JP2000130519A - サイレントチェ―ン組立体およびサイレントチェ―ン・チェ―ンガイドシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チェーン幅が狭い場合でもスプロケットとの
最適な噛合状態を維持でき、スプロケット歯の強度を許
容可能な範囲に維持できるようにする。また、バランス
のとれたリンク強度を有するサイレントチェーン組立体
を提供する。 【解決手段】 内側リンク３からなる内側リンク列およ
び外側リンク４，５からなる外側リンク列を交互に配置
するとともに、これらをピン１２で連結してチェーン１
を構成する。この場合において、内側リンク３および外
側リンク４，５はいずれも上部およびこれから垂れ下が
った一対の内向き歯を有しており、外側リンク４，５の
上部を第１の鉛直方向距離だけ上方に延ばし、内側リン
ク３の上部を第２の鉛直方向距離だけ上方に延ばすとと
もに、第１の鉛直方向距離を第２の鉛直方向距離よりも
長くした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、サイレントチェー
ンに関し、詳細には、チェーンの横方向制御のために内
部からガイドされるものに関する。

【０００２】

【従来の技術およびその課題】発明の背景 本発明は、１９９８年９月２１日に出願された米国仮出
願第60/101,262号の利益を主張する。

【０００３】トランスミッションおよびタイミング駆動
装置に適用される典型的な内向き歯チェーンにおいて
は、内側リンクの組と外側リンクの組が設けられてい
る。内側リンクの組は、スプロケット歯と噛み合って動
力を伝達する一枚またはそれ以上の内向き歯付リンクを
有している。一般に、外側リンクの組は、内側リンクの
組に用いられる内向き歯付リンクと同様の内向き歯付リ
ンクを数枚有しており、さらに、最外側の位置に、スプ
ロケットの側部または外側フランクと係合することによ
ってチェーンをスプロケット上でガイドするのに寄与す
る二枚の外側リンクまたはガイドリンクを通常有してい
る。特殊なケースにおいては、二枚のガイドリンクが、
中央に配置された一枚のガイドリンクによって置き換え
られている。

【０００４】チェーンの幅が狭くなると、二枚のガイド
リンクによって占有されるスペースが、チェーンによっ
て占有される総スペースの大部分を占めるようになる。
この問題に取り組むため、内側リンクの組のリンクのみ
でスプロケットと噛み合うチェーンが考案されている。
このようなチェーンの外側リンクの組は、一般に、二枚
のガイドリンクしか有していない。これらのチェーン
は、大抵の場合、並設されることによりリンクのブロッ
クを形成することになる多数の同一形状のスプロケット
噛合リンクを有していることから、「ブロック配列のチ
ェーン」として知られている。このブロック配列のチェ
ーンの最近の例は、レッドバイナの米国特許第 4,758,2
10号である。

【０００５】しかしながら、この種のチェーンは、決し
て最適とはいえない方法でスプロケットと噛み合う。ま
た、チェーンの幅が狭くなると、スプロケット歯の厚み
がさらに減少し、その結果、潜在的な強度の問題が引き
起こされる。この問題は、リンク強度を向上させるため
にスプロケット歯の断面積をも減少させた場合にさらに
大きくなる。

【０００６】また、ノイズはどのチェーン駆動装置にも
つきものである。ノイズは、種々の発生源により発生す
るが、スプロケット歯の側部と接触するガイドリンクか
ら発生するノイズに取り組みことが本発明の一つの目的
である。

【０００７】スプロケット噛合内側リンクおよび外側リ
ンク列のガイドリンクを含む従来構造のチェーンに関連
する他の大きな問題は、従来のリンクおよびガイドリン
クの強度および弾性が大きく変化することである。特殊
なガイドリンクの形状によってこの問題に取り組んだ試
みがアブラミディスの米国特許第 4,915,675号およびブ
レマーの米国特許第 2,602,344号に示されている。これ
らの方法は、適度の改良をもたらしているが、リンク強
度が比較的高いトランスミッションチェーンに適用され
たときにより良い結果が得られる。

【０００８】これに対して、タイミングチェーンにおけ
る強度が低く変形しやすいリンクや、とくに幅の狭いタ
イミングチェーンのリンクの場合には、スプロケット噛
合内側リンクおよびガイドリンク間の強度の違いが相当
あるため、結果はあまり良好なものではない。

