JP2000136172A - N―置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法 - Google Patents
N―置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法Info
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Abstract
ギン酸又はその塩を、低級アルコールや無機塩類からな
る副生物を伴うことなく、少ない工程数で高濃度且つ高
純度で製造する方法を提供する。 【構成】 長鎖脂肪族アミンとマレイン酸又はその塩
とを溶媒中で付加反応させることを特徴とする、一般式
(1)で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の
製造方法。 [式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアル
キル基を示す。M1、M2は同一又は異なって、水素原
子、アルカリ(土類)金属イオン、(有機)アンモニウ
ムイオンを示す。]
Description
酸又はその塩の製造方法に関し、より詳しくは界面活性
剤として有用なN−置換アスパラギン酸又はその塩の製
造方法に関する。
アミノ酸型の両性界面活性剤であり、親油基の鎖長、カ
ルボキシル基の中和率及び中和塩基を選択することによ
り優れた界面活性を示す。
の製造方法として、一級アミンとマレイン酸エステルと
のマイケル型付加反応が知られている(特開平5−14
0059号)。この方法では、まずN−置換アスパラギ
ン酸ジエステルが得られるため、エステル結合をエステ
ル基に対し当モル以上のアルカリ物質(アルカリ金属水
酸化物)を用いて加水分解するが、このときの生成物は
N−置換アスパラギン酸の二アルカリ金属塩であり、p
Hが高く、臨界ミセル濃度も高くなる。従って、中性領
域に近いpHを示し、臨界ミセル濃度もより低い、真に
優れた界面活性を示すN−置換アスパラギン酸又はその
塩を得るには、更にカルボキシル基の中和率を適当な酸
性物質を用いて調整したり、対イオン交換を施す必要が
ある。しかも、この一連の操作中に、原料のマレイン酸
エステルを構成していた低級アルコールや無機塩類が反
応当量副生するため、これらを除去する必要があるが、
工程が複雑となり、従って、工業的に純度が高く、pH
や臨界ミセル濃度の面でも問題のない真に優れた界面活
性を示すN−置換アスパラギン酸又はその塩を得ること
は容易ではない。
ラギン酸又はその塩には、皮膚刺激の原因となり得る未
反応の一級アミンが残存すると考えられる。一般に脂肪
族アミン類を原料とする界面活性剤には、両性界面活性
剤や半極性界面活性剤、陽イオン界面活性剤等種々あ
り、これらは通常、両性化剤、酸化剤、4級化剤を10
%以下の過剰率で用いることで、比較的容易に未反応ア
ミン含量を対有効成分2%以下にまで低減することがで
きる。しかしながら、N−置換アスパラギン酸又はその
塩を製造する際の未反応アミンを除去する方法について
は、何ら提案されていない。
性剤中の未反応脂肪族アミンを抽出し定量する分析方法
が実施されており、これの準用による未反応アミンの抽
出除去が考えられる。即ち、N−置換アスパラギン酸又
はその塩を水に溶解し、アルカリ金属水酸化物でカルボ
キシル基を全中和した後、エタノール等の乳化防止剤の
共存下に石油エーテル等の低沸点炭化水素類やジエチル
エーテルを用いて未反応の長鎖脂肪族アミンを抽出除去
することも不可能ではない。しかし、この方法による
と、目的とするN−置換アスパラギン酸又はその塩はも
はや二アルカリ金属塩のエタノール含有水溶液になって
おり、前述の如く優れた界面活性を有する目的物を得る
ためには更なる処理が必要となり、N−置換アスパラギ
ン酸又はその塩の精製物を得るのは容易ではない。
近いpHを示し、臨界ミセル濃度もより低い真に界面活
性に優れたN−置換アスパラギン酸又はその塩を、実質
的に低級アルコールや無機塩類からなる副生物を伴うこ
となく、少ない工程数で高濃度且つ高純度で製造するた
めの新規有用な方法を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の条件下に、特定
の長鎖脂肪族アミンとマレイン酸又はその塩を直接反応
させることにより、少ない工程数で目的とするN−置換
アスパラギン酸又はその塩が得られること、更に、残存
する未反応の長鎖脂肪族アミンを特定の有機溶剤で抽出
除去することにより、容易にN−置換アスパラギン酸又
はその塩の精製物が得られることを見出し、かかる知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
キル基又はアルケニル基を示し、R2は水素原子又は水
酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアル
キル基を示す。]で表される長鎖脂肪族アミンと一般式
(2) M1OCOCH=CHCOOM2 (2) [式中、M1、M2は同一又は異なって、水素原子、ア
ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニ
ウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す。]で表
されるマレイン酸又はその塩とを溶媒中で付加反応させ
ることを特徴とする、一般式(3) [式中、R1、R2、M1、M2は前記のとおりであ
る。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の
製造方法を提供する。
キル基又はアルケニル基を示し、R2は水素原子又は水
酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアル
キル基を示す。]で表される長鎖脂肪族アミンと一般式
