JP3817017B2 - 送血用貯血部材付貯血槽および体外血液循環回路用送血器具 - Google Patents

送血用貯血部材付貯血槽および体外血液循環回路用送血器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工肺などに用いられる体外血液循環回路中において血液を一時的に貯留しかつ貯留した血液を送血するための送血用貯血部材を備える送血用貯血部材付貯血槽および貯血槽より下流側に設けられる体外血液循環回路用送血器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、開心術の際に、生体肺に代わり血液中の二酸化炭素を除去し、血液に酸素を添加するために、人工肺を組み込んだ体外循環回路が用いられている。この体外循環回路では、患者の静脈より脱血し、人工肺によりガス交換を行った後、この血液を再び患者の動脈に戻す体外血液循環が行われる。さらに、体外循環回路には、術野から血液を吸引し、異物を除去した後、返血するカーディオトミーラインが設けられる。
そして、このような人工肺体外血液循環回路には、脱血した血液を一時的に貯留しておくための貯血槽や、術野から吸引された血液を濾過し、一時的に貯留しておくためのカーディオトミーリザーバーが設置され、回路内の血液量を調整し、返血量を一定に保つための緩衝機能を果している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
体外血液循環時に貯血槽内の血液がゼロになると、送血ポンプにより空気が体外循環血液回路に空気が送り込まれることになるので、貯血槽に液面センサを設けて、貯血槽内の貯血量の管理を行っている。そして、液面センサにより貯血量が所定値以下であることが検知された場合、送血ポンプによる送血を一時中断し、貯血量の回復を待つといったことが行われる。しかし、一時的な送血中断は、人工肺を含む回路内全体での血液停滞となり好ましいものではない。
【0004】
そこで、本発明の課題は、貯血槽内部に貯血量が少なくとも所定値以下になった場合に、貯血量に対応して送血量を変動させることができる送血用貯血部材付貯血槽および貯血槽より下流側に設けられる体外血液循環回路用送血器具を提供する。
特に、第1の目的は、貯血槽内部に貯血量が少なくとも所定値以下になった場合における貯血量を感度よく対応した血液量を保留することができる送血用貯血部材付貯血槽および体外血液循環回路用送血器具を提供する。
また、第2の目的は、送血時に押圧される送血用貯血部が損傷を受けることを防止した送血用貯血部材付貯血槽および体外血液循環回路用送血器具を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、貯血槽部と、該貯血槽部の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を備え、前記貯血部材は、前記貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽部内液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定された可撓性ダイアフラムを有し、該ダイアフラムは、該ダイアフラムの変形に対する自己復元力により前記送血用貯血部材内に血液を吸い込まない送血用貯血部材付貯血槽である。
そして、前記貯血部材は、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有することが好ましい。
【0006】
また、上記目的を達成するものは、貯血槽部と、該貯血槽部の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を備え、前記貯血部材は、前記貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽部内液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定された可撓性ダイアフラムと、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有する送血用貯血部材付貯血槽である。
【0007】
また、上記目的を達成するものは、体外血液循環回路に用いられる送血器具であって、該送血器具は、体外血液循環回路への接続部を備え、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を有し、該貯血部材は、前記体外血液循環回路中に設けられる貯血槽内もしくは該送血用貯血部材より上流側の前記送血器具内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽内もしくは前記送血器具内の液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定され可撓性ダイアフラムと、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有し、前記ダイアフラムは、該ダイアフラムの変形に対する自己復元力により前記送血用貯血部材内に血液を吸い込まないものである体外血液循環回路用送血器具。
【0008】
そして、前記貯血部材は、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体と、該補強体を被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された第2のダイアフラムと、該第2のダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された第2の補強体を有することが好ましい。また、前記体外血液循環回路用送血器具は、前記貯血部材内の血液を送血する際に駆動し、前記貯血部材の前記ダイアフラム側を押圧するダイアフラム押圧部材と、前記貯血部材の少なくともダイアフラム部分を収納する保護ケースを有することが好ましい。
【0009】
さらに、前記体外血液循環回路への接続部は、上端に設けられた血液流入ポートと、下方にのびる所定量の血液を保留可能な血液保留部を有し、前記貯血部材は、前記血液保留部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記血液保留部内の血液面高さに応じた量の血液を保留するものであることが好ましい。また、前記体外血液循環回路用送血器具は、前記体外血液循環回路への接続部と前記貯血部材間に位置し、該体外血液循環回路への接続部側への血液の流通を抑制する第1の逆止弁と、前記貯血部材への下流側からの血液の流通を抑制する第2の逆止弁とを備えることが好ましい。また、前記体外血液循環回路用送血器具は、前記血液保留部と前記貯血部材間に位置し、該血液保留部側への血液の流通を抑制する第1の逆止弁と、前記貯血部材への下流側からの血液の流通を抑制する第2の逆止弁とを備えることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の送血用貯血部材付貯血槽および送血装置を図面に示す実施例を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の送血用貯血部材付貯血槽の正面図であり、図2は、本発明の送血用貯血部材付貯血槽と送血用駆動部を備えた状態の側面図であり、図3は、図1におけるA−A線部分にて切断した状態の送血用貯血部材付貯血槽の部分破断側面および送血用駆動部の側面を示す図であり、図4は、図2のB−B線部分にて切断したに示した送血用貯血部材付貯血槽の部分破断正面図であり、図5は、
送血用貯血部材の拡大断面図である。
【0011】
本発明の送血用貯血部材付貯血槽1は、貯血槽部2と、貯血槽部2の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材3a,3bを備え、送血用貯血部材3a,3bは、貯血槽部2内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部2内の液面高さに応じた量の血液を保留する。送血用貯血部材3a,3bは、硬質材料により形成された貯血部材本体部41と、貯血部材本体部41に周縁が固定された可撓性ダイアフラム42を有し、ダイアフラム42は、変形に対する自己復元力を実質的に持たない。