【０００９】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、その目的は、チェーン幅が狭い場合で
もスプロケットとの最適な噛合状態を維持できるサイレ
ントチェーン組立体およびサイレントチェーン・チェー
ンガイドシステムを提供することにある。また、本発明
の他の目的は、チェーン幅が狭い場合でもスプロケット
歯の強度を許容可能な範囲に維持できるサイレントチェ
ーン組立体およびサイレントチェーン・チェーンガイド
システムを提供することにある。本発明のさらに他の目
的は、バランスのとれたリンク強度を有するサイレント
チェーン組立体およびサイレントチェーン・チェーンガ
イドシステムを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係るサ
イレントチェーン組立体は、交互に配置された複数の内
側リンクおよび外側リンクを有するサイレントチェーン
を備え、前記リンクが交互配置の内側リンク列および外
側リンク列に組み立てられており、前記リンクの各々
が、上部と、前記上部から下方に垂れ下がった一対の内
向き歯とを有し、前記内向き歯の各々が、関連するスプ
ロケットの歯と駆動接触するように設けられた少なくと
も一つの面を有している。また、前記チェーンの屈曲運
動を許容するために、隣り合うリンクの組を連結する枢
支部材を備え、各リンクが前記枢支部材を受け入れるた
めの一対の開孔を有し、前記外側リンク列における一対
の最外側リンクがその開孔内に前記枢支部材を強固に嵌
合しており、前記内側リンク列における前記リンクの開
孔内の前記枢支部材が前記開孔に対して回転するように
許容されている。さらに、前記外側リンクが、前記内側
リンクのチェーン横方向外側に配置されており、前記外
側リンクの前記上部が、該外側リンクの前記開孔の上方
において第１の鉛直方向距離だけ延び、前記内側リンク
の前記上部が、該内側リンクの前記開孔の上方において
第２の鉛直方向距離だけ延びるとともに、前記第１の距
離が前記第２の距離よりも長くなっている。

【００１１】請求項２の発明に係るサイレントチェーン
組立体は、請求項１において、前記リンク列のうちのい
くつかのリンク列が内側リンクのみから構成され、他の
リンク列が外側リンクおよび中央のリンクから構成され
ていることを特徴としている。

【００１２】請求項３の発明に係るサイレントチェーン
組立体は、請求項２において、前記リンクの各々がチェ
ーン横方向の厚みを有しており、前記内側リンク列の各
々が単一のリンクを有し、前記内側リンク列の前記単一
のリンクが前記外側リンク列の各リンクの厚みの約２倍
の厚みを有していることを特徴としている。

【００１３】請求項４の発明に係るサイレントチェーン
組立体は、請求項３において、前記２枚の外側リンク間
において外側リンク列に複数の中央リンクが配置されて
いることを特徴としている。

【００１４】請求項５の発明に係るサイレントチェーン
組立体は、請求項１において、前記リンクの各々がチェ
ーン横方向の厚みを有しており、前記内側リンク列の前
記リンクの厚みの総計が前記外側リンク列の前記リンク
の厚みの総計と概略等しいことを特徴としている。

【００１５】請求項６の発明に係るサイレントチェーン
組立体は、請求項１において、スプロケットをさらに備
え、前記スプロケットが、前記チェーンの前記歯と接触
するように構成されて配置されかつ間隔を隔てた複数の
歯を有しており、前記スプロケット歯の各々が前記チェ
ーンの横方向の厚みを有し、前記スプロケット歯の各々
がほぼ同じ厚みを有しており、前記スプロケット歯の厚
みが前記チェーンのどの列のリンクの厚みの総計よりも
大きくなっていることを特徴としている。

【００１６】請求項７の発明に係るサイレントチェーン
およびチェーンガイドシステムは、交互に配置された複
数の内側リンクおよび外側リンクを有するサイレントチ
ェーンを備え、前記リンクが交互配置の内側リンク列お
よび外側リンク列に組み立てられており、前記リンクの
各々が、上部と、前記上部から下方に垂れ下がった一対
の内向き歯とを有し、前記内向き歯の各々が、関連する
スプロケットの歯と駆動接触するように設けられた少な
くとも一つの面を有している。また、前記チェーンの屈
曲運動を許容するために、隣り合うリンクの組を連結す
る枢支部材を備え、各リンクが前記枢支部材を受け入れ
るための一対の開孔を有し、前記外側リンク列における
一対の最外側リンクがその開孔内に前記枢支部材を強固
に嵌合しており、前記内側リンク列における前記リンク
の開孔内の前記枢支部材が前記開孔に対して回転するよ
うに許容されている。さらに、前記外側リンクが、前記
内側リンクのチェーン横方向外側に配置されており、前
記外側リンクの前記上部が、該外側リンクの前記開孔の
上方において第１の鉛直方向距離だけ延び、前記内側リ
ンクの前記上部が、該内側リンクの前記開孔の上方にお
いて第２の鉛直方向距離だけ延びるとともに、前記第１
の距離が前記第２の距離よりも長くなっている。また、
前記チェーンの上部に沿って配置されたチェーンガイド
を備え、前記チェーンガイドが立ち上がった中央部を有
し、前記中央部が前記外側リンクの前記上部によって限
定される通路内に配置されており、前記チェーンガイド
が前記チェーンの横方向の動きを制限するように作用し
ていることを特徴としている。

【００１７】請求項８の発明に係るサイレントチェーン
およびチェーンガイドシステムは、交互に配置された複
数の内側リンクおよび外側リンクを有するサイレントチ
ェーンを備え、前記リンクが交互配置の内側リンク列お
よび外側リンク列に組み立てられており、前記リンクの
各々が、上部と、前記上部から下方に垂れ下がった一対
の内向き歯とを有し、前記内向き歯の各々が、関連する
スプロケットの歯と駆動接触するように設けられた少な
くとも一つの面を有している。また、前記チェーンの屈
曲運動を許容するために、隣り合うリンクの組を連結す
る枢支部材を備え、各リンクが前記枢支部材を受け入れ
るための一対の開孔を有し、前記外側リンク列における
一対の最外側リンクがその開孔内に前記枢支部材を強固
に嵌合しており、前記内側リンク列における前記リンク
の開孔内の前記枢支部材が前記開孔に対して回転するよ
うに許容されている。さらに、前記外側リンクが、前記
内側リンクのチェーン横方向外側に配置されており、前
記外側リンクの前記上部が、該外側リンクの前記開孔の
上方において第１の鉛直方向距離だけ延び、前記内側リ
ンクの前記上部が、該内側リンクの前記開孔の上方にお
いて第２の鉛直方向距離だけ延びるとともに、前記第１
の距離が前記第２の距離よりも短くなっている。また、
前記チェーンの上部に沿って配置されたチェーンガイド
を備え、前記チェーンガイドが中央に配置された溝を有
し、前記内側リンクの前記上部が前記溝の内部に配置さ
れており、前記チェーンガイドが前記チェーンの横方向
の動きを制限するように作用していることを特徴として
いる。

