JP2000128802A - 血管平滑筋増殖剤 - Google Patents

血管平滑筋増殖剤

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JP2000128802A JP10296760A JP29676098A JP2000128802A JP 2000128802 A JP2000128802 A JP 2000128802A JP 10296760 A JP10296760 A JP 10296760A JP 29676098 A JP29676098 A JP 29676098A JP 2000128802 A JP2000128802 A JP 2000128802A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平滑筋細胞増殖に関わる血管内皮細胞由来の産
物の生理学的機能を明らかにすることにより、血管平滑
筋増殖剤を提供すること。 【解決手段】配列番号1に記載のアミノ酸配列の全部又
は23位〜235位のアミノ酸配列からなる蛋白質;配
列番号1に記載のアミノ酸配列の全部又は23位〜23
5位のアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が置
換、欠失、挿入又は付加されている蛋白質;配列番号2
に記載の塩基配列を有するポリヌクレオチドによりコー
ドされる蛋白質;配列番号2に記載の塩基配列におい
て、1個以上の塩基が置換、欠失、挿入又は付加されて
いる塩基配列を有するポリヌクレオチドによりコードさ
れる蛋白質;又は配列番号2に記載の塩基配列を有する
ポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするポリヌクレオチドによりコードされる蛋白
質であって、血管平滑筋細胞に対してマイトジェン活性
を有する蛋白質を有効成分とする血管平滑筋増殖剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血管平滑筋増殖剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】血管平滑筋細胞の増殖は、動脈硬化や経
皮経管冠状動脈形成術後の再狭窄の病因と密接に関連し
ている(Ross, R. (1993) Nature 362, 801-809 )。血
管内皮細胞は、種々の機構からなる抗血栓性機能をも
ち、血液の流動性を維持する一方、傷害を受けた場合に
は、速やかに血栓を形成して傷害部位を保護する血栓性
機能ももっている。このような相反する機能をもつ内皮
細胞により、血液の恒常性が維持されており、そのバラ
ンスが動脈硬化等により崩れると、心筋梗塞や脳梗塞等
の種々の循環器疾患が引き起こされると考えられる。内
皮細胞の抗血栓性については、細胞表面に存在するアン
チトロンビンIII やトロンボモジュリンによる抗凝固作
用や、プロスタグランジンI2 (PGI2 )の産生によ
る抗血小板作用、組織プラスミノーゲンアクチベーター
(t−PA)の産生やプラスミノーゲンの結合による線
溶促進活性等が知られている。
【0003】最近、抗凝固活性を有する新しいタイプの
インヒビターが血管内皮細胞で産生されることが明らか
となり、注目されるようになった。このインヒビター、
即ち、ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビ
ター(Tissue Facter PathwayInhibitor:TFPI)
(TFPIは、TFPI−1と称されることもあり、以
下、TFPI−1と略す)は、血管内皮細胞で合成さ
れ、内皮上または血漿中に存在する(Jesty, J. ら、(1
994) Biochemistry 33, 12686-12694; Sprecher, C. A.
ら、(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 3353-335
7; Peterson, L. C.ら、(1996) Biochemistry 35, 266-
272 )。TFPI−1は、外因性の凝固経路の初期工程
を阻害し、鬱血を調節する。TFPI−1は、第Xa因
子のインヒビター、または第Xa因子存在下での第VII
a因子−組織因子(TF)複合体のインヒビターであ
る。TFPI−1は、3つのタンデムドメインを有する
Kunitz型プロテアーゼインヒビターである。第1の阻害
ドメインは、第VIIa因子/TF複合体と相互作用し、
複合体:第Xa因子/TFPI−1/第VIIa因子/T
Fを形成することにより、第VIIa因子/TF複合体の
蛋白分解活性を阻害する。第VIIa因子/TF複合体
は、第X因子および第IX因子を活性な酵素に変換す
る。第2のドメインは、第Xa因子と相互作用し、直接
第Xa因子を阻害する。第3の阻害ドメインの機能は、
ヘパリンとの結合である。第Va因子とともに第Xa因
子は、プロトロンビンをトロンビンに開裂させ、フィブ
リンクロットの発生に導く。
【0004】一方、TFPI−2は、TFPI−1と構
造上類似している(Sprecher, C. A. ら、(1994) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 91, 3353-3357; Peterson, L.
