JPH09104671A - N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル又はその塩の製造方法 - Google Patents

N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル又はその塩の製造方法

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JPH09104671A
JPH09104671A JP26161095A JP26161095A JPH09104671A JP H09104671 A JPH09104671 A JP H09104671A JP 26161095 A JP26161095 A JP 26161095A JP 26161095 A JP26161095 A JP 26161095A JP H09104671 A JPH09104671 A JP H09104671A
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carbon atoms
alkylamidoalkanol
general formula
reaction
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JP26161095A
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Inventor
Masakatsu Takahashi
正勝 高橋
Yousen Mizushima
洋泉 水島
Takeshi Kabaru
武史 香春
Akira Fujio
明 藤生
Shinji Tsuyutani
伸司 露谷
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤の使用量を著しく低減させるか、も
しくは使用しないような生産性や経済性に優れた系で、
しかも反応率が良好で色相も良好なN−アルキルアミド
アルカノール硫酸エステル又はその塩を得るための製造
法の提供。 【解決手段】 N−アルキルアミドアルカノールを硫酸
化剤と反応させ、更に必要により中和して、N−アルキ
ルアミドアルカノール硫酸エステル又はその塩(II)を
製造するに際し、ニーダー等の粉体あるいは高粘度体対
応の混合攪拌器を用いる。 【化1】 〔式中、R1は炭素数6〜22のアルキル基等、R2は水素原
子、炭素数1〜22のアルキル基等、R3は炭素数1〜5の
アルキレン基、R4は炭素数2〜3のアルキレン基、nは
0〜50の数、M はH 又はカチオンを示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−アルキルアミ
ドアルカノール硫酸エステル又はその塩の製造方法に関
し、詳しくは、生産性及び経済性に優れ、色相が良好な
N−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル又はその
塩の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
頭髪、身体、食器洗浄用等の各種洗浄剤に用いられる起
泡性に優れ、且つ安全性の高い界面活性剤としてN−ア
ルキルアミドアルカノール硫酸エステル又はその塩が報
告されている(特願平6−73327号)。この界面活
性剤はN−アルキルアミドアルカノールを硫酸化剤で硫
酸化し、必要により中和して得られるが、従来、硫酸化
時の溶媒としてクロロホルム、ジクロロメタン、1,2
−ジクロロエタンなどの有機塩素系溶剤、又はジメチル
ホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤を使用するの
が一般的である。しかし、これらの溶剤は人体に対する
影響が懸念されることから、その使用は制限される方向
にある。このため、その代替溶剤としてヘキサン等のア
ルカンの使用、及び脂肪酸等のカルボン酸の使用が開示
されている(特願平7−86885号、特願平7−86
886号)。しかし、これらの溶剤は反応時の攪拌性、
均一性を維持するために、原料に対して極めて過剰の量
を必要とする。このため、反応器が大型化するばかりで
なく、溶剤回収設備にも負荷がかかってくることにな
り、生産性や経済性の点で好ましいとは言えない。
【0003】一方、N−アルキルアミドアルカノールの
硫酸化を、脂肪族アルコール等の硫酸化と同様に薄膜反
応器等の非溶媒条件下で行おうとした場合、硫酸化物の
融点が極めて高いか、もしくは分解するために反応管内
で反応物が閉塞するか、もしくは反応槽内で固化してし
まい、実質的に反応は不可能である。
【0004】このため、有機溶剤の使用量を著しく低減
させるか、もしくは使用しない(非溶媒)ような生産性
や経済性に優れた系で、しかも反応率が良好で、色相も
良好なN−アルキルアミドアルカノール硫酸エステル又
はその塩を得るための製造方法が強く望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の現状
に鑑み、N−アルキルアミドアルカノールの硫酸化にお
いて、色相等の品質、反応率を低下させることなく、有
機溶剤の使用量を低減させるか、もしくは使用せずに反
応を進行させる方法を鋭意検討した結果、粉体あるいは
高粘度体対応の混合攪拌器を反応器として用いることに
より、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完
成した。すなわち本発明は、一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】〔式中、 R1:炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アル