【００１８】請求項９の発明に係るサイレントチェーン
およびチェーンガイドシステムは、請求項８において、
前記上部を備えた前記内側リンクが複数の内側リンク列
内に配置されていることを特徴としている。

【００１９】請求項１０の発明に係るサイレントチェー
ンおよびチェーンガイドシステムは、請求項８におい
て、前記上部を備えた前記内側リンクが複数の外側リン
ク列内に配置されていることを特徴としている。

【００２０】請求項１の発明においては、内側リンク列
の各リンクおよび外側リンク列の各リンク（最外側リン
ク含む）が一対の内向き歯をそれぞれ有し、外側リンク
の上部が第１の鉛直方向距離だけ上方に延びるととも
に、内側リンクの上部が第２の鉛直方向距離だけ上方に
延びており、第１の距離が第２の距離よりも長くなって
いる。

【００２１】これにより、チェーンの運転時には、外側
リンクの上部によってチェーンがガイドされることにな
る。また、この場合、外側リンク列の最外側リンクも一
対の内向き歯を有しており、スプロケット歯との噛合い
に参加する。これにより、チェーン幅が狭い場合でも、
内側リンク列のみならず外側リンク列のすべてのリンク
がスプロケットとの噛合いに参加するようになり、その
結果、スプロケットとの最適な噛合状態を維持できる。
しかも、チェーン幅が狭い場合でも、スプロケット歯の
厚みを確保できるので、スプロケット歯の強度を許容可
能な範囲に維持できるようになる。

【００２２】請求項２の発明に記載されているように、
リンク列のうちのいくつかのリンク列は内側リンクのみ
から構成され、他のリンク列が外側リンクおよび中央の
リンクから構成されていてもよい。

【００２３】請求項３の発明においては、内側リンク列
の各々が単一のリンクを有しており、内側リンク列の単
一のリンクが外側リンク列の各リンクの厚みの約２倍の
厚みを有している。この場合には、外側リンクの上部が
内側リンクの上部よりも延長されていること、および内
側リンク列が一枚のリンクから構成されているのに対し
て外側リンク列が二枚のリンクから構成されていること
によって、外側リンク列の強度が内側リンク列の強度よ
りも高くなっている。したがって、このように内側リン
クの厚みを外側リンクの厚みの約２倍とすることによっ
て、内側リンク列および外側リンク列間の強度を均等に
することができ、バランスのとれたリンク強度を有する
サイレントチェーン組立体を実現できる。

【００２４】請求項４の発明に記載されているように、
前記２枚の外側リンク間において外側リンク列に複数の
中央リンクが配置されていてもよい。

【００２５】請求項５の発明に記載されているように、
内側リンク列のリンクの厚みの総計は外側リンク列のリ
ンクの厚みの総計と概略等しくなっていてもよい。

【００２６】請求項６の発明においては、さらにスプロ
ケットが設けられており、スプロケット歯の厚みがチェ
ーンのどの列のリンクの厚みの総計よりも大きくなって
いる。これにより、チェーン幅が狭い場合でも、スプロ
ケット歯の強度を許容可能な範囲に維持できる。

【００２７】請求項７の発明においては、サイレントチ
ェーンにおける内側リンク列の各リンクおよび外側リン
ク列の各リンク（最外側リンク含む）が一対の内向き歯
をそれぞれ有し、外側リンクの上部が第１の鉛直方向距
離だけ上方に延びるとともに、内側リンクの上部が第２
の鉛直方向距離だけ上方に延びており、第１の距離が第
２の距離よりも長くなっている。また、チェーンガイド
が立ち上がった中央部を有し、該中央部が外側リンクの
上部によって限定される通路内に配置され、チェーンガ
イドがチェーンの横方向の動きを制限するように作用し
ている。

【００２８】これにより、チェーンの運転時には、外側
リンクの上部によってチェーンがチェーンガイドにより
ガイドされることになる。また、この場合、外側リンク
列の最外側リンクも一対の内向き歯を有しており、スプ
ロケット歯との噛合いに参加する。これにより、チェー
ン幅が狭い場合でも、内側リンク列のみならず外側リン
ク列のすべてのリンクがスプロケットとの噛合いに参加
するようになり、その結果、スプロケットとの最適な噛
合状態を維持できる。しかも、チェーン幅が狭い場合で
も、スプロケット歯の厚みを確保できるので、スプロケ
ット歯の強度を許容可能な範囲に維持できるようにな
る。