C.ら、(1996) Biochemistry 35, 266-272 )。TFPI
−2は、短い酸性アミノ末端領域、3つのタンデムKuni
tz型プロテアーゼ阻害ドメインおよび塩基性アミノ酸に
富むカルボキシ末端尾部を有する。TFPI−2は、ト
リプシンのアミド分解活性およびヒト第VIIa因子とT
Fの複合体の活性を阻害する。TFPI−2は、TFP
I−1と比べて、第Xa因子のアミド分解活性に関して
は弱い阻害活性しか示さない。TFPI−2は、胎盤蛋
白質5、即ち、PP5と同一の蛋白質である(Miyagi,
Y.ら、(1994) J. Biochem. 116, 939-942 )。TFPI
−2(PP5)は、以前に報告された第VIIa因子/T
F複合体およびトリプシンを阻害する能力に加え、第X
Ia因子、プラスミン、血漿カリクレインおよびキモトリ
プシンの強いインヒビターである。
【0005】血液凝固系における前記性質に加え、TF
PI−1の種々の動脈における内膜または平滑筋細胞に
対する抗増殖作用が報告されている。動脈硬化ウサギの
動脈損傷モデルにおいて、組換えTFPI−1での処置
は、血管造影上の再狭窄を低下させ、新生内膜過形成を
減少させた(Jang, Y.ら、(1995) Circulation 92, 304
1-3050)。ミニブタの頸動脈でのバルーン誘導性動脈損
傷後の最初の24時間における組換えTFPI−1投与
によるTF仲介性凝固の阻害は、その後の新生内膜形成
と管腔の狭窄を減少させるのに効果があるように思われ
る(Oltrona, L. ら、(1997) Circulation 96, 646-65
2)。組換えTFPI−1は、培養ヒト新生児大動脈平
滑筋細胞に対して増殖阻害活性を示す(Kamikubo, Y.
ら、(1997) FEBS Lett. 407, 116-120)。このように、
TFPI−1は、種々の作用が明らかになり、医薬品へ
の応用研究が活発に行なわれているのに対し、構造上類
似のTFPI−2に関してはその生理学的機能はほとん
ど知られていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、平滑
筋細胞増殖に関わる血管内皮細胞由来の産物の生理学的
機能を明らかにすることにより、血管平滑筋増殖剤を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】血管平滑筋の細胞増殖に
関する内皮細胞の効果を研究するために、培養ヒト臍帯
静脈内皮細胞(HUVEC)で覆われた1.0μmの膜
を有する培養挿入物とウシ大動脈平滑筋細胞で覆われた
マイクロテストプレートを用いて調べたところ、当該内
皮細胞が挿入物中に存在する場合、当該平滑筋細胞の増
殖が見られた。本研究者らは、培養HUVECのコンデ
ィション培地からマイトジェン活性を有する物質を精製
し、そのN末端アミノ酸配列を分析したところ、意外に
も、当該マイトジェン物質は、血管平滑筋細胞に対して
増殖阻害活性を有するTFPI−1と構造の類似したT
FPI−2であることを発見し、本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、〔1〕 (1)
配列番号:1に記載のアミノ酸配列の全部または配列番
号:1の第23位〜第235位のアミノ酸配列からなる
蛋白質、(2) 配列番号:1に記載のアミノ酸配列の
全部または配列番号:1の第23位〜第235位のアミ
ノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が置換、欠失、
挿入または付加されている蛋白質、(3) 配列番号:
2に記載の塩基配列を有するポリヌクレオチドによりコ
ードされる蛋白質、(4) 配列番号:2に記載の塩基
配列において、1個以上の塩基が置換、欠失、挿入また
は付加されている塩基配列を有するポリヌクレオチドに
よりコードされる蛋白質、または(5) 配列番号:2
に記載の塩基配列を有するポリヌクレオチドにストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチ
ドによりコードされる蛋白質であって、血管平滑筋細胞
に対してマイトジェン活性を有する蛋白質を有効成分と
する血管平滑筋増殖剤、〔2〕 血管の増殖を必要とす
る疾患の治療に使用されるものである前記〔1〕記載の
血管平滑筋増殖剤、〔3〕 該疾患が創傷または床擦れ
である前記〔2〕記載の血管平滑筋増殖剤、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の血管平滑筋増殖剤は、配
列番号:1に記載のアミノ酸配列の全部または配列番
号:1の第23位〜第235位のアミノ酸配列からなる
蛋白質を有効成分とすることが好ましく、この蛋白質
は、ティッシュ・ファクター・パスウェイ・インヒビタ
ー(TFPI)−2と称されるものと同一のアミノ酸配
列からなり、第23位〜第235位のアミノ酸配列から
なる蛋白質(即ち、シグナルペプチドが除去された蛋白
質)は、32kDaの分子量を有するものである。本発
明においては、血管平滑筋細胞に対してマイトジェン活
性を有する限り、配列番号:1に記載のアミノ酸配列の
全部または配列番号:1の第23位〜第235位のアミ
ノ酸配列からなる蛋白質のみばかりでなく、前記アミノ
酸配列において、1個以上(例えば1個もしくは複数
