JP2000137017A - ガスセンサ素子 - Google Patents

ガスセンサ素子

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JP2000137017A
JP2000137017A JP10312339A JP31233998A JP2000137017A JP 2000137017 A JP2000137017 A JP 2000137017A JP 10312339 A JP10312339 A JP 10312339A JP 31233998 A JP31233998 A JP 31233998A JP 2000137017 A JP2000137017 A JP 2000137017A
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Japan
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gas
reference electrode
measured
solid electrolyte
sensor element
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JP10312339A
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Inventor
Masahiro Shibata
昌宏 柴田
Noboru Ishida
昇 石田
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定ガス中の測定対象成分のみに依存して
起電力を発生し、しかも、構造が簡単で作製が容易なガ
スセンサ素子を提供する。 【解決手段】 炭酸ガスセンサ素子10は、面状ヒータ
11を内蔵する基体12と、この基体12の凹部13に
固着された金からなるガス透過性の基準電極14と、そ
の上に固着された固体電解質層15と、その上に固着さ
れた金からなる検知電極16と、その上に固着された金
属炭酸塩からなるガス透過性の金属塩層17と、基体1
2と固体電解質層15の隙間を封止する低融点ガラスか
らなるシール部18と、基体12の凹部13を貫通し基
準電極14を外気と接触させるためのφ0.2mmの貫
通孔19とを備えている。基準電極14と固体電解質層
15との境界面は貫通孔19及びガス透過性の基準電極
14を介して被測定ガスと接触可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定ガス中の測
定対象成分(例えば炭酸ガス、NOx、SOx等)の濃
度を測定するガスセンサ素子に関するものであり、具体
的には、汎用用途、環境制御、医療技術、施設園芸、発
酵工業等の広い技術分野において、被測定ガス濃度の測
定、及びその測定結果に基づく濃度制御などに使用され
る。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】従来
より、被測定ガスの濃度を測定するこの種のガスセンサ
素子としては、例えば、特公平4−79542号公報に
は、図5に示すように、金属塩層101と、検知電極1
02と、固体電解質層103と、基準電極104とを有
し、基準電極104がガス遮断性の基体105で被覆さ
れた炭酸ガスセンサ素子100が開示されている。この
炭酸ガスセンサ素子100は、被測定ガスと接触するの
は金属塩層101のみであって、固体電解質層103は
被測定ガスと遮断されているため、炭酸ガス分圧依存起
電力は広範囲にわたり良好な直線性を有するものであ
り、安定性、再現性に優れる。
【0003】しかしながら、このような構造では、基準
電極104は被測定ガスと遮断されているため、検知電
極102での酸素量と基準電極104での酸素量が必ず
しも等しくならず、被測定ガス中の炭酸ガス濃度が変化
しなくても、検知電極102の酸素濃度が変化すること
で起電力も変化してしまうことがあった。即ち、被測定
ガス中では下記化1の反応が起こるが、被測定ガス中の
酸素濃度が変化すると、検知電極102の酸素濃度と基
準電極104の酸素濃度の差により両電極102、10
4の間に起電力が発生し、誤差を生じることがあった。
このため、室内等の酸素濃度の変動が少ないところでは