【００２９】請求項８の発明においては、サイレントチ
ェーンにおける内側リンク列の各リンクおよび外側リン
ク列の各リンク（最外側リンク含む）が一対の内向き歯
をそれぞれ有し、外側リンクの上部が第１の鉛直方向距
離だけ上方に延びるとともに、内側リンクの上部が第２
の鉛直方向距離だけ上方に延びており、第１の距離が第
２の距離よりも短くなっている。また、チェーンガイド
が中央の溝を有し、内側リンクの上部が溝の内部に配置
され、チェーンガイドがチェーンの横方向の動きを制限
するように作用している。

【００３０】これにより、チェーンの運転時には、内側
リンクの上部によってチェーンがチェーンガイドにより
ガイドされることになる。また、この場合、外側リンク
列の最外側リンクも一対の内向き歯を有しており、スプ
ロケット歯との噛合いに参加する。これにより、チェー
ン幅が狭い場合でも、内側リンク列のみならず外側リン
ク列のすべてのリンクがスプロケットとの噛合いに参加
するようになり、その結果、スプロケットとの最適な噛
合状態を維持できる。しかも、チェーン幅が狭い場合で
も、スプロケット歯の厚みを確保できるので、スプロケ
ット歯の強度を許容可能な範囲に維持できるようにな
る。

【００３１】請求項９の発明に記載されているように、
前記上部を備えた内側リンクは、複数の内側リンク列内
に配置されていてもよい。

【００３２】請求項１０の発明に記載されているよう
に、前記上部を備えた内側リンクは、複数の外側リンク
列内に配置されていてもよい。

【００３３】

【発明の実施の形態】発明の要約 チェーンおよびスプロケット間の最適な噛合状態に悪影
響を与えることなく、非常に幅の狭い形態を許容するチ
ェーンの実施態様に到達するとともに、スプロケット歯
の強度を許容可能な範囲に維持し、さらに、リンク間に
おける強度および弾性の不釣り合いな組合せを排除する
ことが、本発明の目的である。

【００３４】本発明においては、外側リンク列が従来の
内側リンク列と交互に組み合わされている。外側リンク
列における従来のガイドリンクを除去し、次に、内側リ
ンク列における厚い内側リンクを、簡略化された組立体
内で好ましい任意の形状のピンとともに外側リンク列の
薄いリンクと組み合わせることによって、本発明の目的
が達成される。

【００３５】もっとも簡略化された実施態様において
は、内側リンク列において通常のリンクの厚みの約２倍
の厚い一枚のリンクが、外側リンク列の標準的な厚みの
二枚のリンクとともに交互に組み合わされている。丸い
または楕円形のあるいは揺動するピンが、薄い二枚の外
側リンク内に一般に圧入によって強固に装着されて組立
体を結合している。スプロケットの厚みは、厚いリンク
の厚みに薄い二枚のリンクの厚みを加えた厚みよりもい
くらか大きくなっている。

【００３６】他の実施態様では、内側リンク列および外
側リンク列が交互に組み合わされて配置されている。外
側リンク列は、標準的な厚みを有し、ピンの両端に圧入
サレた一対の外側リンクを有している。外側リンクは、
クロッチ部で連結された一対の垂れ下がった歯を有して
いる。外側リンクの歯は、スプロケット歯と噛み合うよ
うに設けられた面を有している。

【００３７】外側リンクはさらに、外側リンク間に配置
された標準的な厚みの中央のリンクまたは内側リンクを
有している。中央のリンクは、従来の内側リンクと同じ
形態を有しており、外側リンク列に配置されることによ
って区別される。中央のリンクは、ピンまたは枢支部材
によって外側リンクに連結されているが、ピンに固定さ
れる必要はなく、ピンに対して自由に動き、屈曲しまた
は回転する。

【００３８】内側リンク列は、外側リンクの約２倍の厚
みの一対の内側リンクを有している。各内側リンクは、
中央のリンクの外側フランク面および外側リンクの間に
配置されている。内側リンクはピンによって連結されて
いるが、ピンには固定されておらず、これにより、ピン
の回りを自由に屈曲しまたは回転する。

【００３９】従来のチェーンガイドリンクを除去するこ
とにより、チェーンをスプロケット上に保持するための
異なった手段が必要になる。このため、チェーンをスプ
ロケット上に保持するための他の手段を提供することが
本発明のさらに他の目的である。一実施態様において
は、チェーンの横方向の動きを制限するために、スプロ
ケットが側部フランジ面を含むように修正されている。

【００４０】他の実施態様では、延長されたリンク間で
チェーン突出部外側の部材を有することによりチェーン
を固定位置でガイドするように、外側リンク列の最外側
リンクの高さを増やしてやることが可能である。これ
は、外側リンクの上部を該外側リンクの開孔の上方に第
１の鉛直方向距離だけ延長することによって達成され
る。内側リンクの上部は、該内側リンクの開孔の上方に
第２の鉛直方向距離だけ延長されている。外側リンクの
第１の距離は、内側リンク列の内側リンクの第２の距離
よりも大きくなっている。このため、外側リンクの上部
が内側リンクの上部よりも鉛直方向により長く延びてい
る。

