JP2000132865A - 情報記録媒体用保護層及び情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体用保護層及び情報記録媒体

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JP2000132865A
JP2000132865A JP10304164A JP30416498A JP2000132865A JP 2000132865 A JP2000132865 A JP 2000132865A JP 10304164 A JP10304164 A JP 10304164A JP 30416498 A JP30416498 A JP 30416498A JP 2000132865 A JP2000132865 A JP 2000132865A
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Katsumi Ryomo
克己 両毛
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
Tadahiro Tsujimoto
忠宏 辻本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、及び透明性に
優れ、特に耐傷性に優れる情報記録媒体用保護層、並び
にこの保護層を有する情報記録媒体、特に光学的情報記
録媒体を提供すること。 【解決手段】 記録層よりも上に位置し、主鎖に(−S
i−N−)で示される構造を有するポリマーからなる情
報記録媒体用保護層及びこの保護層を有する情報記録媒
体が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体用保
護層に関し、特に光学的情報記録媒体の耐久性を向上さ
せるための保護層に関する。本発明は、また、上記保護
層を有する情報記録媒体、特に光学的情報記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光の照射により情報の記録又は
再生を行う光学的情報記録媒体として各種の媒体が開発
されている。例えば、デジタル オーディオ ディスク
(いわゆるコンパクトディスク)、光学式ビデオディス
ク(いわゆるレーザーディスク)、CD−ROM等の再
生専用の記録媒体、追加記録が可能な追記型光ディスク
(いわゆるWORM、CD−R等)等のディスク状の記
録媒体が広く普及している。また、これらのディスク状
の記録媒体よりも大量の情報記録に適した光記録媒体と
して、テープ状の光記録媒体が提案されている(特開平
1−286130号公報、同4−163736号公報、
同4−163737号公報、同6−89464号公報、
同6−73958号公報、同6−251425号公報等
参照)。
【0003】このようなレーザー光の照射により情報の
記録又は再生を行う光記録媒体は、通常、円板状の基板
又はテープ状の支持体上にレーザー光を吸収するための
色素等を主成分とする光記録層が形成されており、レー
ザー光を信号変調してこの光記録層に集光することによ
り、該光記録層に信号記録パターン(いわゆるピット又
はマーク)を形成する。
【0004】また、記録されている情報の再生は、信号
記録パターン部分と信号記録パターンが形成されていな
い部分との反射率の差を検出することによって行われ
る。
【0005】このような光記録媒体は、磁気記録媒体等
と比較して、トラックピッチを狭くすることができ、高
密度記録が可能であるため、大量情報保存用の媒体とし
て適している。これら従来の光学的情報記録媒体は、波
長780nmの赤外線レーザー又は波長630nmの赤
色レーザーを光源とする単一波長のレーザー光に感応す
る光記録層を単層有するものが実現され、普及してき
た。このような光記録媒体、例えば、ディスク状の記録
媒体に記録される情報量を増加させるためには、ディス
ク上の信号記録密度を増加させるか、あるいはディスク
自体の直径を大きくして信号記録パターンの形成可能な
領域を増やすこと等が必要となる。しかし、信号記録パ
ターン形成密度が高すぎると、信号再生のための光学系
の分解能に比べてトラックピッチが狭くなりすぎ、再生
に際してクロストークが生じ、良好な情報検出ができな
くなることがある。一方、ディスク自体の直径を大きく
すると、携帯や保管に不便であり、情報を再生するため
の装置が大型化するといった不都合が生じる。
【0006】一方、テープ状の光記録媒体は、長尺であ
ってもコイル状に巻くことにより、体積の割に情報を記
録できる面積を広くすることができ、大記録容量と携帯
性、保管性等の実用性を兼ね備えることができるため、
有利である。
【0007】しかし、これらの光記録媒体においては、
光記録層が単層である限りは、カセット化により携帯性
に優れたとしても、光記録再生装置内でテープ搬送を行
う必要があり、耐傷性、透明性にも限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐溶
剤性、耐薬品性、及び耐熱性に優れ、350nm以上の
レーザー光線、例えば赤外線、赤、緑、青色レーザー光
線を十分に透過させることができる程の透明性を有し、
特に耐傷性に優れる情報記録媒体用保護層を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、上記保護層を有する情