【0012】
送血用貯血部材3a,3bは、貯血槽部2内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部2の貯血量に比例した量の血液を保留する。そして、送血用貯血部材3a,3bのダイアフラム42側を外部より押圧することにより、送血用貯血部材3a,3b内の血液を間欠的に流出させることができる。よって、貯血部材3は、貯血槽部2内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部2の貯血量に比例した量の血液を保留し、送血用貯血部材3a,3bのダイアフラム42側を外部より押圧することにより、送血用貯血部材3a,3b内の血液が間欠的に流出するので、貯血槽部2内の貯血残量が少なくなればそれに比例した少ない量の送血が行われ、貯血残量が少量となっても微量な送血が維持される。このため貯血残量の低下により送血を中断する必要がなく、体外循環回路中での血液停滞を回避できる。さらに、ダイアフラム42は、変形に対する自己復元力を実質的に持たないため、貯血槽部2の貯血量に敏感反応し、貯血槽部2の貯血量に比例した量の血液の保留がより確実となる。
【0013】
また、本発明の送血用貯血部材付貯血槽1は、貯血槽部2と、貯血槽部2の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材3a,3bを備え、送血用貯血部材3a,3bは、貯血槽部2内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部2内液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、送血用貯血部材3a,3bは、硬質材料により形成された貯血部材本体部41と、貯血部材本体部41に周縁が固定された可撓性ダイアフラム42と、ダイアフラム42を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された補強体を有する。
【0014】
このため、上記のものと同様に、貯血部材3は、貯血槽部2内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部2の貯血量に比例した量の血液を保留し、送血用貯血部材3a,3bのダイアフラム側を外部より押圧することにより、送血用貯血部材3a,3b内の血液が間欠的に流出するので、貯血槽部2内の貯血残量が少なくなればそれに比例した少ない量の送血が行われ、貯血残量が少量となっても微量な送血が維持される。このため貯血残量の低下により送血を中断する必要がなく、体外循環回路中での血液停滞を回避できる。さらに、補強体を備えることにより、使用時にダイアフラム42が損傷を受けることを防止する。
【0015】
送血用貯血部材付貯血槽1は、貯血槽部2と、2つの送血用貯血部材3a,3bと、貯血槽部2とそれぞれの送血用貯血部材3a,3bとを連通する血液流通部35a,35bを備える。また、送血用貯血部の外部には、使用時には、送血用貯血部のダイアフラム42側を押圧する駆動部材が設けられている。
【0016】
貯血槽部2は、図1ないし図4に示すように、硬質樹脂により形成された貯血槽部ハウジング本体23aと蓋体23bとで構成されるハウジングを有し、蓋体23bは、貯血槽部ハウジング本体23aの上部開口を覆うように、ハウジング本体23aの上端に嵌合されている。蓋体23bは、図1および図2に示すように、血液流入口21、22、エア排出口27を有している。血液流入口22は、術野からの血液を送血するカーディオトミーラインに接続される。血液流入口21は、患者の心臓上下行静脈に挿入された脱血カニューレからの血液を送血する脱血ラインと接続される。ハウジング本体23a内には、血液流入口22より流入した血液を濾過するためのカーディオトミー血液フィルター25と、血流入口21より流入した血液を濾過する静脈血フィルター(図示せず)が設けられている。
【0017】
貯血槽部ハウジング本体23aは、下方に突出した突出部23cと、突出部23cの下部(下端)に設けられた2つの血液流出口26a,26bを有している。
貯血槽部ハウジング本体23aおよび蓋体23bを構成する部材としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が好適に使用できる。特に、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0018】
そして、貯血槽部ハウジング内部には、図4に示すように、血液を一時的に貯留しておくための血液貯留部29が形成されている。この血液貯留部29の容積は、特に限定されないが、通常、成人用では、3000〜5000ml程度であり、小児用では、1000〜2500mlである。また、貯血槽部ハウジング本体23aは、貯血量や内部に貯留している血液の状態を容易に確認できるように、実質的に透明または半透明であることが好ましい。突出部23cは、言い換えれば、断面積狭小部であり、貯血量低下時における貯血量または貯血量の変化を正確かつ容易に把握できるようにするためのものである。なお、貯血槽部2としては、軟質樹脂により形成された軟質貯血槽部であってもよい。この場合、貯血槽部は密閉型貯血槽部となる。
【0019】
貯血槽部2の下方には、2つの送血用貯血部を貯血槽部2と連通させるための血液流通部35a,35bが形成されている。血液流通部は2つに区分されており、一方血液流通部35aは、第1の送血用貯血部材3aとのみ連通し、他方の血液流通部35bは、他方の貯血部材3bとのみ連通している。また、貯血槽部2の血液流出口26付近には、言い換えれば、貯血槽部2と血液流通部35a,35bの境界部位には、第1の逆止弁33a,33bが設けられ、貯血槽部2側から血液流通部35側(言い換えれば、貯血部材3側)への血液の流通を許容し、その逆方向の血液の流通を規制(阻止)している。この第1の逆止弁33a,33bは、後述する送血駆動部4の作動中における貯血槽部2と貯血部材間の連通を遮断する流路制御部材として機能する。また、貯血槽部2には、血液流通部35a,35bと連通する血液排出口7が設けられており、この血液排出口7付近には、第2の逆止弁34a,34bが設けられおり、血液流通部35a,35b側(言い換えれば、貯血部材3側)より下流側への血液流通を許容し、その逆方向の血液流通を規制している。この第2の逆止弁34a,34bは、後述する送血駆動部4の非作動時における下流側からの血液の貯血部材側(血液流通部側)への流入を遮断する流路制御部材として機能する。
【0020】
逆止弁33、34は、円盤状の可動弁体の一部をハウジングに固定することにより形成されている。可動弁体は、血液より比重が若干軽いものが好ましく、ショアA硬度で3〜7程度のものが好適である。このような、弁体としては、例えば、スチレン系エラストマーオイル系ゲル、シリコーンゲルなど好適であり、厚さは、0.5〜5mm程度が好ましい。
【0021】
貯血部材3は、硬質材料により形成された貯血部材本体部41と、貯血部材本体部41に周縁が固定された可撓性ダイアフラム42を有する。貯血部材本体部41は、内面形状が湾曲面となっており、具体的には略半球状に形成されている。ダイアフラム42は、この貯血部材本体部41の内面形状に対応した形状に形成されている。
そして、ダイアフラム42は、変形に必要とする圧力が100mmH2O以下であることが好ましい。このようにすれば、貯血槽部2の貯血量に敏感反応し、貯血槽部2の貯血量に比例した量の血液の保留がより確実となる。ダイアフラム42は、変形に必要とする圧力が、50mmH2O以下であることがより好ましい。
【0022】