ケニル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルキル基の炭
素数8〜12のアルキルフェニル基を示す。 R2:水素原子、又は炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、又は
アルキル基の炭素数8〜12のアルキルフェニル基を示
す。 R3:炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
す。 R4:炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
し、n個のR4は同一でも異なっていてもよい。 n:アルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜
50の数である。〕で表されるN−アルキルアミドアルカ
ノールを硫酸化剤と反応させ、更に必要により中和し
て、一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、 R1, R2, R3, R4, n:前記の意味を示す。 M :H 又はカチオンを示す。〕で表されるN−アルキル
アミドアルカノール硫酸エステル又はその塩を製造する
に際し、反応器として粉体あるいは高粘度体対応の混合
攪拌器を用いることを特徴とする、N−アルキルアミド
アルカノール硫酸エステル又はその塩の製造方法を提供
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0011】一般式(1)において、R1は炭素数6〜22
の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ヒドロ
キシアルキル基、又はアルキル基の炭素数8〜12のアル
キルフェニル基を示すが、具体的には、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基、、
エイコシル基、ドコシル基、オレイル基、2−エチルヘ
キシル基、12−ヒドロキシドデシル基、ノニルフェニル
基等が挙げられ、炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖の
アルキル基が起泡性の点で好ましく、特に炭素数8〜18
の直鎖アルキル基、更には炭素数10〜14の直鎖アルキル
基が好ましい。
【0012】R2は水素原子、又は炭素数1〜22の直鎖又
は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアル
キル基、又はアルキル基の炭素数8〜12のアルキルフェ
ニル基を示すが、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソブチル基、ヒドロキシエチル基の他、上
記のR1で例示した官能基が挙げられ、水素原子が起泡性
の面から好ましい。
【0013】R3は炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアル
キレン基を示すが、具体的には、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、カルボ
ニル連結部より-CH2CH(CH3)CH2CH2-で示される分岐鎖の
2−メチルブチレン基等が挙げられ、起泡性及び化学的
安定性の点でメチレン基、ペンチレン基、-CH2CH(CH3)C
H2CH2-で示される分岐鎖の2−メチルブチレン基が好ま
しく、特にメチレン基が好ましい。
【0014】R4は炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアル
キレン基を示すが、具体的には、エチレン基、分岐のプ
ロピレン基が挙げられる。nはアルキレンオキサイドの
平均付加モル数を示す0〜50の数であるが、起泡性、化
学的安定性の面から0〜20が好ましく、更には0〜5、
特には0が好ましい。またn個のR4は同一でも異なって
いてもよい。
【0015】前記一般式(1)で表されるN−アルキル
アミドアルカノールの好ましい具体例としては、次の化
合物が挙げられる。
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】本発明で用いられる反応器は、低粘度溶液
中で行うような通常の反応に用いられる攪拌羽根を有す
る反応槽を言うのではなく、粉体あるいは高粘度体、好
ましくは粘度1000cp以上の高粘度体対応の混合攪拌器で
あり、かかる混合攪拌器であればいずれでもよく、バッ
チ式であっても連続式であってもよい。本発明で用いら
れる反応器を例示すれば、パドルミキサー、重力式粉粒
体用ブレンダー、ニーダー、KRCニーダー、vミキサ
ー、リボンミキサー、パグミキサー、フロージェットミ
キサー、ナウタミキサー、ドラムミキサー、アキシャル
ミキサー、カルマンアジーター、ブローシェアーミキサ
ー、タービュライザー、レーディゲミキサー、スラッシ
ャー、ヘンシェルミキサー等が挙げられ、一般式(I)
で表されるN−アルキルアミドアルカノールの種類及び
形態、反応条件等によって最適な反応器を選択すれば良
い。これらの中ではニーダー、KRCニーダーが高粘度
下においても容易に均一攪拌可能で好ましい。
【0019】本発明の製造方法によると、前記一般式
(II)で表されるN−アルキルアミドアルカノール硫酸
エステル又はその塩は、粉体あるいは高粘度体対応の混
合反応器を反応器として用い、一般式(I)で表される
N−アルキルアミドアルカノールを硫酸化剤で硫酸化
し、更に必要により中和することにより得られるが、本
発明の製造方法の好ましい実施態様を以下に示す。
【0020】上記のような粉体あるいは高粘度体対応の
混合攪拌器に一般式(I)で表されるN−アルキルアミ
ドアルカノールと、必要なら有機溶剤を仕込み、攪拌し
ながら硫酸化剤を添加する。本発明において、有機溶剤
の使用量は一般式(I)で表されるN−アルキルアミド
アルカノールに対し2重量倍以下が好ましく、特には有
機溶剤を使用せず無溶剤系で行うのが好ましい。殆どの
場合においては、有機溶剤を使用しなくても十分に反応
は進行する。反応率が若干低い場合や着色が観察される
場合に有機溶剤を添加すれば、結果は改善される。有機
溶剤を2重量倍を越えて用いても効果は同じであるが、
経済的に不利である。
【0021】有機溶剤を用いる場合には硫酸化剤と反応
しない有機溶剤であれば何でも用いることができる。ま
た、一般式(I)で表されるN−アルキルアミドアルカ
ノールとの溶解性は全く関係ない。使用可能な有機溶剤
を例示すれば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタン等の有機塩素系溶剤、パーフルオロヘ
キサン、パーフルオロデカリン、パーフルオロトルエン
等のフッ素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル系溶剤、蟻酸、酢酸、吉草酸、カプリン
酸、ラウリン酸、イソステアリン酸等のカルボン酸系溶
剤、酢酸エチル、ラウリン酸メチル、シュウ酸ジメチル
等のエステル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド等の非プロトン性極性溶剤、ペンタン、ヘ
キサン、ドデカン、シクロヘキサン等のアルカン等が挙
げられる。中でも、安全性、価格、工業的入手性等か
ら、カルボン酸系溶剤、アルカンが望ましく、除去のし
易さ等からアルカンがより好ましく、工業的利用には特
にヘキサンが好ましい。
【0022】また、硫酸化剤と反応する有機溶剤であっ
ても、反応後に活性剤となり、混合物のまま使用できる
場合は問題ない。その様な有機溶剤を例示すれば、デシ
ルアルコール、ドデシルアルコール、オレイルアルコー
ル等の脂肪族アルコール、ポリオキシエチレンデシルエ
ーテルアルコール、ポリオキシエチレンドデシルエーテ
ルアルコール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テルアルコール、ポリオキシエチレンステアリルエステ
ルアルコール、ラウリルアミンエチレンオキサイド付加
物、ラウリン酸アミドエチレンオキサイド付加物、ポリ
プロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のエ
チレンオキサイド付加物、ラウリン酸モノエタノールア
ミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アミ
ド、ラウリン酸モノグリセライド、デカン酸ジグリセラ
イド、ペンタエリスリットミリスチン酸モノエステル、
ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ショ糖ステアリ
ン酸モノエステル等の多価アルコール誘導体等が挙げら
れる。
【0023】本発明に用いられる硫酸化剤としては、濃
硫酸、液体SO3 、SO3 ガス、クロロスルホン酸、ス
ルファミン酸等が挙げられるが、反応性の点より液体S
3、SO3 ガス、クロロスルホン酸が好ましく、更に
はクロロスルホン酸が好ましい。硫酸化時の温度は、有
機溶剤を使用する場合には、その沸点以下であれば何ら
問題ないが、−30〜 150℃が好ましく、0〜 100℃の範
囲が更に好ましい。また硫酸化時の時間は12時間以内が
好ましい。
【0024】本発明の硫酸化法は、従来の通常反応器を
用いる方法と比較して有機溶剤の量を著しく低減させる
ことが可能であり、場合によっては従来の通常の反応器
を用いる方法では不可能であった、有機溶剤を用いるこ
となく反応を行うことも可能であり、反応後の有機溶剤
の分離・回収・精製における負荷が著しく低減されるこ
とになり、工業的にも、工程簡略化による設備負荷の低
減、生産効率の向上、生産コストの低減等が可能であ
り、非常に好ましい。
【0025】本発明における反応は定量的に進行し、特
に有機溶剤を用いないで行った場合でも、反応率は従来
法と比較して著しく向上している。これらの原因は、粉
体、高粘度体対応の混合攪拌器を反応器として用いるこ
とにより、一般式(I)で表されるN−アルキルアミド
アルカノールと硫酸化剤の混合が、有機溶剤の分散力に
頼ることなく可能となったためであり、更には、不均一
化による硫酸化剤の分解、硫酸化剤と有機溶剤の反応
等、好ましくない副反応が著しく抑えられるためであ
る。
【0026】また、硫酸化剤として特にクロロスルホン
酸を用いた場合においては、従来、反応の進行に伴って
発生する塩酸の除去に多大な時間を要し問題となってい
たが、本発明の方法では、有機溶剤を用いないかもしく
は使用量が著しく少ないために、一般式(I)で表され
るN−アルキルアミドアルカノールと硫酸化剤の混合中
もしくは混合後より減圧による脱塩酸が可能であり、従
来法に比べて著しく反応時間が短縮された。
【0027】上記のような方法で得られたN−アルキル
アミドアルカノール硫酸エステルは、塩基性物質で中和
することにより、N−アルキルアミドアルカノール硫酸
エステル塩とすることができ、この塩は各種洗浄剤の基
剤もしくは助剤として使用することができる。また、中
和においても粉体、高粘度体対応の混合攪拌器を反応器
として用いることが可能であり、好ましくは硫酸化反応
に続き行うことができる。
【0028】ここで用いられる塩基性物質としては、ア
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸
塩、重炭酸塩、あるいはリン酸塩、アンモニア、総炭素
