JP2000138052A - 電極の集電構造 - Google Patents
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Abstract
またはキャパシタの重量および製造コストを大きくする
ことなく容易に電極とその電極端子を接続する。 【解決手段】 集電体の側端部に活物質層の未形成部が
帯状に形設された極板を用意し、その未形成部に略鉤状
の切り込みを入れて略短冊状のリード部を長手方向に複
数形成する。次いで、その未形成部を巻回軸方向に突出
させて、それぞれのリード部をその先端を所定の方向に
向けて順次並列させて巻回し、リード部をそれぞれの一
部で互いに重ね合わせて電極端子に接続する。この電極
の集電構造では、未形成部の突出幅を大きくせずとも長
いリードを形成することができる。
Description
シタの電極から集電する電極の集電構造に関する。
自動車の開発などが進み、それらのバッテリーとして、
エネルギー密度の高い電池およびキャパシタが求められ
るようになってきている。そのような要求に対して、電
池およびキャパシタの極板の層の多層化が進められ、例
えば、帯状の正極板および負極板が巻回されてなる電極
巻回体を備えた電池またはキャパシタが多く用いられる
ようになっている。
の電解質として電解液が使用されるため、電極巻回体は
通常電槽に収納されて電池またはキャパシタを構成して
いる。このような電極巻回体を備える電池またはキャパ
シタにおいては、従来より、極板の各巻回層に短冊状の
リード(タブとも呼ばれる)を取り付け、このリードを
通じて極板の各層から集電がなされている。このように
各層にリードを設けて集電することにより、優れた集電
効率を得ることができる。
備えるものでは、各巻回層に取り付けるリードの数が多
くなるため、その各巻回層にそれぞれリードをそれぞれ
取り付けるのに非常に手間がかかる。その結果、電池ま
たはキャパシタの製造コストが大きくなる問題がある。
一方、方形状の正極板および負極板が交互に積層されて
なる略直方体形状の電極体(積層電極体)を備える電池
またはキャパシタにおいては、次のように製造されるこ
とが多い。先ず、その一側面から各正極板および各負極
板に設けられたリードを同極のものどうしで束ね合わせ
た積層電極体を形成する。次いで、一面(上面)に開口
をもつ略直方体形状の電槽を用意し、積層電極体のリー
ドをその電槽の蓋部に設けられている電極端子に接続し
た後、その電槽の開口からリードを挿入方向とは反対方
向に向けて積層電極体を挿入して電池またはキャパシタ
を完成する。
極の電極端子が同じ側面にあるため、電流を取り出しや
すいことや、その製造において、電解液を注入しやすい
こと、電解液と電極端子を隔離しやすいことなどの長所
がある。そこで、巻回電極体を備えた電池またはキャパ
シタにおいても、電解液の注入による衝撃に強いものと
するため、巻回電極体をその巻回軸方向が横向きになる
ようにして電槽に挿入することと、両極の電極端子を同
じ面に配置することとが検討されている。
リードが巻回軸方向の端面にしか設けることができない
ため、このように巻回軸方向とは異なった方向にある電
極端子にリードを接続するには、リードを長いものとす
るか、または別の導通部材を用いてリードと電極端子を
接続する必要がある。ところで、電池およびキャパシタ
の極板には、シート状の集電体の表面上に活物質を含む
活物質層が形成されてなるものが多く用いられている。
その活物質層の形成方法については、粉末状の活物質お
よび適当な結着剤が含まれる合剤をシート状の集電体の
表面上に塗布する方法が一般的となっている。
側端部に活物質層の未形成部を設けるとともに、その極
板を巻回する際に巻回軸方向からその未形成部を突出さ
せることにより、その突出させた未形成部をリードとし
て用いる集電構造が検討されている。その集電構造とし
て、例えば次の3種類の集電構造が提案されている。一
つ目は、特開平9−55213号公報で開示されている
ように、突出させた未形成部を軸芯に寄せ集めたもので
ある(従来例1)。しかし、この電極の集電構造では、