報記録媒体、特に光学的情報記録媒体を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記情
報記録媒体用保護層、及び情報記録媒体が提供されて、
上記目的が達成される。 (1)記録層よりも上に位置し、主鎖に(−Si−N
−)で示される構造を有するポリマーからなることを特
徴とする情報記録媒体用保護層。 (2)上記ポリマーがポリシラザンであることを特徴と
する上記(1)に記載の情報記録媒体用保護層。 (3)情報記録媒体が光学的情報記録媒体であることを
特徴とする上記(1)又は(2)に記載の情報記録媒体
用保護層。 (4)上記(1)又は(2)に記載の保護層を有するこ
とを特徴とする情報記録媒体。 (5)情報記録媒体が、光学的情報記録媒体であること
を特徴とする上記(4)に記載の情報記録媒体。 (6)支持体上に、光学的に情報の記録及び/又は再生
が可能な厚さ50〜2000mμ(0.05μm〜2μ
m)の光感応記録層を少なくとも1層有し、該光感応記
録層の上に、厚さ0.001〜0.2μmの保護層を有
することを特徴とする上記(5)に記載の情報記録媒
体。 (7)光感応記録層が有機色素層からなる上記(6)に
記載の情報記録媒体。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の保護層、及び該保
護層が設けられている情報記録媒体について、詳細に説
明する。
【0011】本発明の保護層は、主鎖に(−Si−N
−)で示される構造を有するポリマーからなる。このよ
うなポリマーとして、ポリシラザンを好ましく挙げるこ
とができる。ポリシラザンは、ポリマー中に下記式
(1)で示される部分構造を有するものである。
【0012】(SiHaNb)n …(1)
【0013】(上記式(1)中、aは1〜3の整数であ
り、bは0又は1である。) 上記ポリシラザンは、通常、密度が1.1〜1.6g/
cm3の範囲にあり、加熱すると1.8〜2.5g/c
3の範囲にあり、屈折率が1.40〜1.50の範囲
にあり、100KHzで測定された誘電率が3.5〜
5.5の範囲にある。また、酸素ガス透過率は0.09
cc/m2/day以下であり、水分透過率は0.5g/m
2/day以下である。ポリシラザンの数平均分子量は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されたポ
リスチレン換算値として、500〜2,000が好まし
く、より好ましくは600〜1,500である。このよ
うなポリシラザンは市販されており、例えば、東燃ポリ
シラザン(東燃株式会社製)等を挙げることができ、好
適に使用することができる。
【0014】上記特性を有するポリシラザンは、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ジエチエルエーテル、THF
等芳香族系、エーテル系の溶媒に20重量%以上溶解す
るので、ポリシラザンをこれらの溶媒に溶解した塗布液
を調製し、塗布後、得られる保護層は緻密であり、密着
性、耐熱性、強度、耐傷性、ガスバリヤー性、透明性、
耐薬品性、耐溶剤性等に優れる。そして、例えば光学的
記録媒体の場合、保護層よりも下に存在する光感応記録
層の有機色素の溶け出しが防止できる。また、塗布に際
して、特殊な装置は必要なく、通常の塗布装置を用いて
容易に塗布することができ、しかも色素層と保護層の同
時塗布方法においても良好な結果が得られる。
【0015】本発明の保護層は、上記のポリマー以外
に、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、表面処理剤、酸化防
止剤、防黴剤、SiCフィラー、MgOフィラー等を含
有することができる。
【0016】主鎖に(−Si−N−)で示される構造を
有するポリマーは、保護層中に、固形分換算で、50〜
99重量%、特には60〜98重量%含有されているこ
とが好ましい。
【0017】保護層を形成するための塗布液は、上記ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ジエチエルエーテル、テ
トラヒドロフラン等の芳香族系あるいはエーテル系の溶
媒に、主鎖に(−Si−N−)で示される構造を有する
ポリマーを5〜50重量%、好ましくは10〜30重量
%の濃度となるように溶解し、さらに必要に応じて他の
添加剤成分を添加、溶解することにより、調製される。
塗布液は、後述する光学的記録媒体の各層を形成する方
法により、乾燥膜厚が好ましくは0.001〜0.2μ
m、より好ましくは0.05〜0.15μmとなるよう
に塗布される。塗布後、90〜150℃の温度で乾燥し
て、保護層が形成される。この場合、記録層と共に形成
されてもよいし、記録層の上に別の工程で形成されても
よい。
【0018】次に、上記保護層を有する本発明の情報記
録媒体について、光学的情報記録媒体を例にとって、詳
しく説明する。本発明の光学的記録媒体は、支持体上
に、光学的に情報の記録及び/又は再生が可能な光感応
記録層と上記保護層を有する。上記光感応記録層は、レ
ーザービーム応答性化合物とバインダーとしてのポリマ
ーとを含有する層である。光感応記録層は、同一波長の
光に感応する層でもよいし、異なる波長の光に感応する
層でもよい。2つ以上の光感応記録層が、同一波長の光
に感応する層であると、信号強度を大きくすることがで
き、あるいは多値記録が可能となり記録密度向上の点
で、好ましい。また、2つ以上の光感応記録層が、異な
る波長の光に感応する層であると、いわゆる波長多重記
