に示
すような構造のものであってもよい。図16に示すもの
では、貯血槽部ハウジング本体23aは、蓋体23bの
キャップ部材取付部28の下方に位置する部分付近が、
蓋体近接部となっている点は同様である。そして、この
近接部のキャップ部材取付部28の下方に位置する部分
には、管体52a、52bがほぼ気密状態にて貫通で挿
通接続する連通路形成ポート192a、192bが形成
されている。そして、連通路形成ポート192a、19
2bは、管体52a、52bの先端部をハウジング23
aの内部であり蓋体23bのキャップ部材取付部28方
向に誘導する。また、管体52a、52bの先端部は、
第1のキャップ54の2つの管状部54a、54bの下
端55a、55bに装着可能となっている。
【0057】第1のキャップ部材(非吸引時用キャッ
プ)54は、連通路18a、18bの一端に接続可能な
一端および装着時に貯血部10の外部に位置する開口し
た他端を備える管状部54a、54bを有する。第2の
キャップ(非吸引時用キャップ)は、キャップ部材取付
部28にほぼ気密に装着される装着部56aと外方に延
び端部が吸引手段接続部を構成する管状部56bを備え
ている。
【0058】具体的には、第1のキャップ(非吸引時用
キャップ)54は、図9、図10および図11に示すよ
うに、中央部に形成された本体部54cと、一端側がハ
ウジング23a内部(装着部54cの下方)延び、他端
側が外方に延びるとともに、屈曲して装着部54cとほ
ぼ平行に延びる管状部54a、54bを備えている。図
11は、第1のキャップ(非吸引時用キャップ)が装着
された状態における送血機構付貯血槽の連通路端部付近
の拡大断面図である。管状部54a、54bの下端(一
端)55a、55bは、開口端であるとともに、装着用
ポート191a、191bにほぼ気密に接続可能となっ
ている。また、管状部54a、54bの先端(他端)5
5c、55dも開口端となっている。なお、この実施例
では、第1のキャップ54の本体部54cは、キャップ
部材取付部28に接触することなく被包している。そし
て、貯血部10の内部は、第1のキャップ54とキャッ
プ部材取付部28間を介して外気と連通している。ま
た、この実施例では、第1のキャップ54の本体部54
cの底面には、図10に示すように、複数のリブ54d
が設けられているため、このリブ54dがキャップ部材
取付部28の端面と接触しても、リブ54d以外の部分
において、貯血部10の内部は、第1のキャップ54と
キャップ部材取付部28間を介して外気と連通する。
【0059】送血機構付貯血槽1にこの第1のキャップ
(非吸引時用キャップ)54が装着された状態では、連
通路18a、18bを介して送血機構3の空間49a、
49b(ダイヤフラム42a,42bと血液保留部押圧
部43a,43b間の空間)は、直接外気と連通する。
このため、ダイヤフラム42a,42bおよび血液保留
部押圧部43a,43bの動きによる空間49a、49
bからの気体の移動は、貯血部10内に何ら影響しな
い。特に、血液保留部押圧部43a,43b内に送血用
流体(ガス)が流入され送血された後、血液保留部押圧
部43a,43bが伸縮するときに、空間49a、49
bに気体が流入する。空間49a、49bが、直接貯血
部10内と連通していると、空間49a、49b内に流
入する気体量分、貯血部10が外気を吸引することにな
る。このため、エアーポート付近の空中浮遊菌を吸引す
るおそれがある。しかし、本発明の送血機構付貯血槽で
は、空間49a、49bは、貯血部10内と直接連通し
ていないので、空間49a、49b内の気体の移動に起
因する貯血部10の外気の吸引は生じない。
【0060】さらに、第1のキャップ54の管状部54
a、54bは屈曲しており、そのため開口端である先端
(他端)55c、55dは、上方を向くことなく、側面
方向を向いている。このため、管状体内に落下物が侵入
することを防止している。そして、必要により、吸引を
行う場合には、第1のキャップ(非吸引時用キャップ)
54を取り外し、図12ないし図15に示すような第2
のキャップ(吸引時用キャップ)56が、送血機構付貯
血槽1のキャップ部材取付部28に装着される。図15
は、第2のキャップ(吸引時用キャップ)が装着された
状態における送血機構付貯血槽の連通路端部付近の拡大
断面図である。第2のキャップ56は、キャップ部材取
付部28にほぼ気密に装着されための装着部56aと、
この装着部の中央より外方にかつ屈曲して延びる吸引手
段接続部56bを備えている。装着部56aは、図14
に示すように、キャップ部材取付部28の端部を収納す
る環状溝56cを備えている。そして、吸引手段接続部
56bには、図示しない吸引手段が接続される。
【0061】送血機構付貯血槽1にこの第2のキャップ
(吸引時用キャップ)56が装着された状態では、連通
路18a、18bおよび貯血部10を介して送血機構3
の空間49a、49b(ダイヤフラム42a,42bと
血液保留部押圧部43a,43b間の空間)は、吸引手
段により吸引される。言い換えれば、送血機構3の空間
49a、49bは、貯血部10とともに吸引される。こ
のため、空間49a、49b内の圧力条件(減圧条件)
は、貯血部10内部と同じになる。送血機構付貯血槽部
内部が吸引され陰圧状態となると、同時に血液保留部3
a,3b(ダイヤフラム42a,42b)と血液保留部
押圧部43a,43b間の空間49a、49bも同じ陰
圧状態となり、貯血部10内と空間49a、49b間に
圧力差が生じないため、圧力差に起因する送血機構3の
液面感受性(圧力感受性、前負荷感受性)機能阻害がな
い。このため、血液保留部3a、3bは、上述した貯血
部の貯血量(液面高さ)に対応した前負荷感受性を確実
に発現する。
【0062】第1のキャップおよび第2のキャップの形
成材料としては、どのようなものでもよいが、軟質材料
もしくは可撓性材料であることが好ましい。軟質材料も
