JP4370641B2 - N−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法 - Google Patents

N−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、N−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法に関し、より詳しくは界面活性剤として有用なN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
N−置換アスパラギン酸又はその塩は、アミノ酸型の両性界面活性剤であり、親油基の鎖長、カルボキシル基の中和率及び中和塩基を選択することにより優れた界面活性を示す。
【0003】
従来、N−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法として、一級アミンとマレイン酸エステルとのマイケル型付加反応が知られている(特開平5−140059号)。この方法では、まずN−置換アスパラギン酸ジエステルが得られるため、エステル結合をエステル基に対し当モル以上のアルカリ物質(アルカリ金属水酸化物)を用いて加水分解するが、このときの生成物はN−置換アスパラギン酸の二アルカリ金属塩であり、pHが高く、臨界ミセル濃度も高くなる。従って、中性領域に近いpHを示し、臨界ミセル濃度もより低い、真に優れた界面活性を示すN−置換アスパラギン酸又はその塩を得るには、更にカルボキシル基の中和率を適当な酸性物質を用いて調整したり、対イオン交換を施す必要がある。しかも、この一連の操作中に、原料のマレイン酸エステルを構成していた低級アルコールや無機塩類が反応当量副生するため、これらを除去する必要があるが、工程が複雑となり、従って、工業的に純度が高く、pHや臨界ミセル濃度の面でも問題のない真に優れた界面活性を示すN−置換アスパラギン酸又はその塩を得ることは容易ではない。
【0004】
又、前記の方法で得られたN−置換アスパラギン酸又はその塩には、皮膚刺激の原因となり得る未反応の一級アミンが残存すると考えられる。一般に脂肪族アミン類を原料とする界面活性剤には、両性界面活性剤や半極性界面活性剤、陽イオン界面活性剤等種々あり、これらは通常、両性化剤、酸化剤、4級化剤を10%以下の過剰率で用いることで、比較的容易に未反応アミン含量を対有効成分2%以下にまで低減することができる。しかしながら、N−置換アスパラギン酸又はその塩を製造する際の未反応アミンを除去する方法については、何ら提案されていない。
【0005】
従来より、アルキルベタイン型両性界面活性剤中の未反応脂肪族アミンを抽出し定量する分析方法が実施されており、これの準用による未反応アミンの抽出除去が考えられる。即ち、N−置換アスパラギン酸又はその塩を水に溶解し、アルカリ金属水酸化物でカルボキシル基を全中和した後、エタノール等の乳化防止剤の共存下に石油エーテル等の低沸点炭化水素類やジエチルエーテルを用いて未反応の長鎖脂肪族アミンを抽出除去することも不可能ではない。しかし、この方法によると、目的とするN−置換アスパラギン酸又はその塩はもはや二アルカリ金属塩のエタノール含有水溶液になっており、前述の如く優れた界面活性を有する目的物を得るためには更なる処理が必要となり、N−置換アスパラギン酸又はその塩の精製物を得るのは容易ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、中性領域に近いpHを示し、臨界ミセル濃度もより低い真に界面活性に優れたN−置換アスパラギン酸又はその塩を、実質的に低級アルコールや無機塩類からなる副生物を伴うことなく、少ない工程数で高濃度且つ高純度で製造するための新規有用な方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の条件下に、特定の長鎖脂肪族アミンとマレイン酸又はその塩を直接反応させることにより、少ない工程数で目的とするN−置換アスパラギン酸又はその塩が得られること、更に、残存する未反応の長鎖脂肪族アミンを特定の有機溶剤で抽出除去することにより、容易にN−置換アスパラギン酸又はその塩の精製物が得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、一般式(1)
Figure 0004370641
[式中、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは水素原子又は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアルキル基を示す。]
で表される長鎖脂肪族アミンと一般式(2)
OCOCH=CHCOOM (2)
[式中、M、Mは同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す。]
で表されるマレイン酸又はその塩とを溶媒中で付加反応させることを特徴とする、一般式(3)
Figure 0004370641
[式中、R、R、M、Mは前記のとおりである。]
で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法を提供する。
【0009】
又、本発明は、一般式(1)
Figure 0004370641
[式中、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは水素原子又は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアルキル基を示す。]
で表される長鎖脂肪族アミンと一般式(2)
OCOCH=CHCOOM (2)
[式中、M、Mは同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す。]
で表されるマレイン酸又はその塩とを溶媒中で付加反応させ、得られたN−置換アスパラギン酸又はその塩を有機溶剤で洗浄することを特徴とする、一般式(3)
Figure 0004370641
[式中、R、R、M、Mは前記のとおりである。]
で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法を提供する。
【0010】
更に、本発明は、残存する未反応の長鎖脂肪族アミンの含有量が2.0重量%以下である、一般式(3)
Figure 0004370641
[式中、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは水素原子又は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアルキル基を示す。M、Mは同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンを示す。]