個)のアミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されてい
る蛋白質;配列番号:2に記載の塩基配列を有するポリ
ヌクレオチドによりコードされる蛋白質;配列番号:2
に記載の塩基配列において、1個以上(例えば1個もし
くは複数個)の塩基が置換、欠失、挿入または付加され
ている塩基配列を有するポリヌクレオチドによりコード
される蛋白質;または、配列番号:2に記載の塩基配列
を有するポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下
でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードさ
れる蛋白質であってもよく、これらは、天然の蛋白質で
も組換え蛋白質であってもよい。
【0010】前記塩基配列に変異を導入するためには、
例えばMolecular Cloning: A Laboratory Manual第2版
第1−3巻 Sambrook,J.ら著、Cold Spring Harber Lab
olatory Press 出版 New York 1989年に記載の部位特異
的変異誘発やPCR法などの方法を用いることによって
当業者であれば容易に実施することができる。
【0011】前記アミノ酸配列に変異を導入した蛋白質
を得るためには、前記塩基配列における変異を導入した
後、適当なベクターおよび宿主系を用いて、例えばMole
cular Cloning: A Laboratory Manual第2版第1−3巻
Sambrook,J.ら著、Cold Spring Harber Labolatory Pr
ess 出版 New York 1989年に記載の方法により、変異を
導入したDNAを遺伝子工学的に発現させればよい。
【0012】本発明において「マイトジェン活性を有す
る」とは、増殖を停止した血管平滑筋細胞に対して、細
胞分裂を誘起させるように刺激する活性を有することを
いう。ここで、血管平滑筋細胞とは、ヒトを含む哺乳動
物由来の血管平滑筋細胞を意味する。
【0013】前記マイトジェン活性を測定するには、公
知の方法が用いられる。例えば、実施例2に記載のよう
に、ウシ大動脈平滑筋細胞を培地から血清を枯渇させる
ことによりその増殖を停止させた後、マイトジェン候補
物質を培地に添加することにより、5−ブロモ−2’−
デオキシウリジン(BrdU)を含む市販のキット等を
用いて当該細胞のDNA合成を吸光度により測定する方
法が挙げられる。
【0014】本発明の血管平滑筋増殖剤に用いられる蛋
白質を製造する方法としては、例えば、天然のTFPI
−2を発現している細胞のコンディション培地から蛋白
質を精製する方法と、TFPI−2をコードするDNA
を発現ベクターに組み込んで適当な宿主で発現させた後
に発現した組換えTFPI−2を精製する方法とが挙げ
られる。
【0015】天然のTFPI−2を精製する方法は、例
えば、製造例1に記載のように、ヒト臍帯静脈内皮細胞
(HUVEC)のコンディション培地を限外濾過により
濃縮し、ヘパリンアフィニティーカラムを用いてマイト
ジェン活性画分を溶出した後、ProRPC HR 5/10カラム
(Amersham Pharmacia Biotech社製) を用いるLC−6
A高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム
(Shimadzu社製) によりマイトジェン活性画分を溶出す
る方法である。
【0016】組換えTFPI−2を精製する方法は、例
えば、製造例2〜4に記載のように、TFPI−2のc
DNAをPCR等により調製し、哺乳動物発現ベクター
pK4Kにクローニングした発現ベクターを構築した
後、ベビーハムスター腎(BHK)tk- ts13細胞
等にリン酸カルシウム沈殿法等により形質転換し、メト
トレキサート(MTX)等による選別の後、コンディシ
ョン培地を回収し、前記天然のTFPI−2と同様に精
製する方法である。
【0017】このようにして得られたマイトジェン活性
を有する蛋白質を血管平滑筋増殖剤として用いる場合に
は、その形状は、溶液状、懸濁状、乳液状、凍結乾燥品
等とすることができる。凍結乾燥品は、使用直前に適当
な溶媒、塩水、緩衝液等に溶解して用いる。
【0018】本発明の血管平滑筋増殖剤は、血管の増殖
を必要とする疾患の治療に使用することが可能であり、
当該疾患としては、創傷、床擦れ等が挙げられる。
【0019】本発明の血管平滑筋増殖剤を前記疾患の治
療剤として使用する場合、非経口的に投与することが好
ましい。即ち、液剤、乳剤、懸濁液剤、リポソーム剤等
として静脈内、皮下、筋肉内等に注射することができ、
軟膏、クリーム等として外用することができ、また、坐
剤として直腸投与することもできる。このような剤形
は、医薬として許容される通常の担体、賦形剤、結合
剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等と
前記マイトジェン活性を有する蛋白質とを配合すること
により製造することができる。
【0020】本発明の血管平滑筋増殖剤の投与量は、治
療目的の疾患、患者の年齢、体重等により適宜調整する
ことができるが、通常1回につき0.0001mg〜1000mg、好
ましくは0.001mg 〜1000mgであり、これを1日当たり1
