JP3255568B2 - N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法 - Google Patents

N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法

Info

Publication number
JP3255568B2
JP3255568B2 JP31024595A JP31024595A JP3255568B2 JP 3255568 B2 JP3255568 B2 JP 3255568B2 JP 31024595 A JP31024595 A JP 31024595A JP 31024595 A JP31024595 A JP 31024595A JP 3255568 B2 JP3255568 B2 JP 3255568B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
sulfate
linear
neutralizing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31024595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09143145A (ja
Inventor
正勝 高橋
洋泉 水島
武史 香春
明 藤生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP31024595A priority Critical patent/JP3255568B2/ja
Publication of JPH09143145A publication Critical patent/JPH09143145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3255568B2 publication Critical patent/JP3255568B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中和時の操作性を
改良するとともに中和時の硫酸エステルの加水分解を回
避した、N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル
塩の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
頭髪、身体、食器洗浄用等の各種洗浄剤として起泡性に
優れ、且つ安全性の高い界面活性剤としてN−アルキル
アミドアルカノール硫酸エステル塩が報告されている
(特開平7−267917号公報)。この活性剤はN−
アルキルアミドアルカノールを硫酸化した後中和剤で中
和して得られる。従来より、この様な硫酸エステルを中
和する場合、硫酸エステルを含む反応物を中和剤を含む
水溶液へ添加するのが一般的である。何故なら、硫酸エ
ステルの化学的性質として酸性水溶液に不安定であり、
中和工程においては終始アルカリ性にしておく必要があ
るからである。N−アルキルアミドアルカノール硫酸エ
ステルの中和においても、従来より、硫酸エステルを含
む反応物を中和剤を含む水溶液へ添加するのが一般的で
あった。しかし、この方法で行うと反応槽と中和槽の計
2つの処理槽が必要となり、設備上の負荷の原因とな
る。更に、反応槽と中和槽を結ぶライン内に反応物が閉
塞する場合があり、操作上の問題となっていた。
【0003】一方、硫酸化した反応物をブタノール等の
有機溶剤で抽出したのち、中和する方法が知られている
が(特開平7−267917号公報)、ブタノール及び
水の添加時に加溶媒分解が進行するため、収率が低下す
ると共に作業が煩雑になり、効率が悪く工業的な合成に
は適さない。
【0004】このため、中和時の操作性を改良するとと
もに、中和時の硫酸エステルの加水分解を回避する方法
が強く望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の現状
に鑑み、N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル
の中和工程において、操作性を改善して、かつ加水分解
を起こさない方法を鋭意検討した結果、硫酸化して得ら
れる反応物中にまず最初に中和剤又は中和剤を含む溶液
を添加して中和を行うことにより、上記目的を達成し得
ることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明
は、一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】〔式中、 R1:炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アル
ケニル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルキル基の炭
素数が8〜12のアルキルフェニル基を示す。 R2:水素原子、又は炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、又は
アルキル基の炭素数が8〜12のアルキルフェニル基を示
す。 R3:炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
す。 R4:炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
し、n個のR4は同一でも異なっていてもよい。 n:アルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜
50の任意の数である。〕で表されるN−アルキルアミド
アルカノールを硫酸化して硫酸エステルを得、これを中
和して、一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、 R1, R2, R3, R4, n:前記の意味を示す。 M :カチオンを示す。〕で表されるN−アルキルアミド
アルカノール硫酸エステル塩を製造するに際し、硫酸化
して得られる反応物中に、まず最初に中和剤又は中和剤
を含む溶液を添加して中和を行うことを特徴とする、N
−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方
法を提供するものである。
【0010】一般式(I)において、R1は炭素数6〜22
の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ヒドロ
キシアルキル基、又はアルキル基の炭素数8〜12のアル
キルフェニル基を示すが、具体的には、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基、、
エイコシル基、ドコシル基、オレイル基、2−エチルヘ
キシル基、12−ヒドロキシドデシル基、ノニルフェニル
基等が挙げられ、炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖の
アルキル基が起泡性の点で好ましく、特に炭素数8〜18
の直鎖アルキル基、更には炭素数10〜14の直鎖アルキル