数2〜9のアルカノールアミン、総炭素数1〜22のアル
キルアミンもしくはアルケニルアミン、炭素数1〜18の
アルキルもしくはアルケニル置換ピリジン、又は塩基性
アミノ酸が挙げられ、具体的には、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸2ナト
リウム、リン酸3カリウム等の無機アルカリ、あるいは
アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミ
ン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタ
デシルアミン、イソステアリルアミン、塩基性アミノ酸
等を挙げることができ、好ましくは水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウ
ム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミンである。これらを水溶液
又はアルコール溶液として硫酸エステルの中和に供す
る。
【0029】塩基性物質の使用量は、上記反応で得られ
た硫酸エステルに対し 0.9〜 1.5倍当量であり、水、エ
タノール、メタノール、イソプロパノール等の溶媒中、
−30〜80℃で 0.1〜5時間中和反応をさせればよい。中
和後の形態は硫酸化反応及び中和反応時の溶剤の使用条
件により異なり、液体、分散液、懸濁液、スラリー状、
ゲル状、含液固体、粉末のいずれかの形態をとる。この
様な中和反応により得られる、N−アルキルアミドアル
カノール硫酸エステル塩は、色相が良好であり、洗浄剤
基剤又は助剤として有効に用いることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0031】実施例1 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた1リットルのニー
ダーにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢酸アミド200.00
g(0.8217mol) の粉末及びヘキサン40.0gを仕込み、攪
拌しながら0℃に冷却してスラリー状とした。そこへク
ロロスルホン酸96.1g(0.825mol)を30分間で滴下した。
その間、系内の温度を0℃に保った。その後、 250〜27
0mmHg の減圧下で60℃まで昇温して25分間保ち、下記式
(III) で表される反応物を得た。反応率は99.4%であっ
た(HPLCにて反応を追跡し、原料及び反応物のピー
ク面積比より算出した。以下同じ。)。この反応物の反
応直後の色を観察したところ、着色は殆ど認められなか
った。次にこの反応物を室温で水酸化ナトリウム水溶
液、もしくは水酸化カルシウム−水の懸濁液で中和し
て、Na塩及びCa塩の水溶液を得た。
【0032】
【化7】
【0033】実施例2 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた1リットルのニー
ダーにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢酸アミド200.00
g(0.8217mol) を仕込み、攪拌しながら85℃にに加熱し
て融解させた。そこへクロロスルホン酸96.1g(0.825mo
l)を30分間で滴下した。その間、系内の温度を85℃に保
った。その後、 280〜300mmHg の減圧下で25分間保ち、
前記式(III) で表される反応物を得た。反応率は99.6%
であった。この反応物の反応直後の色を観察したとこ
ろ、着色は殆ど認められなかった。次にこの反応物を、
予め48%KOH 105.6g(0.90mol) を仕込んでおいた他
の1リットルのニーダーに、室温で添加して中和を行
い、K塩の湿った固形物を得た。
【0034】実施例3 冷却管、温度計、滴下ロートを備えたKRCニーダーの
入口にプランジャー・ポンプ付きの導入管を2本連結
し、それぞれ原料及びクロロスルホン酸の導入用とし
た。用いたKRCニーダーの呼称寸法(mm)は50φ× 66
1.5Lであり、パドルは種々のものが計37個組み込まれ
ている。回転数は滞留時間が約30秒になる様に設定し
た。
【0035】85℃に加熱、融解させたN−ドデシル−2
−ヒドロキシ酢酸アミドをプランジャー・ポンプ付きの
導入管より約5kg/Hr. で滴下し、もう一方のプランジ
ャー・ポンプ付きの導入管よりクロロスルホン酸を等モ
ル仕込みになる様に速度を調節しながら滴下した。この
間、反応装置を5〜6℃の冷水で冷却し、系内の温度を
60℃に保った。出口より出てくる前記式(III) で表され
る反応物(粉末)の反応率は99.6%であった。この反応
物の反応直後の色を観察したところ、着色は殆ど認めら
れなかった。次にこの反応物を40℃でKOHの水/エタ
ノール溶液(重量比:7/3)で中和して、K塩の20重
量%水溶液を得た。
【0036】実施例4 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた1リットルのニー
ダーにN−デシル−6−ヒドロキシヘキサン酸アミド20
0.00g(0.7368mol) の粉末及びジクロロメタン50.0gを
仕込み、スラリーとした。そこへクロロスルホン酸85.9
g(0.737mol)を40分間で滴下した。その間、系内の温度
を30℃に保った。その後、250〜270mmHgの減圧下で40℃
まで昇温して1時間保ち、下記式(IV) で表される反応
物を得た。反応率は99.2%であった。この反応物の反応
直後の色を観察したところ、着色は殆ど認められなかっ
た。次にこの反応物を40℃で水酸化ナトリウム水溶液、
もしくは水酸化マグネシウム−水の懸濁液で中和して、