録が可能となり記録密度向上の点で、好ましい。
【0019】光感応記録層に含まれるレーザービーム応
答性化合物は、情報の記録に用いるレーザーを吸収し得
る吸収スペクトルを示すものであり、例えば、シアニン
色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、アゾメチ
ン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、及びこれらの
色素構造を配位子として有する金属錯体から選ばれる少
なくとも1種の色素化合物である。これらのレーザービ
ーム応答性化合物の具体例として、下記式(2)の化合
物が挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】式(2)中、R1は、炭素原子数1〜10
のアルキル基であり、X-は電荷の均衡を保つためのア
ニオンを表し、nは0〜4の整数である。R1として
は、例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。特に、
1がn−ブチル基であるものは、溶解度が高く塗布液
を調製し易い点で、好ましい。X-としては、Cl
4 -、SbF6 -、PF6 -、BF4 -、ハライドイオン(C
-、Br-、I-)、スルホン酸イオン(CH3SO3 -
CF3SO3 -、パラトルエンスルホン酸イオン等)等が
挙げられる。また、式(2)において、nが下記に示す
値の場合には、それぞれ下記の波長のレーザーを用いる
場合のレーザービーム応答性化合物として有効である。 n=0 波長423±25nm n=1 波長557±25nm n=2 波長650±25nm n=3 波長758±25nm
【0022】本発明の光学的記録媒体において、光感応
記録層は、感応するレーザー光に対応して、前記レーザ
ービーム応答性化合物から、適宜、選択される。例え
ば、赤外線に感応する赤外感応記録層を形成する場合
は、式(2)中、nが3である化合物が選択される。ま
た、赤色感応記録層を形成する場合は、式(2)中、n
が2である化合物が選択される。さらに、青色感応記録
層を形成する場合は、式(2)中、nが0である化合物
が選択される。
【0023】本発明の光学的記録媒体において、光感応
記録層は、これらのレーザービーム応答性化合物を固体
分散物として含有するものが好ましい。本発明におい
て、固体分散物とは、いわゆる顔料分散物である。一般
に、色素溶液は色素化合物が溶媒等の媒質中に孤立した
分子として存在するが、固体分散物中では色素の細かい
固体(微結晶)が媒質中に懸濁あるいは分散されている
ものである。両者の違いは、例えば、X線を照射した時
に規則的な結晶中の分子配列に由来する回折の有無で判
断することができる。
【0024】本発明において、光感応記録層中に固体分
散物として分散されたレーザー応答性化合物粒子の大き
さは、情報の記録に用いられるレーザービームと同程度
以上になるとノイズが大きくなるので、0.1μm以上
の粒径の粒子を含まないことが好ましい。
【0025】本発明の光学的記録媒体の光感応記録層に
バインダーとして含有される高分子化合物は、実質的に
情報の記録に用いられるレーザー光を吸収しないもので
あり、かつ前記レーザー応答性化合物や退色防止剤等が
結晶化せずに非晶質状態を保ち易くするために用いられ
る。このような高分子化合物の例としては、ゼラチン、
デキストラン、ロジン、ゴム等の天然高分子物質、セル
ロースあるいはニトロセルロース、ジアセチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート等のセルロース誘導体、ポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等の炭化水素
系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、
ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコー
ル、塩素化ポリオレフィン、ポリイミド又はその部分下
垂分解物であるポリイミド酸、ポリスチレン、エポキシ
樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール−ホル
ムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期重合物等の合
成高分子物質等を挙げることができる。
【0026】光学的記録媒体において、バインダーとレ
ーザービーム応答性化合物の含有割合は、バインダー1
00重量部に対して、0.1〜200重量部の範囲であ
り、好ましくは10〜80重量部の範囲である。一般
に、光感応記録層における光エネルギーの吸収量はレー
ザービーム応答性化合物の含有量が多いほど大である。
バインダーが多くなると膜厚が大となり、情報の記録時
に光感応記録層を変形させるに要するエネルギーが増大
し、感度が低下する。あるいは膜厚が厚くなるほど塗膜
の平滑性が低下しノイズが大となる。したがって、バイ
ンダーの量はレーザービーム応答性化合物の固定性を損
なわない限り少ない方が好ましいので、レーザービーム
応答性化合物とバインダーの重量割合が前記範囲にある
ことが好ましい。また、赤外感応記録層においては、バ
インダーとレーザービーム応答性化合物の含有割合は、
バインダー100重量部に対して、好ましくは0.1〜
200重量部の範囲である。また、赤色感応記録層にお