〜3回程度投与するのが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例等によってなんら限
定されるものではない。
【0022】製造例1 TFPI−2の精製と同定 ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)は、ワリイシ(War
iishi, S.)ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 216,
729-735 (1995)に記載の方法に従って培養し、そのコン
ディション培地からマイトジェン活性物質を精製した。
800mlのコンディション培地を、4℃で限外濾過膜
(YM10、Amicon社製) により20mlに濃縮した。
この20mlの溶液を、予め50mM Tris−HC
l(pH7.4)で平衡化させておいたHiTrap Heparin
アフィニティーカラム(5ml、Amersham Pharmacia B
iotech社製) にかけた。試料の適用後、当該カラムを5
0mlの50mM Tris−HCl(pH7.4)溶
液で洗浄した。マイトジェン活性画分は、1M NaC
lを含む50mM Tris−HCl(pH7.4)の
20mlで溶出された。溶出液をCentriprep 10 (Amic
on社製) で0.5mlまで濃縮した。当該濃縮液を、L
C−6A高速液体クロマトグラフィー(HPLC)シス
テム(Shimadzu社製) を用いて、ProRPC HR 5/10カラム
(Amersham Pharmacia Biotech社製) に注入した。流速
は1ml/分であり、280nmでピークをモニターし
た。当該カラムを、15%アセトニトリル中0.1%ト
リフルオロ酢酸(TFA)から100%アセトニトリル
中0.1%TFAまで形成された勾配で溶出した(図
1)。カラムから溶出したマイトジェン活性画分を凍結
乾燥させた。マイトジェン活性は、後述の実施例1に記
載の方法を用いて測定した。
【0023】表1に、増殖を停止したウシ大動脈平滑筋
細胞に対する各精製工程におけるマイトジェン画分の活
性を示す。前記一連の精製工程により、HUVECの濃
縮コンディション培地からマイトジェン活性を有する物
質が約420倍に精製されたことが明らかとなった。
【0024】
【表1】
【0025】前記最終精製工程後のマイトジェン活性画
分(0.1μg)を、Phast System(Amersham Pharmac
ia Biotech社製) を用いて、SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(PAGE)に付した。泳動後の蛋白質
は、クーマシーブリリアントブルーで染色した。使用し
た分子量マーカーは、Amersham Pharmacia Biotech社製
から入手した。この結果、32kDaの分子量を有する
蛋白質が精製されたことがわかった(図2、レーン
B)。
【0026】精製された蛋白質を、Applied Biosystems
470A 気相シークエンサー(Perkin-Elmer 社製) を用い
る自動エドマン分解により、アミノ酸配列分析を行なっ
た。その結果、当該蛋白質は、N末端に、DAAQEP
TGNNAEI(配列番号:3)のアミノ酸配列を有す
ることが明らかとなった。このN末端アミノ酸配列は、
シグナルペプチドの除去された後のTFPI−2(PP
5)と同一のN末端アミノ酸配列であった。TFPI−
2の全アミノ酸配列を配列番号:1に示す。
【0027】製造例2 TFPI−2cDNAを含む発現ベクターの構築 ニイドメ(Niidome, T.) ら、Biochem. Biophys. Res. C
ommun. 203, 1821-1827 (1994)に記載の方法に従って、
BamHIとHindIII の単一の制限部位を含む哺乳
動物発現ベクターpK4Kを用いて、pK4KT2と命
名した発現ベクターを構築した。即ち、TFPI−2c
DNAを、TFPI−2のヌクレオチド39−54およ
び763−782にそれぞれ対応するセンスオリゴヌク
レオチド5’−ATGGACCCCGCTCGCC−
3’(配列番号:4)およびアンチセンスオリゴヌクレ
オチド5’−GCCATAAAGACAAACAAGA
T−3’(配列番号:5)を用いて、ポリメラーゼ連鎖
反応(PCR)により作製した。鋳型は、TFPI−2
cDNAを含むpBluescriptII SK(−)
(Stratagene 社製) であった。得られたPCR産物を、
DNA Blunting Kit(Takara Biomedical
s 社製) により平滑末端化し、同様に平滑末端化した前
記pK4Kベクターに連結した。当該PCR産物の配列
は、自動DNAシーケンサー373A(Applied Biosyst
ems, Perkin-Elmer Corp.)により、配列番号:2に記載
の第39位〜第782位までのヌクレオチドに対応する
塩基配列を有することを確認した。
【0028】製造例3 形質転換と細胞培養 形質転換されていないベビーハムスター腎(BHK)t
- ts13細胞を、5%ウシ胎仔血清(FCS)、ス
トレプトマイシン(30μg/ml)およびペニシリン
(30ユニット/ml)を補足したDulbeccoの変法Eagl
e 培地(DMEM)中で増殖させた。Cell Phe
