JP2000138093A - 電熱防曇ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

電熱防曇ガラスおよびその製造方法

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JP2000138093A
JP2000138093A JP31207098A JP31207098A JP2000138093A JP 2000138093 A JP2000138093 A JP 2000138093A JP 31207098 A JP31207098 A JP 31207098A JP 31207098 A JP31207098 A JP 31207098A JP 2000138093 A JP2000138093 A JP 2000138093A
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glass
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film
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Takaaki Shiyudou
崇聡 首藤
Motoki Takahashi
基樹 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ抵抗値の異なる多品種に対応
可能な電熱防曇ガラスおよびその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 オンライン式CVD法を用いて、ガラス
基板上にアンダーコート13と導電膜17とをこの順に
形成する。そして、導電膜17の一部分をエッチングす
ることによって、導電膜17を2つの略矩形状の領域1
7a、17bに分割し、これらの複数の領域17a、1
7bをバスバー15によって直列接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板表面に
形成した導電膜を通電加熱することによりガラス基板の
曇りや氷着を防止する電熱防曇ガラスおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品などを陳列する冷凍ショーケースや
冷蔵庫(以下、冷蔵ショーケースと称す)などの内側は
低温に保たれており、外気と庫外側ガラス板との間の温
度差によってガラス板の表面が結露するためガラス基板
が曇り、冷蔵ショーケース内が見えにくくなることがあ
る。このため、冷蔵ショーケースのリーチインドアなど
に装着される窓用のガラス基板としては、電熱による防
曇機能を有した電熱防曇ガラスが多く用いられている。
【0003】図8は、従来の電熱防曇ガラスの構成例を
示す平面図であり、図9は、図8の電熱防曇ガラスのA
−A線断面図である。図8および図9に示すように、従
来の電熱防曇ガラス80は、略長方形のガラス基板81
と、銀などからなる導電性ペーストを用いて形成された
線条のバスバー85と、二酸化すずおよびフッ素など
(FドープSnO2)から形成された導電膜87とから
構成される。バスバー85はガラス基板81の長辺側の
端部近傍において長辺方向に左右対称に2本形成され、
さらに導電膜87はバスバー85が形成されたガラス基
板81の表面に形成される。なお、導電膜87は2つの
バスバー85のそれぞれの外形を結んだ包括線によって
形成される形状内に形成されている。
【0004】上述のような構成を備えた従来の電熱防曇
ガラス80によれば、導電膜87に通電してガラス基板
81を加熱することによって常にガラス基板81の温度
を露点以上に保つことができるため、冷却された冷蔵シ
ョーケース内側のガラス基板81に急激に外気が接して
もガラス基板81の表面が曇ることがなく、ガラスの透
明度を確保できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】市場では、低コストで
生産可能な、抵抗値の異なる多品種かつ安価な電熱防曇
ガラスが求められている。従来の電熱防曇ガラスの導電
膜87は、例えば、所定の形状に切断されたガラス基板
に対し1枚ずつオフライン式でスプレー法により形成さ
れており、電熱防曇ガラスの抵抗値を変えるためには、
一般的には導電膜の膜厚を変化させる方法が採用されて
いる。例えば、抵抗値の小さい電熱防曇ガラスを提供す
るためには、導電膜の膜厚を厚くし、また逆に、抵抗値
の大きい電熱防曇ガラスを提供するためには、導電膜の
膜厚を薄くする。このようにスプレー法を用いた場合
は、導電膜を形成する工程において、導電材料の噴き付
け量を調整して膜厚を調整していた。よって、このスプ
レー法によれば、膜厚の調整が容易であるため多品種の
電熱防曇ガラスを生産することができる。