いては、バインダーとレーザービーム応答性化合物の含
有割合は、バインダー100重量部に対して、好ましく
は0.5〜200重量部の範囲である。さらに、青色感
応記録層においては、バインダー100重量部に対し
て、好ましくは0.5〜200重量部の範囲である。
【0027】光学的記録媒体の光感応記録層には、光感
応記録層に含有される前記のレーザービーム応答性化合
物の光退色を防止する目的で一重項酸素クエンチャーを
添加することが好ましい。この一重項酸素クエンチャー
としては、例えば米国特許第4,999,281号公
報、特開昭59−178295号公報等に記載されたク
エンチャー、特開平6−321872号公報に記載され
たアミニウム化合物等が挙げられる。
【0028】本発明の記録媒体は、前記光感応記録層を
二層以上有し、該光感応記録層の間に、中間層を少なく
とも1つ有するものである。この中間層は、情報を記録
又は再生するために用いられるレーザー光により、情報
の記録単位であるピットの変形を防止する役割を有する
ものである。
【0029】光学的記録媒体が、青色感応記録層と赤外
感応記録層を併有する場合、青色感応記録層の下層に中
間層を配置し、情報を記録又は再生するために青色感応
記録層に入射される青色レーザーによって、その下層の
赤外感応層が感応するの防止するために、中間層に黄色
フィルターとしての役割を併有させると、有効である。
【0030】この中間層を形成する素材としては、高分
子バインダー、低融点油状物質、染料、顔料等が挙げら
れる。特に、中間層が黄色フィルターの役割を有する場
合には、黄色染料を含有することが好ましい。
【0031】この中間層の厚さは、0.05〜0.2μ
m、好ましくは0.1〜0.2μmである。ピットの変
形を防止するためには、厚さが0.05μm以上の中間
層が必要であり、下層に赤色感応記録層を配設する場合
には、赤色感応記録層の赤色感度を低下させないため
に、中間層の厚さは0.2μm以下であることが好まし
い。
【0032】光学的記録媒体が、青色感応記録層を有す
る場合には、青色感応記録層を最上層とし、その下に中
間層を介して緑色感応記録層、赤色感応記録層及び/又
は赤外感応記録層を積層する構成が好ましい。特に、青
色感応記録層と、緑色感応記録層、赤色感応記録層、及
び赤外感応記録層を有する記録媒体の場合には、青色感
応記録層を最上層とし、その下に黄色フィルターの役割
を有する中間層を介して、緑色感応記録層、赤色感応記
録層、赤外感応記録層の順に積層する層構成が好まし
い。
【0033】光学的記録媒体において、最上層に位置す
る保護層の表面の中心線平均表面粗さRaは、記録再生
光の散乱を防ぐため平滑性が高い必要があることから、
0.1〜100nm、好ましくは0.1〜30nmであ
る。
【0034】一般に、情報の記録又は読取りに用いる反
射光は、入射面からの反射と支持体面からの反射光とが
重なった光である。したがって、光の波長と膜厚に依存
して互いに干渉する。そのため、レーザービームを照射
して光感応記録層を変形させた時に、この干渉の関係が
大きく変化すれば信号強度は大きくなって好ましい。し
たがって、層の厚さを情報の記録又は読取りに用いるレ
ーザービームの波長の1/4n(但し、nは光感応記録
層の屈折率を示す)、の整数倍、例えば、赤外線レーザ
ーを用いる場合は、赤外線の波長780nm前後の1/
4程度に設定しておくと、記録層の変形に伴う光の干渉
の変化が大きくなるので、記録層厚さを50〜250n
mとするのが好ましい。また、平滑性を付与しやすい点
でも、あまり厚くなく、この程度の厚さが好ましい。ま
た、赤色感応記録層の場合には、40〜200nmであ
る。さらに青色感応記録層の場合には、30〜150n
mである。
【0035】本発明の記録媒体において、支持体は、円
板状又はテープ状の形状を有し、片面又は両面に光感応
記録層を形成できるものであれば、特に制限されない。
円板状の支持体(ディスク)としては、寸度安定性に
優れるものが望ましい。一般に、厚さ0.05〜10m
m、好ましくは0.5〜1.5mm程度のポリカーボネ
ート、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフトエート、ガラス、アルミニウム、チタ
ン合金等からなるものが挙げられる。
【0036】本発明の記録媒体において、各光感応記録
層、中間層、及び必要に応じて設けられるその他の層に
は、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、表面処理剤、遮光
剤、酸化防止剤、防黴剤、あるいはカーボンブラック等
のこの種の光記録媒体に形成する層に添加される各種添
加剤を添加してもよい。
【0037】また、テープ状の支持体としては、柔軟性
と寸法安定性に優れるものが望ましく、好ましくはポリ
エステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリカーボネート)、ポリスチ
レン、アラミドが用いられるが、アルミニウム、銅等の
金属箔、あるいは高分子フィルムにアルミニウム等の金
属を蒸着あるいはメッキしたものも用いることができ
る。また、通常、厚さは1〜100μm、好ましくは5
〜50μmである。
【0038】また、これらの支持体は、記録再生光の散
乱を防ぐため高い平滑性が要求される点で、光感応記録
層を形成する表面の中心線表面粗さRaが、好ましくは
0.1〜30nm、特に好ましくは0.1〜5nmであ