使用できるが、燃焼器具、人の呼吸等の近辺といった酸
素濃度が変化するところでは使用が困難であるという問
題があった。
【0004】
【化1】
【0005】また、特開平7−94013号公報には、
固体電解質層として、アルカリイオン導電体と酸化物イ
オン導電体とを積層した積層固体電解質を用いることに
より、共存する酸素の分圧が変化しても測定値に影響が
表れにくいという特性を有するガスセンサ素子が開示さ
れている。
【0006】しかしながら、このような構造では、酸素
濃度の影響は受けにくくなるが、酸化物イオン導電体と
アルカリイオン導電体との反応や、両者の熱膨張の違い
等を考慮に入れなければならず、工数もかかり、構造が
複雑で、耐久性の面でも不安が残るという問題があっ
た。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、被測定ガス中の測定対象成分のみに依
存して起電力を発生し、しかも、構造が簡単で作製が容
易なガスセンサ素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明は、基準電極と、固体電解質層
と、検知電極と、ガス透過性の金属塩層とがこの順に積
層され、前記金属塩層は被測定ガス中の測定対象成分と
解離平衡を形成し得る金属塩からなり、前記固体電解質
層は前記金属塩の金属イオンと同種の構成イオンを含む
固体電解質からなるガスセンサ素子であって、前記金属
塩層のほか前記基準電極と前記固体電解質層との境界面
が被測定ガスと接触可能であることを特徴とする。
【0009】本発明のガスセンサ素子は、被測定ガス中
において上記化1の反応(化1では測定対象成分として
炭酸ガスを例示した)が検知電極、基準電極で起こる。
即ち、検知電極において測定対象成分と酸素と金属イオ
ンとの反応が起こり、基準電極において金属イオンと酸
素との反応が起こる。本発明では、ガス透過性の金属塩
層が被測定ガスと接触可能であるので検知電極も被測定
ガスと接触し、また、基準電極と固体電解質層との境界
面も被測定ガスと接触することから、両電極における酸
素濃度は等しい。このため、両電極間に発生する起電力
は、酸素濃度が変化してもほとんど変化することはな
く、被測定ガスの測定対象成分濃度のみに依存し、ネル
ンスト(Nernst)の式に従って測定対象成分濃度
の対数値に応じて直線的に変化する。
【0010】本発明のガスセンサ素子によれば、両電極
間に発生する起電力により被測定ガス中の測定対象成分
濃度を測定することができ、また、金属塩層のほか基準
電極と固体電解質層との境界面が被測定ガスに接触する
ように構成すれば足りるので構造が簡単で作製が容易で
あるという効果が得られる。
【0011】本発明のガスセンサ素子において、前記基
準電極は、ガス透過性を有すると共に被測定ガスと接触
可能なように構成されていてもよい。この場合、基準電
極と固体電解質層との境界面にはガス透過性の基準電極
を介して被測定ガスが到達する。基準電極をガス透過性
にするには、例えば基準電極を多孔質体によって形成し
てもよいし、基準電極に上下方向の貫通孔を設けてもよ
い。このため、構造が単純であり、作製が容易である。
【0012】本発明のガスセンサ素子において、前記基
準電極は、ガス透過性を有すると共に該基準電極を覆う
基体から外部に露出するように構成されていてもよい。
この種のガスセンサ素子では、通常、基体上に基準電
極、固体電解質層、検知電極、金属塩層がこの順に積層
されている。このため、ガス透過性の基準電極の一部又
は全部を基体から外部に露出させることにより、基準電
極と固体電解質層との境界面に基準電極を介して被測定
ガスを到達させることが、作製上簡便である。例えば、
前記基準電極は、該基準電極を覆う基体に設けられた貫
通孔を介して被測定ガスと接触するように構成されてい
てもよく、具体的には、基体に直径コンマ数mm〜数m
mの貫通孔を設ける構成としてもよいし、あるいは、基
体を多孔質体で形成してもよい。
【0013】本発明のガスセンサ素子において、前記基
準電極は、ガス透過性を有すると共に該基準電極と電気
的に接続されたガス透過性のリード線を介して被測定ガ
スと接触するように構成されていてもよい。この種のガ
スセンサ素子では、通常、基準電極はリード線を介して
外部機器(記録計など)に接続されるが、基準電極とリ
ード線を共にガス透過性(例えば多孔質製)とすること