未形成部において、その巻回軸方向へ突出させる方向の
幅(突出幅)を中心軸に寄せ集められる長さにする必要
がある。電極巻回体の巻回数が大きい場合、未形成部
(特に、遠心方向に位置する未形成部)には、非常に突
出幅の大きなものが必要となる。その結果、未形成部の
面積が大きくなってしまい、電池の重量が大きくなる要
因となる。
に電気的に接続されるため、導電体からなる軸芯を用い
なけらばならないとともに、電極端子が巻回軸方向とは
異なった方向の場所にある場合、その軸芯と電極端子と
を電気的に接続する手段を別に講じる必要がある。その
ため、軸芯に金属などの比較的重量のある材料を用いな
ければならないとともに、部品点数が多大なものとなっ
て、電池またはキャパシタの重量が大きくなってしまう
とともに、その構造が複雑になって製造コストが大きく
なってしまうことがある。
開示されているように、未形成部の一部を切除して、集
電体の側端方向に延びる短冊状のリードが集電体の長手
方向に所定の間隔で配設されるように設け、そのリード
を束ねて電極端子に接続するものである(従来例2)。
しかし、この電極の集電構造では、電極端子が巻回軸方
向とは異なった場所にある場合、リードが短いものであ
ると、そのリードと電極端子とを電気的に接続する手段
を別に講じる必要が生じる。その結果、従来例1で述べ
た理由と同様の理由により、電池の重量が大きくなって
しまうとともに、製造コストが大きくなってしまうこと
がある。そこで、リードを長いものとして、そのリード
と電極端子とを接続しようとすると次の問題が生じてく
る。
部の突出幅を大きくする必要がある。そのため、極板を
形成するときに、面積の大きな集電体を用意する必要が
あり、極板の形成コストが大きくなってしまうことがあ
る。また、このような未形成部からリードを形成する場
合、未形成部から切除される部分が多くなってしまう。
このような未形成部から切除された部分を始末するにも
多大なコストがかかってしまう。従って、電極端子が電
極積層体から離れた場所にある場合、製品の製造コスト
が大きなものとなってしまうことがある。
報で開示されているように、極板が巻回されて巻回軸方
向に突出した未形成部の先端に、略板状の集電板を突き
合わせて互いに接合したものである。この電極の集電構
造では、未形成部と集電板との接合が難しいばかりでな
く、その集電板を電極端子に電気的に接続する手段を別
に講じる必要がある。その結果、従来例1で述べた理由
と同様の理由により、電池の重量が大きくなってしまう
とともに、製造コストが大きくなってしまうことがあ
る。
みてなされたものであり、優れた集電効率を容易に得る
ことができるとともに、電極端子がどのような場所にあ
っても、電池またはキャパシタの重量および製造コスト
を大きくすることなく容易に電極とその電極端子を接続
することのできる電極の集電構造を提供することを課題
とする。
明の請求項1に記載の電極の集電構造は、それぞれシー
ト状の正極板および負極板が重ね合わせられて巻回され
ることにより形成された巻回電極体を備える電池またキ
ャパシタの電極の集電構造において、前記正極板および
前記負極板の少なくとも一方は、シート状の集電体の表
面上に活物質を含む活物質層が形成され、かつその側端
部に該活物質層の未形成部が帯状に形設されているとと
もに、該未形成部には、略鉤状に切り込まれて形成され
た該未形成部の長手方向に延びる略短冊状の複数のリー
ド部が、前記正極板および前記負極板の巻回時に該リー
ド部どうしをその一部で互いに重ね合わせることが可能
となる間隔で配設されているリード配設極板であって、
該リード配設極板が巻回されるときに、該未形成部が一
方の巻回軸方向に突出されるとともに、それぞれの該リ
ード部がその先端を所定の方向に向けて順次並列され、
その巻回後に該リード部がそれぞれの一部で互いに重ね
合わせられて電極端子に接続されてなることを特徴とす
る。
載の電極の集電構造は、請求項1に記載の電極の集電構
造において、前記正極板および前記負極板がともに前記
リード配設極板であって、該正極板および該負極板が巻