この実施例に用いられている貯血部材3では、ダイアフラム42を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された補強体43が設けられている。そして、ダイアフラム42と補強体43をあわせたものの物性は、ダイアフラム42の変形に必要とする圧力は100mmHO以下、破断強度が5kg/cm以上で、ダイアフラム42自身に変形に対する自己復元力もたないことが好ましい。自己復元力をもたないとは、ダイアフラムの復元力で貯血室拡張時に流体を貯血室内に実質的に吸い込まないことを意味している。さらに、この実施例に用いられている貯血部材3では、図5に示すように、ダイアフラム42の損傷をより確実に防止するとともに、万が一ダイアフラム42が損傷を受けても送血を確保できるようにするために、ダイアフラム(第1のダイアフラム)42を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された補強体43(第1の補強体)と、補強体43(第1の補強体)を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部に固定された第2のダイアフラム44と、第2のダイアフラム44を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された第2の補強体45を有している。なお、この場合、第1のダイアフラムと第2のダイアフラム44との間の補強体を省略してもよい。
【0023】
また、ダイアフラム42と補強体43は、全く接着されていないか、少なくとも周縁部以外では接着されていないものとすることが好ましい。同様に、第1のダイアフラム42と第2のダイアフラム44との間の補強体を省略する場合には、第1のダイアフラム42と第2のダイアフラム44とは、全く接着されていないか、少なくとも周縁部以外では接着されていないものとすることが好ましい。また、補強材はダイアフラムに密着してないことが好ましい。また、ダイアフラムと補強体は、一体となっているものであってもよい。
【0024】
送血用貯血部材3a,3bは、貯血部材3の下方(下端)に位置し、かつ、貯血槽部2の血液貯留部29の下端と垂直方向におけるほぼ同じ高さの位置に形成された血液流通口31a,31bを介して血液流通部35a,35bと連通する。貯血槽部2は、血液貯留部29とこの血液貯留部29の下端部に設けられた血液流出口26a,26bを備える。送血用貯血部材3a,3bは、この血液流出口26a,26bより上方に位置している。そして、送血用貯血部材3a,3bは、貯血槽部2の突出部23cとほぼ平行かつほぼ垂直上方に伸びるように形成されている。もし、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より貯血槽部2内の血液面が下方であれば、送血用貯血部材3a,3b内には、この血液面に比例した量の血液が流入する。逆に、送血用貯血部材3a,3bは、最大保留量は不変であるので、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より貯血槽部2内の血液面が上方であれば、この最大保留量の血液がこの内部に流入する。
【0025】
つまり、この送血用貯血部材3a,3bには、貯血槽部2内の貯血量に比例した圧力が負荷されており、圧力感受性容器となっている。貯血槽部2の液面高さ(貯血量)が所定量以上(この例では、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より貯血槽部2内の血液面が上方)であれば、貯血量による圧力よりも送血用貯血部材3a,3bの最大保留量が優先され、送血用貯血部材3a,3bは最大保留量の血液を保留する。貯血槽部2の貯血量が所定量以下(この例では、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より貯血槽部2内の血液面が下方)であれば、送血用貯血部材3a,3bの圧力感受性が機能し、貯血槽部2内の貯血量(言い換えれば、貯血槽部2内の血液面高さ)に比例した量の血液を保留する。つまり、この送血用貯血部材3a,3bは、貯血槽部2の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部2内の貯血量に比例した量の血液を自動的に保留する機能を備えている。
【0026】
そして、送血用貯血部材3a,3bは、自己的に血液を吸引しないもの、言い換えれば、形状自己復元性を実質的に持たない。送血用貯血部材3a,3bが、予め形成された内部容積を持つような形状に形成されていると、内部に収納した血液が駆動部材により押し出され、駆動部材による負荷が解除されたとき、予め形成されている形状に復元し、その復元力によって生じる吸引力により、貯血槽部2側から血液を吸引してしまう。このため、貯血部材は、最低血液保有量を持つことになり、この最低血液保有量以下では、上記のような、圧力感受性を発揮しなくなる。
【0027】
送血用貯血部材3a,3bの最大血液保留量(最大収納量、容積)としては、使用する貯血槽部2の最大貯血量などにより相違するが、20〜500ml程度が好ましく、特に50〜500ml程度が好ましい。より好ましくは、50〜300mlであり、特に、80〜300mlである。
【0028】
送血用貯血部材3a,3bが保留する血液は、後述する送血用駆動部により押し出され、押し出された血液は血液流通部35a,35b内に流入し、血液排出口7より流出する。このため、本発明の送血用貯血部材付貯血槽1では、貯血槽部2内の貯血量が所定値より少なくなった場合、貯血残量に比例した量の血液が送られることになり、貯血残量が低下すればするほど送血量も自動的に低下し限りなく0には近づくが0になることがなく、ごく微量でも送血を維持する。このため、送血停止が生じないため、体外血液循環回路におけるこの送血用貯血部材付貯血槽1より下流側での血液滞留を生じることがない。
【0029】
貯血部材本体部41の形成材料としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が好適に使用できる。特に、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0030】
ダイアフラムの形成材料としては、例えばポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル等が好適に使用できる。特に血液に接触する部材として現在広く用いられているポリウレタン、シリコーンが好ましい。また補強材としては、織布、不織布、編布、シートなどいずれでもよいが、強度面より、織布、編布が好ましい。また、補強材形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66,再生セルロース、ポリプロピレン、FRP(アラミド繊維他)、ステンレス、アルミニウム等が好適に使用できる。特にポリエチレンテレフタート、ナイロン6、ナイロン66,再生セルロース、ポリプロピレンが好ましい。
【0031】
ダイアフラムは、十分に柔軟であることが望ましく、柔軟性の指標としては、例えば、コンプライアンスがある。送血用貯血部材3a,3bとしては、貯血槽部2の貯血部内の血液面が、送血用貯血部材3a,3bの内部の最上部より低いとき、言い換えれば、送血用貯血部材3a,3bの圧力感受性(液面感受性)が機能するときに、コンプライアンスが、2ml/sec・mmHg以上、であることが好ましく、5〜30ml/sec・mmHgであるものが好ましい。さらに、貯血槽部2の貯血部内の血液面が、送血用貯血部材3a,3bの内部の最上部より高いときには、送血用貯血部材3a,3bは、コンプライアンスが、上記値より低いものとなるものがより好適である。また、送血用貯血部材3a,3bへの血液の流入抵抗は、送血用貯血部材3a,3bへの血液の流入速度により、表すことができ、送血用貯血部材3a,3bとしては、血液流入速度が、20〜600ml/secであることが好ましい。
さらに、送血用貯血部材3a,3bの血液接触面は、抗血栓性表面となっている事が好ましい。
【0032】
抗血栓性表面は、抗血栓性材料を表面に被覆、さらには固定することにより形成できる。抗血栓性材料としては、ヘパリン、ウロキナーゼ、HEMA−St−HEMAコポリマー、ポリHEMAなどが使用できる。
