JPH07132095A - Dnaおよびそのコードする蛋白質 - Google Patents

Dnaおよびそのコードする蛋白質

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JPH07132095A
JPH07132095A JP5166155A JP16615593A JPH07132095A JP H07132095 A JPH07132095 A JP H07132095A JP 5166155 A JP5166155 A JP 5166155A JP 16615593 A JP16615593 A JP 16615593A JP H07132095 A JPH07132095 A JP H07132095A
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Atsushi Arai
居 淳 新
Yasukazu Nagase
瀬 安 数 長
Seiichi Mizushima
島 誠 一 水
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    • C07K14/4705Regulators; Modulating activity stimulating, promoting or activating activity
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    • AHUMAN NECESSITIES
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】血管内皮細胞に作用し、該細胞からのプロスタ
グランジンI(別名;プロスタサイクリン(pros
tacyclin)、以下PGIと記す)産生刺激活
性を有する蛋白性生理活性物質(以下PGI産生刺激
因子と記す)をコードするDNA、該DNAを用いてP
GI産生刺激因子を製造する方法、製造されたPGI
産生刺激因子、PGI産生刺激因子を認識する抗体
およびその用途。 【効果】この新規な蛋白質は、PGIの産生を促進
し、PGIの持つ血小板凝集抑制作用、平滑筋弛緩作
用、胃酸分泌抑制作用に基づいて溶血性尿毒症症候群、
血栓性血小板減少性紫斑病、末梢動脈閉塞、心虚血、脳
虚血、動脈硬化、脳閉塞、高脂血症、糖尿病、心不全、
狭心症、虚血性心疾患、うっ血性心疾患、脈絡膜循環障
害、気管支疾患、胃潰瘍、妊娠子癇等の疾患に対する有
効な医薬品となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管内皮細胞に作用
し、該細胞からのプロスタグランジンI2 (別名;プロ
スタサイクリン(Prostacyclin)、以下P
GI2 と記す)産生刺激活性を有する蛋白性生理活性物
質(以下PGI2 産生刺激因子と記す)をコードするD
NA、該DNAを用いてPGI2 産生刺激因子を製造す
る方法、製造されたPGI2 産生刺激因子、PGI2
生刺激因子を認識する抗体およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】プロスタグランジン(prostagl
andin、PG)は1930年にクルツロックら[プ
ロシーディング オブ ザ ソサイエティ フォー エ
クスペリメンタル バイオロジー アンド メディスン
(Proc.Soc.Exp.Biol.Med.)、
28巻、268頁、1930年]により、精液中に存在
する子宮筋収縮活性物質として発見報告された。その後
プロスタグランジンに関する基礎的研究は急速な発展を
とげた。プロスタグランジンはヒト、動物の組織、臓器
に含まれるプロスタン酸を基本構造とする生理活性物質
の総称であり、細胞内でアラキドン酸を出発物質として
アラキドン酸カスケードと呼ばれる一連の化学反応によ
り化学構造の異なる数種のプロスタグランジンが生合成
される。それらは内分泌系、神経系、免疫系その他生体
の恒常性の維持に関与する重要な活性物質として注目さ
れており、炎症反応、血栓形成、末梢循環、動脈硬化、
老化などの諸機構に広汎に関与する[臨床科学、17
巻、958頁、1981年]と考えられている。さら
に、プロスタグランジンは血管平滑筋に対する血管作動
性物質として重要な役割をはたしており[病態生理、2
巻、792頁、1983年]、血小板や血管壁由来の活
性型プロスタノイドであるトロンボキサンA2 (TXA
2 )[プロシーディング オブ ザ ナショナル アカ
デミー オブ サイエンス オブ ザ ユナイテッド
ステイツ オブ アメリカ(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA)、72巻、2994頁、197
5年]およびPGI2 [ネイチャ−(Nature)、
263巻、663頁、1976年]が、血小板と血管系
の生理と病態における臨床的意義において注目されてい
る。
【0003】これらプロスタグランジンの中で、とりわ
けPGI2 は強力な血小板凝集抑制作用と血管弛緩作用
を呈し、逆の作用を有する血小板由来のTXA2 と拮抗
的に作用し生体内の恒常性(ホメオスターシス)の維持
に関与している[ブリティッシュ ジャーナル オブ
ファーマコロジー(Br.J.Pharmac.)、7
6巻、3頁、1982年]。正常血管内皮細胞は、物理
的、化学的刺激が加わると、主としてPGI2 を生成
し、血小板の活性化を抑制するのみならず自ら血管壁緊
張(トーヌス)を調節して局所循環の恒常性を維持する
機構を作動させる。すなわち、血栓症や動脈硬化症など
の血管障害の発症には、TXA2 およびPGI2 の産生
不均衡、とりわけPGI2 の産生低下が関与している
[ブリティッシュ ジャーナル オブ ファーマコロジ
ー(Br.J.Pharmac.)、76巻、3頁、1
982年]ことが知られている。1978年マックイン
タイヤーら[ネイチャー(Nature)、271巻、
549頁、1978年]は流血中に血管壁でのPGI2
産生を刺激する因子が存在することを認めており、本因
子は熱に不安定な高分子物質であることを報告してい
る。その後レムッジらにより溶血性尿毒症症候群で本因
子の血中レベルが健常人と比較して低下していることが
報告されて以来[ランセット(Lancet)、2巻、
871頁、1978年]、血栓性血小板減少性紫斑病
[ランセット(Lancet)、2巻、748頁、19
79年]、鎌状赤血球性貧血[ブリティッシュ ジャー
ナル オブ へマトロジー(Br.J.Haemato
l.)、48巻、545頁、1981年]、急性心筋梗
塞[コロナリー(Coronary)、2巻、49頁、
1985年]、糖尿病等の血栓性・動脈硬化性疾患で本
因子の血中レベルの低下がその病因と密接に関与してい
ることが明らかにされている。とくに、糖尿病性血管障
害の発症・進展については、血小板由来TXA2 の産生
亢進[トロンボシス リサーチ(Thromb.Re
s.)、19巻、211頁、1980年、ジャーナルオ
ブ ラボラトリー アンド クリニカル メディスン
(J.Lab.Clin.Med.)、97巻、87
頁、1981年]に加え、血管由来のPGI2 産生低下
が血小板凝集の亢進をひきおこすことが糖尿病患者や実
験糖尿病動物について報告されている[ランセット(L
ancet)、1巻、325頁、1979年、ランセッ
ト(Lancet)、2巻、1365頁、1979年、
ザ ニュウイングランド ジャーナル オブ メディス
ン(N.Engl.J.Med.)300巻、366
頁、1979年およびライフ サイエンス(Life
Sci.)、23巻、351頁、1978年]。しか
も、このPGI2 産生低下は、上述の血中に存在するP
GI2 産生刺激活性の低下が一因である可能性が示唆さ
れている[メタボリズム(Metabolism)、3
8巻、837頁、1989年、へモスタシス(Haem
ostasis)、16巻、447頁、1986年およ
びダイアベティス リサーチ アンド クリニカル プ
ラクティス(Diab.Res.Clin.Prac
t.)、3巻、243頁、1987年]。
【0004】上述のごとくPGI2 は血小板凝集抑制作
用を有するが、それ以外にも血管および気管支などの平
滑筋弛緩作用、胃酸分泌抑制作用等をも有する。これら
の生理作用に基づきPGI2 自体を医療用薬として開発
することが考えられるが、PGI2 の半減期は37℃中
性の水中で5分と極めて短く、化学的に不安定な物質で
あり、実用化に至っていない。一方、天然のPGI2
作用を保ちながら、化学的に安定なPGI2 類縁体を血
液凝固阻止剤、血管拡張剤等の医薬品として開発しよう
とする試みがなされている。
【0005】しかし、生体にとっては、PGI2 が化学
的に不安定で短寿命である方がむしろ望ましい。局所的
に産生され、かつ不要な血小板凝集抑制を防ぎながら、
作用するのがPGI2 本来の働きであるから、化学的に
安定なPGI2 類縁体を多量に与えると、細胞のPGI
2 に対する応答性が低下し、緊急の場合にPGI2 に反
応しなくなる可能性もある。実際、プロスタグランジン
1 (PGE1 )や安定なPGI2 類縁体で前処理を行
うと、ある種の細胞ではPGI2 によって当然起こるべ
きcAMPの上昇がおこならくなったという例が報告さ
れている[プロスタグランジンズ(Prostagla
ndins.)、19巻、2頁、1980年]。
【0006】従って、上述のようなPGI2 の作用を期
待するのであれば、化学的に安定な類縁体を用いるより
も、必要なときに必要な濃度のPGI2 を必要な部位に
産生させてやることが生体にとってより好ましいと考え
られる。生体内でのPGI2代謝は2つの因子により制
御されており、その1つはPGI2 安定化因子で近年ア
ポリポプロテインA−1(ApoA−1)であることが
同定された[ザ ジャーナル オブ クリニカル イン
ベスティゲーション(J.Clin.Inves
t.)、82巻、803頁、1988年]。他の1つは
PGI2 産生刺激因子(Prostacyclin P
roduction StimulatingFact
or、PSF)である。上述のごとくすでに血中にはP
GI2 産生刺激活性(Prostacyclin St
imulating Activity、PSA)が存
在することが報告されているが、その活性本体であるP
GI2産生刺激因子は血管内皮細胞からのPGI2 産生
を増加させ、血中のPGI2 濃度を高めることにより血
小板凝集抑制作用、平滑筋弛緩作用、胃酸分泌抑制作用
等を発揮させる。このような作用を持つPGI2 産生刺
激因子は溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑
病、末梢動脈閉塞、心虚血、脳虚血、動脈硬化、脳閉
塞、高脂血症、糖尿病、心不全、狭心症、虚血性心疾
患、うっ血性心疾患、脈絡膜循環障害、気管支疾患、胃
潰瘍、妊娠子癇等の治療に使用できると考えられる。
【0007】さらに、前述の疾患の発症、進展に関して
PGI2 産生刺激因子の局所における発現の増減ならび
に血中および尿中等の濃度が変化することが期待され、
こうしたPGI2 産生刺激因子の濃度変化を検出するこ
とができれば、その測定により上記疾患の診断が可能に
なると考えられる。
【0008】本発明者らは、血中およびヒト由来培養細
胞株の培養上清中に存在するPGI2 産生刺激活性につ
いて鋭意研究を重ねた結果、正常ヒト二倍体線維芽細胞
の培養上清中にPGI2 産生刺激活性を有する物質が高
濃度に存在することを確認し、次いで、この培養上清よ
りPGI2 産生刺激因子を単離精製することに成功し、
アミノ酸配列の一部を決定した[PCT/JP93/0
0294]。しかしながら、PGI2 産生刺激因子のよ
うな蛋白性生理活性物質を大量に入手するためには、そ
の遺伝子の単離・同定を行い、組換え技術を用いた製造
法を確立することが望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような状況を鑑み、血管内皮細胞を刺激してPGI2
の産生を促進するPGI2 産生刺激因子をコードする遺
伝子を提供し、遺伝子工学的なPGI2 産生刺激因子の
大量製造方法を提供することにある。また、本発明の他
の目的は、PGI2 産生刺激因子の作用に基づいた上述
の疾患に対する医薬組成物を提供することにある。さら
に、PGI2 産生刺激因子に対する特異的な抗体および
該抗体を用いた上述の疾患に対する診断方法を提供する
ことも目的の一つである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の目的
を達成するために、さらに鋭意研究を重ねた結果、PG
2 産生刺激因子の一部のアミノ酸配列を手がかりとし
て、正常ヒト二倍体線維芽細胞のcDNAライブラリー
を作成しPGI2 産生刺激因子のcDNAを入手し、次
いで、PGI2 産生刺激因子の塩基配列を明らかにし、
さらにその配列から演繹されるアミノ酸配列を決定し
た。すなわち、本発明は、下記式[1]または[2]
(配列表の配列番号1または2)で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列の一部または全部を含有する新
規なDNAを提供する。
【0011】式[1] Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln Val Tyr Leu Ser 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Ser Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0012】式[2] Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln Val Tyr Leu Ser 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Phe Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0013】さらに、下記式[3]ないし[4](配列
表の配列番号3または4)で表される塩基配列の一部ま
たは全部を含有する新規なDNAを提供する。
【0014】式[3] GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTC 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0015】式[4] GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTT 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0016】さらに、式[1]または[2]で表される
新規なアミノ酸配列をコードするDNAと相補的な塩基
配列を有するDNA、および式[3]または[4]で表
される新規なDNAと相補的な塩基配列を有するDNA
を提供する。
【0017】さらに、本発明は、式[1]または[2]
で表されるアミノ酸配列をコードするDNAあるいは式
[3]または[4]で表されるDNAを導入して得られ
るベクターおよび該ベクターで形質転換された形質転換
体を提供する。次いで、この形質転換体を用いてPGI
2 産生刺激因子を産生する方法ならびに該操作により得
られるPGI2 産生刺激因子を提供する。
【0018】本発明のPGI2 産生刺激因子のアミノ酸
配列は、式[1]または[2]で表されるアミノ酸配列
の一部または全部を含有する蛋白質である。好ましく
は、下記式[5]または[6](配列表の配列番号5ま
たは6)で示されるアミノ酸配列を有する。