基が好ましい。
【0011】R2は水素原子、又は炭素数1〜22の直鎖又
は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアル
キル基、又はアルキル基の炭素数8〜12のアルキルフェ
ニル基を示すが、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソブチル基、ヒドロキシエチル基の他、上
記のR1で例示した官能基が挙げられ、水素原子が起泡性
の面から好ましい。
【0012】R3は炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアル
キレン基を示すが、具体的には、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、カルボ
ニル連結部より-CH2CH(CH3)CH2CH2-で示される分岐鎖の
2−メチルブチレン基等が挙げられ、起泡性及び化学的
安定性の点でメチレン基、ペンチレン基、-CH2CH(CH3)C
H2CH2-で示される分岐鎖の2−メチルブチレン基が好ま
しく、特にメチレン基が好ましい。
【0013】R4は炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアル
キレン基を示すが、具体的には、エチレン基、分岐のプ
ロピレン基が挙げられる。nはアルキレンオキサイドの
平均付加モル数を示す0〜50の任意の数であるが、起泡
性、化学的安定性の面から0〜20の任意の数、特には0
が好ましい。
【0014】前記一般式(I)で表されるN−アルキル
アミドアルカノールの好ましい具体例としては、次の化
合物が挙げられる。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0018】本発明は、一般式(I)で表されるN−ア
ルキルアミドアルカノールを硫酸化剤で硫酸化して得ら
れる反応物中に、まず最初に中和剤又は中和剤を含む溶
液を添加して中和することにより、上記一般式(II)で
表されるN−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル
塩を得る方法であるが、本発明の製造方法の好ましい実
施態様を以下に示す。
【0019】本発明の硫酸化工程においては、反応器に
一般式(I)で表されるN−アルキルアミドアルカノー
ルと必要なら添加剤を仕込み、攪拌しながら硫酸化剤を
添加して、N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステ
ルを得る。本発明に用いられる硫酸化剤としては、クロ
ロスルホン酸、液体SO3 、SO3 ガス、発煙硫酸、濃硫
酸、スルファミン酸等が挙げられるが、反応収率の点で
クロロスルホン酸、液体SO3 、SO3 ガスが好ましく、ク
ロロスルホン酸が特に好ましい。
【0020】この硫酸化工程においては、一般式(I)
で表されるN−アルキルアミドアルカノールに対し、
0.8〜 1.5倍モルの硫酸化剤を用い、必要に応じて有機
溶媒を添加し、好ましくは−50〜150 ℃、更に好ましく
は−30〜120 ℃で0.5 〜24時間反応を行えば、対応する
硫酸エステル化物が得られる。
【0021】本発明において、有機溶剤を用いる場合に
は硫酸化剤と反応しない有機溶剤であれば何でも用いる
ことができる。また、一般式(I)で表されるN−アル
キルアミドアルカノールとの溶解性は全く関係ない。使
用可能な有機溶剤を例示すれば、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン等の有機塩素系溶
剤、パーフルオロヘキサン、パーフルオロデカリン、パ
ーフルオロトルエン等のフッ素系溶剤、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、蟻酸、酢
酸、吉草酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソステアリン
酸等のカルボン酸系溶剤、酢酸エチル、ラウリン酸メチ
ル、シュウ酸ジメチル等のエステル系溶剤、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極
性溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デ
カン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、オクタデ
カン、ドコサン、イソペンタン、2−メチルペンタン、
3−メチルペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン等の直鎖、
分岐鎖又は環状のアルカン等が挙げられる。中でも、安
全性、価格、工業的入手性等から、カルボン酸系溶剤、
直鎖、分岐鎖又は環状のアルカンが望ましく、除去のし
易さ等から直鎖、分岐鎖又は環状のアルカンがより好ま
しく、特には、ヘキサン、デカン、シクロヘキサン等の
炭素数6〜10の直鎖、分岐鎖又は環状のアルカンが好ま
しく、工業的利用には特にヘキサンが好ましい。
【0022】有機溶剤の使用量は特に限定されず、一般
式(I)で表されるN−アルキルアミドアルカノールに
対し0〜30重量倍、好ましくは0〜20重量倍である。
【0023】上記のような方法で得られるN−アルキル
アミドアルカノール硫酸エステルを含む硫酸化反応物の
外観は、添加剤の有無、及び添加剤の種類、使用量によ
り、粉末、スラリー状、懸濁液、溶液と様々な形態にな
りうるが、何れであっても本発明の中和方法を適用でき
る。
【0024】本発明においては、上記のような方法で得
られたN−アルキルアミドアルカノール硫酸エステルを
含む反応物に対し、まず最初に中和剤又は中和剤を含む
溶液を添加することにより中和を行う。本発明で用いら
れる中和剤としては、塩基性物質であれば何でもよく、
水やエタノール、イソプロピルアルコール等の溶剤で希
釈して用いても良い。本発明で用いる中和剤を例示すれ
ば、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化
物、炭酸塩、重炭酸塩、あるいはリン酸塩、アンモニ
ア、総炭素数2〜9のアルカノールアミン、総炭素数1
〜22のアルキルアミンもしくはアルケニルアミン、炭素
数1〜18のアルキルもしくはアルケニル置換ピリジン、
又は塩基性アミノ酸が挙げられ、特にアルカリ金属ある
いはアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩が好まし
い。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸3カ
リウム等の無機アルカリ、あるいはアンモニア、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミ
ン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、イソス
テアリルアミン、塩基性アミノ酸等を挙げることがで