るものである。
【0039】また、光学的記録媒体のなかでも、テープ
状の記録媒体は、媒体の走行性を確保するためにバック
コート層を有していてもよい。そのバックコート層は、
オーディオテープやビデオテープ等のテープ状記録媒体
に一般に用いられている素材からなるものでもよく、例
えば導電性カーボンを分散させた樹脂や、導電性ポリマ
ー等が挙げられる。バックコート層は、好ましくは2層
からなり、一層は支持体に接して設けられた帯電防止層
であり、他の一層は保護層である。帯電防止層として
は、カーボン、電子電導性の金属酸化物(例えば酸化
錫、酸化アンチモン、五酸化バナジウム)、導電性ポリ
マー(例えばポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニ
リン)を用いることができる。
【0040】さらに、本発明の光学的記録媒体は、光感
応記録層と支持体との間に反射層を有していてもよい。
この反射層は、金、アルミニウム等の金属からなるもの
であってもよいし、あるいは特開平4−3345号公報
に記載されたような有機化合物からなるものであっても
よい。また、屈折率の異なる材質の層を積層して反射層
としてもよいし、さらに、特開平2−89683号公報
に記載されたような非金属色素からなる反射層であって
もよい。これらの中でも、製造コストの点で、あるいは
他の層との混合の懸念がない点で金属製の反射膜が好ま
しい。材質としては、蒸着によって容易に設置でき、価
格も低いアルミニウムが好ましいが、金、銀等近赤外域
の反射率が高い他の金属も好ましく利用できる。
【0041】本発明の光学的記録媒体においては、支持
体を介して光感応記録層の反対側に、情報の記録又は読
取りに用いられるレーザービームを吸収する反射防止層
を有すると、好ましい場合がある。この反射防止層の材
質及び層構成としては、カーボンブラックと適当なバイ
ンダーとの組み合わせ、あるいは情報の記録又は再生に
用いるレーザーの波長の光を吸収する染料や顔料とバイ
ンダーとの組み合わせからなるものが好ましい。
【0042】光学的記録媒体において、この反射防止層
は、支持体の表面に形成し、その上に各種の光感応記録
層、中間層、及び必要に応じて配置される保護層等のそ
の他の層を積層することが好ましい。その理由は市販の
アルミ蒸着フィルムをそのまま用いることができ、コス
ト的に有利であるからである。
【0043】光学的記録媒体の中でも、テープ状の記録
媒体は、前記光感応記録層、中間層及びその他必要に応
じて形成される保護層、反射層以外に、支持体を介して
光感応記録層とは反対側面にバック層を担持せしめたも
のが好ましい。
【0044】このバック層として、カーボンブラックと
特定のフッ素含有化合物を含む層を形成することが好ま
しい。これは、テープ状の記録媒体の裁断加工時、及び
記録媒体の走行時に、様々なゴム(例えば乳剤屑、カー
トリッジ屑、機器摩耗屑等)が発生しやすい。そのよう
なゴミが、テープ状の記録媒体のバック面に付着する
と、信号入出力故障を招くことがある。そこで、フッ素
含有化合物は、この様に発生したゴミがテープ状の記録
媒体の表面に付着するのを抑える目的で使用される。
【0045】このフッ素含有化合物は、少なくとも3個
以上のフッ素原子を含んだ化合物であり、界面活性剤又
はポリマーである。このフッ素含有化合物として、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性、ベタイン性の親水性
置換基を含んだものがよく、特にアニオン性置換基を含
むフッ素含有化合物が好ましい。
【0046】本発明の光学的記録媒体がテープ状の記録
媒体である場合には、潤滑剤を用いることが好ましい。
この潤滑剤は、一連の製造処理工程、例えばスリット工
程や記録再生装置内でテープ状の記録媒体を走行させる
と、テープの機器との接触あるいはテープ表裏の接触に
より記録層等が傷つきバインダー屑が発生する。バイン
ダー屑は機器とテープの間にはさまれて更にテープ表面
を傷つけたり、記録層の表面に付着して信号入出力時に
ノイズを引き起こしたりする等非常に深刻な問題とな
る。そこで、滑り剤は、テープ走行時に生じるテープの
傷つきやバインダー屑の発生を抑えるため、及びテープ
走行性を改良するために用いられる。
【0047】好ましく用いられる潤滑剤としては、例え
ば、特公昭53−242号公報に開示されているような
ポリオルガノシロキサン、米国特許第4,275,14
6号明細書に記載されているような高級脂肪酸アミド、
特公昭58−33541号公報、英国特許第927,4
46号明細書、或いは特開昭55−126238号公
報、及び同58−90633号公報に開示されているよ
うな高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と
炭素数10〜24のアルコールのエステル)、そして、
米国特許第3,933,516号明細書に記載されてい
るような高級脂肪酸金属塩、また、特開昭58−505
34号公報に記載されているような、直鎖高級脂肪酸と
直鎖高級アルコールのエステル、国際公開公報第901
08115.8号に記載されているような分岐アルキル
基を含む高級脂肪酸−高級アルコールエステル等が挙げ
られる。また、滑り剤として、キャンデリラワックス、
カルナウバワックス、オウリキュリーワックス、ライス
ワックス、砂糖ろう、木ろう、蜜ろう、鯨ろう、シナ昆
虫ろう、セラックろう、モンタンろう等の天然ワックス
も好ましく用いることができる。
【0048】テープ状の光学的記録媒体の光感応記録層
が、潤滑剤を含有する場合、その含有量は、特に限定さ
れないが、十分な耐傷性、滑り性を発現するためには、
1〜500mg/m2であればよく、好ましくは3〜2
00mg/m2、特に好ましくは5〜100mg/m2
ある。
【0049】本発明の光学的記録媒体において、潤滑剤
を含有する層には種々の添加剤を加えることができる。
例えば、10〜22個の炭素原子を有する一塩基脂肪酸
(飽和、不飽和、Li,Na,K,Cu塩を含む)、2
〜22個の炭素原子を有する1〜6価のアルコール(飽
和、不飽和を含む)、12〜22個の炭素原子を有する
アルコキシアルコール(飽和、不飽和を含む)、12〜
22個の炭素原子を有する一塩基脂肪酸のエステル(飽
和、不飽和を含む)、8〜22個の炭素原子を有する脂
肪酸アミド等があげられる。これらの化合物の具体例と
しては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノレン酸、ス
テアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン
酸イソオクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ブ
トキシエチル、オレイルアルコール、ラウリルアルコー
ル等があげられる。
【0050】本発明において、潤滑剤を含有する層を形
成する場合には、前記各層を形成するために用いられる
塗布液に前記潤滑剤の分散、又は溶解させて用いること
ができる。潤滑剤を分散又は溶解させるための溶媒とし
ては、潤滑剤の分散安定性、又は溶解性を悪化させない
ものであれば良く、例えば、水、各種界面活性剤を含有
した水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール等)、ケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル
類(酢酸、蟻酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸等の
メチル、エチル、プロピル、ブチルエステル等)、炭化
水素系(ヘキサン、シクロヘキサン等)、ハロゲン化炭
化水素系(メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化
炭素等)、芳香族炭化水素系(ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ベンジルアルコール、安息香酸、アニソール
等)、アミド系(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、n−メチルピロリドン等)、エーテル系(ジ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン
等)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエ
ーテルアルコール類、グリセリン、ジエチレングリコー
ル、ジメチルスルホキシド等がある。この中でも水、各
種界面活性剤を含有した水、アルコール類、ケトン類、
エステル類が好ましい。
【0051】本発明の光学的記録媒体においては、前記
レーザービーム応答性化合物を含有する光感応記録層
は、記録又は再生に用いるレーザービームに対して、反
射率15%以上、透過率30%以下であるテープ状光学
的情報記録媒体であることが好ましい。反射率が低いと
読取り信号が弱く、C/Nが低くなる。吸収透過率が高
いと記録感度が低くなる。
【0052】本発明の光学的記録媒体の製造は、支持体
上に前記の各層を所定の順序、所定の膜厚で形成するこ
とによって行うことができる。支持体上に前記の各層を
形成する方法としては、各層の構成成分を含有する塗布
液を塗布して、順次、又は同時に各層を形成する方法が
挙げられる。ディスク状の支持体上に各層を形成する方
法としては、スピンコート法、スライドコート法、カー
テンコート法、エクストルージョンコート法、ワイヤー
バーコート法、グラビアコート法、スプレイコート法等
の方法が挙げられる。
【0053】また、テープ状の支持体上に前記各層を有
する記録媒体を製造するために、テープ状の支持体上に
各光感応記録層の構成成分を含有する塗布液を塗布する
方法としては、特に、生産性と膜厚の精度の観点から、
薄層の塗布が可能で、かつ充分均一な塗膜を形成できる
方法として、写真感光材料の製造に広く用いられている
スライドコーター、カーテンコーター、エクストルージ
ョンコーター、ワイヤーバーコーター、グラビアコータ
ーを用いる塗布方法が好ましい。各層の塗布は、スライ
ドコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコ
ーターを用いて、一層づつ逐次的に塗布するか、あるい
は複数の層を同時に塗布することもできる。塗布速度
は、例えば毎分1メートル〜1000メートルの広い範
囲で選択し得るが、塗布面質の均一性と塗布速度の安定
性を維持し易い毎分10メートル〜200メートルが好
ましい。
【0054】本発明において上記の各光感応記録層を塗
布によって形成する際に調製する塗布液は、水、有機溶
媒、あるいはこれらの混合物に塗布すべき素材を溶解も
しくは分散して調製する。例えば、レーザー応答性化合
物と、バインダーとしての高分子化合物とを主体とする
混合物を塗布する場合の溶媒としては、ケトン類(例え
ばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセト
ン)、アルコール類(例えばエタノール、ブタノール、
シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、2,2,
3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール)、ハロゲ
ン化炭化水素類(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン)等が挙げられる。塗布液の粘度は0.5〜100
0cP、特に高速で薄層の塗布を行うためには0.5〜
100cPが好ましい。また、塗布性を向上させるた
め、塗布液に界面活性剤、増粘剤を、また、塗布後の乾
燥風による流れむらを抑制するための結晶核剤、ゲル化
剤、好ましくは高分子鎖を共有結合で架橋するための多
官能性化合物(例えばアルキレンジイソシアネート類、
ジクロロトリアジン類、ビスビニルスルホン類等)等を
添加することもできる。
【0055】また、本発明の光学的記録媒体の製造にお
いて、光感応記録層を支持体上に、安定に、塗布液の塗
布によって形成するために、支持体上に下塗り層を予め
形設してから各層を形成してもよい。下塗り層を設置す
ると支持体と光感応記録層の密着性が向上し、ハガレや
ハジキを防止することができるという効果を有するので
好ましい。下塗り層の組成としては、光感応記録層を形
成するための塗布液と親和性がある成分が好ましい。特
に、ポリマーバインダーの塗布によって形成するのが好
ましい。また金属(アルミニウム等)を蒸着してもよ
い。
【0056】また、支持体上に塗布液の塗布によって、
光感応記録層を安定に形成するために、レーザービーム
応答性化合物とバインダーとしての高分子化合物とを共
有結合で連絡してもよい。例えば、レーザービーム応答
性化合物として反応性染料を用い、バインダーとしてセ
ルロース系ポリマー、ゼラチン等の水酸基やアミノ基を
含むポリマーを用いることが好ましい。あるいはジイソ
シアネート等の架橋剤の存在下に水酸基又はアミノ基を
有する色素と水酸基やアミノ基を含むバインダーとを混
合して塗布することが好ましい。
【0057】本発明の光学的記録媒体がテープ状の記録
媒体(光テープ)である場合は、その製造工程、例え
ば、有機溶剤の塗工工程において、過剰なウエブへの帯
電は塗装ムラを誘発したり、放電により着火の危険性か
ら望ましくない。更にテープへの裁断を行うスリット工
程でも裁断の際に発生する裁断屑がテープに付着した
り、特にテープが薄い場合にはテープ同志の静電気によ
る付着等は走行時のジャミングを発生させる等重大な問
題を引き起こす。帯電防止層は記録層側でも反射面でも
よく、記録層中でも下塗り層としてもよい。
【0058】このため、本発明の光学的記録媒体が、テ
ープ状の記録媒体の場合には、テープに帯電防止機能を
付与することが望ましい。テープ状の記録媒体に要求さ
れる帯電防止機能としては表面抵抗値SRと電荷漏洩速
度が挙げられる。表面抵抗値としてはlog(SR)1
0以下、好ましくは8以下であり、電荷漏洩速度として
は8KV印加時の電荷半減期Thが60秒以下、好まし
くは10秒以下である。
【0059】本発明の光学的記録媒体に適用されるレー
ザーは、YAG等の固体レーザー(160nm)、アル
ゴンレーザー(488nm)、ヘリウム−ネオンレーザ
ー(633nm)等のガスレーザー、半導体レーザー
(例えば830nm、780nm、680nm、635
nm、410nm)等のレーザーを情報を記録又は再生
する光感応記録層のレーザービーム応答性化合物の感応
する波長に応じて適宜選択することができる。
【0060】情報の記録時のレーザーパワーは2mW以
上であることが好ましく、情報の読取り時のレーザーパ
ワーは1mW以下であることが好ましい。
【0061】装置が小型にできる点で好ましいのは半導
体レーザーであり、好ましい例としては780nmの半
導体レーザーで、6〜15mWのパワーで書き込み、1
mW以下のパワーで読取ることである。
【0062】ビーム直径は0.4〜2μm程度が好まし
い。記録媒体とレーザービームとの相対線速度は1〜2
0m/秒であり、好ましくは5〜15m/秒である。
【0063】以上、本発明の情報記録媒体として、光学
的情報記録媒体を例として説明したが、他の記録媒体、
例えば磁気記録媒体の場合も上記の光学的情報記録媒体
の説明から、どのような構造とし、いかに製造するかを
当業者は容易に理解するであろう。
【0064】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
【0065】(実施例1)幅18cm、厚さ20μmの
ポリエチレンテレフタレート支持体に、下記液組成Aの
塗布液を、ワイヤーバーコーターで塗布して赤色感応層
を形成した。塗布液は塗布液タンクより送液ポンプで送
液され、フィルターを通ってワイヤーバーコーターに供
給された。ワイヤーバーコーターは支持体の搬送方向と
同方向に回転し、塗布液を支持体に転写した。ワイヤー
の直径は0.15mm、ワイヤーバーの周速は毎分20
mで、乾燥膜厚0.2μmの塗膜を得た。塗布後、40
℃で、次に摂氏100度の温風で乾燥した後、巻取っ
た。
【0066】次に、形成した赤色感応層の上に、同様の
ワイヤーバーコーターを用いて液組成Bの塗布液を塗布
して厚さ0.1μmの保護層を形成した。用いたワイヤ
ーは、直径0.05mm、周速毎分30mであり、同様
に100℃の温風で乾燥後巻取った。
【0067】 液組成A: 化合物 赤色感応色素(注1) 1部 IRG−022(日本化薬(株)製) 0.2部 セルロースアセテートブチレート 2部 (イーストマンケミカル社製) コロネート(日本ポリウレタン工業(株)製) 0.1部 1,2−ジクロロエタン 100部 (注1):前記式(2)のR1がn−ブチル基、X-がパラトルエンス ルホン酸アニオンである化合物
【0068】
【化2】
【0069】 液組成B: ポリシラザン(Mn1000)高粘性タイプ 20部 mキシレン 180部
【0070】(比較例1)保護層を形成しない以外は、
実施例1と同様にして、テープ状の多層光学的情報記録
媒体を得た。
【0071】(比較例2、3)液組成Bのポリシラザン
に代えて、ポリエステルポリウレタンを用いて、各々厚
さ0.1μm、1μmの保護層を形成した以外は、実施
例1と同様にしてテープ状の多層光学的情報記録媒体を
得た。
【0072】(比較例4、5)液組成Bのポリシラザン
に代えて、ニトロセルロースを用いて、各々厚さ0.1
μm、1μmの保護層を形成した以外は、実施例1と同
様にしてテープ状の多層光学的情報記録媒体を得た。
【0073】<テープ状光学的情報記録媒体の評価>以
上のようにして作成したテープ状の多層光学的情報記録
媒体について、キャリアレベルC(dBm)、ノイズレ
ベルN(dBm)、C/N比(dB)を評価した。評価
条件は下記の通りであった。結果を表1に示した。
【0074】半導体レーザー:波長680nm レーザービーム径:1μm 線速度:毎秒5m 記録パワー:8mW 記録周波数:2.5MHz 記録デューティー:50% 再生パワー:0.6mW 100パス後のC/N:VHSのVTRを改造し、繰り
返し100パス走行後のテープに記録再生しC/Nを測
定した。 擦り傷 :100パス走行後のテープ表面
を観察した。
【0075】
【表1】
【0076】表1に示される結果より、以下のことが明
らかである。本発明の実施例1〜4のテープ状の多層光
学的情報記録媒体は、100パス後のC/N比を含めて
C/N比に優れ、耐傷性にも優れる。一方、保護層を有
しない比較例1の場合、100パス後のC/N比を含め
てC/N比が悪く、耐傷性にも劣る。また、本発明で特
定されたポリマーを用いない保護層が設けられている比
較例2〜5の場合も、比較例1の場合と同様に、100
パス後のC/N比を含めてC/N比が悪く、耐傷性にも
劣る。
【0077】
【発明の効果】主鎖に(−Si−N−)で示される構造
を有するポリマーからなる本発明の保護層をもつ本発明
の情報記録媒体、特に光学的情報記録媒体は、各種波長
のレーザーによって情報を記録又は再生することがで
き、また多数回の走行に関しても非常に安定であり、記
録容量の増大化を図ることができる。記録ピットから生
成する飛散物を保護層により容易に抑えることが出来る
と共に、走行傷の発生の少なさにおいて本発明の保護膜
は特に優れ、色素膜を安定化できる。さらに記録ピット
を最小化しても、C/Nの向上が期待できる。また、本
発明の保護層の設置によりテープ状の記録媒体として
も、飛躍的な記録容量の増大化が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 忠宏 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA02 EA03 EA11 EA12 EA22 EA25 EA39 EA42 FA01 FA14 FA30 FB42 4J035 JA03 LA03 LB20 5D029 LA03 LA05 LB07 LC18 LC21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録層よりも上に位置し、主鎖に(−S
    i−N−)で示される構造を有するポリマーからなるこ
    とを特徴とする情報記録媒体用保護層。
  2. 【請求項2】 上記ポリマーがポリシラザンであること
    を特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用保護層。
  3. 【請求項3】 情報記録媒体が光学的情報記録媒体であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録媒
    体用保護層。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の保護層を有する
    ことを特徴とする情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 情報記録媒体が、光学的情報記録媒体で
    あることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 支持体上に、光学的に情報の記録及び/
    又は再生が可能な厚さ50〜2000mμの光感応記録
    層を少なくとも1層有し、該光感応記録層の上に、厚さ
    0.001〜0.2μmの保護層を有することを特徴と
    する請求項5に記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 光感応記録層が有機色素層からなる請求
    項6に記載の情報記録媒体。
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