【0019】式[5] Ser Ser Ser Asp Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro 1 5 10 15 Pro Leu Pro Pro Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala 20 25 30 Cys Gly Cys Cys Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys 35 40 45 Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu 50 55 60 Cys Val Lys Ser Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala 65 70 75 Ala Gly Gly Pro Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg 80 85 90 Tyr Pro Val Cys Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys 95 100 105 Gln Leu Arg Ala Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys 110 115 120 Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser 125 130 135 Ile Val Thr Pro Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln 140 145 150 Val Tyr Leu Ser Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu 155 160 165 Ile Trp Asn Lys Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr 170 175 180 Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg 185 190 195 Gly Gly Pro Glu Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser 200 205 210 Pro Leu Ser Lys Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser 215 220 225 Asn Ser Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val 230 235 240 Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu 245 250 255 Leu 256
【0020】式[6] Phe Ser Ser Asp Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro 1 5 10 15 Pro Leu Pro Pro Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala 20 25 30 Cys Gly Cys Cys Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys 35 40 45 Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu 50 55 60 Cys Val Lys Ser Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala 65 70 75 Ala Gly Gly Pro Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg 80 85 90 Tyr Pro Val Cys Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys 95 100 105 Gln Leu Arg Ala Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys 110 115 120 Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser 125 130 135 Ile Val Thr Pro Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln 140 145 150 Val Tyr Leu Ser Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu 155 160 165 Ile Trp Asn Lys Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr 170 175 180 Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg 185 190 195 Gly Gly Pro Glu Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser 200 205 210 Pro Leu Ser Lys Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser 215 220 225 Asn Phe Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val 230 235 240 Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu 245 250 255 Leu 256 この蛋白質は、血管内皮細胞を刺激してPGI2 の産生
を促進する活性を有することで特徴づけられる。
【0021】さらに、本発明のPGI2 産生刺激因子の
アミノ酸配列の一部または全部を抗原として得られた抗
体およびその抗体を用いた免疫学的なPGI2 産生刺激
因子の測定方法を提供する。
【0022】また、本発明は上述のPGI2 産生刺激因
子を有効成分として含有することを特徴とする、下記疾
患に対する予防または治療用医薬組成物を提供する。溶
血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、末梢動
脈閉塞、心虚血、脳虚血、動脈硬化、脳閉塞、高脂血
症、糖尿病、心不全、狭心症、虚血性心疾患、うっ血性
心疾患、脈絡膜循環障害、気管支疾患、胃潰瘍、妊娠子
癇。
【0023】以下本発明を詳細に説明する。すなわち、
本発明は、下記式[1]または[2]で表されるアミノ
酸配列の一部または全部を含有する蛋白質およびこれを
コードする塩基配列の一部または全部を含有するDNA
である。
【0024】式[1] Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln Val Tyr Leu Ser 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Ser Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0025】式[2] Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln Val Tyr Leu Ser 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Phe Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0026】また、下記式[3]または[4]で表され
る塩基配列の一部または全部を含有するDNAである。
【0027】式[3] GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTC 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0028】式[4] GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTT 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0029】本発明の蛋白質であるPGI2 産生刺激因
子のcDNAを得るためには、一般的な遺伝子工学的手
法が用いられる。すなわち、本発明のPGI2 産生刺激
因子のアミノ酸配列を明らかにし、それを基にDNAプ
ローブを作製し、適当なcDNAライブラリー、好まし
くは正常ヒト二倍体線維芽細胞より得られたmRNAか
ら作製されたcDNAライブラリーをスクリーニングす
ることにより本発明のPGI2 産生刺激因子のcDNA
を得ることができる。また、精製されたPGI 2 産生刺
激因子を用いて、あるいはアミノ酸配列解析または遺伝
子配列解析により決定されたアミノ酸配列の一部を合成
ペプチドとして合成しこれを用いてウサギ、マウス等を
免疫し抗体を得た後、この抗体を用いてcDNAライブ
ラリーをスクリーニングすることも可能である。
【0030】好ましくは下記の方法により本発明のPG
2 産生刺激因子をコードするcDNAを取得すること
ができる。正常ヒト二倍体線維芽細胞から全RNAを調
製し、ポリ(A)+ RNA(mRNA)を調製する。例
えば、全RNAの調製は、一般的なグアニジンチオシア
ネート法、AGPC法または熱フェノール法により可能
である。またmRNAは、全RNAをオリゴ(dT)セ
ルロースやポリU−セファロース等を用いたアフィニテ
ィークロマトグラフィーをカラム法やバッチ法で実施す
ることにより調製できる。次いで、逆転写酵素を用いて
1本鎖cDNAを合成し、次いでDNAポリメラーゼを
用いて2本鎖cDNAとした後、各種プラスミドベクタ
ー、例えばプラスミドpUCベクター、プラスミドpE
F−BOS[ヌクレイック アシッド リサーチ(Nu
cl.Acids Res.)、18巻、5322頁、
1990年]等に導入し、大腸菌を形質転換する。ある
いはクローニング用ファージベクターλgt10、λg
t11等に導入し、インビトロパッケージングして大腸
菌に感染させる。こうしてcDNAライブラリーを作製
する。cDNAは、グブラーとホフマンの方法[ジーン
(Gene)、25巻、263頁、1983年]等に従
って合成することができる。市販されているcDNA合
成キット(アマシャム社製、ベーリンガー社製、インヴ
ィトロジェン社製)を用いてもよい。上述のcDNA
は、リンカーを付加すること等によってプラスミドベク
ターもしくはファージベクターへ導入できる。使用する
リンカーは、特に限定されるものではないが、プラスミ
ドpEF−BOSを用いる場合にはBstXIリンカー
が好ましい。リンカーの付加、プラスミドおよびファー
ジベクターへのcDNAの導入は、市販のライゲーショ
ンキット(宝酒造社製)を用いても可能である。形質転
換する大腸菌は通常用いられる株であれば特に限定され
るものではないが、HB101、DH5およびMC10
61/P3が好ましい。λgt10をファージベクター
として用いた場合は、NM514が特に好ましい。cD
NAを導入したプラスミドDNAは、エレクトロポレー
ション法または塩化カルシウム法等により大腸菌へ導入
することができる。インビトロパッケージングは市販の
インビトロパッケージングキット(ストラタジーン社
製、アマシャム社製)を用いて行うこともできる。
【0031】本発明のPGI2 産生刺激因子をコードす
るcDNAは、一般的なcDNAスクリーニング法を組
み合わせることにより単離可能である。例えば、得られ
た部分アミノ酸配列[PCT/JP93/00294]
に基づいてDNAプローブを作製し直接cDNAライブ
ラリーをスクリーニングするか、PCRプライマーを作
製しPCR法で増幅したDNA断片を有するクローンを
選択する方法等が考えられる。またcDNAを発現させ
ることのできるライブラリー、例えばλgt11ファー
ジベクターを用いて作製したライブラリーを用いる場合
には上述の方法で得た抗体を用いて目的のクローンを選
択することができる。COS細胞を宿主としてプラスミ
ドベクターpEF−BOS等を用いて作製したライブラ
リーを用いる場合は、培養上清中に検出されるPGI2
産生刺激活性を指標として目的のクローンを選択するこ
とができる。
【0032】得られた目的のクローン中に含まれるcD
NAの塩基配列はジデオキシターミネーション法により
決定できる。決定されるDNA配列の好適な例は下記式
[3]または[4]で示される。
【0033】式[3] GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTC 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0034】式[4] GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTT 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0035】本発明のDNA配列は、本発明のPGI2
産生刺激因子をコードするもので、式[3]または
[4]で表されるDNA配列の一部であっても良いし全
部であってもよい。また、式[3]または[4]で表さ
れるDNA配列を一部に含むものであってもよい。
【0036】本発明のDNA配列は、RNAを鋳型とし
て合成しても良いし、有機化学的に合成してもよい。ま
た、PCR法で増幅させて得てもよい。一般に、遺伝子
組換え技術分野では、遺伝暗号が縮重しているため、そ
の遺伝子のDNA配列で規定される少なくとも一つの塩
基を他の塩基に置換することができる。この場合、遺伝
子から産生される蛋白質のアミノ酸配列は変わらない。
従って、本発明のDNA配列は、また、遺伝暗号の縮重
に起因する一部塩基の変化した塩基配列をも含んでい
る。この場合、置換により得られたDNA配列のコード
するアミノ酸配列は、式[1]または[2]で示すアミ
ノ酸配列である。
【0037】本発明では、式[1]または[2]で表さ
れるアミノ酸配列をコードするDNAと相補的なDNA
配列および式[3]または[4]のDNA配列と相補的
なDNA配列を提供することも可能であり、この場合、
相補的なDNA配列は、これらのDNA配列全体と相補
的なものであっても良いし、一部と相補的なものであっ
てもよい。また、相補的DNA配列を一部に含むもので
あってもよい。また、本発明のDNAはそれと相補的な
DNAと結合して2本鎖DNAを形成しても良いし、互
いに相補的な1本鎖DNA単独であってもよい。
【0038】本発明は、式[3]または[4]で表され
るDNA配列より導かれるアミノ酸配列、式[1]また
は[2]で示される新規な蛋白質を提供する。
【0039】式[1] Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln Val Tyr Leu Ser 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Ser Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0040】式[2] Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln Val Tyr Leu Ser 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Phe Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0041】また、本発明の蛋白質は、式[1]または
[2]の一部であってもよいし、全部であってもよい。
また式[1]または[2]で表されるアミノ酸配列を一
部に含むものであってもよい。特に式[1]または
[2]で表されるアミノ酸配列からシグナルペプチドを
除いた成熟蛋白質を表す式[5]または[6]で表され
るアミノ酸配列の一部を含むものであっても良いし、全
部を含むものであっても良い。