抗血栓性表面は、例えば、オゾン処理により生成された基材表面の酸化物中に含まれる官能基と、ヘパリンのアミノ基とが、直接、または少なくとも一種のカップリング剤を介して共有結合することにより形成する事が好ましい。この方法であれば、溶剤を使用することなく、血液接触面にヘパリンが固定されるので、血液接触面を形成する基材の物性の変化、具体的には、可撓性、弾性、強度などの低下が少ない。
【0033】
オゾン処理によって基材表面に形成される酸化物中には、種々の官能基、例えば、アルデヒド、ケトン、エポキシなど反応性の高い官能基が生成される。
そして、これらの官能基に直接官能基を結合させることも可能であるが、立体障害等の問題も有り、これらの官能基にスペーサー(カップリング剤)を導入し、ヘパリンを固定する方法が、容易で、しかも表面のヘパリン活性発現の点からも有用である。カップリング剤としては、1種または2種以上のものを用いてもよく、また2つ以上のアルデヒド基や、エポキシ基を有する化合物が好適に用いられる。
【0034】
また、複数種のカップリング剤を用いる場合は、基材上に導入された上記官能基にアミノ基等の官能基を2つ以上有する化合物からなるカップリング剤(スペーサ用カップリング剤)を予め結合させて基材にアミノ酸等を導入した後、ヘパリンを2つ以上のアルデヒド基やエポキシ基を有する化合物からなるカップリング剤(ヘパリン固定用カップリング剤)を用いて基材に結合させる事が好ましい。さらにはヘパリンを結合する際に、カップリング剤をヘパリンと同時、あるいはヘパリン投入以降に反応系内に投入することが好ましい。
特に、スペーサ用カップリング剤を用いて、アミノ基を導入すれば、ヘパリンのアミノ基と反応系内でほぼ同様な反応性を示すので、より効果的に後者のヘパリン固定用カップリング剤によるヘパリンの基材への固定を行わせることができる。
【0035】
また、ヘパリンと直接結合するカップリング剤の官能基または基材に導入された官能基がアルデヒド基である場合は、ヘパリンとして、ヘパリンのN−硫酸基の一部を脱硫化して第1級アミノ化したものを用いることが好ましい。
スペーサ用カップリング剤としては、基材上のオゾン処理により得た官能基と結合(共有結合)し、かつ2つ以上の第1級アミノ基を有するものが好ましい。アミノ基を2つ以上有するスペーサ用カップリング剤としては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレングリコールジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン等が挙げられる。
【0036】
ヘパリンを基材に固定するために使用されるカップリング剤としては、アルデヒド化合物、エポキシ化合物が好適に使用できる。アルデヒド化合物としては、グルタルアルデヒド、グリオキサール、スクシンジアルデヒド、エポキシ化合物としては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオール−ジグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテルなどが好適に使用される。
【0037】
具体的には、エポキシ化合物がソルビトールジグリシジルエーテルであるデナコール EX−421、521、611、612、614、614B、ジエポキシ化合物がグリセロールジグリシジルエーテルであるデナコール EX−313、ジエポキシ化合物がポリエチレングリコールグリジルエーテルであるEX−810、811、851、821、830、832、841、861(ナガセ化成社製)等が挙げられる。 さらにエポキシの反応性の違いから、デナコール EX−313、421、512、521、810、811、821、851等が更に好ましい。そして、上記のヘパリン固定では、基材に固定されたポリエチレンイミンとグルタールアルデヒドの結合、グルタールアルデヒドとヘパリンの結合はすべて共有結合であり、ヘパリンの離脱が少ない。
【0038】
貯血部材3の外方、言い換えれば、ダイアフラム42の外方には、送血用駆動部4が設けられている。送血用駆動部4は、ダイアフラム側を押圧し、ダイアフラム42を貯血部材本体部41に密着可能な押圧部51を備えている。この実施例では、押圧部51には、外部駆動装置により駆動されるシリンダー52が取り付けられている。送血用駆動部4の作動により、貯血部材3に貯留された血液は間欠的に排出される。
【0039】
そして、この実施例の送血用貯血部材付貯血槽1では、貯血部材3および送血用駆動部4は、2組設けられている。このため、図4に示すように、血液流通部35も2つの血液流通部35a,35bに区分されており、両者は連通してない。このように2組以上設けることにより、個々の貯血部材3、送血用駆動部4の容量は小さくなり、血液流入および排出リスポンスは良好となる。なお、この実施例に限られるものではなく、貯血部材3および送血用駆動部4は、1組、さらには、3組以上でもよい。
【0040】
特に、この送血用貯血部材付貯血槽1のように貯血部材3および送血用駆動部4を2組設け、送血用流体供給器が、送血用駆動部を個々に駆動できる制御機能を備えるものとすれば、送血される血流形態を選択することができ、患者の状態、使用される人工肺などを考慮し、拍動流もしくは定常流を選択することができ、さらには、使用時に血流形態を変更することもできる。この実施例のように、送血部材および送血用駆動部が2組設けられている場合には、個々の送血部材より流出する血液流の位相がほぼ180度ずれるようにすること、言い換えれば、送血用駆動に流出入する流体の位相がほぼ180度ずれ、拍出の割合が周期の半分以上であれば、血液流はほぼ定常流となる。逆に、個々の送血部材より流出する血液流の位相をほぼ同じもしくは±30度とすること、言い換えれば、送血用駆動部に流出入する流体の位相をほぼ同じもしくは±30度とすることにより、良好な拍動流が形成される。なお、貯血部材および送血用駆動部を3組以上とした場合には、360度を組数で除した角度ごと、個々の送血部材より流出する血液流の位相をずらすことにより、血流形態は、ほぼ定常流となる。
【0041】
また、図6に示すように、少なくとも、貯血部材3のダイアフラム42を保護する筒状の保護カバー61を設けてもよい。保護カバーとしては、送血用駆動部4の押圧部材51が侵入可能な開口を有するものが用いられる。このような保護カバーを設けることにより、外的要因による損傷を受けることが少なくなる。なお、保護カバーとしては、硬質のものが用いられ、形成材料としては、上述した貯血槽部ハウジングの形成に用いられたものが好適に利用できる。さらに、保護カバーは、貯血部材全体を収納するのものであってもよい。
【0042】
さらに、図7に示すように、少なくともダイアフラム42を保護し、かつ、ダイアフラム押圧部材51を移動可能かつ離脱不能に収納する保護カバー71としてもよい。この場合、ダイアフラム押圧部材51は、ダイアフラム押圧部材駆動装置52とは、着脱自在となっている。このようにすることにより、使用時にダイアフラム側とダイアフラム押圧部材間に異物が侵入することを防止でき、ダイアフラムの損傷をより確実に防止できる。なお、ダイアフラム押圧部材51の後端面より外方に延びるシャフト53には、さらに外方に延びるダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56への取付用の突出部54が形成されている。突出部54は、シリンダロッド56に取り付けられた後に、シリンダロッド56対する回転を規制するために、断面形状が多角形などの形状に形成されいる。また、ダイアフラム押圧部材51のシャフト53の後端部外面には、螺合部(ねじ山)55が形成されている。ダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56の先端部には、軸方向に延び、ダイアフラム押圧部材51の突出部を収納可能な形状に形成された軸方向に延びる凹部57を有する。そして、ダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56の先端部には、内面にダイアフラム押圧部材51のシャフト53の形成された螺合部(ねじ山)55と螺合可能な螺合部(ねじ溝)58を有する固定用部材が回転可能に取り付けられている。よって、ダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56に、ダイアフラム押圧部材51は着脱可能となっている。