回されるときに、該正極板および該負極板の該未形成部
がそれぞれ異なる巻回軸方向に突出されるとともに、そ
れぞれの該リード部がその先端を巻回軸方向と直交する
同一方向に向けて順次並列され、かつ該巻回電極体が一
面に開口をもつ略直方体形状の電槽に該リード部が側壁
面に対向するように挿入されていることを特徴とする。
造)本発明の電極の集電構造では、巻回電極体の各巻回
層にそれぞれ容易にリード部を形成することができる。
そのため、優れた集電効率を容易に得ることができる。
成部に略鉤状の切り込みを入れるときに、その集電体の
長手方向に延びる切れ込みの長さを大きくすることによ
り、未形成部の突出幅を大きくしなくても、長いリード
を形成することができる。長いリード部は、電極端子が
電極積層体から離れた場所にあっても、その電極端子に
容易に接続することができる。また、極板を巻回すると
きに、リード部を適切な箇所で折り曲げながら順次並列
させたり、あるいは巻回後にまとめて折り曲げることに
より、その先端を任意の方向に向けることができる。そ
のため、電極端子が電極積層体から見てどのような方向
の場所に設けられても、容易にその電極端子に接続する
ことができる。
造では、優れた集電効率を容易に得ることができるとと
もに、電極端子がどのような場所にあっても、電池また
はキャパシタの重量および製造コストを大きくすること
なく容易に電極とその電極端子を接続することができ
る。従って、本発明の電極の集電構造によれば、出力密
度、エネルギー密度などの特性に優れた電池またはキャ
パシタを安価に得ることができるようになる。
て、以下に説明する。なお、以下の説明では、特に断ら
ない限り、未形成部とは、活物質層の未形成部のことを
意味する。本発明の電極の集電構造を設けることのでき
る電池またはキャパシタの種類は特に限定されるもので
はなく、リチウム二次電池や、ニッケル−水素電池、電
気2重層キャパシタなど、公知のいずれの種類の電池ま
たはキャパシタにも用いることができる。
ものではなく、任意の形状とすることができる。例え
ば、その断面形状が円またはそれに近い形状をなすもの
であってもよいし、楕円またはそれに近い形状をなすも
のであってもよい。正極板および負極板の巻回方法も特
に限定されるものではなく、公知の巻回方法により巻回
することができる。適当な軸芯を用いれば容易に正極板
および負極板を巻回することができる。
ータを挟んで巻回することが好ましい。セパレータに
は、電池またはキャパシタの種類に応じて公知のものを
適切に選択して用いることが好ましい。正極板および負
極板の構成形態は、シート状の集電体の表面上に活物質
を含む活物質層が形成され、かつその側端部に該活物質
層の未形成部が帯状に形設されているとともに、該未形
成部には、略鉤状に切り込まれて形成された該未形成部
の長手方向に延びる略短冊状の複数のリード部が、前記
正極板および前記負極板の巻回時に該リード部どうしを
その一部で互いに重ね合わせることが可能となる間隔で
配設されている他は、特に限定されるものではなく、公
知の構成形態とすることができる。
層)の材質についてはいずれも特に限定されるものでは
なく、電池またはキャパシタの種類に応じてそれぞれ公
知の材質とすることができる。集電体のサイズについて
は、活物質層を所定の面積で形成できるとともに、未形
成部を所定の幅で形設できるようにその縦長さ(未形成
部の長手方向の長さ)および横幅を適切に選択し、必要
な強度および集電性能が得られるようにその板厚を適切
に選択する。活物質層の面積および層の厚さについて
は、必要な電極性能が得られるように適切に選択する。
未形成部の横幅(突出幅)については、リード部を所定
の幅で形成できるように適切に選択する。
く、図4に示すように、長方形の面形状(a)の他に、
平行四辺形の面形状(b)を挙げることもできる。ま
た、(c)に示すように、略鉤状の曲部を曲線状として
もよい。それぞれ未形成部に、図4に示したような略鉤
状の切り込みを入れることにより、リード部の面形状を
形づくることができる。なお、以下ではリード部の面形