【0042】式[5] Ser Ser Ser Asp Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro 1 5 10 15 Pro Leu Pro Pro Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala 20 25 30 Cys Gly Cys Cys Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys 35 40 45 Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu 50 55 60 Cys Val Lys Ser Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala 65 70 75 Ala Gly Gly Pro Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg 80 85 90 Tyr Pro Val Cys Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys 95 100 105 Gln Leu Arg Ala Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys 110 115 120 Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser 125 130 135 Ile Val Thr Pro Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln 140 145 150 Val Tyr Leu Ser Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu 155 160 165 Ile Trp Asn Lys Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr 170 175 180 Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg 185 190 195 Gly Gly Pro Glu Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser 200 205 210 Pro Leu Ser Lys Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser 215 220 225 Asn Ser Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val 230 235 240 Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu 245 250 255 Leu 256
【0043】式[6] Phe Ser Ser Asp Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro 1 5 10 15 Pro Leu Pro Pro Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala 20 25 30 Cys Gly Cys Cys Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys 35 40 45 Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu 50 55 60 Cys Val Lys Ser Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala 65 70 75 Ala Gly Gly Pro Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg 80 85 90 Tyr Pro Val Cys Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys 95 100 105 Gln Leu Arg Ala Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys 110 115 120 Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser 125 130 135 Ile Val Thr Pro Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln 140 145 150 Val Tyr Leu Ser Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu 155 160 165 Ile Trp Asn Lys Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr 170 175 180 Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg 185 190 195 Gly Gly Pro Glu Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser 200 205 210 Pro Leu Ser Lys Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser 215 220 225 Asn Ser Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val 230 235 240 Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu 245 250 255 Leu 256
【0044】本発明の蛋白質は、PGI2 産生刺激活性
を有することで特徴づけられるが、この活性の測定方法
は、以下の方法により実施できる。
【0045】すなわち、ウシ胸部大動脈内膜より剥離法
にて採取した血管内皮細胞を10%ウシ胎児血清含有ダ
ルベッコ改変イーグル培地で継代培養し、飽和細胞密度
に達するまで培養した後、測定試料を添加し60分間イ
ンキュベーション後、上清中のPGI2 の安定代謝産物
である、
【0046】
【化1】 (以下、6−ケト−PGF1αと記す)を測定すること
によりPGI2 産生量を求めることができる。この測定
には市販の6−ケト−PGF1α測定用キットを用いて
もよい。
【0047】一般的にポリペプチドは自然の変異によ
り、または人工的変異により、その本来の機能を変化さ
せることなく、アミノ酸配列またはポリペプチドの構造
の一部を変異せしめることが可能である。従って、本発
明のPGI2 産生刺激因子は、前述のすべてのアミノ酸
配列の相同変異体に相当する構造の配列を含有すること
も可能である。
【0048】本発明のPGI2 産生刺激因子をコードす
る配列表の配列番号7または3のDNAを含むプラスミ
ド(それぞれpM950またはpM953、pM954
に対応する)で形質転換された大腸菌[DH5(pM9
50)、DH5(pM953)およびDH5(pM95
4)]は、それぞれ工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託[寄託番号:微工研菌寄第13172号(FERM P
-13172、寄託日 平成4年9月21日)]、[寄託番
号:FERM P-13672(寄託日 平成5年6月3日)]、
[寄託番号:FERM P-13673(寄託日 平成5年6月3
日)]されている。
【0049】本発明のPGI2 産生刺激因子を遺伝子工
学的に得るには、一般的に使用されている宿主−ベクタ
ー系を用いることができる。例えば宿主として大腸菌を
用いる場合は、プロモーターとしてLacUV5、トリ
プトファンプロモーターやλPL プロモーター等を含有
する発現ベクターが使用可能である。また、λファージ
系のベクターであるλgt11を用いて、β−ガラクト
シダーゼとの融合蛋白質として得ることもできる。さら
に、哺乳動物培養細胞を宿主として使用することもで
き、サル由来COS細胞、チャイニーズハムスター由来
CHO細胞、マウス由来3T3細胞あるいはヒト由来線
維芽細胞等が好適である。これらを宿主とする場合に
は、プロモーターとして、SV40初期プロモーター、
アデノウイルス主要後期プロモーターあるいはβ−アク
チンプロモーターやポリペプチド鎖伸長因子プロモータ
ー等を含有する発現ベクターが使用できる。
【0050】これらの宿主−ベクター系を用いた場合、
各々の宿主が好適に増殖し得る条件下で培養し、かつ、
各々のプロモーターが機能するような条件を与えること
によって、本発明のPGI2 産生刺激因子を得ることが
できる。PGI2 産生刺激因子の発現は、後述の酵素免
疫測定法(EIA)にて発現を確認することができる。
【0051】上述のようにして得られた本発明のPGI
2 産生刺激因子を下記の方法により精製することができ
る。すなわち、本発明のPGI2 産生刺激因子を含む培
養液をアフィニティークロマトグラフィー、例えばヘパ
リン(HEPARIN)−5PWまたはPGI2 産生刺
激因子に対する抗体を結合させたカラム等に吸着させ、
塩化ナトリウムの直線濃度勾配法にて溶出することによ
り単離することが可能である。
【0052】本発明のPGI2 産生刺激因子を認識する
抗体は、適切な抗原で適切な動物を免疫することにより
作製することができる。抗原としては、式[5]または
[6]で示される蛋白質であってもよいし、そのペプチ
ド断片であってもよい。また、免疫に用いる動物は、マ
ウス、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ウマ等が好ましく、さら
にマウスを用いると単クローン性抗体を得ることも可能
である。抗体の用途としては、アフィニティークロマト
グラフィー、cDNAライブラリーのスクリーニング、
免疫学的診断法等があげられる。さらに、免疫学的診断
法においては、イムノブロット法、放射免疫測定法、酵
素免疫測定法、蛍光あるいは発光測定法より適宜選択が
できる。
【0053】本発明は、さらにPGI2 が血小板凝集抑
制作用、平滑筋弛緩作用、胃酸分泌抑制作用等を有する
ことから、下述の各種疾患の予防および治療に対して有
効な、本発明のPGI2 産生刺激因子を少なくとも1つ
の有効成分として含有する医薬組成物を提供することが
できる。溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑
病、末梢動脈閉塞、心虚血、脳虚血、動脈硬化、脳閉
塞、高脂血症、糖尿病、心不全、狭心症、虚血性心疾
患、うっ血性心疾患、脈絡膜循環障害、気管支疾患、胃
潰瘍、妊娠子癇。
【0054】本発明のPGI2 産生刺激因子の投与量
は、患者の性別、年齢、体重、疾患の種類やその病態あ
るいは投与剤型により適宜変動するが、有効投与量は1
日当り1ng〜2mg/kg、好ましくは10ng〜2
00μg/kgである。
【0055】本発明の医薬組成物の剤型は、その疾患の
病巣に有効量を供給できるものであればいかなるもので
もよく、例えば、錠剤、粉末剤、散剤、カプセル剤、軟
膏剤、噴霧剤あるいは注射剤等が挙げられる。また、本
発明の医薬組成物は、その薬理学的特性を損なわない限
り、一般的に使用される製剤学的混合物である賦型剤、
安定化剤あるいは溶解補助剤等を含有していてもよい。
賦型剤等の具体例としては、リンガー液、リン酸緩衝
液、ヒト血清アルブミン、水解ゼラチン、ショ糖、デキ
ストラン、ポリエチレングリコール等があり、剤型によ
り、適宜選択使用される。
【0056】
【実施例】以下に本発明を実施例をもってより具体的に
示すが、これは本発明の実施態様の一つの例示であり、
本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例
中の学術用語、略号等は特に断らない限り当該技術分野
で一般的に使用されているものに従った。また、遺伝子
操作に関わる基本的操作は、マニアティスら ”モレキ
ュラークローニング ア ラボラトリーマニュアル”コ
ールド スプリングハーバー ラボラトリー 1989
年、村松正實編 ”ラボマニュアル遺伝子工学”丸善
1988年等を参考にして実施した。さらに、蛋白質精
製に関わる基本的操作は、日本生化学会編 ”新生化学
実験講座第1巻 蛋白質I 分離・精製・性質” 東京
化学同人 1990年を参考にして実施した。各種機
器、試薬等の使用方法は各々附属の使用説明書に従っ
た。
【0057】(実施例1) cDNAライブラリーの作
製 工程1 正常ヒト二倍体線維芽細胞の調製 正常ヒト二倍体線維芽細胞を15%ウシ胎児血清含有ダ
ルベッコ改変イーグル培地にて4.8×104 細胞/m
Lに調製した。この細胞懸濁液3Lを回転培養容器に植
え込み、5%炭酸ガス−95%空気下、37℃にて培養
した。細胞植え込み3日後に培養液を新鮮な15%ウシ
胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地3Lに交換
し、さらに培養を2日間継続した。次いで、培養液を除
去し、Ca2+、Mg2+不含ダルベッコ−リン酸生理食塩
溶液を用いて細胞を洗浄した後、フェノールレッド不含
のダルベッコ改変イーグル培地3Lを添加し、37℃、
24時間培養を継続した。次いで、培養液を除去し、C
2+、Mg2+不含生理的リン酸緩衝液(PBS(−))
を用いて細胞を洗浄し、7本の回転培養容器から8×1
9 個の細胞を得た。
【0058】工程2 全RNAの調製 正常ヒト二倍体線維芽細胞より、コムシズンスキ(Chom
czynski,P )ら[アナリティカル バイオケミストリ
(Anal.Biochem.)、162巻、156
頁、1987年]のAGPC(Acid Guanid
inium Thiocyanate−Phenol−
Chloroform)法に従い、RNAを調製した。
すなわち、工程1で得られた約1×109 個の細胞に6
0mLの4Mグアニジンチオシアネート溶液(25mM
クエン酸ナトリウム(pH7.0)、0.5%ザルコシ
ルおよび0.1M 2−メルカプトエタノール含有)を
添加し、強く振とうした。さらに、1/10容の2M酢
酸ナトリウム(pH4.0)、60mLの水飽和フェノ
ール、1/5容のクロロホルム−イソアミルアルコール
混液(49:1)を順時添加混合し、さらに10秒間強
く振った後、15分間氷中に放置した。4℃で約700
0×g、20分間遠心後、水層を新しいチューブに移し
た。得られた水層と等量の100%イソプロパノールを
添加し、−20℃で終夜放置した。4℃で約7000×
g、30分間遠心後、得られたペレットを約50mLの
4Mグアニジンチオシアネート溶液(25mMクエン酸
ナトリウム(pH7.0)、0.5%ザルコシルおよび
0.1M 2−メルカプトエタノール含有)で溶解し、
約50mLのイソプロパノールを添加した。−20℃で
1時間放置後、4℃、約7000×gで30分間遠心し
た。ペレットを約30mLの0.5mM EDTAに溶
解後、常法に従って塩化ナトリウム存在下でエタノール
を添加してRNAを沈澱させ、約9mgの全RNAを得
た。
【0059】工程3 ポリ(A)+ RNAの調製 オリゴ(dT)セルロースカラムを用い、全RNAより
ポリ(A)+ RNAを分離した。すなわち、オリゴ(d
T)セルロース樹脂500mgを200mMトリス−塩
酸緩衝溶液(pH7.5、20mM EDTA、400
mM塩化ナトリウムおよび0.1%SDS含有)に懸濁
し、約2mL容量のカラムを作製した。工程2で得られ
た全RNAを3.5mLの0.5mM、EDTAに溶解
し、65℃で5分間熱処理した後、急冷し、等量の40
0mMトリス−塩酸緩衝溶液(pH7.5、40mM
EDTA、800mM塩化ナトリウムおよび0.2%S
DS含有)を加えた。上述の200mMトリス−塩酸緩
衝溶液(pH7.5、20mM EDTA、400mM
塩化ナトリウムおよび0.1%SDS含有)で平衡化し
たオリゴ(dT)セルロースカラムにこの溶液をアプラ
イし、RNAを吸着させた。10mLの100mMトリ
ス−塩酸緩衝溶液(pH7.5、10mMEDTA、2
00mM塩化ナトリウムおよび0.1%SDS含有)で
このカラムを洗浄した。次いで、10mLの滅菌蒸留水
でポリ(A)+ RNAを溶出後、常法に従い塩化ナトリ
ウム存在下でエタノールを加えポリ(A)+ RNAを沈
澱させた。ポリ(A)+ RNA(mRNA)約270μ
gを得た。
【0060】工程4 2本鎖cDNAの合成 グブラーとホフマンの方法[ジーン(Gene)、25
巻、263頁、1983年]を改良したシステムに基づ
いて構成されているcDNA合成システムキット(アマ
シャム社製)を用いて2本鎖cDNAを合成した。
【0061】このcDNA合成システムキットに添付の
5×1本鎖cDNA合成反応用バッファー、ピロリン酸
ナトリウム溶液、ヒト胎盤リボヌクレアーゼインヒビタ
ー、デオキシヌクレオシド三リン酸混液、925KBq
の[α32P]dCTP溶液、オリゴ(dT)プライマー
を順々に混合した。この溶液に、工程3で得られた10
μgのポリ(A)+ RNA溶液を加えて静かに混和後、
200Uの逆転写酵素を添加した。反応溶液は100μ
Lとした。静かに混和後、42℃で40分間インキュベ
ートした。
【0062】上述のcDNA合成システムキットに添付
の2本鎖cDNA合成反応用バッファー、8Uの大腸菌
リボヌクレアーゼH、230Uの大腸菌DNAポリメラ
ーゼI、3.7MBqの[α32P]dCTP溶液を順々
に添加し、滅菌水で総量500μLに調製し静かに混和
した。このチューブを12℃で60分間、次いで22℃
で60分間反応させた後、さらに70℃で10分間イン
キュベートした。
【0063】反応液を氷浴中に戻して20UのT4DN
Aポリメラーゼを添加し静かに混和後、37℃で10分
間反応させた。反応液に20μLの0.25M EDT
A(pH8.0)を加えて反応を停止させ、常法に従っ
てフェノール/クロロホルム抽出後、酢酸アンモニウム
存在下でcDNAをエタノール沈澱させ、この結果2.
