JP2000135097A - 酵素法によるグアノシン5’−モノリン酸の製造法 - Google Patents

酵素法によるグアノシン5’−モノリン酸の製造法

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寿 川崎
Yasuhiro Takenaka
康浩 竹中
Yutaka Matsui
裕 松井
Osamu Kurahashi
修 倉橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な材料からグアノシン5’−モノリン酸
(GMP)を製造する。 【解決手段】 イノシン5’−モノリン酸、酸化型ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸及びアンモニ
アに、GMPリダクターゼ、特に、エシェリヒア・コリを
宿主として遺伝子工学的手法でGMPリダクターゼ遺伝子
(guaC)を増幅、高発現させた組み換え菌より調製したGM
Pリダクターゼを作用させてグアノシン5’−モノリン
酸を生成させ、生成したグアノシン5’−モノリン酸を
採取することによりIMPからGMPを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、うま味調味料とし
て用いられるグアノシン5’−モノリン酸(GMP)の新規
な酵素的製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素的なGMPの製法に関しては、グアノ
シンを生化学的にリン酸化してGMPを製造する方法(特
開平7−231793号公報)、およびGMPによる阻害
が解除されたGMPシンテターゼ(GMP synthetase)を有
するブレビバクテリウム属微生物を用いて、キサントシ
ン5’−モノリン酸(XMP)からGMPを製造する方法(特公
平3−028196号公報、J. Ferment. Technol., 6
2,131-137(1984))等が知られている。
【0003】また、遺伝子工学技術を用いた遺伝子増
幅、高発現株を利用したグアノシンの生化学的リン酸化
によるGMPの製造法(WO 91/08286、WO 96/00761、WO 96
/37603、Appl. Microbiol. Biotechnol., 48, 693-698
(1997))、および同じく遺伝子増幅されたブレビバクテ
リウム属微生物やエシェリヒア・コリ(E.coli)でのXMP
からのGMPの製造法(特公平7−16431号公報、韓
国公告特許97−5914号、Biosci. Biotech. Bioch
em., 61, 840-845(1997))が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
GMPの製造において出発物質として用いられるグアノシ
ンやXMPは安価に得ることが難しいという問題がある。
従って、本発明は、一層安価な材料からのGMPの製造方
法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、鋭意研究をした結果、E.coliよりグア
ノシン5’−モノリン酸リダクターゼ遺伝子(guaC)をク
ローン化し、遺伝子工学技術によりE.coliで高発現さ
せ、その無細胞抽出液を用いて、イノシン5’−モノリ
ン酸(IMP)からGMPへの逆反応を確認することに成功し、
本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、イノシン5’−モノ
リン酸、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
リン酸及びアンモニアにグアノシン5’−モノリン酸リ
ダクターゼを作用させてGMPを生成させ、生成したGMPを
採取することを特徴とするGMPの製造法(以下、本発明
方法ともいう)を提供する。
【0007】グアノシン5’−モノリン酸リダクターゼ
は、好ましくはエシェリヒア・コリ由来である。
【0008】本発明方法は、好ましくは、グアノシン
5’−モノリン酸リダクターゼを、グアノシン5’−モ
ノリン酸リダクターゼの細胞内での活性が上昇した組換
えエシェリヒア・コリから調製することをさらに含む。
【0009】グアノシン5’−モノリン酸リダクターゼ
の細胞内での活性が上昇した組換え微生物は、好ましく
は、グアノシン5’−モノリン酸リダクターゼ遺伝子が
増幅された組換え微生物である。
【0010】組換え微生物は、好ましくは、組換えエシ
ェリヒア・コリである。グアノシン5’−モノリン酸リ
ダクターゼ遺伝子は、好ましくは、エシェリヒア・コリ
由来である。
【0011】
【発明の実施の形態】グアノシン5’−モノリン酸リダ