で、基準電極と固体電解質層との境界面はリード線及び
基準電極を介して被測定ガスと接触可能となる。このた
め、構造が簡単であり作製上簡便である。
【0014】本発明のガスセンサ素子において、前記測
定対象成分が炭酸ガスであり、前記金属塩がアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の炭酸塩であってもよい。この
場合、基準電極−検知電極間の起電力は被測定ガス中の
炭酸ガス濃度に依存するが酸素濃度に依存しないため、
炭酸ガス濃度を精度よく測定できる。
【0015】本発明のガスセンサ素子において、前記金
属塩層はリチウム塩からなり、前記固体電解質層はリチ
ウムイオンを含むように構成してもよい。この場合、固
体電解質層はリチウムイオンを伝導種として含むため、
他の金属イオン(例えばナトリウムイオン)を伝導種と
して含む固体電解質に比べて耐湿性に優れ、基準電極を
介して被測定ガスと接触したとしても安定に性能を維持
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のガスセンサ素子におい
て、基準電極は、金、銀、白金などの貴金属を用いて形
成することが好ましく、形成方法としては例えば印刷
法、蒸着法、スパッタ法、塗布焼き付け法などを採用し
てもよい。多孔質の基準電極は、例えば貴金属のペース
トを塗布した後焼成することにより形成してもよい。
【0017】固体電解質層は、金属塩層をなす金属塩の
金属イオンと同種の構成イオンを含む固体電解質からな
る層であればよく、アルカリ金属イオン又はアルカリ土
類金属イオンのいずれかを伝導種とするものであれば好
ましいが、より好ましいのはリチウムイオンを伝導種と
するものである。
【0018】リチウムイオンを伝導種とする固体電解質
としては、例えば、LISICON(Lithium Super
Ionic Conductor)、LiAlSiO4、LiLnSi
4(Ln;ランタニド元素、例えばSm、La、Nd
など)、Li3.6Si0.60. 44及びLiTi2(P
43などを用いることができる。この中で特に好まし
いのは、LiLnSiO4 であってランタニド元素とし
てSmを選択した場合の、すなわち、LiSmSiO4
を主結晶相とするものである。なお、前記のリチウムイ
オン伝導性の固体電解質においては、主結晶相の他にA
23またはZrO2を含有していてもよい。これらを
含有することにより、固体電解質自体の機械的強度が向
上すると共に、センサの特性として湿度の影響の少ない
ものが得られるからである。
【0019】検知電極は、金、銀、白金などの貴金属を
用いて形成するのが好ましく、上記固体電解質層の表面
に導体ペーストを印刷したり、あるいは導体材料をスパ
ッタリング若しくは蒸着等の方法により形成されるが、
開孔部を有するメッシュ状(網状)の膜として形成され
たものが好ましい。このようにすれば検知電極の各開孔
部において、金属塩層と固体電解質層とが密着しやす
く、強固に接合されるからである。
【0020】金属塩層は、被測定ガス中の測定対象成分
と解離平衡を形成し得るものであればよく、例えば、測
定対象成分が炭酸ガスの場合には、炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩などが挙げられ、
NOxの場合には、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝
酸カルシウム、硝酸バリウム等のアルカリ金属又はアル
カリ土類金属の硝酸塩などが挙げられ、SOxの場合に
は、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の
硫酸塩などが挙げられる。また、金属塩層は、例えば、
これら金属塩を水、アルコール等の溶媒及び有機結合剤
等と適宜混合してペースト状若しくは溶液とし、その
後、固体電解質層のうち検知電極が形成もしくは配置さ
れた面にこれを塗布し、乾燥した後、所要温度にて焼成
することにより形成することができる。
【0021】本発明のガスセンサ素子は、固体電解質層
を定温化するための発熱体を備えていることが好まし
い。この発熱体としては、固体電解質層を200〜80
0℃程度の範囲の温度に加熱し均一に保持することがで
きる面状ヒータ等を好ましく使用することができる。例