【００４１】さらに他の実施態様では、外側リンクの第
１の距離が、内側リンクの第２の距離よりも小さくなっ
ている。このため、外側リンクの上部が内側リンクの上
部よりも鉛直方向の長さが短くなっている。この場合に
は、内側リンクの上部延長部は、ガイド部材に形成され
た溝に係合する。これらの実施態様のうちのいくつか
は、以下により詳細に説明される。

【００４２】本発明のこれらおよびその他の特徴・目的
をよく理解するためには、添付図面に関連して以下の詳
細な記述が参照されるべきである。

【００４３】好ましい実施態様の詳細な説明 図１および図２は、従来の一般的なチェーンシステムお
よびチェーンガイドを示している。クランクシャフト５
６およびカムシャフト５８に沿って配置されたスプロケ
ット５２，５４の回りにチェーン５０が巻き付けられて
いる。チェーン５０の弛み側スパン６２には、テンショ
ナ６０が配置されている。テンショナ６０は、チェーン
５０側に押圧されるアーム６４を有している。チェーン
５０の張り側スパン６８には、ガイド６６が配置されて
いる。チェーン５０は、ピン５５によって互いに連結さ
れた内側リンク５３を用いて組み立てられている。ピン
５５は、ガイドリンク５１に固定されている。

【００４４】ガイド６６の断面が図２に示されている。
ガイド６６は、ブラケット７２によりエンジンブロック
７０に取り付けられている。ガイド６６は、ブラケット
７２に着座しており、チェーン５０をガイドするための
立ち上がった側部７４，７６を有している。両側部７
４，７６は、チェーン５０のガイドリンク５１と接触す
ることによって、チェーン５０の横方向への移動を制限
している。

【００４５】図３は、本発明の第１の実施態様を示して
いる。チェーンガイド２の上方を走行するチェーン１
は、スプロケット噛合リンクのみから構成されている。
チェーン１が、該チェーン１をスプロケット上に保持す
るための外部ガイドリンクなしに組み立てられているこ
とにより、このチェーンシステムは、タイミング駆動装
置に通常用いられるテンショニング機構への変更を含む
内部ガイド装置に依存している。

【００４６】本発明による内部ガイドのチェーンシステ
ム１０は、延長された外側リンク４，５を備えたチェー
ン１を有しており、該外側リンク４，５は、チェーンガ
イド２の立ち上がった中央の摩耗面７の上方に通路６を
形成している。チェーン１は、外側リンク４，５に加え
て、複数の内側リンク３から構成されている。内側リン
ク３および外側リンク４，５の両タイプのリンクは、動
力伝達のためにスプロケット歯と接触する歯を有してい
る。

【００４７】外側リンク４，５の上部は、該外側リンク
４，５の開孔を超えて第１の鉛直方向距離の分だけ立ち
上がって延長されている。内側リンク３の上部は、該内
側リンク３の開孔を超えて第２の延長方向距離の分だけ
立ち上がって延長されている。第１の距離が第２の距離
よりも大きい場合には、チェーン１の上側部９における
外側リンク４，５上部の大きな延長部が、これら外側リ
ンク４，５間の通路６を形成する。チェーンガイド２の
立ち上がった摩耗面７は、外側リンク４，５間において
チェーン１の上側部９に形成される通路６の形状とほと
んど一致する形状を有している。

【００４８】このチェーンシステムは、図１に示される
アーム６４のようなテンショナアームまたはスナッバを
有している。アーム６４およびスナッバは、好ましく
は、チェーン１の上側部９に形成される通路６と一致す
る中央の立ち上がり部を有している。

【００４９】チェーンガイド２がエンジンタイミングシ
ステム内に配置された場合、運転中には、延長された外
側リンク４，５間においてチェーン１上に形成された通
路６が、チェーンガイド２の立ち上がった中央の摩耗面
の上を走行する。チェーン１の上側部９は、立ち上がっ
たチェーンガイド摩耗面７の底側部８に沿って走行す
る。通路６をチェーン１の上側部９に形成し、立ち上が
った中央の摩耗面７をチェーンガイド２に形成すること
により、内部からガイドされたチェーンシステム１０が
構築される。この内部ガイドのチェーンシステム１０
は、チェーン１の横方向の動きを制御する。

【００５０】上述の実施態様におけるチェーン１は、厚
い一枚の内側リンク３と、薄い二枚の外側リンク４，５
とから構成されている。外側リンク４，５が内側リンク
３よりも背が高いことにより、外側リンク４，５の方が
強度が高い。このため、外側リンク４，５の厚みを内側
リンク３の厚みの半分以下にして、外側リンク４，５の
強度を内側リンク３の強度の少なくとも半分にすること
により、リンク強度のバランスがとれた構造になってい
る。強固に嵌合したピン１２もまたチェーン１の強度特
性を向上させるので、薄い外側リンク４，５は、かなり
の強度を有しかつ幅の狭いチェーンを構築するのに寄与
する。

【００５１】本発明によるチェーン１１を高強度化した
ものが図４に開示されている。適切な厚みの二枚のリン
ク１３が内側リンク列に用いられており、同じスプロケ
ット噛合形状を有する薄い三枚のリンク１４，１５，１
６が外側リンク列に用いられている。三枚の薄いリンク
のうちの一つである中央のリンク１６は、厚い二枚の内
側リンク１３の間に配置されている。その他の外側の薄
い二枚のリンク１４，１５は、厚いリンクの外側に配置
されている。