クターゼ(GMPリダクターゼ)は本来はGMPをIMPに転換さ
せ、RNAやDNA合成に必須なプリンヌクレオチドプールを
調整する機能を有する酵素であり、E.coli K12株をはじ
めとするエシェリヒア属微生物はいうにおよばず、あま
ねく生物にその存在が知られている。
【0012】本発明において使用されるGMPリダクター
ゼは、IMP、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオ
チドリン酸(NADP+)及びアンモニアからGMP及び還元型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を
生成する反応を触媒するものであれば、制限されない。
このようなGMPレダクターゼとしては、微生物に由来す
るものが好ましく、特に好ましいものとしては、エシェ
リヒア・コリに由来するものが挙げられる。
【0013】GMPレダクターゼを得るには、GMPレダクタ
ーゼ活性を有する菌株を適当な培地で培養し、増殖した
菌体を回収し、当該菌体を破砕して無細胞抽出液を調製
して、これより必要に応じ精製すればよい。
【0014】使用する培地は、炭素源、窒素源、無機イ
オンおよび必要に応じその他の有機成分を含有する通常
の培地でよく、例えば、エシェリヒア・コリの場合しば
しばLB培地が用いられる。炭素源としては、グルコー
ス、ラクトース、ガラクトース、フラクトース、アラビ
ノース、マルトース、キシロース、トレハロース、リボ
ースや澱粉の加水分解物などの糖類、グリセロール、マ
ンニトールやソルビトールなどのアルコール類、グルコ
ン酸、フマール酸、クエン酸やコハク酸等の有機酸類を
用いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機ア
ンモニウム塩、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモ
ニアガス、アンモニア水等を用いることができる。有機
微量栄養素としては、各種アミノ酸、ビタミンB1等のビ
タミン類、RNA等の核酸類などの要求物質または酵母エ
キス等を適量含有させることが望ましい。これらの他
に、必要に応じて、リン酸カルシウム、硫酸マグネシウ
ム、鉄イオン、マンガンイオン等が少量添加される。
【0015】培養条件にも特に制限はなく、例えば、好
気的条件下で16〜72時間程度実施するのがよく、培
養温度は30℃〜45℃に、培養中pHは5〜8に制御す
るのがよい。なお、pH調整には無機あるいは有機の酸性
あるいはアルカリ性物質、さらにアンモニアガス等を使
用することができる。
【0016】増殖した菌体は、遠心分離等により培養液
から回収することができる。回収した菌体から無細胞抽
出液を調製するには、通常の方法が用いられる。すなわ
ち、菌体を超音波処理、ダイノミル、フレンチプレス等
の方法にて破砕し、遠心分離により菌体残渣を除去する
ことにより無細胞抽出液が得られる。
【0017】無細胞抽出液からGMPリダクターゼを精製
するには、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、
疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、等電点沈殿等、
酵素の精製に通常用いられる手法が適宜組み合わせて用
いられる。精製は、完全精製である必要は必ずしもな
く、基質のヌクレオチドの分解に関与する酵素等の夾雑
物が除去できればよい。
【0018】GMPリダクターゼによるIMPからGMPへの変
換は、上記のようにして得られるGMPリダクターゼを、I
MP、NADP及びアンモニアに接触させ反応させることによ
って行うことができる。
【0019】反応液中のIMPの濃度は、特に制限されな
いが、例えば10 mM〜0.5 Mである。
【0020】反応液中のNADP+の濃度は、GMPレダクター
ゼにより触媒される反応をIMPからGMPが生成される方向
に進めるのに十分なレベルであればよく、高い方が好ま
しい。GMPレダクターゼにより触媒されるIMPからGMPを
生成する反応は、NADPHをNADP +に酸化する反応(例えば
NADPHオキシダーゼにより触媒される反応)と共役させ
ることもでき、この場合には反応系中のNADPHとNADP+
総量を少なくすることができ、有利である。
【0021】反応液中のアンモニアの濃度は、IMPに比
べ過剰であることが好ましく、通常には、反応液中の水
と作用してアンモニウムイオンとなったものを含めて、
10モル倍量以上である。反応液にはアンモニアを直接
添加する必要はなく、反応液に溶解してアンモニアまた
はアンモニウムイオンを生じる化合物を添加すればよ