き、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、特に好ましくは水酸化マグネシウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムであ
る。これらの中和剤は単独で用いても、複数の種類を混
合あるいは分割して用いてもよい。
【0025】本発明において、中和剤の添加量は使用し
た硫酸化剤に対し 0.7〜2当量が好ましく、0.8 〜 1.2
当量が更に好ましい。 0.7当量以上にすることで系内の
pHが著しく酸性となるのを防ぎ、硫酸エステルの分解
が抑制でき、好ましい。また、2当量を超えて用いても
効果は同じであるが、経済的に不利である。中和剤を添
加する時の温度は−30〜 100℃の範囲が好ましく、色相
の観点より0〜60℃の範囲が特に好ましい。
【0026】本発明の中和方法は、中和時の操作性が極
めて良好であるとともに、中和時の硫酸エステルの加水
分解がほとんどない。また、一つの処理槽で硫酸化反応
及び中和反応の操作が可能であり、ブタノール等による
抽出操作の必要がないため、工業的に工程簡略化による
設備負荷の低減、生産効率の向上、生産コストの低減等
が可能であり、非常に好ましい。
【0027】これらの結果は、「N−アルキルアミドア
ルカノールを硫酸化して得られる反応物中に、まず最初
に中和剤又は中和剤を含む溶液を添加すれば硫酸エステ
ルの加水分解が抑制できる。」という発明に基づくもの
である。この原因は、本発明に係わるN−アルキルアミ
ドアルカノール硫酸エステルの化学構造、及び中和前の
N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステルの形状に
因るところが大きい。すなわち、本発明に係わるN−ア
ルキルアミドアルカノール硫酸エステルは、他の一般的
な硫酸化物と比較して、予想外に硫酸エステルの加水分
解が進行しにくく、さらに、中和前のN−アルキルアミ
ドアルカノール硫酸エステルの形状はいずれでもよい
が、粉末、スラリー状、もしくは懸濁液とすることもで
き、中和剤又は中和剤を含む溶液をN−アルキルアミド
アルカノール硫酸エステルに添加しても、瞬時に中和反
応が終了するものではなく、ゆっくり反応を進行させる
ことができるからである。
【0028】中和工程において、硫酸化反応物中にまず
最初に中和剤又は中和剤を含む溶液を添加した後は、中
和反応を完結させる目的、濃度を調整する目的、晶析等
の精製を行う目的、もしくは抽出を行う目的等により、
塩基性物質、水、溶剤を更に添加することができる。
【0029】上記のような本発明の方法で得られたN−
アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩は、色相が
良好であり、各種洗浄剤の基剤もしくは助剤として有効
に使用することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0031】実施例1 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた5リットル−4つ
口フラスコにN−ドデシル−6−ヒドロキシ−n−カプ
ロン酸アミド297.87g(0.9946mol) の粉末及びジクロロ
メタン2リットルを仕込み、攪拌しながら10℃に冷却し
て無色懸濁液とした。そこへクロロスルホン酸 139.4g
(1.196mol)を30分間で滴下した。その間、系内の温度を
15℃以下に保った。その後、系内に窒素の吹き込みを行
いながら30℃で5時間攪拌した。反応率は99.8%であっ
た(HPLCにて反応を追跡し、原料及び反応物のピー
ク面積比より算出した。以下同じ。)。
【0032】得られた硫酸化物(無色スラリー)に水酸
化マグネシウムの粉末35gを先ず最初に添加し、続いて
イオン交換水 300ml、エタノール 300mlを添加して攪拌
した。水酸化マグネシウムの粉末が全て溶解した後、更
に水酸化マグネシウムの粉末を少しずつ追加して系のp
Hを7.63に調整して、中和を完了した。この時の硫酸化
物の加水分解率は0%であった(HPLCにて反応を追
跡し、原料及び反応物のピーク面積比より算出した。以
下同じ。)。次に溶剤を減圧除去して、下記式(III) で
表される硫酸エステル塩の粉末を得た。
【0033】
【化7】
【0034】実施例2 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた2リットル−4つ
口フラスコにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢酸アミド
100.05g(0.4111mol) の粉末及びヘキサン1kgを仕込
み、攪拌しながら40℃に加熱して無色懸濁液とした。そ
こへクロロスルホン酸47.9g(0.411mol)を30分間で滴下
した。その間、系内の温度を40℃以下に保った。その
後、系内に窒素の吹き込みを行いながら60℃で3時間攪
拌した。反応率は99.1%であった。
【0035】得られた硫酸化物(無色スラリー)を20℃
に冷却した後、48%水酸化ナトリウム水溶液 30.83gを
先ず最初に添加した。続いてエタノール 133g、30%炭
酸ナトリウム水溶液 14.52g、イオン交換水 165gを添
加して攪拌した。この時の硫酸化物の加水分解率は0%
であった。その後、30℃に加熱すると水層とヘキサン層
に分層した。水層を分離してpHを調べると 8.7であ
り、中和が終了していることを確認した。水層は下記式
(IV)で表される硫酸エステル塩の27%水溶液であった。
【0036】
【化8】
【0037】実施例3 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた1リットル−ニー
ダーにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢酸アミド200.00
g(0.8217mol) の粉末及びヘキサン40.0gを仕込み、無
色スラリーとした。そこへクロロスルホン酸96.1g(0.8
25mol)を30分間で滴下した。その間、系内の温度を0℃
以下に保った。その後、 250〜270mmHgの減圧下で60℃
まで昇温して30分間保った。反応率は99.4%であった。
【0038】得られた硫酸化物(無色粉末)を20℃に冷
却して、48%水酸化カリウム水溶液105.8g(0.905mol)
を添加した。その後、更にニーダーで40℃まで加熱し、
3時間攪拌して、下記式(V)で表される硫酸エステル
塩の湿った固体(純度68.5%)を得た。この時の硫酸化
物の加水分解率は0%であった。
【0039】
【化9】
【0040】実施例4 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた10リットル−セパ
ラブルフラスコにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢酸ア
ミド1045.5g(4.2956mol) の粉末及びクロロホルム 3.5
リットルを仕込み、均一に攪拌して無色懸濁液とした。
そこへクロロスルホン酸650.96g(5.5867mol) を2時間
で滴下した。その間、系内の温度を40℃以下に保った。
その後、系内に窒素の吹き込みを行いながら30℃で5時