で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
一般式(1)で表される長鎖脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミンを用いることが可能であり、第一級アミンとしては、炭素数8〜22の直鎖又は分枝鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物が挙げられ、具体的にはオクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、イソステアリルアミン、オレイルアミン、ベヘニルアミン、ヤシ油アルキルアミン、パーム核油アルキルアミン、パーム油アルキルアミン、牛脂アルキルアミン等が例示される。
【0012】
又、一般式(1)で表される長鎖脂肪族アミンの内、第二級アミンとしては、上記第一級アミンのアミノ基の水素原子の1つをメチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基で置換した第二級アミンが例示される。具体的には、N−メチルラウリルアミン、N−エチルラウリルアミン、N−プロピルラウリルアミン、N−ヒドロキシエチルラウリルアミン等が例示される。
【0013】
一般式(2)で表されるマレイン酸又はその塩としては、マレイン酸及びそのリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩類、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩類、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類、炭素数1〜4を有するアルキルアミン類、塩基性アミノ酸類等の有機アミンの塩類等が挙げられる。)が例示され、中でもマレイン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩等が夫々推奨される。
【0014】
一般式(2)で表されるマレイン酸又はその塩のM、Mは、水素原子及び、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンから選ばれる水素原子以外のイオンの両方からなるものの利用が好ましい。このとき、M、Mにおける水素原子と水素原子以外のイオンとの割合は、特に限定されないが、反応性及び一般式(3)で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩のpH、水溶性、界面活性の面から、当量比で水素原子/水素原子以外のイオン=3/1〜1/3(中和率で25〜75%)であることが望ましく、より好ましくは2/1〜1/2(中和率で33〜67%)である。
【0015】
尚、一般式(2)で表されるマレイン酸又はその塩は、マレイン酸を相当する塩基物質で中和して得るが、無水マレイン酸を所定量の水で水和し、マレイン酸とした後、相当する塩基物質を加えて中和することにより得てもよいし、無水マレイン酸、水、塩基物質を同時に混合しても調製することができる。
【0016】
一般式(3)で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩において、該化合物を構成する長鎖アルキル基(又はアルケニル基)としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、ベヘニル基、ヤシ油アルキル基、パーム核油アルキル基、パーム油アルキル基、牛脂アルキル基等が例示される。
【0017】
又、該化合物を構成する水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が例示される。
【0018】
更に該化合物を構成するM、Mとしては、水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、イソプロパノールアンモニウムイオン、炭素数1〜4を有するアルキルアンモニウムイオン、塩基性アミノ酸のアンモニウムイオン等が例示される。
【0019】
一般式(3)で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩のM、Mは、水素原子及び、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンから選ばれる水素原子以外のイオンの両方からなるものが好ましい。このとき、M、Mにおける水素原子と水素原子以外のイオンとの割合は特に限定されないが、一般式(2)で表されるマレイン酸又はその塩のM、Mにおける水素原子と水素原子以外のイオンとの割合に一致すべきものであり、当量比で水素原子/水素原子以外のイオン=3/1〜1/3(中和率で25〜75%)であることが望ましく、より好ましくは2/1〜1/2(中和率で33〜67%)である。
【0020】
尚、M、Mにおける水素原子と水素原子以外のイオンとの上記当量比で一般式(3)で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩を合成した後、更に該化合物の個別の用途分野での必要に応じて、該化合物の粗生成物の段階又は精製工程で塩基性物質又は酸性物質を適宜追加することで、上記割合が合成時と最終生成物間で異なっていても良い。
【0021】
一般式(1)で表される長鎖脂肪族アミンと一般式(2)で表されるマレイン酸又はその塩とのモル比は、特に限定されないが、反応終了時に未反応の長鎖脂肪族アミンが多く残存する場合は、皮膚刺激の原因になり得るため、長鎖脂肪族アミン1モルに対し好ましくはマレイン酸又はその塩を0.8〜1.20モル、好ましくは0.95〜1.10モルとするべきである。
【0022】
反応に用いられる溶媒としては、特に限定されないが、反応性、系の粘度低下能、価格、回収の容易さ、安全性面を総合的に判断して、水、水と親和性を示す有機溶剤又はそれらの混合物が推奨される。中でも、反応性を優先させる場合は、水と親和性を示す有機溶剤及びこれと水との混合物がより好ましい。
【0023】
水と親和性を示す有機溶剤として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の低級アルコール類が例示される。
【0024】