く、このような化合物の例としては、硫酸アンモニウム
などが挙げられる。
【0022】GMPリダクターゼの量は、IMPをGMPに変換
する反応を触媒するのに十分な量であればよい。
【0023】反応温度は、通常、28〜45℃、好まし
くは、37℃前後である。反応pHは、通常、6〜8、
好ましくは、約7である。反応には静置または攪拌のい
ずれの方法も採用し得る。GMPリダクターゼは固定化さ
れていてもよい。反応時間は、使用する酵素の活性、基
質濃度などの条件によって異なるが、通常、1〜72時
間である。また、反応は、基質等を供給しながら連続的
に行ってもよい。
【0024】このように生成したGMPを反応終了後、反
応液から採取する方法としては、合成吸着樹脂を用いる
方法や沈殿剤を用いる方法、その他通常の採取分離方法
が採用できる。
【0025】本発明によれば、IMPは、うま味調味料と
して用いられるプリンヌクレオチドの一つであり、比較
的安価に入手可能であるので、GMPを安価に製造するこ
とができる。
【0026】本発明の好ましい態様では、GMPリダクタ
ーゼは、GMPリダクターゼの細胞内での活性が上昇した
組換え微生物から調製される。さらに好ましくは、GMP
リダクターゼ遺伝子が増幅されることによりGMPリダク
ターゼの細胞内での活性が上昇した組換え微生物から調
製される。ここで遺伝子の増幅とは遺伝子の発現量を上
昇させることをいう。
【0027】組換え微生物は、好ましくはエシェリヒア
属微生物、さらに好ましくはエシェリヒア・コリであ
る。
【0028】遺伝子を増幅する手段、すなわち遺伝子の
発現量を上昇させる手段としては、遺伝子の調節領域の
改良、遺伝子のコピー数の上昇などが挙げられる。
【0029】調節領域の改良とは、遺伝子の転写量を増
加させる改変を加えることをいう。たとえばプロモータ
ーに変異を導入することによってプロモーター強化を行
い、下流にある遺伝子の転写量を増加させることができ
る。プロモーターに変異を導入する以外にも、lac,trp,
tac,trc,PLその他の微生物内で機能するプロモーターを
新たに導入してもよい。またはエンハンサーを新たに導
入することによって遺伝子の転写量を増加させることが
できる。染色体DNAのプロモーター等の遺伝子の導入
については、例えば特開平1−215280号公報に記
載されている。
【0030】遺伝子のコピー数の上昇は、具体的には、
遺伝子を多コピー型のベクターに接続して組換えDNA
を作製し、同組換えDNAを微生物に保持させることに
よって達成することができる。ここでベクターとは、プ
ラスミドやファージ等広く用いられているものを含む
が、これら以外にも、トランソポゾン(Berg,D.E. and B
erg,C.M., Bio/Technol., 1, 417(1983))やMuファージ
(特開平2-109985号公報)も含む。遺伝子を相同組換え
用プラスミド等を用いた方法で染色体に組込んでコピー
数を上昇させることも可能である。
【0031】GMPリダクターゼ遺伝子の発現量が上昇し
た微生物の誘導に当たっては、主としてE.coliの既知の
遺伝子情報に基づき、PCR(polymerase chain reaction)
法を用いて必要な遺伝子領域を増幅取得し、プラスミド
等のベクターに搭載して、これをE.coli JM109等のコン
ピテント細胞(competent cell)の形質転換に用いること
ができる。また、GMPリダクターゼ遺伝子はE.coli由来
のものに限られず、いずれの生物由来のGMPリダクター
ゼ遺伝子でも用いることができる。
【0032】たとえばE.coli K12のW3110株(ATCC2732
5)の染色体DNAよりPCR法を用いてGMPリダクターゼをコ
ードする遺伝子であるguaCをクローニングする。この際
使用する染色体DNAはE.coli由来であればどの菌株由来
でもよい。この遺伝子は、遺伝的多形性などによる変異
型も含む。なお、遺伝的多形性とは、遺伝子上の自然突
然変異によりタンパク質のアミノ酸配列が一部変化して
いる現象をいう。
【0033】GMPリダクターゼの細胞内での活性を上昇
させる手段としては、酵素の構造遺伝子自体に変異を導
入して、酵素そのものの活性を上昇させることも挙げら
れる。
【0034】遺伝子に変異を生じさせるには、部位特異
的変異法(Kramer,W. and Frits,H.J., Methods in Enz
ymology, 154, 350(1987))、リコンビナントPCR法(PCR
Technology, Stockton Press(1989))、特定の部分のDN
Aを化学合成する方法、または当該遺伝子をヒドロキシ
アミン処理する方法や当該遺伝子を保有する菌株を紫外