3μgの2本鎖cDNAを得た。
【0064】工程5 BstXIリンカーの付加 インヴィトロジェン社製BstXIリンカーを2本鎖c
DNAに付加した。方法はDNAライゲーションキット
(宝酒造社製)を用い、添付マニュアルに従って実施し
た。すなわち、工程4で合成した2本鎖cDNA約50
0ngに約500ngのBstXIリンカーを加えた溶
液15μL(100mMトリス−塩酸緩衝溶液(pH
7.6)、5mM塩化マグネシウム、300mM塩化ナ
トリウム含有)を用意した。次に、15μLの酵素溶液
(DNAライゲーションキットB液、以後、B液と称す
る)を加えよく混合し、10℃で3時間反応させた。7
0℃で10分間熱処理し、酢酸アンモニウム存在下でエ
タノール沈澱させた。次に、低融点アガロースゲルで電
気泳動を実施し、500bp以上の画分を集め、65℃
で熱処理することによりゲルを溶解後、フェノール/ク
ロロホルム抽出後塩化ナトリウム存在下でエタノール沈
澱させた。最終的に約100ngのリンカー付加cDN
Aを回収した。
【0065】工程6 cDNAのベクターへの導入 cDNAは、DNAライゲーションキット(宝酒造社
製)を用いてプラスミドベクターへ導入した。すなわ
ち、プラスミドpEF−BOS[ヌクレイック アシッ
ド リサーチ(Nucl. Acids Res.)、
18巻、5322頁、1990年]を制限酵素BstX
Iで消化し、ラージフラグメントを回収した。この様に
して調製した100ngのベクターと工程5で得られた
リンカー付加2本鎖cDNA約20ngを含むDNA溶
液4.5μLに36μLの反応用バッファー(DNAラ
イゲーションキットA液)を加えよく混合した。次い
で、4.5μLの酵素溶液(B液)を加えよく混合し、
16℃で一晩反応させた。酢酸アンモニウム存在下でプ
ラスミドをエタノール沈澱させ、20μLのTE溶液に
溶解した。
【0066】工程7 cDNAライブラリーの作製 DNAは、エレクトロポレーション法を用いて大腸菌へ
導入した。エレクトロポレーション法は、ドワーら[ヌ
クレイック アシッド リサーチ(Nucl.Acid
s Res.)、16巻、6127頁、1988年]の
方法に従って実施した。
【0067】大腸菌MC1061/P3をシングルコロ
ニーから10mLのL−ブロスに植菌し、終夜培養し
た。10mLの終夜培養液を1LのL−ブロスに植菌
し、OD600nm =約0.5になるまで37℃で培養し
た。培養液を氷冷した後、約7000×gにて4℃15
分間遠心し集菌した。上清をデカンテーションにて除去
した後、1Lの氷冷滅菌水に再懸濁した。約7000×
gにて4℃15分間遠心した後、上清を除去し、さらに
500mLの氷冷滅菌水に懸濁し、約7000×gにて
4℃15分間遠心後上清を除去した。20mLの氷冷1
0%グリセロールに再懸濁し、約3500×gにて4℃
15分間遠心後上清を除去した。2mLの氷冷10%グ
リセロールに細胞を再懸濁し40〜50μLずつ1.5
mLチューブに分注した。大腸菌を含む10%グリセロ
ール溶液をドライアイス入りエタノールで急冷凍結し、
−70℃前後で凍結保存した。
【0068】上記の凍結保存チューブ12本中の溶液を
氷上で融解後、チューブ1本当たり、工程6で作製した
DNA溶液1μLを添加した。DNA−大腸菌混合液を
キュベット(電極間距離0.1cm、Bio−Rad社
製)に移した後、エレクトロポレーションの条件(ジー
ンパルサー、Bio−Rad社製、キャパシタンス:2
5μF、電圧:1.8kV、パルスコントローラー:2
00Ω)を設定し、パルスを1回かけ、1mLのSOC
培地をキュベット内に加え大腸菌を懸濁した。懸濁液を
培養チューブに移し1時間培養後、50μg/mLのア
ンピシリン含有LBプレートに適量まき、37℃で1晩
培養した。上記操作により形質転換体約60万クローン
を得た。
【0069】(実施例2) PGI2 産生刺激因子をコ
ードするcDNAの取得 工程1 プライマーの作製 参考例2で決定した部分アミノ酸配列のうち式[7]
(配列表の配列番号8)で示される20アミノ酸配列の
N端およびC端のアミノ酸配列をコードするDNA配列
を、394DNA/RNA合成機(アプライドバイオシ
ステムズ社製)を用いてホスホアミダイド法にて合成し
た。すなわち、N端の一部分のアミノ酸をコードするD
NAとして下記式[8](配列表の配列番号9)で示さ
れる20塩基からなるDNAの混合物を、またC端の一
部分のアミノ酸をコードするDNAの相補鎖配列として
下記式[9](配列表の配列番号10)で示される20
塩基からなるDNAの混合物を作製した。
【0070】 式[7] Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly 1 5 10 15 Glu Gly Ala Glu Leu 20 上記DNA混合物をプライマーとして実施例1の工程3
で調製したポリ(A)+ RNAを鋳型にRT−PCR法
を実施した。
【0071】すなわち、Super ScriptTM
PreamplificationSystem(ライ
フテックオリエンタル社製)を用い、添付マニュアルに
従って、1本鎖cDNAを合成した。ポリ(A)+ RN
A 3μgにオリゴ(dT)、10×合成バッファー、
dNTP混合液、DTT、6000Uの逆転写酵素を加
え、全量を600μLとし、42℃で2時間、次いで9
0℃で5分間インキュベートした。氷上で急冷し、60
U(30μL)のRNaseHを添加し、37℃で20
分間インキュベートした。
【0072】20μLの反応終了液に1μgのセンスプ
ライマー、1μgのアンチセンスプライマー、8μLの
10×PCRバッファー(100mMトリス−塩酸緩衝
溶液(pH8.3)、500mM塩化カリウム、15m
M塩化マグネシウム、0.01%(W/V)ゼラチ
ン)、2.5UのAmpli Taq DNAポリメラ
ーゼを添加し、全量を100μLとした。DNA Th
ermal CyclerTM(パーキン エルマー シ
ータス インスツルメント社製(Perkin Elm
er Cetus Instruments))にセッ
トし、94℃で1分、55℃で2分および72℃で3分
の反応を30回繰り返した。次に反応産物を10%ポリ
アクリルアミドゲルで電気泳動し、59bp付近にバン
ドが出現することを確認した。次いで得られた59bp
付近の増幅産物DNA断片を常法に従い抽出し、T4D
NAポリメラーゼを用いて常法に従い末端を平滑化し、
プラスミドpUC118のSmaIサイトにクローニン
グした。DNA断片の塩基配列は後述のシークエンシン
グ法に従い決定した。その配列を下記式[10](配列
表の配列番号11)に示す。 式[10] 5'-ATTACGGTGG TTGATGCGTT ACATGAAATA CCAGTGAAAA 10 20 30 40 AAGGCGAAGG CGCCGAATT-3' 50 59
【0073】式[10]で示された塩基配列のうち11
〜30までの塩基配列をもつ20塩基のDNA断片(式
[11](配列表の配列番号12)と31〜50までの
塩基配列に相補的な20塩基のDNA断片(式[12]
(配列表の配列番号13)を上述の方法と同様の方法で
合成し、以下PCR法によるスクリーニング用プライマ
ーとして使用した。 式[11] 5'-TTGATGCGTTACATGAAATA-3' 式[12] 5'-CCTTCGCCTTTTTTCACTGG-3'
【0074】工程2 PCR法による正常ヒト二倍体線
維芽細胞のcDNAライブラリーのスクリーニング 実施例1で得られた形質転換体を1プールあたり約14
000クローンを含むように分割し、これを46プール
作製し、各々をアンピシリン50μg/mL含有LB培
地3mLに植菌し、37℃で終夜振とう培養した。プラ
スミドDNAの抽出はモレキュラークローニング ア
ラボラトリーマニュアル(コールド スプリング ハー
バー ラボラトリー 1989年)の方法に従って実施
した。すなわち、1.5mLの培養液を微量高速遠心機
にて5000rpmで3分間遠心し上清を除去した後、
沈澱を100μLの懸濁溶液(50mMグルコース、1
0mM EDTA、25mMトリス−塩酸緩衝溶液(p
H8.0)含有)に懸濁し、室温で5分間放置した。氷
中で200μLアルカリ溶液(0.2N 水酸化ナトリ
ウムおよび1%SDS含有)を加え、穏やかに混合し、
氷中に5分間放置した。次に、150μLの氷冷酢酸カ
リウム溶液を加え、良く混合し、氷中に5分間放置し
た。微量高速遠心機にて4℃、12000rpmで5分
間遠心後、上清を他のチューブに移し、400μLフェ
ノール−クロロホルム溶液を加え、良く撹拌した後、微
量高速遠心機にて12000rpmで5分間遠心した。
水層に2容量(約800μL)のエタノールを加え、混
合した後、室温で2分間放置した。12000rpmで
5分間遠心後、上清を完全に除去し、沈澱を70%エタ
ノールで洗浄後、乾燥させ、20μg/mL RNas
eAを含む50μLのTE溶液に溶解した。得られたプ
ラスミドDNA溶液2.5μLを制限酵素XbaIで3
7℃、1時間処理し、切断した。
【0075】次いでGene Amp PCR Rea
gent Kit(パーキン エルマー シータス イ
ンスツルメント社製(Perkin Elmer Ce
tus Instruments))を用いて、上記D
NA溶液を含む反応溶液20μL(10mMトリス−塩
酸緩衝溶液(pH8.3)、50mM塩化カリウム、
1.5mM塩化マグネシウム、各200μM dNT
P、10ng/mLセンスプライマー、10ng/mL
アンチセンスプライマーおよび0.025U/μLのA
mpliTaq DNA ポリメラーゼ)を調製し、G
ene AmpTMPCRシステム9600(パーキン
エルマー シータス インスツルメント社製(Perk
in Elmer Cetus Instrument
s))にセットし、94℃で30秒、55℃で30秒お
よび72℃で1分の反応を25回繰り返した。次に反応
産物を10%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、4
0bp付近にバンドが検出されたものを陽性と判断し
た。1つの陽性プールのプラスミドDNAで大腸菌DH
5を形質転換し、得られた形質転換体を1プールあたり
約1800クローンを含むように分割し、これを15プ
ール作製し、前述の方法と同様にDNAを調製し、PC
R法により40bp付近にバンドが検出されるものを陽
性と判断した。以下本操作を繰り返し、計6回のスクリ
ーニングで2つの陽性クローンを同定した。
【0076】(実施例3) 塩基配列の決定 塩基配列の決定は、ラボマニュアル遺伝子工学(村松正
實編、丸善 1988年)に記載された方法に従って実
施した。すなわち、実施例2で得られた陽性クローンの
プラスミドDNAを制限酵素XbaIで消化し、切り出