ct トランスフェクションキット(Amersham Pharmaci
a Biotech 社製) を用いる改変したリン酸カルシウム沈
殿法により、当該BHKtk- ts13細胞(2×10
5 細胞)を、製造例2で作製した5μgのpK4KT2
ベクターで形質転換した。BHKT2と命名した形質転
換した細胞を、5%FCSを含むDMEM中で増殖させ
た。250nMのメトトレキサート(MTX)による選
別の後、細胞培養上清(コンディション培地)を回収
し、組換えTFPI−2(rTFPI−2)の単離のた
めに用いた。
【0029】製造例4 組換えTFPI−2(rTFPI−2)の精製 製造例1に記載と同様の方法を用いて、製造例3で得ら
れたBHKT2のコンディション培地(1000ml)
からrTFPI−2を精製した。精製されたrTFPI
−2のSDS−PAGEを図2、レーンCに示す。
【0030】その結果、天然のTFPI−2と同じ分子
量(32kDa)を有する蛋白質が精製されたことが明
らかとなった。
【0031】実施例1 rTFPI−2のマイトジェン活性 ウシ大動脈平滑筋細胞は、ロス(Ross)のエクスプラント
技法の改変法により成牛の大動脈の中間層から単離した
(Shirotani, M.ら、J. Pharmacol. Exp. Ther.259, 738
-744 (1990)) 。10%FCS、ペニシリン(100U
/ml)およびカナマイシン(100μg/ml)を補
足したDMEM中で、5%のCO2 を含む空気の加湿環
境下、37℃でウシ大動脈平滑筋細胞を増殖させた。増
殖させた。培養用培地(DMEM+10%FCS)を3
日毎に交換し、約7日後にコンフルエント平滑筋細胞単
層を得た。細胞は、第2継代から第6継代まで使用し
た。当該細胞を0.1%トリプシン−0.02%EDT
A溶液で回収し、96ウエルプレート(Nunk社製)
にウエル当たり3,000個の細胞密度で播種した。4
8時間後、当該細胞の増殖を0.1%FCSを含むDM
EMで停止させた。さらに48時間後、新鮮な培地(D
MEM+0.1%FCS)と種々の濃度の製造例4で精
製されたrTFPI−2(最終濃度:0〜500nM)
を、前記増殖停止細胞に同時に添加した。48時間後、
Premix WST-1 細胞増殖アッセイシステム(Takara Biom
edical社製) を用いて、細胞の増殖アッセイを行なっ
た。前記システムは、テトラゾリウムから産生したホル
マゾンを600nmの参照波長とともに420nmでア
ッセイする。得られた吸光度の値を、標準曲線から細胞
数に変換した(図3)。
【0032】図3より、rTFPI−2は、用量応答様
式(1〜500nM)で細胞の増殖を増加させることが
わかった。
【0033】実施例2 rTFPI−2によるDNA合成の誘導(1) 実施例1と同様に、ウシ大動脈平滑筋細胞を96ウエル
プレートに播種し、0.1%FCSを含むDMEMによ
り細胞増殖を停止させた。48時間後、新鮮な培地(D
MEM+0.1%FCS)と種々の濃度の製造例4で精
製されたrTFPI−2(最終濃度:0〜500nM)
を、前記増殖停止細胞に同時に添加した。24時間後、
5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)を添
加し、Biotrak 細胞増殖ELISAシステム(Amersham
Pharmacia Biotech 社製) を用いて、DNA合成中のB
rdUのDNAへの取り込みを12時間後に測定するこ
とによりDNA合成の検出を行なった(図4)。
【0034】図4より、BrdUは、rTFPI−2刺
激により用量依存的にDNAに取り込まれることがわか
った。
【0035】実施例3 rTFPI−2によるDNA合成の誘導(2) 実施例2において、0.1%FCSの代わりに10ng
/mlの血小板由来増殖因子(PDGF、Upstate 社
製) を使用すること以外は実施例2と同様に、rTFP
I−2によるDNA合成の誘導を行なった(図5)。
【0036】図5より、0.1%FCSの代わりに10
ng/mlのPDGFを使用した場合でも、BrdU
は、rTFPI−2の用量依存的にDNAに取り込まれ
ることがわかった。
【0037】実施例4 マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)の
リン酸化 実施例1で得られたウシ大動脈平滑筋細胞を、24ウエ
ルプレート中で実施例1と同様に血清を枯渇させた後、
無血清DMEM培地中100nMの製造例4で得られた
rTFPI−2に曝露させた。15〜120分間のイン
キュベーションの後、上清を除去した。10mM Tr
is−HCl(pH8.0)、1mMEDTA、2.5
% SDSおよび5%メルカプトエタノールを含む溶液
の100μlを各ウエルに添加した。溶解した細胞画分
を、Phast Systemを用いるSDSポリアク
リルアミドゲル電気泳動により、8〜25%のゲル上で
分離した。次いで、当該蛋白質を、Phast Tra
nsfer(Amersham Pharmacia Biotech 社製) を用い
るセミドライ電気ブロッティング法により、ニトロセル
ロース膜(Hoefer Scientific Instruments社製) に30
分間ブロットした。当該ブロットを、Tris緩衝化生
理食塩水(20mM Tris−HCl(pH7.6)