線照射処理、もしくはニトロソグアニジンや亜硝酸など
の化学薬剤で処理する方法がある。
【0035】GMPリダクターゼの増幅などによりGMPリダ
クターゼの細胞内での活性が上昇した微生物の培養及び
それからのGMPリダクターゼの調製は上記にGMPリダクタ
ーゼの取得について説明したようにして行うことができ
る。GMPリダクターゼの細胞内での活性が上昇した微生
物を用いることによって、容易かつ有利にGMPリダクタ
ーゼを調製することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0037】1)GMPリダクターゼ遺伝子(guaC)の取得と
発現 E.coli K12のW3110株(ATCC27325)の染色体DNAを鋳型と
して用い、遺伝子データバンク(E.coli Gene Bank)に
おいて「guaC」をキーワードにして検索される情報に基
づいて作製された、CTCAAGCTTACGGCTCTGGTCCACGCCAG
(配列番号1)とCTCCTGCAGCAGCGTTGGGAGATTACAGG(配
列番号2)の塩基配列を有する29merと29merの両端プラ
イマーによるPCR法(94℃,30sec; 55℃,1min; 72℃,2mi
n; 30サイクル; Gene Amp PCR System Model9600(ハ゜ーキンエルマー
社製))を行い、SD-ATGと翻訳終止コドンをカバーするg
uaC構造遺伝子領域の約2.2kb断片を増幅し、HindIIIとP
stIで消化後、pUC19(宝酒造社製)のHindIIIサイトと
PstIサイトの間にクローン化した。PCR用プライマーに
はHindIIIサイトとPstIサイトがそれぞれデザインされ
ている。またクローン化されたguaCは、pUC19が持つlac
プロモーターの支配下に発現され、GMPリダクターゼに
翻訳される。
【0038】またこのプラスミドpUCguaCでE.coli JM10
9を形質転換した組換え体を50mg/Lのアンピシリンを含
むLB液体培地(バクトトリプシン 1%,イーストエキスト
ラクト 0.5%, NaCl 1%, グルコース 0.1%, pH7.0)で培
養し、1mM IPTG(isopropyl-1-thio-β-D-galactoside)
添加による発現誘導を行い、8時間培養した後に菌体を
集め、超音波破砕および遠心分離により無細胞粗酵素抽
出液を調製した。これらのGMPリダクターゼ活性の測定
をB.B.Garberら(J.Bacteriol., 43, 105(1980))の方法
に従って行った。その結果、宿主のJM109に対し、約20
倍のGMPリダクターゼの活性発現(GMP→IMPへの転換活性
として)が認められた。
【0039】2)GMPリダクターゼの逆反応によるIMPか
らGMPの生成評価 GMPリダクターゼの逆反応を行う前に、IMPを基質とした
場合に本来の主経路と考えられるIMPデヒドロゲナーゼ
(IMP dehydrogenase)によるIMPからXMPへの転換、さら
にGMPシンテターゼ(GMP synthetase)によるXMPからGMP
への転換が起こり得るので、この反応系を遮断する目的
でエチレンジアミン四酢酸(EDTA)添加による反応阻害の
確認を行った。表1に示したように10mM EDTAの存在下
ではIMPデヒドロゲナーゼによるIMPからXMPへの転換は
阻害されなかったが、GMPシンテターゼによるXMPからGM
Pへの転換は完全に阻害された。なお、IMPデヒドロゲナ
ーゼ活性およびGMPシンテターゼ活性はいずれもP.R.Lam
bdenら(J.Bacteriol., 115,992(1973))の方法により測
定した。
【0040】
【表1】 表1 EDTA添加による各種酵素活性への影響 ─────────────────────────────── 10mM EDTA 無添加 添加 ─────────────────────────────── GMPリダクターゼ(GMP→IMP) 活性あり 活性あり IMPデヒドロゲナーゼ(IMP→XMP) 活性あり 活性あり GMPシンテターゼ(XMP→GMP) 活性あり 活性なし ───────────────────────────────
【0041】よって、10mM EDTA存在下にIMPを基質とし
た場合に、GMPシンテターゼの関与する経路では、XMPが
生成する可能性はあるもののGMP生成は起こり得ないと
考えられる。また目的とするGMPリダクターゼの反応は1
0mM EDTA存在下では阻害されず、IMPからGMPへの逆反応
を検討する上で、10mM EDTA添加は有効な手段であると
判断した。そこで、以下の反応条件および分析方法でJM
109で高発現されたGMPリダクターゼを用いて、IMPからG