【００５２】どのようなピン形状が選択されようとも、
ピン１２は最外側の二枚のリンクに強固に装着される。
中央に配置された薄いリンク１６が強固に固定されるか
または可動な状態で装着されるかは選択の問題である。

【００５３】この構成では、内側リンク列に厚い一枚以
上のリンクを含むその他の任意の構成において、リンク
の適切な厚みを選択するのに、ある工程に従わなければ
ならない。性能要件に基づいて厚いリンクの厚みを選択
した後は、厚いリンクの全厚みを厚いリンクの枚数プラ
ス１で割ることによって、最外側の薄いリンクの厚みが
得られる。これは、外側リンク列のリンクの概略の厚み
である。中央の薄いリンクがピンに強固に装着される場
合には、外側リンクの厚みは、外側リンク列内で強度お
よび変形の特性を同じレベルに維持するために、いくら
か減少させなければならない。もし中央のリンクがピン
に強固に装着されなければ、中央のリンクの厚みは約２
０％さらに厚くなければならない。

【００５４】図５は、本発明による内部ガイドのチェー
ンシステム２０の変形例を示しており、このシステム２
０は、チェーンガイド２２の摩耗面２７に形成された溝
の中を走行する中央の延長リンク３０を含むチェーン２
１を有している。延長された中央のリンク３０は、内側
リンク列内または外側リンク列内に配置されている。延
長リンク３０が内側リンク列に配置されていようが、ま
た外側リンク列に配置されていようが、該延長リンク３
０が強度の高い強固なリンクであるということは、リン
ク列の残りのリンクの厚みを決定するときに考慮されな
ければならない事実である。図４の実施態様において考
慮されたアプローチと同様のアプローチが、適切な厚み
を選択する際に使用されるだろう。

【００５５】チェーン２１は、複数の内側リンク２３
と、外側リンク２４，２５と、内側リンク２３および外
側リンク２４，２５の高さを超えて立ち上がったまたは
延長された中央のリンク３０とを備えている。この実施
態様では、開孔から外側リンク２４，２５の上部までの
鉛直方向距離が第１の距離まで延びている。一方、開孔
から中央のリンク３０の上部までの鉛直方向距離が第２
の距離まで延びている。第１の距離が第２の距離よりも
小さい場合には、中央のリンク３０の上部の延長部分が
外側リンク２４，２５の延長部分よりも大きくなる。

【００５６】チェーンガイド摩耗面２７の中央には、溝
２６が形成されている。溝２６の形状は、チェーン２１
の延長された中央のガイドリンク３０の形状とほぼ一致
している。チェーンガイド２２は、チェーン２１の上側
部２９がチェーンガイド摩耗面２７の底側部２８に沿っ
て走行するとともに、チェーン２１の延長された中央の
ガイドリンク３０が溝２６内を走行するように、エンジ
ンタイミングシステム内に配置されている。延長された
中央のガイドリンク３０のための通路として、チェーン
ガイド摩耗面２７に溝２６を形成することにより、内部
ガイドのチェーンシステムが構築される。

【００５７】内部ガイドのチェーンシステム２０は、チ
ェーン２１の横方向の動きを制御する。このシステム２
０は、テンショナアームまたはスナッバを有していても
よい。この場合には、テンショナアームおよびスナッバ
の双方が、中央のガイドリンクのための通路として機能
する溝を摩耗面に有しているのが好ましい。本発明によ
る内部ガイドのチェーンシステム１０，２０は、シング
ルまたはダブルオーバヘッドカムシャフトエンジンのタ
イミングシステムとともに使用される。

【００５８】本発明による内部ガイドチェーンシステム
１０，２０のそれぞれチェーンガイド２，２２は、チェ
ーンの張り側スパンに配置される。チェーンの張り側ス
パンは、しばしば共振または横方向の動きを受ける。こ
の横方向の動きは、クランクシャフトの軸線と平行な平
面内においてである。本発明による内部ガイドのチェー
ンシステム１０，２０は、チェーン１，１１，２１の横
方向の動きを制御するように構成されている。また、本
発明による内部ガイドのチェーンシステム１０，２０
は、チェーンのあらゆる振動モードを制御するのに効果
的である。というのは、チェーンの動きがチェーンガイ
ドの全長に沿って制御されるからである。

【００５９】図６は、図４の内部ガイドチェーンシステ
ムの平面図である。とくに、内側リンク列１７が外側リ
ンク列１８と交互に配置された状態が示されている。

【００６０】各内側リンク列１７は、適切な厚みを有す
る一対の厚い内側リンク１３を有している。厚い内側リ
ンク１３の外側に配置される外側リンク１４，１５は、
各外側リンク列１８の側方に配置されている。外側リン
ク列１８は、一対の内側リンク１３間に配置された中央
のリンク１６を有している。外側および中央のリンク１
４，１５，１６は、内側リンク１３の厚みよりも約半分
だけ薄くなっている。各列を相互に連結するのに、複数
のピン１２が用いられている。ピン１２の端部には、一
般に圧入によって外側リンクに強固に固定されている。
内側リンクおよび中央のリンクはいずれもピンには固定
されておらず、ピンに対して自由に回転する。