しくは可撓性材料であれば、第1のキャップは、連通路
との気密性が高くなり、第2のキャップでは、キャップ
部材取付部28との気密性が高くなる。可撓性材料もし
くは弾性材料としては、ポリウレタン(ポリエステル系
ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン)、軟質ポ
リ塩化ビニル、ポリエステル、ウレタンゴム、シリコー
ンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、オレフィン系
エラストマー(ポリエチレンエラストマー、ポリプロピ
レンエラストマー)、アミド系エラストマー(ポリアミ
ドエラストマー)、スチレン系エラストマー(例えば、
スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン
−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレ
ンブチレン−スチレンコポリマー)などが使用できる。
【0063】次に、図17ないし図19に示す実施例の
連通形態選択機能について説明する。この実施例では、
送血機構付貯血槽は、蓋体23bに形成された連通形態
選択用開口103a、103bを備える。連通形態選択
機能として、2つの連通形態選択部材101a、101
bを備える。なお、連通形態選択部材101aと101
bは一体に形成されていてもよい。図17ないし図19
に示すように、貯血槽部ハウジング本体23aは、蓋体
23bの連通形態選択用開口103a、103bの下方
に位置する部分付近が、蓋体近接部となっている。そし
て、この近接部の連通形態選択用開口103a、103
bの下方に位置する部分には、図15に示した実施例と
同様に、連通路形成用ポート190a、190bが形成
されている。連通路形成用ポート190a、190b
は、ハウジング23aの外部下方に延び、管体52a、
52bを接続するためのる管体接続ポート192a、1
92bと、ハウジング23aの内部であり蓋体23bの
連通形態選択用開口103a、103bに延び、連通形
態選択部材101aと101bを装着するための装着用
ポート191a、191bを備えている。なお、ハウジ
ング23aと管体52a、52bとの接続形態は、上記
のものに限らず、図16に示すような構造のものであっ
てもよい。
【0064】連通形態選択部材101a、101bは、
装着用ポート191a、191bにほぼ気密に接続可能
な一端部(下端部)104a、104bを備えている。
一端部(ポート装着部)104a、104bは、拡径部
となっている。また、連通形態選択部材101a、10
1bは、装着用ポート191a、191bに装着した時
に、貯血部10の外部に位置するとともに吸引手段接続
部105a,105bを構成する他端を備える管状部1
06a、106bと、管状部106a、106bの途中
に設けられ連通形態選択用開口103a、103bに気
密に嵌合可能な嵌合可能部107a、107bを備えて
いる。嵌合可能部107a、107bは、拡径部となっ
ている。また、連通形態選択部材101a、101b
は、一端であるポート装着部104a、104bより他
端である吸引手段接続部105a,105bまで貫通す
る通路108a、108bを備えている。さらに、連通
形態選択部材101a、101bは、嵌合可能部107
a、107bより一端側(ポート装着部)104a、1
04b側に位置し管状部(通路108a、108b)と
外部とを連通する複数の側孔109a、109bを備え
ている。また、嵌合可能部107a、107bより上部
側には、円盤状部112a、112bが設けられてお
り、連通形態選択用開口103a、103bを介して落
下物が貯血部10内に侵入することを防止している。さ
らに、円盤状部112a、112bの端部には円筒状リ
ブが形成されており、連通形態選択部材101a、10
1bを操作する際の把持部となっている。
【0065】そして、連通形態選択部材は101a、1
01bは、図17に示す状態から図18に示す状態に、
逆に、図18に示す状態から図17に示す状態に、連通
路(ポート装着部104a、104b)に接続された状
態にて移動可能である。
【0066】そして、連通形態選択部材は101a、1
01bは、図17に示すように、連通形態選択部材10
1a、101bの嵌合可能部107a、107bが連通
形態選択用開口103a、103bに嵌合していない状
態では、貯血部10の内部は連通形態選択用開口103
a、103bを介して直接外気と連通する。また、この
状態においては、吸引手段接続部105a,105bに
は、吸引手段が接続されていないため、連通路18a、
18bを介して送血機構3の空間49a、49b(ダイ
ヤフラム42a,42bと血液保留部押圧部43a,4
3b間の空間)は、吸引手段接続部(開放端)105
a,105bを介して、さらには、側孔109a、10
9bを介して直接外気と連通する。このため、ダイヤフ
ラム42a,42bおよび血液保留部押圧部43a,4
3bの動きによる空間49a、49bからの気体の移動
は、貯血部10内に何ら影響しない。また、連通形態選
択部材は101a、101bは、図19に示すように、
管状部106a、106bは吸引手段接続部105a,
105bに向かって屈曲している。そのため開口端であ
る吸引手段接続部105a,105bは、上方を向くこ
となく、側面方向を向いている。このため、管状体内に
落下物が侵入することを防止している。
【0067】そして、必要により、吸引を行う場合に
は、図18および図19に示すように、連通形態選択部
材101a、101bの嵌合可能部107a、107b
を連通形態選択用開口103a、103bに気密に嵌合
するように、連通形態選択部材101a、101bを下
方に押し下げることにより、側孔109a、109b
は、貯血部10内部位置する。そして、図19に示すよ
うな吸引手段の一部を構成するコネクター110が吸引