(2) M1OCOCH=CHCOOM2 (2) [式中、M1、M2は同一又は異なって、水素原子、ア
ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニ
ウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す。]で表
されるマレイン酸又はその塩とを溶媒中で付加反応さ
せ、得られたN−置換アスパラギン酸又はその塩を有機
溶剤で洗浄することを特徴とする、一般式(3) [式中、R1、R2、M1、M2は前記のとおりであ
る。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の
製造方法を提供する。
肪族アミンの含有量が2.0重量%以下である、一般式
(3) [式中、R1は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基又はアルケニル基を示し、R2は水素原子又は水
酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアル
キル基を示す。M1、M2は同一又は異なって、水素原
子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ア
ンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示
す。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩を
提供する。
族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミンを用い
ることが可能であり、第一級アミンとしては、炭素数8
〜22の直鎖又は分枝鎖のアルキル基又はアルケニル基
を有する化合物が挙げられ、具体的にはオクチルアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ラウリ
ルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステ
アリルアミン、イソステアリルアミン、オレイルアミ
ン、ベヘニルアミン、ヤシ油アルキルアミン、パーム核
油アルキルアミン、パーム油アルキルアミン、牛脂アル
キルアミン等が例示される。
ミンの内、第二級アミンとしては、上記第一級アミンの
アミノ基の水素原子の1つをメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基又は
ヒドロキシプロピル基で置換した第二級アミンが例示さ
れる。具体的には、N−メチルラウリルアミン、N−エ
チルラウリルアミン、N−プロピルラウリルアミン、N
−ヒドロキシエチルラウリルアミン等が例示される。
の塩としては、マレイン酸及びそのリチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属塩類、カルシウム、マグ
ネシウム等のアルカリ土類金属塩類、アンモニウム塩、
有機アンモニウム塩(例えば、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロ
パノールアミン等のアルカノールアミン類、炭素数1〜
4を有するアルキルアミン類、塩基性アミノ酸類等の有
機アミンの塩類等が挙げられる。)が例示され、中でも
マレイン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩、トリエタノールアンモニウム塩等が夫々推奨され
る。
の塩のM1、M2は、水素原子及び、アルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有
機アンモニウムイオンから選ばれる水素原子以外のイオ
ンの両方からなるものの利用が好ましい。このとき、M
1、M2における水素原子と水素原子以外のイオンとの
割合は、特に限定されないが、反応性及び一般式(3)
で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩のpH、
水溶性、界面活性の面から、当量比で水素原子/水素原
子以外のイオン=3/1〜1/3(中和率で25〜75
%)であることが望ましく、より好ましくは2/1〜1
/2(中和率で33〜67%)である。
はその塩は、マレイン酸を相当する塩基物質で中和して
得るが、無水マレイン酸を所定量の水で水和し、マレイ
ン酸とした後、相当する塩基物質を加えて中和すること
により得てもよいし、無水マレイン酸、水、塩基物質を
同時に混合しても調製することができる。
ギン酸又はその塩において、該化合物を構成する長鎖ア
ルキル基(又はアルケニル基)としては、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリス
チル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル
基、オレイル基、ベヘニル基、ヤシ油アルキル基、パー
ム核油アルキル基、パーム油アルキル基、牛脂アルキル
基等が例示される。
ていてもよい炭素数1〜3を有するアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチ
ル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が例
示される。
は、水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カ
リウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオ
ン、アンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウム
イオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノ
ールアンモニウムイオン、イソプロパノールアンモニウ
ムイオン、炭素数1〜4を有するアルキルアンモニウム
イオン、塩基性アミノ酸のアンモニウムイオン等が例示
される。
ギン酸又はその塩のM1、M2は、水素原子及び、アル
カリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウ
ムイオン、有機アンモニウムイオンから選ばれる水素原
子以外のイオンの両方からなるものが好ましい。このと
き、M1、M2における水素原子と水素原子以外のイオ
ンとの割合は特に限定されないが、一般式(2)で表さ
れるマレイン酸又はその塩のM1、M2における水素原
子と水素原子以外のイオンとの割合に一致すべきもので
あり、当量比で水素原子/水素原子以外のイオン=3/
1〜1/3(中和率で25〜75%)であることが望ま
しく、より好ましくは2/1〜1/2(中和率で33〜
67%)である。
子以外のイオンとの上記当量比で一般式(3)で表され
るN−置換アスパラギン酸又はその塩を合成した後、更
に該化合物の個別の用途分野での必要に応じて、該化合
物の粗生成物の段階又は精製工程で塩基性物質又は酸性
物質を適宜追加することで、上記割合が合成時と最終生
成物間で異なっていても良い。
と一般式(2)で表されるマレイン酸又はその塩とのモ
ル比は、特に限定されないが、反応終了時に未反応の長
鎖脂肪族アミンが多く残存する場合は、皮膚刺激の原因
になり得るため、長鎖脂肪族アミン1モルに対し好まし
くはマレイン酸又はその塩を0.8〜1.20モル、好
ましくは0.95〜1.10モルとするべきである。
されないが、反応性、系の粘度低下能、価格、回収の容
易さ、安全性面を総合的に判断して、水、水と親和性を
示す有機溶剤又はそれらの混合物が推奨される。中で
も、反応性を優先させる場合は、水と親和性を示す有機
溶剤及びこれと水との混合物がより好ましい。
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−
ブタノール等の炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の低級ア
ルコール類が例示される。
れないが、反応系全体の5〜90重量%の範囲であるこ
とが好ましい。本反応は水系で反応した場合、溶媒とし
ての水分含量が低いほど高反応率が得られる傾向がある
上に、90重量%を越えて用いると目的物であるN−置
換アスパラギン酸又はその塩の反応系における含有率が
10重量%未満となり、経済効果が著しく低下する。5
重量%未満では、有機溶剤を使用した場合でも反応初期
より終期まで撹拌が著しく困難となり、特殊な混合装置
が必要となる。又、溶媒を反応粗生成物から除去して目
的物を固体状で得る場合には、当然溶媒量が少ないほど
好ましく、特に溶媒が水である場合には、水分含量が低
いほど脱水時の発泡が抑制されることから、5〜50重
量%の範囲であることがより好ましい。
の、通常、70〜130℃が推奨される。
の、通常、2〜12時間が推奨され、反応の終点は未反
応の長鎖脂肪族アミンの残存量によって判断される。
が、例えば窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応を実施す
れば、空気中で反応した場合より淡色の目的物を得るこ
とができるため、好ましい。又、低沸点溶媒を用いて反
応する際の温度を、必要に応じてより高く設定する目的
で、密封系(加圧下)で反応を実施してもよい。
ギン酸又はその塩の粗生成物は、反応時に用いた溶媒の
種類及びその量に応じて溶液状、ペースト状、ゲル状又
は半固体状として得られるが、反応後の粗生成物から溶
媒を除去することによって、固体状として得ることがで
きる。尚、固体状としては、塊状、粒状、微粉状の夫々
の形態が含まれる。
に限定されないが、噴霧乾燥法や反応容器中でそのまま
常圧又は減圧下に加熱して溶媒を留去すると同時に撹拌
をかけて固化又は粉体化する方法等が例示される。
塩の反応粗生成物又は反応に用いた溶媒を除去して得ら
れた固体状の乾燥粗物は、反応条件並びにアルキル基
(又はアルケニル基)及び対イオンの種類によって異な
るが、一般にその乾燥粗物の総重量に対し2.5〜6.
5重量%程度の未反応の長鎖脂肪族アミンを含有してい
る。これが皮膚刺激の原因となる可能性があり、残存す
る未反応の長鎖脂肪族アミンの含有量を2.0重量%以
下にまで低減することが好ましい。
ン酸又はその塩は、その乾燥粗物を破砕した粒状〜微粉
状物、又は、反応溶媒として有機溶剤を用いた場合は脱
溶媒前の反応粗生成物を、有機溶剤で洗浄することによ
り、N−置換アスパラギン酸又はその塩を完全中和する
ことなく、残存する未反応の長鎖脂肪族アミンを効率的
に抽出除去することができる。又、この時、乾燥粗物又
は反応粗生成物中に含まれる、反応副生成物の一種であ
る有機溶剤に可溶な非アミン性物質の大半を同時に抽出
除去することができる。
しないが、残存する長鎖脂肪族アミンの除去効率及び精
製物の歩留まり面から、アルコール系溶剤、脂肪族又は
脂環式ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、脂肪族又は脂環
式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ハロゲン化
炭化水素系溶剤が例示される。
からの脱溶剤及び洗浄母液からの溶剤回収が必要であ
り、その難易の問題から、常圧下での沸点が30〜16
5℃の範囲にあるものが好ましい。具体的には、アルコ
ール系溶剤ではメタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブ
タノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、