および137mM NaCl)中10%ウシ血清アルブ
ミンで1時間ブロックした。次いで、ブロックされたブ
ロットを、0.1% Tween−20を含む前記Tr
is緩衝化生理食塩水で5回洗浄した。この洗浄工程
は、その後の工程それぞれの間で行なった。洗浄したブ
ロットを、Tris緩衝化生理食塩水で希釈したリン酸
化MAPKに対するモノクローナル抗体(25ng/m
l)( 非リン酸化MAPKとは交差反応を示さない;Pr
omega Inc.) で1時間、ビオチン化F(ab’)2 ラビ
ット抗マウスイムノグロブリンG(Serotec Ltd.)で1時
間、およびストレプトアビジン−アルカリホスファター
ゼコンジュゲートで1時間、連続してインキュベートし
た。最後に、ニトロブルーテトラゾリウムおよび5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートp−ト
ルイジン塩を添加して、特異的蛋白質を検出し、蒸留水
で洗浄することにより反応を停止させた(図6)。
【0038】図6より、rTFPI−2により誘導され
た血管平滑筋細胞増殖において、MAPKのリン酸化が
二元に起こることが示され(42kDaと44kD
a)、迅速かつ一過性のリン酸化が、rTFPI−2に
よる刺激の後に起こることがわかった。なお、MAPK
は、多くの型の細胞表面の受容体をマイトジェン活性物
質を開始剤とする核の事象と連結するシグナル伝達経路
において重要な中間体である。
【0039】実施例5 c−fosおよびc−myc mRNAのノーザンブロ
ット分析 実施例4と同様にして、血清を枯渇させたウシ大動脈平
滑筋細胞を調製した。rTFPI−2による刺激後30
〜240分間の前記細胞(108 細胞)由来の全細胞R
NAを、Ultraspec−II RNA単離システム
(Biotecx Laboratories, Inc.)を用いて単離した。全R
NA(20μg/レーン)を、18%ホルムアルデヒド
を含む1%アガロースゲル上で、電気泳動によりサイズ
分画した。N+ ナイロン(Amersham Pharmacia Biotech
社製) へのキャピラリートランスファーを一晩行なっ
た。プレハイブリダイゼーションは、プレハイブリダイ
ゼーション緩衝液(4×SSC、1%SDSおよび1×
Denhardt’s溶液)中、42℃で4時間行なっ
た。ハイブリダイゼーションは、2×106 cpm/m
lの32P([ α−32P] dCTP、Amersham Pharmacia
Biotech社製) 標識cDNAプローブを含むハイブリダ
イゼーション緩衝液(4×SSC、1×Denhard
t’s溶液、1%SDSおよび100μg/mlサケ精
子DNA)中、42℃で18時間行なった。プローブと
して、c−fosDNA、c−mycDNA(Takara Bi
omedicals 社製) およびグリセルアルデヒド−3−ホス
フェートデヒドロゲナーゼDNA(G3PD、Clontech
社製) を、Ready−To−Go DNA標識キット
(Amersham Pharmacia Biotech 社製) により標識した。
洗浄は、2×SSC、0.1%SDS中42℃、2×S
SC、0.1%SDS中55℃および最後に、0.5×
SSC、0.1%SDS中55℃で行なった。G3PD
は、各レーンに負荷した等量をチェックするためのコン
トロールとして使用し、前記と同様の条件で洗浄した。
オートラジオグラムは、BAS2500システム(Fuji
Film社製) を用いて得られた(図7)。
【0040】図7より、rTFPI−2による刺激の
後、プロトオンコジーンc−fosおよびc−myc
mRNAの迅速な発現増加が30分で見出された。1時
間後、c−fos発現は見出されなくなったが、c−m
yc発現は、rTFPI−2による刺激の後4時間まで
持続した。血管平滑筋において、TFPI−2によるc
−fosとc−mycの迅速かつ一過性の発現は、活性
化MAPKを介しているように思われる。
【0041】これらの点から、rTFPI−1は、その
抗増殖作用によりPTCA後の再狭窄を予防するための
医薬として有用であると期待されるのに対して、構造上
類似のrTFPI−2は、血管平滑筋細胞に対するマイ
トジェン活性を有する蛋白質であることがわかった。
【0042】
【発明の効果】本発明により血管平滑筋増殖剤が提供さ
れ、創傷、床擦れ等の血管の増殖を必要とする疾患の治
療に有用である。
【0043】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> SHIONOGI & CO., LTD. <120> Proliferative Agents of Blood Smooth Muscle Cells <130> SG-10-003 <160> 5