手段接続部105a,105bに接続される。この状態
において、貯血部10の内部は側孔を介して連通形態選
択部材101a、101bの管状部106a、106b
内に形成された通路108a、108bと連通し、外部
とは遮断される。また、連通路18a、18bを介して
送血機構3の空間49a、49b(ダイヤフラム42
a,42bと血液保留部押圧部43a,43b間の空
間)は、貯血部10とともに吸引手段により吸引可能と
なる。このため、空間49a、49b内の圧力条件(減
圧条件)は、貯血部10内部と同じになり、送血機構付
貯血槽部内部が吸引され陰圧状態となると、同時に血液
保留部3a,3b(ダイヤフラム42a,42b)と血
液保留部押圧部43a,43b間の空間49a、49b
も陰圧状態となる。そして、貯血部10内と空間49
a、49b間に圧力差が生じないため、圧力差に起因す
る送血機構3の液面感受性(圧力感受性、前負荷感受
性)機能阻害がなく、血液保留部3a、3bは、上述し
た貯血部の貯血量(液面高さ)に対応した前負荷感受性
を確実に発現する。
【0068】連通形態選択部材の形成材料としては、ど
のようなものでもよいが、軟質材料もしくは可撓性材料
であることが好ましい。軟質材料もしくは可撓性材料で
あれば、連通形態選択部材と連通路との気密性、さらに
は、嵌合可能部と連通形態選択用開口との気密性も高く
なる。
【0069】次に、図20ないし図22に示す実施例の
連通形態選択機能について説明する。この実施例の貯血
槽100は、連通路18a、18bに設けられた連通形
態切換部材120a、120bを備える。また、貯血槽
100は、吸引手段接続部を備える。なお、エアーポー
ト29が吸引手段接続部となっている。切換部材120
a、120bは、操作部131a,131bおよび外気
連通口126a,126bを備え、操作部131a,1
31bを操作することにより、送血機構3の空間49
a,49bが外気と連通する状態から送血機構3の空間
49a,49bが貯血部10の上部とのみ連通する状態
に変更可能となっている。
【0070】具体的には、連通路19aの一部を構成す
る管体は、2つの管体121a(貯血部10側),12
2a(送血機構3の空間49a)からなり、両者間に連
通形態切換部材120aが取り付けられている。同様
に、連通路19bの一部を構成する管体は、2つの管体
121b(貯血部10側)、122b(送血機構3の空
間49側)からなり、両者間に連通形態切換部材120
bが取り付けられている。
【0071】連通形態切換部材120aは、貯血部10
側となる管体121aと接続するための第1のポート1
24aと、送血機構3の空間49a側となる管体122
aと接続するための第2のポート125aと、外気連通
口(大気開放用ポート)126aを備える本体部130
aと、この本体部130aに回動可能に収納された切換
コック(操作部)131aを備えている。切換コック1
31aが、切換部材の操作部となっている。本体部13
0aは、開口端の内周の約4分の1の円弧部分が内側に
突出したリブ132aを備える。切換コック131a
は、切換レバーと、本体部130aのリブ132aと当
接する2つのリブ133a、134aと、内部に形成さ
れたT字状の通路127aを備えている。
【0072】同様に、連通形態切換部材120bは、貯
血部10側となる管体121bと接続するための第1の
ポート124bと、送血機構3の空間49b側となる管
体122bと接続するための第2のポート125bと、
外気連通口(大気開放用ポート)126bを備える本体
部130bと、この本体部130bに回動可能に収納さ
れた切換コック131bを備えている。本体部130b
は、開口端の内周の約4分の1の円弧部分が内側に突出
したリブ132bを備える。切換コック131bは、切
換レバーと、本体部130bのリブ132bと当接する
2つのリブ133b、134bと、内部に形成されたT
字状の通路127bを備えている。
【0073】非吸引時には、連通形態切換部材120
a,120bは、図21に示す状態とされる。これによ
り、貯血部10側となる管体121a、121bと送血
機構3の空間49側となる管体122a、122bとは
連通せず、送血機構3の空間49側となる管体122
a、122bは、通路127a、127bおよび大気開
放用ポート126a、126bにより、外気とのみ連通
する。また、この状態では、切換コック131a、13
1bのリブ134a、134bは、本体部130a、1
30bのリブ132bと当接するため、上方に回転不能
となっている。
【0074】吸引時には、吸引手段(図示せず)が吸引
手段接続部(この実施例ではエアーポート29)に接続
される。なお、吸引手段接続部はエアーポート29と別
個に設けてもよい。また、吸引時には、急速プライミン
グポート27には、シール用キャップが装着される。そ
して、連通形態切換部材120a,120bの切換コッ
ク131a、131bを、リブ133a、133bが、
本体部130a、130bのリブ132bと当接するま
で下方(反時計回り)に回転させる。これにより、図2
2に示す状態となり、貯血部10側となる管体121
a、121bと送血機構3の空間49側となる管体12
2a、122bとは、通路127a、127bを介して
連通し、大気開放用ポート126a、126bは、管体
121a、121bおよび管体122a、122bと連
通しない状態となる。このため、連通路18a、18b
を介して送血機構3の空間49a、49b(ダイヤフラ
ム42a,42bと血液保留部押圧部43a,43b間
の空間)は、貯血部10とともに吸引手段により吸引可
能となる。
【0075】次に、図23ないし図24に示す実施例の
連通形態選択機能について説明する。なお、基本構成は
図20に示した送血機構付貯血槽100と同じである。
この実施例の貯血槽も連通路18a、18bに設けられ
た連通形態切換部材150a、150bを備える。そし