【0043】
次に、本発明の体外血液循環回路用送血器具について説明する。
図8は、本発明の体外血液循環回路用送血器具の正面図であり、図9は、本発明の体外血液循環回路用送血器具の側面図であり、図10は、図9におけるC−C線断面図である。
この体外血液循環回路用送血器具80は、体外血液循環回路に用いられる送血器具であって、送血器具は、体外血液循環回路への接続部81(血液流入ポート)を備え、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材3a,3bを有し、貯血部材3a,3bは、体外血液循環回路中に設けられる貯血槽内もしくは送血用貯血部材より上流側の送血器具内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽内もしくは送血器具内の液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、送血用貯血部材3a,3bは、硬質材料により形成された貯血部材本体部41と、貯血部材本体部41に周縁が固定された可撓性ダイアフラム42を有し、ダイアフラム42は、変形に対する自己復元力を実質的に持たないものである。
【0044】
また、本発明の体外血液循環回路用送血器具80は、体外血液循環回路に用いられる送血器具であって、送血器具は、体外血液循環回路への接続部81(血液流入ポート)を備え、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材3a,3bを有し、貯血部材3a,3bは、体外血液循環回路中に設けられる貯血槽内もしくは送血用貯血部材より上流側の送血器具内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽内もしくは送血器具内の液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、送血用貯血部材3a,3bは、硬質材料により形成された貯血部材本体部41と、貯血部材本体部41に周縁が固定された可撓性ダイアフラム42と、ダイアフラム42を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された補強体を有する。
このため、上述した貯血槽と同様の効果を得ることができる。
【0045】
貯血槽への接続部81は、例えば、短いチューブにより、貯血槽の血液流出ポートと接続されるためのものである。また、送血用貯血部材3a,3bの構成については、上述した送血用貯血部材付貯血槽1における送血用貯血部材3a,3bと同じである。相違は、貯血槽部2を直接備えず、上述した貯血槽への接続部81となっている点のみである。
【0046】
体外血液循環回路用送血器具80は、貯血槽への接続部81と、2つの送血用貯血部材3a,3bと、接続部81とそれぞれの送血用貯血部材3a,3bとを連通する血液流通部35a,35bを備える。また、送血用貯血部の外部には、使用時には、送血用貯血部のダイアフラム側を押圧する駆動部材4が設けられている。
貯血槽への接続部81は、上端に上述した血液流入ポートを備え、下方にのびる所定量(例えば、5〜100ml)の血液を保留する血液保留部83と、この血液保留部83の下部(下端)に設けられた2つの血液流出口26a,26bを有している。
【0047】
血液保留部の下方には、図8に示すように、2つの送血用貯血部を血液保留部と連通させるための血液流通部35a,35bが形成されている。血液流通部は2つに区分されており、一方の血液流通部35aは、一方の貯血部材3aとのみ連通し、他方の血液流通部35bは、他方の貯血部材3bとのみ連通している。また、血液保留部の血液流出口26a,26b付近には、言い換えれば、貯血部と血液流通部35a,35bの境界部位には、第1の逆止弁33a,33bが設けられ、血液保留部側から血液流通部35側(言い換えれば、貯血部材3側)への血液の流通を許容し、その逆方向の血液の流通を規制(阻止)している。この第1の逆止弁33a,33bは、後述する送血駆動部4の作動中における血液保留部と貯血部材間の連通を遮断する流路制御部材として機能する。また、送血器具80には、血液流通部35a,35bと連通する血液排出口87が設けられており、この血液排出口87付近には、第2の逆止弁34a,34bが設けられおり、血液流通部35a,35b側(言い換えれば、貯血部材3側)より下流側への血液流通を許容し、その逆方向の血液流通を規制している。この第2の逆止弁34a,34bは、後述する送血駆動部4の非作動時における下流側からの血液の貯血部材側(血液流通部側)への流入を遮断する流路制御部材として機能する。
【0048】
逆止弁33、34は、円盤状の可動弁体の一部をハウジングに固定したものによって形成されている。可動弁体は、血液より比重が若干軽いものが好ましく、ショアA硬度で3〜7程度のものが好適である。このような、弁体としては、例えば、スチレン系エラストマーオイル系ゲル、シリコーンゲルなど好適であり、厚さは、0.5〜5mm程度が好ましい。
なお、上述した血液保留部を有するものに限られず、血液保留部を持たない場合には、体外血液循環回路用送血器具は、体外血液循環回路への接続部と貯血部材間に位置し、体外血液循環回路への接続部側への血液の流通を抑制する第1の逆止弁と、貯血部材への下流側からの血液の流通を抑制する第2の逆止弁を備えることになる。
【0049】
貯血部材3は、図5に示すものと同様に、硬質材料により形成された貯血部材本体部41と、貯血部材本体部41に周縁が固定された可撓性ダイアフラム42を有する。貯血部材本体部41は、内面形状が湾曲面となっており、具体的には略半球状に形成されている。ダイアフラム42は、この貯血部材本体部41の内面形状に対応した形状に形成されている。
【0050】
そして、ダイアフラム42は、変形に対する自己復元力を実質的に持たないものが用いられている。さらに、この実施例に用いられている貯血部材3では、ダイアフラム42を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された補強体が設けられている。そして、ダイアフラム42と補強体をあわせたものの物性は、ダイアフラム42の変形に必要とする圧力は100mmHO以下、破断強度が5kg/cm以上で、ダイアフラム42自身に変形に対する自己復元力もたないことが好ましい。さらに、この実施例に用いられている貯血部材3では、図5に示すように、ダイアフラム42の損傷をより確実に防止するとともに、万が一ダイアフラム42が損傷を受けても送血を確保できるようにするために、ダイアフラム42(第1のダイアフラム42)を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された補強体(第1の補強体と、補強体(第1の補強体)を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部に固定された第2のダイアフラム44と、第2のダイアフラム44を被覆し、かつ周縁が貯血部材本体部41に固定された第2の補強体45を有している。なお、この場合、第1のダイアフラム42と第2のダイアフラム44との間の補強体を省略してもよい。
【0051】
また、ダイアフラムと補強体は、全く接着されていないか、少なくとも周縁部以外では接着されていないものとすることが好ましい。同様に、第1のダイアフラム42と第2のダイアフラム44との間の補強体を省略する場合には、第1のダイアフラム42と第2のダイアフラム44とは、全く接着されていないか、少なくとも周縁部以外では接着されていないものとすることが好ましい。また、補強材はダイアフラムに密着してないことが好ましい。また、ダイアフラムと補強体は、一体となっているものであってもよい。
【0052】