間攪拌した。反応率は 100%であった。
【0041】得られた硫酸化物(無色スラリー)に、7
%水酸化カリウム水溶液6140g(7.66mol) を先ず最初に
添加した。次にエタノール 1.5リットルを添加して攪拌
した。この時の硫酸化物の加水分解率は0%であり、p
Hは11であった。その後、室温で晶析した無色結晶をろ
過、乾燥することにより、前記式(V)で表される硫酸
エステル塩の粉末(純度96.9%)を得た。
【0042】実施例5 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた5リットル−4つ
口フラスコにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢酸アミド
264.04g(1.0848mol) の粉末及びヘキサン 2.6kgを仕込
み、均一に攪拌して無色懸濁液とした。そこへクロロス
ルホン酸127.3g(1.093mol)を1時間で滴下した。その
間、系内の温度を20℃以下に保った。その後、系内に窒
素の吹き込みを行いながら40℃で3時間攪拌した。反応
率は98.2%であった。
【0043】得られた硫酸化物(無色スラリー)を20℃
に冷却して、48%水酸化カリウム水溶液140g(1.20mol)
を先ず最初に添加した。次にイオン交換水 457g、エタ
ノール 366gをこの順番に添加して攪拌した。この時の
硫酸化物の加水分解率は0%であった。その後、55℃に
加熱すると水層とヘキサン層に分層した。水層を分離し
てpHを調べると11.9であり、中和が終了していること
を確認した。水層は前記式(V)で表される硫酸エステ
ル塩の28%水溶液であった。
【0044】実施例6〜8、比較例1〜3 実施例5と同じ原料、条件で硫酸化反応を行い、続く中
和反応条件の違いによる加水分解率への影響を比較し
た。中和温度及び添加剤(48%水酸化カリウム水溶液、
イオン交換水、エタノール)の比率は実施例5と同じに
して、添加剤の仕込み順番を以下に示すように変化させ
た。結果を表1にまとめて示す。
【0045】 実施例6 48%KOH、エタノール、イオン交換水の順番に仕込む。 実施例7 48%KOH、エタノール/イオン交換水混合液の順番に仕込む。 実施例8 48%KOH/エタノール/イオン交換水混合液を仕込む。 比較例1 イオン交換水、エタノール、48%KOHの順番に仕込む。 比較例2 エタノール、イオン交換水、48%KOHの順番に仕込む。 比較例3 エタノール、48%KOH/イオン交換水混合液の順番に仕込む。
【0046】
【表1】
【0047】比較例4 実施例5において、48%水酸化カリウム水溶液に硫酸化
物の滴下を試みたが、反応槽と中和槽を結ぶライン内で
閉塞が起こり、中和出来なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤生 明 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 平7−267917(JP,A) 特開 平8−283229(JP,A) 特開 平9−104671(JP,A) 特開 平8−109393(JP,A) 特開 平8−169814(JP,A) 特開 平8−119852(JP,A) 特開 平8−119851(JP,A) 特開 昭54−83984(JP,A) 米国特許5034555(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 305/00 C07C 303/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、 R1:炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アル
    ケニル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルキル基の炭
    素数が8〜12のアルキルフェニル基を示す。 R2:水素原子、又は炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のア
    ルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、又は
    アルキル基の炭素数が8〜12のアルキルフェニル基を示
    す。 R3:炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
    す。 R4:炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
    し、n個のR4は同一でも異なっていてもよい。 n:である。〕 で表されるN−アルキルアミドアルカノールを硫酸化し
    て硫酸エステルを得、これを中和して、一般式(II) 【化2】 〔式中、 R1, R2, R3, R4, n:前記の意味を示す。 M :カチオンを示す。〕 で表されるN−アルキルアミドアルカノール硫酸エステ
    ル塩を製造するに際し、硫酸化して得られる反応物中
    に、まず最初に中和剤又は中和剤を含む溶液を添加して
    中和を行うことを特徴とする、N−アルキルアミドアル
    カノール硫酸エステル塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)及び(II)において、R1
    炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R2が水素
    原子、R3がメチレン基である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 中和剤がアルカリ金属あるいはアルカリ
    土類金属の水酸化物又は炭酸塩である請求項1又は2記
    載の製造方法。
  4. 【請求項4】 中和剤を硫酸化剤に対し 0.7〜2当量使
    用する請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 炭素数6〜10の直鎖、分岐鎖又は環状の
    アルカンの存在下、硫酸化を行う請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の製造方法。
JP31024595A 1995-11-29 1995-11-29 N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法 Expired - Fee Related JP3255568B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31024595A JP3255568B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31024595A JP3255568B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09143145A JPH09143145A (ja) 1997-06-03
JP3255568B2 true JP3255568B2 (ja) 2002-02-12