2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノー
ル、シクロヘキサノール等が例示される。脂肪族又は脂
環式ケトン系溶剤ではアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が例示さ
れる。エーテル系溶剤ではジエチルエーテル、ジオキサ
ン等が例示される。脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤で
はn−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、イソ
ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタ
ン、イソオクタン、n−ノナン、石油エーテル等が例示
される。芳香族炭化水素系溶剤ではベンゼン、トルエ
ン、キシレン等が例示される。ハロゲン化炭化水素系溶
剤では二塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等が例
示される。これらの有機溶剤は、単独で使用しても、混
合物で使用してもよい。これらの中でも、精製物の歩留
まり、残存する未反応の長鎖脂肪族アミンの除去効率か
ら、エタノール、ジエチルエーテル、アセトンがより好
ましい。又、N−置換アスパラギン酸又はその塩の反応
粗生成物を脱溶媒せずに洗浄する場合は、反応溶媒に用
いた有機溶剤と洗浄時に加える有機溶剤とは、同一であ
ることが好ましい。この場合、エタノールがより好まし
い。
ないが、生産性、残存する長鎖脂肪族アミンの除去効率
及び精製物の歩留まり面から、N−置換アスパラギン酸
又はその塩の乾燥粗物重量に対し、3〜8重量倍とする
のが好ましい。尚、反応溶媒として有機溶剤を用い、反
応終了後脱溶媒することなく更に有機溶剤を加えて洗浄
する場合には、反応に用いた有機溶剤と洗浄時に加える
有機溶剤との合計量が前記の範囲内であることが好まし
い。
する長鎖脂肪族アミンの除去効率面から20〜150℃
が好ましく、また、工程管理上の面からは常圧下で実施
するのがより好ましい。
せず、例えばろ過による分離方法、遠心分離による方
法、デカンテーションによる分離方法が例示される。
低温であるほど歩留まりが向上し、又N−オレイルアス
パラギン酸一カリウム塩の如くアルケニル基を有し対イ
オンがカリウム塩であるものは、アルキル基を有し対イ
オンがナトリウムであるものに比べて、温溶剤中で粘着
性を示すことから、0〜50℃であることが好ましい。
はその塩は、洗浄に用いた有機溶剤を含んでいるため、
常圧下又は減圧下に加熱して有機溶剤を除去することに
より精製物として得ることができる。
量(以下、「残存アミン含量」という。)は、適切な条
件を選ぶことにより、一般に一段の精製工程で2.0重
量%以下に低減されるが、精製前の残存アミン含量が
6.5重量%以上であったり、目標とする残存アミン含
量をより低水準とする時には、必要に応じて2段以上繰
り返すことも可能であり、その際は前段での有機溶剤除
去処理を省略することもできる。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、本発明における試験方法を以下に示す。
80mL及びエタノール40mLを加えて溶解し、水酸
化カリウムでアルカリ性(指示薬:チモールフタレイ
ン)とした。該試料液を分液ロートに移し、石油エーテ
ル50mLで3回可溶物を抽出した。石油エーテルを留
去し、該可溶物を定量するとともに、その全アミン価を
測定した。反応率の算出式を以下に示す。 反応率(%)=100−[Sw×Sa×Tw/(Aw×A
a)]×100 ここで、夫々の略号は、次のとおりである。 Sw:分析対象物中の石油エーテル可溶物量(重量%) Sa:石油エーテル可溶物の全アミン価 Aa:原料アミンの全アミン価 Aw:原料アミンの使用量(g) Tw:溶媒を含んだ全仕込量(g)
ーに精秤し、イオン交換水80mL及びエタノール40
mLを加えて溶解し、水酸化カリウムでアルカリ性(指
示薬:チモールフタレイン)とした。該試料液を分液ロ
ートに移し、石油エーテル50mLで3回可溶物を抽出
した。石油エーテルを留去し、該可溶物を定量するとと
もに、その全アミン価を測定した。純度の算出式を以下
に示す。 純度(%)=100−(Sw+Mw+Ww) ここで、夫々の略号は、次のとおりである。 Sw:分析対象物中の石油エーテル可溶物量(重量%) Mw:分析対象物中の残存マレイン酸塩含量(重量%) Ww:分析対象物中の水分含量(重量%) 尚、残存マレイン酸塩含量は、未反応アミンと同一モル
存在すると仮定して下式により推算した。 Mw=Sw×Sa×MMW/(Aa×AMW) ここで、夫々の略号は、次のとおりである。 Sa:石油エーテル可溶物の全アミン価 Aa:原料アミンの全アミン価 MMW:マレイン酸塩の分子量 AMW:原料アミンの分子量
精製物の残存アミン含量 分析対象物約5gをビーカーに精秤し、イオン交換水8
0mL及びエタノール40mLを加えて溶解し、水酸化
カリウムでアルカリ性(指示薬:チモールフタレイン)
とした。該試料液を分液ロートに移し、石油エーテル5
0mLで3回可溶物を抽出した。石油エーテルを留去
し、該可溶物を定量するとともに、その全アミン価を測
定した。分析対象物中の残存アミン含量の算出式を以下
に示す。 残存アミン含量(重量%)=Sw×Sa/Aa ここで、夫々の略号は、次のとおりである。 Sw:分析対象物中の石油エーテル可溶物量(重量%) Sa:石油エーテル可溶物の全アミン価 Aa:原料アミンの全アミン価
温度25℃に調整してロス・マイルス法により測定し
た。
フラスコに仕込んだ無水マレイン酸98.1g(1モ
ル)にイオン交換水71.3g(最終生成物において含
水率が19.5重量%となる)を加え、1時間撹拌して
水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム40.