【００６１】ここに開示されたチェーンは、その他の多
くの利点を提供する。取り付けられたスプロケットの不
整列は、チェーンに不必要な捩じりを生じさせたりはし
ない。スプロケットの不整列は、ノイズおよび摩耗を生
じさせるスプロケット側部に対してガイドリンクを摩擦
させるようなことにはならない。また、スプロケットの
厚みの許容範囲が駆動装置の整列に影響を与えないこと
により、スプロケットの厚みの許容範囲はそれほど重要
ではなくなる。また、スプロケット歯は、進入するガイ
ドリンクとの干渉を避けるためにその両側部を面取りす
る必要がなくなる。

【００６２】本発明が関連する技術分野の当業者は、と
くに上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神ある
いは本質的な特徴から外れることなく、本発明の原理を
採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得
る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としての
みみなされるべきものであり、限定的なものではない。

【００６３】それゆえ、本発明の範囲は、上記記述内容
よりもむしろ添付の請求の範囲に示されている。したが
って、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてき
たものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の
範囲内においてではあるが、当該分野の当業者にとって
明らかであろう。

【００６４】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、チ
ェーン幅が狭い場合でもスプロケットとの最適な噛合状
態を維持でき、スプロケット歯の強度を許容可能な範囲
に維持できる効果がある。また本発明によれば、バラン
スのとれたリンク強度を有するサイレントチェーン組立
体を提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】クランクシャフトおよび１本のカムシャフト間
のエンジンタイミングシステムにおける従来の動力伝達
用チェーンおよびガイドシステムの側面図である。

【図２】図１のガイドおよびチェーンの断面図であっ
て、ガイドおよび種々のリンクの配置を示している。

【図３】本発明によるチェーンシステムの一実施態様の
断面図であって、チェーンガイドの中央の立ち上がった
摩耗面の上に通路を形成する、延長された外側ガイドリ
ンクを示している。

【図４】本発明によるチェーンシステムの他の実施態様
の断面図であって、幅の広いすなわち大容量のチェーン
を示している。

【図５】本発明による内部ガイドのチェーンシステムの
他の実施態様の断面図であって、チェーンガイドの摩耗
面に形成された溝の中を移動する、延長された中央ガイ
ドリンクを示している。

【図６】図４のチェーンシステムの平面図である。

【符号の説明】

１ チェーン ２ チェーンガイド ３ 内側リンク ４，５ 外側リンク ６ 通路 ７ 摩耗面 １０ チェーンシステム

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１２年１月１３日（２０００．１．１
３）

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591001709 3001 ｗｅｓｔ Ｂｉｇ Ｂｅａｖｅｒ Ｒｏａｄ Ｓｕｉｔｅ 200 Ｐ．Ｏ．Ｂ ｏｘ 5060 Ｔｒｏｙ， Ｍｉｃｈｉｇａ ｎ 48007−5060 Ｕ．Ｓ．Ａ (72)発明者 ステリオス・エイ・アブラミディス アメリカ合衆国 フロリダ州 33923 ボ ニータ・スプリングス ラス・パルマス・ サークル 28408 (72)発明者 ハロルド・ジェイ・フラボーニ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 13068 フリービル ベイリー・ドライブ 14