て、貯血槽は、特別な吸引手段接続部を備えていない。
切換部材150a、150bは、操作部161a、16
1bおよび外気連通口兼吸引手段接続部156a、15
6bを備え、操作部161a、161bを操作すること
により、送血機構3の空間49a,49bが外気と連通
する状態から送血機構3の空間49a,49bおよび貯
血部10の上部の空間の両者が吸引手段接続部と連通す
る状態に変更可能となっている。
【0076】具体的には、連通路19aの一部を構成す
る管体は、2つの管体121a(貯血部10側),12
2a(送血機構3の空間49a側)からなり、両者間に
連通形態切換部材150aが取り付けられている。同様
に、連通路19bの一部を構成する管体は、2つの管体
121b(貯血部10側)、122b(送血機構3の空
間49側)からなり、両者間に連通形態切換部材150
bが取り付けられている。
【0077】連通形態切換部材150aは、貯血部10
側となる管体121aと接続するための第1のポート1
54aと、送血機構3の空間49a側となる管体122
aと接続するための第2のポート155aと、外気連通
口(大気開放用ポート)兼吸引手段接続部156aを備
える本体部160aと、この本体部160aに回動可能
に収納された切換コック(操作部)161aを備えてい
る。切換コック161aが、切換部材の操作部となって
いる。本体部160aは、開口端の内周の約4分の1の
円弧部分が内側に突出したリブ162aを備える。切換
コック161aは、切換レバーと、本体部160aのリ
ブ162aと当接する2つのリブ163a、164a
と、内部に形成されたT字状の通路157aを備えてい
る。
【0078】同様に、連通形態切換部材150bは、貯
血部10側となる管体121bと接続するための第1の
ポート154bと、送血機構3の空間49b側となる管
体122bと接続するための第2のポート155bと、
外気連通口(大気開放用ポート)兼吸引手段接続部15
6bを備える本体部160bと、この本体部160bに
回動可能に収納された切換コック161bを備えてい
る。本体部160bは、開口端の内周の約4分の1の円
弧部分が内側に突出したリブ162bを備える。切換コ
ック161bは、切換レバーと、本体部160bのリブ
162bと当接する2つのリブ163b、164bと、
内部に形成されたT字状の通路157bを備えている。
【0079】非吸引時には、連通形態切換部材150
a,150bは、図23に示す状態とされる。これによ
り、貯血部10側となる管体121a、121bと送血
機構3の空間49a,49b側となる管体122a、1
22bとは連通せず、送血機構3の空間49a,49b
側となる管体122a、122bは、通路157a、1
57bおよび外気連通口(大気開放用ポート)兼吸引手
段接続部156a、156bにより、外気とのみ連通す
る。また、この状態では、切換コック161a、161
bのリブ164a、164bは、本体部160a、16
0bのリブ162bと当接するため、下方に回転不能と
なっている。
【0080】吸引時には、吸引手段接続部156a、1
56bに吸引手段が接続される。また、急速プライミン
グポート27およびエアーポート29には、シール用キ
ャップが装着される。そして、連通形態切換部材150
a,150bの切換コック161a、161bを、リブ
163a、163bが、本体部160a、160bのリ
ブ162bと当接するまで上方(反時計回り)に回転さ
せる。これにより、図24に示す状態となり、貯血部1
0側となる管体121a、121bおよび送血機構3の
空間49a,49b側となる管体122a、122bの
両者は、通路157a、157bを介して吸引手段接続
部と連通する。このため、連通路18a、18b(管体
121a、121b、管体122a、122b)を介し
て送血機構3の空間49a、49b(ダイヤフラム42
a,42bおよび血液保留部押圧部43a,43b間の
空間)は、貯血部10とともに吸引手段により吸引可能
となる。
【0081】また、上述したすべての実施例の送血機構
付貯血槽では、送血用駆動部4a、4b内に流入される
流体の量もしくは圧力を調整することにより、血液保留
部3a、3bより流出する血液量を調整することもでき
る。つまり、送血量は、所定時間あたりの送血用駆動部
材の駆動回数を固定し、送血用駆動部内部に流入される
流体の量もしくは圧力を調整することにより、容易に変
更できる。
【0082】また、この実施例の送血機構付貯血槽1
は、上述したように、送血用血液保留部3および送血用
駆動部4をそれぞれ2組備えている。また、図5および
図6に示すように、血液通路35も2つの血液通路35
a,35bに区分されており、両者は連通してない。こ
のように2組以上設けることにより、個々の送血用血液
保留部3a,3b、送血用駆動部4a,4bの容量は小
さくなり、血液流入および排出リスポンスは良好とな
る。さらに、このように2組以上設け、それぞれの送血
用駆動部4a,4bの膨張タイミングをずらせばより良
好な血液流を形成することができる。このように送血用
駆動部4a,4bの膨張タイミングをずらしても、この
実施例では血液通路35a,35bは連通しておらず、
個々の血液保留部は独立した血液通路35a,35bを
備えるため、一方の血液保留部より他方の血液保留部に
血液が流れることもない。なお、この実施例に限られる
ものではなく、送血用血液保留部3および送血用駆動部
4a,4bは、1組、さらには、3組以上備えるもので
あってもよい。なお、送血用駆動部4a,4bとして
は、流体により膨張収縮を繰り返すタイプのものを用い
ているが、これに限られるものではなく、例えば、押圧
板を機械的に駆動し血液保留部を押圧するようなタイプ
のものであってもよい。
【0083】また、この実施例の送血機構付貯血槽1の
ように送血用血液保留部および送血用駆動部を2組設
け、送血用流体供給器が、送血用駆動部を個々に駆動で