Family

ID=18002930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31024595A Expired - Fee Related JP3255568B2 (ja) 1995-11-29 1995-11-29 N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3255568B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09143145A (ja) 1997-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4865774A (en) Surface-active hydroxysulfonates
EP0258814B1 (en) Surfactants coming from bi- or tri-carboxylic hydroxyacids
CN1046212C (zh) 高纯咪唑啉基两性乙酸盐表面活性剂制备方法
JPH0617083A (ja) 両性界面活性化合物
US5869532A (en) Taurine derivatives for use in cleanser compositions
MX2014008050A (es) Proceso para la sintesis de productos surfactantes cationicos altamente puros.
JP3255568B2 (ja) N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法
JPH06505972A (ja) 脂肪アルコールスルフェート高濃度ペーストの製法
US5681972A (en) Process for preparing highly concentrated, free-flowing aqueous solutions of betaines
JPH10330338A (ja) N−アルキルアミドアルカノールの製造方法
JPH04210953A (ja) β−置換スルホン酸および/またはスルホネートの製造方法
US2649473A (en) Substituted carbamic acid esters as surface active agents
HRP20020919A2 (en) A process for preparing biphenyl compounds
JP3377607B2 (ja) 不飽和アルコール硫酸エステル塩の製造法
US6121222A (en) Anionic surfactants having multiple hydrophobic and hydrophilic groups
JP3255557B2 (ja) N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル又はその塩の製造方法
JP3357414B2 (ja) 増泡剤
JPS5951532B2 (ja) 新規なアミンアミド化合物,その製造方法および前記アミンアミド化合物を含有する界面活性剤
JPH09169720A (ja) 不飽和アルコール硫酸エステル塩の製造法
JPH09104671A (ja) N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル又はその塩の製造方法
JPH0246578B2 (ja)
JPH09249636A (ja) N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル塩の製造方法
JP3164693B2 (ja) モノグリセリド硫酸塩の製造方法
JP2951730B2 (ja) 新規ベタイン化合物とその製造方法及びそれを含有する界面活性剤
JP2698601B2 (ja) 両性界面活性剤組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071130

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101130

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111130

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121130

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees