JP2000129149A - 防汚性組成物及び防汚性組成物を備えた複合材 - Google Patents

防汚性組成物及び防汚性組成物を備えた複合材

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JP2000129149A
JP2000129149A JP11193309A JP19330999A JP2000129149A JP 2000129149 A JP2000129149 A JP 2000129149A JP 11193309 A JP11193309 A JP 11193309A JP 19330999 A JP19330999 A JP 19330999A JP 2000129149 A JP2000129149 A JP 2000129149A
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hydrophobic
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Mitsutoshi Noguchi
光敏 野口
Taiji Osada
泰二 長田
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れが付きにくい防汚性組成物及び防汚性組
成物を備えた複合材、さらには汚れにくく衛生的な衛生
陶器や温水洗浄便座、各種住設機器等を提供することを
目的とする。 【解決手段】 防汚性組成物において、表面に親水性の
無機化合物と疎水性の有機化合物が共存する組成物であ
って、少なくとも表面に親水性部と疎水性部が交互に露
出することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭内のいろいろ
な汚れの付着を抑制する防汚性組成物及び防汚性組成物
を備えた複合材、並びにこれらを用いた衛生陶器をはじ
めとするトイレまたは浴室、洗面所、台所など家庭で使
用される製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、衛生陶器、浴槽、洗面ボウル、キ
ッチン流し台、水槽、食器、床材、壁材、ミラー、窓ガ
ラス、衛生陶器、テーブル、カウンターの天板などの住
設機器は、どうしても汚れが付きやすいという問題があ
った。詳細が明らかではないが、汚れは非常に複雑で、
油脂、タンパク、炭水化物、塩類、色素、樹脂、細菌、
カビなどが複雑に絡み合って形成されている。複雑な汚
れはどのような材料にも吸着し易い上に、吸着した汚れ
によってさらに汚れを吸着し易くなる。このことは、水
を多く使う場所であっても起こり、汚れの少ない水に晒
されてもこの経過をたどり、汚れが蓄積される。また、
石けんや洗剤を使用する場面でも、汚れ易い。これに対
して、表面エネルギーを低くすることによって、汚れを
含んだ水を弾じかせたり汚れを付着し難くすることが試
みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】表面エネルギーを低く
することによって付着した汚れを取り除くことは容易に
なるが、それだけでは汚れの吸着を抑制することは出来
ない。本発明は上記従来技術の問題を解決するためにな
されたもので、汚れが付きにくい防汚性組成物及び防汚
性組成物を備えた複合材、さらには汚れにくく衛生的な
衛生陶器や温水洗浄便座、各種住設機器等を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1記載の発明は、防汚性組成物におい
て、表面に親水性の無機化合物と疎水性の有機化合物が
共存する組成物であって、少なくとも表面に親水性部と
疎水性部が交互に露出することを特徴とする。本発明に
よれば、防汚組成物表面には親水性部と撥水性部が交互
に露出しているために表面エネルギー的に複雑であるた
めに、汚れは強固に付着することがない上に、付着した
汚れが水によって流されやすい。
【0005】上記課題を解決するためになされた請求項
2記載の発明は、前記防汚性組成物において前記無機化
合物が金属酸化物で、前記有機化合物がジメチルシロキ
サンを骨格とする化合物であることを特徴とする。本発
明によれば、防汚組成物表面には金属酸化物とジメチル
シロキサンを骨格とする化合物が交互に露出しており、
親水性部と疎水性部が交互に露出している表面エネルギ
ー的に複雑であるために、汚れは強固に付着することが
ない上に、付着した汚れが水によって流されやすい。
【0006】請求項3記載の発明は、アルコキシ金属
と、反応性の疎水性シリコーンとを主成分とする防汚性
組成物において、反応性の疎水性シリコーンがアルコキ
シ金属100重量部に対して0.001重量部以上、5
重量部未満含有されていることを特徴とする。本発明に
よれば、上記構成としたことにより、請求項3に記載の
防汚性組成物を用いて形成される塗膜表面は、疎水性シ
リコーンが完全に覆わないで、塗膜表面には親水性の金
属酸化物と疎水性の疎水性シリコーンが共存することを
特徴としている。このため形成された複合材表面は、汚
れが付き難いという特徴を有することができる。
【0007】請求項4記載の発明は、アルコキシ金属と
アルコキシアルキル金属を主成分とする防汚性組成物に
おいて、アルコキシアルキル金属がアルコキシ金属10
0重量部に対して0.001重量部以上、10重量部未
満含有されていることを特徴とする。本発明において
は、上記構成としたことにより、請求項3、4に記載の
防汚性組成物を用いて形成される表面は、アルコキシア
ルキル金属の反応物によって形成される疎水性部位によ
って完全に覆われることが無いので、親水性の金属酸化
物と疎水性の部位が共存することを特徴としている。こ
のため形成された表面は、汚れが付き難いという特徴を
有することができる。
【0008】請求項5記載の発明は、請求項1〜4に記
載の防汚性組成物を備えたことを特徴とする複合材を提
供するものである。本発明によれば、請求項1〜4に記
載の防汚性組成物を備えたことにより、汚れが付きにく
い複合材を提供することができる。
【0009】請求項6記載の発明は、大便器、または小
便器、腰掛便器、ロータンク、便ふた、水栓、排水管、
手洗器、カウンター、収納キャビネット等のトイレ用製
品のいずれかの構成部材の少なくとも1部をなすことを
特徴とする、請求項1〜5記載の防汚性組成物または複
合材を提供するものである。本発明によれば、請求項1
〜5記載の防汚性組成物または複合材で形成された部材
を少なくともひとつ用いることにより、汚れ付着の少な
い大便器、または小便器、腰掛便器、ロータンク、便ふ
た、水栓、排水管、手洗器、カウンター、収納キャビネ
ット等のトイレ用品を提供するものである。
【0010】請求項7記載の発明は、防汚性組成物また
は複合材が、タイルであることを特徴とする、請求項1
〜5記載の防汚性組成物または複合材を提供するもので
ある。本発明によれば、請求項1〜5記載の防汚性組成
物または複合材で形成された部材を用いることにより、
汚れ付着の少ないタイルを提供するものである。
【0011】請求項8記載の発明は、防汚性組成物また
は複合材が、温水洗浄便座の構成部材の少なくとも1部
をなすことを特徴とする、請求項1〜5記載の防汚性組
成物または複合材を提供するものである。本発明によれ
ば、請求項1〜5記載の防汚性組成物または複合材で形
成された部材を少なくともひとつ用いることにより、汚
れ付着の少ない温水洗浄便座を提供することができる。
【0012】請求項9記載の発明は、浴槽、または天井
パネル、壁パネル、床パン、ドア、水栓、排水ユニッ
ト、棚、セッケン受け、カウンター、洗面器、シャワー
グリップ、シャワーホース、換気扇、鏡等の浴室用製品
のいずれかの構成部材の少なくとも1部をなすことを特
徴とする、請求項1〜5記載の防汚性組成物または複合
材を提供するものである。本発明によれば、請求項1〜
5記載の防汚性組成物または複合材で形成された部材を
少なくともひとつ用いることにより、汚れ付着の少ない
浴槽、または天井パネル、壁パネル、床パン、ドア、水
栓、排水ユニット、棚、セッケン受け、カウンター、洗
面器、シャワーグリップ、シャワーホース、換気扇、鏡
等の浴室用品を提供するものである。
【0013】請求項10記載の発明は、水栓、または排
水ユニット、棚、セッケン受け、カウンター、洗面器、
シャワーグリップ、シャワーホース、鏡等の洗面所用製
品のいずれかの構成部材の少なくとも1部をなすことを
特徴とする、請求項1〜5記載の防汚性組成物または複
合材を提供するものである。本発明によれば、請求項1
〜5記載の防汚性組成物または複合材で形成された部材
を少なくともひとつ用いることにより、汚れ付着の少な
い水栓、または排水ユニット、棚、セッケン受け、カウ
ンター、洗面器、シャワーグリップ、シャワーホース、
鏡等の洗面所用品を提供するものである。
【0014】請求項11記載の発明は、シンク、または
水栓、排水ユニット、配管、換気扇、カウンター等の流
し台用製品のいずれかの構成部材の少なくとも1部をな
すことを特徴とする、請求項1〜5記載の防汚性組成物
または複合材を提供するものである。本発明によれば、
請求項1〜5記載の防汚性組成物または複合材で形成さ
れた部材を少なくともひとつ用いることにより、汚れ付
着の少ないシンク、または水栓、排水ユニット、配管、
換気扇、カウンター等の流し台用品を提供するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を説
明する。本発明の防汚性表面には、親水性である無機化
合物と、疎水性である有機化合物が表面に共存してい
る。このような親水性の部分と疎水性の部分が入り交じ
った表面は、汚れが付きにくいという特徴をもつ。
【0016】親水性の無機化合物としては金属酸化物を
挙げることが出来る。この金属の種類については、シリ
コン、チタンをはじめとして特に制限されるものではな
い。一方、疎水性の有機化合物としては、ジメチルシロ
キサンを骨格とする化合物やフッ素化合物、芳香族炭化
水素化合物、飽和炭化水素を挙げることができる。もち
ろん、これらに限定されるものではない。
【0017】本発明の防汚性表面は、アルコキシ金属を
用いた薄膜形成方法を利用していろいろな部分に作製す
ることができる。以下にその方法を述べる。液体状のア
ルコキシ金属をいろいろな部材の表面に塗布した後に、
縮合反応をさせることによって金属酸化物のコーティン
グが可能である。このとき、アルコキシ金属と反応する
有機化合物を添加しておくと、有機化合物を含んだ金属
酸化物のコーティングが出来る。
【0018】有機物としては、反応性の置換基を有する
化合物であれば多くのものを用いることができる。この
とき、有機物の添加量を調整することによって、目的と
する親水性の部分と疎水性の部分が入り交じった表面を
得ることができる。例えば、反応性の疎水性シリコーン
を、アルコキシ金属100重量部に対して0.001重
量部以上、5重量部未満にすることによって、金属酸化
物と疎水性シリコーンが共存する表面を持つコーティン
グが形成できる。
【0019】また、アルコキシアルキル金属を、アルコ
キシ金属100重量部に対して0.001重量部以上、
10重量部未満にすることによって、金属酸化物とアル
コキシアルキル金属から形成された疎水性物質が共存す
る表面を持つコーティングが形成できる。このときのア
ルコキシアルキル金属から形成された疎水性物質は、疎
水性のシリコーンと考えられる。
【0020】このようなアルコキシ金属から形成した金
属酸化物からなる親水性の部分と疎水性シリコーンまた
はアルコキシアルキル金属から形成された疎水性の部分
が入り交じった表面は、汚れが付きにくいという特徴を
もつ。
【0021】このような金属酸化物と疎水性の有機物か
らなる薄膜を形成する際に、金属酸化物の粉末を添加す
ることがある。これは、製膜性を高めたり薄膜の機械的
強度を向上させる効果を有している。
【0022】本発明に用いる反応性の疎水性シリコーン
は、ジメチルシロキサン骨格を有する化合物であって、
反応性の置換基を有していれば多くの化合物を用いるこ
とができる。さらに、本発明に用いる反応性の疎水性シ
リコーンは、反応性の置換基を有していれば各種樹脂と
反応させた変性シリコーンをも用いることが出来る。
【0023】変性のための各種樹脂としては、アクリル
樹脂やポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹
脂などが挙げられるが、これらに限定するものではな
い。
【0024】本発明者らの実験によると、反応性の置換
基がOH基、NH2基、エポキシ基、SH基、COOH
基、トリメトキシシリル基であるとき、アルコキシ金属
や金属酸化物とよく反応し、耐久性に優れた塗膜を形成
することができた。これ以外にも、トリメトキシシリル
基が望ましい。
【0025】反応性の疎水性シリコーンの構造について
は、反応性の置換基の位置が、一方の末端である構造
(片末端型)、両末端である構造(両末端型)、側鎖で
ある構造(側鎖型)、両末端と側鎖である構造(側鎖両
末端型)のいずれも用いることが出来る。更には、耐久
性の優れた塗膜を形成することが出来るので、両末端
型、側鎖型、側鎖両末端型が望ましい。
【0026】変性シリコーンの構造については、グラフ
ト共重合体型、ブロック共重合体型などがあるが、特に
制限は無い。
【0027】本発明に用いるアルコキシ金属には特に制
限は無く、SiやTi、Al、Fe、Sn、V、Zr、
B、Pを用いることが出来る。特に、製膜性と汚れ付着
の少なさから、SiやTiが優れている。
【0028】また、本発明に用いるアルコキシアルキル
金属は、金属原子に2つのアルコキシ基とアルキル基が
結合する化合物であって、金属の種類やアルコキシ基と
アルキル基の炭素数には特に制限はない。但し、アルコ
キシ基とアルキル基の合計数は金属によって決まる。金
属としては、SiやTi、Al、Fe、Sn、V、Z
r、B、Pが用いられる。本発明者らの実験によると、
金属としては製膜性と汚れ付着の少なさからSiやTi
が優れている。
【0029】また、本発明に用いるアルコキシ金属とア
ルコキシアルキル金属のアルコキシ基としては、メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基を用いることが出来、更にはメトキシ基
とエトキシ基、iso−プロポキシ基が優れている。ア
ルコキシチタンを用いた場合、親水性部位の親水性が非
常に高いために高い防汚性が得られる。アルキル基とし
ては、制限が無かったが、メチル基が優れている。
【0030】本発明に用いるアルコキシアルキル金属の
アルコキシ基の数は、2であることが重要である。例え
ばジメチルジメトキシシランとメチルトリメトキシシラ
ンを用いた場合、水やオレイン酸の接触角に大きな違い
はなかったが、汚れの付着具合を見ると前者の方が少な
かった。その理由として、ジメトキシメチルシランが縮
合反応によって高分子化したために疎水性の領域が適切
な大きさになったことが考えられる。このことによっ
て、アルコキシ基の数が2であることが重要であること
を確認した。
【0031】本発明の実施において、アルコキシ金属と
アルコキシアルキル金属以外に金属酸化物を第3の主成
分として用いることがある。金属酸化物を添加すること
によって、製膜性や膜強度が高まるという効果や、場合
によっては汚れ付着が減少する効果が得られた。ここで
用いる金属酸化物に特に制限はないが、製膜の容易さで
はSiO2が、親水性の高さではTiO2が優れてい
る。
【0032】また、アルコキシアルキル金属のアルキル
基をフッ化アルキル基などに代えたり、それを混合する
こともある。例えば、フッ化アルキル基を用いることに
よって、アルキル基よりも更に高い疎水性と撥油性を付
与することが出来る。
【0033】アルコキシ金属は、縮合反応により金属酸
化物の変化するが、反応には触媒が必要である。触媒と
して、酸またはその無水物と有機塩とを含む。酸として
は通常、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸やそれらの無水物
が用いられる。有機酸としては、例えば酒石酸、フタル
酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、ジクロルコハク酸があり、その無水物も用いられ
る。これらの物質は、アルコキシ金属100部に対して
0.05部以上50部以下の範囲で用いられる。添加量
が少ないと縮合反応があまり進行しない。
【0034】表面処理用の処理剤は、アルコキシ金属と
上記触媒をアルコールに溶解して調整する。このときの
濃度は、一般的に0.05重量%から50重量%の範囲
で行われる。
【0035】
【実施例1】以下に、本発明の好ましい実施態様を実施
例に基づいて説明する。尚、本発明は、これらの実施例
によって限定されるものではない。実施例1〜24及び
比較例1、2では、試験片を以下のようにして作製し
た。
【0036】(配合)図1および図2に示した配合に従
い、金属酸化物または酸化チタン、アルコキシ金属、反
応性の疎水性シリコーンをメタノールに溶解した。十分
に攪拌混合した後に、2%硝酸水溶液2g添加し、更に
十分に攪拌混合した。用いたシリコーンを列挙する。信
越化学(株)製「X22−106AS」は両末端OH基変
性で官能基当量が112mgKOH/g、同社製「X2
2−161AS」は両末端NH2基変性で官能基当量が
450g/mol、同社製「KF−2001」は側鎖型
メルカプト変性で官能基当量が1900g/mol、東
レダウシリコーン社製「BY16−855」は両末端エ
ポキシ変性で粘度が20cSt、東芝シリコーン社製
「TSL−9276」は両末端塩素基変性で分子量が8
23、チッソ(株)製「FM−6611」が両末端カルボ
キシル基変性で分子量が1000、同社製「SCT−8
101」がトリメトキシシリル基が主鎖に結合したシリ
コーングラフトアクリル樹脂であった。用いた酸化チタ
ンは、石原産業(株)製「ST−K01」で、粒子径が7
nmである。シリコン酸化物は、日産化学工業(株)製
「メタノールシリカゾル」で、溶媒がメタノール、粒径
10−20nm、固形分30−31%、比重0.92−
1.05のゾルである。
【0037】(塗膜形成)上記溶液を、スピンコート法
によりガラス基板に塗布した。ガラス基板は、イケダガ
ラス社製で大きさが10cm角、厚み2mmであった。
【0038】(後処理)後処理は、160℃で1時間加
熱処理を行った。更に、冷却後にエタノールと精製水を
用いて洗浄を行った。
【0039】比較例1は、図1及び図2に示したように
変性シリコーンの含まれないテトラメトキシシランのみ
による塗膜とした。比較例2として、基板として用いた
ガラス基板をそのまま用いた。
【0040】次に試験方法および評価基準について説明
する。 (接触角測定)水とオレイン酸の接触角は、液滴法によ
り測定し、結果を図1または図2に示した。
【0041】(製膜性試験)製膜性は、洗浄の前後で目
視と手触りにより未反応物シリコーンの存在を判断し、
未反応物が存在するときに図1または図2に×で示し
た。
【0042】(汚れ付着試験)大人4人が入浴した後の
残り湯に試験片を浸漬して一日放置する工程を、3日間
繰り返し行った後、そのまま引き出して放置、乾燥させ
た。残り湯に浸漬していた部分の状態を肉眼で観察し、
下記の基準に従って評価を行った。 汚れ度合いの評価基準 5:汚れがほとんど確認できない状態。 4:うっすらと汚れ付着が認められる状態。 3:はっきりと汚れが確認できる状態。 2:かなりはっきりと汚れが確認できる状態。 1:べったりと汚れ付着が見られる状態。
【0043】実施例と比較例に示した塗膜形成を行った
試験片を用いて汚れ付着試験とその評価を行った結果を
図1または図2に示した。
【0044】これらの結果から、以下のことが判明し
た。 1.アルコキシ金属に対して反応性の疎水性シリコーン
またはアルキルアルコキシ金属を微量添加して形成した
膜が、浴槽内汚れの付着を抑制すること。 2.アルコキシ金属に対する疎水性シリコーンの割合
が、0.001重量部以上5重量部未満のとき、浴槽内
汚れの付着を抑制すること。 3.アルコキシ金属に対するアルキルアルコキシ金属の
割合が、0.001重量部以上10重量部未満のとき、
浴槽内汚れの付着を抑制すること。 4.これらのことより、無機化合物からなる親水性部と
疎水性有機化合物からなる疎水性部が交互に露出してい
る表面が、油脂を含む汚れの付着を抑制すること。 5.防汚性組成物の主成分が、アルコキシ金属と反応性
の疎水性シリコーンであるばかりでなく、更に金属酸化
物を添加して用いることができること。 6.使用する反応性の疎水性シリコーンは、各種の構造
のものが使用できること。 7.金属酸化物または(アルキル)アルコキシ金属の金
属には、シリコンとチタンを用いることができること。
【0045】今回の試験では、浴槽内汚れの付着により
評価を行ったが、これ以外の部位の脂質やタンパクが関
与する汚れに有効である。例えば、浴室空間内、トイレ
空間内、洗面所空間内、キッチン空間内の汚れである。
【0046】本発明により形成された部材表面は、タン
パク(例えば、アルブミン、グロブリン、)の吸着も阻
害する効果がある。よって、本発明の防汚組成物は、貝
類等の海中生物の付着を阻害する目的で船底や水槽、港
湾の施設等々に利用することが出来る。
【0047】
【発明の効果】本発明による防汚性組成物を塗布した表
面には、親水性の部位と疎水性の部位が共に存在するた
めに、汚れが付きにくい。また、本発明の防汚性組成物
を複合材の表面に塗布することより、汚れが付き難い複
合材を提供することができる。したがって、本発明の防
汚性組成物を、各種住設機器部材としてそのまま用いる
か、塗料として塗布することにより、容易に各種住設機
器(住宅設備機器)部材等の防汚性を改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルコキシ金属、金属酸化物と反応性の疎水性
シリコーンとの配合割合及び試験結果を示す図である。
【図2】アルコキシ金属、金属酸化物、アルコキシアル
キル金属の配合及び試験結果を示す図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に親水性の無機化合物と疎水性の有
    機化合物が共存する組成物であって、少なくとも表面に
    親水性部と疎水性部が交互に露出することを特徴とする
    防汚性組成物。
  2. 【請求項2】 前記無機化合物が金属酸化物で、前記有
    機化合物がジメチルシロキサンを骨格とする化合物であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の防汚性組成物。
  3. 【請求項3】 アルコキシ金属と、反応性の疎水性シリ
    コーンとを主成分とする防汚性組成物において、反応性
    の疎水性シリコーンがアルコキシ金属100重量部に対
    して0.001重量部以上、5重量部未満含有されてい
    ることを特徴とする防汚性組成物。
  4. 【請求項4】 アルコキシ金属と、アルコキシアルキル
    金属を主成分とする防汚性組成物において、アルコキシ
    アルキル金属がアルコキシ金属100重量部に対して
    0.001重量部以上、10重量部未満含有されている
    ことを特徴とする防汚性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の防汚性組成物を備
    えたことを特徴とする複合材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の防汚性組成物また
    は複合材が、大便器、または小便器、腰掛便器、ロータ
    ンク、便ふた、水栓、排水管、手洗器、カウンター、収
    納キャビネット等のトイレ用製品のいずれかの構成部材
    の少なくとも1部をなすことを特徴とする防汚組成物ま
    たは複合材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5に記載の防汚性組成物また
    は複合材が、タイルであることを特徴とする防汚組成物
    または複合材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5に記載の防汚性組成物また
    は複合材が、温水洗浄便座の構成部材の少なくとも1部
    をなすことを特徴とする防汚組成物または複合材。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5に記載の防汚性組成物また
    は複合材が、浴槽、または天井パネル、壁パネル、床パ
    ン、ドア、水栓、排水ユニット、棚、セッケン受け、カ
    ウンター、洗面器、シャワーグリップ、シャワーホー
    ス、換気扇、鏡等の浴室用製品のいずれかの構成部材の
    少なくとも1部をなすことを特徴とする防汚組成物また
    は複合材。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5に記載の防汚性組成物ま
    たは複合材が、水栓、または排水ユニット、棚、セッケ
    ン受け、カウンター、洗面器、シャワーグリップ、シャ
    ワーホース、鏡等の洗面所用製品のいずれかの構成部材
    の少なくとも1部をなすことを特徴とする防汚組成物ま
    たは複合材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜5に記載の防汚性組成物ま
    たは複合材が、シンク、または水栓、排水ユニット、配
    管、換気扇、カウンター等の流し台用製品のいずれかの
    構成部材の少なくとも1部をなすことを特徴とする防汚
    組成物または複合材。
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