きる制御機能を備えるものとすれば、送血される血流形
態を選択することができ、患者の状態、使用される熱交
換機能付人工肺などを考慮し、拍動流もしくは定常流を
選択することができ、さらには、使用時に血流形態を変
更することもできる。具体的には、個々の送血用血液保
留部3a,3bより流出する血液流の位相がほぼ180
度ずれるようにすること、言い換えれば、送血用駆動に
流出入する流体の位相がほぼ180度ずれるようにする
ことにより血液流はほぼ定常流とすることができる。ま
た、逆に、個々の送血部材より流出する血液流の位相を
ほぼ同じもしくは±30度とすること、言い換えれば、
送血用駆動に流出入する流体の位相をほぼ同じもしくは
±30度とすることにより、良好な拍動流が形成され
る。なお、血液保留部および送血用駆動部を3組以上と
した場合には、360度を組数で除した角度ごと、個々
の送血部材より流出する血液流の位相をずらすことによ
り、血流形態はほぼ定常流となる。
【0084】次に、熱交換機能付人工肺5について説明
する。熱交換機能付人工肺5は、図5に示すように、筒
状熱交換器部60と、筒状熱交換器部60を内部に収納
した多数のガス交換用中空糸膜からなる筒状中空糸膜束
62と、筒状中空糸膜束62および筒状熱交換器部60
とを収納するハウジング63と、中空糸膜の両端が開口
した状態で、筒状中空糸膜束62の両端部をハウジング
63および筒状熱交換器部60に固定する2つの隔壁8
5,86と、ハウジング63内面と中空糸膜外面と筒状
熱交換器部60の外側面と2つの隔壁85,86間によ
り形成された血液室67と、血液室67と連通するハウ
ジング63に設けられた血液流入口68および血液流出
口69と、中空糸膜内部と連通するガス流入口71およ
びガス流出口72と、筒状熱交換器部60の内部と連通
する熱媒体流入口73および熱媒体流出口74とを備え
ている。
【0085】図5に示す実施例の熱交換機能付人工肺5
では、ハウジング63は、筒状ハウジング本体63a
と、ガス流入口71および熱媒体流入口73、熱媒体流
出口74を備える第1のヘッダー83と、ガス流出口7
2を有する第2のヘッダー82とを備える。筒状ハウジ
ング本体63aの側面の上端となる位置に血液流入ポー
トが設けられている。
【0086】筒状中空糸膜束62は、多数の開口92を
備えるコア91の外面に巻き付けられている。さらに、
このコア91の内部に筒状熱交換器部60が収納されて
いる。そして、コアの91内面と筒状熱交換器部60の
外面間に、血液流入口68および血液流出口69と連通
する血液流通部93(血液室の一部でもある)が形成さ
れている。中空糸膜外面と筒状ハウジング本体63aの
内面間には、血液室67が形成されている。さらに、筒
状熱交換器部60の内部には、熱媒体流入口73および
熱媒体流出口74と連通する熱媒体流通室76が形成さ
れている。
【0087】この熱交換機能付人工肺5では、血液流入
口68より人工肺5内に流入した血液は、コア91の内
面と筒状熱交換器部60の外面間を流れる間に、熱交換
され、熱交換された血液は、コア91の開口92より筒
状中空糸膜束62内(血液室内)に流入する。中空糸膜
に血液が接触することにより、血液中のガス交換が行わ
れる。そして、筒状中空糸膜束62を通過した血液は、
筒状中空糸膜束62と筒状ハウジング本体63aの内面
間に形成された環状空間(血液室の一部である)に流入
し、血液流出口69より流出する。なお、このような環
状空間を備えないものであってもよい。筒状中空糸膜束
62の外径は、30〜144mmが好適であり、充填率
としては、45〜75%が好適である。
【0088】ガス交換用中空糸膜としては、多孔質膜が
使用される。多孔質中空糸膜としては、内径50〜10
00μm、好ましくは54.0〜84.0μm、肉厚は
5〜200μm、好ましくは10〜100μm、外径が
66.0〜106.0μm、空孔率は20〜80%、好
ましくは30〜60%、また細孔径は0.01〜5μ
m、好ましくは0.01〜1μmのものが好ましく使用
できる。また、多孔質膜に使用される材質としては、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアク
リロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、セルロー
スアセテート等の疎水性高分子材料が用いられる。好ま
しくは、ポリオレフィン系樹脂であり、特に好ましく
は、ポリプロピレンであり、延伸法または固液層分離法
により壁に微細孔が形成されたものがより好ましい。な
お、中空糸膜束62の厚さは、5mm〜25mmである
ことが好ましい。
【0089】隔壁85,86は、ポリウレタン、シリコ
ーンゴムなどの接着性を有する弾性材料であるポッティ
ング剤で形成されている。なお、筒状中空糸膜束、筒状
熱交換器部、ハウジングの軸は必ずしも共通的に一致し
てなくてもよい。
【0090】筒状熱交換器部60としては、いわゆるベ
ローズ型熱交換部が好適である。筒状熱交換器部60の
少なくとも外側面形成部材であるベローズ型筒状部材
は、ステンレス、アルミ等の金属もしくはポリエチレ
ン、ポリカーボネート等の樹脂材料によりいわゆる細か
な蛇腹状に形成されている。強度、熱交換効率の面から
ステンレス、アルミ等の金属が好ましい。特に、この実
施例では、筒状熱交換器部の軸方向(中心軸)に対して
ほぼ直交する凹凸が多数繰り返された波状となっている
ベローズ管からなりその谷部と山部の高さは5.0〜1
5.0mm程度が最も効率が良く、好ましくは9.0〜
12.0mmが好ましい。また、熱交換器部の軸方向の
長さは、使用される患者によって異なるが、70.0〜
150cmの範囲のものが用いられる。
【0091】熱交換器部60は、外側面を形成するベロ
ーズ型筒状部材と、このベローズ型筒状部材の内部に収
納された内側筒状部材75とからなり、内側筒状部材7
5とベローズ型筒状部材との間に熱媒体室76が形成さ