状を長方形とすることを前提として説明することにす
る。
び横幅で特に限定されるものではない。各リード部の縦
長さおよび横幅は、用途に応じて適切に選択する。な
お、各リード部は、それぞれの縦長さおよび横幅が互い
に同一でなくてもその一部で互いに重ね合わせることが
できるため、同一の縦長さおよび横幅をもつ必要はな
い。しかし、複数の鉤状の切り込みをそれぞれ異なる寸
法で入れるよりも一定の寸法で入れる方が製造上容易で
あることや、最終的に重ね合わせられたリード部全体に
おいて、その実質的な電流路の断面積がどの部分でも大
きく一定であるほどリード部の通電効率が高くなること
などから、各リード部は、それぞれの同一の縦長さおよ
び横幅をもつことが好ましい。
に、各リード部を互いにその一部で重ね合わせることが
可能となるように並列させる必要がある。そのため、巻
回形態およびリード部の縦長さに応じて各リード部どう
しの間隔の大きさを適切に選択する必要がある。その間
隔の取り方については、例えば、次の2通りの方法が考
えられる。
略鉤状の未形成部の幅方向に延びる切れ込み部を、各リ
ード部を重ね合わせたときにそれらの基端(リード部の
付け根方向の端部)が所定の位置に配置されるような間
隔で入れる方法である。この方法では、巻回形態によっ
ては、各リード部が重ね合わせられたときに、それぞれ
の先端が不揃いになることがある。そのときには、不揃
いのまま各リード部をその一部で重ね合わせてもよい
し、各先端部を適当な長さに切り揃えて重ね合わせても
よい。前者では、少なくとも一本のリードを長くすれ
ば、電極端子が巻回電極体から離れた場所に設けられる
場合に容易に届かせることができる点で有利である。一
方、後者では、前述したように、リード部の通電効率が
高くなる点で有利である。
れ込みを入れるときに、各リード部の間隔となる不必要
な未形成部の部分を切除する方法である。このとき、略
鉤状の未形成部の幅方向に延びる切れ込み部を、各リー
ド部を重ね合わせたときにそれらの先端が揃うような間
隔で入れてもよい。なお、いずれの方法においても、未
形成部から切除された部分の総量(総面積)は、従来例
2と比べても極めて少ないものである。
はないが、巻回電極体の各巻回層にそれぞれリード部が
形成されるように、巻回層の数、すなわち巻回数に応じ
て選択することが好ましい。未形成部に略鉤状の切り込
みを入れる手段は特に限定されるものではなく、公知の
手段を用いて切り込みを入れることができる。ただし、
切り口が大きく塑性変形しない方法を適切に選択するこ
とが好ましい。例えば、ロールスリットや打ち抜き手段
により切り込みを入れることができる。また、各リード
部の間隔となる不必要な未形成部の部分を切除する手段
にも、略鉤状の切り込みと同じ手段を用いることができ
る。
に、その集電体の未形成部となる部分に略鉤状の切り込
みを入れてもよいし、集電体に活物質層が形成された後
に、未形成部に略鉤状の切り込みを入れてもよい。さら
に、未形成部に略鉤状の切り込みを入れる際、その切り
込みの一部を容易に切断できる長さに残すことで繋止部
を形成し、巻回される直前にその繋止部を切断してリー
ド部を形成してもよい。例えば、図8(a)に示すよう
な繋止部を形成したり、あるいは図8(b)に示すよう
にミシン目状に切り込んで繋止部を形成し、巻回される
直前にその繋止部を破ってリード部を形成してもよい。
このように繋止部を形成することにより、リード配設極
板の取り扱いを容易にすることができる。このことは、
巻回電極体の形成において、リード配設極板の形成工程
とその巻回工程とが同じ場所で連続して行われないよう
な場合に特に有効である。
して集電体の面積を少なくすることにより、集電体の使
用量および巻回電極体の巻回軸方向の寸法をそれぞれ減
らすことができる。その結果、巻回電極体の小型化およ
び軽量化を図ることができるとともに、その形成コスト
を低減することができる。従って、未形成部の横幅は、
リード部の横幅にできる限り近づけることが好ましい。
とを一致させるか、またはほぼ一致させようとすると、
活物質層と未形成部との境界またはその近傍に切り込み