えば、アルミナなどのセラミックからなる基板の一表面
もしくはその内部であって、白金などからなる発熱体素
子を配設したものを用いることができる。また、この発
熱体としては、絶縁材料からなるシートの片面に、白
金、ロジウム、白金−ロジウム合金、ニッケル−クロム
合金、タングステン、モリブデンなどを、スパッタリン
グ法、蒸着法、メッキ法、ペースト焼き付け法などによ
って長尺の帯状に形成し、その上から絶縁材料を積層し
たものを使用することもできる。
【0022】
【実施例】[実施例1]図1は実施例1の炭酸ガスセン
サ素子の説明図であり、(a)は平面図、(b)はA−
A断面図、(c)はB−B断面図である。
【0023】この炭酸ガスセンサ素子10は、発熱体と
しての面状ヒータ11を内蔵するアルミナセラミック製
の基体12と、この基体12の窪み部13に固着された
金からなるガス透過性の基準電極14と、その上に固着
された厚さ0.15mm程度の固体電解質層15と、そ
の上に固着された金からなる検知電極16と、その上に
固着された金属炭酸塩からなるガス透過性の金属塩層1
7と、基体12と固体電解質層15の隙間を封止する低
融点ガラスからなるシール部18と、基体12の窪み部
13を貫通し基準電極14を外気と接触させるためのφ
0.2mmの貫通孔19と、基準電極14と電気的に接
続された基準電極用のリード線20と、検知電極16と
一体的に形成された検知電極用のリード線21とを備え
ている。なお、窪み部13に配置された固体電解質層1
5は面状ヒータ11によって所望の温度に調節可能であ
り、また、面状ヒータ11はリード線11a、11bを
備えている。
【0024】ここで、基準電極14の材料は、金以外に
白金、銀等の貴金属でもよく、最適なのは金、白金であ
る。シール部18を形成する低融点ガラスは、結晶化ガ
ラスが好ましく、無機系の接着剤等を用いてもよく、固
体電解質層15の側面全体もしくは、少なくとも基準電
極14を検知電極16から隔離できるように塗布、形成
する。ここでシール部18の役割としては、金属炭酸塩
が基準電極14側へ流れ込むのを防止したり、固体電解
質を雑ガスから保護したりする点にある。このシール部
18を多孔質にして基準電極14へ被測定ガスを拡散す
るために用いてもよい。検知電極16の材料も、最適は
金であるが、白金、銀等、他の貴金属を用いてもよく、
その金属を含む金属ペースト、金属粉末等より形成す
る。
【0025】この炭酸ガスセンサ素子10を被測定ガス
中に置いて面状ヒータ11に通電すると、下記化2の反
応が起こる。
【0026】
【化2】
【0027】このとき、ガス透過性の金属塩層17が被
測定ガスに晒されて検知電極16に被測定ガスが到達す
ると共に、ガス透過性の基準電極14が貫通孔19を介
して被測定ガスに晒されて基準電極14と固体電解質層
15との境界面に被測定ガスが到達するため、検知電極
側の酸素濃度と基準電極側の酸素濃度が等しくなる。こ
のため、被測定ガスの酸素濃度に依存せず炭酸ガス濃度
の対数値に応じて直線的に変化する起電力を発生し、そ
の起電力により被測定ガス中の炭酸ガス濃度を測定する
ことができる。なお、上記化2において、金属炭酸塩を
金属硝酸塩(MNO3)にすればNOx濃度が測定で
き、金属硫酸塩(M2SO4)にすれば、SOx濃度が測
定できる。
【0028】実施例1の炭酸ガスセンサ素子10は以下
のように作製した。まず始めに、グリーンシート積層法
によって、窪み部13を有すると共に内部に面状ヒータ
11とリード線20を内蔵したアルミナセラミックより
なる基体12を作製した。次に、固体電解質層15とし
て、900℃で仮焼したLiSmSiO4に18wt%
のAl23を添加し、1150℃で焼成した焼結体(縦
2.5mm×横2.5mm×高さ0.15mm)を用意
した。そして、平板状の固体電解質層15の一方の面
(底面)にAuペーストを塗布し、窪み部13に導出さ
れているリード線20の端部と前記塗布したAuペース
トとが重なるように合わせて載せた状態でこれを103
0℃で熱処理した。これにより、ガス透過性(ここでは
多孔質)の基準電極14を介して固体電解質層15と基
体12とを接着した。なお、リード線20は、後述の出
力用端子ピン23と接続される。
【0029】次に、固体電解質層15と窪み部13の周
壁との間に生ずる間隙に、シール材として、SiO2
BaO−Al23系の結晶化ガラス粉末を充填し、93