れている。また、内側筒状部材75は底面が閉塞してい
るとともに、側面に2つの開口95a,95bと、熱媒
体流入口73および熱媒体流出口74を備える。さら
に、内側筒状部材75の内部は、2つの内部室77a,
77bに区分されており、熱媒体流入口73は、内部室
77aに連通し、熱媒体流出口74は、第二の内部室7
7bと連通している。この熱交換器部60では、熱媒体
流入口73より流入した熱交換媒体は、第1の内部室7
7aに流入し、開口95aを通り、ベローズ型筒状部材
と内側筒状部材75間を流れ、開口95bより、第二の
内部室77bに流入し、熱媒体流出口74より流出す
る。
【0092】内側筒状部材は、合成樹脂、ステンレス、
アルミ等の金属により形成されている。また、筒状熱交
換器部60としては、円筒体であることが好ましく、筒
状熱交換器部60の外径は、20〜100mm程度が好
適であり、長さ(有効長)は、15〜765mm程度が
好適である。なお、熱交換器部60を構成するベローズ
型筒状部材と内側筒状部材は一体に形成してもよい。こ
の場合熱交換器部60は金属により形成することが好ま
しい。
【0093】筒状ハウジング本体63aとしては、円筒
体、多角筒、断面が楕円状のものなどが使用できる。好
ましくは円筒体である。また、筒状ハウジング本体63
aの内径は、30〜150mm程度が好適であり、長さ
(有効長)は、30〜750mm程度が好適である。
【0094】また、筒状ハウジング本体63a、熱交換
器部60の内側筒状部材75、蓋部材、第1のヘッダー
83と、第2のヘッダー82の形成材料としては、ポリ
オレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン)、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタ
レート)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、M
S樹脂、MBS樹脂)、ポリカーボネートなどが使用で
きる。
【0095】さらに、上述した送血機構付貯血槽の血液
接触面は、抗血栓性表面となっている事が好ましい。特
に、送血用血液保留部3a,3bの血液接触面、血液通
路35a,35b、第1の逆止弁33a,33b、第2
の逆止弁34a,34bは、抗血栓性表面となっている
事が好ましい。
【0096】抗血栓性表面は、抗血栓性材料を表面に被
覆、さらには固定することにより形成できる。抗血栓性
材料としては、ヘパリン、ウロキナーゼ、HEMA−S
t−HEMAコポリマー、ポリHEMAなどが使用でき
る。抗血栓性表面は、例えば、オゾン処理により生成さ
れた基材表面の酸化物中に含まれる官能基と、ヘパリン
のアミノ基とが、直接、または少なくとも一種のカップ
リング剤を介して共有結合することにより形成する事が
好ましい。この方法であれば、溶剤を使用することな
く、血液接触面にヘパリンが固定されるので、血液接触
面を形成する基材の物性の変化、具体的には、可撓性、
弾性、強度などの低下が少ない。
【0097】オゾン処理によって基材表面に形成される
酸化物中には、種々の官能基、例えば、アルデヒド、ケ
トン、エポキシなど反応性の高い官能基が生成される。
そして、これらの官能基に直接官能基を結合させること
も可能であるが、立体障害等の問題もあり、これらの官
能基にスペーサー(カップリング剤)を導入し、ヘパリ
ンを固定する方法が、容易で、しかも表面のヘパリン活
性発現の点からも有用である。カップリング剤として
は、1種または2種以上のものを用いてもよく、また2
つ以上のアルデヒド基や、エポキシ基を有する化合物が
好適に用いられる。
【0098】また、複数種のカップリング剤を用いる場
合は、基材上に導入された上記官能基にアミノ基等の官
能基を2つ以上有する化合物からなるカップリング剤
(スペーサー用カップリング剤)を予め結合させて基材
にアミノ酸等を導入した後、ヘパリンを2つ以上のアル
デヒド基やエポキシ基を有する化合物からなるカップリ
ング剤(ヘパリン固定用カップリング剤)を用いて基材
に結合させる事が好ましい。さらにはヘパリンを結合す
る際に、カップリング剤をヘパリンと同時、あるいはヘ
パリン投入以降に反応系内に投入することが好ましい。
特に、スペーサー用カップリング剤を用いて、アミノ基
を導入すれば、ヘパリンのアミノ基と反応系内でほぼ同
様な反応性を示すので、より効果的に後者のヘパリン固
定用カップリング剤によるヘパリンの基材への固定を行
わせることができる。
【0099】また、ヘパリンと直接結合するカップリン
グ剤の官能基または基材に導入された官能基がアルデヒ
ド基である場合は、ヘパリンとして、ヘパリンのN−硫
酸基の一部を脱硫化して第1級アミノ化したものを用い
ることが好ましい。
【0100】スペーサー用カップリング剤としては、基
材上のオゾン処理により得た官能基と結合(共有結合)
し、かつ2つ以上の第1級アミノ基を有するものが好ま
しい。アミノ基を2つ以上有するスペーサー用カップリ
ング剤としては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリ
エチレングリコールジアミン、エチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン等が挙げられる。
【0101】ヘパリンを基材に固定するために使用され
るカップリング剤としては、アルデヒド化合物、エポキ
シ化合物が好適に使用できる。アルデヒド化合物として
は、グルタルアルデヒド、グリオキサール、スクシンジ
アルデヒド、エポキシ化合物としては、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエ
ーテル、グリセロールジグリシジルエーテルなどが好適
に使用される。
【0102】具体的には、エポキシ化合物がソルビトー