4g(1モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和
率50%)スラリーとした。該スラリーにデシルアミン
155.7g(1モル)を加え、85〜95℃で4時間
反応し、N−デシルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合
成した。粗生成物は反応温度下に半固体状であり、その
5%水溶液のpHは8.3であった。又、反応率は9
1.6%であった。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水44.5g(最
終生成物において含水率が17.8重量%となる)を加
え、1時間撹拌して水和した。次いで水冷しつつ水酸化
カリウム35.4g(0.6モル)を加えて、マレイン
酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリ
ーにラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加
え、90〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパ
ラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度
下に半固体状であり、その5%水溶液のpHは7.7で
あった。又、反応率は93.0%であった。
8.1g(1モル)にイオン交換水53.8g(最終生
成物において含水率が20.0重量%となる)を加え、
1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつアンモニ
ア水60.8g(28%品、1モル)を加えて、マレイ
ン酸アンモニウム(中和率50%)スラリーとした。該
スラリーにラウリルアミン185.4g(1モル)を加
え、90〜97℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパ
ラギン酸一アンモニウム塩を合成した。粗生成物は反応
温度下にホイップクリーム状であり、その5%水溶液の
pHは6.0であった。又、反応率は84.5%であっ
た。
8.6g(0.7モル)にイオン交換水91.5g(最
終生成物において含水率が20.0%となる)を加え、
1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつトリエタ
ノールアミン104.4g(99%品、0.7モル)を
加えて、マレイン酸トリエタノールアンモニウム(中和
率50%)スラリーとした。該スラリーにラウリルアミ
ン129.8g(0.7モル)を加え、90〜95℃で
6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一トリエタ
ノールアンモニウム塩を合成した。粗生成物は反応温度
下に流動性があり、その5%水溶液のpHは7.1であ
った。又、反応率は82.9%であった。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水55.9g(最
終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加
え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸
化カリウム35.4g(0.6モル)を加えて、マレイ
ン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラ
リーにミリスチルアミン129.1g(0.6モル)を
加え、80〜88℃で6時間反応し、N−ミリスチルア
スパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応
温度下に半固体状であり、その5%水溶液のpHは8.
3であった。又、反応率は86.4%であった。
8.6g(0.7モル)にイオン交換水69.9g(最
終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加
え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸
化カリウム41.3g(0.7モル)を加えて、マレイ
ン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラ
リーにパルミチルアミン169.5g(0.7モル)を
加え、88〜94℃で6時間反応し、N−パルミチルア
スパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応
温度下に半固体状(ゴム状)であり、その5%水溶液の
pHは8.5であった。又、反応率は89.0%であっ
た。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水62.9g(最
終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加
え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸
化カリウム35.4g(0.6モル)を加えて、マレイ
ン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラ
リーにオレイルアミン157.2g(0.6モル)を加
え、86〜98℃で6時間反応し、N−オレイルアスパ
ラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度
下に半固体状(ゴム状)であり、その5%水溶液のpH
は7.9であった。又、反応率は88.2%であった。
8.1g(1モル)にイオン交換水84.4g(最終生
成物において含水率が19.3重量%となる)を加え、
1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カ
リウム59.1g(1モル)を加えて、マレイン酸カリ
ウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにヤ
シ油アルキルアミン195.0g(1モル)を加え、8
9〜95℃で6時間反応し、N−ヤシ油アルキルアスパ
ラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度
下に半固体状であり、その5%水溶液のpHは8.4で
あった。又、反応率は91.7%であった。
9.4g(0.3モル)にイオン交換水203.0g
(最終生成物において含水率が67.6重量%となる)
を加え、30分間撹拌して水和した。次いで、水冷しつ
つ水酸化ナトリウム12.1g(0.3モル)を加え
て、マレイン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーと
した。該スラリーにラウリルアミン55.6g(0.3
モル)を加えて、80〜93℃で6時間反応し、N−ラ
ウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生
成物は反応温度下に流動性のある乳濁状物であり、その
10%水溶液のpHは7.1であった。又、反応率は6
4.9%であった。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水105.7g
(最終生成物において含水率が35.2重量%となる)
を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ
水酸化ナトリウム24.2g(0.6モル)を加えて、
マレイン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーとし
た。該スラリーにラウリルアミン111.2g(0.6
モル)を加えて、82〜95℃で6時間反応し、N−ラ
ウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生
成物は反応温度下に半透明の高粘度液体であり、その5
%水溶液のpHは6.6であった。又、反応率は83.
2%であった。
8.1g(1モル)にイオン交換水76.0g(最終生
成物において含水率が19.0重量%となる)を加え、
1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナ
トリウム40.4g(1モル)を加えて、マレイン酸ナ
トリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリー
にラウリルアミン185.4g(1モル)を加えて、9
0〜92℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン
酸一ナトリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に
半固体であり、その5%水溶液のpHは6.7であっ
た。又、反応率は89.0%であった。
酸又はその塩に対する長鎖脂肪族第一級アミンの付加反
応が実質的に進行すること、反応系の溶媒含量(この場
合は水分含量)が低下するにつれ高反応率が得られるこ
と、各種長鎖アルキル(又はアルケニル)アスパラギン
酸塩類(中和率50%)がほぼ中性領域のpHを示すこ
とが明白である。
8.1g(1モル)にイオン交換水74.2gを加え、
1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カ
リウム59.1g(1モル)を加えて、マレイン酸カリ
ウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーを加
熱して、系より水を完全に減圧留去した後、n−ブタノ
ール137g(最終生成物において、n−ブタノール含
量28.6%となる)及びラウリルアミン185.4g
(1モル)を加え、118〜120℃で2時間反応し、
N−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。
粗生成物は反応温度下に流動性があり、その5%水溶液
のpHは8.2であった。又、反応率は93.1%であ
った。
8.1g(1モル)にイオン交換水74.2g(最終生
成物において含水率が15.1重量%となる)を加え、
1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カ
リウム59.1g(1モル)を加えて、マレイン酸カリ
ウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにn
−ブタノール74.2g(最終生成物において、n−ブ
タノール含量15.1%となる)及びラウリルアミン1
85.4g(1モル)を加え、90〜103℃で2時間
反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩を合
成した。粗生成物は反応温度下に流動性があり、その5
%水溶液のpHは8.0であった。又、反応率は89.