されたDNA断片を制限酵素XbaIで消化したpUC
119と混合し、前述のライゲーションキットを用いて
ライゲーションした。この操作により得られたプラスミ
ドをpM950とpM951と命名した。大腸菌JM1
09をpM950およびpM951で形質転換した後、
常法に従い1本鎖DNAを調製した。DNAシーケンサ
ー(373A、アプライドバイオシステムズ社製)を用
い、添付マニュアルに従って調製された1本鎖DNA各
々の塩基配列を決定した。
【0077】その結果、プラスミドpM950とpM9
51にそれぞれ含まれる本発明のPGI2 産生刺激因子
をコードする塩基配列を配列表の配列番号7と14とに
示した。またそのDNA配列より演繹されるアミノ酸配
列を配列表の配列番号15または16に示した。
【0078】(実施例4) λファージcDNAライブ
ラリーの作製 λファージcDNAライブラリーの作製は、cDNAク
ローニングシステムλgt10(アマシャム社製)を用
い、添付マニュアルに従って実施した。
【0079】工程1 EcoRI−BamHI−Kpn
I−NcoIアダプターの付加 実施例1の工程4と同様な方法でオリゴ(dT)プライ
マーのかわりにランダムプライマーを用いて2本鎖cD
NAを得た。ここで合成した2本鎖cDNA1.2μg
を27μLの滅菌純水に溶かし、4μLのL/K緩衝
液、5μLのEcoRI−BamHI−KpnI−Nc
oIアダプターおよび4μLのT4DNAリガーゼを添
加した。静かに混和し、15℃で一晩反応させ、Eco
RI−BamHI−KpnI−NcoIアダプターを合
成した2本鎖cDNAに付加した。反応後、NIP51
7カラムでゲル濾過を行い、500bp以上の画分を集
めた。次に、350μLのcDNA、40μLのL/K
緩衝液および10μLのT4ポリヌクレオチドキナーゼ
をこの画分に添加し、37℃で2時間反応させた。エタ
ノールでEcoRI−BamHI−KpnI−NcoI
アダプターの付加されたcDNAを沈澱させ、最終的に
約150ngのリン酸化アダプター付加cDNAを得
た。
【0080】工程2 cDNAのベクターへの導入 cDNAクローニングシステムλgt10(アマシャム
社製)に添付のEcoRI消化したλgt10の1μg
に、2本鎖cDNA20ngを加え、1μLのL/K緩
衝液、1μLの純水および1μLのT4DNAリガーゼ
を添加後、静かに混和した。反応溶液総量は10μLと
し、15℃で一晩反応させた。これを2反応実施した。
【0081】工程3 in vitro パッケージン
グ 工程2で得られた組換えファージDNAをインビトロパ
ッケージングキット(ストラタジーン社製)を用いて、
添付マニュアルに従いパッケージングした。すなわち、
工程2で調製した組換えファージDNA溶液各5μL
を、25μLのパッケージングエキストラクトに加え、
22℃、2時間インキュベートし、ファージ粒子混合液
を得た。
【0082】工程4 cDNAライブラリーの作製 工程3で得られたファージ粒子混合液をSM緩衝液で5
×104 pfu/200μLに希釈した。0.4%マル
トースを含むL培地でOD600nm =0.5まで培養した
50mLの大腸菌NM514培養液を4℃で900×g
で遠心した。得られた沈澱を15mLの10mM硫酸マ
グネシウム溶液に懸濁した。このNM514懸濁液20
0μLと前述のファージ希釈液200μLとを混合し、
37℃15分間インキュベート後、ソフトアガロース
(0.7%アガロース/L培地)10mLと混合し、1
5cm径のLプレート上に重層した。これを37℃で1
0時間インキュベートした。すなわち、1プレート当た
り5万クローン、計12プレートで60万クローンから
なるλファージcDNAライブラリーを得た。
【0083】(実施例5) λファージcDNAライブ
ラリーのスクリーニング 工程1 標識プローブの作製 標識プローブの作製はランダムプライマーDNAラベリ
ングキット(宝酒造社製)を用い、添付マニュアルに従
って実施した。pM951を制限酵素PvuIIおよびS
maIで処理し、得られた265bpのDNA約100
ngを回収し、20μLのTEに溶解した。この溶液8
μLと2μLのランダムプライマーとを混合し、95℃
で3分間インキュベートした後、5分間氷冷した。その
溶液に2.5μLの10×反応緩衝液、2.5μLのd
NTP混合液、1.85MBqの[α32P]dCTP溶
液、4μLの滅菌純水および1μLのKlenowフラ
グメントを加え、37℃で2時間インキュベートした。
その後65℃で5分間インキュベートした後、反応液を
ニックカラムG−50(ファルマシア社製)でゲルろ過
して分画し、各画分の放射活性を測定した。
【0084】工程2 λファージcDNAライブラリー
のスクリーニング λファージcDNAライブラリーのスクリーニングは、
常法に従い、プラークハイブリダイゼーション法により
行った。
【0085】実施例4で得られたλッファージcDNA
ライブラリーの上にHybondNフィルター(アマシ
ャム社製)を重ね、レプリカフィルターを作製した。得
られたレプリカフィルターを1.5M塩化ナトリウム含
有0.5M水酸化ナトリウムで5分間アルカリ変性処理
し、1.5M塩化ナトリウム含有0.5Mトリス塩酸緩
衝液(pH7.0)で2分間の中和処理を2回行い、2
×SSCで洗い、風乾した。これに、UV照射機(UV
stratalinkerTM2400、ストラタジー
ン社製)にて0.72JのUVを照射し、DNAを固定
した。この方法で作成したレプリカフィルター12枚を
50mLのプレハイブリダイゼーション溶液(6×SS
PE、5×Denhardt’s、50%ホルムアミ
ド、0.1%SDS、250μg/mLサケ精子DN
A)に浸し、42℃で一晩インキュベートした。その
後、このフィルターを50mLのハイブリダイゼーショ
ン溶液(6×SSPE、1×Denhardt’s、5
0%ホルムアミド、0.1%SDS、10%硫酸デキス
トラン、100μg/mLサケ精子DNAと工程1で得
られた放射活性5×107 cpm標識のプローブを加え
たもの)に浸し、42℃で一晩インキュベートした。ハ
イブリダイゼーション終了後、2×SSC/0.1%S
DSを用いて室温で20分間3回洗浄した。次いで0.
1×SSC/0.1%SDSを用いて44℃で30分間
2回洗浄した。さらに、0.1×SSCを用い室温で1
0分間1回洗浄し、風乾した。オートラジオグラフィー
にて放射活性の検出を行い、10個の陽性クローンが検
出された。この10個の陽性クローンを単離するため、
2次スクリーニングを本工程と同様の方法で実施し、8
個の陽性クローンを単離した。
【0086】(実施例6) 塩基配列の決定 実施例5の工程2で得られた8個の陽性ファージクロー
ンの内、最長のcDNAを有するクローンのDNAを制
限酵素BamHIで消化した。切り出されたcDNA断
片を制限酵素BamHIで消化したpUC118と混合
し、前述のライゲーションキットを用いてライゲーショ
ンした。得られたプラスミドの塩基配列の決定は、実施
例3と同様の方法で実施した。本発明のPGI2 産生刺
激因子をコードするDNA配列を配列表の配列番号3お
よび4に示し、また、そのDNA配列より演繹されるア
ミノ酸配列を配列表の配列番号1および2に示した。配
列表の配列番号3に示すDNAを含むプラスミドをpM
952と命名した。
【0087】(実施例7) COS細胞での発現 工程1 発現ベクターの構築 発現ベクターpEF−BOS[ヌクレイック アシッド
リサーチ(Nucl.Acds Res.)、18
巻、5322頁、1990年]2μgをBstXIで消
化後、ラージフラグメントを回収し、その半量と下記式
[13]および[14](配列表の配列番号17および
18)の合成DNA各1μgをDNAライゲーションキ
ット(宝酒造社製)を用いてライゲーションし、発現ベ
クターpEF−BOS−KSを得た。 式[13] 5'- CTGGTCGACGGATCCCGGGTACCAGCACA-3' 式[14] 3'-ACACGACCAGCTGCCTAGGGCCCATGGTC -5'
【0088】次に、pM952を制限酵素NcoIで消
化後、約1.1kbpのDNA断片を回収し、得られた
DNA断片をDNAブランチングキット(宝酒造社製)
を用いて平滑化した。発現ベクターpEF−BOS−K
Sを制限酵素SmaIで消化後、ラージDNA断片を回
収した。平滑化したDNA断片とDNAライゲーション
キット(宝酒造社製)を用いてライゲーションを行い、
発現ベクターpM953を得た(図1)。
【0089】工程2 発現ベクターpM953のCOS
細胞への導入 発現ベクターのCOS細胞への導入は、ソムポイラック
(Sompoyrac)らの方法[プロシーディング
オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンス
オブ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、
78巻、7575頁、1981年]を参考にして実施し
た。
【0090】10%ウシ胎児血清を含むDME培地2m
Lに3×105 のCOS細胞が含まれるように調製し、
3.5cm シャーレに撒き、5%炭酸ガス存在下、3
7℃で20〜24時間培養した。培地をアスピレーター
を用いて除去し、DME培地により細胞を3回洗浄し
た。
【0091】次に、DNA−DEAEデキストラン混合
液を調製した。すなわち、0.5μgのpM953を含
有する10μLのTE溶液、7μLの20mg/mL
DEAEデキストラン溶液、35μLの1Mトリス−塩
酸溶液(pH7.4)および648μLのDME培地を
混合した。次に、DNA−DEAEデキストラン混合液
をCOS細胞の上に静かに重層し、5%炭酸ガス存在
下、37℃で4時間培養した。DNA−DEAEデキス
トラン混合液を静かにピペットマンにて除去した後、D
ME培地にて細胞を洗浄し、新たにDME培地を添加し
た。5%炭酸ガス存在下、37℃で96時間培養後、実
施例11に示すEIA法で測定し、PGI2 産生刺激因
子の発現を確認した。
【0092】(実施例8) CHO細胞での発現 工程1 発現ベクターの構築 実施例7の工程1で構築した発現ベクターpM953を
制限酵素XbaIとNotIで消化後、約1.2Kbの
DNA断片を回収した。dhfr(dihydrofo
late reductase)発現単位を有し、かつ
EFプロモーターによって外来遺伝子の発現を制御でき
る発現ベクターの外来遺伝子挿入部位に、DNAライゲ
ーションキット(宝酒造社製)を用いてこのフラグメン
トをライゲーションし、目的の発現ベクターpM954
を得た(図2)。
【0093】工程2 発現ベクターpM954のCHO
細胞への導入 発現ベクターのCHO細胞への導入は、エレクトロポレ
ーション法を用いた。すなわち、ジーンパルサー(Bi
o−Rad社製)を用い、キュベット(電極間距離0.