反応に用いられる溶媒の量は、特に限定されないが、反応系全体の5〜90重量%の範囲であることが好ましい。本反応は水系で反応した場合、溶媒としての水分含量が低いほど高反応率が得られる傾向がある上に、90重量%を越えて用いると目的物であるN−置換アスパラギン酸又はその塩の反応系における含有率が10重量%未満となり、経済効果が著しく低下する。5重量%未満では、有機溶剤を使用した場合でも反応初期より終期まで撹拌が著しく困難となり、特殊な混合装置が必要となる。又、溶媒を反応粗生成物から除去して目的物を固体状で得る場合には、当然溶媒量が少ないほど好ましく、特に溶媒が水である場合には、水分含量が低いほど脱水時の発泡が抑制されることから、5〜50重量%の範囲であることがより好ましい。
【0025】
反応温度としては、特に限定されないものの、通常、70〜130℃が推奨される。
【0026】
反応時間としては、特に限定されないものの、通常、2〜12時間が推奨され、反応の終点は未反応の長鎖脂肪族アミンの残存量によって判断される。
【0027】
反応雰囲気としては、特に限定されないが、例えば窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応を実施すれば、空気中で反応した場合より淡色の目的物を得ることができるため、好ましい。又、低沸点溶媒を用いて反応する際の温度を、必要に応じてより高く設定する目的で、密封系(加圧下)で反応を実施してもよい。
【0028】
本発明によって得られるN−置換アスパラギン酸又はその塩の粗生成物は、反応時に用いた溶媒の種類及びその量に応じて溶液状、ペースト状、ゲル状又は半固体状として得られるが、反応後の粗生成物から溶媒を除去することによって、固体状として得ることができる。尚、固体状としては、塊状、粒状、微粉状の夫々の形態が含まれる。
【0029】
反応に用いた溶媒の除去方法としては、特に限定されないが、噴霧乾燥法や反応容器中でそのまま常圧又は減圧下に加熱して溶媒を留去すると同時に撹拌をかけて固化又は粉体化する方法等が例示される。
【0030】
得られたN−置換アスパラギン酸又はその塩の反応粗生成物又は反応に用いた溶媒を除去して得られた固体状の乾燥粗物は、反応条件並びにアルキル基(又はアルケニル基)及び対イオンの種類によって異なるが、一般にその乾燥粗物の総重量に対し2.5〜6.5重量%程度の未反応の長鎖脂肪族アミンを含有している。これが皮膚刺激の原因となる可能性があり、残存する未反応の長鎖脂肪族アミンの含有量を2.0重量%以下にまで低減することが好ましい。
【0031】
本発明により得られたN−置換アスパラギン酸又はその塩は、その乾燥粗物を破砕した粒状〜微粉状物、又は、反応溶媒として有機溶剤を用いた場合は脱溶媒前の反応粗生成物を、有機溶剤で洗浄することにより、N−置換アスパラギン酸又はその塩を完全中和することなく、残存する未反応の長鎖脂肪族アミンを効率的に抽出除去することができる。又、この時、乾燥粗物又は反応粗生成物中に含まれる、反応副生成物の一種である有機溶剤に可溶な非アミン性物質の大半を同時に抽出除去することができる。
【0032】
洗浄に用いる有機溶剤の種類は、特に限定しないが、残存する長鎖脂肪族アミンの除去効率及び精製物の歩留まり面から、アルコール系溶剤、脂肪族又は脂環式ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤が例示される。
【0033】
これらの中でも、有機溶剤を含んだ精製物からの脱溶剤及び洗浄母液からの溶剤回収が必要であり、その難易の問題から、常圧下での沸点が30〜165℃の範囲にあるものが好ましい。具体的には、アルコール系溶剤ではメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等が例示される。脂肪族又は脂環式ケトン系溶剤ではアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が例示される。エーテル系溶剤ではジエチルエーテル、ジオキサン等が例示される。脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤ではn−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、石油エーテル等が例示される。芳香族炭化水素系溶剤ではベンゼン、トルエン、キシレン等が例示される。ハロゲン化炭化水素系溶剤では二塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等が例示される。これらの有機溶剤は、単独で使用しても、混合物で使用してもよい。これらの中でも、精製物の歩留まり、残存する未反応の長鎖脂肪族アミンの除去効率から、エタノール、ジエチルエーテル、アセトンがより好ましい。又、N−置換アスパラギン酸又はその塩の反応粗生成物を脱溶媒せずに洗浄する場合は、反応溶媒に用いた有機溶剤と洗浄時に加える有機溶剤とは、同一であることが好ましい。この場合、エタノールがより好ましい。
【0034】
洗浄に用いる有機溶剤の量は、特に限定しないが、生産性、残存する長鎖脂肪族アミンの除去効率及び精製物の歩留まり面から、N−置換アスパラギン酸又はその塩の乾燥粗物重量に対し、3〜8重量倍とするのが好ましい。尚、反応溶媒として有機溶剤を用い、反応終了後脱溶媒することなく更に有機溶剤を加えて洗浄する場合には、反応に用いた有機溶剤と洗浄時に加える有機溶剤との合計量が前記の範囲内であることが好ましい。
【0035】
洗浄時の温度は、特に限定しないが、残存する長鎖脂肪族アミンの除去効率面から20〜150℃が好ましく、また、工程管理上の面からは常圧下で実施するのがより好ましい。
【0036】
洗浄処理後の固/液分離の方法は特に限定せず、例えばろ過による分離方法、遠心分離による方法、デカンテーションによる分離方法が例示される。
【0037】
固/液分離時の温度は特に限定しないが、低温であるほど歩留まりが向上し、又N−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の如くアルケニル基を有し対イオンがカリウム塩であるものは、アルキル基を有し対イオンがナトリウムであるものに比べて、温溶剤中で粘着性を示すことから、0〜50℃であることが好ましい。
【0038】
固/液分離したN−置換アスパラギン酸又はその塩は、洗浄に用いた有機溶剤を含んでいるため、常圧下又は減圧下に加熱して有機溶剤を除去することにより精製物として得ることができる。
【0039】
残存する未反応の長鎖脂肪族アミンの含有量(以下、「残存アミン含量」という。)は、適切な条件を選ぶことにより、一般に一段の精製工程で2.0重量%以下に低減されるが、精製前の残存アミン含量が6.5重量%以上であったり、目標とする残存アミン含量をより低水準とする時には、必要に応じて2段以上繰り返すことも可能であり、その際は前段での有機溶剤除去処理を省略することもできる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、本発明における試験方法を以下に示す。
【0041】
反応率
反応粗生成物約5gをビーカーに精秤し、イオン交換水80mL及びエタノール40mLを加えて溶解し、水酸化カリウムでアルカリ性(指示薬:チモールフタレイン)とした。該試料液を分液ロートに移し、石油エーテル50mLで3回可溶物を抽出した。石油エーテルを留去し、該可溶物を定量するとともに、その全アミン価を測定した。反応率の算出式を以下に示す。
反応率(%)=100−[Sw×Sa×Tw/(Aw×Aa)]×100
ここで、夫々の略号は、次のとおりである。
Sw:分析対象物中の石油エーテル可溶物量(重量%)
Sa:石油エーテル可溶物の全アミン価
Aa:原料アミンの全アミン価
Aw:原料アミンの使用量(g)
Tw:溶媒を含んだ全仕込量(g)
【0042】
純度
反応粗生成物を脱溶媒して得た乾燥粗物約5gをビーカーに精秤し、イオン交換水80mL及びエタノール40mLを加えて溶解し、水酸化カリウムでアルカリ性(指示薬:チモールフタレイン)とした。該試料液を分液ロートに移し、石油エーテル50mLで3回可溶物を抽出した。石油エーテルを留去し、該可溶物を定量するとともに、その全アミン価を測定した。純度の算出式を以下に示す。
純度(%)=100−(Sw+Mw+Ww)
ここで、夫々の略号は、次のとおりである。
Sw:分析対象物中の石油エーテル可溶物量(重量%)
Mw:分析対象物中の残存マレイン酸塩含量(重量%)
Ww:分析対象物中の水分含量(重量%)
尚、残存マレイン酸塩含量は、未反応アミンと同一モル存在すると仮定して下式により推算した。
Mw=Sw×Sa×MMW/(Aa×AMW
ここで、夫々の略号は、次のとおりである。
Sa:石油エーテル可溶物の全アミン価
Aa:原料アミンの全アミン価
MW:マレイン酸塩の分子量
MW:原料アミンの分子量
【0043】
反応粗生成物、その乾燥粗物又はそれらの精製物の残存アミン含量
分析対象物約5gをビーカーに精秤し、イオン交換水80mL及びエタノール40mLを加えて溶解し、水酸化カリウムでアルカリ性(指示薬:チモールフタレイン)とした。該試料液を分液ロートに移し、石油エーテル50mLで3回可溶物を抽出した。石油エーテルを留去し、該可溶物を定量するとともに、その全アミン価を測定した。分析対象物中の残存アミン含量の算出式を以下に示す。
残存アミン含量(重量%)=Sw×Sa/Aa
ここで、夫々の略号は、次のとおりである。
Sw:分析対象物中の石油エーテル可溶物量(重量%)
Sa:石油エーテル可溶物の全アミン価
Aa:原料アミンの全アミン価
【0044】
起泡力
試料2gをイオン交換水1kgに溶解し、pH8.0、温度25℃に調整してロス・マイルス法により測定した。
【0045】
実施例1
温度計、冷却管及び撹拌機を備えた1リットルの4つ口フラスコに仕込んだ無水マレイン酸98.1g(1モル)にイオン交換水71.3g(最終生成物において含水率が19.5重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム40.4g(1モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにデシルアミン155.7g(1モル)を加え、85〜95℃で4時間反応し、N−デシルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半固体状であり、その5%水溶液のpHは8.3であった。又、反応率は91.6%であった。
【0046】
実施例2
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水44.5g(最終生成物において含水率が17.8重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで水冷しつつ水酸化カリウム35.4g(0.6モル)を加えて、マレイン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加え、90〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半固体状であり、その5%水溶液のpHは7.7であった。又、反応率は93.0%であった。
【0047】
実施例3
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸98.1g(1モル)にイオン交換水53.8g(最終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつアンモニア水60.8g(28%品、1モル)を加えて、マレイン酸アンモニウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにラウリルアミン185.4g(1モル)を加え、90〜97℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一アンモニウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下にホイップクリーム状であり、その5%水溶液のpHは6.0であった。又、反応率は84.5%であった。
【0048】
実施例4
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸68.6g(0.7モル)にイオン交換水91.5g(最終生成物において含水率が20.0%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつトリエタノールアミン104.4g(99%品、0.7モル)を加えて、マレイン酸トリエタノールアンモニウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにラウリルアミン129.8g(0.7モル)を加え、90〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一トリエタノールアンモニウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に流動性があり、その5%水溶液のpHは7.1であった。又、反応率は82.9%であった。
【0049】
実施例5
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水55.9g(最終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カリウム35.4g(0.6モル)を加えて、マレイン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにミリスチルアミン129.1g(0.6モル)を加え、80〜88℃で6時間反応し、N−ミリスチルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半固体状であり、その5%水溶液のpHは8.3であった。又、反応率は86.4%であった。