0℃で熱処理して結晶化させることにより、シール部1
8を形成した。このシール工程により、固体電解質層1
5を基体12に強固に固定すると共に、後述の炭酸リチ
ウムの基準電極14への流れ込みを防止した。
【0030】次に、固体電解質層15の上に検知電極形
成用のAuペーストを塗布し厚膜法で検知電極16を形
成した。この検知電極16は、スクリーン印刷法を用い
て形成し、適度な開孔パターンのメッシュ状とした。こ
のとき同ペーストを用いて検知電極用のリード線21も
印刷した後、所定の温度で同時に焼き付けした。このリ
ード線21は、後述の出力用端子ピン24と接続され
る。
【0031】次に、炭酸リチウム粉末をペースト状と
し、固体電解質層15及び検知電極16を覆うように厚
さ約0.3mmに塗布し、550℃で熱処理することに
より金属塩層17を形成し、炭酸ガスセンサ素子10と
した。最後に、図2に示すように、得られた炭酸ガスセ
ンサ素子10を台座22に固着し、出力用端子ピン2
3,24及び発熱体用端子ピン25,26にそれぞれリ
ード線20,21,11a,11bを取り付け、さらに
通気孔27を有する保護キャップ28を被せて固定する
と共に、各端子ピン及びリード線との接続部を無機系接
着剤29でシールして、炭酸ガスセンサとして完成し
た。
【0032】[実施例2]図3は実施例2の炭酸ガスセ
ンサ素子の説明図であり、(a)は平面図、(b)はC
−C断面図、(c)はD−D断面図である。この炭酸ガ
スセンサ素子40は、基体12に貫通孔を備えていない
代わりに、ガス透過性の基準電極14と電気的に接続さ
れたガス透過性(ここでは多孔質)のリード線41を介
して被測定ガスと接触するように設けられている以外
は、実施例1と同様であるため、同じ構成要素について
は同じ符号を付し、その説明を省略する。リード線41
は基体12の一端面(図3(a)の上部端面)から外部
に露出している。このため、被測定ガスはガス透過性の
リード線41及び基準電極14を介して基準電極14と
固体電解質層15との境界面に到達し得る。
【0033】この炭酸ガスセンサ素子40は、実施例1
と同様のグリーンシート積層法によって基体12を作製
したが、基準電極用のリード線41はグリーンシート上
に印刷されており、このグリーンシートを基体12の形
状に沿って切断し、この切断時にリード線41も切断さ
れてグリーンシートの一端面からリード線41が露出し
たものを作製した。その後、実施例1と同様の工程を経
て、実施例2の炭酸ガスセンサ素子40を作製した。な
お、グリーンシートに基準電極14となるAuペースト
を介して固体電解質層15を載せて熱処理した段階で、
リード線41及び基準電極14は多孔質となった。
【0034】[比較例1]実施例1において、基体12
に貫通孔19を設けず、基準電極14を非ガス透過性の
Au箔で形成し、リード線20が基体12から外部へ抜
け出る部分をガラスでシールして基準電極14へ被測定
ガスが流入するのを防止した以外は、実施例1と同様に
して炭酸ガスセンサを作製し、これを比較例1の炭酸ガ
スセンサとした。この比較例1では基準電極14は完全
に外部と遮断されているため、基準電極14と固体電解
質層15との境界面には被測定ガスが到達できない。
【0035】[測定試験1]上記実施例1,2及び比較
例1の炭酸ガスセンサを、種々の炭酸ガス濃度に調整さ
れた雰囲気のチャンバー内に挿入し、それぞれの濃度に
おける起電力を測定した。なお、測定条件は、ヒータ温
度を450℃、酸素濃度を一律20.8%とした。その
測定結果を表1及び図4に示す。図4のグラフは横軸が
炭酸ガス濃度の対数、縦軸が起電力である。表1の炭酸
ガス感度は図4のプロットに基づいて最小二乗法にて算
出した傾きの値である。この測定結果から、いずれの炭
酸ガスセンサも、略同じ感度を示し、炭酸ガスセンサと
して正常に機能していることがわかる。
【0036】
【表1】
【0037】[測定試験2]上記実施例1,2及び比較
例1の炭酸ガスセンサを、種々の酸素濃度に調整された
雰囲気のチャンバー内に挿入し、それぞれの濃度におけ
る起電力を測定した。なお、測定条件は、ヒータ温度を
450℃、炭酸ガス濃度を一律500ppmとした。そ
の測定結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】この測定結果からわかるように、実施例