【0044】 <210> 1 <211> 235 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <221> SIGNAL <222> (1)...(22) <400> 1 Met Asp Pro Ala Arg Pro Leu Gly Leu Ser Ile Leu Leu Leu Phe Leu 5 10 15 Thr Glu Ala Ala Leu Gly Asp Ala Ala Gln Glu Pro Thr Gly Asn Asn 20 25 30 Ala Glu Ile Cys Leu Leu Pro Leu Asp Tyr Gly Pro Cys Arg Ala Leu 35 40 45 Leu Leu Arg Tyr Tyr Tyr Asp Arg Tyr Thr Gln Ser Cys Arg Gln Phe 50 55 60 Leu Tyr Gly Gly Cys Glu Gly Asn Ala Asn Asn Phe Tyr Thr Trp Glu 65 70 75 80 Ala Cys Asp Asp Ala Cys Trp Arg Ile Glu Lys Val Pro Lys Val Cys 85 90 95 Arg Leu Gln Val Ser Val Asp Asp Gln Cys Glu Gly Ser Thr Glu Lys 100 105 110 Tyr Phe Phe Asn Leu Ser Ser Met Thr Cys Glu Lys Phe Phe Ser Gly 115 120 125 Gly Cys His Arg Asn Arg Ile Glu Asn Arg Phe Pro Asp Glu Ala Thr 130 135 140 Cys Met Gly Phe Cys Ala Pro Lys Lys Ile Pro Ser Phe Cys Tyr Ser 145 150 155 160 Pro Lys Asp Glu Gly Leu Cys Ser Ala Asn Val Thr Arg Tyr Tyr Phe 165 170 175 Asn Pro Arg Tyr Arg Thr Cys Asp Ala Phe Thr Tyr Thr Gly Cys Gly 180 185 190 Gly Asn Asp Asn Asn Phe Val Ser Arg Glu Asp Cys Lys Arg Ala Cys 195 200 205 Ala Lys Ala Leu Lys Lys Lys Lys Lys Met Pro Lys Leu Arg Phe Ala 210 215 220 Ser Arg Ile Arg Lys Ile Arg Lys Lys Gln Phe 225 230 235
【0045】 <210> 2 <211> 979 <212> DNA <213> Homo sapiens <220> <221> CDS <222> (39)...(743) <400> 2 ggacgccttg cccagcgggc cgcccgaccc cctgcaccat ggaccccgct cgccccctgg 60 ggctgtcgat tctgctgctt ttcctgacgg aggctgcact gggcgatgct gctcaggagc 120 caacaggaaa taacgcggag atctgtctcc tgcccctaga ctacggaccc tgccgggccc 180 tacttctccg ttactactac gacaggtaca cgcagagctg ccgccagttc ctgtacgggg 240 gctgcgaggg caacgccaac aatttctaca cctgggaggc ttgcgacgat gcttgctgga 300 ggatagaaaa agttcccaaa gtttgccggc tgcaagtgag tgtggacgac cagtgtgagg 360 ggtccacaga aaagtatttc tttaatctaa gttccatgac atgtgaaaaa ttcttttccg 420 gtgggtgtca ccggaaccgg attgagaaca ggtttccaga tgaagctact tgtatgggct 480 tctgcgcacc aaagaaaatt ccatcatttt gctacagtcc aaaagatgag ggactgtgct 540 ctgccaatgt gactcgctat tattttaatc caagatacag aacctgtgat gctttcacct 600 atactggctg tggagggaat gacaataact ttgttagcag ggaggattgc aaacgtgcat 660 gtgcaaaagc tttgaaaaag aaaaagaaga tgccaaagct tcgctttgcc agtagaatcc 720 ggaaaattcg gaagaagcaa ttttaaacat tcttaatatg tcatcttgtt tgtctttatg 780 gcttatttgc ctttatggtt gtatctgaag aataatatga cagcatgagg aaacaaatca 840 ttggtgattt attcaccagt ttttattaat acaagtcact ttttcaaaaa tttggatttt 900 tttatatata actagctgct attcaaatgt gagtctacca tttttaattt atggttcaac 960 tgtttgtgag actgaattc 979
【0046】 <210> 3 <211> 13 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 3 Asp Ala Ala Gln Glu Pro Thr Gly Asn Asn Ala Glu Ile 5 10