【0050】
実施例6
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸68.6g(0.7モル)にイオン交換水69.9g(最終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カリウム41.3g(0.7モル)を加えて、マレイン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにパルミチルアミン169.5g(0.7モル)を加え、88〜94℃で6時間反応し、N−パルミチルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半固体状(ゴム状)であり、その5%水溶液のpHは8.5であった。又、反応率は89.0%であった。
【0051】
実施例7
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水62.9g(最終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カリウム35.4g(0.6モル)を加えて、マレイン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにオレイルアミン157.2g(0.6モル)を加え、86〜98℃で6時間反応し、N−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半固体状(ゴム状)であり、その5%水溶液のpHは7.9であった。又、反応率は88.2%であった。
【0052】
実施例8
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸98.1g(1モル)にイオン交換水84.4g(最終生成物において含水率が19.3重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カリウム59.1g(1モル)を加えて、マレイン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにヤシ油アルキルアミン195.0g(1モル)を加え、89〜95℃で6時間反応し、N−ヤシ油アルキルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半固体状であり、その5%水溶液のpHは8.4であった。又、反応率は91.7%であった。
【0053】
実施例9
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸29.4g(0.3モル)にイオン交換水203.0g(最終生成物において含水率が67.6重量%となる)を加え、30分間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム12.1g(0.3モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにラウリルアミン55.6g(0.3モル)を加えて、80〜93℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に流動性のある乳濁状物であり、その10%水溶液のpHは7.1であった。又、反応率は64.9%であった。
【0054】
実施例10
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水105.7g(最終生成物において含水率が35.2重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム24.2g(0.6モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加えて、82〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半透明の高粘度液体であり、その5%水溶液のpHは6.6であった。又、反応率は83.2%であった。
【0055】
実施例11
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸98.1g(1モル)にイオン交換水76.0g(最終生成物において含水率が19.0重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム40.4g(1モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにラウリルアミン185.4g(1モル)を加えて、90〜92℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に半固体であり、その5%水溶液のpHは6.7であった。又、反応率は89.0%であった。
【0056】
実施例1〜11により、溶媒中でマレイン酸又はその塩に対する長鎖脂肪族第一級アミンの付加反応が実質的に進行すること、反応系の溶媒含量(この場合は水分含量)が低下するにつれ高反応率が得られること、各種長鎖アルキル(又はアルケニル)アスパラギン酸塩類(中和率50%)がほぼ中性領域のpHを示すことが明白である。
【0057】
実施例12
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸98.1g(1モル)にイオン交換水74.2gを加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カリウム59.1g(1モル)を加えて、マレイン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーを加熱して、系より水を完全に減圧留去した後、n−ブタノール137g(最終生成物において、n−ブタノール含量28.6%となる)及びラウリルアミン185.4g(1モル)を加え、118〜120℃で2時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に流動性があり、その5%水溶液のpHは8.2であった。又、反応率は93.1%であった。
【0058】
実施例13