が入れられることになる。この場合、略鉤状の切り込み
を入れる手段によっては、活物質層に何ら影響を与えず
に切り込みを入れることが難しいものがある。このよう
なときには、活物質層と未形成部との境界から適切な間
隔をとって略鉤状の切り込みが入れられるように、リー
ド部の横幅よりその間隔だけ大きな横幅をもつ未形成部
を形成する。
端が向けられる方向については、その極板の電極端子が
設けられる方向に向けられることが好ましい。例えば、
電極端子が、巻回電極体の巻回軸方向とは直交する方向
に設けられる場合には、図1に示したように、リード配
設極板を巻回するときに、リード部の先端を巻回軸方向
とは直交する方向に向けて各リード部を順次並列させ
る。
び図2に示したように、そのリード部の先端が巻回電極
体の側面から突出するように選択する。このようにリー
ド部の縦長さを選択することにより、巻回軸方向とは直
交する方向(リード部の突出方向)に電極端子が設けら
れている場合に、リード部を重ね合わせた後にその電極
端子に容易に接続することができる。
回されるようにリード配設極板を巻回している様子を示
したが、リード部の先端側から巻回されるように巻回し
てもよい。ただし、前者の巻回方法の方が、容易にリー
ド部を損傷せずにリード配設極板を巻回することができ
る。一方、電極端子が、巻回電極体から見て巻回軸方向
に設けられる場合には、図11に示すようにリード部の
先端が切り込み部の幅方向に向くように、リード部を適
当な箇所で直角に折り曲げながら順次重ねていく。その
結果、各リード部がその先端を巻回軸方向に向けて並列
する。
重ね合わせる方法については、特に限定されるものでは
ない。クリップなど両側から押し付ける手段によって重
ね合わせてもよいし、溶接法などによって互いに接合し
てもよい。なお、各リード部の重ね合わせられる一部の
面積は特に限定されるものではない。また、図6および
図10に例を示すように、各リード部の付け根部分を折
り曲げ、巻回電極体の上面または下面に対してリード部
どうしを折り畳んでもよい。この場合には、各リード部
の付け根部分が平行に配置されるようにリード配設極板
を巻回することが好ましい。このように並列させた各リ
ードを折り畳むことにより、巻回電極体の巻回軸方向の
幅を小さくすることができるため、巻回電極体の小型化
を図ることができる。また、巻回電極体の取り扱いも容
易になる。
電極端子に接続する方法についても特に限定されるもの
ではなく、適当な手段によって押し付けてもよいし、溶
接法などによって接合してもよい。なお、正極板および
負極板の双方とも上記構成の集電構造を設けることが好
ましいが、一方の極板のみが上記構成をとる場合、その
他方の電極には公知の集電構造を設けることができる。
構成の集電構造を設ける場合、それぞれのリード部が異
なる巻回軸方向に形成されるように双方の極板を巻回し
てもよいし、実施例6aおよび実施例6bで詳述するよ
うに、それぞれのリード部が同じ巻回軸方向に形成され
るように双方の極板を巻回してもよい。 (請求項2に記載の電極の集電構造)本発明の電極の集
電構造では、正極板および負極板のそれぞれのリード部
が、その先端を電槽の開口方向に向けて配置される。そ
のため、電槽の開口を塞ぐ蓋部に電極端子が設けられる
場合、リード部をその電極端子に容易に接続することが
できる。このとき、リード部の先端が巻回電極体の側面
から突出するように、リード配設極板の形成時にリード
部の縦長さを選択すれば、さらにリード部をその電極端
子に容易に接続することができる。
請求項1に記載の電極の集電構造に対して、特に巻回電
極体が、一面(上面)に開口をもつ直方体形状の電槽に
挿入された場合に、優れた集電効率を容易に得ることが
できるとともに、電極端子が電槽の開口を塞ぐ蓋部に設
けられていても、電池またはキャパシタの重量および製
造コストを大きくすることなく容易に電極とその電極端
子を接続することができる。
ば、巻回電極体がその巻回軸方向が横向きになるように
して電槽に挿入され、かつ両極の電極端子が同じ面に配
置されている電池またはキャパシタにおいて、出力密