4%であった。この場合、更に反応を2時間継続したと
ころ、反応率は93.7%に達した。
8.6g(0.7モル)にイオン交換水50.0gを加
え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつトリ
エタノールアミン104.4g(99%品、0.7モ
ル)を加えてマレイン酸トリエタノールアンモニウム
(中和率50%)溶液とした。該溶液を加熱して、系よ
り水を完全に減圧留去した後、エタノール35.0g
(99.5%品、最終生成物において、エタノール含量
10.0重量%となる)及びラウリルアミン129.8
g(0.7モル)を加え、90〜95℃で4時間反応
し、N−ラウリルアスパラギン酸一トリエタノールアン
モニウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に低粘度
液状であり、その5%水溶液のpHは6.7であった。
又、反応率は82.0%であった。
て水と親和性を示す有機溶剤を用いたり又は水と該有機
溶剤を併用することで、水を溶媒とする実施例2及び実
施例4と比べて反応系の流動性が改善され、結果的に短
時間で同水準の反応率が得られることがわかる。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水117.8g
(最終生成物において含水率が38.0重量%となる)
を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ
水酸化ナトリウム36.4g(0.9モル)を加えて、
マレイン酸ナトリウム(中和率75%)溶液とした。該
溶液にラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加
えて、90〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアス
パラギン酸ナトリウム塩(中和率75%)を合成した。
粗生成物は反応温度下に高粘度液体であり、その5%水
溶液のpHは10.7であった。又、反応率は50.6
%であった。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水117.8g
(最終生成物において含水率が37.5重量%となる)
を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水酸化ナト
リウム12.1g(0.3モル)を加えて、マレイン酸
ナトリウム(中和率25%)溶液とした。該溶液にラウ
リルアミン111.2g(0.6モル)を加えて、90
〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸
ナトリウム塩(中和率25%)を合成した。粗生成物は
反応温度下に高粘度半透明液体であり、その5%水溶液
のpHは5.0であった。又、反応率は63.8%であ
った。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水381.4g
(最終生成物において含水率が65.4重量%となる)
を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ
水酸化ナトリウム48.5g(1.2モル)を加えて、
マレイン酸二ナトリウム溶液とした。該溶液にラウリル
アミン111.2g(0.6モル)を加えて、85〜9
3℃で4時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸二ナ
トリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に高粘度
白色液体であり、その10%水溶液のpHは11.1で
あった。又、反応率は10.9%であった。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水129.9g
(最終生成物において含水率が39.7重量%となる)
を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、ラウリルア
ミン111.2g(0.6モル)を加えて、88〜98
℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸を合成
した。粗生成物は反応温度下に低粘度液体であり、その
5%水溶液のpHは2.5であった。又、反応率は2
8.3%であった。
8.8g(0.6モル)にイオン交換水55.2g(最
終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加
え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸
化ナトリウム24.2g(0.6モル)を加えて、マレ
イン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーとした。該
スラリーにN−(2−ヒドロキシエチル)−N−ラウリ
ルアミン137.6g(0.6モル)を加えて、95〜
99℃で6時間反応し、N−ヒドロキシエチル−N−ラ
ウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生
成物は反応温度下に高粘度液体であり、その5%水溶液
のpHは6.4であった。又、反応率は25.7%であ
った。
ウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気後徐々
に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で含水率
1.3重量%まで減圧脱水した。この間著しい発泡現象
は起こらず、吸湿性のある塊状固体としてN−オレイル
アスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物を得た。本乾燥
粗物は、アルカリ性下での石油エーテル可溶物5.2重
量%(オレイルアミン3.9重量%、非アミン性物質
1.3重量%よりなる)を含有し、計算上のN−オレイ
ルアスパラギン酸一カリウム塩の純度は91.2重量%
であった。
一カリウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気
後徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で
含水率1.5重量%まで減圧脱水した。この間著しい発
泡現象は起こらず、主として粉体からなる固体としてN
−ヤシ油アルキルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗
物を得た。本乾燥粗物は、アルカリ性下での石油エーテ
ル可溶物3.4重量%(ヤシ油アルキルアミン2.8重
量%、非アミン性物質0.6重量%よりなる)を含有
し、計算上のN−ヤシ油アルキルアスパラギン酸一カリ
ウム塩の純度は92.8重量%であった。又、本乾燥粗
物のロス・マイルス法による起泡力は、直後210mm
以上、5分後170mm以上と優れた値を示した。
トリウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気後
徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で含
水率1.2重量%まで減圧脱水した。この間著しい発泡
現象は起こらず、主として粉体からなる固体としてN−
ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩の乾燥粗物を得