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸98.1g(1モル)にイオン交換水74.2g(最終生成物において含水率が15.1重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化カリウム59.1g(1モル)を加えて、マレイン酸カリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにn−ブタノール74.2g(最終生成物において、n−ブタノール含量15.1%となる)及びラウリルアミン185.4g(1モル)を加え、90〜103℃で2時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に流動性があり、その5%水溶液のpHは8.0であった。又、反応率は89.4%であった。この場合、更に反応を2時間継続したところ、反応率は93.7%に達した。
【0059】
実施例14
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸68.6g(0.7モル)にイオン交換水50.0gを加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつトリエタノールアミン104.4g(99%品、0.7モル)を加えてマレイン酸トリエタノールアンモニウム(中和率50%)溶液とした。該溶液を加熱して、系より水を完全に減圧留去した後、エタノール35.0g(99.5%品、最終生成物において、エタノール含量10.0重量%となる)及びラウリルアミン129.8g(0.7モル)を加え、90〜95℃で4時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸一トリエタノールアンモニウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に低粘度液状であり、その5%水溶液のpHは6.7であった。又、反応率は82.0%であった。
【0060】
実施例12〜14において、反応溶媒として水と親和性を示す有機溶剤を用いたり又は水と該有機溶剤を併用することで、水を溶媒とする実施例2及び実施例4と比べて反応系の流動性が改善され、結果的に短時間で同水準の反応率が得られることがわかる。
【0061】
実施例15
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水117.8g(最終生成物において含水率が38.0重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム36.4g(0.9モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和率75%)溶液とした。該溶液にラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加えて、90〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸ナトリウム塩(中和率75%)を合成した。粗生成物は反応温度下に高粘度液体であり、その5%水溶液のpHは10.7であった。又、反応率は50.6%であった。
【0062】
実施例16
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水117.8g(最終生成物において含水率が37.5重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水酸化ナトリウム12.1g(0.3モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和率25%)溶液とした。該溶液にラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加えて、90〜95℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸ナトリウム塩(中和率25%)を合成した。粗生成物は反応温度下に高粘度半透明液体であり、その5%水溶液のpHは5.0であった。又、反応率は63.8%であった。
【0063】
実施例17
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水381.4g(最終生成物において含水率が65.4重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム48.5g(1.2モル)を加えて、マレイン酸二ナトリウム溶液とした。該溶液にラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加えて、85〜93℃で4時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸二ナトリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に高粘度白色液体であり、その10%水溶液のpHは11.1であった。又、反応率は10.9%であった。
【0064】
実施例18
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水129.9g(最終生成物において含水率が39.7重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、ラウリルアミン111.2g(0.6モル)を加えて、88〜98℃で6時間反応し、N−ラウリルアスパラギン酸を合成した。粗生成物は反応温度下に低粘度液体であり、その5%水溶液のpHは2.5であった。又、反応率は28.3%であった。
【0065】
実施例19
実施例1と同様の反応器に仕込んだ無水マレイン酸58.8g(0.6モル)にイオン交換水55.2g(最終生成物において含水率が20.0重量%となる)を加え、1時間撹拌して水和した。次いで、水冷しつつ水酸化ナトリウム24.2g(0.6モル)を加えて、マレイン酸ナトリウム(中和率50%)スラリーとした。該スラリーにN−(2−ヒドロキシエチル)−N−ラウリルアミン137.6g(0.6モル)を加えて、95〜99℃で6時間反応し、N−ヒドロキシエチル−N−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩を合成した。粗生成物は反応温度下に高粘度液体であり、その5%水溶液のpHは6.4であった。又、反応率は25.7%であった。
【0066】
実施例20
実施例7で得られたN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気後徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で含水率1.3重量%まで減圧脱水した。この間著しい発泡現象は起こらず、吸湿性のある塊状固体としてN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物を得た。本乾燥粗物は、アルカリ性下での石油エーテル可溶物5.2重量%(オレイルアミン3.9重量%、非アミン性物質1.3重量%よりなる)を含有し、計算上のN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の純度は91.2重量%であった。