度、エネルギー密度などの特性を優れたものを容易に安
価に得ることができるようになる。
る。 (実施例1a)本実施例では、それぞれシート状の正極
板および負極板が重ね合わせられて円柱状の軸芯に巻回
されることにより形成された巻回電極体を備える電池に
おいて、本発明の電極の集電構造をもつ電池を以下のよ
うにして作製した。
状の集電体の表面上に活物質を含む活物質層が形成さ
れ、かつその側端部に活物質層の未形成部が帯状に形設
されている極板をそれぞれ次のようにして形成した。金
属箔よりなる薄いシート状の集電体を用意するととも
に、粉末状の活物質と導電材と結着剤とを混練してペー
スト状の合剤を調製した。この合剤を、合剤の未塗布部
が集電体の側端部に帯状に形設されるようにして所定の
厚さで一様に集電体の両面に塗布した。塗布した合剤を
よく乾燥させて活物質層を形成した。また、必要に応じ
て、活物質層にプレス処理を施すなどしてその密度を調
節した。こうして、未形成部が集電体の側端部に帯状に
形設された極板を形成した。
したように、ロールスリットにより未形成部に鉤状の切
り込みを入れて、未形成部の長手方向に延びる略短冊状
のリード部を所定の縦長さでそれぞれ所定数形成した。
なお、各リード部の間隔は、正極板および負極板の巻回
時にリード部どうしをその一部で互いに重ね合わせるこ
とが可能となる間隔で設けた。
成された正極板および負極板を用い、それらの間に所定
のセパレータを挟みながら円柱状の軸芯(心棒)を用い
て巻回した。このとき、正極板の未形成部を一方の巻回
軸方向に突出させるとともに、負極板の未形成部を他方
の巻回軸方向に突出させ、両極のそれぞれのリード部
を、その先端を巻回軸方向と直交する一方向に向けて順
次並列させながら巻回した。このとき、図2に示したよ
うに、リード部を並列させたときに、それらの先端部が
重ね合わせられるようにしてもよい。
れぞれのリード部の先端部を切り揃え、それらの一部で
互いに重ね合わせ、両極のリード部を電槽の蓋部に設け
られている正極端子および負極端子にそれぞれ溶接によ
って接続した。こうして得られた巻回電極体と電槽の蓋
部との組み付け体を、上面に開口をもつ略直方体形状の
電槽に両極のリード部が電槽の側壁面に対向するように
挿入するとともに、電槽内に所定の電解液を注入して電
槽を密閉し、電池を完成した。 (実施例1b)本実施例では、正極板、負極板、セパレ
ータおよび電解液がそれぞれキャパシタ用のものである
他は、実施例1aと同じ構造の電極の集電構造を有する
キャパシタを作製した。 (実施例2a)本実施例では、略鉤状の未形成部の幅方
向に延びる切れ込み部を、各リード部を重ね合わせたと
きにそれらの先端が揃うような間隔で入れた他は、実施
例1aと同様にして正極板および負極板を形成した。続
いて、図3で示したように、各リード部の間隔となる不
必要な未形成部の部分を打ち抜いて切除した。
負極板を用い、実施例1aと同様にして、正極板の未形
成部を一方の巻回軸方向に突出させるとともに、負極板
の未形成部を他方の巻回軸方向に突出させ、かつ両極の
それぞれのリード部を、その先端を巻回軸方向と直交す
る一方向に向けて順次並列させながら巻回した。正極板
および負極板の巻回後に、各リード部をその一部で互い
に重ね合わせ、両極のリード部を電槽の蓋部に設けられ
ている正極端子および負極端子にそれらの先端部をそれ
ぞれ溶接によって接続した。
との組み付け体を用いて、実施例1aと同様にして電池
を完成した。 (実施例2b)本実施例では、正極板、負極板、セパレ
ータおよび電解液がそれぞれキャパシタ用のものである
他は、実施例2aと同じ構造の電極の集電構造を有する
キャパシタを作製した。 (実施例3a)本実施例では、それぞれシート状の正極
板および負極板が重ね合わせられて、その断面形状が楕
円に近い形状(小判状)に巻回されることにより形成さ
れた巻回電極体を備える電池において、本発明の電極の
集電構造をもつ電池を、次のようにして作製した。
び負極板をそれぞれ形成した。ただし、各極板のリード
部の縦長さおよびその間隔の寸法については、実施例1