4cm)中で、CHO細胞4.0×106 およびpM9
54 20μgを含むシュクロース含有リン酸緩衝液
に、電圧0.40kV/m、キャパシタンス25μF
の、電気パルスを与えた。得られたpM954/CHO
培養上清を実施例11に示すEIA法で測定し、PGI
2 産生刺激因子の発現を確認した。発現株については、
メソトレキセート(日本レダリー社製)によって遺伝子
増幅を行い、高発現株を選択した。
【0094】(実施例9) PGI2 産生刺激因子の精
製 工程1 実施例7の工程2に準じて作製したpM953/COS
細胞の培養上清600mLを限外ろ過膜YM10(分画
分子量10kDa)をセットした限外ろ過装置(ダイア
フロー、グレース・ジャパン社製)を用いて濃縮した。
20mLまで濃縮した時点で遠心分離し、20mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した。その
後、0.22μmフィルター(マイレクスGV、日本ミ
リポア社製)にてろ過した。
【0095】工程2 工程1に従って作製したpM953/COS細胞の培養
上清を、あらかじめ20mMトリス−塩酸−0.1M塩
化ナトリウム緩衝液(pH7.5)で平衡化したヘパリ
ン(HEPARIN)−5PW(東ソー社製)アフィニ
ティーカラムに吸着させた後、20mMトリス−塩酸
(pH7.5)をベースに塩化ナトリウムを添加した溶
出液において0.1〜1.0Mの塩化ナトリウムの直線
濃度勾配をつけて溶出させ、吸光波長280nmで溶出
プロファイルを測定した。溶出した各フラクションにつ
いて実施例11に示すEIA法にてPGI2 産生刺激因
子の濃度を測定し、0.3〜0.6Mの塩化ナトリウム
匂配濃度のときに溶出されたPGI2 産生刺激因子を有
する画分をプールした。
【0096】工程3 工程2で得られた溶出画分を50mMトリス−塩酸緩衝
液(pH7.5)に対して透析し、あらかじめ同緩衝液
にて平衡化した抗体カラムにかけた。抗体カラムは、実
施例10で作製したPGI2 産生刺激因子の抗血清をベ
ーカーボンドABxカラム(ジェー・ティー・ベーカー
社製)で精製し、ホルミル−セルロファイン(生化学工
業株式会社製)に結合させて作製した。溶出画分中のタ
ンパクを吸着させた後、4.5M塩化マグネシウム/5
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH6.4)にて吸着タン
パクを溶出した。吸着タンパクを非還元条件下における
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)で分析した結果、PGI2
生刺激因子がほぼ単一に精製されていることが確認され
た(図3)。
【0097】(実施例10) 抗体の作製方法 式[7]のC末端12アミノ酸のN端にシステインを付
加した計13アミノ酸をペプチド自動合成機(430A
型 アプライドバイオシステム社製)を用いて合成し
た。合成ペプチドのN末端のシステインを介してキャリ
アータンパクであるKLH(キーホールリンペットヘモ
シアニン)に結合させ、免疫用抗原を作製した。
【0098】動物はニュージーランドホワイト種雌ウサ
ギを用いた。免疫方法は、ソフロニエウ(M.V.Sofronie
w )らの方法[フレセニウス ゼイツスリフト フュア
アナリティ ケミイ(Fresenius Z.An
al.Chem.)、290巻、163頁、1978
年]に準じて行った。すなわち、免疫用抗原と完全フロ
イントアジュバント(FCA、ディフコ ラボラトリー
社製)または不完全フロイントアジュバント(FIA、
ディフコ ラボラトリー社製)を1:1(v/v)で十
分に混合し乳化させた。これをウサギの背部皮内20ヶ
所以上に反復投与し、免疫した。2週間おきに5回免疫
した後に動物の全血液を採血し、抗血清を得た。なお、
得られた抗血清は使用時まで−40℃で保管した。
【0099】(実施例11) 酵素免疫測定法(EI
A) 反応系としては、プレートに固相化した抗原と標識抗体
との反応をサンプル中の抗原により阻止することによっ
て定量する拮抗阻害系を用いた。すなわち、10倍希釈
の形質転換体培養上清を96穴培養皿に100μL/穴
ずつ添加し、4℃で1晩または56℃で30分間反応さ
せ、その後洗浄して抗原を固相化した。これに0.5%
BSA/PBSを150μL/穴ずつ添加し、25℃で
1.5時間以上反応させ、洗浄してブロッキングをし
た。次にあらかじめ4μg/mLのホースラディッシュ
ペルオキシダーゼ(HRPO)で標識した抗PGI2
生刺激因子抗体110μLとサンプル110μLとを混
合し、25℃で1時間プレインキュベーションした。こ
の溶液を100μL/穴ずつ添加し、25℃で2時間反
応させた。さらに3mg/mLのオルトフェニレンジア
ミン(OPD)/0.027%H2 2 /マッキルベイ
ン緩衝液(pH5.0)(MCB)を100μL/穴ず
つ添加し、10分間反応させて発色させ、2N硫酸を1
00μL/穴ずつ添加し、反応を停止させた。発色は4
90nmの吸光度で測定した。
【0100】(実施例12) 毒性試験 実施例9で得られた本発明のPGI2 産生刺激因子を用
いてマウスにおける毒性試験を実施した。すなわち、6
週齢のICRマウス雌雄各々5匹に対して実施例9で得
られたPGI2 産生刺激因子を、1日1回1週間連日静
脈内投与した。投与期間中を通して各動物個体の一般性
状を観察した。本試験では最高投与量群である10mg
/kg群でもいずれの動物においても死亡例は観察され
ず、一般性状においても変化はみられなかった。
【0101】(実施例13) 注射用溶液製剤の調製 実施例9で得られた本発明のPGI2 産生刺激因子10
0mgを10mg/mLの水解ゼラチンを含有する生理
食塩液100mLに溶解し、ポアサイズ0.22μmの
フィルター(マイレックスGV ミリポア社製)を用い
てろ過滅菌した。これを無菌的に2mLずつガラスバイ
アルに分注後密栓し、注射用溶液製剤とした。
【0102】(実施例14) 注射用凍結乾燥製剤の調
製 実施例9で得られた本発明のPGI2 産生刺激因子10
0mgを100mg/mLのヒト血清アルブミンを含有
する10mM PBS(pH7.4)100mLに溶解
し、ポアサイズ0.22μmのフィルター(マイレック
スGV ミリポア社製)を用いてろ過滅菌した。これを
無菌的に3mLずつガラスバイアルに分注し、凍結乾燥
後に密栓して、注射用凍結乾燥製剤とした。
【0103】
【参考例】
(参考例1)下記の方法で、培養上清を作製し、PGI
2 産生刺激因子の精製を行い、PGI2 産生刺激因子を
得た。なお、PGI2 産生刺激活性の測定は後述の方法
で行った。
【0104】(1) 正常ヒト二倍体線維芽細胞の培養
上清の作製 正常ヒト二倍体線維芽細胞を15%ウシ胎児血清含有ダ
ルベッコ改変イーグル培地にて4.8×104 細胞/m
Lに調製した。この細胞懸濁液3Lを回転培養容器に植
え込み、5%炭酸ガス−95%空気下、37℃にて培養
した。細胞植え込み3日後に培養液を新鮮な15%ウシ
胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地3Lに交換
し、さらに培養を2日間継続した。次いで、培養液を除
去し、Ca2+、Mg2+不含ダルベッコ−リン酸生理食塩
溶液を用いて細胞を洗浄した後、フェノールレッド不含
のダルベッコ改変イーグル培地3Lを添加し、37℃、
2日間培養した。培養液を回収後、2.5μmのフィル
ター(CNカートリッジ 30インチ、ミリポア社製)
にてろ過し細胞片を除去した。次いでホローファイバー
モジュール(モルセップファイバーFS−10 6kD
a カットオフ、ダイセル化学工業社製)、分画分子量
10kDaの限外ろ過カセット(オメガミニセット、富
士フィルター工業社製)による2段階の濃縮操作にて濃
縮した。この濃縮液を分画分子量3.5kDaの透析チ
ューブ(スペクトラム社製)を用いて、20mMトリス
−塩酸緩衝液(pH7.8)に対して4℃で1晩透析し
た。同じ組成の新たな緩衝液に対してさらに4℃で8時
間透析し、1.2μmフィルター(ディエフエイ アセ
ンブリ、日本ポール社製)、0.22μmフィルターシ
ステム(コーニング社製)で順次ろ過した。
【0105】(2) PGI2 産生刺激因子の精製 工程1 (1)に従って作製した正常ヒト二倍体線維芽細胞の培
養上清を、予め20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
8)で平衡化したDEAE−5PW(東ソー社製)陰イ
オン交換クロマトカラムにアプライして上清中の成分を
吸着させた。20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
8)をベースとして作製した0〜1.0Mの塩化ナトリ
ウムの直線濃度勾配溶出液にて吸着成分を溶出させ、2
80nmで各画分の吸光度を同時に測定した。溶出した
各画分のPGI2 産生刺激活性を後述の方法に従って測
定し、50〜150mMの塩化ナトリウム濃度の溶出液
で溶出されたPGI2 産生刺激活性を有する画分をプー
ルした(図4)。
【0106】工程2 工程1で得られた活性画分を10mMリン酸緩衝液(p
H7.4)に対して透析し、10mMリン酸緩衝液(p
H7.4)で平衡化したヘパリン(HEPARIN)−
5PW(東ソー社製)アフィニティーカラムに活性成分
を吸着させ、10mMリン酸緩衝液(pH7.4)をベ
ースとして塩化ナトリウムを添加した溶出液において0
〜1.0Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配をつけて溶
出させ、溶出プロファイルを280nmの吸光度で測定
した。溶出した各画分のPGI2産生刺激活性を測定
し、450〜500mMの塩化ナトリウム匂配濃度のと
きに溶出されたPGI2 産生刺激活性を有する画分をプ
−ルした(図5)。
【0107】工程3 工程2で得られた活性画分をセントリコン−10(アミ
コン社製)にて濃縮した。予め10mMリン酸緩衝液
(pH7.4)で平衡化したプロテイン−パック(PR
OTEIN−PAK)300(日本ミリポア リミテッ
ド ウォーターズクロマトグラフィー事業部)のカラム
2本を連結し、濃縮画分をゲルろ過し、吸光波長280
nmで溶出プロファイルを同時に測定した。溶出後の各
画分のPGI2 産生刺激活性を測定したところ、活性は
分子量30kDa付近に認められた(図6)。図6中の
数字は分子量(kDa)、Vtは充填剤の総体積、Vo
は排除体積を表す。
【0108】工程4 工程3で得られた活性画分を10mMリン酸緩衝液(p
H7.4)で平衡化したIGF−アフィニティーカラム
にかけた。IGF−アフィニティーカラムとしては、ア
フィプレップ10(日本バイオラッドラボラトリース社
製)に組換えIGF−Iをリガンドとして結合させた耐
圧カラムを作製し、本実験に用いた。活性成分を吸着さ
せた後、吸着成分を0.5M酢酸で溶出した。吸着画分
と非吸着画分のPGI2 産生刺激活性を測定したとこ
ろ、PGI2 産生刺激活性は、非吸着画分に認められ
た。
【0109】工程5 工程4で得られた活性画分を0.1%トリフルオロ酢酸
含有10%アセトニトリル水溶液で平衡化したC4 逆相
HPLCカラム(ウォーターズ社製)にかけた。カラム
に吸着した成分は0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニ
トリル溶液の10〜60%アセトニトリルの直線濃度勾
配溶出液にて溶出した。本発明のPGI2 産生刺激因子
は単一なピークとして溶出された。
【0110】(参考例2) 正常ヒト二倍体線維芽細胞
由来のPGI2 産生刺激因子の物性の測定 分子量の測定 参考例1の工程5で得られた本発明のPGI2 産生刺激
因子の分子量を、非還元条件下におけるドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)で求めたところ、分子量約33kDaに単一
のバンドとして認められた(図7)。図7はSDS−P
AGEの泳動後の参考写真の模式図であり、参考写真を
添付する。図7中、ラインAおよびCは既知分子量を持
つ標準試料のバンドであり、ラインBは本発明のPGI
2 産生刺激因子のバンドである。また、数字は標準試料
の分子量(kDa)を表す。
【0111】アミノ酸配列の解析 参考例1の工程5で得られた本発明のPGI2 産生刺激
因子を、トリプシンで消化して、ペプチドフラグメント
とした。これらのフラグメントを各々0.1%トリフル
オロ酢酸水溶液で平衡化したC8 逆相HPLCカラム
(セパレーションズグループ社製)にかけ、0.08%
トリフルオロ酢酸/アセトニトリル溶液の0〜100%
アセトニトリルの直線濃度勾配溶出液にて溶出させた。
自動気相シークエンサー(アプライドバイオシステムズ
477A−120A)を用い、エドマン分解により各々
のペプチドフラグメントのアミノ酸配列を決定した。
【0112】次いで、本発明のPGI2 産生刺激因子を
還元カルボキシメチル化し、C8 逆相HPLCカラム
(日本ウォーターズ社製)で脱塩した。次いでエンドプ
ロテイナーゼGlu−C(プロテアーゼV8)で消化し
てペプチドフラグメントとした。これらのフラグメント
を上記の方法と同様に処理し、各々のペプチドフラグメ
ントのアミノ酸配列を決定した。
【0113】得られたアミノ酸配列を下記式[7]およ
び[15]〜[25](配列表の配列番号8および19
〜29)に示す。 式[7] Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly 1 5 10 15 Glu Gly Ala Glu Leu 20 式[15] Ser Xaa Xaa Asp Thr Xaa Gly Pro 1 5 8 式[16] Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys Val Lys 1 5 10 15 Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu 20 25 式[17] Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly 1 5 10 15 Gly Pro Glu 式[18] Cys His Ala Ser Asn Ser Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys 1 5 10 15 Ile Thr Val Val 19 式[19] Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys 1 5 式[20] Gly His Tyr Gly Val Gln Arg 1 5 式[21] Thr Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr 1 5 10 15 Arg 16 式[22] Gly Ala Glu Leu 1 4 式[23] Lys Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Xaa Glu 1 5 10 12 式[24] Xaa Glu Pro Xaa Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Xaa Ala 1 5 10 15 Pro Gly 17 式[25] Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro Xaa Lys Asp Ile 1 5 10 12
【0114】(参考例3) PGI2 産生刺激活性の測
定 血管内皮細胞はウシ胸部大動脈内膜より剥離法にて採取
した。次いで得られた血管内皮細胞を10%ウシ胎児血
清を含む100U/mLペニシリンおよび100μg/
mLストレプトマイシン含有ダルベッコ改変イーグル培
地中、5%炭酸ガス−95%空気下、37℃にて継代培
養した。培地は週2回交換し、5〜10代継代した。血
管内皮細胞を0.05%トリプシン処理し、細胞浮遊液
を得た。
【0115】次いで、10%ウシ胎児血清含有ダルベッ
コ改変イーグル培地1mLの入った24穴培養皿に血管
内皮細胞を移し、5×104 細胞/穴まで培養した。1
0%以下の各種の測定試料を含むダルベッコ改変イーグ
ル培地500μLを添加し、37℃で60分間インキュ
ベーションした。
【0116】培養上清からの6−ケト−PGF1αの抽
出と精製はジャッフェらの方法[ザジャーナル オブ