た。本乾燥粗物は、アルカリ性下での石油エーテル可溶
物5.6重量%(ラウリルアミン4.9重量%、非アミ
ン性物質0.7重量%よりなる)を含有し、計算上のN
−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩の純度は8
9.5重量%であった。又、本乾燥粗物のロス・マイル
ス法による起泡力は、直後210mm以上、5分後17
0mm以上と優れた値を示した。
リウム塩の粗生成物に対し、更に4時間反応を継続(総
反応時間8時間)した後、そのまま反応容器内で脱気後
徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃でn
−ブタノール臭がしなくなるまで反応溶媒を減圧留去し
た。この間著しい発泡現象は起こらず、主として粉体か
らなる固体としてN−ラウリルアスパラギン酸一カリウ
ム塩の乾燥粗物を得た。本乾燥粗物は、水分0.6重量
%、アルカリ性下での石油エーテル可溶物2.9重量%
(ラウリルアミン2.6重量%、非アミン性物質0.3
重量%よりなる)を含有し、計算上のN−ラウリルアス
パラギン酸一カリウム塩の純度は94.3重量%であっ
た。
リウム塩の乾燥粗物(残存ラウリルアミン含量2.6重
量%)を乳鉢で微粉状に粉砕したもの30gを、エタノ
ール(99.5%品)150g(N−ラウリルアスパラ
ギン酸一カリウム塩に対し5重量倍)と共に冷却管を付
けた300mL三角フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇
温し、1時間加熱還流した。電磁攪拌したまま室温まで
徐冷し、不溶性固体をブッフナーロートで吸引ろ過し
た。これを60℃で減圧乾燥してN−ラウリルアスパラ
ギン酸一カリウム塩の精製物を得た。その歩留まり、残
存アミン含量、pHを表1に示す。又、本精製物のロス
・マイルス法による起泡力は、直後210mm以上、5
分後170mm以上と優れた値を示した。
機溶剤を用いた以外は、実施例24と同様にしてN−ラ
ウリルアスパラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。そ
の歩留まり、残存アミン含量、pHを表1に示す。
リウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気後徐
々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で含水
率1.3重量%まで減圧脱水し、N−パルミチルアスパ
ラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物を得た。得られた乾燥
粗物中の残存パルミチルアミン含量は6.2重量%、5
%水溶液のpHは9.0であった。これを乳鉢で微粉状
に粉砕したもの30gを、エタノール(99.5%品)
150g(N−パルミチルアスパラギン酸一カリウム塩
に対し5重量倍)と共に冷却管を付けた300mL三角
フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇温し、1時間加熱還
流した。電磁攪拌したまま室温まで徐冷し、不溶性固体
をブッフナーロートで吸引ろ過した。これを60℃で減
圧乾燥してN−パルミチルアスパラギン酸一カリウム塩
の精製物を得た。得られた精製物の歩留まりは86.0
%、残存アミン含量1.14%、5%水溶液のpHは
7.5であった。本品につき再度5重量倍のエタノール
(99.5%品)で精製したところ、第二次精製物の歩
留まりは95.7%(通算82.3%)、残存アミン含
量は0.20%、5%水溶液のpHは7.6であった。
リウム塩の乾燥粗物(残存オレイルアミン含量3.9重
量%)を乳鉢で微粉状に粉砕したもの30gを、エタノ
ール(99.5%品)150g(N−オレイルアスパラ
ギン酸一カリウム塩に対し5重量倍)と共に冷却管を付
けた300mL三角フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇
温し、1時間加熱還流した。電磁攪拌したまま室温まで
徐冷し、不溶性固体をブッフナーロートで吸引ろ過し
た。これを60℃で減圧乾燥してN−オレイルアスパラ
ギン酸一カリウム塩の精製物を得た。その歩留まり、残
存アミン含量、pHを表2に示す。
た以外は、実施例32と同様にしてN−オレイルアスパ
ラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。その歩留まり、
残存アミン含量、pHを表2に示す。又、本精製物のロ
ス・マイルス法による起泡力は、直後210mm以上、
5分後170mm以上と優れた値を示した。
リウム塩の乾燥粗物(残存オレイルアミン含量3.9重
量%)を乳鉢で微粉状に粉砕したもの30gを、エタノ
ール(99.5%品)120g(N−オレイルアスパラ
ギン酸一カリウム塩に対し4重量倍)と共に冷却管を付
けた300mL三角フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇
温し、1時間加熱還流した後、室温まで徐冷した。静置
により不溶物を沈降させ、上澄液をデカンテーションに
より抜き出した。新たにエタノール(99.5%品)1
02g(当初の乾燥粗物に対して3.4重量倍)を加え
て再度1時間加熱還流し、次いで攪拌したまま室温まで
徐冷し、不溶性固体をブッフナーロートで吸引ろ過し
た。これを60℃で減圧乾燥してN−オレイルアスパラ
ギン酸一カリウム塩の精製物を得た。通算歩留まりは7
9.1%、残存アミン含量は1.08%、5%水溶液の
pHは9.2であった。
ンの種類を問わず、ほぼ中性領域のpHを示し、起泡性
にも優れたN−置換アスパラギン酸又はその塩を、少な
い工程数で、且つ高濃度で製造することが可能となっ
た。しかも、本発明によれば高濃度で製造する為、反応
粗生成物からの反応溶媒の除去が容易であり、得られる
乾燥粗物は固体となるため、輸送面での経済的効果も高
い。又、必要に応じてなされる乾燥粗物の精製も可能と
なった。
Claims (12)
- 【請求項1】 一般式(1) [式中、R1は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基又はアルケニル基を示し、R2は水素原子又は水
酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアル
キル基を示す。]で表される長鎖脂肪族アミンと一般式
(2) M1OCOCH=CHCOOM2 (2) [式中、M1、M2は同一又は異なって、水素原子、ア
ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニ
ウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す。]で表
されるマレイン酸又はその塩とを溶媒中で付加反応させ
ることを特徴とする一般式(3) [式中、R1、R2、M1、M2は前記のとおりであ
る。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の
製造方法。 - 【請求項2】 溶媒が、水又は水と親和性を示す有機溶
剤又は両者の混合物である請求項1に記載のN−置換ア
スパラギン酸又はその塩の製造方法。 - 【請求項3】 溶媒の使用量が、反応系全体の5〜90
重量%である請求項1に記載のN−置換アスパラギン酸
又はその塩の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(2)のM1、M2が、水素原子