送血用貯血部材3a,3bは、貯血部材3の下方(下端)に位置し、かつ、血液保留部83の血液貯留部29の下端と垂直方向におけるほぼ同じ高さの位置に形成された血液流通口31a,31bを介して血液流通部35a,35bと連通する。血液保留部83は、血液貯留部29とこの血液貯留部29の下端部に設けられた血液流出口26a,26bを備える。貯血部材3は、この血液流出口26a,26bより上方に位置している。そして、送血用貯血部材3a,3bは、血液保留部83の突出部23cとほぼ平行かつほぼ垂直上方に伸びるように形成されている。もし、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より血液保留部83内の血液面が下方であれば、送血用貯血部材3a,3b内には、この血液面に比例した量の血液が流入する。逆に、送血用貯血部材3a,3bは、最大保留量は不変であるので、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より血液保留部83内の血液面が上方であれば、この最大保留量の血液がこの内部に流入する。
【0053】
つまり、この送血用貯血部材3a,3bには、血液保留部83内の貯血量に比例した圧力が負荷されており、圧力感受性容器となっている。血液保留部の貯血量が所定量以上(この例では、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より血液保留部83内の血液面が上方)であれば、貯血量による圧力よりも送血用貯血部材3a,3bの最大保留量が優先され、送血用貯血部材3a,3bは最大保留量の血液を保留する。血液保留部の貯血量が所定量以下(この例では、送血用貯血部材3a,3bの内部空間の最上端より血液保留部83内の血液面が下方)であれば、送血用貯血部材3a,3bの圧力感受性が機能し、血液保留部83内の貯血量(言い換えれば、血液保留部内の血液面高さ)に比例した量の血液を保留する。つまり、この送血用貯血部材3a,3bは、血液保留部の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、血液保留部内の貯血量に比例した量の血液を自動的に保留する機能を備えている。
【0054】
そして、送血用貯血部材3a,3bは、自己的に血液を吸引しないもの、言い換えれば、形状自己復元性を実質的に持たない。実質的に自己復元性を有する場合、送血用貯血部材3a,3bが、予め形成された内部容積を持つような形状に形成されていると、内部に収納した血液が駆動部材により押し出され、駆動部材による負荷が解除されたとき、予め形成されている形状に復元し、その復元力によって生じる吸引力により、血液保留部側から血液を吸引してしまう。このため、貯血部材は、最低血液保有量を持つことになり、この最低血液保有量以下では、上記のような、圧力感受性を発揮しなくなる。
【0055】
送血用貯血部材3a,3bの最大血液保留量(最大収納量、容積)としては、使用する血液保留部の最大貯血量などにより相違するが、20〜500ml程度が好ましく、特に50〜500ml程度が好ましい。より好ましくは、50〜300mlであり、特に、80〜300mlである。
送血用貯血部材3a,3bが保留する血液は、後述する送血用駆動部により押し出され、押し出された血液は血液流通部35a,35b内に流入し、血液排出口87より流出する。このため、本発明の体外血液循環回路用送血器具80では、血液保留部内の貯血量が所定値より少なくなった場合、貯血残量に比例した量の血液が送られることになり、貯血残量が低下すればするほど送血量も自動的に低下し限りなく0には近づくが0になることがなく、ごく微量でも送血を維持する。このため、送血停止が生じないため、体外血液循環回路におけるこの送血器具80より下流側での血液滞留を生じることがない。
【0056】
貯血部材本体部41、ダイアフラム、補強体の形成材料としては、上述したものが好適に使用できる。
ダイアフラムは、十分に柔軟であることが望ましく、柔軟性の指標としては、例えば、コンプライアンスがある。送血用貯血部材3a,3bとしては、血液保留部の貯血部内の血液面が、送血用貯血部材3a,3bの内部の最上部より低いとき、言い換えれば、送血用貯血部材3a,3bの圧力感受性(液面感受性)が機能するときに、コンプライアンスが、2ml/sec・mmHg以上、であることが好ましく、5〜30ml/sec・mmHgであるものが好ましい。さらに、血液保留部の貯血部内の血液面が、送血用貯血部材3a,3bの内部の最上部より高いときには、送血用貯血部材3a,3bは、コンプライアンスが、上記値より低いものとなるものがより好適である。また、送血用貯血部材3a,3bへの血液の流入抵抗は、送血用貯血部材3a,3bへの血液の流入速度により、表すことができ、送血用貯血部材3a,3bとしては、血液流入速度が、20〜600ml/secであることが好ましい。
さらに、送血用貯血部材3a,3bの血液接触面は、抗血栓性表面となっている事が好ましい。抗血栓性表面の形成方法は、上述した方法が好適に利用できる。
【0057】
貯血部材3の外方、言い換えれば、ダイアフラムの外方には、送血用駆動部4が設けられている。送血用駆動部4は、ダイアフラム側を押圧し、ダイアフラムを貯血部材本体部41に密着可能な押圧部を備えている。この実施例では、押圧部には、外部駆動装置により駆動されるシリンダーが取り付けられている。送血用駆動部4の作動により、貯血部材3に貯留された血液は間欠的に排出される。
【0058】
そして、この実施例の体外血液循環回路用送血器具80では、貯血部材3および送血用駆動部4は、2組設けられている。このため、図10に示すように、血液流通部35も2つの血液流通部35a,35bに区分されており、両者は連通してない。このように2組以上設けることにより、個々の貯血部材3、送血用駆動部4の容量は小さくなり、血液流入および排出リスポンスは良好となる。なお、この実施例に限られるものではなく、貯血部材3および送血用駆動部4は、1組、さらには、3組以上でもよい。
【0059】
この体外血液循環回路用送血器具80のように貯血部材3および送血用駆動部4を2組設けることにより、さらに、送血用流体供給器が、送血用駆動部を個々に駆動できる制御機能を備えるものとすれば、送血される血流形態を選択することができ、患者の状態、使用される人工肺などを考慮し、拍動流もしくは定常流を選択することができ、さらには、使用時に血流形態を変更することもできる。
【0060】
さらに、この体外血液循環回路用送血器具80は、図10に示すように、少なくともダイアフラム42を保護し、かつ、ダイアフラム押圧部材51を移動可能かつ離脱不能に収納する保護カバー71備えている。この場合、ダイアフラム押圧部材51は、ダイアフラム押圧部材駆動装置52とは、着脱自在となっている。このようにすることにより、使用時にダイアフラム側とダイアフラム押圧部材間に異物が侵入することを防止でき、ダイアフラムの損傷をより確実に防止できる。なお、ダイアフラム押圧部材51の後端面より外方に延びるシャフト53には、さらに外方に延びるダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56への取付用の突出部54が形成されている。突出部は、シリンダロッド56に取り付けられた後に、シリンダロッド56対する回転を規制するために、断面形状が多角形などの形状に形成されいる。また、ダイアフラム押圧部材51のシャフト53の後端部外面には、螺合部(ねじ山)55が形成されている。ダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56の先端部には、軸方向に延び、ダイアフラム押圧部材51の突出部を収納可能な形状に形成された軸方向に延びる凹部57を有する。そして、ダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56の先端部には、内面にダイアフラム押圧部材51のシャフト53の形成された螺合部(ねじ山)55と螺合可能な螺合部(ねじ溝)58を有する固定用部材が回転可能に取り付けられている。よって、ダイアフラム押圧部材駆動装置52(シリンダ)のロッド56に、ダイアフラム押圧部材51は着脱可能となっている。
なお、保護カバーとしては、図6に示し上述したようなタイプのものであってもよい。