クリニカル インベスティゲーション(J.Clin.
Invest.)、52巻、398頁、1973年]を
改良して行った。培養上清1mLに0.1N塩酸1.5
mLを加え、5mL酢酸エチルで2度抽出した。窒素ガ
ス下で酢酸エチルを蒸発させ、残渣をエタノールに再溶
解しアッセイ試料とした。アッセイに使用するまでこの
試料は−20℃で保存した。40℃でエタノールを蒸発
させ、残渣を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2、1M
塩化ナトリウム、1%ゼラチン含有)に溶解した。
【0117】6−[ 3H]ケト−PGF1αと抗6−ケ
ト−PGF1α抗体を用いたニューイングランドヌクレ
アー(New England Nuclear)社製
の6−ケト−PGF1α測定用ラジオイムノアッセイキ
ットを用い、添付マニュアルに従い6−ケト−PGF1
αの濃度を測定した。PGI2 産生量は、104 細胞が
1時間当たりに産生する6−ケト−PGF1α産生量
(pg/104 細胞/時間)により求めた。
【0118】
【発明の効果】本発明は新規なDNAを提供する。この
DNAは、それを用いて、それがコードする新規な蛋白
質を遺伝子工学的手法により発現させることができ、こ
の新規な蛋白質はPGI2 の産生を促進し、PGI2
持つ血小板凝集抑制作用、平滑筋弛緩作用、胃酸分泌抑
制作用に基づいて溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減
少性紫斑病、末梢動脈閉塞、心虚血、脳虚血、動脈硬
化、脳閉塞、高脂血症、糖尿病、心不全、狭心症、虚血
性心疾患、うっ血性心疾患、脈絡膜循環障害、気管支疾
患、胃潰瘍、妊娠子癇等の疾患に対する有効な医薬品と
なる。
【0119】
【配列表】
配列番号 :1 配列の長さ:282 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln Val Tyr Leu Ser 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Ser Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0120】配列番号 :2 配列の長さ:282 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Glu Arg Pro Ser Leu Arg Ala Leu Leu Leu Gly Ala Ala Gly -25 -20 -15 Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro Leu Ser Ser Ser Ser Ser Ser Asp -10 -5 1 Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro Pro Leu Pro Pro 5 10 15 Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala Cys Gly Cys Cys 20 25 30 Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys Gly Gly Gly Gly 35 40 45 Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu Cys Val Lys Ser 50 55 60 Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala Ala Gly Gly Pro 65 70 75 Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg Tyr Pro Val Cys 80 85 90 Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys Gln Leu Arg Ala 95 100 105 Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys Ala Ile Thr Gln 110 115 120 Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro 125 130 135 140 145 150 Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys 155 160 165 Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro 170 175 180 Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu 185 190 195 Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys 200 205 210 Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Phe Gln Gly 215 220 225 Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His 230 235 240 Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 245 250 255 256
【0121】配列番号 :3 配列の長さ:1124 配列の型 :核酸 鎖の数 :二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:23..868 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:23..100 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:101..868 特徴を決定した方法:S 配列 GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTC 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0122】配列番号 :4 配列の長さ:1124 配列の型 :核酸 鎖の数 :二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:23..868 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:23..100 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:101..868 特徴を決定した方法:S 配列 GCCGCTGCCA CCGCACCCCG CCATGGAGCG GCCGTCGCTG CGCGCCCTGC TCCTCGGCGC 60 CGCTGGGCTG CTGCTCCTGC TCCTGCCCCT CTCCTCTTCC TCCTCTTCGG ACACCTGCGG 120 CCCCTGCGAG CCGGCCTCCT GCCCGCCCCT GCCCCCGCTG GGCTGCCTGC TGGGCGAGAC 180 CCGCGACGCG TGCGGCTGCT GCCCTATGTG CGCCCGCGGC GAGGGCGAGC CGTGCGGGGG 240 TGGCGGCGCC GGCAGGGGGT ACTGCGCGCC GGGCATGGAG TGCGTGAAGA GCCGCAAGAG 300 GCGGAAGGGT AAAGCCGGGG CAGCAGCCGG CGGTCCGGGT GTAAGCGGCG TGTGCGTGTG 360 CAAGAGCCGC TACCCGGTGT GCGGCAGCGA CGGCACCACC TACCCGAGCG GCTGCCAGCT 420 GCGCGCCGCC AGCCAGAGGG CCGAGAGCCG CGGGGAGAAG GCCATCACCC AGGTCAGCAA 480 GGGCACCTGC GAGCAAGGTC CTTCCATAGT GACGCCCCCC AAGGACATCT GGAATGTCAC 540 TGGTGCCCAG GTGTACTTGA GCTGTGAGGT CATCGGAATC CCGACACCTG TCCTCATCTG 600 GAACAAGGTA AAAAGGGGTC ACTATGGAGT TCAAAGGACA GAACTCCTGC CTGGTGACCG 660 GGACAACCTG GCCATTCAGA CCCGGGGTGG CCCAGAAAAG CATGAAGTAA CTGGCTGGGT 720 GCTGGTATCT CCTCTAAGTA AGGAAGATGC TGGAGAATAT GAGTGCCATG CATCCAATTT 780 CCAAGGACAG GCTTCAGCAT CAGCAAAAAT TACAGTGGTT GATGCCTTAC ATGAAATACC 840 AGTGAAAAAA GGTGAAGGTG CCGAGCTATA AACCTCCAGA ATATTATTAG TCTGCATGGT 900 TAAAAGTAGT CATGGATAAC TACATTACCT GTTCTTGCCT AATAAGTTTC TTTTAATCCA 960 ATCCACTAAC ACTTTAGTTA TATTCACTGG TTTTACACAG AGAAATACAA AATAAAGATC 1020 ACACATCAAG ACTATCTACA AAAATTTATT ATATATTTAC AGAAGAAAAG CATGCATATC 1080 ATTAAACAAA TAAAATACTT TTTATCACAA AAAAAAAAAA AAAA 1124
【0123】配列番号 :5 配列の長さ:256 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Ser Ser Asp Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro 1 5 10 15 Pro Leu Pro Pro Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala 20 25 30 Cys Gly Cys Cys Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys 35 40 45 Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu 50 55 60 Cys Val Lys Ser Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala 65 70 75 Ala Gly Gly Pro Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg 80 85 90 Tyr Pro Val Cys Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys 95 100 105 Gln Leu Arg Ala Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys 110 115 120 Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser 125 130 135 Ile Val Thr Pro Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln 140 145 150 Val Tyr Leu Ser Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu 155 160 165 Ile Trp Asn Lys Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr 170 175 180 Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg 185 190 195 Gly Gly Pro Glu Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser 200 205 210 Pro Leu Ser Lys Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser 215 220 225 Asn Ser Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val 230 235 240 Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu 245 250 255 Leu 256
【0124】配列番号 :6 配列の長さ:256 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Phe Ser Ser Asp Thr Cys Gly Pro Cys Glu Pro Ala Ser Cys Pro 1 5 10 15 Pro Leu Pro Pro Leu Gly Cys Leu Leu Gly Glu Thr Arg Asp Ala 20 25 30 Cys Gly Cys Cys Pro Met Cys Ala Arg Gly Glu Gly Glu Pro Cys 35 40 45 Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Cys Ala Pro Gly Met Glu 50 55 60 Cys Val Lys Ser Arg Lys Arg Arg Lys Gly Lys Ala Gly Ala Ala 65 70 75 Ala Gly Gly Pro Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser Arg 80 85 90 Tyr Pro Val Cys Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly Cys 95 100 105 Gln Leu Arg Ala Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu Lys 110 115 120 Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro Ser 125 130 135 Ile Val Thr Pro Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala Gln 140 145 150 Val Tyr Leu Ser Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu 155 160 165 Ile Trp Asn Lys Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr 170 175 180 Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg 185 190 195 Gly Gly Pro Glu Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser 200 205 210 Pro Leu Ser Lys Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser 215 220 225 Asn Phe Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val 230 235 240 Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu 245 250 255 Leu 256