MPの生成を検討した。
【0042】〈反応液組成〉 50mM Tris-HCl, pH7.0 5mM NADP+ 200mM (NH4)2SO4 20mM IMP 10mM EDTA 無細胞抽出物(Cell free extract) 全量 1 ml 37℃, 24時間反応後、HPLCで分析
【0043】〈分析方法〉反応液500μlをHPLC分析す
る。 分析条件: カラム: Cosmosil 5C18-MS(4.6 mm ID×150 mm L) バッファ: 5mMリン酸カリウム(pH2.8):メタノール=9
5:5 温度:室温 流速: 1.0 ml/min 検出: UV 254 nm
【0044】その結果、20mM IMPを基質として約0.1mM
のGMPの生成(転換収率約0.5%)が認められた。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、安価にGMPを製造でき
るGMPの酵素的製造法が提供される。
【0046】
【配列表】 <110> 味の素株式会社 <120> 酵素法によるグアノシン5’−モノリン酸の製造法 <130> P-5958 <160> 2 <210> 1 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 1 ctcaagctta cggctctggt ccacgccag 29 <210> 2 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 2 ctcctgcagc agcgttggga gattacagg 29
フロントページの続き (72)発明者 松井 裕 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 倉橋 修 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社発酵技術研究所内 Fターム(参考) 4B064 AF24 CA02 CA19 CA21 CB11 CC03 CC24 CD01 CD15 DA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イノシン5’−モノリン酸、酸化型ニコ
    チンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸及びアンモニ
    アにグアノシン5’−モノリン酸リダクターゼを作用さ
    せてグアノシン5’−モノリン酸を生成させ、生成した
    グアノシン5’−モノリン酸を採取することを特徴とす
    るグアノシン5’−モノリン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 グアノシン5’−モノリン酸リダクター
    ゼがエシェリヒア・コリ由来である請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】 グアノシン5’−モノリン酸リダクター
    ゼを、グアノシン5’−モノリン酸リダクターゼの細胞
    内での活性が上昇した組換え微生物から調製することを
    さらに含む請求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 グアノシン5’−モノリン酸リダクター
    ゼの細胞内での活性が上昇した組換え微生物が、グアノ
    シン5’−モノリン酸リダクターゼ遺伝子が増幅された
    組換え微生物である請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 組換え微生物が組換えエシェリヒア・コ
    リである請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 グアノシン5’−モノリン酸リダクター
    ゼ遺伝子がエシェリヒア・コリ由来である請求項5記載
    の製造法。
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WO2009107631A1 (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 味の素株式会社 5’-グアニル酸の製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009107631A1 (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 味の素株式会社 5’-グアニル酸の製造法
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