【0006】しかしながら、スプレー法は多数の微少液
滴をガラス基板に吹き付けるため、熱分解が起こること
からガラス基板表面の温度が下がってしまい、膜がガラ
ス基板に完全に密着しないし、また、膜厚が面内で一定
とならず、ばらつきを生じ易いという問題点があった。
また、微少液滴が膜を形成する所望の面と反対の面に付
着してしまうという問題点もあった。
【0007】このスプレー法に代わってガラス基板に膜
を形成する方法には、他に化学蒸着(CVD:Chemical
Vapor Deposition)法がある。このCVD法にも、ガ
ラス製造工程(例えばフロートガラス製造工程)におい
て成形され連続的に移送されているガラスリボンに対し
CVD法を利用して連続的に膜を形成するオンライン式
があり、ガラスリボンから一貫生産によって生産性よく
導電膜付きガラスを生産できる。しかしながら、オンラ
イン式CVD法を用いて導電膜の膜厚を調整するために
は多大な労力および時間または新たな生産ラインを必要
とし、コストが高くなってしまうため、抵抗値の異なる
多品種の電熱防曇ガラスの生産には適しないという問題
点があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その第1の目的は、製品良品率の向上を図る
ことが可能な電熱防曇ガラスおよびその製造方法を提供
することにある。また、本発明の第2の目的は、低コス
トでかつ抵抗値の異なる多品種に対応可能な電熱防曇ガ
ラスおよびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス製造工
程において連続的に移送されているガラスリボンに対し
連続的に膜を形成するオンライン式CVD法によって、
ガラス基板上にアンダーコートと導電膜とがこの順に形
成されてなる導電膜付きガラス基板を用いてなる電熱防
曇ガラスを提供する。
【0010】本発明の電熱防曇ガラスは、ガラス基板上
にアンダーコートおよび導電膜をオンライン式CVD法
によって形成しているため、高温状態で膜が成膜され
る。したがって、膜の耐熱性が高く、膜の透過率が高
く、さらには、成膜後にガラス基板を風冷強化処理して
も反りにくい、などの利点がある。また、アンダーコー
トを有するため、無色(ニュートラル)な膜が得られ
る。さらに、CVD法により成膜されるため、均一な膜
が得られ、結果、抵抗値分布が良好となる。また、CV
D法による成膜のため、スプレー法による成膜で起きて
いた反対面への膜付着という問題も生じない。なお、本
発明においては、アンダーコートや導電膜以外の膜が形
成されてもよい。
【0011】本発明の電熱防曇ガラスは、前記導電膜が
複数の領域に分割され、前記各々の領域が直列接続され
ていることが好ましい。導電膜を複数の領域に分割して
各々の領域を直列接続することにより、電熱防曇ガラス
全体としての抵抗値を簡単に可変するができ、低コスト
で生産可能な抵抗値の異なる多品種の電熱防曇ガラスを
提供することが可能となる。
【0012】また、電熱防曇ガラスは、前記複数の領域
間の隙間幅が1μm以上3mm以下であることが好まし
い。複数の領域間の隙間幅を1μm以上とすることによ
り、膜間の非導通性が確保され、また、生産性の上でも
好ましい。一方、3mm以下とすることにより、防曇機
能のない隙間においても防曇効果が得られ、複数の領域
それぞれの外形を結んだ包括線によって形成される形状
内において曇りを防止することが可能となる。導電膜の
分割法としては、エッチング、レーザパターニングなど
を適宜用いることができる。領域間の隙間幅は、エッチ
ングの場合は0.5mm以上、レーザパターニングの場
合は1μm以上とするのが好ましい。
【0013】また、前記導電膜に電流を供給するバスバ
ーは前記導電膜の上側に形成されていることが好まし
い。バスバーを導電膜の上側に形成すると、バスバーの
角部などにおいて膜破断が生じる恐れがなく、防曇を確
実に機能させることが可能となる。
【0014】また、本発明は、ガラス製造工程において
連続的に移送されているガラスリボンに対し連続的に膜
を形成するオンライン式CVD法によって、ガラス基板
上にアンダーコートと導電膜とをこの順に形成する工程
と、前記導電膜の一部を取り除くことで前記導電膜を複
数の領域に分割する工程と、前記複数の領域を接続する
ようバスバーを前記導電膜上に形成する工程と、を有し
た電熱防曇ガラス製造方法を提供する。本発明において
は、例えば、導電膜の一部をエッチングにより取り除
く。また、複数の領域に分割された導電膜は、例えば、
バスバーにより直列に接続される。
【0015】前記導電膜を複数の領域に分割する工程に
おいては、当該電熱防曇ガラスの周囲部の不要とされる
導電膜を同時にエッチングして取り除くことができる。
導電膜を複数の領域に分割するとき同時に、電熱防曇ガ
ラスの周期部の不要とされる導電膜を同時にエッチング