【0067】
実施例21
実施例8で得られたN−ヤシ油アルキルアスパラギン酸一カリウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気後徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で含水率1.5重量%まで減圧脱水した。この間著しい発泡現象は起こらず、主として粉体からなる固体としてN−ヤシ油アルキルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物を得た。本乾燥粗物は、アルカリ性下での石油エーテル可溶物3.4重量%(ヤシ油アルキルアミン2.8重量%、非アミン性物質0.6重量%よりなる)を含有し、計算上のN−ヤシ油アルキルアスパラギン酸一カリウム塩の純度は92.8重量%であった。又、本乾燥粗物のロス・マイルス法による起泡力は、直後210mm以上、5分後170mm以上と優れた値を示した。
【0068】
実施例22
実施例11で得られたN−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気後徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で含水率1.2重量%まで減圧脱水した。この間著しい発泡現象は起こらず、主として粉体からなる固体としてN−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩の乾燥粗物を得た。本乾燥粗物は、アルカリ性下での石油エーテル可溶物5.6重量%(ラウリルアミン4.9重量%、非アミン性物質0.7重量%よりなる)を含有し、計算上のN−ラウリルアスパラギン酸一ナトリウム塩の純度は89.5重量%であった。又、本乾燥粗物のロス・マイルス法による起泡力は、直後210mm以上、5分後170mm以上と優れた値を示した。
【0069】
実施例23
実施例13で得られたN−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩の粗生成物に対し、更に4時間反応を継続(総反応時間8時間)した後、そのまま反応容器内で脱気後徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃でn−ブタノール臭がしなくなるまで反応溶媒を減圧留去した。この間著しい発泡現象は起こらず、主として粉体からなる固体としてN−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物を得た。本乾燥粗物は、水分0.6重量%、アルカリ性下での石油エーテル可溶物2.9重量%(ラウリルアミン2.6重量%、非アミン性物質0.3重量%よりなる)を含有し、計算上のN−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩の純度は94.3重量%であった。
【0070】
実施例24
実施例23で得られたN−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物(残存ラウリルアミン含量2.6重量%)を乳鉢で微粉状に粉砕したもの30gを、エタノール(99.5%品)150g(N−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩に対し5重量倍)と共に冷却管を付けた300mL三角フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇温し、1時間加熱還流した。電磁攪拌したまま室温まで徐冷し、不溶性固体をブッフナーロートで吸引ろ過した。これを60℃で減圧乾燥してN−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。その歩留まり、残存アミン含量、pHを表1に示す。又、本精製物のロス・マイルス法による起泡力は、直後210mm以上、5分後170mm以上と優れた値を示した。
【0071】
実施例25〜30
エタノール(99.5%品)の代わりに表1に記載の有機溶剤を用いた以外は、実施例24と同様にしてN−ラウリルアスパラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。その歩留まり、残存アミン含量、pHを表1に示す。
【0072】
Figure 0004370641
【0073】
実施例31
実施例6で得られたN−パルミチルアスパラギン酸一カリウム塩の粗生成物を、そのまま反応容器内で脱気後徐々に減圧とし、温浴上で昇温し、最終的に95℃で含水率1.3重量%まで減圧脱水し、N−パルミチルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物を得た。得られた乾燥粗物中の残存パルミチルアミン含量は6.2重量%、5%水溶液のpHは9.0であった。これを乳鉢で微粉状に粉砕したもの30gを、エタノール(99.5%品)150g(N−パルミチルアスパラギン酸一カリウム塩に対し5重量倍)と共に冷却管を付けた300mL三角フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇温し、1時間加熱還流した。電磁攪拌したまま室温まで徐冷し、不溶性固体をブッフナーロートで吸引ろ過した。これを60℃で減圧乾燥してN−パルミチルアスパラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。得られた精製物の歩留まりは86.0%、残存アミン含量1.14%、5%水溶液のpHは7.5であった。本品につき再度5重量倍のエタノール(99.5%品)で精製したところ、第二次精製物の歩留まりは95.7%(通算82.3%)、残存アミン含量は0.20%、5%水溶液のpHは7.6であった。
【0074】
実施例32
実施例20で得られたN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物(残存オレイルアミン含量3.9重量%)を乳鉢で微粉状に粉砕したもの30gを、エタノール(99.5%品)150g(N−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩に対し5重量倍)と共に冷却管を付けた300mL三角フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇温し、1時間加熱還流した。電磁攪拌したまま室温まで徐冷し、不溶性固体をブッフナーロートで吸引ろ過した。これを60℃で減圧乾燥してN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。その歩留まり、残存アミン含量、pHを表2に示す。