及び、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンから選ば
れる水素原子以外のイオンの1種又は2種以上とからな
り、M1、M 2における水素原子(A)と水素原子以外
のイオン(B)との当量比が、A/B=3/1〜1/3
である請求項1に記載のN−置換アスパラギン酸又はそ
の塩の製造方法。 - 【請求項5】 付加反応後、反応系から脱溶媒すること
により、生成したN−置換アスパラギン酸又はその塩を
固体状で得ることを特徴とする請求項1に記載のN−置
換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。 - 【請求項6】 一般式(1) [式中、R1は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基又はアルケニル基を示し、R2は水素原子又は水
酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアル
キル基を示す。]で表される長鎖脂肪族アミンと一般式
(2) M1OCOCH=CHCOOM2 (2) [式中、M1、M2は同一又は異なって、水素原子、ア
ルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニ
ウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す。]で表
されるマレイン酸又はその塩とを溶媒中で付加反応さ
せ、得られたN−置換アスパラギン酸又はその塩を有機
溶剤で洗浄することを特徴とする、一般式(3) [式中、R1、R2、M1、M2は前記のとおりであ
る。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の
製造方法。 - 【請求項7】 反応に用いる溶媒が、水又は水と親和性
を示す有機溶剤又は両者の混合物である、請求項6に記
載のN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。 - 【請求項8】 反応に用いる溶媒の使用量が、反応系全
体の5〜90重量%である、請求項6に記載のN−置換
アスパラギン酸又はその塩の製造方法。 - 【請求項9】 一般式(2)のM1、M2が、水素原子
及び、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンから選ば
れる水素原子以外のイオンの1種又は2種以上とからな
り、M1、M 2における水素原子(A)と水素原子以外
のイオン(B)との当量比が、A/B=3/1〜1/3
である、請求項6に記載のN−置換アスパラギン酸又は
その塩の製造方法。 - 【請求項10】 洗浄時の有機溶剤がアルコール系溶
剤、脂肪族又は脂環式ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、
脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶
剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤から選ばれた1種又は2
種以上である、請求項6に記載のN−置換アスパラギン
酸又はその塩の製造方法。 - 【請求項11】 付加反応後、反応系から脱溶媒するこ
とにより固体状で得たN−置換アスパラギン酸又はその
塩を、有機溶剤で洗浄することを特徴とする請求項6に
記載のN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。 - 【請求項12】 残存する未反応の長鎖脂肪族アミンの
含有量が2.0重量%以下である、一般式(3) [式中、R1は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基又はアルケニル基を示し、R2は水素原子又は水
酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアル
キル基を示す。M1、M2は同一又は異なって、水素原
子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ア
ンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示
す。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩。
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JP23827299A JP4370641B2 (ja) | 1998-08-26 | 1999-08-25 | N−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法 |
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JP10-239855 | 1998-08-26 | ||
JP23827299A JP4370641B2 (ja) | 1998-08-26 | 1999-08-25 | N−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法 |
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ID=26533618
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JP23827299A Expired - Lifetime JP4370641B2 (ja) | 1998-08-26 | 1999-08-25 | N−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005046878A3 (en) * | 2003-11-13 | 2005-07-21 | Akzo Nobel Nv | Use of a derivative of aspartic acid as a collector in froth flotation processes |
CN111517970A (zh) * | 2020-05-22 | 2020-08-11 | 安徽安力肽生物科技有限公司 | 一种l-天门冬氨酸钠一水物制备方法 |
-
1999
- 1999-08-25 JP JP23827299A patent/JP4370641B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2005046878A3 (en) * | 2003-11-13 | 2005-07-21 | Akzo Nobel Nv | Use of a derivative of aspartic acid as a collector in froth flotation processes |
US7954643B2 (en) | 2003-11-13 | 2011-06-07 | Akzo Nobel N.V. | Use of a derivative of aspartic acid as a collector in froth flotation processes |
CN111517970A (zh) * | 2020-05-22 | 2020-08-11 | 安徽安力肽生物科技有限公司 | 一种l-天门冬氨酸钠一水物制备方法 |
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