【0047】 <210> 4 <211> 16 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 4 atggaccccg ctcgcc 16
【0048】 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artifical Sequence <400> 5 gccataaaga caaacaagat 20
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ProRPC HR 5/10カラムを用いた逆相高
速液体クロマトグラフィーの結果を示す。図中、点線
は、15%アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸
(TFA)から100%アセトニトリル中0.1%TF
Aまでの勾配を示し、黒塗りのピークは、増殖を停止さ
せたウシ大動脈平滑筋細胞に対する細胞増殖活性を示
す。
【図2】図2は、精製した天然のTFPI−2(レーン
B)およびrTFPI−2(レーンC)のSDS−PA
GEの結果を示す電気泳動の写真である。レーンAは、
分子量マーカーを示し、各バンドは、上から、ホスホリ
ラーゼb:94kDa;ウシ血清アルブミン:67kD
a;オブアルブミン:43kDa;カルボニックアンヒ
ドラーゼb:30kDa;ダイズトリプシンインヒビタ
ー:20.1kDa;α−ラクトアルブミン:14.4
kDaである。
【図3】図3は、ウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の
濃度(0〜500nM)のrTFPI−2のマイトジェ
ン活性を示すグラフである。グラフの各点は、6回の平
均を示し、縦線は、標準偏差を示す。
【図4】図4は、低濃度の血清により増殖を停止させた
ウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の濃度(0〜500
nM)のrTFPI−2のマイトジェン活性をBrDU
の取り込みによって測定したグラフである。グラフの各
点は、6回の平均を示し、縦線は、標準偏差を示す。
【図5】図5は、PDGF添加のDMEMにより増殖を
停止させたウシ大動脈平滑筋細胞に対する種々の濃度
(0〜500nM)のrTFPI−2のマイトジェン活
性をBrDUの取り込みによって測定したグラフであ
る。グラフの各点は、6回の平均を示し、縦線は、標準
偏差を示す。
【図6】図6は、増殖を停止させたウシ大動脈平滑筋細
胞において、rTFPI−2のマイトジェン刺激により
活性化されたプロテインキナーゼ(MAPK)のリン酸
化を示す電気泳動の写真である。
【図7】図7は、増殖を停止させたウシ大動脈平滑筋細
胞において、rTFPI−2のマイトジェン刺激により
誘導されたc−fosおよびc−myc mRNAの発
現を示す電気泳動の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA A61K 37/02 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 EA04 GA11 4B063 QA01 QA05 QQ08 QQ53 QR32 QR50 QR56 QS34 QS36 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA22 CA25 CA53 DC32 MA01 NA14 ZA362 ZA402 ZA452 ZA542 ZA892 ZA962 ZB222 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 EA20 EA28 FA72 FA74

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 配列番号:1に記載のアミノ酸
    配列の全部または配列番号:1の第23位〜第235位
    のアミノ酸配列からなる蛋白質、(2) 配列番号:1
    に記載のアミノ酸配列の全部または配列番号:1の第2
    3位〜第235位のアミノ酸配列において、1個以上の
    アミノ酸が置換、欠失、挿入または付加されている蛋白
    質、(3) 配列番号:2に記載の塩基配列を有するポ
    リヌクレオチドによりコードされる蛋白質、(4) 配
    列番号:2に記載の塩基配列において、1個以上の塩基
    が置換、欠失、挿入または付加されている塩基配列を有
    するポリヌクレオチドによりコードされる蛋白質、また
    は(5) 配列番号:2に記載の塩基配列を有するポリ
    ヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダ
    イズするポリヌクレオチドによりコードされる蛋白質で
    あって、血管平滑筋細胞に対してマイトジェン活性を有
    する蛋白質を有効成分とする血管平滑筋増殖剤。
  2. 【請求項2】 血管の増殖を必要とする疾患の治療に使
    用されるものである請求項1記載の血管平滑筋増殖剤。
  3. 【請求項3】 該疾患が創傷または床擦れである請求項
    2記載の血管平滑筋増殖剤。
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