ルジグリシジルエーテルであるデナコール EX−42
1、521、611、612、614、614B、ジエ
ポキシ化合物がグリセロールジグリシジルエーテルであ
るデナコールEX−313、ジエポキシ化合物がポリエ
チレングリコールグリジジルエーテルであるデナコール
EX−810、811、851、821、830、83
2、841、861(ナガセ化成社製)等が挙げられ
る。さらにエポキシの反応性の違いから、デナコールE
X−313、421、512、521、810、81
1、821、851等が更に好ましい。そして、上記の
ヘパリン固定では、基材に固定されたポリエチレンイミ
ンとグルタールアルデヒドの結合、グルタールアルデヒ
ドとヘパリンの結合はすべて共有結合であり、ヘパリン
の離脱が少ない。
【0103】
【発明の効果】本発明の送血機構付貯血槽は、貯血部
と、該貯血部と連通し、かつ該貯血部の貯血量が所定値
以下となったときに、貯血部内の貯血量に比例した量の
血液を保留し、かつ、外方より押圧されることにより内
部の血液を流出可能な血液保留部と該血液保留部内の血
液を送血する際に作動する送血用駆動部とからなる送血
機構を備えるとともに、前記貯血部内部を吸引するため
の吸引手段を接続可能な送血機構付貯血槽であって、該
送血機構付貯血槽は、前記送血機構の内部に形成された
前記血液保留部と前記送血用駆動部との間の空間と前記
貯血部の内部上部とを連通する連通路と、前記送血機構
の前記空間と前記貯血部の内部上部との連通と前記送血
機構の前記空間と外気との連通を選択可能な連通形態選
択機能を備えている。
【0104】このため、送血機構付貯血槽内の貯血量が
所定値より少なくなった場合、貯血残量に比例した量の
血液が送られることになり、貯血残量が低下すればする
ほど送血量も低下し限りなく0には近づくが0になるこ
とがなく、ごく微量でも送血を維持する。よって、送血
停止が生じないため、体外血液循環回路におけるこの送
血機構付貯血槽より下流側での血液滞留を生じることが
ない。さらに、送血機構付貯血槽に吸引装置が取り付け
られ送血機構付貯血槽内が陰圧状態になっても、貯血部
材を収納する収納部は、送血機構付貯血槽もしくは吸引
装置に連通しているので陰圧状態となり、同一気圧条件
となる。このため、吸引装置を作動させても、貯血部材
の上記作用を確実に発現できる。
【0105】さらに、この送血機構付貯血槽では、送血
機構の内部に形成された血液保留部と送血用駆動部との
間の空間は貯血部内と直接連通していないので、送血機
構の作動による空間内の気体の移動は、貯血部内に何ら
影響することがなく、送血機構の作動に起因して貯血部
が外気を吸引することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の送血機構付貯血槽の一実施例
の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した送血機構付貯血槽の左側
面図である。
【図3】図3は、図1に示した送血機構付貯血槽の右側
面図である。
【図4】図4は、図1に示した送血機構付貯血槽の平面
図である。
【図5】図5は、図1ないし図4に示した送血機構付貯
血槽の内部構造を説明するための説明図である。
【図6】図6は、図5の送血機構付貯血槽の送血機構付
近および貯血部の下部付近の拡大断面図である。
【図7】図7は、図1ないし図4に示した送血機構付貯
血槽の送血機構部分の正面図である。
【図8】図8は、図7に示した送血機構付貯血槽の送血
機構部分の断面図である。
【図9】図9は、連通形態選択機能である第1のキャッ
プ(非吸引時用キャップ)の正面図である。
【図10】図10は、図9に示した、第1のキャップ
(非吸引時用キャップ)の底面図である。
【図11】図11は、第1のキャップ(非吸引時用キャ
ップ)が装着された状態における送血機構付貯血槽の連
通路端部付近の拡大断面図である。
【図12】図12は、連通形態選択機能である第2のキ
ャップ(吸引時用キャップ)の正面図である。
【図13】図13は、図12に示した、第2のキャップ
(吸引時用キャップ)の平面図である。
【図14】図14は、図13のB−B線断面図である。
【図15】図15は、第2のキャップ(吸引時用キャッ
プ)が装着された状態における送血機構付貯血槽の連通
路端部付近の拡大断面図である。
【図16】図16は、他の実施例における第1のキャッ
プ(非吸引時用キャップ)が装着された状態における送
血機構付貯血槽の連通路端部付近の拡大断面図である。
【図17】図17は、本発明の送血機構付貯血槽の連通
形態選択機能の他の例の非吸引時を示す断面図である。
【図18】図18は、本発明の送血機構付貯血槽の連通
形態選択機能の他の例の吸引時の状態を示す断面図であ
る。
【図19】図19は、本発明の送血機構付貯血槽の連通
形態選択機能の他の例の吸引時の状態を示す断面図であ
る。
【図20】図20は、本発明の送血機構付貯血槽の他の
実施例の断面図である。
【図21】図21は、図20の送血機構付貯血槽に用い
られる連通形態選択機能の非吸引時の状態を示す図であ
る。
【図22】図22は、図20の送血機構付貯血槽に用い
られる連通形態選択機能の吸引時の状態を示す図であ
る。
【図23】図23は、本発明の送血機構付貯血槽の他の
実施例に用いられる連通形態選択機能の非吸引時の状態
を示す図である。
【図24】図24は、図23に示した連通形態選択機能
の吸引時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 送血機構付貯血槽 2 貯血槽部 3 送血機構 3a,3b 血液保留部 4a,4b 送血用駆動部 5 熱交換機能付人工肺 10 貯血部 18a、18b 連通路 28 キャップ部材取付部28 49a,49b 空間(閉鎖空間) 54 第1のキャップ(非吸引時用キャップ) 56 第2のキャップ(吸引時用キャップ) 101a、101b 連通形態選択部材 120a、120b 連通形態切換部材 150a、150b 連通形態切換部材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯血部と、該貯血部と連通し、かつ該貯