aと異なる値で適切に選択した。こうして形成された正
極板および負極板を用い、それらの間に所定のセパレー
タを挟みながら方形状の軸芯(角板)を用いて巻回し
た。このとき、図5に示すように、両極のそれぞれのリ
ード部を、巻回軸方向と直交し、かつその断面形状(楕
円形状)の一方の長軸方向にその先端を向けて順次並列
させた。
したように両極のそれぞれのリード部の先端部を切り揃
え、それらの先端部で互いに重ね合わせて、電槽の蓋部
に設けらた正極端子および負極端子にそれぞれ溶接によ
って接続した。こうして得られた巻回電極体と電槽の蓋
部との組み付け体を用い、実施例1aと同様にして電池
を完成した。 (実施例3b)本実施例では、正極板、負極板、セパレ
ータおよび電解液がそれぞれキャパシタ用のものである
他は、実施例3aと同じ構造の電極の集電構造を有する
キャパシタを作製した。 (実施例4a)本実施例では、実施例2aと同様にして
正極板および負極板を巻回し、両極のそれぞれのリード
部の先端部を切り揃えた後に、図6で示したように両極
の各リード部をそれぞれ巻回電極体の上面および下面に
対して折り畳んだ。
示すように、その先端部を直角に折り曲げてから、電槽
の蓋部に設けらた正極端子および負極端子にそれぞれ溶
接によって接続した。こうして得られた巻回電極体と電
槽の蓋部との組み付け体を、図7で示したように、上面
に開口をもつ略直方体形状の電槽に両極のリード部が電
槽の側壁面に対向するように挿入するとともに、電槽内
に所定の電解液を注入して電槽を密閉し、電池を完成し
た。 (実施例4b)本実施例では、正極板、負極板、セパレ
ータおよび電解液がそれぞれキャパシタ用のものである
他は、実施例4aと同じ構造の電極の集電構造を有する
キャパシタを作製した。 (実施例5a)本実施例では、それぞれシート状の正極
板および負極板が重ね合わせられて図9に示すような断
面形状において直線部を有する略円柱状の軸芯に巻回さ
れることにより形成された巻回電極体を備える電池にお
いて、本発明の電極の集電構造をもつ電池を次のように
して作製した。
び負極板をそれぞれ形成した。ただし、各極板のリード
部の縦長さおよびその間隔の寸法については、実施例1
aと異なる値で適切に選択した。こうして形成された正
極板および負極板を用い、それらの間に所定のセパレー
タを挟みながら方形状の軸芯(角板)を用いて巻回し
た。このとき、両極のそれぞれのリード部を、巻回軸方
向と直交し、かつその断面形状の直線部の延長方向にそ
の先端を向けて順次並列させた。
れぞれのリード部の先端部を切り揃え、それらの先端部
で互いに重ね合わせて、電槽の蓋部に設けらた正極端子
および負極端子にそれぞれ溶接によって接続した。 (実施例5b)本実施例では、正極板、負極板、セパレ
ータおよび電解液がそれぞれキャパシタ用のものである
他は、実施例5aと同じ構造の電極の集電構造を有する
キャパシタを作製した。 (実施例6a)本実施例では、実施例1と同様にしてそ
れぞれ形成した正極板および負極板を形成した。ただ
し、各極板のリード部の縦長さおよびその間隔の寸法に
ついては、実施例1aと異なる値で適切に選択した。
示したように、それぞれの極板のリード部が重ならない
ようにセパレータを間に挟んで重ね合わせ、そのリード
部の巻回される部分の方から順次未形成部の幅方向に直
角に折り曲げながら巻回した。こうして両極のそれぞれ
のリード部を、巻回軸方向にその先端を向けて順次並列
させた。
れぞれのリード部の先端部を切り揃え、それらの先端部
で互いに重ね合わて、電槽の蓋部に設けらた正極端子お
よび負極端子にそれぞれ溶接によって接続した。 (実施例6b)本実施例では、正極板、負極板、セパレ
ータおよび電解液がそれぞれキャパシタ用のものである
他は、実施例6aと同じ構造の電極の集電構造を有する
キャパシタを作製した。 (実施例7a)本実施例では、リード部の間隔の寸法を
実施例6aと異なる値で適切に選択して、実施例1と同
様にして正極板および負極板を形成した。
示すようにように、それぞれの極板のリード部が重なら
ないようにセパレータを挟んで重ね合わせ、そのリード