Na塩及びMg塩の水溶液を得た。
【0037】
【化8】
【0038】実施例5 冷却管、温度計、滴下ロートを備えた1リットルのニー
ダーにN−ドデシル−2−(2−ヒドロキシエトキシ)
酢酸アミド200.00g(0.6958mol) 及びドデシルアルコー
ル50.0g(0.2683mol) を仕込み、攪拌しながら60℃に加
熱してスラリーとした。そこへクロロスルホン酸112.34
g(0.964mol)を40分間で滴下した。その間、系内の温度
を60℃に保った。その後、250 〜300mmHg の減圧下で30
分間保ち、下記式(V) で表される反応物とドデシルア
ルコール硫酸エステルの混合物を得た。反応率は99.4%
であった。この混合物の反応直後の色を観察したとこ
ろ、着色は殆ど認められなかった。次にこの混合物を20
℃で水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムの混合水溶液
で中和して、Na塩の水溶液を得た。
【0039】
【化9】
【0040】比較例1 攪拌翼、冷却管、温度計、滴下ロートを備えた1リット
ルの4つ口フラスコにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢
酸アミド 80.04g(0.3289mol) を仕込み、攪拌しながら
85℃に加熱して融解させた。そこへクロロスルホン酸3
8.7g(0.332mol)を1時間で滴下した。その間、系内の
状態は液体から高粘度体、泡立ちの激しいアメ状、粉末
と変化し、滴下途中より攪拌が困難となり、粉末は壁面
に付着した。その後、 120℃まで昇温したが、粉末は壁
面に付着したままであり、色相の劣化が観察された。滴
下後の反応率は65〜91%(不均一)であった。
【0041】比較例2 攪拌翼、冷却管、温度計、滴下ロートを備えた1リット
ルの4つ口フラスコにN−ドデシル−2−ヒドロキシ酢
酸アミド100.26g(0.4119mol) の粉末及びヘキサン 400
gを仕込み、攪拌しながら30℃に調整して懸濁液とし
た。そこへクロロスルホン酸48.5g(0.416mol)を1時間
で滴下した。その間、系内の状態は懸濁液から高粘度ス
ラリーへ変化し、滴下途中より攪拌が困難となった。攪
拌が困難となった時点より色相の劣化が観察された。滴
下後、30分間放置した後の反応率は71〜89%(不均一)
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤生 明 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 露谷 伸司 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、 R1:炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アル
    ケニル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルキル基の炭
    素数8〜12のアルキルフェニル基を示す。 R2:水素原子、又は炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のア
    ルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、又は
    アルキル基の炭素数8〜12のアルキルフェニル基を示
    す。 R3:炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
    す。 R4:炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示
    し、n個のR4は同一でも異なっていてもよい。 n:アルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜
    50の数である。〕で表されるN−アルキルアミドアルカ
    ノールを硫酸化剤と反応させ、更に必要により中和し
    て、一般式(II) 【化2】 〔式中、 R1, R2, R3, R4, n:前記の意味を示す。 M :H 又はカチオンを示す。〕で表されるN−アルキル
    アミドアルカノール硫酸エステル又はその塩を製造する
    に際し、反応器として粉体あるいは高粘度体対応の混合
    攪拌器を用いることを特徴とする、N−アルキルアミド
    アルカノール硫酸エステル又はその塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、R1が炭素数6〜
    22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R2が水素原子、R3
    メチレン基、R4がエチレン基、nが0〜20である請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 混合攪拌器がニーダーもしくはKRCニ
    ーダーである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 硫酸化剤がクロロスルホン酸である請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表されるN−アルキルア
    ミドアルカノールと硫酸化剤との反応における有機溶剤
    の使用量が、一般式(I)で表されるN−アルキルアミ
    ドアルカノールに対して2重量倍以下である請求項1〜
    4のいずれか一項に記載の製造方法。
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