して取り除くことにより、上記導電膜除去のための工程
が不要となり、従来の工程に比べ工程数を減らすことが
可能となる。なお、周囲部の不要とされる導電膜の除去
法としては、その他、グラインダーによる物理的除去
や、レーザパターニングによる除去なども適宜用い得
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。本実施形態では、冷蔵ショーケー
スのリーチインドアなどに装着されて用いられる電熱防
曇ガラスを示す。図1は、本発明の第1の実施形態に係
る電熱防曇ガラスを示す平面図であり、図2は、図1の
電熱防曇ガラスのB−B線断面図である。11はガラス
基板、13はアンダーコート、17は導電膜、15はバ
スバーである。図1および図2に示すように、本実施形
態の電熱防曇ガラス10は、略長方形のガラス基板11
と、アンダーコート13と、導電膜17と、導電性ペー
ストの線条のバスバー15とを有して構成される。
【0017】アンダーコート13としては、例えば、S
iの酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物、酸炭化物など
が用いられ、具体的にはSiCxyなどが用いられる。
また、例えば10〜100nm(具体的には約50n
m)の膜厚でガラス基板11の一方の表面全体に形成さ
れる。
【0018】導電膜17としては、例えば、SbやFが
ドープされた酸化スズ膜が挙げられる。また、例えば2
0〜300nm(具体的には約120nm)の膜厚でア
ンダーコート13が形成されたガラス基板11の上に形
成される。
【0019】また、バスバー15は例えば銀などからな
り、ガラス基板の相対する辺の端部近傍において各辺に
平行に形成される。本実施形態では、ガラス基板11の
長辺側の端部近傍において長辺方向に形成されている。
【0020】本実施形態では、電熱防曇ガラス10にお
いて導電膜17の一部分をエッチングすることによっ
て、間隙をガラス基板11のバスバーと垂直方向、すな
わち本実施形態では短辺方向(横方向)に形成し、導電
膜17を2つの略矩形状の領域17a、17bに分割す
る。そして、分割された複数の領域17a、17bをバ
スバー15によって直列接続する。こうすることによ
り、電熱防曇ガラス全体の抵抗値を簡単に変えることが
でき、導電膜17の膜厚を変えることなく抵抗値の異な
る電熱防曇ガラスを提供することができる。
【0021】ガラス基板11を縦が約1200mm、横
が約600mmの略長方形であるとした場合、導電膜1
7が形成されている領域が縦約1000mm、横約50
0mmであるとすると、導電膜17を分割しない状態
(図9と同様の状態)でこの領域における抵抗値を約R
(Ω)とする。一方、導電膜17が形成されている領域
を分割し、縦約500mm、横約500mmの2つの領
域としてこれらの領域をバスバー15によって直列に接
続したとき、導電膜の幅(バスバーの方向)が1/2と
なるので、結果として一つの領域における抵抗値は約2
R(Ω)となる。また、2つの領域が直列に接続される
と導電膜の長さ(バスバーと垂直方向)が結果として2
倍になるので、抵抗値も2倍となる。したがって、電熱
防曇ガラス10全体としての抵抗値は約4R(Ω)とな
る。よって、導電膜17を2つの領域に分割して、これ
らの領域を直列に接続すると、分割前の状態と比較して
約4倍の抵抗値となる。
【0022】本発明においては、アンダーコート13お
よび導電膜17のガラス基板11表面への形成は、オン
ライン式CVD法を用いて行われる。CVD法は、一般
に、高温の基板上に反応性のガスを流し、基板表面上に
固体層を析出させる方法である。以下に、図3、図4、
図5および図6を参照して、CVD法を用いた電熱防曇
ガラスの製造方法について説明する。図3は、CVD法
を用いて電熱防曇ガラスを製造するときの工程図であ
る。また、図4は、ガラス基板上にアンダーコートが形
成された状態の断面図であり、図5はアンダーコート上
に導電膜が形成された状態の断面図であり、図6は導電
膜がエッチングされ、また、周囲部の不要とされる導電
膜が除去された状態の断面図である。
【0023】タンク窯に蓄積された高温の溶融ガラス
を、フロートバス中にあるガラスより重くてガラスに濡
れない溶融したすず上に流すと、溶融ガラスはすず上に
浮かび、一定の厚みをもったガラスリボンが成形され
る。次に、ガラスリボンの温度が約600〜750℃の
領域において、即ちフロートバスの出口近傍あるいはフ
ロートバスから出た直後の場所において、400℃未満
に加熱されたモノシラン(SiH4)、エチレン(C2
4)、二酸化炭素(CO2)および窒素(N2)を混合し
た混合ガスをガラスリボンに当てて、ガラスリボンの表
面にケイ素、炭素および酸素からなるSiCxyの透明
なアンダーコートを形成する(図3中の工程1および図