【0125】配列番号 :7 配列の長さ:557 配列の型 :核酸 鎖の数 :二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GGTCATCGGA ATCCCGACAC CTGTCCTCAT CTGGAACAAG GTAAAAAGGG GTCACTATGG 60 AGTTCAAAGG ACAGAACTCC TGCCTGGTGA CCGGGACAAC CTGGCCATTC AGACCCGGGG 120 TGGCCCAGAA AAGCATGAAG TAACTGGCTG GGTGCTGGTA TCTCCTCTAA GTAAGGAAGA 180 TGCTGGAGAA TATGAGTGCC ATGCATCCAA TTTCCAAGGA CAGGCTTCAG CATCAGCAAA 240 AATTACAGTG GTTGATGCCT TACATGAAAT ACCAGTGAAA AAAGGTGAAG GTGCCGAGCT 300 ATAAACCTCC AGAATATTAT TAGTCTGCAT GGTTAAAAGT AGTCATGGAT AACTACATTA 360 CCTGTTCTTG CCTAATAAGT TTCTTTTAAT CCAATCCACT AACACTTTAG TTATATTCAC 420 TGGTTTTACA CAGAGAAATA CAAAATAAAG ATCACACATC AAGACTATCT ACAAAAATTT 480 ATTATATATT TACAGAAGAA AAGCATGCAT ATCATTAAAC AAATAAAATA CTTTTTATCA 540 CAAAAAAAAA AAAAAAA 557
【0126】配列番号 :8 配列の長さ:20 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly 1 5 10 15 Glu Gly Ala Glu Leu 20
【0127】配列番号 :9 配列の長さ:20 配列の型 :核酸 鎖の数 :一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA
【0128】配列番号 :10 配列の長さ:20 配列の型 :核酸 鎖の数 :一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA
【0129】配列番号 :11 配列の長さ:59 配列の型 :核酸 鎖の数 :二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:PCR産物 配列 5'-ATTACGGTGG TTGATGCGTT ACATGAAATA CCAGTGAAAA 10 20 30 40 AAGGCGAAGG CGCCGAATT-3' 50 59
【0130】配列番号 :12 配列の長さ:20 配列の型 :核酸 鎖の数 :一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 5'-TTGATGCGTTACATGAAATA-3'
【0131】配列番号 :13 配列の長さ:20 配列の型 :核酸 鎖の数 :一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 5'-CCTTCGCCTTTTTTCACTGG-3'
【0132】配列番号 :14 配列の長さ:802 配列の型 :核酸 鎖の数 :二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 GCAGCCGGCG GTCCGGGTGT AAGCGGCGTG TGCGTGTGCA AGAGCCGCTA CCCGGTGTGC 60 GGCAGCGACG GCACCACCTA CCCGAGCGGC TGCCAGCTGC GCGCCGCCAG CCAGAGGGCC 120 GAGAGCCGCG GGGAGAAGGC CATCACCCAG GTCAGCAAGG GCACCTGCGA GCAAGGTCCT 180 TCCATAGTGA CGCCCCCCAA GGACATCTGG AATGTCACTG GTGCCCAGGT GTACTTGAGC 240 TGTGAGGTCA TCGGAATCCC GACACCTGTC CTCATCTGGA ACAAGGTAAA AAGGGGTCAC 300 TATGGAGTTC AAAGGACAGA ACTCCTGCCT GGTGACCGGG ACAACCTGGC CATTCAGACC 360 CGGGGTGGCC CAGAAAAGCA TGAAGTAACT GGCTGGGTGC TGGTATCTCC TCTAAGTAAG 420 GAAGATGCTG GAGAATATGA GTGCCATGCA TCCAATTCCC AAGGACAGGC TTCAGCATCA 480 GCAAAAATTA CAGTGGTTGA TGCCTTACAT GAAATACCAG TGAAAAAAGG TGAAGGTGCC 540 GAGCTATAAA CCTCCAGAAT ATTATTAGTC TGCATGGTTA AAAGTAGTCA TGGATAACTA 600 CATTACCTGT TCTTGCCTAA TAAGTTTCTT TTAATCCAAT CCACTAACAC TTTAGTTATA 660 TTCACTGGTT TTACACAGAG AAATACAAAA TAAAGATCAC ACATCAAGAC TATCTACAAA 720 AATTTATTAT ATATTTACAG AAGAAAAGCA TGCATATCAT TAAACAAATA AAATACTTTT 780 TATCACAAAA AAAAAAAAAA AA 802
【0133】配列番号 :15 配列の長さ:100 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys Val Lys 1 5 10 15 Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu Leu Leu Pro Gly Asp 20 25 30 Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly Gly Pro Glu Lys His 35 40 45 Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val Ser Pro Leu Ser Lys Glu Asp 50 55 60 Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala Ser Asn Phe Gln Gly Gln Ala 65 70 75 Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val Val Asp Ala Leu His Glu Ile 80 85 90 Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala Glu Leu 95 100
【0134】配列番号 :16 配列の長さ:182 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Gly Gly Pro Gly Val Ser Gly Val Cys Val Cys Lys Ser 1 5 10 15 Arg Tyr Pro Val Cys Gly Ser Asp Gly Thr Thr Tyr Pro Ser Gly 20 25 30 Cys Gln Leu Arg Ala Ala Ser Gln Arg Ala Glu Ser Arg Gly Glu 35 40 45 Lys Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Cys Glu Gln Gly Pro 50 55 60 Ser Ile Val Thr Pro Pro Lys Asp Ile Trp Asn Val Thr Gly Ala 65 70 75 Gln Val Tyr Leu Ser Cys Glu Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val 80 85 90 Leu Ile Trp Asn Lys Val Lys Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg 95 100 105 Thr Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr 110 115 120 Arg Gly Gly Pro Glu Lys His Glu Val Thr Gly Trp Val Leu Val 125 130 135 Ser Pro Leu Ser Lys Glu Asp Ala Gly Glu Tyr Glu Cys His Ala 140 145 150 Ser Asn Ser Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys Ile Thr Val 155 160 165 Val Asp Ala Leu His Glu Ile Pro Val Lys Lys Gly Glu Gly Ala 170 175 180 Glu Leu
【0135】配列番号 :17 配列の長さ:29 配列の型 :核酸 鎖の数 :一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 5'-CTGGTCGACGGATCCCGGGTACCAGCACA-3'
【0136】配列番号 :18 配列の長さ:29 配列の型 :核酸 鎖の数 :一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 (5'-CTGGTACCCGGGATCCGTCGACCAGCACA-3')
【0137】配列番号 :19 配列の長さ:8 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0138】配列番号 :20 配列の長さ:25 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Ile Gly Ile Pro Thr Pro Val Leu Ile Trp Asn Lys Val Lys 1 5 10 15 Arg Gly His Tyr Gly Val Gln Arg Thr Glu 20 25
【0139】配列番号 :21 配列の長さ:18 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr Arg Gly 1 5 10 15 Gly Pro Glu
【0140】配列番号 :22 配列の長さ:19 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys His Ala Ser Asn Ser Gln Gly Gln Ala Ser Ala Ser Ala Lys 1 5 10 15 Ile Thr Val Val 19
【0141】配列番号 :23 配列の長さ:7 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0142】配列番号 :24 配列の長さ:7 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0143】配列番号 :25 配列の長さ:16 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Glu Leu Leu Pro Gly Asp Arg Asp Asn Leu Ala Ile Gln Thr 1 5 10 15 Arg
【0144】配列番号 :26 配列の長さ:4 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0145】配列番号 :27 配列の長さ:12 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Ala Ile Thr Gln Val Ser Lys Gly Thr Xaa Glu 1 5 10
【0146】配列番号 :28 配列の長さ:17 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Xaa Glu Pro Xaa Gly Gly Gly Gly Ala Gly Arg Gly Tyr Xaa Ala 1 5 10 15 Pro Gly
【0147】配列番号 :29 配列の長さ:12 配列の型 :アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gln Gly Pro Ser Ile Val Thr Pro Xaa Lys Asp Ile 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】 COS発現ベクターpM953を説明する模
式図である。
【図2】 CHO発現ベクターpM954を説明する模
式図である。
【図3】 ゲル電気泳動の結果を示す図面代用写真であ
って、pM953/COS細胞培養上清精製サンプルの
SDS−PAGEの結果を示す図である。
【図4】 DEAE−5PW陰イオン交換クロマトグラ
フィーによる溶出パターンを示すグラフである。
【図5】 ヘパリン−5PWアフィニティークロマトグ
ラフィーによる溶出パターンを示すグラフである。
【図6】 プロテイン−パックゲルろ過カラムクロマト
グラフィーによる溶出パターンを示すグラフである。
【図7】 SDS−PAGEによる実験結果を示す模式
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/435 8318−4H C12N 5/10 C12P 21/02 C 9282−4B G01N 33/53 B //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表の配列番号1または2記載のアミノ
    酸配列をコードする塩基配列の一部または全部を含有す
    るDNA。
  2. 【請求項2】配列表の配列番号3または4記載の塩基配
    列の一部または全部を含有するDNA。
  3. 【請求項3】請求項1または2のいずれかに記載のDN
    Aと相補的な塩基配列を有するDNA。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載のDN
    Aを含有するベクター。
  5. 【請求項5】請求項1ないし3のいずれかに記載のDN
    Aを含有する形質転換体。
  6. 【請求項6】請求項4に記載のベクターで形質転換され
    た形質転換体。
  7. 【請求項7】宿主細胞が、COS細胞である請求項5記
    載の形質転換体。
  8. 【請求項8】宿主細胞が、CHO細胞である請求項5記
    載の形質転換体。
  9. 【請求項9】配列表の配列番号1または2記載のアミノ
    酸配列の一部または全部を含有する蛋白質。
  10. 【請求項10】前記アミノ酸配列の一部を含有する蛋白
    質が成熟蛋白質である請求項9記載の蛋白質。
  11. 【請求項11】血管内皮細胞に作用し、該細胞からのプ
    ロスタグランジンI2 (PGI2 )の産生を刺激する活
    性を有する請求項9または10に記載の蛋白質。
  12. 【請求項12】請求項5ないし8のいずれかに記載の形
    質転換体を培養することからなる請求項9ないし11の
    いずれかに記載の蛋白質の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項9ないし11のいずれかに記載の
    蛋白質の一部または全部を抗原として得られる抗体。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の抗体を用いる請求項
    9ないし11のいずれかに記載の蛋白質の免疫学的測定
    方法。
  15. 【請求項15】請求項9ないし11のいずれかに記載の
    蛋白質を有効成分として含有することを特徴とする、下
    記疾患のいずれか少なくとも1つの疾患に対する治療用
    医薬組成物。溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性
    紫斑病、末梢動脈閉塞、心虚血、脳虚血、動脈硬化、脳
    閉塞、高脂血症、糖尿病、心不全、狭心症、虚血性心疾
    患、うっ血性心疾患、脈絡膜循環障害、気管支疾患、胃
    潰瘍、妊娠子癇。
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