部の巻回される部分の方から順次未形成部の幅方向に直
角に折り曲げながら巻回した。このとき、両極のそれぞ
れのリード部を、2方向側からその先端を巻回軸方向に
向けて順次並列させた。
れぞれのリード部の先端部を切り揃え、それらの先端部
で互いに重ね合わせて、電槽の蓋部に設けらた正極端子
および負極端子にそれぞれ溶接によって接続した。 (実施例7b)本実施例では、正極板、負極板、セパレ
ータおよび電解液がそれぞれキャパシタ用のものである
他は、実施例7aと同じ構造の電極の集電構造を有する
キャパシタを作製した。
を巻回している様子を模式的に示した斜視図である。な
お、巻回電極体の上面には、正極板の集電体(未形成
部)のみを示した。また、並列するリード部の先端部分
も省略した。
電極体(正極板のリード部)を巻回軸方向から見た様子
(上面)を示した巻回電極体の平面図である。なお、巻
回電極体の上面には、正極板の集電体(未形成部)のみ
を示した。
を巻回している様子を模式的に示した斜視図である。な
お、巻回電極体の上面には、正極板の集電体(未形成
部)のみを示した。
鉤状の切り込みを入れる方法をそれぞれ模式的に示した
極板の正面図である。
(a)は巻回電極体の形成によって並列されたリード部
を概略的に示した斜視図であり、(b)はその巻回電極
体の平面図である。なお、(b)の巻回電極体の上面に
は、正極板の集電体(未形成部)のみを示した。
畳まれたリード部を概略的に示した巻回電極体の斜視図
である。
ド部が電極端子に接続された巻回電極体を概略的に示す
とともに、その巻回電極体が挿入される電槽を概略的に
示した斜視図である。
鉤状の切り込みを入れる方法をそれぞれ模式的に示した
極板の部分拡大図である。
(a)は巻回電極体の形成によって並列されたリード部
を概略的に示す巻回電極体の斜視図であり、(b)は、
その巻回電極体の形成に用いた軸芯を概略的に示した斜
視図である。
り畳まれたリード部を概略的に示した巻回電極体の斜視
図である。
板を巻回している様子を模式的に示した斜視図である。
板を巻回している様子を模式的に示した斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 それぞれシート状の正極板および負極板
が重ね合わせられて巻回されることにより形成された巻
回電極体を備える電池またキャパシタの電極の集電構造
において、 前記正極板および前記負極板の少なくとも一方は、シー
ト状の集電体の表面上に活物質を含む活物質層が形成さ
れ、かつその側端部に該活物質層の未形成部が帯状に形
設されているとともに、該未形成部には、略鉤状に切り
込まれて形成された該未形成部の長手方向に延びる略短
冊状の複数のリード部が、前記正極板および前記負極板
の巻回時に該リード部どうしをその一部で互いに重ね合
わせることが可能となる間隔で配設されているリード配
設極板であって、該リード配設極板が巻回されるとき
に、該未形成部が一方の巻回軸方向に突出されるととも
に、それぞれの該リード部がその先端を所定の方向に向
けて順次並列され、その巻回後に該リード部がそれぞれ
の一部で互いに重ね合わせられて電極端子に接続されて
なることを特徴とする電極の集電構造。 - 【請求項2】 前記正極板および前記負極板がともに前
記リード配設極板であって、該正極板および該負極板が
巻回されるときに、該正極板および該負極板の該未形成
部がそれぞれ異なる巻回軸方向に突出されるとともに、
それぞれの該リード部がその先端を巻回軸方向と直交す
る同一方向に向けて順次並列され、かつ該巻回電極体が
一面に開口をもつ略直方体形状の電槽に該リード部が側
壁面に対向するように挿入されている請求項1に記載の
電極の集電構造。
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- 1998-10-30 JP JP31117398A patent/JP3628888B2/ja not_active Expired - Fee Related
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