4参照)。さらに、ガラスリボンの温度が好ましくは5
80℃のときに、アンダーコートの上に空気と四塩化す
ず(SnCl4)とを混合した第1ガスと、空気と弗化
水素(HF)とを混合した第2ガスとを、第1ガス、第
2ガスの順に当てて、FドープSiO2の導電膜をアン
ダーコート上に形成する(図3中の工程2および図5参
照)。このようにして製造されたアンダーコート/導電
膜付きガラスリボンは切断され、導電膜付きガラス基板
として供される。
【0024】次に、導電膜を複数の領域に分割するた
め、複数の領域間の隙間部分の導電膜を亜鉛粉末と塩酸
を用いてエッチングする(図3中の工程3および図7参
照)。この隙間は図では誇張して示しているが、生産性
を考慮し、また領域間を確実に非導通とすると共に、隙
間部分による非防曇効果の影響を出さないため、約1〜
2mmとするのが好ましい。なお、導電膜の分割には、
エッチングの他に、レーザパターニングなどを用いるこ
ともできる。また、導電膜をエッチングするとき、同時
に電熱防曇ガラスの周囲部の不要とされる導電膜も同時
にエッチングすることができる。導電膜の周囲部を除去
する場合、レーザパターニングやグラインダーによる除
去なども適用可能である。バスバーは印刷によって形成
される。バスバーの印刷は導電膜の分割を行う工程の前
または後、あるいは、導電膜の周囲部を除去する工程の
前または後、のいずれでも行うことができる。例えば、
エッチングが施された後、それぞれの領域が直列接続さ
れるようバスバーを印刷によって形成する(図3中の工
程4および図2参照)。
【0025】従来の電熱防曇ガラスおける導電膜形成の
ために用いられるスプレー法においては、多数の微少液
滴をガラス基板に吹き付けるため、熱分解が起こってガ
ラス基板表面の温度が下がってしまうという問題点があ
った。しかしながら、オンライン式CVD法によればガ
ラス基板表面の温度を下げることなく高温状態でガラス
基板表面に多層膜を形成することができるため、スプレ
ー法で形成した電熱防曇ガラスに比べて、膜の耐熱性お
よび透過率を向上することができる。また、上述のオン
ライン式CVD法における導電膜形成のための工程後、
ガラス基板などの強化処理のために約600〜700℃
に加熱をした後、急冷しても、ガラス基板が反ることが
ない。また、オンライン式CVD法によれば、ガラス基
板上に2層以上の膜を簡単に形成することができ、かつ
無色で透明度の高い膜を形成できる。さらに、均一な導
電膜を得られるため、抵抗値の分布が良好で防曇効果に
バラツキが生じることもなく、またスプレー法のように
導電膜が所望の面と反対側の面に付着してしまうことが
ない。
【0026】また、従来、図9に示すように、バスバー
が生ずる熱などによりバスバー角部85aにおいて導電
膜に膜破断が起こる恐れがあった。また、銀はすずとの
相性が悪いため、溶融すずに接触していたガラス面にバ
スバーを形成すると発色してしまうという問題点があっ
た。しかしながら、本発明では、図2に示すように、バ
スバーを導電膜の表面に載設したため膜破断が発生ぜ
ず、断線によって防曇機能が働かないという不具合が生
じることがない。また、バスバーが形成される面は溶融
すずに接触する面とは反対のガラス面であるので、発色
の問題も生じない。
【0027】図7は、本発明の第2の実施形態としての
電熱防曇ガラスを示す説明図である。同図において、7
3はアンダーコート、77は導電膜、75はバスバーで
ある。本実施形態においては、第1の実施形態と同様に
エッチングによって間隙をガラス基板の短辺方向(横方
向)に形成することにより、導電膜77を3つの領域に
分割し、分割された各領域をバスバー75によって直列
接続する。
【0028】第1の実施形態と同様に、導電膜77を分
割しない状態(図9と同様の状態)で抵抗値はR(Ω)
であるとする。図7に示すように、導電膜を3つの等し
い領域に3分割し、これらの領域がバスバー75によっ
て直列に接続されているとき、一つの領域における抵抗
値は約3R(Ω)となるので、3つの領域が直列に接続
されると電熱防曇ガラス70全体としての抵抗値は約9
R(Ω)となる。よって、導電膜77を3つの領域に分
割して、これらの領域を直列に接続すると、分割前の状
態と比較して約9倍の抵抗値となる。
【0029】なお、以上の実施形態における電熱防曇ガ
ラス10、70は、冷蔵ショーケースに好適な方形の場
合の例を示したが、これに限らず各種形状に形成しても
良く、航空機や船舶の窓などに用いることもできる。
【0030】このように、上述の実施形態の電熱防曇ガ
ラスによれば、オンライン式CVD法によって形成した
導電膜をエッチングによって複数の領域に分割し、これ
らの領域を直列接続することによって、導電膜の膜厚を
変えることなく、例えば20〜2100Ωの範囲で抵抗
値の異なる多品種(例えば、約1000種)の電熱防曇
ガラスを低コストで提供することができる。特に、オン