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 サイレントチェーン組立体であって、 交互に配置された複数の内側リンクおよび外側リンクを
   有するサイレントチェーンを備え、前記リンクが交互配
   置の内側リンク列および外側リンク列に組み立てられて
   おり、前記リンクの各々が、上部と、前記上部から下方
   に垂れ下がった一対の内向き歯とを有し、前記内向き歯
   の各々が、関連するスプロケットの歯と駆動接触するよ
   うに設けられた少なくとも一つの面を有しており、 前記チェーンの屈曲運動を許容するために、隣り合うリ
   ンクの組を連結する枢支部材を備え、各リンクが前記枢
   支部材を受け入れるための一対の開孔を有し、前記外側
   リンク列における一対の最外側リンクがその開孔内に前
   記枢支部材を強固に嵌合しており、前記内側リンク列に
   おける前記リンクの開孔内の前記枢支部材が前記開孔に
   対して回転するように許容されており、 前記外側リンクが、前記内側リンクのチェーン横方向外
   側に配置されており、前記外側リンクの前記上部が、該
   外側リンクの前記開孔の上方において第１の鉛直方向距
   離だけ延び、前記内側リンクの前記上部が、該内側リン
   クの前記開孔の上方において第２の鉛直方向距離だけ延
   びるとともに、前記第１の距離が前記第２の距離よりも
   長くなっている、ことを特徴とするサイレントチェーン
   組立体。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のサイレントチェーン組
   立体において、 前記リンク列のうちのいくつかのリンク列が内側リンク
   のみから構成され、他のリンク列が外側リンクおよび中
   央のリンクから構成されている、ことを特徴とするサイ
   レントチェーン組立体。
3. 【請求項３】 請求項２に記載のサイレントチェーン組
   立体において、 前記リンクの各々がチェーン横方向の厚みを有してお
   り、前記内側リンク列の各々が単一のリンクを有し、前
   記内側リンク列の前記単一のリンクが、前記外側リンク
   列の各リンクの厚みの約２倍の厚みを有している、 ことを特徴とするサイレントチェーン組立体。
4. 【請求項４】 請求項３に記載のサイレントチェーン組
   立体において、 前記２枚の外側リンク間において外側リンク列には、複
   数の中央リンクが配置されている、ことを特徴とするサ
   イレントチェーン組立体。
5. 【請求項５】 請求項１に記載のサイレントチェーン組
   立体において、 前記リンクの各々が、チェーン横方向の厚みを有してお
   り、前記内側リンク列の前記リンクの厚みの総計が前記
   外側リンク列の前記リンクの厚みの総計と概略等しい、
   ことを特徴とするサイレントチェーン組立体。
6. 【請求項６】 請求項１に記載のサイレントチェーン組
   立体において、 スプロケットをさらに備え、前記スプロケットが、前記
   チェーンの前記歯と接触するように構成されて配置され
   かつ間隔を隔てた複数の歯を有しており、前記スプロケ
   ット歯の各々が前記チェーンの横方向の厚みを有し、前
   記スプロケット歯の各々がほぼ同じ厚みを有しており、
   前記スプロケット歯の厚みが前記チェーンのどの列のリ
   ンクの厚みの総計よりも大きくなっている、ことを特徴
   とするサイレントチェーン組立体。
7. 【請求項７】 サイレントチェーンおよびチェーンガイ
   ドシステムであって、 交互に配置された複数の内側リンクおよび外側リンクを
   有するサイレントチェーンを備え、前記リンクが交互配
   置の内側リンク列および外側リンク列に組み立てられて
   おり、前記リンクの各々が、上部と、前記上部から下方
   に垂れ下がった一対の内向き歯とを有し、前記内向き歯
   の各々が、関連するスプロケットの歯と駆動接触するよ
   うに設けられた少なくとも一つの面を有しており、 前記チェーンの屈曲運動を許容するために、隣り合うリ
   ンクの組を連結する枢支部材を備え、各リンクが前記枢
   支部材を受け入れるための一対の開孔を有し、前記外側
   リンク列における一対の最外側リンクがその開孔内に前
   記枢支部材を強固に嵌合しており、前記内側リンク列に
   おける前記リンクの開孔内の前記枢支部材が前記開孔に
   対して回転するように許容されており、 前記外側リンクが、前記内側リンクのチェーン横方向外
   側に配置されており、前記外側リンクの前記上部が、該
   外側リンクの前記開孔の上方において第１の鉛直方向距
   離だけ延び、前記内側リンクの前記上部が、該内側リン
   クの前記開孔の上方において第２の鉛直方向距離だけ延
   びるとともに、前記第１の距離が前記第２の距離よりも
   長くなっており、 前記チェーンの上部に沿って配置されたチェーンガイド
   を備え、前記チェーンガイドが立ち上がった中央部を有
   し、前記中央部が前記外側リンクの前記上部によって限
   定される通路内に配置されており、前記チェーンガイド
   が前記チェーンの横方向の動きを制限するように作用し
   ている、ことを特徴とするサイレントチェーンおよびチ
   ェーンガイドシステム。
8. 【請求項８】 サイレントチェーンおよびチェーンガイ
   ドシステムであって、 交互に配置された複数の内側リンクおよび外側リンクを
   有するサイレントチェーンを備え、前記リンクが交互配
   置の内側リンク列および外側リンク列に組み立てられて
   おり、前記リンクの各々が、上部と、前記上部から下方
   に垂れ下がった一対の内向き歯とを有し、前記内向き歯
   の各々が、関連するスプロケットの歯と駆動接触するよ
   うに設けられた少なくとも一つの面を有しており、 前記チェーンの屈曲運動を許容するために、隣り合うリ
   ンクの組を連結する枢支部材を備え、各リンクが前記枢
   支部材を受け入れるための一対の開孔を有し、前記外側
   リンク列における一対の最外側リンクがその開孔内に前
   記枢支部材を強固に嵌合しており、前記内側リンク列に
   おける前記リンクの開孔内の前記枢支部材が前記開孔に
   対して回転するように許容されており、 前記外側リンクが、前記内側リンクのチェーン横方向外
   側に配置されており、前記外側リンクの前記上部が、該
   外側リンクの前記開孔の上方において第１の鉛直方向距
   離だけ延び、前記内側リンクの前記上部が、該内側リン
   クの前記開孔の上方において第２の鉛直方向距離だけ延
   びるとともに、前記第１の距離が前記第２の距離よりも
   短くなっており、 前記チェーンの上部に沿って配置されたチェーンガイド
   を備え、前記チェーンガイドが中央に配置された溝を有
   し、前記内側リンクの前記上部が前記溝の内部に配置さ
   れており、前記チェーンガイドが前記チェーンの横方向
   の動きを制限するように作用している、ことを特徴とす
   るサイレントチェーンおよびチェーンガイドシステム。
9. 【請求項９】 請求項８に記載のサイレントチェーンお
   よびチェーンガイドシステムにおいて、 前記上部を備えた前記内側リンクが複数の内側リンク列
   内に配置されている、ことを特徴とするサイレントチェ
   ーンおよびチェーンガイドシステム。
10. 【請求項１０】請求項８に記載のサイレントチェーンお
    よびチェーンガイドシステムにおいて、 前記上部を備えた前記内側リンクが複数の外側リンク列
    内に配置されている、ことを特徴とするサイレントチェ
    ーンおよびチェーンガイドシステム。