【0061】
次に、本発明の送血用貯血部材付貯血槽および本発明の体外血液循環回路用送血器具の貯血部材の具体例について説明する。
図5に示すような形状の貯血部本体部を用い、これにダイアフラムとして0.2mm厚のポリウレタンシートを装着した。貯血部本体部とダイアフラムは、貯血部本体部の外周のフランジ部のみで接着した。ダイアフラムを変形させるには10mmH2Oの圧力が必要であった。0.65kg/cm2以上の圧力をかけると弾性変形をし、2kg/cm2で破断した。
【0062】
図5に示すような形状の貯血部本体部を用い、これにダイアフラムとして0.7mm厚のポリウレタンシートを、その外側に補強材としてPETの織物を装着した。貯血部材本体部とダイアフラム、補強材は貯血部材本体部の外周のフランジ部のみで接着した。ダイアフラムと補強材は密着していない。ダイアフラムを変形させるには100mmH2Oの圧力が必要であった。加圧による弾性変形はほとんどなく、5.3kg/cm2で破断した。
【0063】
図5に示すような形状の貯血部本体部を用い、これにダイアフラムとして0.2mm厚のポリウレタンシートを、その外側に補強材としてPETの織物を装着した。貯血部材本体部とダイアフラム、補強材は貯血部材本体部の外周のフランジ部のみで接着した。ダイアフラムと補強材は密着していない。ダイアフラムを変形させるには20mmH2Oの圧力が必要であった。加圧による弾性変形はほとんどなく、5.1kg/cm2で破断した。
【0064】
図5に示すような形状の貯血部本体部を用い、ダイアフラムとして0.2mm厚のポリウレタンシートを、その外側に同一材料からなる第2ダイアフラムを装着した。貯血部本体部とダイアフラム、第2のダイアフラムは貯血部材本体部の外周のフランジ部のみで接着した。両方のダイアフラムは互いには密着していない。ダイアフラムを変形させるには20mmHOの圧力が必要であった。0.65kg/cm以上の圧力をかけると弾性変形をし、2.1kg/cmで破断した。
【0065】
図5に示すような形状の貯血部本体部を用い、ダイアフラムとして0.2mm厚のポリウレタンシートを、その外側に補強材としてPETの織物を装着した。さらに外側に同一材料からなる第2ダイアフラムと第2の補強材を装着した。貯血部本体部と両ダイアフラム、両補強材は貯血部本体部の外周のフランジ部のみで接着した。各ダイアフラムと補強材は互いには密着していない。ダイアフラムを変形させるには40mmHOの圧力が必要であった。加圧による弾性変形はほとんどなく、5.3kg/cmで破断した。
【0066】
図5に示すよう形状の貯血部本体部を用い、ダイアフラムとして0.2mm厚のポリウレタンシートを、その外側に補強材としてPETの織物を装着した。さらに外側に0.3mm厚のポリウレタンシートからなる第2ダイアフラムと、(第1の補強材と)同一材料からなる第2の補強材を装着した。貯血部本体部と両ダイアフラム、両補強材は外周のフランジ部のみで接着した。各ダイアフラムと補強材は互いには密着していない。ダイアフラムを変形させるには50mmHOの圧力が必要であった。加圧による弾性変形はほとんどなく、5.3kg/cmで破断した。
【0067】
【発明の効果】
本発明の送血用貯血部材付貯血槽は、貯血槽部と、該貯血槽部の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を備え、前記貯血部材は、前記貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽部内液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定された可撓性ダイアフラムを有し、該ダイアフラムは、変形に対する自己復元力を実質的に持たないものとなっている。
このため、貯血部材は、貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部の貯血量に比例した量の血液を保留する。そして、貯血部材のダイアフラム側を外部より押圧することにより、貯血部材内の血液を間欠的に流出させることができる。よって、貯血部材は、貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部の貯血量に比例した量の血液を保留し、貯血部材のダイアフラム側を外部より押圧することにより、貯血部材内の血液が間欠的に流出するので、貯血槽部内の貯血残量が少なくなればそれに比例した少ない量の送血が行われ、貯血残量が少量となっても微量な送血が維持される。このため貯血残量の低下により送血を中断する必要がなく、体外循環回路中での血液停滞を回避できる。さらに、ダイアフラムは、変形に対する自己復元力を実質的に持たないため、貯血槽部の貯血量に敏感反応し、貯血槽部の貯血量に比例した量の血液の保留がより確実となる。
【0068】
また、本発明の送血用貯血部材付貯血槽は、貯血槽部と、該貯血槽部の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を備え、前記貯血部材は、前記貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽部内液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定された可撓性ダイアフラムと、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有する。
このため、貯血部材は、貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽部の貯血量に比例した量の血液を保留し、貯血部材のダイアフラム側を外部より押圧することにより、貯血部材内の血液が間欠的に流出するので、貯血槽部内の貯血残量が少なくなればそれに比例した少ない量の送血が行われ、貯血残量が少量となっても微量な送血が維持される。このため貯血残量の低下により送血を中断する必要がなく、体外循環回路中での血液停滞を回避できる。さらに、補強体を備えることにより、使用時にダイアフラムが損傷を受けることを防止する。
【0069】
また、本発明の体外血液循環回路用送血器具は、体外血液循環回路に用いられる送血器具であって、該送血器具は、体外血液循環回路への接続部を備え、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を有し、該貯血部材は、前記体外血液循環回路中に設けられる貯血槽内もしくは該送血用貯血部材より上流側の前記送血器具内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽内もしくは前記送血器具内の液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定され、変形に対する自己復元力を実質的に持たない可撓性ダイアフラムと、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有する。
このため、貯血部材は、貯血槽内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、貯血槽の貯血量に比例した量の血液を保留し、貯血部材のダイアフラム側を外部より押圧することにより、貯血部材内の血液が間欠的に流出するので、貯血槽部内の貯血残量が少なくなればそれに比例した少ない量の送血が行われ、貯血残量が少量となっても微量な送血が維持される。このため貯血残量の低下により送血を中断する必要がなく、体外循環回路中での血液停滞を回避できる。さらに、補強体を備えることにより、使用時にダイアフラムが損傷を受けることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の送血用貯血部材付貯血槽の正面図である。
【図2】 図2は、本発明の送血用貯血部材付貯血槽と送血用駆動部を備えた状態の側面図である。
【図3】 図3は、図1におけるA−A線部分にて切断した状態の送血用貯血部材付貯血槽の部分破断側面および送血用駆動部の側面を示す図である。
【図4】 図4は、図2のB−B線部分にて切断したに示した送血用貯血部材付貯血槽の部分破断正面図である。