ライン式CVD法で得られる導電膜付きガラス基板とし
て、抵抗値が20〜300Ω/□のものが得られると、
前述の多品種対応がより容易になり、好ましい。具体的
には、20Ω/□、30Ω/□、50Ω/□、70Ω/
□、170Ω/□、250Ω/□の6種程度でも充分で
ある。
【0031】また、特にオンライン式CVD法を用いる
ことによってガラス基板表面の温度を下げることなく高
温状態でガラス基板表面に多層の膜を形成することがで
きるため、スプレー法で形成した電熱防曇ガラスに比べ
て膜の耐熱性および透過率を高くすることができる。ま
た、導電膜形成のための工程後、ガラス基板などの強化
処理のために高熱をかけて急冷しても、ガラス基板が反
ることがない。また、ガラス基板上に2層以上の膜を簡
単に形成することができ、かつ無色の膜を形成できる。
さらに、均一な導電膜が得られるため、抵抗値の分布が
良く、スプレー法のように導電膜が所望の面と反対の面
に形成されることがない。すなわち、オンライン式CV
D法を用いることにより、低コストで高品質の電熱防曇
ガラスを形成でき、かつ導電膜の分割によって多品種に
も容易に対応可能となる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、オン
ライン式CVD法を用いて導電膜をガラス基板上に形成
することにより、電熱防曇ガラスの製品良品率の向上を
図ることが可能となる。また、導電膜を複数の領域に分
割してそれぞれの領域を直列に接続することにより、低
コストでかつ抵抗値の異なる多品種に対応可能となると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電熱防曇ガラス
を示す平面図である。
【図2】図1の電熱防曇ガラスのB−B線断面図であ
る。
【図3】CVD法を用いて電熱防曇ガラスを製造すると
きの工程図である。
【図4】ガラス基板上にアンダーコートが形成された状
態の断面図である。
【図5】アンダーコート上に導電膜が形成された状態の
断面図である。
【図6】導電膜がエッチングされた状態の断面図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る電熱防曇ガラス
を示す平面図である。
【図8】従来の電熱防曇ガラスを示す平面図である。
【図9】図8の電熱防曇ガラスのA−A線断面図であ
る。
【符号の説明】
10、70 電熱防曇ガラス 11 ガラス基板 13、73 アンダーコート 15、75 バスバー 17、77 導電膜 17a、17b 分割された領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA03 AA16 AA33 AA35 BB05 BB14 BC12 CA03 CA14 CA22 CA32 JA01 JA10 4G059 AA01 AB01 AB07 AB09 AB11 AB14 AC13 AC21 EA01 EA02 EA11 EB01 GA01 GA04 GA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス製造工程において連続的に移送さ
    れているガラスリボンに対し連続的に膜を形成するオン
    ライン式CVD法によって、ガラス基板上にアンダーコ
    ートと導電膜とがこの順に形成されてなる導電膜付きガ
    ラス基板を用いてなる電熱防曇ガラス。
  2. 【請求項2】 前記導電膜が複数の領域に分割され、前
    記各々の領域が直列接続されていることを特徴とする請
    求項1記載の電熱防曇ガラス。
  3. 【請求項3】 前記複数の領域間の隙間幅が1μm以上
    3mm以下であることを特徴とする請求項2記載の電熱
    防曇ガラス。
  4. 【請求項4】 前記導電膜に電流を供給するバスバーが
    前記導電膜の上側に形成されたことを特徴とする請求項
    1記載の電熱防曇ガラス。
  5. 【請求項5】 ガラス製造工程において連続的に移送さ
    れているガラスリボンに対し連続的に膜を形成するオン
    ライン式CVD法によって、ガラス基板上にアンダーコ
    ートと導電膜とをこの順に形成する工程と、 前記導電膜の一部を取り除くことで前記導電膜を複数の
    領域に分割する工程と、 前記複数の領域を接続するようバスバーを前記導電膜上
    に形成する工程と、を有したことを特徴とする電熱防曇
    ガラス製造方法。
  6. 【請求項6】 前記導電膜を複数の領域に分割する工程
    において、 当該電熱防曇ガラスの周囲部の不要とされる導電膜を同
    時にエッチングして取り除くことを特徴とする請求項5
    記載の電熱防曇ガラス製造方法。
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