1,2では比較例1に比べて酸素濃度に対してほとんど
感度を示さなかった。一方、比較例1は酸素濃度に対し
て感度を示し、それは炭酸ガス濃度に対する感度の約半
分であり、各電極での反応式から導かれる理論値とほぼ
一致した。この測定結果は、実施例1,2では、ガス透
過性の金属塩層17が被測定ガスと接触可能であるので
検知電極16も被測定ガスと接触し、また、ガス透過性
の基準電極14を介して基準電極14と固体電解質層1
5との境界面も被測定ガスと接触するため、両電極1
4,16における酸素濃度は等しくなり、両電極14,
16間に発生する起電力は被測定ガスの炭酸ガス濃度に
のみに依存し酸素濃度に依存しないことを裏付けるもの
である。
【0040】[測定試験3]上記実施例1,2及び比較
例1の炭酸ガスセンサを、湿度が10%RHから90%
RHに変化したときの起電力の変化を測定した。なお、
測定条件は、ヒータ温度を450℃、炭酸ガス濃度を5
00ppm、酸素濃度を20.8%とした。その測定結
果を表3に示す。この測定結果から、実施例1,2では
比較例1に比べて湿度変化に対する起電力の変動が若干
大きくなったものの、ほとんど感度を示さないといえる
程度であった。
【0041】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の炭酸ガスセンサ素子の説明図であ
る。
【図2】 実施例1の炭酸ガスセンサの説明図である。
【図3】 実施例2の炭酸ガスセンサ素子の説明図であ
る。
【図4】 各炭酸ガスセンサの炭酸ガス濃度に対するセ
ンサ起電力の関係を表すグラフである。
【図5】 従来の炭酸ガスセンサ素子の説明図である。
【符号の説明】
10・・・炭酸ガスセンサ素子、11・・・面状ヒー
タ、11a、11b・・・リード線、12・・・基体、
13・・・窪み部、14・・・基準電極、15・・・固
体電解質層、16・・・検知電極、17・・・金属塩
層、18・・・シール部、19・・・貫通孔、20、2
1・・・リード線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 崇文 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 ZA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準電極と、固体電解質層と、検知電極
    と、ガス透過性の金属塩層とがこの順に積層され、前記
    金属塩層は被測定ガス中の測定対象成分と解離平衡を形
    成し得る金属塩からなり、前記固体電解質層は前記金属
    塩の金属イオンと同種の構成イオンを含む固体電解質か
    らなるガスセンサ素子であって、 前記金属塩層のほか前記基準電極と前記固体電解質層と
    の境界面が被測定ガスと接触可能であることを特徴とす
    るガスセンサ素子。
  2. 【請求項2】 前記基準電極は、ガス透過性を有すると
    共に被測定ガスと接触可能である請求項1記載のガスセ
    ンサ素子。
  3. 【請求項3】 前記基準電極は、ガス透過性を有すると
    共に該基準電極を覆う基体から外部に露出している請求
    項1又は2記載のガスセンサ素子。
  4. 【請求項4】 前記基準電極は、ガス透過性を有すると
    共に該基準電極を覆う基体に設けられた貫通孔を介して
    被測定ガスと接触する請求項1〜3のいずれかに記載の
    ガスセンサ素子。
  5. 【請求項5】 前記基準電極は、ガス透過性を有すると
    共に該基準電極と電気的に接続されたガス透過性のリー
    ド線を介して被測定ガスと接触する請求項1〜4のいず
    れかに記載のガスセンサ素子。
  6. 【請求項6】 前記測定対象成分が炭酸ガスであり、前
    記金属塩がアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    のガスセンサ素子。
  7. 【請求項7】 前記金属塩層はリチウム塩からなり、前
    記固体電解質層はリチウムイオンを含むことを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載のガスセンサ素子。
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