【図5】 図5は、送血用貯血部材の拡大断面図である。
【図6】 図は、本発明の他の実施例の送血用貯血部材付貯血槽と送血用駆動部を備えた状態の側面図である。
【図7】 図は、本発明の他の実施例の送血用貯血部材付貯血槽の側面図である。
【図8】 図8は、本発明の体外血液循環回路用送血器具の正面図である。
【図9】 図9は、本発明の体外血液循環回路用送血器具の側面図である。
【図10】 図10は、図9におけるC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 送血用貯血部材付貯血槽
2 貯血槽部
3 貯血部材
4 送血用駆動部
4a ダイアフラム側押圧部材

Claims (17)

  1. 貯血槽部と、該貯血槽部の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を備え、前記貯血部材は、前記貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽部内液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定された可撓性ダイアフラムを有し、該ダイアフラムは、該ダイアフラムの変形に対する自己復元力により前記送血用貯血部材内に血液を吸い込まないものであることを特徴とする送血用貯血部材付貯血槽。
  2. 前記貯血部材は、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有する請求項1に記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  3. 前記ダイアフラムは、変形に必要とする圧力が100mmHO以下である請求項1または2に記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  4. 貯血槽部と、該貯血槽部の血液流出口と連通し、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を備え、前記貯血部材は、前記貯血槽部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽部内液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定された可撓性ダイアフラムと、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有することを特徴とする送血用貯血部材付貯血槽。
  5. 前記貯血部材は、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された第2のダイアフラムを有し、前記補強体は、該第2のダイアフラムを被覆しているものである請求項4に記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  6. 前記貯血部材は、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体と、該補強体を被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された第2のダイアフラムと、該第2のダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された第2の補強体を有する請求項1または4に記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  7. 前記送血用貯血部材付貯血槽は、前記貯血槽部と前記貯血部材間に位置し、貯血槽部側への血液の流通を抑制する第1の逆止弁と、前記貯血部材への下流側からの血液の流通を抑制する第2の逆止弁とを備える請求項1ないし6のいずれかに記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  8. 前記送血用貯血部材付貯血槽は、前記貯血部材の少なくともダイアフラム部分を収納し、かつ、使用時に貯血部材内の血液を送血する際に駆動し、前記貯血部材の前記ダイアフラム側を押圧するダイアフラム押圧部材を収納可能である保護カバーを有する請求項1ないし7のいずれかに記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  9. 前記送血用貯血部材付貯血槽は、前記貯血部材内の血液を送血する際に駆動し、前記貯血部材の前記ダイアフラム側を押圧するダイアフラム押圧部材と、前記貯血部材の少なくともダイアフラム部分を収納する保護ケースを有する請求項1ないし8のいずれかに記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  10. 前記貯血部材は、2組以上設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載の送血用貯血部材付貯血槽。
  11. 体外血液循環回路に用いられる送血器具であって、該送血器具は、体外血液循環回路への接続部を備え、外方より押圧されることにより内部の血液を流出可能な送血用貯血部材を有し、該貯血部材は、前記体外血液循環回路中に設けられる貯血槽内もしくは該送血用貯血部材より上流側の前記送血器具内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記貯血槽内もしくは前記送血器具内の液面高さに応じた量の血液を保留するものであり、前記貯血部材は、硬質材料により形成された貯血部材本体部と、該貯血部材本体部に周縁が固定され可撓性ダイアフラムと、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体を有し、前記ダイアフラムは、該ダイアフラムの変形に対する自己復元力により前記送血用貯血部材内に血液を吸い込まないも のであることを特徴とする体外血液循環回路用送血器具。
  12. 前記ダイアフラムは、変形に必要とする圧力が100mmHO以下である請求項11に記載の体外血液循環回路用送血器具。
  13. 前記貯血部材は、前記ダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された補強体と、該補強体を被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された第2のダイアフラムと、該第2のダイアフラムを被覆し、かつ周縁が前記貯血部材本体部に固定された第2の補強体を有する請求項11に記載の体外血液循環回路用送血器具。
  14. 前記体外血液循環回路用送血器具は、前記貯血部材内の血液を送血する際に駆動し、前記貯血部材の前記ダイアフラム側を押圧するダイアフラム押圧部材と、前記貯血部材の少なくともダイアフラム部分を収納する保護ケースを有する請求項11ないし13のいずれかに記載の体外血液循環回路用送血器具。
  15. 前記体外血液循環回路への接続部は、上端に設けられた血液流入ポートと、下方にのびる所定量の血液を保留可能な血液保留部を有し、前記貯血部材は、前記血液保留部内の貯血量が少なくとも所定値以下となったときに、前記血液保留部内の血液面高さに応じた量の血液を保留するものである請求項11ないし14のいずれかに記載の体外血液循環回路用送血器具。
  16. 前記体外血液循環回路用送血器具は、前記体外血液循環回路への接続部と前記貯血部材間に位置し、該体外血液循環回路への接続部側への血液の流通を抑制する第1の逆止弁と、前記貯血部材への下流側からの血液の流通を抑制する第2の逆止弁とを備える請求項11ないし14のいずれかに記載の体外血液循環回路用送血器具。
  17. 前記体外血液循環回路用送血器具は、前記血液保留部と前記貯血部材間に位置し、該血液保留部側への血液の流通を抑制する第1の逆止弁と、前記貯血部材への下流側からの血液の流通を抑制する第2の逆止弁とを備える請求項15に記載の体外血液循環回路用送血器具。
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