【0075】
実施例33
エタノール(99.5%品)の代わりにアセトンを用いた以外は、実施例32と同様にしてN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。その歩留まり、残存アミン含量、pHを表2に示す。又、本精製物のロス・マイルス法による起泡力は、直後210mm以上、5分後170mm以上と優れた値を示した。
【0076】
Figure 0004370641
【0077】
実施例34
実施例20で得られたN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の乾燥粗物(残存オレイルアミン含量3.9重量%)を乳鉢で微粉状に粉砕したもの30gを、エタノール(99.5%品)120g(N−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩に対し4重量倍)と共に冷却管を付けた300mL三角フラスコに入れ、電磁攪拌しつつ昇温し、1時間加熱還流した後、室温まで徐冷した。静置により不溶物を沈降させ、上澄液をデカンテーションにより抜き出した。新たにエタノール(99.5%品)102g(当初の乾燥粗物に対して3.4重量倍)を加えて再度1時間加熱還流し、次いで攪拌したまま室温まで徐冷し、不溶性固体をブッフナーロートで吸引ろ過した。これを60℃で減圧乾燥してN−オレイルアスパラギン酸一カリウム塩の精製物を得た。通算歩留まりは79.1%、残存アミン含量は1.08%、5%水溶液のpHは9.2であった。
【0078】
【発明の効果】
本発明により、副生物を伴わず、対イオンの種類を問わず、ほぼ中性領域のpHを示し、起泡性にも優れたN−置換アスパラギン酸又はその塩を、少ない工程数で、且つ高濃度で製造することが可能となった。しかも、本発明によれば高濃度で製造する為、反応粗生成物からの反応溶媒の除去が容易であり、得られる乾燥粗物は固体となるため、輸送面での経済的効果も高い。又、必要に応じてなされる乾燥粗物の精製も可能となった。

Claims (6)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004370641
    [式中、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは水素原子又は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアルキル基を示す。]で表される長鎖脂肪族アミンと一般式(2)
    OCOCH=CHCOOM (2)
    [式中、M、Mは同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、イソプロパノールアンモニウムイオン、炭素数1〜4を有するアルキルアンモニウムイオン、塩基性アミノ酸のアンモニウムイオンを示す。]で表されるマレイン酸又はその塩とを水又は水と親和性を示す有機溶剤又は両者の混合物である溶媒中、70〜130℃の反応温度で付加反応させることを特徴とする一般式(3)
    Figure 0004370641
    [式中、R、R、M、Mは前記のとおりである。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。
  2. 溶媒の使用量が、反応系全体の5〜90重量%である請求項1に記載のN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。
  3. 付加反応後、反応後の粗生成物から溶媒を除去することにより、生成したN−置換アスパラギン酸又はその塩を固体状で得ることを特徴とする請求項1に記載のN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。
  4. 一般式(1)
    Figure 0004370641
    [式中、Rは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは水素原子又は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3を有するアルキル基を示す。]で表される長鎖脂肪族アミンと一般式(2)
    OCOCH=CHCOOM (2)
    [式中、M、Mは同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、イソプロパノールアンモニウムイオン、炭素数1〜4を有するアルキルアンモニウムイオン、塩基性アミノ酸のアンモニウムイオンを示す。]で表されるマレイン酸又はその塩とを水又は水と親和性を示す有機溶剤又は両者の混合物である溶媒中、70〜130℃の反応温度で付加反応させ、得られたN−置換アスパラギン酸又はその塩をメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジオキサン、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、二塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの1種又は2種以上を含有する溶媒で洗浄することを特徴とする、一般式(3)
    Figure 0004370641
    [式中、R、R、M、Mは前記のとおりである。]で表されるN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。
  5. 反応に用いる溶媒の使用量が、反応系全体の5〜90重量%である、請求項4に記載のN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。
  6. 付加反応後、反応後の粗生成物から溶媒を除去することにより固体状で得たN−置換アスパラギン酸又はその塩を、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ジオキサン、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、二塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの1種又は2種以上を含有する溶媒で洗浄することを特徴とする請求項4に記載のN−置換アスパラギン酸又はその塩の製造方法。
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