    血部の貯血量が所定値以下となったときに、貯血部内の
    貯血量に比例した量の血液を保留し、かつ、外方より押
    圧されることにより内部の血液を流出可能な血液保留部
    と該血液保留部内の血液を送血する際に作動する送血用
    駆動部とからなる送血機構を備えるとともに、前記貯血
    部内部を吸引するための吸引手段を接続可能な送血機構
    付貯血槽であって、該送血機構付貯血槽は、前記送血機
    構の内部に形成された前記血液保留部と前記送血用駆動
    部との間の空間と前記貯血部の内部上部とを連通する連
    通路と、前記送血機構の前記空間と前記貯血部の内部上
    部との連通と前記送血機構の前記空間と外気との連通を
    選択可能な連通形態選択機能を備えていることを特徴と
    する送血機構付貯血槽。
  2. 【請求項2】 連通形態選択機能は、前記送血機構の前
    記空間と前記貯血部の内部とが直接連通することなく該
    空間が外気と連通する状態と、前記送血機構の前記空間
    が前記貯血部の上部とのみ連通する状態とを選択可能な
    ものである請求項1に記載の送血機構付貯血槽。
  3. 【請求項3】 前記血液保留部は、可撓性材料により形
    成された変形可能部を有し、前記送血用駆動部は、送血
    の際に前記変形可能部を変形させて、該血液保留部内の
    血液を押し出すための血液保留部押圧部を備えるもので
    ある請求項1または2に記載の送血機構付貯血槽。
  4. 【請求項4】 前記送血機構は、送血機構本体部と、該
    送血機構本体部内に収納されるとともに周縁が保持され
    た可撓性ダイアフラムおよび伸縮可能なシート材により
    形成された可撓性ダイアフラム押圧部ならびに前記可撓
    性ダイアフラム押圧部を伸縮させるための送血用流体流
    通ポートとを備え、前記送血機構の前記空間は、前記送
    血機構本体部と前記ダイヤフラムと前記ダイヤフラム押
    圧部間により形成されている請求項1または2に記載の
    送血機構付貯血槽。
  5. 【請求項5】 前記連通路の一端は、前記貯血部の内部
    上部に位置し、前記連通形態選択機能は、任意に選択さ
    れる第1のキャップ部材と第2のキャップ部材を備え、
    前記送血機構付貯血槽は、該キャップ部材取付部を備
    え、前記第1のキャップ部材は、前記連通路の一端に接
    続可能な一端および装着時に貯血部の外部に位置する開
    口した他端を備える管状部を有し、前記第2のキャップ
    は、前記キャップ部材取付部にほぼ気密に装着される装
    着部と外方に延び端部が前記吸引手段接続部を構成する
    管状部を備えている請求項1ないし4のいずれかに記載
    の送血機構付貯血槽。
  6. 【請求項6】 前記第1のキャップは、前記キャップ部
    材取付部の開口を被包しかつ該キャップ部材取付部を介
    しての前記貯血部内部と外気との連通を阻害しない装着
    部を備えている請求項5に記載の送血機構付貯血槽。
  7. 【請求項7】 前記送血機構付貯血槽は、連通形態選択
    用開口を備え、前記連通形態選択機能は、前記連通路の
    一端に接続可能な一端および装着時に貯血部の外部に位
    置するとともに前記吸引手段接続部を構成する他端を備
    える管状部と、該管状部の途中に設けられ前記連通形態
    選択用開口に気密に嵌合可能な嵌合可能部と、該嵌合可
    能部より前記管状部の一端側に位置し前記管状部と外部
    とを連通する側孔を備える連通形態選択部材からなり、
    該連通形態選択部材は前記連通路に接続された状態にて
    移動可能であり、該連通形態選択部材の前記嵌合可能部
    が前記連通形態選択用開口に嵌合していない状態では、
    前記貯血部内部は直接外気と連通し、該連通形態選択部
    材の前記嵌合可能部が前記連通形態選択用開口に気密に
    嵌合してた状態では、前記貯血部内部は前記側孔を介し
    て前記管状部内部と連通するものである請求項1ないし
    4のいずれかに記載の送血機構付貯血槽。
  8. 【請求項8】 前記連通形態選択機能は、前記連通路に
    設けられた連通形態切換部材を備え、該切換部材は、操
    作部および外気連通口を備え、該操作部を操作すること
    により、前記送血機構の前記空間が外気と連通する状態
    と前記送血機構の前記空間が前記貯血部の上部とのみ連
    通する状態とを切換可能となっている請求項1ないし4
    のいずれかに記載の送血機構付貯血槽。
  9. 【請求項9】 前記連通形態選択機能は、前記連通路に
    設けられた連通形態切換部材を備え、該切換部材は、操
    作部および外気連通口兼吸引手段接続部を備え、該操作
    部を操作することにより、前記送血機構の前記空間が外
    気と連通する状態と前記送血機構の前記空間および前記
    貯血部の上部の空間の両者が前記外気連通口兼吸引手段
    接続部と連通する状態とを切換可能となっている請求項
    1ないし4のいずれかに記載の送血機構付貯血槽。
  10. 【請求項10】 前記送血機構は、2組以上設けられて
    いる請求項1ないし8のいずれかに記載の送血機構付貯
    血槽。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022158465A1 (ja) * 2021-01-25 2022-07-28 テルモ株式会社 貯血槽

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